(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態に至る前の構想>
実施の形態1にかかる反射型液晶表示素子の製造方法について説明する前に、当該製造方法が適用される反射型液晶表示素子100、及び、その基本的な製造方法について説明する。
【0012】
(反射型液晶表示素子100の構造)
まず、
図1及び
図2を参照しながら、反射型液晶表示素子100の構造について説明する。
図1は、反射型液晶表示素子100を示す断面模式図である。
図2は、反射型液晶表示素子100を示す平面模式図である。
【0013】
図1に示すように、反射型液晶表示素子100は、ガラス基板101と、コート層102と、貼り合わせ用アライメントマーク103と、緑、赤、青のカラーフィルタ104〜106と、透明電極107と、封止材108と、導電型スペーサ109と、電極110と、貼り合わせ用アライメントマーク111と、反射用メタル電極112と、液晶113と、非導電型スペーサ114と、絶縁層115と、メタル配線116と、基準アライメントマーク12,32と、トランジスタ119,120と、シリコン基板121と、を備える。なお、図示されていないが、液晶113の両面には、何れも、配向膜が設けられ、ガラス基板101には、偏光板が設けられている。
【0014】
シリコン基板121上には、複数のトランジスタ119,120及びメタル配線116からなる電子回路と、それを含む絶縁層115と、基準アライメントマーク12と、が形成されている。なお、シリコン基板121上に形成される各構成要素の形成位置は、基準アライメントマーク12の形成位置が基準となって決定されている。ここでは、シリコン基板121が設けられた場合について説明しているが、シリコン基板121の代わりにガラス基板が用いられてもよい。
【0015】
また、絶縁層115上には、チップの内部領域(液晶113が形成される領域)において、複数の反射用メタル電極112と、貼り合わせ用アライメントマーク111と、が形成され、チップの外周辺領域(封止材108が形成される領域)において、電極110が形成されている。
図2を参照すると、貼り合わせ用アライメントマーク111は、平面視して矩形状のチップの対角線上に2つ形成されている。
【0016】
さらに、絶縁層115上には、チップの外周辺領域において、封止材108が形成されている。
図2を参照すると、封止材108は、平面視して矩形状のチップの外周辺に沿って形成されている。封止材108の内部には、球体の複数のスペーサが形成されている。それにより、ガラス基板101とシリコン基板121との間には、均一なスペースが確保される。複数のスペーサのいくつかは、導電型スペーサ109であって、残りは、非導電型スペーサ114である。なお、導電型スペーサ109は、電極110に接触するように配置されている。
【0017】
ガラス基板101は、シリコン基板121と複数のスペーサを挟んで対向配置されている。ガラス基板101には、基準アライメントマーク32が形成されている。なお、ガラス基板101上に形成される各構成要素の形成位置は、基準アライメントマーク32の形成位置が基準となって決定される。
【0018】
また、ガラス基板101上には、チップの内部領域(液晶113が形成される領域)において、複数の反射用メタル電極112に対応する複数のカラーフィルタ104〜106と、貼り合わせ用アライメントマーク103と、が形成されている。
図2を参照すると、貼り合わせ用アライメントマーク103は、貼り合わせ用アライメントマーク111に対向するようにして、平面視して矩形状のチップの対角線上に2つ形成されている。
【0019】
また、複数のカラーフィルタ104〜106を覆うようにして、コート層102が形成されている。コート層102により、ガラス基板101の表面が平坦化される。さらに、コート層102の表面には、透明電極107が形成されている。
【0020】
シリコン基板121と、ガラス基板101と、封止材108と、によって囲まれた空間領域には、液晶113が封入されている。
【0021】
ここで、導電型スペーサ109は、電極110だけでなく、透明電極107の端部にも接触している。これにより、例えばトランジスタ120がオンすることで出力された電力は、電極110及び導電型スペーサ109を介して透明電極107に供給され、その結果、液晶113が駆動される。
【0022】
反射型液晶表示素子100では、外部からの光が、反射用メタル電極112で反射して、液晶113を通過し、カラーフィルタ104〜106により色づけされた後、画像としてモニタに表示される。
【0023】
(反射型液晶表示素子の製造方法)
続いて、
図3〜
図7を参照しつつ、反射型液晶表示素子100の基本的な製造方法について説明する。
図3は、反射型液晶表示素子100の基本的な製造方法を示すフローチャートである。
図4〜
図7は、反射型液晶表示素子100の各製造工程を説明するための断面模式図である。
【0024】
まず、シリコン基板121上において、液晶を駆動するための電子回路の形成を行う(
図3のステップS101)。以下、
図4を用いて具体的に説明する。
【0025】
図4に示すように、まず、シリコン基板121の表面に、基準アライメントマーク12を形成する。その後、シリコン基板121上では、基準アライメントマーク12を基準にして各構成要素の形成が行われる。
【0026】
