特許第6855723号(P6855723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6855723通信装置、電子時計、時刻変更方法、接続要求生成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6855723
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】通信装置、電子時計、時刻変更方法、接続要求生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G04G 5/00 20130101AFI20210329BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20210329BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20210329BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20210329BHJP
   G04R 20/26 20130101ALI20210329BHJP
【FI】
   G04G5/00 J
   H04W84/10 110
   H04W56/00 130
   H04M1/00 U
   G04R20/26
【請求項の数】16
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-183966(P2016-183966)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-48882(P2018-48882A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】姜 和穂
(72)【発明者】
【氏名】中川 誠
(72)【発明者】
【氏名】岩見谷 宏
(72)【発明者】
【氏名】冨田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 努
(72)【発明者】
【氏名】奥村 亮
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智洋
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−46762(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/045372(WO,A1)
【文献】 特開2015−184102(JP,A)
【文献】 特開2016−76744(JP,A)
【文献】 特開2016−46656(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0184635(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00 − 99/00
G04R 20/26 − 20/30
H04M 1/00
H04W 56/00
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置に前記計時部が計時する時刻を含む送信情報を送信させ、
前記通信部を制御して、前記送信情報に応答して前記他の通信装置から送信された接続要求であって、前記送信情報に含まれる前記計時部が計時する時刻と、前記他の通信装置が前記送信情報を受信した時刻との差分に基づく第1設定値が設定された第1パラメータを含む前記接続要求を受信し、
前記接続要求に含まれる前記第1パラメータに設定された前記第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1設定値と、前記第1パラメータに設定可能な最低値との差分に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記接続要求は、前記第1パラメータと異なる第2パラメータをさらに含み、
前記制御部は、前記第1設定値と、前記第2パラメータに設定された第2設定値に基づく前記最低値との差分に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1設定値から、前記最低値と、所定値とを減算することにより、前記計時部が計時する時刻の変更値を算出し、
前記計時部が計時する時刻に算出された前記変更値を加算することにより、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記他の通信装置とBluetooth(登録商標) Low Energyに基づいて無線通信し、
前記制御部は、
前記送信情報として、種別がAdv_INDであるアドバタイズパケットを送信し、
前記アドバタイズパケットのデータフィールドに、前記計時部が計時する時刻を示す値を設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が送信した前記他の通信装置が計時する時刻を含む送信情報を受信し、
前記通信部を制御して、前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、前記送信情報に含まれる前記他の通信装置が計時する時刻との差分に基づいて、第1設定値を生成し
記第1設定値が設定された第1パラメータを含む接続要求を、前記他の通信装置へ送信する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記差分と、前記第1パラメータに設定可能な最低値とに基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記接続要求は、前記第1パラメータと異なる第2パラメータをさらに含み、
前記制御部は、前記差分と、前記第2パラメータに設定される第2設定値とに基づく前記最低値とに基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記差分に、前記最低値と、所定値とを加算することにより、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、10ミリ秒単位で前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記第1パラメータは、前記制御部が前記他の通信装置との接続が失われたと判定する際の、前記他の通信装置との通信がない最大時間を規定するパラメータである、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記計時部が計時する時刻を表示する表示部と、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の通信装置と、
を備えることを特徴とする電子時計。
【請求項13】
他の通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備える通信装置が実行する時刻変更方法であって、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置に前記計時部が計時する時刻を含む送信情報を送信させる送信ステップと、
前記送信情報に応答して前記他の通信装置から送信された接続要求であって、前記送信情報に含まれる前記計時部が計時する時刻と、前記他の通信装置が前記送信情報を受信した時刻との差分に基づく第1設定値が設定された第1パラメータを含む前記接続要求を受信する受信制御ステップと、
前記接続要求に含まれる前記第1パラメータに設定された前記第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する変更ステップと、
を含むことを特徴とする時刻変更方法。
【請求項14】
他の通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備える通信装置が実行する接続要求生成方法であって、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が送信した前記他の通信装置が計時する時刻を含む送信情報を受信する受信制御ステップと、
