(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6855476
(24)【登録日】2021年3月19日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】組織分類の方法、コンピュータプログラム、及び磁気共鳴イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
A61B5/055 380
A61B5/055 390
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-521573(P2018-521573)
(86)(22)【出願日】2016年10月17日
(65)【公表番号】特表2018-535746(P2018-535746A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】EP2016074841
(87)【国際公開番号】WO2017076618
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年10月10日
(31)【優先権主張番号】15192594.8
(32)【優先日】2015年11月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ワイス ステフェン
(72)【発明者】
【氏名】カッチャー ウルリッチ
(72)【発明者】
【氏名】ステニング クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘレ マイケル グンター
【審査官】
相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0286649(US,A1)
【文献】
特表2014−523310(JP,A)
【文献】
特開2013−223723(JP,A)
【文献】
特開2005−197792(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0336564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域及び第2の領域を有する磁気共鳴画像内の関心領域における組織分類の方法であって、
前記第1及び前記第2の領域の表現を有する第1の磁気共鳴画像を取得するステップと、
空気領域に形状変化を誘起する、又は空気領域に形状変化が生じるのを待つ、ステップと、
前記第1及び前記第2の領域の表現を有する第2の磁気共鳴画像を取得するステップであって、
前記第1の領域は、前記第1の磁気共鳴画像の取得中と比較して、前記第2の磁気共鳴画像の取得中は異なる形状を有する、ステップと、
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像において前記第1の領域及び前記第2の領域を識別するステップと、
前記第1の領域及び前記第2の領域の前記表現に関して前記第1の磁気共鳴画像と前記第2の磁気共鳴画像とを比較するステップと、
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の間の形状差の存在に基づいて、前記第1の領域を、空気を表現する領域として分類し、
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の間の形状差の不存在に基づいて、前記第2の領域を、骨として分類するステップと、を有する方法。
【請求項2】
前記第1の領域の前記形状差が、予め決められたタイプの第3の組織の形状変化によって引き起こされ、
前記第3の組織は、前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の一方又は両方に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の磁気共鳴画像の取得と前記第2の磁気共鳴画像の取得との間に、前記第3の組織の形状変化を誘起するステップを更に有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記組織分類を使用して、前記関心領域の疑似CT画像及び/又は減衰マップ及び又はデジタル再構成されたラジオグラフを生成するステップを更に有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像は、被検体の頭部/頸部領域の画像であり、前記形状差は、粘膜の厚さの変化によってもたらされる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第1の領域及び第2の領域の表現を有する磁気共鳴(MR)画像内の関心領域における組織分類の方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムであって、前記第1の領域は空気を表し、前記第2の領域は骨を表し、
前記方法が、
前記関心領域から取得されるMRデータに基づいて前記第1及び第2の領域の表現を有する第1の磁気共鳴画像を受け取るステップと、
前記関心領域から取得されるMRデータに基づいて前記第1及び第2の領域の表現を有する第2の磁気共鳴画像を受け取るステップであって、前記第1の磁気共鳴画像における前記第1の領域の表現の形状が、前記第2の磁気共鳴画像と異なり、前記形状の差が、前記第1の磁気共鳴画像の取得と前記第2の磁気共鳴画像の取得との間の前記第1の領域の変化によってもたらされる、ステップと、
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像内の前記第1の領域及び前記第2の領域を識別するステップと、
