(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態による接続構造および什器について、
図1乃至
図9に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による什器は、ベッドやソファーなどに隣接して床面(設置面)11に設置されるテーブル1Aであり、本実施形態による接続構造は、テーブルA1の下側構造部2と上側構造部3との接続構造である。以下の説明における各部材等の向きや姿勢は、テーブル1Aが床面11に設置された際の向きや姿勢であるものとする。
【0022】
テーブル1Aは、上側から見た形状が一の水平方向に長い長尺形状に形成されている。この一の水平方向を幅方向とし、幅方向に直交する水平方向を奥行方向とする。テーブル1Aは、奥行方向から見て幅方向の一方側に開口する略C字形状に形成されている。
図1乃至
図3に示すように、テーブル1Aは、床面11に設置される下側構造部2と、下側構造部2の上側に配置され下側構造部2と接続される上側構造部3と、下側構造部2と上側構造部3とを連結する支柱部4と、を有している。
【0023】
図4に示すように、下側構造部2は、床面に配置される脚部21と、脚部21から上側に延びる第1立ち上がり部22と、を有している。
脚部21は、床面と平行に配置される平板状の底板部23と、底板部23の下面に取り付けられて床面と当接する複数の脚部材24,24…と、を有している。
底板部23は、板面が幅方向に延びる長尺であるとともに、幅方向の一方側に開口する略C字形状に形成されている。底板部23には、支柱部4の下側のネジ部41(
図1乃至
図3参照)がねじ込まれるネジ孔231が形成されている。
【0024】
脚部材24,24…は、それぞれ底板部23よりもやわらかい樹脂などの材質で形成されている。脚部材24,24…は、床面11と当接して底板部23と床面11の間に隙間を形成している。脚部材24,24…は、アジャスタ―などのテーブル1Aの高さを調整する高さ調整機能を有していてもよい。
【0025】
第1立ち上がり部22は、底板部23の幅方向の他方側の縁部から上方に向かって所定の曲率で湾曲する板状の第1湾曲板部25と、湾曲板部221の上縁部から上方に延びる平板状の第1側板部26と、第1側板部26に取り付けられた第1接続部材27と、を有している。本実施形態では、第1側板部26および第1接続部材27が、上側構造部3の上側接続部62と接続される下側接続部61を構成している。
第1立ち上がり部22および後述する第2立ち上がり部31の説明では、「外側」は幅方向の一方側に対する他方側を示し、「内側」は他方側に対する一方側を示している。
【0026】
第1湾曲板部25は、中心角が約85°となる略円弧板状に形成されている。
第1側板部26は、板面が略幅方向を向き、下側から上側に向かって漸次幅方向の一方側に向かって傾斜している。第1側板部26の底板部23に対する傾斜角は約85°となっている。第1側板部26は、板面が底辺の長さよりも上辺の長さが長い略台形状に形成されている。
底板部23、第1湾曲板部25および第1側板部26は、例えば、鉄、アルミニウム、あるいはステンレス鋼などの金属で一体に形成されている。
【0027】
第1接続部材27は、第1側板部26の外面(幅方向他方側の面)26aに沿って取り付けられている。第1側板部26の外面26aは、平坦に形成されている。
図4および
図5に示すように、第1接続部材27は、第1側板部26の外面26a(
図4参照)に沿って取り付けられる平板状の第1接続平板部271と、第1接続平板部271から突出する第1固定部272と、第1接続平板部271から突出する一対のフック部273,273と、を有している。
第1接続平板部271、第1固定部272および一対のフック部273,273は、鉄、アルミニウム、あるいはステンレス鋼などの金属で一体に形成されている。
【0028】
第1接続平板部271は、板面が略長方形となる平板状に形成されている。第1接続平板部271は、一方の面271aが第1側板部26の外面26aと当接する姿勢で、下縁部271bが第1側板部26の下縁部と略同じ高さとなる位置で第1側板部26の外面26aに取り付けられている。本実施形態では、第1接続平板部271は、複数のネジ271c,271c…(
図4参照)で第1側板部26に固定されている。第1接続平板部271にはそれぞれネジ271cが挿通され複数のネジ孔271d,271d…が形成されている。なお、第1側板部26への第1接続平板部271の固定は、ネジ固定以外によるものでもよい。