前記通信部を制御して、前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、前記送信情報に含まれる前記他の通信装置が計時する時刻との差分に基づいて、第1設定値を生成する生成ステップと
記第1設定値が設定された第1パラメータを含む接続要求を、前記他の通信装置へ送信する送信制御ステップと、
を含むことを特徴とする接続要求生成方法。
【請求項15】
通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備えるコンピュータを、
前記通信部を制御して、前記通信装置に前記計時部が計時する時刻を含む送信情報を送信させる送信手段、
前記送信情報に応答して前記通信装置から送信された接続要求であって、前記送信情報に含まれる前記計時部が計時する時刻と、前記通信装置が前記送信情報を受信した時刻との差分に基づく第1設定値が設定された第1パラメータを含む前記接続要求を受信する受信制御手段、
前記接続要求に含まれる前記第1パラメータに設定された前記第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備えるコンピュータを、
前記通信部を制御して、前記通信装置が送信した前記通信装置が計時する時刻を含む送信情報を受信する受信制御手段、
前記通信部を制御して、前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、前記送信情報に含まれる前記通信装置が計時する時刻との差分に基づいて、第1設定値を生成する生成手段
記第1設定値が設定された第1パラメータを含む接続要求を、前記通信装置へ送信する送信制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信装置、電子時計、時刻変更方法、接続要求生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの近距離無線通信を用いて種々の情報をやり取りすることが可能な電子装置がある。このような近距離無線通信により、特に、携帯型の電子装置は、他の複数の電子装置がそれぞれ個別に取得、保持する情報を容易に取得することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ブルートゥース通信機能を有する電子腕時計が、携帯電話からブルートゥース通信を利用して時刻情報を取得し、この電子腕時計の時刻を変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−118403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、通信接続を確立した後のデータ通信において時刻情報を通信するため、例えば、電子時計に搭載されるOS(Operating System)の仕様によっては、接続認証手順の都合によって面倒な操作が必要になるという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、通信接続を確立した後のデータ通信を要さずに時刻の変更が可能な通信装置、電子時計、時刻変更方法、接続要求生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信装置は、
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置に前記計時部が計時する時刻を含む送信情報を送信させ、
前記通信部を制御して、前記送信情報に応答して前記他の通信装置から送信された接続要求であって、前記送信情報に含まれる前記計時部が計時する時刻と、前記他の通信装置が前記送信情報を受信した時刻との差分に基づく第1設定値が設定された第1パラメータを含む前記接続要求を受信し、
前記接続要求に含まれる前記第1パラメータに設定された前記第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る通信装置は、
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が送信した前記他の通信装置が計時する時刻を含む送信情報を受信し、
前記通信部を制御して、前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、前記送信情報に含まれる前記他の通信装置が計時する時刻との差分に基づいて、第1設定値を生成し
記第1設定値が設定された第1パラメータを含む接続要求を、前記他の通信装置へ送信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、通信接続を確立した後のデータ通信を要さずに時刻変更ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態の電子時計の構成を示すブロック図である。
図3】接続要求のPDUの構成を示す図である。
図4】第1実施形態のスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態の通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図6】第1実施形態の電子時計のCPUが実行する時刻変更処理の制御手順を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態のスマートフォンのCPUが実行する接続要求生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態の電子時計の構成を示すブロック図である。
図9】第2実施形態のスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図10】第2実施形態の電子時計のCPUが実行する時刻変更処理の制御手順を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態のスマートフォンのCPUが実行する接続要求生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信システム1の構成例を表す図である。図1に示す構成例において、通信システム1は、電子時計100とスマートフォン200とから構成される。電子時計100とスマートフォン200とは、Bluetooth(登録商標) low energy(以下、BLEという。)に基づいて、互いに無線通信を行う。BLEとは、Bluetooth(登録商標)と呼ばれる近距離無線通信規格において、低消費電力を目的として策定された規格(モード)である。本実施形態において、BLEに基づいて、電子時計100は、後述するアドバタイズパケットを送信するペリフェラルとして動作する。また、スマートフォン200は、アドバタイズパケットを受信するセントラルとして動作する。さらに、電子時計100とスマートフォン200との接続が確立した後の無線通信時において、電子時計100は、スレーブとして動作し、スマートフォン200は、マスターとして、動作する。
【0013】
次に、第1実施形態に係る電子時計100の構成について説明する。
【0014】
まず、第1実施形態に係る電子時計100のハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る電子時計100の構成を示すブロック図である。電子時計100は、マイクロコンピュータ101と、ROM(Read Only Memory)102と、通信部103と、アンテナ104と、電力供給部105と、表示部106と、表示ドライバ107と、操作受付部108と、振動子109とを備える。
【0015】
マイクロコンピュータ101は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)110と、記憶部としてのRAM(Random Access Memory)111と、発振回路112と、分周回路113と、計時回路114などを備える。なお、RAM111、発振回路112、分周回路113、及び計時回路114は、マイクロコンピュータ101の内部に限られず、マイクロコンピュータ101の外部に設けられてもよい。また、ROM102と、表示ドライバ107と、電力供給部105と、振動子109と、通信部103と、アンテナ104とは、マイクロコンピュータ101の外部に限られず、マイクロコンピュータ101の内部に設けられてもよい。
【0016】
