【文献】
[JAEPO2018]「オンゲキ」直撮りムービー&プレイレポート。キャラクターをレバーで操作して遊ぶ新感覚の音楽ゲーム,4Gamer.net [online],2018年 2月10日,特に、「入手したカードのキャラクターを実カード化」の項を参照、[2020年9月11日検索],URL,https://www.4gamer.net/games/403/G040372/20180210055/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゲーム用物品から取得された情報に基づくゲームを実行する制御手段と、前記ゲームに使用する前記ゲーム用物品を載置可能に構成された載置部と、を備えるゲーム装置であって、
前記載置部は、複数段の雛壇状に構成され、
前記複数段の各段は、該段を形成する部材を直方体状にくり抜いた態様で構成された、重力方向と交差する支持面を有する少なくとも1つの凹部であって、前記ゲーム用物品の背面を前記支持面により支持することで該ゲーム用物品を立位姿勢で保持可能に構成された少なくとも1つの凹部を有し、
前記複数の段に配置される前記凹部は、所定の位置から見て、前段の前記凹部に載置された前記ゲーム用物品によって、後段の前記凹部に載置された前記ゲーム用物品の、少なくとも該ゲーム用物品の識別用に定められた部位が遮蔽されないように構成され、
前記凹部の各々は、該凹部に保持された前記ゲーム用物品が有する物品情報を取得する取得手段を有し、
前記ゲームは、前記ゲーム用物品を前記載置部に載置することで該ゲームに使用する前記ゲーム用物品を登録する登録シーケンスと、前記使用するゲーム用物品を用いた遊戯を実行するゲームシーケンスと、を含んで構成され、
前記ゲームシーケンスは、前記登録シーケンスにおいて前記載置部に載置された前記ゲーム用物品について、異なる前記凹部への移動が可能に構成され、
前記制御手段は、前記ゲームシーケンス中においてなされた前記ゲーム用物品の移動に応じて前記遊戯の進行を異ならせるゲーム装置。
前記制御手段は、同一のゲーム要素について前記ゲームの進行に用いるパラメータを、前記仮想的なゲーム用物品に対応付けられたゲーム要素よりも前記ゲーム用物品に対応付けられたゲーム要素の方が、前記ゲームの進行を有利にせしめる状態となるよう制御する請求項14に記載のゲーム装置。
ゲーム用物品から取得された情報に基づくゲームを実行する制御手段を備えるゲーム装置と、該ゲーム装置から着脱可能に構成され、前記ゲームに使用する前記ゲーム用物品を載置可能に構成された載置部と、で構成されるゲームシステムであって、
前記載置部は、複数段の雛壇状に構成され、
前記複数段の各段は、該段を形成する部材を直方体状にくり抜いた態様で構成された、重力方向と交差する支持面を有する少なくとも1つの凹部であって、前記ゲーム用物品の背面を前記支持面により支持することで該ゲーム用物品を立位状態で保持可能に構成された少なくとも1つの凹部を有し、
前記複数の段に配置される前記凹部は、所定の位置から見て、前段の前記凹部に載置された前記ゲーム用物品によって、後段の前記凹部に載置された前記ゲーム用物品の、少なくとも該ゲーム用物品の識別用に定められた部位が遮蔽されないように構成され、
前記凹部の各々は、該凹部に保持された前記ゲーム用物品が有する物品情報を取得する取得手段を有し、
前記ゲームは、前記ゲーム用物品を前記載置部に載置することで該ゲームに使用する前記ゲーム用物品を登録する登録シーケンスと、前記使用するゲーム用物品を用いた遊戯を実行するゲームシーケンスと、を含んで構成され、
前記ゲームシーケンスは、前記登録シーケンスにおいて前記載置部に載置された前記ゲーム用物品について、異なる前記凹部への移動が可能に構成され、
前記制御手段は、前記ゲームシーケンス中においてなされた前記ゲーム用物品の移動に応じて前記遊戯の進行を異ならせるゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲーム用物品からの情報が取得可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、物品からの情報取得が可能な任意の機器に適用可能である。
【0010】
《ゲーム装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の外観を示した図であり、
図2はゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0011】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0012】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0013】
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いがなされたことを条件として、ユーザへのゲームカードの提供を伴うサービスを開始するものとして説明する。しかしながら、対価の支払いは必須の要件である必要はなく、所定の開始指示に基づいてサービスは開始されるものであってもよい。
【0014】
取得部105は、ゲーム用物品に付された物品情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100では、物品情報の取得対象となるゲーム用物品を、
図1に示されるように、載置部120に設けられた保持部121に保持された状態とすることで、取得部105に情報取得させることが可能になる。載置部120の詳細については後述するが、保持部121に対応付けられたリーダ122によって、例えば近接無線通信を介して物品情報の取得は行われるものであってよい。
【0015】
以下、本実施形態において、取得部105が物品情報を取得可能なゲーム用物品は、物品情報を記憶するICチップが内蔵されたゲームカードであるものとして説明する。ゲームカードは、載置部120の保持部121に載置されることで、リーダ122によって内蔵されたICチップから物品情報が読み出されて取得部105に伝送される。物品情報は、該ゲームカードを載置部120に載置して行われるゲームプレイに反映される情報であり、基本的にはゲームプレイ中の所定の遊戯が開始される前に取得が行われるものとする。本実施形態ではゲームカードには、ゲームに登場するゲーム要素が対応付けられているものとし、対応付けられた該ゲーム要素を識別可能なように構成された画像が、表面に印刷されているものとする。また、物品情報は、少なくとも該ゲーム要素を一意に特定可能な要素IDが含まれているものとする。
【0016】
ここで、本実施形態では簡単のため、ゲームカードに対応付けられるゲーム要素は、ゲームに登場させることが可能なキャラクタであるものとし、物品情報には該キャラクタを示すキャラクタIDが含まれるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、キャラクタ以外のアイテムや効果等のゲーム要素が対応付けられるものであってもよいことは言うまでもない。
【0017】