【0029】
第1固定部272は、第1接続平板部271の下縁部全体から外側に突出している。第1固定部272は、板面が略上下方向を向く平板状に形成されている。第1固定部272の板面は、上下方向から見て奥行方向に長い略長方形状に形成されている。第1固定部272には、上下方向に貫通するネジ孔272aが奥行方向に間隔をあけて3つ形成されている。第1固定部272の上面は、上側接続部62の第2固定部362の第2固定面632bと対向する第1固定面272bを構成している。
【0030】
一対のフック部273,273は、第1接続平板部271の奥行方向の両端部それぞれにおける上端部近傍から外側に突出している。一対のフック部273,273は、それぞれ板面が奥行方向を向く平板状に形成されている。一対のフック部273,273は、それぞれ第1接続平板部271から外側に延びる下側片273aと、下側片273aの先端部分(外側の部分)から上側に延びる上側片273bと、を有している。下側片273aおよび上側片273bは、それぞれ平板状に形成され板面が奥行方向を向く鉛直面となるように配置されている。一対のフック部273,273は、奥行方向から見て略L字形となっている。
上側片273bは、第1接続平板部271の上縁部271eよりも上側に突出している。
【0031】
図4に示すように、第1接続部材27は、第1接続平板部271が第1側板部26の外面26aに取り付けられると、一対のフック部273,273および第1固定部272が第1側板部26の外面26aよりも外側に突出した状態となっている。第1固定部272は、下側接続部61の下縁部近傍に配置されている。
第1接続部材27は、下側構造部2を製作する際に、第1側板部26に取り付けられている。
脚部21、第1湾曲板部25および下側接続部61(第1側板部26および第1接続部材27)を合せた形状は、奥行き方向から見てL字形となっている。
【0032】
図1および
図6に示すように、上側構造部3は、第1立ち上がり部22(
図1参照)に接続されて第1立ち上がり部22よりも上側に延びる第2立ち上がり部31と、第2立ち上がり部31の上端部に接続された天板部32と、を有している。
天板部32は、板面が水平面となり、幅方向に延びる長尺の板状に形成されている。天板部32は、幅方向の他方側の縁部が第2立ち上がり部31の上端部と接続されている。天板部32の上面は、使用者が作業したり物を置いたりできるように構成されている。
天板部32には、支柱部4の上側のネジ部41(
図1乃至
図3参照)がねじ込まれるネジ孔321が形成されている。
【0033】
第2立ち上がり部31は、天板部32の幅方向の他方側の縁部から下方に向かって所定の曲率で湾曲する板状の第2湾曲板部34と、第2湾曲板部34の下縁部から下方に延びる平板状の連続部39と、連続部39の下縁部から更に下方に延びる平板状の第2側板部35と、第2側板部35に取り付けられた第2接続部材36と、を有している。
本実施形態では、第2側板部35および第2接続部材36が、下側構造部2の下側接続部61と接続される上側接続部62を構成している。
天板部32、第2湾曲板部34、および第2側板部35は、例えば、単板、積層板、あるいは集成材などの木質材料などで一体に形成されている。
【0034】
第2湾曲板部34は、中心角が約95°となる円弧板状に形成されている。
第2側板部35は、板面が略幅方向を向き、第1側板部26と平行となるように下側から上側に向かって漸次幅方向の一方側に向かって傾斜している。第2側板部35の天板部32に対する傾斜角は約95°となっている。第2側板部35は、板面が傾斜する方向に長い略長方形状に形成されている。
図6および
図7に示すように、第2側板部35には、第2接続部材36(
図6参照)が配置される第1切欠き部351および第2切欠き部352と、第1接続部材27の一対のフック部273,273(
図4参照)が配置される一対のフック用凹部353,353が形成されている。
【0035】
第1切欠き部351は、第2側板部35の下縁部近傍における奥行方向の中間部分(奥行方向の両端部近傍を除いた部分)の全体に形成され、下側および幅方向の一方側に開口している。第2側板部35には、第1切欠き部351の直上に配置され下側を向く第1切欠き部上側面354が形成されている。
第2切欠き部352は、第2側板部35における第1切欠き部351の上側の所定の範囲に内側に開口するように形成されている。第2切欠き部352は、第1切欠き部351よりも幅方向の他方側への切欠き深さが小さく設定されている。