CPU110は、各種演算処理を行い、電子時計100の全体動作を統括制御するプロセッサである。CPU110は、ROM102から制御プログラムを読み出し、RAM111にロードして時刻の表示や各種機能に係る演算制御や表示などの各種動作処理を行う。また、CPU110は、通信部103を制御してスマートフォン200とデータ通信を行う。
【0017】
RAM111は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性のメモリである。RAM111は、一時データを記憶すると共に、各種設定データを記憶する。
【0018】
発振回路112は、振動子109を発振させて、所定の周波数信号(クロック信号)を生成して出力する。
【0019】
分周回路113は、発振回路112から入力された周波数信号を計時回路114やCPU110が利用する周波数の信号に分周して出力する。この出力信号の周波数は、CPU110による設定に基づいて変更されても良い。
【0020】
計時回路114は、分周回路113から入力された信号の入力回数を計数して初期値に加算することで現在の時刻を計時する。計時回路114は、RAM111に記憶させる値を変化させるソフトウェアにより構成されても良いし、或いは、専用のハードウェアにより構成されても良い。計時回路114が計時する時刻は、所定のタイミングからの累積時間、UTC(Coordinated Universal Time、協定世界時)、又は予め設定された都市の時刻(地方時)などのうち何れであっても良い。また、この計時回路114が計時する時刻は、必ずしも年月日時分秒の形式でなくてもよい。また、計時回路114が計時する時刻は、変更部124からの指示によって変更される。
【0021】
これら発振回路112、分周回路113及び計時回路114により計時部が構成される。
【0022】
ROM102は、不揮発性メモリなどであり、制御プログラムや初期設定データを記憶する。制御プログラムの中には、スマートフォン200から時刻を変更するためのデータを通信し、電子時計100が計時する時刻を変更するための各種処理の制御に係るプログラム115が含まれる。
【0023】
通信部103は、例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)回路やベースバンド(BB:Baseband)回路、メモリ回路で構成される。通信部103は、アンテナ104を介して、BLEに基づく無線信号の送信及び受信を行う。また、通信部103は、アンテナ104を介して受信した無線信号を、復調、復号等してCPU110へ送る。また、通信部103は、CPU110から送られた信号を、符号化、変調等して、アンテナ104を介して外部へ送信する。
【0024】
電力供給部105は、例えば、バッテリ、及び電圧変換回路を備える。電力供給部105は、電子時計100内の各部の動作電圧で電力を供給する。電力供給部105のバッテリとしては、本実施形態では、ボタン型乾電池などの一次電池が用いられている。或いは、電力供給部105のバッテリとして、ソーラパネルと二次電池が用いられる。
【0025】
これらマイクロコンピュータ101、ROM102、通信部103、アンテナ104、電力供給部105、及び振動子109により通信装置10が構成される。
【0026】
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどの表示パネルを備え、時刻や各種機能に係るデータを表示するデジタル表示動作を行う。表示ドライバ107は、表示部106の種別に応じた駆動信号をマイクロコンピュータ101からの制御信号に基づいて表示部106に出力して、表示パネルに時刻や各種機能の表示を行わせる。或いは、表示部106は、複数の指針をステッピングモータにより輪列機構を介して回転動作させることで表示を行うアナログ式の構成を有するものであっても良い。
【0027】
操作受付部108は、ユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力操作に応じた電気信号を入力信号としてマイクロコンピュータ101に出力する。この操作受付部108は、例えば、押しボタンスイッチやりゅうずを含む。或いは、操作受付部108として、タッチセンサが、表示部106の表示画面に重ねて設けられ、表示画面とともにタッチパネルを構成してもよい。この場合、タッチセンサは、当該タッチセンサへのユーザの接触動作に係る接触位置や接触態様を検出し、検出された接触位置や接触態様に応じた操作信号をCPU110に出力する。
【0028】
次に、第1実施形態に係る電子時計100のCPU110の機能構成について説明する。
【0029】
図2に示すように、CPU110は、送信制御部121、受信制御部122、算出部123、及び変更部124として機能する。これら送信制御部121、受信制御部122、算出部123、及び変更部124の機能は、単一のCPUにより実現されても良いし、各々別個のCPUにより実現されてもよい。また、それらの機能は、通信部103のCPU(図示せず)等、マイクロコンピュータ101以外のプロセッサにより実現されても良い。
【0030】
送信制御部121としてのCPU110は、通信部103を制御する。そして、これにより、通信部103が、スマートフォン200にアドバタイズパケットを送信する。ここで、アドバタイズパケットは、電子時計100が送信する送信情報の一例であり、スマートフォン200に電子時計100の存在を知らせるために送信される。本実施形態において、送信制御部121は、計時回路114が計時する時刻Twが所定の時刻Tであるとき、アドバタイズパケットの送信の開始を通信部103に指示する。そして、通信部103は、時間間隔Tiおきに、アドバタイズパケットを送信する。
【0031】
受信制御部122としてのCPU110は、通信部103を制御して、スマートフォン200から、電子時計100との接続を要求する接続要求(Connection request)を受信する。例えば、通信部103は、スマートフォン200から、電子時計100がスマートフォン200との接続が確立した後のスマートフォン200との通信を管理するためのパラメータを含む接続要求を受信する。図3に接続要求のPDU(Payload Data Unit)の構成を示す。図3に示すように、接続要求のPDUは、接続要求を送信したスマートフォン200のアドレスを含むInitAと、アドバタイズパケットを送信した電子時計100のアドレスを含むAdvAと、LLDataと、を含む。さらに、LLDataは、Interval、Latency、Timeout等のパラメータを含む。Intervalは、コネクションイベントを開始してから次のコネクションイベントを開始するまでの時間間隔(Connection interval)を規定する。Latencyは、スレーブとして動作する電子時計100が連続してスキップできるコネクションイベントの数(Slave latency)を規定する。Timeoutは、スマートフォン200との接続が失われたと判定する際の、スマートフォン200との通信がない最大時間(Supervision timeout)を規定する。Interval、Latency、及びTimeoutに設定される設定値は、ブルートゥース仕様書で規定される条件の範囲内で自由に設定可能である。CPU110は、通信部103が接続要求を受信すると、例えば、通信部103から接続要求に含まれるInterval、Latency、及びTimeoutに設定された設定値を受け付ける。なお、Timeout及びTimeoutに設定される設定値は、それぞれ本発明に係る第1パラメータ及び第1設定値の一例である。また、Interval及びLatency、並びにそれらに設定される設定値は、それぞれ本発明に係る第2パラメータ及び第2設定値の一例である。
【0032】
算出部123としてのCPU110は、受信制御部122としてのCPU110により受信された接続要求に含まれるパラメータに設定された設定値に基づいて、電子時計100が計時する時刻の変更値を算出する。例えば、変更値Eは、電子時計100が計時する時刻Twと、スマートフォン200が計時する時刻Tpとの差分である。ここで、電子時計100が、スマートフォン200にアドバタイズパケットを時刻Tw=Tに送信し、スマートフォン200が、そのアドバタイズパケットを時刻Tp=Trに受信したとすると、変更値Eは、以下の式1により表される。