前記第1の領域及び前記第2の領域の表現に関して前記第1の磁気共鳴画像と前記第2の磁気共鳴画像とを比較するステップと、
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の間の前記形状の差の存在に基づいて、前記第1の領域を、空気を表す領域として分類し、前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の間の形状の差の不存在に基づいて、前記第2の領域を、骨を表す領域として分類するステップと、
を有するコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像は、被検体の頭部/頸部領域の画像であり、前記形状の差が、前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像の間の粘膜の厚さの変化によってもたらされる、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記方法が、前記組織分類を使用して、前記関心領域の疑似CT画像及び/又は減衰マップ及び又はデジタル再構成されたラジオグラフを生成するステップを更に有する、請求項6又は7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記第1及び前記第2の磁気共鳴画像がT1w Dixon画像である、請求項6乃至8のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
関心領域からMRデータを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するプロセッサを有する磁気共鳴イメージングシステムであって、前記プロセッサが、請求項6乃至9のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成される、磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項11】
放射線治療デリバリシステムを更に有し、前記磁気共鳴イメージングシステムが、前記組織分類を使用して放射線治療計画を生成するように構成される、請求項10に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項12】
ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)システムを更に有し、前記磁気共鳴イメージングシステムが、前記組織分類を使用してPET画像の減衰補正を行うように構成される、請求項10に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI)の分野に関し、特に、MRIシステム及びMRIシステム用のコンピュータプログラムに関する。本発明は更に、磁気共鳴画像の画像処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
CT値(ハウンズフィールド値)は放射線の減衰に直接関連するので、放射線治療に用いられる減衰マップは、通常コンピュータトモグラフィスキャンから導き出される。更に、CT画像は、骨、軟組織、脂肪及び空気への組織分類を容易に提供する。しかしながら、それらは、被検体をイオン化放射線に曝し、従って、多くの場合において、磁気共鳴イメージング(MRI)が、腫瘍及びリスク器官を視覚化するためにすぐれている。しかしながら、減衰マップのMRベースのシミュレーションは、放射線減衰に依存する利用可能なMRコントラストのタイプがないので、困難である。どのMRコントラスト/画像タイプの組み合わせ及びどの画像処理アルゴリズムが、CT画像及び減衰マップのシミュレーションに最も適しているかというのが、今日の研究の対象である。この分野における機会及び課題の概要は、Nyholm, T and Jonsson J, Counterpoint: Opportunities and Challenges of a Magnetic Resonance Imaging -Only Radiotherapy WorkFlow, Seminars in Radiation Oncology, 2014, pages 175-179によって与えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に頭頚部領域におけるMRIのみに基づくRT計画の1つの主要な問題は、骨(特に皮質骨)と空気とを区別することであり、これらは両方ともMRIにおいて低強度である。
【0004】
米国特許出願第2011/0286649号公報は、2つのUTE画像に基づいて疑似CT画像を生成する方法を記述している。訓練されたクラシファイヤが、骨をセグメント化するために使用される。第1のUTE画像は、第2のUTE画像より低いTEによって取得される。従って、第1のUTE画像は、ぼやけていることがある。ぼやけた領域(ブラー領域)は、形態学的方法を通じてわずかに損なわれることがある。第1のUTE画像内の損なわれた頭部マスクは、第2のUTE画像内の損なわれた頭部マスクと比較されることができる。ブラー領域は、第2のUTE画像内のヘッドマスクがバックグラウンドとして規定する損なわれた第1のUTE画像の部分として規定されることができる。ブラー領域は、最終のヘッドマスクを生成するために、第1のUTE画像ヘッドマスクから除去されることができる。
【0005】
本発明の目的は、MRI画像の組織分類を改善することである。特に、本発明の目的は、MRI画像における骨及び空気の分類を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の見地によれば、この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。本発明の第2の見地によれば、この目的は、請求項6に記載のコンピュータプログラムによって達成される。本発明の第3の見地によれば、請求項7に記載のMRIシステムによって達成される。