なお、本実施形態ではゲームカードがICチップを内蔵し、物品情報を記憶し、近接無線通信を介してこれを取得可能である態様について説明するが、物品情報の付与態様についてはこれに限られるものではないことは容易に理解されよう。例えば、物品情報はコード化され、ゲームカードの表面に印刷によって付されるものであってもよく、この場合、リーダ122はコードを撮像する撮像ユニットを含んで構成される。
【0018】
また、本実施形態ではゲーム装置が情報取得可能に構成されたゲーム用物品は、ゲームカードであるものとして説明するが、該ゲーム用物品に対応付けられた物品情報を取得可能に構成された物品であれば、ゲーム用物品はこれに限られるものではない。例えばゲーム用物品は、該物品に対応付けられたゲーム要素を識別可能な外観を有して構成された物品であれば、ゲーム要素の外観を有するフィギュア、玩具、キーホルダー等の造形物であってもよい。ゲーム用物品が造形物である場合、各ゲーム情報の取得に用いられる情報は該造形物の内部の記録媒体、あるいは該造形物に付された塗装、シール、印字等の外観の一部から取得可能であってよい。またゲーム用物品は造形物だけでなく、ゲームカード以外の紙媒体やシール等、任意の物品であってよい。
【0019】
要素DB106は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についての情報(要素情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームでは、1回のゲームプレイに係るゲーム中に複数体のキャラクタが登場し得る。ゲーム装置100では、ユーザはゲームプレイに際しゲームカードを載置部120に載置した場合、該カードに対応付けられたキャラクタを、例えばユーザの使用キャラクタとしてゲームに登場させて、使用する(操作する)ことが可能である。
【0020】
1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば
図9(a)に示されるようなデータ構成を有するものであってよい。図示されるように、キャラクタ情報は、キャラクタを一意に特定するキャラクタID901に関連付けて、該キャラクタをゲームに登場させる際の関連画像や画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報902、キャラクタの名称、属性等に加え、予め定められた体力(耐久力)、攻撃力、防御力、発動技、特殊スキル等の要素固有の能力を記述したゲームパラメータ903を含む。ゲームパラメータ903は、キャラクタを登場させるゲームにおいて参照される、ゲームの進行制御に関与する情報であり、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。
【0021】
詳細は後述するが、本実施形態では、1回のゲームプレイに係りゲームに登場させるキャラクタは、載置部120にゲームカードが実際に載置されたことによるものと、載置部120への実物品のゲームカードの載置を要件とせず、ゲーム中、ゲームカードが仮想的に載置されたものとして取り扱われることによるもの、即ち、仮想物品のゲームカードが載置部120に載置されているものとして擬似的に処理することによるものと、の2種類で登録可能に構成される。後者によるキャラクタ登録は、ゲームをプレイし始めた段階である等、ユーザが十分な数のゲームカードを所有していない場合であっても、複数体のキャラクタを登場させたゲームプレイを可能ならしめるためのものである。
【0022】
一方で、ゲームカードを所有していない状態であっても、所有しているユーザと同等のプレイ体験を可能ならしめるのでは、ユーザ間の公平性が担保されない、またはユーザのゲームカードの収集欲を好適に高めさせることができない。故に、本実施形態の要素DB106では、キャラクタに対応付けられるゲームパラメータ903は、
図9(a)に示されるように、登録に実物品のゲームカードが用いられているか否かに応じた2種類(実物品パラメータ911及び仮想物品パラメータ912)が設けられている。このとき、ゲームカードを所有しているユーザと所有していないユーザとの間の公平性を担保するべく、実物品のゲームカードを用いた際にキャラクタに適用される実物品パラメータ911は、仮想物品のゲームカードを用いたものと取り扱う際に適用される仮想物品パラメータ912よりも、ゲームの進行を容易ならしめるように設定されているものとする。
【0023】
なお、本実施形態では要素DB106に、グラフィックスデータが格納され、キャラクタ情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクタ情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0024】
また本実施形態では要素DB106において、各キャラクタにつき管理されるキャラクタ情報にはキャラクタIDが関連付けられており、取得部105によりゲームカードから取得されたキャラクタIDに基づいて、該カードに対応付けられたキャラクタに係るゲームの進行制御に必要な各種の情報を要素DB106から取得することで、使用カード情報を構成して登録可能であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームカードに付されるゲーム情報は、キャラクタID等の、ゲームの進行制御に必要な各種の情報を特定するための情報のみを有して構成されるものではなく、ゲームの進行制御に必要な各種の情報を含んで構成されるものであってもよい。
【0025】
表示制御部107は、ゲーム装置100におけるユーザへの各種情報表示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報表示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部130を有するものとして説明するが、情報表示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0026】
表示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部130に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には表示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、表示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。表示部130は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置であってもよい。
【0027】
演出制御部108は、載置部120における演出提示を制御する。本実施形態のゲーム装置100では、載置部120には演出部123が設けられており、ゲームの進行に応じて、あるいは載置部120へのゲームカードの載置状況に応じて、所定の演出提示がなされる。詳細は後述するが、演出部123は、1枚のゲームカードを保持する保持部121ごとに設けられ、演出制御部108は、保持部121ごとに演出提示に係る制御が可能に構成される。