E=Tp−Tw=Tr−T (式1)
すなわち、変更値Eが正の値のとき、電子時計100が計時する時刻Twは、スマートフォン200が計時する時刻Tpよりも変更値Eだけ遅れている。また、変更値Eが負の値のとき、電子時計100が計時する時刻Twは、スマートフォン200が計時する時刻Tpよりも変更値Eだけ進んでいる。
【0033】
そして、CPU110は、受信された接続要求に含まれるTimeoutに設定された設定値と、Timeoutに設定可能な最低値との差分に基づいて、変更値を算出する。具体的には、変更値Eは、Timeoutに設定された値STO、Timeoutに設定可能な最低値STOmin、及び所定の値Nを用いて、以下の式2により表される。
E=STO−STOmin−N (式2)
ここで、Nは、通信システム1において変更可能な最大誤差を示し、予め設定される。
【0034】
さらに、Timeoutに設定可能な最低値STOminは、受信された接続要求に含まれるInterval及びLatencyにそれぞれ設定された設定値Int及びLatを用いて、以下の式3により表される。
STOmin=(1+Lat)×Int×2 (式3)
【0035】
従って、CPU110は、式2及び式3から、受信された接続要求に含まれるInterval、Latency及びTimeoutにそれぞれ設定された設定値Int、Lat及びSTO、並びに所定の値Nを用いて、以下の式4により変更値Eを算出する。
E=STO−{(1+Lat)×Int×2}−N (式4)
【0036】
変更部124としてのCPU110は、算出部123としてのCPU110により算出された変更値に基づいて計時回路114が計時する時刻を変更する。例えば、CPU110は、式2により算出された変更値Eを用いて、計時回路114が計時する時刻Twを、Tw+Eに変更する。
【0037】
次に、第1実施形態に係るスマートフォン200の構成について説明する。
【0038】
まず、第1実施形態に係るスマートフォン200のハードウェア構成について説明する図4は、本発明の第1実施形態に係るスマートフォン200の構成を示すブロック図である。スマートフォン200は、マイクロコンピュータ201と、ROM202と、通信部203と、アンテナ204と、電力供給部205と、表示部206と、表示ドライバ207と、操作受付部208と、振動子209とを備える。
【0039】
マイクロコンピュータ201は、制御部としてのCPU210と、記憶部としてのRAM211と、発振回路212と、分周回路213と、計時回路214とを備える。なお、RAM211、発振回路212、分周回路213、及び計時回路214は、マイクロコンピュータ201の内部に限られず、マイクロコンピュータ201の外部に設けられてもよい。また、ROM202と、通信部203と、電力供給部205と、表示ドライバ207と、振動子209は、マイクロコンピュータ201の外部に限られず、マイクロコンピュータ201の内部に設けられてもよい。
【0040】
CPU210は、各種演算処理を行い、スマートフォン200の全体動作を統括制御するプロセッサである。CPU210は、ROM202から制御プログラムを読み出し、RAM211にロードして時刻の表示や各種機能に係る演算制御や表示などの各種動作処理を行う。また、CPU210は、通信部203を制御し、電子時計100とデータ通信を行う。
【0041】
RAM211は、SRAMやDRAMなどの揮発性のメモリである。RAM211は、一時データを記憶すると共に、各種設定データを記憶する。
【0042】
発振回路212は、振動子209を発振さることにより所定の周波数信号(クロック信号)を生成して出力する。
【0043】
分周回路213は、発振回路212から入力された周波数信号を、計時回路214やCPU210が利用する周波数の信号に分周して出力する。この出力信号の周波数は、CPU210による設定に基づいて変更されても良い。
【0044】
計時回路214は、分周回路213から入力された信号の入力回数を計数して初期値に加算することで現在の時刻を計時する。計時回路214は、RAM211に記憶させる値を変化させるソフトウェアにより構成されても良いし、或いは、専用のハードウェアにより構成されても良い。計時回路214が計時する時刻は、所定のタイミングからの累積時間、UTC、又は予め設定された地方時などのうち何れであっても良い。また、この計時回路214が計時する時刻は、必ずしも年月日時分秒の形式でなくてもよい。また、計時回路214が計時する時刻は、Wi−Fi(登録商標)等の外部から得られる時刻によって変更可能である。
【0045】
これら発振回路212、分周回路213及び計時回路214により計時部が構成される。
【0046】
ROM202は、マスクROMや書き換え可能な不揮発性メモリなどであり、制御プログラムや初期設定データが記憶されている。制御プログラムの中には、電子時計100と電子時計100の時刻を変更するためのデータを通信し、電子時計100が計時する時刻を変更するための各種処理の制御に係るプログラム215が含まれる。
【0047】
通信部203は、例えば無線周波数回路やベースバンド回路、メモリ回路等で構成される。通信部203は、アンテナ204を介して、BLEに基づく無線信号の送信及び受信を行う。また、通信部203は、アンテナ204を介して受信した無線信号を、復調、復号等してCPU210へ送る。また、通信部203は、CPU210から送られた信号を、符号化、変調等して、アンテナ204を介して外部へ送信する。
【0048】
電力供給部205は、例えば、バッテリ、及び電圧変換回路を備える。電力供給部205、スマートフォン200内の各部の動作電圧で電力を供給する。電力供給部205のバッテリとしては、本実施形態では、リチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。
【0049】
これらマイクロコンピュータ201、ROM202、通信部203、アンテナ204、電力供給部205、及び振動子209により通信装置20が構成される。
【0050】
表示部206は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示パネルを備える。表示ドライバ207は、表示部206の種別に応じた駆動信号をマイクロコンピュータ201からの制御信号に基づいて表示部206に出力して、表示パネルに各種情報の表示を行う。
【0051】
操作受付部208は、ユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力操作に応じた電気信号をマイクロコンピュータ201に出力する。例えば、操作受付部208としてタッチセンサが表示部206の表示パネルに重ねて設けられ、表示パネルとともにタッチパネルを構成してもよい。この場合、タッチセンサは、当該タッチセンサへのユーザの接触動作に係る接触位置や接触態様を検出し、検出された接触位置や接触態様に応じた操作信号をマイクロコンピュータ201に出力する。
【0052】
次に、第1実施形態に係るスマートフォン200のCPU210の機能構成について説明する。
【0053】
CPU210は、受信制御部221、生成部222、及び送信制御部223として機能する。これら受信制御部221、生成部222、及び送信制御部223の機能は、単一のCPUにより実現されても良いし、各々別個のCPUにより実現されても良い。また、それらの機能は、通信部203のCPU(図示せず)等、マイクロコンピュータ201以外のプロセッサにより実現されても良い。
【0054】
受信制御部221としてのCPU210は、通信部203を制御して、電子時計100から、アドバタイズパケットを受信する。本実施形態において、受信制御部221は、計時回路214が計時する時刻Tpが所定の時刻Tよりも所定時間前(T−M)になったとき、アドバタイズパケットを受信するためのスキャン動作の開始を通信部203に指示する。そして、通信部203は、スキャン動作を開始する。
【0055】