【0007】
骨組織は、一般に形状を容易には変化させない硬い組織であり、他方で、体内の空洞は、より容易に形状を変えることができる。本願発明者の洞察は、この知識が、MRI画像において骨と空気とを区別するために利用されることができるということである。形状変化が空洞で生じる場合、形状のこの変化は、形状変化の前に取得される画像(第1の画像)及び形状変化の後に取得される画像(第2の画像)を比較することによって利用されることができる。形状変化に影響される低信号強度の領域は、空気として分類されることができ、形状変化に影響されない低信号強度の領域は、骨として分類されることができる。これによって、組織分類が改善されることができる。本願の全体にわたって、第1の領域は、空気を表現し、第2の領域は、骨を表現する。
【0008】
本発明の実施形態によれば、第1の領域の形状差は、第3の領域内の変化によってもたらされる。この第3の領域は、例えば粘膜であり得、この変化は、例えば頭頸部領域におけるこの粘膜の厚さであり得る。本発明の他の実施形態によれば、形状変化が誘起される。形状変化を能動的に誘起することは有利であり、なぜなら、このようにして形状変化をより良好に制御することができるからである。形状変化は、例えば、頭頸部イメージングの場合に、ヒスタミン、メタコリン又はフェノトラミンの投与によって誘起されることができる。ヒスタミン、メタコリン又はフェノトラミンの投与は、頭頸部領域に存在する粘膜の厚さに影響を及ぼす。粘膜は、空洞の方向おいてのみ厚くなり、それにより、第1及び第2の磁気共鳴画像を比較することによって、骨と空気とを区別することが可能になる。反対の状況が、組織分類のために更に使用されることができる。例えば、ある患者は、アレルギー性鼻炎に苦しんでいる。これらの患者において、粘膜の厚さは、抗ヒスタミン薬の投与によって、第1及び第2の磁気共鳴画像の間で減少する可能性がある。
【0009】
しかしながら、必ずしも形状変化が誘起される必要はない。形状変化は、時間の経過と共に生じることもある。この場合、形状の変化が生じるのを待つだけである。例えば、糞便が腸を通過すると、存在する空洞の形状に影響を及ぼすことができる。更に、呼吸が形状変化を誘起することができる。従って、形状の変化は、多くのさまざまなやり方で誘起されることができる。本発明は、この形状変化が画像処理及び組織分類のために利用されることができるという洞察に基づく。
【0010】
本発明の実施形態によれば、関心領域の疑似CT画像及び/又は減衰マップ及び/又はデジタル再構成されたラジオグラフ(DRR)ふが、組織分類に基づいて生成されることができる。これは、疑似CT画像及び/又は減衰マップ及び/又はDRRは、放射線治療計画を生成するために放射線治療デリバリシステムを有するMRIシステムによって使用されることができるので、有利である。更に、疑似CT画像及び/又は減衰マップ及び/又はDRRは、PETシステムを有するMRIシステムによって、PET画像を補正するための減衰マップを生成するために使用されることができる。
【0011】
本発明における方法ステップは、コンピュータプログラムのプログラムコード手段において実現されることができる。このコンピュータプログラムは、磁気共鳴画像内の組織分類のために構成されるスタンドアロンプログラムであり得る。更に、コンピュータプログラムは、MRIシステムに組み込まれることができる。MRIシステムは、第1及び第2の磁気共鳴画像を取得し、空気は経時的に形状を変えることができ、骨は経時的に形状を変えないという情報を利用することによって組織分類を実施するように構成されることができる。これは特に、MRIシステムが放射線治療デリバリシステム又はPETシステムと組み合わせられる場合、有利であり、なぜなら、これらの場合、組織分類は、放射線治療デリバリシステムによって使用される(オンライン)放射線治療計画計算又はPETシステムによって使用される減衰補正において使用されることができるからである。
【0012】
本発明のこれらの及び他の見地は、以下に記述される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】本発明による磁気共鳴イメージングシステムを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、頭頸部領域、特に鼻腔の図を概略的に示す。この図は、骨組織100及び空気110を示す。上の
図101は、粘膜120の変化及びゆえに空気110の変化が誘起される前の状態を示す図である。下の
図102は、(例えば、ヒスタミン、メタコリン又はフェノトラミンの投与により)変化が誘起された後の状態を示す。その結果、粘膜120は、上の左画像120aと比較して下の画像120bのほうがより厚い。
【0015】
一般に、頭頚部領域の空気で満たされた空洞は、粘膜組織120によって囲まれている。言い換えると、粘膜は、空気110と骨100の間の中間層を表す。粘膜の実質的な厚さ変化を誘起することが可能である。骨の構造は硬いので、粘膜の厚さの増加は、空気空洞に向かって拡張することによってのみ実現することができる。これは、MRI画像において空気と骨組織を区別するために使用されることができる。
【0016】
図2は、本発明による方法のフロー図を示す。
【0017】
ステップ1:第1の磁気共鳴画像を取得する(201)。第1の磁気共鳴画像は、第1の領域110及び第2の領域100を含む。
【0018】
ステップ2:予め決められた組織タイプを有する第3の組織の形状変化を誘起する(202)。この例では、第3の組織は、粘膜120である。