基準アライメントマーク12の形成後、基準アライメントマーク12と同一層において複数のトランジスタ119及びトランジスタ120を形成する。なお、複数のトランジスタ119は、反射用メタル電極112に対して電力を供給するか否かを切り替えるトランジスタである。また、トランジスタ120は、電極110に対して電力を供給するか否かを切り替えるトランジスタである。
【0027】
その後、絶縁層115を介在させながら、トランジスタ形成層よりも上層にある複数の配線層に、複数のメタル配線116を形成する。その後、最上位層(絶縁層115の表面上)では、チップの外周辺領域(封止材108が形成される領域)において電極110を形成し、チップの内部領域(液晶113が形成される領域)において、複数の反射用メタル電極112及び貼り合わせ用アライメントマーク111を形成する。このようにして、シリコン基板121上において電子回路の形成が行われる。
【0028】
なお、貼り合わせ用アライメントマーク111は、シリコン基板121とガラス基板101とを貼り合わせる際の位置合わせに用いられる。
図2を参照すると、反射型液晶表示素子100には、一つのチップ当たり、対角線上に2つの貼り合わせ用アライメントマーク111が配置されている。
【0029】
次に、ガラス基板101上において、カラーフィルタの形成を行う(
図3のステップS102)。以下、
図5を用いて具体的に説明する。
【0030】
図5に示すように、まず、ガラス基板101の表面に、基準アライメントマーク32を形成する。その後、ガラス基板101上では、基準アライメントマーク32を基準にして各構成要素の形成が行われる。
【0031】
基準アライメントマーク32の形成後、ガラス基板101の表面において、カラーレジストのパターンを形成することによって緑、赤、青の3色分のカラーフィルタ104〜106を順に形成するとともに、貼り合わせ用アライメントマーク103を形成する。
【0032】
なお、貼り合わせ用アライメントマーク103は、シリコン基板121とガラス基板101とを貼り合わせる際の位置合わせに用いられる。
図2を参照すると、反射型液晶表示素子100には、一つのチップ当たり、対角線上に2つの貼り合わせ用アライメントマーク103が配置されている。
【0033】
その後、カラーフィルタ104〜106及び貼り合わせ用アライメントマーク103を覆うようにして、ガラス基板101の表面全体に渡ってコート層102を形成する。それにより、ガラス基板101の表面が平坦化される。
【0034】
その後、コート層102の表面に、透明電極107を形成する。より具体的には、コート層102の表面全体に透明電極107を形成した後、透明電極107の外周辺端部をエッチングにより除去する。それにより、透明電極107は、平面視上、チップよりも一回り小さい矩形状に形成される(
図2参照)。換言すると、透明電極107は、チップの内部領域から外周辺領域の一部にまで張り出すようにして形成される。
【0035】
次に、シリコン基板121とガラス基板101との貼り合わせを行う(
図3のステップS103)。以下、
図6を用いて具体的に説明する。
【0036】
図6に示すように、まず、シリコン基板121の表面(より具体的には、シリコン基板121上に形成された絶縁層115の表面)上に、チップの外周辺に沿って、封止材108を配置する。封止材108の内部には、球体の複数のスペーサを配置する。複数のスペーサのいくつかは、導電型スペーサ109であって、残りは、非導電型スペーサ114である。なお、導電型スペーサ109は、電極110に接触するように配置される。
【0037】
その後、シリコン基板121とガラス基板101とを、貼り合わせ用アライメントマーク111,103が対向するようにして貼り合わせる。換言すると、シリコン基板121とガラス基板101とを、平面視して貼り合わせ用アライメントマーク111,103の位置が一致するように貼り合わせる。
【0038】
ここで、貼り合わせ用アライメントマーク111は、シリコン基板121の最上位層(より具体的には、シリコン基板121上に形成された絶縁層115の表面)に形成されている。それにより、貼り合わせ用アライメントマーク111,103の距離を近づけた状態で、シリコン基板121とガラス基板101との間の位置関係を調整することができるため、シリコン基板121とガラス基板101とを正確に対向配置することができる。
【0039】
その後、シリコン基板121とガラス基板101とを貼り合わせた状態で、紫外線を照射することにより、封止材108を硬化させる。それにより、シリコン基板121とガラス基板101とが結合する。なお、このとき、導電型スペーサ109は、電極110だけでなく、透明電極107の端部にも接触している。これにより、トランジスタ120がオンすることで出力された電力は、電極110及び導電型スペーサ109を介して透明電極107に供給されることになる。
【0040】
次に、液晶113の注入を行う(
図3のステップS104)。
具体的には、
図7に示すように、シリコン基板121、ガラス基板101及び封止材108によって囲まれた空間領域に対し、真空状態で、液晶113を注入する。
【0041】
このような工程を経て、
図1及び
図2に示すような、反射型液晶表示素子100が製造される。
【0042】
このように、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法は、反射用メタル電極112の上層にカラーフィルタが形成される反射型液晶表示素子の場合と比較して、透明電極107と反射用メタル電極112とのギャップ(距離)を狭くすることができる。それにより、液晶113をより低電圧で駆動することが可能になるため、消費電力の増大を抑制することができる。即ち、反射型液晶表示素子の品質を向上させることができる。