生成部222としてのCPU210は、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200が計時する時刻に基づいて、電子時計100との接続を要求する接続要求に含まれるパラメータに設定される設定値を生成する。例えば、CPU210は、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200が計時する時刻Tp=Trと、所定の時刻Tとの差分(変更値)Eに基づいて、接続要求に含まれるTimeoutに設定される設定値STOを生成する。より詳細には、CPU210は、差分Eと、Timeoutに設定可能な最低値STOminとに基づいて、Timeoutに設定される値STOを生成する。具体的には、設定値STOは、差分E、最低値STOmin、及び所定の値Nを用いて、以下の式5により表される。
STO=STOmin+E+N (式5)
【0056】
さらに、STOminは、接続要求に含まれるInterval及びLatencyにそれぞれ設定される値Int及びLatを用いて式3により表される。従って、CPU210は、式3及び式5から得られる以下の式6に従って、設定値STOを生成する。
STO=(1+Lat)×Int×2+E+N (式6)
【0057】
なお、CPU210は、設定値STOを、例えば、10ミリ秒単位で設定してもよい。
【0058】
送信制御部223としてのCPU210は、通信部203を制御して、生成された設定値が設定されたパラメータを含む接続要求を、電子時計100へ送信する。CPU210は、例えば図3に示すように、生成部222としてのCPU210により生成された設定値STO、設定値STOの生成に用いられた設定値Int及びLatがそれぞれ設定されたTimeout、Interval、及びLatencyを含む接続要求の電子時計100への送信を通信部203に指示する。
【0059】
図5は、第1実施形態における通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図5に示す例では、電子時計100の通信装置10がペリフェラル、スマートフォン200の通信装置20がセントラルとして動作する場合の、各通信装置10、20のホスト及びリンク・レイヤーの動作について説明する。ここで、CPU110、210がホストとして機能する。また、通信部103、203がリンク・レイヤーとして機能する。
【0060】
通信装置10と通信装置20は、例えば、1日に1回の定期的な時刻である時刻Tに通信装置10の時刻を変更するための時刻変更動作を開始する。以下の説明において、電子時計100の計時回路114が計時する時刻をTw、スマートフォン200の計時回路214が計時する時刻をTp、と表す。
【0061】
通信装置20は、時刻Tp=Tに通信装置10からのアドバタイズパケットを受信できるように、時刻Tpに対して時間Mだけ早くスキャン動作を開始する。即ち、通信装置20のCPU210は、時刻Tp=T−Mに、通信部203へスキャン動作を開始するように指示する(ステップS10)。
【0062】
時間Mは時刻Tに対する通信装置10と通信装置20との間の計時誤差のためのマージンであり、通信装置10からのアドバタイズパケットをいち早く確実に受信するために設定される。時間Mは、例えば、計時回路214の歩度と、通信装置10の前回時刻変更動作からの経過時間とを考慮し、計時回路214が計時する時刻Tpの誤差よりも長い時間に設定されることが好ましい。
【0063】
通信装置10のCPU110は、時刻Tw=Tに、通信部103にアドバタイズパケットを送信するように指示する(ステップS11)。以後、通信部103は、時間間隔Tiおきに、アドバタイズパケットを送信する。
【0064】
通信装置20のCPU210は、通信部203から通信装置10からのアドバタイズパケットを受信したことが知らされると、そのアドバタイズパケットを受信した時に計時回路214が計時する時刻Tp=Trを取得する(ステップS12)。
【0065】
CPU210は、時刻Trと時刻Tとの差分Eを基に生成された設定値STOが設定されたTimeoutを含む接続要求を通信装置10に送信するよう、通信部203に指示する(ステップS13)。これにより、通信部203は、通信装置10へ接続要求を送信する。
【0066】
通信装置10の通信部103は、接続要求を受信後に、CPU110に接続要求を受信したことを通知する(ステップS14)。
【0067】
その後、CPU110は、通信部103に通信装置20との通信接続の切断の要求を指示する(ステップS15)。通信部103は、通信装置20に接続切断要求を送信する。そして、CPU110は、接続要求に含まれるTimeoutに設定された設定値STOを基に、時刻を変更する(ステップS16)。
【0068】
通信装置20の通信部203は、接続切断要求を受信した後に、通信装置10との接続の切断をCPU210に通知する(ステップS17)。
【0069】
図6は、電子時計100のCPU110が実行する時刻変更処理の制御手順を示すフローチャートである。この時刻変更処理は、本発明の時刻変更方法の一実施形態である。CPU110は、例えば、電子時計100の電源がオンになったことを契機として、時刻変更処理を開始する。
【0070】
時刻変更処理が開始されると、CPU110は、計時回路114が計時する現在の時刻Twが時刻Tか否かを判別する(ステップS101)。CPU110は、計時回路114が計時する現在の時刻Twが時刻でないと判別した場合には(ステップS101で“No”)、CPU110は、時刻Twが時刻Tになるまで待つ。CPU110は、時刻Twが時刻Tであると判別した場合には(ステップS101で“Yes”)、タイマを起動させる(ステップS102)。
【0071】
そして、CPU110は通信部103にアドバタイズパケットの送信の開始を指示する(ステップS103)。これにより、通信部103は、アドバタイズパケットを所定間隔Tiで繰り返し送信する。
【0072】
CPU110は、通信部103が通信装置20からの接続要求を受信したか否かを判別する(ステップS104)。CPU110は、通信部103が通信装置20からの接続要求を受信していないと判別した場合には(ステップS104で“No”)、タイマがカウントした時間tが所定の時間Taを超えたか否かを判別する(ステップ105)。CPU110は、時間tが所定の時間Taを超えていないと判別した場合には(ステップS105で“No”)、引き続き通信部103が通信装置20からの接続要求を受信するのを待つ(ステップS104に戻る)。CPU110は、時間Tが所定の時間Taを超えたと判別した場合には(ステップS105で“Yes”)、CPU110は、通信部103にアドバタイズパケットの送信の停止を指示する(ステップS106)。それから、CPU110は、表示ドライバ107を介して表示部106にエラーが発生した旨を表示する(ステップS107)。そして、CPU110は、ステップS101に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0073】
CPU110は、通信部103が通信装置20からの接続要求を受信したと判別した場合には(ステップS104で“Yes”)、通信部103が受信した接続要求に含まれるInterval、Latency、及びTimeoutに設定された設定値Int、Lat、及びSTOから、式4に従って、計時回路114が計時する時刻の変更値を算出する(ステップS108)。
【0074】
CPU110は、通信部103に通信装置20への接続切断要求の送信を指示する(ステップS109)。
【0075】
CPU110は、ステップS108で算出された変更値に基づいて計時回路114が計時する時刻を変更することで、通信装置10の時刻を変更する(ステップS110)。そして、CPU110は、ステップS101に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0076】
図7は、スマートフォン200のCPU210が実行する接続要求生成処理の制御手順を示すフローチャートである。この接続要求生成処理は、本発明の接続要求生成方法の一実施形態である。CPU210は、例えば、スマートフォン200の電源がオンになったことを契機として、接続要求生成処理を開始する。
【0077】
接続要求生成処理が開始されると、CPU210は、計時回路214が計時する現在の時刻Tpが時刻T−Mであるか否かを判別する(ステップS201)。CPU210は、時刻Tpが時刻T−Mでないと判別した場合には(ステップS201で“No”)、CPU210は、時刻Tpが時刻T−M以降になるまで待つ。CPU210は、時刻Tpが時刻T−Mであると判別した場合には(ステップS201で“Yes”)、タイマを起動させる(ステップS202)。
【0078】