【0028】
提供制御部109は、ゲーム装置100におけるゲームカードの提供を制御する。本実施形態のゲーム装置100では、対価の支払いに基づいて提供される1回のプレイ体験に対して、通常1枚のゲームカードを提供するよう構成される。本実施形態のゲームカードは、例えば所定の遊戯(操作キャラクタを操作するゲームパート)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に提供される、即ち、基本的にはゲームのプレイ内容によらずカードごとに予め定められた(固定の)情報が付されたゲームカードであるものとして説明する。提供部140は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にゲームカードを堆積する不図示のストッカを有し、提供制御部109によりなされた提供命令に応じてストッカ最下部に保持されているゲームカードを1枚提供する機構を有する構成であってよい。提供されたゲームカードは、提供部140がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口141(
図1参照)に導かれることでユーザに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から提供されるゲームカードは、予め印刷製造された既製カードであり、ゲームカード表面に印刷されるキャラクタ画像やパラメータ等のデザインが固定的に形成される。
【0029】
なお、本実施形態のゲーム装置100は、予め工場等で印刷、発行された固定的なデザインを有する既製カードを提供するものとして説明するが、提供されるゲームカードは所謂オンデマンド印刷により動的にデザイン変更可能なものであってもよい。この場合、提供部140は、所定の紙媒体に印刷を行う印刷装置であり、例えばゲームの進行に応じてユーザにより、もしくは抽選処理により選択されたキャラクタのキャラクタIDを有するゲーム情報が構成され、これをゲームカード用の変換方式で変換することで得られたコードが、ゲームカードに印刷されればよい。
【0030】
操作入力部110は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部110は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば表示部130の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
【0031】
通信部111は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部111は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよい不図示のネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部111は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してゲームサーバ等の外部装置に送信するものであってよい。
【0032】
《載置部の構成》
次に、本実施形態のゲーム装置100に設けられた、ゲームプレイに使用するゲームカードを載置可能に構成された載置部120について、図面を参照して詳細を説明する。
【0033】
図3は(a)は、載置部120について、
図1に示したゲーム装置100の側面方向からの構造を示している。図示されるように、本実施形態の載置部120は、高さ方向(鉛直方向)の位置が異なる複数段の雛壇状に構成され、各段にゲームカードを載置することが可能に構成される。より詳しくは、載置部120に設けられた各段は、ゲームカードの載置を容易ならしめるべく、高さの低い段から順にゲーム装置100の奥行き方向にずらされて設けられており、載置されたゲームカードの一覧性を高めるよう構成されている。
【0034】
各段には、
図3(b)に示されるように複数の保持部121が一列に並んでおり、1つの保持部121につき1つのゲームカードをゲームプレイに使用(情報取得)可能に構成されている。図示されるように、本実施形態では1つの保持部121は、載置部120の各列に設けられた凹部により構成される。より詳しくは、1つの凹部は、
図3(c)に示されるように、載置部120の各段を形成する部材を直方体状にくり抜いた態様で構成され、載置されたゲームカードをその背面124で支持することで、立位姿勢で保持可能な構造となっている。即ち、背面124は、ゲームカードを支持する支持面として機能する。安定的にゲームカードを立位姿勢に保持するために、背面124が形成する面は、重力方向と交差するよう構成されていてもよい。
【0035】
以下、載置部120において複数の段に並ぶ保持部群(凹部群)を、ゲーム装置100の奥行き方向において手前に存在する段(低い段)に設けられたものから順に、1列、2列、…として言及する。なお、本実施形態では簡単のため、載置部120には、3列の保持部群が設けられ、各列に5つの保持部121が設けられている態様を示している。ここで、本発明の実施において各列に設けられる保持部121の数は、これに限られるものではなく、少なくとも1つの保持部121が設けられていればよい。
【0036】
また凹部の幅は、ゲーム装置100がプレイ体験を提供するゲームについて使用可能に設けられたゲームカード、即ち、ゲーム装置100において提供するゲームカードの大きさに応じて定められるものであってよい。本実施形態ではゲームカードは、
図4(a)に示されるように、基本的には水平方向よりも垂直方向が長くなるよう、図柄や記載内容が構成されるものとし、凹部の幅は、このようなゲームカードを保持可能なように、該ゲームカードの水平方向の長さに応じて定められるものとする。しかしながら、ゲームカードはこれに限られるものではなく、例えば
図4(b)に示されるように、垂直方向よりも水平方向が長くなるよう、図柄や記載内容が構成されたものが混在していてもよく、凹部の幅は、ゲームカードを縦位置(立位姿勢時に長手方向が鉛直方向に沿う配置態様)及び横位置(立位姿勢時に短手方向が鉛直方向に沿う配置態様)のいずれであっても載置可能なよう、ゲームカードの横位置での幅に応じて定められるものであってもよい。
【0037】
また保持部121の各々には、例えば背面124の裏側にリーダ122が設けられており、背面124を利用して立位姿勢にゲームカードが保持された際に、該ゲームカードが載置されたことの検出、及び該ゲームカードからの物品情報の取得が可能であるものとする。載置部120に設けられたリーダ122の各々には、該リーダ122に対応付けられた保持部121を識別するための保持部IDが割り当てられている。上述したように、ゲームカードには、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを特定するキャラクタIDを含む物品情報が付されており、リーダ122により取得された物品情報922は、