第1切欠き部351の内部と第2切欠き部352の内部とは上下方向に連通している。
【0036】
一対のフック用凹部353,353は、第2側板部35における第2切欠き部352が形成された部分に形成されている。一対のフック用凹部353,353は、第2切欠き部352の幅方向の他方側に重なって配置されている。一対のフック用凹部353,353は、それぞれ幅方向から見て上下方向に長い丸孔状に形成され、幅方向の一方側に開口している。一対のフック用凹部353,353は、第2側板部35における第2切欠き部352が形成された部分の上縁部近傍に奥行方向に間隔をあけて配置されている。
【0037】
図6に示すように、第2接続部材36は、第2側板部35の第1切欠き部351および第2切欠き部352に配置された状態で第2側板部35に取り付けられている。
図6および
図8に示すように、第2接続部材36は、第2切欠き部352(
図6参照)に配置されて第2側板部35に取り付けられる第2接続平板部361と、第2接続平板部361の下縁部から幅方向の一方側に突出し第1切欠き部351(
図6参照)に配置される第2固定部362と、を有している。
第2接続平板部361と、第2固定部362とは、鉄、アルミニウム、あるいはステンレス鋼などの金属で一体に形成されている。
【0038】
第2接続平板部361は、板面が略C字形となる平板状に形成されている。第2接続平板部361は、板面が幅方向を向き、板面の略C字形が下側に開口する姿勢で第2側板部35の第2切欠き部352に配置されている。
第2接続平板部361は、上部側に配置され奥行方向に延びる上板部361aと、上板部361aの奥行方向両側の縁部近傍からそれぞれ下側に延びる一対の縦板部361b,361bと、を有している。
【0039】
一対の縦板部361b,361bは、互いに奥行方向に離間していて、これらの間隔の寸法は、
図2に示す下側構造部2の第1接続平板部271の奥行方向の寸法よりやや大きくなるように設定されている。
本実施形態では、第2接続平板部361は、複数のネジ361c,361c…(
図6参照)で第2側板部35に固定されている。第2接続平板部361にはそれぞれネジ361cが挿通され複数のネジ孔361d,361d…が形成されている。なお、第2側板部35への第2接続平板部361の固定は、ネジ固定以外によるものでもよい。
【0040】
第2固定部362は、板面が長尺の略長方形となる平板状に形成されている。第2固定部362は、板面が高さ方向を向き、奥行方向に延びる姿勢で第1切欠き部351に配置されている。
図8に示すように、第2固定部362は、奥行方向(延びる方向)の一方の端部近傍が、第2接続平板部361の一対の縦板部361b,361bの一方の縦板部361bの下縁部と連続し、他方の端部近傍が他方の縦板部361bの下縁部と連続している。
第2固定部362における奥行方向の中間部分(一対の縦板部361b,361bと接続されていない部分)362bは、幅方向の一方側の端面362cが、第2接続平板部361の幅方向の他方側の面361eと同一面上、または、第2接続平板部361の幅方向の他方側の面361eよりも幅方向の他方側に配置されている。
第2固定部362には、上下方向に貫通するネジ孔362aが奥行方向に間隔をあけて3つ形成されている。
第2固定部362の下面は、下側接続部61の第1固定部272の第1固定面272bと対向する第2固定面362dを構成している。
【0041】
図6に示すように、第2接続部材36が第1切欠き部351および第2切欠き部352に配置されると、第2接続平板部361の上縁部が第1切欠き部351の上縁部の下側に配置され、第2接続平板部361の奥行方向の両縁部が第1切欠き部351の両縁部の内側に配置され、第2接続平板部361の下縁部および第2固定部362が第2切欠き部352の下縁部よりもやや上側に配置される。第2固定部362は、上側接続部62の下縁部近傍に配置されている。
【0042】
第2接続平板部361の上板部361aは、一対のフック用凹部353,353の上部側の内側に重なり、一対のフック用凹部353,353の上部側を内側から覆うように配置される。フック用凹部353と上板部361aにおけるフック用凹部353の上部側を覆う部分361fとを合せてフック係止部37とする。上側接続部62は、一対のフック係止部37,37を有している。