そして、CPU210は通信部203にアドバタイズパケットを受信するためのスキャン動作の開始を指示する(ステップS203)。
【0079】
CPU210は、タイマがカウントした時間tが所定の時間Tsを超えたか否かを判別する(ステップ204)。CPU210は、時間tが所定の時間Tsを超えたと判別した場合には(ステップS204で“Yes”)、CPU210は、通信部203にスキャン動作の停止を指示する(ステップS205)。それから、CPU210は、表示ドライバ207を介して表示部206にエラーが発生した旨を表示する(ステップS206)。そして、CPU210は、ステップS201に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0080】
CPU210は、タイマがカウントした時間tが所定の時間Tsを超えていないと判別した場合には(ステップS204で“No”)、CPU210は、通信部203が通信装置10からのアドバタイズパケットを受信したか否かを判別する(ステップS206)。CPU210は、通信部203が通信装置10からのアドバタイズパケットを受信していないと判別した場合には(ステップS206で“No”)、CPU210は、タイマがカウントする時間tが所定の時間Tsを超えるまで、又は通信部203が通信装置10からのアドバタイズパケットを受信するまで待つ(ステップS204に戻る)。
【0081】
CPU210は、通信部203が通信装置10からのアドバタイズパケットを受信したと判別した場合には(ステップS206で“Yes”)、CPU210は、アドバタイズパケットを受信した時に計時回路214が計時する時刻Tp=Trを取得する(ステップS207)。そして、CPU210は、タイマを停止させる(ステップS208)。
【0082】
CPU210は、時刻TとステップS207で取得された時刻Trとの差分Eと、接続要求に含まれるInterval及びLatencyにそれぞれ設定される値Int及びLatとを基に、式6に従って接続要求に含まれるTimeoutに設定される設定値STOを生成する(ステップS209)。
【0083】
CPU210は、Int及びLatと、ステップS209で生成された設定値STOとがそれぞれ設定されたInterval、Latency、及びTimeoutを含む接続要求の通信装置10への送信を通信部203に指示する(ステップS210)。そして、CPU210は、ステップ201に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0084】
以上のように、第1実施形態の電子時計100のCPU110は、通信部103を制御して、スマートフォン200から、電子時計100との接続を要求する接続要求を受信し、接続要求に含まれるTimeoutに設定された設定値STOに基づいて、電子時計100が計時する時刻Twを変更する。このように、電子時計100は、接続が確立した後のデータ通信で得られる情報により時刻を変更する必要が無い。これにより、電子時計100は、従来のような接続が確立した後のデータ通信によって時刻を変更するため消費電力を低減できる。
【0085】
また、CPU110は、設定値STOと、Timeoutに設定可能な最低値STOminとの差分に基づいて、電子時計100が計時する時刻を変更する。詳細には、接続要求は、Interval及びLatencyを含み、CPU110は、STOと、Interval及びLatentcyにそれぞれ設定された設定値Int及びLatに基づく最低値STOminとの差分に基づいて、電子時計100が計時する時刻Twを変更する。さらに詳細には、CPU110は、設定値STOから、最低値STOminと、所定値Nとを減算することにより、電子時計100が計時する時刻Twの変更値Eを算出する。そして、CPU110は、電子時計100が計時する時刻Twに算出された変更値Eを加算することにより、電子時計100が計時する時刻Twを変更する。このように、電子時計100は、接続要求に含まれるパラメータに設定された設定値から計時回路114が計時する時刻Twの変更値Eを算出するので、従来の通信接続完了イベントと同程度のデータ量を用いて時刻を変更可能である。
【0086】
また、以上のように、第1実施形態のスマートフォン200のCPU210は、通信部203を制御して、電子時計100が送信したアドバタイズパケットを受信し、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200が計時する時刻Tpに基づいて、電子時計100との接続を要求する接続要求に含まれるTimeoutに設定される設定値STOを生成する。そして、CPU210は、通信部203を制御して、生成された設定値STOが設定されたTimeoutを含む接続要求を、電子時計100へ送信する。このように、スマートフォン200は、接続を確立した後のデータ通信を要さずに、電子時計100に電子時計100との時刻差を通知する接続要求を送信できる。これにより、電子時計100は、接続を確立した後のデータ通信を要さずに時刻変更が可能となり、時刻変更のためのデータ通信により消費される電力を低減できる。
【0087】
また、CPU210は、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200が計時する時刻Trと、時刻Tpとの差分Eに基づいて、設定値STOを生成する。これにより、スマートフォン200からの接続要求を受信した電子時計100は、受信した接続要求に含まれるTimeoutに設定された設定値STOに基づいて、計時回路114が計時する時刻を容易に変更することができる。
【0088】
また、CPU210は、設定値STOを10ミリ秒単位で設定する。これにより、電子時計100は、時刻を計時するのに十分な精度で計時回路114が計時する時刻Twを変更することができる。
【0089】
また、CPU210は、差分Eと、Timeoutに設定可能な最低値STOminとに基づいて、設定値STOを生成する。詳細には、接続要求は、IntervalとLatencyをさらに含み、CPU210は、差分Eと、Interval及びLatencyにそれぞれ設定される設定値Int及びLatとに基づく最低値STOminとに基づいて、設定値STOを生成する。さらに詳細には、CPU210は、差分Eに、最低値STOminと、所定値Nとを加算することにより、設定値STOを生成する。このように、CPU210は、接続要求に基づいて、電子時計100が計時回路114が計時する時刻Twを変更可能となるように、接続要求を生成するので、電子時計100は、従来の通信接続完了イベントと同程度のデータ量で時刻を変更できる。
【0090】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電子時計100aについて説明する。図8は、本実施形態の電子時計100aの機能構成を示すブロック図である。この電子時計100aは、第1実施形態の電子時計100の構成に対してCPU110が、送信制御部121の代わりに、送信制御部121aとして機能する点を除き同一である。なお、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0091】
送信制御部121aとしてのCPU110は、通信部103を制御して、電子時計100が計時する時刻を含むアドバタイズパケットをスマートフォン200に送信する。例えば、CPU110は、計時回路114が計時する現在時刻Tw=T1を示す値を、種別がADV_INDであるアドバタイズパケットのデータフィールドAdvDataに設定する。ここで、Adv_INDは、アドバタイズパケットの種別を示し、アドバタイズパケットの送信元がどのデバイスとも接続可能であり、かつ簡易情報の問合せが可能であることを示す。そして、CPU110は、時刻T1を示す値が設定されたAdvDataを含み、種別がADV_INDであるアドバタイズパケットを送信するよう、通信部103に指示する。
【0092】
次に、第2実施形態のスマートフォン200aについて説明する。図9は、本実施形態のスマートフォン200aの機能構成を示すブロック図である。このスマートフォン200aは、第1実施形態のスマートフォン200の構成に対してCPU210が、生成部222の代わりに、生成部222aとして機能する点を除き同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付すこととして説明を省略する。