【0043】
また、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法では、複数のスペーサが、チップの外周辺に沿って配置された封止材108の内部に配置されており、平面視上、貼り合わせ用アライメントマーク111,103とは異なる位置に配置されている。そのため、複数のスペーサによって視界を遮られることなく、貼り合わせ用アライメントマーク111、103を用いて、シリコン基板121とガラス基板101との間の位置関係を調整することができる。
【0044】
また、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法では、透明電極107の端部が、チップの内部領域(液晶113の形成領域)に止まらずに、チップの外周辺領域(封止材108の形成領域)にまで延在している。そのため、液晶113は、透明電極107の端部に集中する電界の影響を受けなくて済む。
【0045】
また、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法では、トランジスタ120がオンすることで出力された電力が、チップ内に設けられた電極110及び導電型スペーサ109を介して透明電極107に供給されており、配線等の電力供給経路がチップ外に形成されない。そのため、断線による故障等を防ぐことができる。
【0046】
また、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法では、貼り合わせ用アライメントマーク111が、反射用メタル電極112とともに、シリコン基板121の最上位層(より具体的には、シリコン基板121上に形成された絶縁層115の表面)に形成されている。それにより、貼り合わせ用アライメントマーク111,103の距離を近づけた状態で、シリコン基板121とガラス基板101との間の位置関係を調整することができるため、シリコン基板121とガラス基板101とを正確に対向配置することができる。
【0047】
さらに、反射型液晶表示素子100及びその基本的な製造方法では、シリコン基板121上において、平面視してチップの対角線上に2つの貼り合わせ用アライメントマーク111が形成されるとともに、ガラス基板101上において、平面視してチップの対角線上に2つの貼り合わせ用アライメントマーク103が形成されている。そのため、シリコン基板121とガラス基板101とを対向配置する場合に、回転方向の位置のずれも抑制することができる。
【0048】
ここで、反射型液晶表示素子100の製造では、シリコン基板121のウエハ(シリコンウエハ)と、ガラス基板101のウエハ(ガラスウエハ)と、が別々に形成されるため、シリコン基板121及びガラス基板101の何れかの貼り合わせ用アライメントマークの形成位置が所望位置から微妙にずれてしまう可能性がある。その結果、シリコン基板121とガラス基板101とを貼り合わせた場合に、シリコン基板121とガラス基板との間の位置関係に許容範囲を超えるずれが生じてしまう可能性があった。即ち、これまでの製造方法では、高品質な反射型液晶表示素子を製造することができないという問題があった。
【0049】
そこで、高品質な反射型液晶表示素子を製造することが可能な、実施の形態1にかかる反射型液晶表示素子の製造方法が見出された。以下、具体的に説明する。
【0050】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図8は、実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の製造に用いられる縮小投影露光装置1の概略を示す斜視図である。
【0051】
図8に示すように、縮小投影露光装置1は、光源2と、コンデンサレンズ3と、マスク4と、投影レンズ5と、ステージ6と、を備える。
図8の例では、ステージ6上にウエハが配置されている。例えば、ウエハから反射型液晶表示素子サイズ(以下、素子サイズとも称す)の複数のチップが切り出される。
【0052】
コンデンサレンズ3は、光源2からの光(紫外線)を集光する。コンデンサレンズ3によって集光された光は、マスク4を介して、投影レンズ5に照射される。
【0053】
マスク4は、例えば、ガラス基板と、当該ガラス基板上に形成された遮光膜と、によって構成されている。遮光膜は、例えばクロムであって、ガラス基板上において、電子回路やアライメントマークの投影用パターンを形成している。なお、アライメントマークとは、位置合わせのために基板上に形成されるマークのことである。ここで、マスク4に照射された光は、遮光膜が形成された領域を通過せず、遮光膜が形成されていない領域を通過するため、平面視上、マスクパターン形状となって投影レンズ5に照射される。
【0054】
図9は、マスク4の概略を示す平面図である。
図9に示すマスク4の例では、矩形状のガラス基板41の表面に、遮光膜からなる3つの基準アライメントマーク42の投影用パターンが形成されている。例えば、マスク4に照射された光は、基準アライメントマーク42の投影用パターンが形成された領域を通過せず、それ以外の領域を通過する。
【0055】
図8に戻り、説明を続ける。
投影レンズ5は、コンデンサレンズ3からマスク4を介して照射されたマスクパターン形状の光を縮小して、ステージ6上に配置されたウエハに投影する。それにより、ウエハにはマスクパターンが焼き付けられる。マスクパターンの焼き付けは、ウエハから切り出される複数のチップの各々に対して行われる。