図9(b)に示されるように、該リーダ122がいずれの保持部121に設けられたものであるかを識別する保持部ID921が関連付けられて取得部105に出力される。
【0038】
このようにすることで、制御部101は、載置部120へのゲームカードの載置状況と、ゲームに登場させるキャラクタ及びその載置位置を把握することができる。本実施形態のゲーム装置100において提供されるゲームでは、載置部120上のいずれの保持部121にゲームカードを載置させるかに応じて、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタの、ゲームフィールドにおける配置やゲーム上の役割等の変化、あるいはゲームの進行制御がなされる。以下、本実施形態のゲームでは簡単のため、載置部120におけるゲームカードの載置位置の関係が、ゲームフィールドにおけるキャラクタの配置位置と対応しているものとして説明する。
【0039】
ところで、ゲームカードの価値は、対応付けられたキャラクタに係るゲームパラメータだけでなく、ゲームカードに付された図柄にも依存する。本実施形態では、ゲームカードには、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタの外観を示した画像(キャラクタ画像)が図柄として付され、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを容易に把握可能に構成されている。即ち、ユーザは、ゲームカードを、ゲームプレイに使用するアイテムとしてだけでなく、鑑賞する対象として楽しむことができる。また本実施形態のゲーム装置100では、載置部120において、キャラクタ画像を有するオモテ面をゲームプレイ中のユーザが視認可能な態様でゲームカードが保持されるため、ユーザはゲームカードを鑑賞しつつ、ゲームプレイを行うことができ、興趣性の高いプレイ体験を得られる。またプレイ体験の待機列等、ゲーム装置100の周囲にいるユーザも、いずれのゲームカードを使用することでどのようなゲーム進行となるかを見ることができるため、ゲーム装置100の利用により積極的になることが期待される。
【0040】
また、このような載置部120に載置されたゲームカードの一覧性は、ゲームプレイするユーザが例えば戦況を思考し、戦略を立てることにも効果的である。本実施形態のゲームでは、ゲームプレイに含まれる所定の遊戯に登場させるキャラクタを確定すべく、載置部120への使用するゲームカードの載置は、該所定の遊戯の開始前に行われるものとする。しかしながら、上述したように、いずれのゲームカードをいずれの保持部121に載置させるかに応じて進行制御が行われるため、本実施形態のゲームは、より興趣性の高いプレイ体験を提供すべく、載置されたゲームカードの所定の遊戯中における移動を許容するよう構成される。即ち、ユーザは、ゲームの進行を表示部130において確認しながら、状況に応じて載置部120上におけるゲームカードの載置位置を変更することで、所定の遊戯の開始前に載置部120に載置して確定した各キャラクタのゲームフィールド上の初期配置を、所定の遊戯中に変更して、進行を有利にならしめるよう調整しながらプレイすることができる。
【0041】
このため、各保持部121のリーダ122は、所定の遊戯の開始前の使用するゲームカードの登録時において、保持部121に有効なゲームカードが保持されたことを検出して情報取得するだけでなく、所定の遊戯中も所定の時間間隔でゲームカードの検出及び情報取得を行うものとする。即ち、所定の遊戯中に、対応する保持部121に保持されているゲームカードがなくなった、あるいは異なるゲームカードに変更されたことを検出すると、リーダ122は、その旨及び新たに取得した物品情報を取得部105に出力する。ここで、取得部105による物品情報の取得は、載置部120の保持部121を順次切り替えて行われるものである必要はなく、全ての保持部121について設けられたリーダ122によって取得された情報を一時に収集することで行われるものであってよい。
【0042】
従って、このようなゲームプレイ中に、使用しているゲームカードを鑑賞できる側面を担保しつつ、ゲームカードがいずれの保持部121に保持されているかの把握、及び載置部120におけるゲームカードの移動、をユーザに容易ならしめるべく、本実施形態の載置部120は、上述したように、各段に凹部で設けられた少なくとも1つの保持部を有した雛壇状に構成される。より詳しくは、載置部120は、
図3(a)に示したように各列の保持部121が設けられる段の高さ方向の位置が異なるよう構成されており、任意の段と、その次に高い段との高さの差(段上面の高さの差)は、ゲームカードの長手方向の長さよりも大きくなるよう構成されている。このため、前列の保持部121にゲームカードが保持されたとしても、後列の保持部121に保持されたゲームカードの視認性は担保される。結果、載置部120に載置されたゲームカードを鑑賞しながらのゲームプレイを、ユーザに提供することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、連続する段の高さの差がゲームカードの長手方向の長さよりも大きくなるよう構成された雛壇状の載置部120を採用することで、任意の保持部121に保持されたゲームカードが、ゲーム装置100の正面方向から見た場合に、該保持部よりも前列の保持部121に保持されたゲームカードによる遮蔽されないため、載置された全てのゲームカードの視認性が担保されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0044】
即ち、ゲームカードの視認性との観点では、ゲームカードの全ての領域が遮蔽されない状態である必要はなく、ユーザがいずれのゲームカードであるかを識別する際に必要となる領域の視認性が担保されていれば、他の領域については、前列の保持部121に保持されたゲームカードによって遮蔽されたとしても問題ない。例えば、
図4(a)に示したゲームカードでは、キャラクタ画像が印刷される、図中の領域400が視認できれば、ユーザはゲームカードを識別でき、かつ、ゲームカードを鑑賞するとの観点でも好適な載置態様を実現していると言える。
【0045】
従って、載置部120に載置するゲーム用物品(ゲームカード)には、該物品の識別に必要となる部位が予め定められており、載置部120に載置した場合に、少なくとも該部位が前列の保持部121に保持された他の物品によって遮蔽されないように、雛壇の連続する段の高低差が設定されていればよい。
【0046】
また、本実施形態の載置部120では、載置されたゲームカードと連動してゲームが進行していることをユーザが認識し、ゲーム及びゲームカードに対する関心をより高めるべく、
図3(c)に示されるように、各保持部121あるいはその周辺には、演出提示を行う演出部123が設けられているものとする。演出部123は、例えば照明装置や表示装置等の演出提示が可能な装置で構成されていてよく、演出制御部108から受信した制御信号に基づいて提示に係る動作を行う。