【0093】
生成部222aとしてのCPU210は、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200aが計時する時刻と、アドバタイズパケットに含まれる電子時計100aが計時する時刻との差分に基づいて、設定値STOを生成する。例えば、CPU210は、電子時計100aから送信されたアドバタイズパケットに含まれるAdv_INDのデータフィールドに設定された値が示す時刻T1を特定する。そして、CPU210は、アドバタイズパケットを受信したときにスマートフォン200aが計時する時刻Tp=Trと、特定された時刻T1との差分Eに基づいて、第1実施形態と同様に設定値STOを生成する。
【0094】
図10は、本実施形態の電子時計100aのCPU110が実行する時刻変更処理の制御手順を示すフローチャートである。この時刻変更処理は、第1実施形態の電子時計100による時刻変更処理に対してステップS111の処理が追加された点を除き、第1実施形態の電子時計100による時刻変更処理と同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0095】
ステップS102でタイマが起動されると、CPU110は、この時点の、即ちアドバタイズパケットの送信を開始させる時点の、計時回路114が計時する現在時刻Tw=T1を示す値を、種別がAdv_INDであるアドバタイズパケットのデータフィールドAdvDataに設定する(ステップS111)。
【0096】
図11は、本実施形態のスマートフォン200aが実行する接続要求生成処理の制御手順を示すフローチャートである。この接続要求生成処理は、第1実施形態のスマートフォン200による接続要求生成処理に対してステップS211の処理が追加され、第1実施形態のスマートフォン200による接続要求生成処理におけるステップS209の処理の代わりにステップS212の処理が追加された点を除き、第1実施形態のスマートフォン200による接続要求生成処理と同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0097】
ステップS208でCPU210がタイマを停止させると、CPU210は、通信部203が受信したアドバタイズパケットに含まれるAdvDataに設定された値が示す時刻T1を特定する(ステップS211)。すなわち、CPU210は、電子時計100aのCPU110がその値をAdvDataに設定した時の、即ちアドバタイズパケットの送信を開始させる時の、電子時計100aの計時回路114が計時した時刻Tw=T1を特定する。
【0098】
CPU210は、ステップS211で特定された時刻T1と、ステップS207で取得された時刻Trとの差分Eに基づいて、第1実施形態と同様に設定値STOを生成する(ステップS212)。
【0099】
以上のように、第2実施形態の電子時計100aのCPU110は、種別がAdv_INDであるアドバタイズパケットのデータフィールドAdvDataに計時回路114が計時する時刻T1を示す値を設定する。そして、CPU110は、通信部103を制御して、そのアドバタイズパケットをスマートフォン200aに送信する。これにより、スマートフォン200aは、アドバタイズパケットを受信した時刻Trと、電子時計100aが計時する時刻T1との差分Eに基づくTimeoutの設定値STOを生成し、生成された設定値STOが設定されたTimeoutを含む接続要求を電子時計100aに送信することができる。そのため、電子時計100aは、受信した接続要求に基づいて、簡易に時刻を変更することが可能である。
【0100】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
【0101】
例えば、スマートフォン200、200aの計時回路214の歩度を考慮しない前提として説明したが、CPU210が計時回路214の歩度を予め保持してもよい。そして、CPU210は、スマートフォン200、200aがGPS(Global Positioning System)等の電波を受信することから得られる正確な時刻により計時回路214が計時する時刻を変更した時点からの経過時間と上記予め保持している歩度とを基に求めた時刻ずれ量を考慮して、Timeoutの設定値STOを生成しても良い。
【0102】
また、スマートフォン200,200aのCPU210は、例えば、電子時計100,100aとスマートフォン200,200aとの通信遅延時間、電子時計100,100aでの処理遅延時間、スマートフォン200,200aでの処理遅延時間を考慮して、Timeoutの設定値STOを生成しても良い。
【0103】
また、上記実施の形態では、電子時計100、100aが、スマートフォン200、200aとブルートゥースで通信して電子時計100、100aの時刻を変更することを説明した。しかし、電子時計100、100aは、スマートフォン200、200aとその他の通信方法、例えば、無線LAN(Local Area Network)やWi−Fi(登録商標)、または有線で通信して時刻を変更しても良い。
【0104】
また、上記実施の形態では、電子時計100、100aが計時する時刻をスマートフォン200、200aが計時する時刻で変更する例を説明した。しかし、スマートフォン200、200aが計時する時刻を電子時計100、100aが計時する時刻で変更しても良い。
【0105】
また、上記実施の形態では、電子時計100、100a、スマートフォン200、200aを例に挙げて説明したが、これらはスマートウォッチなどの各種電子機器であって良い。
【0106】
また、上記実施の形態では、CPU110,210が、制御動作を行う例を説明した。しかし、制御動作は、CPUによるソフトウェア制御に限られるものではない。制御動作の一部又は全部が専用の論理回路などのハードウェア構成を用いてなされても良い。
【0107】
また、以上の説明では、本発明の時刻変更処理に係るプログラム115、接続要求生成処理に係るプログラム215を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなるROM102,202を例に挙げて説明した。しかし、コンピュータ読み取り可能な媒体は、これらに限定されず、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型記録媒体を適用してもよい。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0108】
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記の番号は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0110】
(付記1)
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置から、自装置との接続を要求する接続要求を受信し、
前記接続要求に含まれる第1パラメータに設定された第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする通信装置。
【0111】
(付記2)
前記制御部は、前記第1設定値と、前記第1パラメータに設定可能な最低値との差分に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0112】
(付記3)
前記接続要求は、前記第1パラメータと異なる第2パラメータをさらに含み、
前記制御部は、前記第1設定値と、前記第2パラメータに設定された第2設定値に基づく前記最低値との差分に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする付記2に記載の通信装置。
【0113】
(付記4)
前記制御部は、
前記第1設定値から、前記最低値と、所定値とを減算することにより、前記計時部が計時する時刻の変更値を算出し、
前記計時部が計時する時刻に算出された前記変更値を加算することにより、前記計時部が計時する時刻を変更する、
ことを特徴とする付記2または3に記載の通信装置。
【0114】
(付記5)
前記制御部は、
前記通信部を制御して、送信情報を所定の時刻に前記他の通信装置に送信し、