一対のフック用凹部353,353のそれぞれの開口縁部と上板部361aの下縁部とに囲まれた開口部をフック用開口部371,371とする。一対のフック用凹部353,353それぞれの上部側で、上板部361aに覆われた部分を、上側片挿入凹部372とする。一対の上側片挿入凹部372,372は、それぞれ下側に開口している。
【0043】
第2固定部362は、第2側板部35に形成され第1切欠き部351の直上に配置され下側を向く第1切欠き部上側面354と上下方向に離間している。
第2接続部材36は、上側構造部3を製作する際に、第2側板部35に取り付けられている。
【0044】
図1および
図9に示すように、第2接続平板部361の上板部361a、および一対の縦板部361b,361bに囲まれた空間361gは、幅方向の一方側から第1接続部材27の第1接続平板部271を嵌め込むことが可能な形状に設定されている。この空間361gに第1接続平板部271を嵌め込む場合は、
図9に示すように、第1接続部材27の一対のフック部273,273それぞれの上側片273bを上板部361aの幅方向の他方側に配置する。一対のフック部273,273を上板部361aの幅方向の他方側に配置する方法については後述する。
この空間361gに第1接続平板部271が嵌め込まれると、第1接続部材27の第1固定部272は、第2接続部材36の第2固定部362の下側に重なり、第1固定部272の第1固定面272bと第2固定部362の第2固定面362dとが上下方向に対向して当接する。このとき、第1固定部272の3つのネジ孔272a,272a,272aが、第2固定部362の3つのネジ孔362a,362a,362aとそれぞれ上下方向に重なるように配置される。
【0045】
上記のような、下側構造部2と上側構造部3とは、以下のようにして接続される。
まず、下側構造部2の下側接続部61の幅方向の他方側に上側構造部3の上側接続部62を対向させる。
下側接続部61の一対のフック部273,273それぞれの上側片273bを、上側接続部62の一対のフック係止部37,37それぞれのフック用凹部353に、フック用開口部371から挿入する。このとき、下側接続部61を上側が下側よりも幅方向の他方側に配置されるように傾斜させて、フック部273の上側片273bを幅方向の一方側から他方側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に滑らすようにしてフック用開口部371からフック用凹部353に挿入する。フック部273の上側片273bがフック用凹部353に挿入されたら、下側接続部61の姿勢を戻して、フック部273の上側片273bをフック用凹部353の上部側の上側片挿入凹部372に配置するとともに、フック部273の下側片273aもフック用凹部353の下部側に挿入する。
これにより、フック部273がフック係止部37に係止され、フック部273およびフック係止部37によって、第1立ち上がり部22と第2立ち上がり部31とが幅方向に離間しないように規制される。
【0046】
フック部273がフック係止部37に係止されると、下側接続部61の第1接続平板部271が、上側接続部62の第2接続平板部361の上板部361a、および一対の縦板部361b,361bに囲まれた空間361g配置されるとともに、下側接続部61の第1固定部272が上側接続部62の第2固定部362の下側に重なって配置され、第1固定部272の第1固定面272bと第2固定部362の第2固定面362dとが上下方向に対向して当接する。
第1固定部272と第2固定部362とが重なって配置されたら、第1固定部272のネジ孔272aおよび第2固定部362のネジ孔362aにネジ275を螺合させて第1固定部272と第2固定部362とを固定する。
【0047】
このようにして、下側接続部61と上側接続部62とが固定され、上側構造部3と下側構造部2とが接続される。上側構造部3と下側構造部2とが接続されると、下側接続部61の第1側板部26の幅方向の他方側の面と上側接続部62の幅方向の一方側の面とが当接している。
上側構造部3と下側構造部2とが接続されると、上側構造部3の第1側板部26の内側の面26bと、下側構造部2の連続部39の内側の面39aとが同一平面状になく、第1側板部26と第2側板部35との接続部分に段差が形成されている。
【0048】
図1乃至
図3に戻り、支柱部4は、上下方向に延びる棒状に形成され、上端部近傍および下端部近傍それぞれの外周面にネジ山が形成されたネジ部41,41が形成されている。支持部材は、例えば、金属、木、樹脂などで形成されている。