【0056】
(実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の製造方法)
続いて、
図10〜
図17を参照しつつ、実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の製造方法について説明する。
図10は、実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
図11〜
図17は、実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の各製造工程を説明するための図である。
【0057】
上記したように、反射型液晶表示素子100を製造する場合には、シリコン基板121とガラス基板101との間の位置関係にずれが生じないようにそれらを正確に対向配置する必要がある。そのため、通常は、シリコン基板121の表面及びガラス基板101の表面に貼り合わせ用アライメントマーク111,103をそれぞれ形成し、それらを目印にして対向配置している。
【0058】
ここで、貼り合わせ用アライメントマーク111,103を所望の位置に形成することは、シリコン基板121とガラス基板101とを正確に対向配置するために非常に重要なことであるが、容易ではない。そこで、本実施の形態に係る製造方法では、シリコン基板121に基準アライメントマーク12を形成した場合と同じ露光装置及びマスクパターンを用いて、原板用ガラス基板に投影用アライメントマークを形成した後、その原板用ガラス基板をマスクに用いて、ガラス基板101に対して、基準アライメントマーク12を反転させた基準アライメントマーク32を形成する。そして、その後、これら基準アライメントマーク12,32を基準にして貼り合わせ用アライメントマーク111,103を形成する。それにより、本実施の形態に係る製造方法では、貼り合わせ用アライメントマーク111,103の形成位置のずれを抑制することができるため、高品質な反射型液晶表示素子の製造を実現することができる。以下、具体的に説明する。
【0059】
まず、縮小投影露光装置1を用いて、IC用のシリコン基板121のウエハ(IC用シリコンウエハ)10に対して露光処理を行う(
図11参照)。その後、現像、エッチング等のパターン焼き付けのための所定の処理を行う。ここで、マスク4には、例えば、
図9に示すような基準アライメントマーク42の投影用パターンが書き込まれたものが用いられる。それにより、IC用シリコンウエハ10の表面には、基準アライメントマーク42の投影用パターンが縮小転写される。その結果、
図12の平面図に示すように、ウエハ10から切り出されるチップ11毎に、基準アライメントマーク(第1アライメントマーク)12が形成される(
図10のステップS101)。
【0060】
その後、基準アライメントマーク12を基準にして、シリコン基板121上の各構成要素(液晶駆動用の電子回路、反射用メタル電極112、貼り合わせ用アライメントマーク111等)の形成を行う。具体的な内容については、既に説明した通りであるため省略する。
【0061】
次に、縮小投影露光装置1を用いて、原板用ガラスウエハ20に対して露光処理を行う(
図13参照)。その後、現像、エッチング等のパターン焼き付けのための所定の処理を行う。ここで、マスク4には、IC用シリコンウエハ10の場合と同様に、
図9に示すような基準アライメントマーク42の投影用パターンが書き込まれたものが用いられる。それにより、原板用ガラスウエハ20の表面には、基準アライメントマーク42の投影用パターンが縮小転写される。その結果、
図14の平面図に示すように、ウエハ20に形成されるチップ21単位毎に、投影用アライメントマーク(第2アライメントマーク)22が形成される(
図10のステップS102)。
【0062】
ここで、基準アライメントマーク12及び投影用アライメントマーク22は、同じ縮小投影露光装置1及び同じマスクパターンを用いて形成されているため、これらの形成位置の所望位置からのずれは同等程度となる。
【0063】
その後、例えば縮小投影露光装置1を用いて、カラーフィルタ用のガラス基板101のウエハ(カラーフィルタ用ガラスウエハ)30に対して露光処理を行う(
図15参照)。その後、現像、エッチング等のパターン焼き付けのための所定の処理を行う。
【0064】
ここで、マスク4には、投影用アライメントマーク22形成面を下向き(z軸のマイナス方向)にして配置された原板用ガラスウエハ20が用いられる。それにより、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面には、投影用アライメントマーク22のパターンが転写される。その結果、
図16の平面図に示すように、ウエハ30から切り出されるチップ31毎に、投影用アライメントマーク22を反転させた(換言すると、基準アライメントマーク12を反転させた)基準アライメントマーク(第3アライメントマーク)32が形成される(
図10のステップS103)。なお、このとき、カラーフィルタ用ガラスウエハ30に投影する光を縮小する必要がない(即ち、縮小率が1倍となる)ため、投影レンズ5は用いられない。
【0065】
その後、基準アライメントマーク32を基準にして、ガラス基板101上の各構成要素(カラーフィルタ、透明電極107、貼り合わせ用アライメントマーク103等)の形成を行う。具体的な内容については、既に説明した通りであるため省略する。