【0047】
本実施形態のゲームでは、ゲームカードの各々にはキャラクタが対応付けられており、載置部120に載置することでプレイ体験が提供されるゲームに該キャラクタを登場させることが可能に構成されている。ゲームにおいて生じるイベントは、例えばキャラクタ単位やゲームフィールド単位で行われるものであってよく、演出制御部108はこのようなイベントが生じる際に、該当する保持部121に対応付けられた演出部123による演出提示が行われるように制御する。換言すれば、演出提示は、保持部121ごとに行うことが可能に構成されており、演出制御部108は、いずれの保持部121に対応付けられた演出部123に対して制御信号を送出するかを制御する。
【0048】
《ゲーム処理》
以下、このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、プレイ体験の提供を行うゲーム処理について、
図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、例えばプレイ体験の提供に係る対価の支払いがなされたことが検出された際に開始されるものとして説明する。
【0049】
S501で、提供制御部109は制御部101の制御の下、対価の支払いに対して行われるプレイ体験の提供について、1枚のゲームカードを提供するよう提供部140を制御する。
【0050】
S502で、制御部101は、ゲームに登場させるキャラクタの登録シーケンスに係る処理を開始する。より詳しくは、制御部101は、取得部105及び載置部120に設けられた全保持部121のリーダ122を起動状態とし、ゲームカード載置の検出及び物品情報の取得を行わせるよう制御する。キャラクタの登録は、上述したようにユーザが載置部120に所有しているゲームカードを載置することにより行われるものであってよい。
【0051】
S503で、制御部101は、載置部120におけるゲームカードの載置状況に変化があったか否かを判断する。ここで、載置状況が変化する状況とは、例えば、いずれのゲームカードも保持されていなかった保持部121へのゲームカードの載置、既に保持されていたゲームカードの保持部121からの除去であり、制御部101は取得部105からの出力に基づいて本ステップの判断を行う。制御部101は、載置部120におけるゲームカードの載置状況に変化があったと判断した場合は処理をS504に移し、変化がないと判断した場合は処理をS506に移す。
【0052】
S504で、制御部101は、載置状況の変化に伴い取得部105が取得した情報に基づいて、ゲームに登場させるキャラクタを管理する登録キャラクタテーブルの情報を更新する。
【0053】
取得部105が取得した情報が、保持部121へのゲームカードの載置に基づくものである場合、制御部101は、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタの情報(登録キャラクタ情報)を登録キャラクタテーブルに追加する。より詳しくは、制御部101は、ゲームカードから取得された物品情報に含まれるキャラクタIDの情報に基づき、要素DB106から対応するキャラクタの描画用情報902及び実物品パラメータ911を読み出し、該物品情報が取得された保持部121の保持部IDとともに登録キャラクタ情報を構成して登録キャラクタテーブルに追加する。登録キャラクタ情報は、例えば
図9(c)に示されるように、キャラクタに係るゲームカードが保持されている保持部121を示す保持部ID931に関連付けて、キャラクタID932、描画用情報933及びゲームパラメータ934で構成されるものであってよい。
【0054】
また取得部105が取得した情報が、保持部121からのゲームカードの除去に基づくものである場合、制御部101は、該ゲームカードに対応付けられた登録キャラクタ情報を登録キャラクタテーブルから削除する。より詳しくは、制御部101は、取得部105が物品情報を取得しなくなった保持部121を示す保持部IDに基づき、保持部ID931が同一の保持部IDを示す登録キャラクタ情報を、登録キャラクタテーブルから削除する。
【0055】
S505で、表示制御部107は制御部101の制御の下、載置部120へのゲームカードの載置状況に基づき、対応するキャラクタの画像(関連画像)を表示部130に表示させるよう制御する。本実施形態のゲームでは、登録シーケンス及び後述のゲームシーケンスにおいて、ユーザが使用するキャラクタ(使用キャラクタ)については、載置部120における対応するゲームカードの載置状況を反映した態様で画像提示が行われる。上述したように載置部120は、5つの保持部121が並んだ列が奥行き方向に3つ設けられており、最大15枚のゲームカードが2次元的に載置可能に構成されている。従って、1つのゲームカードに係る使用キャラクタの関連画像は、例えば登録シーケンスであれば、描画される所定の平面上に設けられた5×3のマスのうち、該ゲームカードが保持されている載置部120上の保持部121の位置と対応するマスに配置されて表示されればよい。またゲームシーケンスであれば、ゲームフィールドやステージ等における使用キャラクタの関連画像は、該キャラクタに係るゲームカードの載置部120上の保持位置を反映させて表示させればよい。
【0056】
S506で、制御部101は、登録シーケンスの終了条件が満たされたか否かを判断する。登録シーケンスの終了条件は、例えば、使用キャラクタの登録を終了する旨の操作入力がなされたこと、所定の制限時間が経過したこと等、予め定められていてよい。制御部101は、登録シーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS507に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS503に戻す。
【0057】
S507で、制御部101は、ゲームプレイについて定められた必要数の使用キャラクタが登録されたか否かを判断する。使用キャラクタの必要数は、いずれであってもよいが、本実施形態では載置部120に設けられた保持部121の総数と同一に設定されるものとする。従って、制御部101は、全ての保持部121にゲームカードが保持された状態で登録シーケンスが終了したか否かに基づいて、本ステップの判断を行うものとしてもよい。制御部101は、必要数の使用キャラクタが登録されたと判断した場合は処理をS509に移し、登録されていない、即ち必要数に不足していると判断した場合は処理をS508に移す。
【0058】
S508で、制御部101は、現在ゲームカードが保持されていない保持部121を、仮想物品のゲームカードが保持されている状態として管理することで、ユーザに仮想物品のゲームカードに対応するキャラクタを使用キャラクタとして使用することを可能ならしめる。ここで、仮想物品のゲームカードが保持されている状態とは、載置部120の該当の保持部121に実物体のゲームカードが保持されてはいないが、ゲームプレイ中に限り、任意のゲームカードが保持されているものとして取り扱う状態を指す。仮想物品のゲームカードに対応付けられるキャラクタは、例えば予めレンタル(一時的な貸与)が可能であるものとして定められたキャラクタのうちから選択されるものであってよい。