支柱部4は、下側のネジ部41が底板部23に形成されたネジ孔231に上側からねじ込まれ、上側のネジ部41が天板部32に形成されたネジ孔321に下側からねじ込まれることで底板部23と天板部32とを連結している。
【0049】
次に、上述した下側構造部2と上側構造部3との接続構造およびテーブル(什器)1Aの作用・効果について説明する。
本実施形態によるテーブル1Aでは、第1固定部272が第2固定部362に固定されるとともに、フック部273,273がフック係止部37,37に係止されることによって、下側接続部61と上側接続部62とが接続されて、下側構造部2と上側構造部3とを接続することができる。
フック部273,273およびフック係止部37,37は、下側接続部61と上側接続部62とが重なる位置に配置されているため、外部への露出を抑えることができる。また、第1固定部272が第2固定部362に下側から固定されるため、第1固定部272や第2固定部362の上方や側方への露出を抑えることができる。これらのことにより、接続される下側構造部2と上側構造部3との接続部分の露出を抑えて意匠性を向上させることができる。
【0050】
また、脚部21、第1湾曲板部25および下側接続部61(第1側板部26および第1接続部材27)を合せた形状は、奥行き方向から見てL字形となっていて、下側接続部61の外側に重なるように上側接続部62が接続されている。これにより、下側接続部61の下縁部近傍に設けられた第1固定部272および上側接続部62の下縁部近傍に設けられた第2固定部362の下側に脚部21が配置されないことになる。このため、第1固定部を第2固定部362に下側から固定する際に、ネジ275やネジを回すドライバーなどが脚部21と干渉することがなく、作業を行いやすい。
【0051】
また、一対のフック部273,273それぞれの上側片273bがフック係止部37の上側片挿入凹部372に下側から挿入されることにより、一対のフック部273,273それぞれがフック係止部37から外れることを防止することができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図10に示すように、第2実施形態による什器は、C字形状のテーブル1Bで、
図1に示す第1実施形態によるテーブル1Aと比べて、下側構造部2Bの下側接続部61Bが、上側まで延びていて、上側構造部3Bの上側接続部62Bとの重なる部分が上下方向に大きく設定されている。
【0053】
上側構造部3Bにおける下側接続部61Bと重なる部分には、電源や通信に使用される配線51を挿通可能な溝状の配線挿通部38が形成されている。配線挿通部38は、上下方向に延び、下端部から配線を外部に引きすように構成されている。具体的には、配線挿通部38は、上下方向に延びて内側に開口する溝部で、第2側板部35Bにおける第2切欠き部352が形成された部分に形成されている。第2実施形態では、第1実施形態と比べて第2切欠き部352Bが上下方向に大きく形成されている。これに伴い、第2接続部材36および第1接続部材27も上下方向に大きく形成されている。
配線挿通部38は、下側構造部2Bと上側構造部3Bとが接続されて下側接続部61Bと上側接続部62Bとが幅方向に重なると、下側接続部61Bに覆われるように構成されている。
第1接続部材27の第1固定部272および第2接続部材36の第2固定部362のそれぞれには、配線挿通部38とこれらの下側の空間とを連通させるとともに、配線51を挿通可能な孔部が形成されている。これらの孔部を介して下側の空間から配線挿通部38に配線51が引き込まれるように構成されている。
【0054】
下側接続部61Bの第1側板部26Bには、配線挿通部38に挿通された配線51に接続されたコンセント52が挿通されるコンセント用孔部28が形成されている。第1側板部26Bは、コンセント52がコンセント用孔部28に挿通された状態となることでコンセント52を支持している。
【0055】
第2実施形態によるテーブル1Bでは、配線51を挿通可能な配線挿通部38が形成されていることにより、配線51の露出を抑えることができ、テーブル1Bの意匠性を向上させることができる。
第2実施形態によるテーブル1Bでは、コンセントを支持する52コンセント用孔部28が形成され、下側接続部61Bにコンセント52が設けられることにより、テーブル1Bおよびテーブル1Bの近傍で使用する機器類に容易に配線することができる。このため、テーブル1Bの使用性を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明による接続構造および什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1固定部272と第2固定部362とは、ネジで固定されているが、ネジ以外の固定具や接着などによって固定されていてもよい。