【0066】
その後、
図17に示すように、IC用シリコンウエハ10の表面と、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面と、を基準アライメントマーク12及び基準アライメントマーク32が対向するようにして貼り合わせる(
図10のステップS105)。より具体的には、IC用シリコンウエハ10の表面と、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面と、を基準アライメントマーク12,32を基準にして形成された貼り合わせ用アライメントマーク111,103が対向するようにして貼り合わせる。
【0067】
ここで、上記したように、基準アライメントマーク12及び投影用アライメントマーク22は、同じ縮小投影露光装置1及び同じマスクパターンを用いて形成されたものである。また、基準アライメントマーク32は、投影用アライメントマーク22を反転転写することにより形成されたものである。そのため、基準アライメントマーク12及び基準アライメントマーク32を対向させた場合におけるこれらの形成位置の所望位置からのずれは同等程度となる。そのため、基準アライメントマーク12及び基準アライメントマーク32を対向させた場合におけるこれらのずれは相殺される。そのため、基準アライメントマーク12,32のそれぞれを基準にして形成された貼り合わせ用アライメントマーク111,103の形成位置のずれも相殺される。そのため、本製造方法では、IC用シリコンウエハ10とカラーフィルタ用ガラスウエハ30と、を正確に対向配置させることができ、その結果、高品質な反射型液晶表示素子を製造することが可能となる。
【0068】
その後、貼り合わされたウエハから素子サイズのチップを切り出し、反射型液晶表示素子を形成する(
図10のステップS106)。
【0069】
このように、本実施の形態に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、IC用シリコンウエハに基準アライメントマークを形成した場合と同じ露光装置及びマスクパターンを用いて、原板用ガラスウエハに投影用アライメントマークを形成する。そして、原板用ガラスウエハとカラーフィルタ用ガラスウエハとを対向配置した状態で、原板用ガラスウエハの表面に形成された投影用アライメントマークをカラーフィルタ用ガラスウエハの表面に転写する。それにより、本実施の形態に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、対向させる基準アライメントマーク(換言すると、それらを基準にして形成された貼り合わせ用アライメントマーク)のずれを同等程度にして、これらのずれを相殺させることができるため、IC用シリコンウエハとカラーフィルタ用ガラスウエハとを正確に対向配置させることができる。その結果、本実施の形態に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、高品質な反射型液晶表示素子を製造することが可能となる。
【0070】
即ち、本製造方法を用いることにより、縮小投影露光装置のレンズ、ステージスケーリング、ステージ直行度等に起因したウエハ同士の重ね合わせずれを抑制することができる。
【0071】
本実施の形態では、反射型液晶表示素子の全ての製造工程で同一の露光装置が用いられた場合を例に説明したが、これに限られない。原板用ガラスウエハ20に投影用アライメントマーク22を形成する以外の露光処理工程では、別の露光装置が用いられてもよい。その場合、露光装置を変えたことによる位置ずれを無くすため、ウエハ上に別途層間の重ね合わせずれ測定マークを付与しておくことが好ましい。
【0072】
続いて、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面に対する基準アライメントマーク32の形成方法の具体例について説明する。
【0073】
(基準アライメントマーク32の第1の形成方法)
図18は、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面に基準アライメントマーク32を形成する第1の方法を説明するための断面図である。
【0074】
まず、アライメントマークのポジパターンが書き込まれたマスク4aを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201(原板用ガラスウエハ20に相当)に対して露光処理を実施する(
図18の(a)参照)。
【0075】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、例えばアライメントマークのポジパターンを構成するフォトレジスト203a,203b,203cのみが残る(
図18の(b)参照)。
【0076】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203a,203b,203cによってマスクされた領域(遮光膜202a,202b,202c)のみが残る(
図18の(c)参照)。
【0077】
その後、フォトレジスト203a,203b,203cは除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、投影用アライメントマーク22のポジパターンを構成する遮光膜202a,202b,202cのみが残る(
図18の(d)参照)。