【0059】
具体的には制御部101はまず、登録キャラクタテーブルに追加されている登録キャラクタ情報の保持部ID931に基づいて、ゲームカードが保持されていない保持部121の保持部IDを特定する。そして、特定した保持部のそれぞれに対し、制御部101は、レンタル用のキャラクタをキャラクタID基準で決定する。レンタル用のキャラクタを決定すると、制御部101は、仮想的に保持させる保持部121の保持部ID931、決定したレンタル用のキャラクタのキャラクタID932に、該キャラクタID932に基づいて要素DB106から取得された描画用情報933及び(仮想物品パラメータ912に基づく)ゲームパラメータ934を関連付けて登録キャラクタ情報を構成し、登録キャラクタテーブルに格納する。また表示制御部107は、仮想物品のゲームカードの保持部121への割り当てが完了すると、対応するキャラクタの関連画像を表示部130に表示させるよう制御する。
【0060】
このようにすることで、ゲーム装置100のサービス利用を始めたばかりでゲームカードの所有数が少ないユーザであっても、1回のゲームプレイに対して、仮想物品のゲームカードが一時的に貸与され、該仮想物品のゲームカードに対応付けられたキャラクタを使用キャラクタとして使用することができるため、ゲームの好適なプレイ体験の提供を享受することができる。
【0061】
なお、本実施形態のゲームは、後述のゲームシーケンスにおいても、載置部120に載置されたゲームカードの移動を可能ならしめるよう構成されるが、ユーザは、仮想物品の載置されているものとして扱われているゲームカードを移動することはできない。このため、仮想物品のゲームカードが保持されているものとして扱われている保持部121については、ゲームシーケンスにおける実物体のゲームカードの載置を認めないよう制御するものとしてもよい。即ち、このような態様では、ゲームシーケンスにおいてユーザがゲームカードを移動載置可能な保持部121は、登録シーケンスにおいてゲームカードを載置した保持部121に限定される。換言すれば、ゲームシーケンスにおけるゲームカードの移動は、載置部120上に載置されたゲームカードの位置を交換することのみが認められる。あるいは、ゲームシーケンスにおける実物体のゲームカードを載置可能な保持部121は、仮想物品のゲームカードが保持されているものとされている保持部121を含むものであってもよい。このような態様では、仮想物品のゲームカードが保持されているものとして扱われている保持部121に実物体のゲームカードが載置される場合には、該実物体のゲームカードが移動前に保持されていた保持部121に、元々保持されていた仮想物品のゲームカードが移動されたものとして管理されるものとしてもよい。
【0062】
S509で、制御部101は、使用キャラクタを登場させた、所定の遊戯のプレイ体験を提供するゲームシーケンスに係る処理を開始する。
【0063】
S510で、制御部101は、載置部120に保持されているゲームカードの移動が生じたか否かを判断する。ここで、ゲームカードの移動が生じたかの判断は、例えば保持部121に保持されているものとして登録キャラクタ情報が管理されているゲームカードが有するキャラクタIDが、異なる保持部121から取得されたことに基づいて行われるものであってよい。制御部101は、載置部120に保持されているゲームカードの移動が生じたと判断した場合は処理をS511に移し、移動が生じていないと判断した場合は処理をS512に移す。
【0064】
S511で、表示制御部107は制御部101の制御の下、載置部120における移動後のゲームカードの載置状況に応じた配置で、使用キャラクタの関連画像を表示部130に表示させるよう制御する。
【0065】
S512で、制御部101は、演出提示条件が満たされたか否かを判断する。演出提示条件は、例えば、遊戯におけるゲーム進行、ステータス等に対して定められているものであってよく、基本的には遊戯中の使用キャラクタごとに条件設定されているものとする。制御部101は、演出提示条件が満たされたと判断した場合は処理をS513に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS514に移す。
【0066】
S513で、演出制御部108は制御部101の制御の下、演出提示条件が満たされた使用キャラクタのゲームカードを保持する保持部121と対応付けられた演出部123に、提示条件満たされた演出を提示させるように制御する。
【0067】
S514で、制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたか否かを判断する。ゲームシーケンスの終了条件は、例えば、予め定められた遊戯終了条件が満たされたこと、所定の制限時間が経過したこと等、予め定められていてよい。制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS515に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS510に戻す。
【0068】
S515で、制御部101は、プレイ体験の提供終了に係る終了処理を行い、本ゲーム処理を完了する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、ユーザが所有する物品を複数載置した状態であっても、各物品の視認性が担保されるため、物品を用いるゲームにおいて、興趣性の高いゲームプレイを実現することができる。
【0070】
[実施形態2]
上述した実施形態1では、載置部120の複数の保持部121が並ぶ各列が、高低差が設けられることで、載置部120に保持されたゲームカードのゲームプレイ時の視認性を担保するよう構成されていた。即ち、少なくとも後列に保持されたゲームカードの所定の部位が、前列に保持されたゲームカードによって遮蔽されないよう、各列の高低差が設定されているため、ユーザは載置部120に載置したゲームカードを、好適な状態で一覧することが可能な態様であった。しかしながら、上述したような高低差を有する載置部120は、その構造上、大規模になりがちであり、結果的にゲーム装置100の筐体の大型化や製造コスト増を招く可能性もある。
【0071】
また実施形態1の態様は、ユーザがゲーム装置100の正面に着座した場合に、載置部120の各保持部121に立位姿勢で保持されたゲームカードの、キャラクタ画像が付された面がユーザと略正対するよう、載置部120が構成されていることを想定していた。即ち、実施形態1で示した載置部120の態様は、ゲーム装置100を利用するプレイヤの頭部601が、
図6(a)に示されるような予め定められた位置や範囲602に存在することを前提として、載置されたゲームカードの視認性の担保を実現するものであった。しかしながら、ユーザがどのような姿勢や位置でゲーム装置100を利用するか、あるいはユーザの身長や座高によって、載置部120上に載置されたゲームカードの見え方は変化するものであるため、保持部121の並ぶ列に高低差があったとしても、視点位置によってはゲームカードの視認性が担保されない可能性があった。