【0019】
ステップ3:第2の磁気共鳴画像203を取得する。第2の磁気共鳴画像は、第1の領域110及び第2の領域100を含む。第2の磁気共鳴画像において、粘膜及びゆえに第1の領域は、第1の磁気共鳴画像と比較して、変化した形状を有する。任意に、第1及び第2の磁気共鳴画像は、患者動きによって引き起こされる残余誤差を補償するために位置合わせされることができる。
【0020】
ステップ4:第1及び第2の磁気共鳴画像204において第1及び第2の領域を識別する。これは例えば、ノイズレベル強度を示す第1及び第2の磁気共鳴画像の患者の表現内のすべてのボクセルを、「第1又は第2の領域」又は「骨又は空気」として分類することによって、達成されることができる。
【0021】
ステップ5:第1及び第2の領域に関して第1の磁気共鳴画像と第2の磁気共鳴画像とを比較する(205)。
【0022】
ステップ6:第1及び第2の画像の間の形状差の存在に基づいて、空気を表す領域として第1の領域を分類し、第1及び第2の画像の間の形状差の不存在に基づいて、骨を表す領域として第2の領域を分類する(206)。これは、例えば以下のようにして達成されることができる。第1の磁気共鳴画像におけるノイズレベル強度から第2の磁気共鳴画像における標準粘膜信号に変わるこれらのピクセルを、空気として分類する。第1の磁気共鳴画像において空気として分類されたピクセルに領域成長アルゴリズムを適用して、全ての残りの空気ピクセルを分類する。第1の画像におけるノイズレベル強度の全ての残りのピクセルを、骨ピクセルとして分類する。
【0023】
当業者は、上述の方法における幾つかのステップが入れ替え可能であることを理解するであろう。例えば、第2の磁気共鳴画像を取得する前に、第1の磁気共鳴画像の第1及び第2の領域を識別することができる。更に、例えば、第1及び第2の領域を識別する前に、第1及び第2の磁気共鳴画像間の形状変化を最初に検出することができる(例えば、第1及び第2の磁気共鳴画像における対応するボクセル間の信号強度の変化を検出する)。ステップ順序の他の時間的な変更も可能である。しかしながら、形状変化は、第1の磁気共鳴画像の取得と第2の磁気共鳴画像の取得との間にあることを必要とする。
【0024】
第1及び第2の画像を取得する好適な方法は、T1w Dixon(T1強調Dixon)シーケンスによるものである。T1w DIXONスキャンは、水タイプ組織及び脂肪タイプ組織の区別を可能にすることが分かっている。データ取得は、送信用の身体コイル、及び例えば信号受信用の12素子フェーズドアレイ後方コイル及び16素子フェーズドアレイ前方コイルを使用して、臨床MRIシステム(
図3、300)を達成することができる。T1強調3Dデカルト高速フィールドエコー取得が用いられ、ほぼ逆位相であるTE
1=1.1ms及びほぼ同位相であるTE
2=2.1msの磁化で2つの信号エコーを取得する。他のイメージングパラメータは、例えば、繰返し時間 TR=3.3ms、フリップ角 α=10°、ボクセルサイズ 1.7×1.7×2.5mm
3、FOV 300×400×350mm
3である。
【0025】
初期ステップとして、空気及び骨は、標準の医用画像処理によって可能な限り識別される(例えば頭頸部領域の場合には、口及び耳など)。残りの低強度画像領域が識別され、空気又は骨として分類されなければならないN個の領域を与える。全ての空気領域及び骨領域は、非空隙領域によって分離されており、すなわち、識別された各低強度領域は、空気又は骨のみを含むと仮定される。N個の低強度領域が、第1及び第2の画像の両方において識別され、対応するボリュームV
inがそれぞれ決定され、ここで、インデックスiは、第1又は第2の画像を表し、インデックスn(1≦n≦N)は、個々の低強度領域を表す。領域nは、以下の場合は空気として分類される:
【0026】
すなわち、領域nの(正規化された)ボリューム変化は、特定の閾値Tより大きく、これは変化する粘膜の影響を示す。他方、領域nは、以下の場合は骨として分類される:
【0027】
すなわち、領域ボリュームの観察される変化があまりに小さく、粘膜の変化に影響されていないことを示す。
【0028】
個々の方法ステップは、コンピュータプログラムにおいて実現されることができる。このコンピュータプログラムは、組織分類のために構成されるコンピュータプログラムでありうる。この場合、第1及び第2の磁気共鳴画像が、コンピュータプログラムによって受け取られ、コンピュータプログラムは、そののち、方法ステップ4−6を実施するように構成される。更に、コンピュータプログラムは、MRIシステムに組み込まれることができる。それら場合、方法ステップ1及び3−6は、コンピュータプログラムによって実施されることができる。
【0029】
図3は、本発明による磁気共鳴イメージング(MRI)システムを概略的に示す。MRIシステム300は、関心領域307からMRデータを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するプロセッサ305を有し、このプロセッサは更に、ここに記述された組織分類の方法を実施するコンピュータプログラムを実行するように構成される。MRIシステム300は、放射線治療デリバリシステム310又はPETシステム310のいずれか一方と組み合わせられることができる。MRIシステムは、組織分類を使用して放射線治療計画を生成するように構成されることができる。MRIシステムは、組織分類を使用してPET画像の減衰補正するように構成されることができる。
【0030】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示され説明されているが、そのような図示及び説明は、限定的ではなく例示的又は例示的であると考えられるべきである。本発明は、開示される実施形態に限定されない。