【0078】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201(原板用ガラスウエハ20に相当)をマスクに用いて、遮光膜302及びポジ型レジスト303が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301(カラーフィルタ用ガラスウエハ30に相当)に対して露光処理を実施する(
図18の(e)参照)。
【0079】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0080】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ポジ型レジスト303のうち、遮光膜202a,202b,202cによってマスクされた領域(ポジ型レジスト303a,303b,303c)のみが残る(
図18の(f)参照)。
【0081】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜302のうち、ポジ型レジスト303a,303b,303cによってマスクされた領域(遮光膜302a,302b,302c)のみが残る(
図18の(g)参照)。
【0082】
その後、ポジ型レジスト303a,303b,303cは除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32のポジパターンを構成する遮光膜302a,302b,302cのみが残る(
図18の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0083】
(基準アライメントマーク32の第1の形成方法の変形例)
図19は、
図18に示す基準アライメントマーク32の第1の形成方法、の変形例を説明するための断面図である。
図19の例では、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に塗布されるフォトレジストとして、ポジ型レジストの代わりにネガ型レジストが用いられる。以下、具体的に説明する。
【0084】
まず、アライメントマークのポジパターンを反転させたパターンが書き込まれたマスク4bを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図19の(a)参照)。
【0085】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、例えばアライメントマークのポジパターンの反転パターンを構成するフォトレジストのみが残る。本例では、フォトレジスト203には、開口領域203d,203e,203fが形成される(
図19の(b)参照)。
【0086】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203の開口領域203d,203e,203fを介して露出した領域は、腐食により開口して、開口領域202d,202e,202fを形成する(
図19の(c)参照)。
【0087】
その後、残ったフォトレジスト203は除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、開口領域202d,202e,202fが形成された遮光膜202のみが残る。これら開口領域202d,202e,202fによって、投影用アライメントマーク22のポジパターンの反転パターンが構成される(
図19の(d)参照)。
【0088】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201をマスクに用いて、遮光膜302及びネガ型レジスト304が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301に対して露光処理を実施する(
図19の(e)参照)。
【0089】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0090】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ネガ型レジスト304のうち、遮光膜202の開口領域202d,202e,202fを介して光に照射された領域(ネガ型レジスト304a,304b,304c)のみが残る(
図19の(f)参照)。
【0091】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜302のうち、ネガ型レジスト304a,304b,304cによってマスクされた領域(遮光膜302a,302b,302c)のみが残る(
図19の(g)参照)。
【0092】
その後、ネガ型レジスト304a,304b,304cは除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32のポジパターンを構成する遮光膜302a,302b,302cのみが残る(
図19の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0093】
(基準アライメントマーク32の第2の形成方法)
図20は、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面に基準アライメントマーク32を形成する第2の方法を説明するための断面図である。
【0094】