【0072】
例えば、ユーザが立ち姿勢でゲーム装置100のゲームプレイを行う態様、あるいは座高が所定の値よりも高いユーザがゲームプレイを行う態様では、
図6(b)に示されるように載置部120に対して視点が高い、換言すれば、載置部120から見て、保持部121に保持されたゲームカードの正面方向に対する仰角が大きくなる位置にユーザの頭部611がある場合には、俯瞰の状態で観察することになる。このような視点位置から見た場合、保持部121に保持されたゲームカードが有する、該ゲームカードの識別に必要となる部位の図柄の視認性が低下し得、操作性及びゲームの興趣性が低減することに繋がる。
【0073】
このため、載置部120は、ゲームカードを保持部121に保持すべく設けられている背面(支持面)124の傾斜角を、変更可能に構成されるものであってもよい。傾斜角は、例えば不図示のユーザが不図示のハンドルを駆動させることで自在な角度に変更可能に構成されているものであってもよいし、予め定められた複数種類の角度(想定される複数種類の頭部位置について設定される傾斜角)のいずれかに手動で、またはユーザの操作によって機構が駆動することにより変更可能に構成されているものであってもよい。
【0074】
このようにすることで、背面124の傾斜角を、
図6(a)に示したような、通常のゲームプレイスタイルとして想定される、ゲーム装置100正面にユーザが着座してゲームプレイを行う際の頭部位置に正対する角度だけでなく、例えば
図6(c)に示されるような角度に設定することができるため、ユーザの頭部が
図6(b)の頭部611のような高さ方向の位置であっても、好適なゲームカードの視認性を担保することができる。また
図6(c)に示された角度に限られるものでなく、任意の高さ方向の位置にユーザの頭部があったとしても、該位置の方向に背面124の傾斜角を変更可能に載置部120は構成されていてよい。
【0075】
なお、
図6(c)には、載置部120の全体が所定の軸を中心に回動させることで、背面124の傾斜角を変更する態様を例示したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、載置部120における複数の列の相対的な位置関係は固定である必要はなく、傾斜角の変更の際に、列ごとに前後方向及び高さ方向の少なくともいずれかの移動を伴うものであってもよい。より詳細には、本発明の実施において、複数の列の位置関係は、傾斜角の変更に係る回動の際に、少なくとも後列に保持されたゲームカードの所定の部位が、前列に保持されたゲームカードによって遮蔽されないことが担保されるのであれば、いずれであってもよい。
【0076】
さらに、複数の列は、傾斜角の変更において、ゲームカードを保持する支持面(背面124)が平行になるように構成されるものである必要はなく、
図7(a)に示されるように、列ごとに異なる傾斜角となるよう構成されているものであってもよい。
【0077】
また、実施形態1では、複数の列を高さ方向の位置が異なるように構成することで、ゲームカードの視認性を担保するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームカードの視認性が担保されるか否かはゲームプレイするユーザの姿勢がいずれであるかに依るものであるため、
図7(b)に示されるように、視点位置によっては、複数の列は、同一の高さ位置にゲームカードを保持するよう支持面が構成されていてもよい。
【0078】
[変形例1]
上述した実施形態2では、ゲームプレイするユーザが、ゲームプレイ時の姿勢に応じて、背面124の傾斜角を調整可能とすることで、載置部120に載置したゲームカードの視認性を担保した、好適なプレイ体験の提供を可能ならしめるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。背面124の傾斜角の変更は、ゲーム装置100が例えば撮像装置等を有し、ゲームプレイするユーザの頭部を検出可能な態様においては、頭部の位置が検出されると、該検出した頭部の位置から見て、少なくとも後列に保持されたゲームカードの所定の部位が、前列に保持されたゲームカードによって遮蔽されないことが担保されるように、複数の列の傾斜角及び位置を変更するよう、制御部101が制御するよう構成されていてもよい。
【0079】
[実施形態3]
上述した実施形態及び変形例では、保持部121は載置部120に凹部として設けられ、その背面124によってゲームカードを立位姿勢に保持するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲームカードの立位姿勢での保持は、例えば
図8(a)及び(b)に示されるように、ゲームカードの厚さよりも広い幅を有した溝状のガイドを形成し、ゲームカードを上から該溝に挿し込むことで立位姿勢に保持する支持部材によって実現されるものであってもよい。
【0080】
なお、本実施形態では支持部材は、ゲームカードの全体がなるべく視認できるようにしつつ、ゲームカードの載置場所の移動容易性が担保される例として、ゲームカードの側部のみを支持することで立位姿勢での保持を実現する態様を
図8に示したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。支持部材を用いたゲームカードの立位姿勢の保持は、該ゲームカードの少なくとも一部を支持部材に挿入することで実現されるものであれば、いずれの方式で実現されるものであってもよい。
【0081】
また、キャラクタ画像等のゲームカードの識別に必要となる部位や、ゲームパラメータ等のゲームの戦略判断に用いることが可能な情報が付された、ゲームカードの面の視認性を担保すべく、支持部材は、好適には透過性を有する部材で構成されるものであってよい。
【0082】
[変形例2]
これまでの実施形態及び変形例では、ゲーム処理の開始後に、ゲーム装置100の下部に設けられた取出口141から取りだされるように、ゲームカードの提供が行われるものとして説明した。このような態様では、ユーザは、例えば表示部130の表示にてゲームカードが提供される旨の通知を確認した後、ゲームカードを取出口141から取り出すために屈んだり、ゲームプレイするために再度椅子に座り直したり、プレイ開始するまでに煩雑な動作が必要となり得る。
【0083】
従って、このような煩雑な動作をユーザに強いることが低減されるよう、ゲームカードの提供は、載置部120上の保持部121になされる。即ち、本変形例において載置部120の各保持部121には、ゲームカードの巻き上げ機構が組み込まれており、提供制御部109により指定された保持部121に、提供部140からのゲームカードが導かれることで、ゲームカードの提供が実現されるものであってよい。あるいは、載置部120に設けられた特定の保持部121に対してゲームカードが提供されるものであってもよい。
【0084】