また、第1固定部272は、第1立ち上がり部22の下縁部近傍に設けられ、第2固定部362は、第2立ち上がり部31の下縁部近傍に設けられているが、第1固定部272の第1立ち上がり部22に対して取り付けられる位置や、第2固定部362の第2立ち上がり部31に対して取り付けられる位置は、適宜設定されてよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、フック部273は、第1接続平板部271から幅方向の他方側(外側)に突出し、さらに上側に突出する形状であるが、形状は適宜設定されてよい。例えば、フック部273は、第1接続平板部271から幅方向の他方側に突出し、さらに下側や奥行き方向に突出する形状であってもよい。また、フック部273の数や設置される位置は適宜設定されてよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、下側接続部61は、第1固定部272およびフック部273が形成された第1接続部材27が第1側板部26に取り付けられた構成であるが、第1側板部26に第1固定部およびフック部が取り付けられたり、一体に形成されたりした構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、上側接続部62は、第2固定部362が形成された第2接続部材36がフック用凹部353が形成された第2側板部35に取り付けられてフック係止部37が形成された構成であるが、第2側板部35に第2固定部およびフック係止部が取り付けられたり、一体に形成されたりした構成であってもよい。
【0059】
また、上記の実施形態では、下側接続部61が第1固定部272を有し、上側接続部62が第2固定部362を有する構成であるが、下側接続部61が第2固定部362を有し、上側接続部62が第1固定部272を有する構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、下側接続部61がフック部273を有し、上側接続部62がフック係止部37を有する構成であるが、下側接続部61がフック係止部37を有し、上側接続部62がフック部273を有する構成であってもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、第1立ち上がり部22に下側接続部61が設けられているが、脚部21の側面に下側接続部61が設けられていてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、上側構造部3と下側構造部2とが接続されると、上側構造部3の第1側板部26の内側の面26bと、下側構造部2の連続部39の内側の面39aとが同一平面状になく、第1側板部26と第2側板部35との接続部分に段差が形成されている。これに対し、
図11に示すテーブル1Cように、下側構造部2Cの第1側板部26Cの内側の面と、上側構造部3Cの連続部39の内側の面39aとが面一となるように、連続部39の内側の面39aが第2側板部35Cの内側の面35aよりも内側に突出していてもよい。
【0062】
また、第2実施形態では、配線挿通部38に配線51が挿通され、下側接続部61Bに配線51に接続されたコンセント52が取り付けられているが、コンセント52が下側接続部61Bに取り付けられておらず、配線挿通部38に使用者が適宜配線を挿通可能に構成されていてもよい。
また、上側接続部62Bにコンセント用孔部が設けられて、上側接続部62Bにコンセントが取り付けられていてもよい。
【0063】
また、上記の実施形態では、什器が天板部32を有するテーブル1A,1Bであるが、例えば、
図12に示すように、上側構造部3Dに天板部が設けられておらず、第2立ち上がり部31Dに情報を表示可能な情報表示部6が設けられた看板1Dであってもよい。什器が看板1Dの場合は、下側構造部2Dの第1立ち上がり部22Dおよび上側構造部3Dの第2立ち上がり部31Dが略鉛直に設けられていてもよい。なお、下側接続部および上側接続部の設置面に対する傾斜角は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、テーブル1A,1Bは、脚部21と天板部32とを接続する支柱部4が設けられているが、支柱部4が設けられていない形態でもよい。