まず、アライメントマークのネガパターンが書き込まれたマスク4cを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図20の(a)参照)。
【0095】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、例えばアライメントマークのネガパターンを構成するフォトレジスト203g〜203jのみが残る(
図20の(b)参照)。
【0096】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203g〜203jによってマスクされた領域(遮光膜202g〜202j)のみが残る(
図20の(c)参照)。
【0097】
その後、フォトレジスト203g〜203jは除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、投影用アライメントマーク22のネガパターンを構成する遮光膜202g〜202jのみが残る(
図20の(d)参照)。
【0098】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201をマスクに用いて、遮光膜302及びポジ型レジスト303が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301に対して露光処理を実施する(
図20の(e)参照)。
【0099】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0100】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ポジ型レジスト303のうち、遮光膜202g〜202jによってマスクされた領域(ポジ型レジスト303g〜303j)のみが残る(
図20の(f)参照)。
【0101】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜302のうち、ポジ型レジスト303g〜303jによってマスクされた領域(遮光膜302g〜302j)のみが残る(
図20の(g)参照)。
【0102】
その後、ポジ型レジスト303g〜303jは除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32のネガパターンを構成する遮光膜302g〜302jのみが残る(
図20の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0103】
(基準アライメントマーク32の第2の形成方法の変形例)
図21は、
図20に示す基準アライメントマーク32の第2の形成方法、の変形例を説明するための断面図である。
図21の例では、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に塗布されるフォトレジストとして、ポジ型レジストの代わりにネガ型レジストが用いられる。以下、具体的に説明する。
【0104】
まず、アライメントマークのネガパターンを反転させたパターンが書き込まれたマスク4dを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図21の(a)参照)。
【0105】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、例えばアライメントマークのネガパターンの反転パターンを構成するフォトレジストのみが残る。本例では、フォトレジスト203には、開口領域203k〜203nが形成される(
図21の(b)参照)。
【0106】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203の開口領域203k〜203nを介して露出した領域は、腐食により開口して、開口領域202k〜202nを形成する(
図21の(c)参照)。
【0107】
その後、残ったフォトレジスト203は除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、開口領域202k〜202nが形成された遮光膜202のみが残る。これら開口領域202k〜202nによって、投影用アライメントマーク22のネガパターンの反転パターンが構成される(
図21の(d)参照)。
【0108】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201をマスクに用いて、遮光膜302及びネガ型レジスト304が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301に対して露光処理を実施する(
図21の(e)参照)。
【0109】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0110】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ネガ型レジスト304のうち、遮光膜202の開口領域202k〜202nを介して光に照射された領域(ネガ型レジスト304g〜304j)のみが残る(
図21の(f)参照)。
【0111】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜302のうち、ネガ型レジスト304g〜304jによってマスクされた部分(遮光膜302g〜302j)のみが残る(
図21の(g)参照)。
【0112】