なお、前者のような、提供制御部109によって指定された保持部121にゲームカードを提供する態様では、載置部120へのゲームカードの載置状況に応じた提供箇所の制御が可能となる。故に、ゲームカードの提供タイミングを、例えばユーザによって、登録シーケンスにおけるゲームカード載置を仮決定する指示がなされた後としてもよい。このとき、仮決定の時点でゲームカードが未載置の保持部121が存在することがリーダ122からの情報取得状況より判定した場合、提供制御部109は提供部140によるゲームカードの提供場所を、該載置されていない保持部121とするよう制御すればよい。そして制御部101は、ゲームカード提供後、最終的なゲームカード載置の本決定の指示がなされるまで、該提供をふまえたゲームカードの移動や除去等を認めるよう制御すればよい。
【0085】
一方、仮決定の時点でゲームカードが未載置の保持部121が存在すると判定した場合、提供制御部109は提供部140によるゲームカードの提供場所を、通常通り取出口141とすればよい。
【0086】
[変形例3]
ところで、載置部120に載置可能なゲームカードの数が多いほど、ユーザがゲームプレイ時に得られる満足感は高くなり得るが、その分、載置したゲームカードの管理は難しくなる。例えば、取出口141に提供されたゲームカードを取り出す際、使用するゲームカードの選定を行っている際、財布や未使用のゲームカードをしまう際、ゲーム画面を注視しての操作入力が必要になる際等、ユーザの注意が載置部120から削がれるタイミングが存在し得、このようなタイミングにおいて載置したゲームカードの紛失や盗難が生じる可能性もある。故に、ゲーム装置100には、載置部120の全体を覆うことが可能な、開閉式のカバーが設けられる構成としてもよい。
【0087】
[変形例4]
また、載置部120に載置可能なゲームカードの数が多い場合、ユーザがゲーム装置100の利用を開始してからゲームカードを選択して載置する態様では、その分、登録シーケンスに割く時間を増大させる必要がある。即ち、ゲームプレイを開始してから、ユーザが載置部120へのゲームカードの載置が完了するまでに時間を要することになる。このような態様では、ゲーム装置100の回転率(単位時間あたりのプレイ体験の提供数)が低下し得、結果としてユーザの関心が低減し得る。
【0088】
従って、載置部120は、ゲーム装置100から着脱可能に構成されるものであってもよい。即ち、載置部120は、例えば着脱可能なパネル状に構成されており、ユーザはゲーム装置100の利用に先立って、自身の載置用パネル(載置部120)にゲームに使用したいゲームカードを予め載置することができるため、ユーザ1人あたりが利用に係りゲーム装置100を占有する時間を短縮することができる。
【0089】
この場合、ゲーム装置100におけるプレイ体験の提供に際しては、載置部120がゲーム装置100に装着されていることを条件として行われるものとする。なお、ゲーム装置100を初めて利用するユーザもゲームプレイが可能なように、ゲーム装置100には、いずれのユーザも利用可能な載置部120が予め装着されていてよい。ここで、自身の載置部120をユーザが使用する場合には、該予め装着されている載置部120を取り外して装着するものであってもよいし、該予め装着されている載置部120に被せる形で使用可能となるよう載置部120が構成されていてもよい。
【0090】
また、着脱可能に構成される載置部120には、リーダ122及び演出部123は含まれていなくてもよい。リーダ122及び演出部123は、ゲーム装置100側に設けられ、載置部120が取り付けられたことで、各保持部121からの情報取得、または各保持部121に係る演出提示が可能になるよう構成されていてもよい。
【0091】
[変形例5]
また、特に載置部120に載置可能なゲームカードの数が多く構成されている場合、ユーザはそれだけの回数、ゲーム装置100を利用してゲームカードを入手する必要がある。換言すれば、載置部120が有する全ての保持部121にゲームカードが保持された状態でゲームプレイを開始可能なユーザは、継続的にゲーム装置100を利用しており、プレイ体験を提供するゲームに対する関心が高いユーザということになる。
【0092】
このため、制御部101は、登録シーケンスの終了時点において、全ての保持部121にゲームカードが保持されていると判断した場合には、該ユーザに対して1回のゲームプレイを無料で提供するよう制御してもよい。無料のゲームプレイの提供は、別途取得されたユーザ識別情報に対して、次回以降に利用可能な1回分のゲームプレイ権限の情報を付与することで実現されるものであってもよいし、ゲーム処理の開始に係り支払われた対価を返却することにより実現されるものであってもよいし、追加の対価の支払いを要さずに連続のゲームプレイを提供するよう制御することで実現されるものであってもよい。あるいは、対価の支払いタイミングをゲーム処理の開始時とするのではなく、登録シーケンスの終了後とするよう構成される態様では、その後の対価の支払いを要件とせずに処理を進めるよう制御することで実現されるものであってもよい。
【0093】
なお、全ての保持部121にゲームカードが載置されていることで行われる無料のゲームプレイの提供は、例えば、1ユーザにつき1回、所定の期間につき1回(ユーザごとに管理)、載置部120に載置されたゲームカードの組み合わせにつき1回(ユーザごとに管理)、ゲームカードにつき1回(無料のゲームプレイが提供された際に載置されていたゲームカードについては、次回以降提供を認めない)等、制御されるものとする。
【0094】
[変形例6]
上述した実施形態及び変形例では、ゲームカードを載置する保持部121について特に制限を設けていない態様について説明したが、ゲームの興趣性をより高めるため、次のように制御してもよい。
【0095】
例えば、各保持部121とゲームカードに対応付けられるキャラクタのそれぞれには、ゲームについて定められた複数種類の属性のうちのいずれかが関連付けられていてよい。この場合、保持部121に保持させることでキャラクタをゲームに登場させることが可能なゲームカードは、対応付けられたキャラクタの属性が、保持部121に関連付けられた属性と同一であることを条件とするものとしてもよい。あるいは、異なる属性である場合には、属性不一致に基づくパラメータの下方調整を加えた上で、ゲームに登場させるものとしてもよい。ここで、属性は、ゲームにおけるキャラクタの役割や、ゲームにおいて発生する効果、キャラクタの種別や系統等の分類を含むものであってよい。
【0096】
保持部121にいずれの属性が関連付けられているかは、保持部121の周囲に判別可能に提示されるものであってよく、ユーザは該提示を確認してゲームカードの載置を行えばよい。またいずれの保持部121にいずれの属性を関連付けるかは、ゲームごとに変更されるものであってもよいし、載置部120におけるいずれの列に設けられた保持部121であるかによって定められるものであってもよい。
【0097】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。