前記通信部を制御して、前記送信情報に応答して前記他の通信装置から送信された前記接続要求であって、前記他の通信装置が前記送信情報を受信した時刻と、前記所定の時刻とに基づく前記第1設定値が設定された前記第1パラメータを含む前記接続要求を受信する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の通信装置。
【0115】
(付記6)
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記計時部が計時する時刻を含む送信情報を前記他の通信装置に送信し、
前記通信部を制御して、前記送信情報に応答して前記他の通信装置から送信された前記接続要求であって、前記送信情報に含まれる、前記計時部が計時する時刻と、前記他の通信装置が前記送信情報を受信した時刻とに基づく前記第1設定値が設定された前記第1パラメータを含む前記接続要求を受信する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の通信装置。
【0116】
(付記7)
前記通信部は、前記他の通信装置とBluetooth(登録商標) Low Energyに基づいて無線通信し、
前記制御部は、
前記送信情報として、種別がAdv_INDであるアドバタイズパケットを送信し、
前記アドバタイズパケットのデータフィールドに、前記計時部が計時する時刻を示す値を設定する、
ことを特徴とする付記6に記載の通信装置。
【0117】
(付記8)
他の通信装置と通信する通信部と、
時刻を計時する計時部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が送信した送信情報を受信し、
前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻に基づいて、前記他の通信装置との接続を要求する接続要求に含まれる第1パラメータに設定される第1設定値を生成し、
前記通信部を制御して、前記制御部により生成された前記第1設定値が設定された前記第1パラメータを含む前記接続要求を、前記他の通信装置へ送信する、
ことを特徴とする通信装置。
【0118】
(付記9)
前記制御部は、前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、所定の時刻との差分に基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記8に記載の通信装置。
【0119】
(付記10)
前記制御部は、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が計時する時刻を含む前記送信情報を、前記他の通信装置から受信し、
前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻と、前記送信情報に含まれる前記他の通信装置が計時する時刻との差分に基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記8に記載の通信装置。
【0120】
(付記11)
前記制御部は、前記差分と、前記第1パラメータに設定可能な最低値とに基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記9または10に記載の通信装置。
【0121】
(付記12)
前記接続要求は、前記第1パラメータと異なる第2パラメータをさらに含み、
前記制御部は、前記差分と、前記第2パラメータに設定される第2設定値とに基づく前記最低値とに基づいて、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記11に記載の通信装置。
【0122】
(付記13)
前記制御部は、前記差分に、前記最低値と、所定値とを加算することにより、前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記12に記載の通信装置。
【0123】
(付記14)
前記制御部は、10ミリ秒単位で前記第1設定値を生成する、
ことを特徴とする付記8乃至13のいずれか1つに記載の通信装置。
【0124】
(付記15)
前記第1パラメータは、前記制御部が前記他の通信装置との接続が失われたと判定する際の、前記他の通信装置との通信がない最大時間を規定するパラメータである、
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1つに記載の通信装置。
【0125】
(付記16)
前記計時部が計時する時刻を表示する表示部と、
付記1乃至15のいずれか1つに記載の通信装置と、
を備えることを特徴とする電子時計。
【0126】
(付記17)
他の通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備える通信装置が実行する時刻変更方法であって、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置から、自装置との接続を要求する接続要求を受信する受信制御ステップと、
前記接続要求に含まれる第1パラメータに設定された第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する変更ステップと、
を含むことを特徴とする時刻変更方法。
【0127】
(付記18)
他の通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備える通信装置が実行する接続要求生成方法であって、
前記通信部を制御して、前記他の通信装置が送信した送信情報を受信する受信制御ステップと、
前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻に基づいて、前記他の通信装置との接続を要求する接続要求に含まれる第1パラメータに設定される第1設定値を生成する生成ステップと、
前記通信部を制御して、生成された前記第1設定値が設定された前記第1パラメータを含む前記接続要求を、前記他の通信装置へ送信する送信制御ステップと、
を含むことを特徴とする接続要求生成方法。
【0128】
(付記19)
通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備えるコンピュータを、
前記通信部を制御して、前記通信装置から、前記コンピュータとの接続を要求する接続要求を受信する受信制御手段、
前記接続要求に含まれる第1パラメータに設定された第1設定値に基づいて、前記計時部が計時する時刻を変更する変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【0129】
(付記20)
通信装置と通信する通信部と、時刻を計時する計時部と、を備えるコンピュータを、
前記通信部を制御して、前記通信装置が送信した送信情報を受信する受信制御手段、
前記送信情報を受信したときに前記計時部が計時する時刻に基づいて、前記通信装置との接続を要求する接続要求に含まれる第1パラメータに設定される第1設定値を生成する生成手段、
前記通信部を制御して、生成された前記第1設定値が設定された前記第1パラメータを含む前記接続要求を、前記通信装置へ送信制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0130】
1…通信システム、10,20…通信装置、100,100a…電子時計、101…マイクロコンピュータ、102…ROM、103…通信部、104…アンテナ、105…電源供給部、106…表示部、107…表示ドライバ、108…操作受付部、109…振動子、110…CPU、111…RAM、112…発振回路、113…分周回路、114…計時回路、115…プログラム、121,121a…送信制御部、122…受信制御部、123…算出部、124…変更部、200,200a…スマートフォン、201…マイクロコンピュータ、202…ROM、203…通信部、204…アンテナ、205…電源供給部、206…表示部、207…表示ドライバ、208…操作受付部、209…振動子、210…CPU、211…RAM、212…発振回路、213…分周回路、214…計時回路、215…プログラム、221…受信制御部、222,222a…生成部、223…送信制御部
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図10
図11