その後、ネガ型レジスト304g〜304jは除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32のネガパターンを構成する遮光膜302g〜302jのみが残る(
図21の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0113】
(基準アライメントマーク32の第3の形成方法)
図22は、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面に基準アライメントマーク32を形成する第3の方法を説明するための断面図である。
【0114】
まず、アライメントマークの凹型パターンが書き込まれたマスク4eを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図22の(a)参照)。
【0115】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、アライメントマークの凹型パターンを構成する領域のみが残る。本例では、フォトレジスト203には、開口領域203o,203p,203qが形成される(
図22の(b)参照)。
【0116】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203の開口領域203o,203p,203qを介して露出した領域は、腐食により開口して、開口領域202o,202p,202qを形成する(
図22の(c)参照)。
【0117】
その後、残ったフォトレジスト203は除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、開口領域202o,202p,202qが形成された遮光膜202のみが残る。これら開口領域202o,202p,202qによって、投影用アライメントマーク22の凹型パターンが構成される(
図22の(d)参照)。
【0118】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201をマスクに用いて、ポジ型レジスト303が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301に対して露光処理を実施する(
図22の(e)参照)。
【0119】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0120】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ポジ型レジスト303のうち、遮光膜202の開口領域202o,202p,202qを介して光に照射された領域は、開口して、開口領域303o,303p,303qを形成する(
図22の(f)参照)。
【0121】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301のうち、ポジ型レジスト303の開口領域303o,303p,303qを介して露出した領域は、腐食により、凹部301o,301p,301qを形成する(
図22の(g)参照)。
【0122】
その後、残ったポジ型レジスト303は除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32の凹型パターンを構成する凹部301o,301p,301qのみが残る(
図22の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0123】
(基準アライメントマーク32の第3の形成方法の変形例)
図23は、
図22に示す基準アライメントマーク32の第3の形成方法、の変形例を説明するための断面図である。
図23の例では、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に塗布されるフォトレジストとして、ポジ型レジストの代わりにネガ型レジストが用いられる。以下、具体的に説明する。
【0124】
まず、アライメントマークの凹型パターンを反転させたパターンが書き込まれたマスク4fを用いて、遮光膜202及びフォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図23の(a)参照)。
【0125】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、例えばアライメントマークの凹型パターンの反転パターンを構成するフォトレジスト203r,203s,203tのみが残る(
図23の(b)参照)。
【0126】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、遮光膜202のうち、フォトレジスト203r,203s,203tによってマスクされた領域(遮光膜202r,202s,202t)のみが残る(
図23の(c)参照)。
【0127】
その後、フォトレジスト203r,203s,203tは除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、投影用アライメントマーク22の凹型パターンの反転パターンを構成する遮光膜202r,202s,202tのみが残る(
図23の(d)参照)。
【0128】
その後、アライメントマーク形成面が下向きになるように配置された原板用ガラス基板201をマスクに用いて、遮光膜302及びネガ型レジスト304が塗布されたカラーフィルタ用ガラス基板301に対して露光処理を実施する(
図23の(e)参照)。
【0129】
なお、原板用ガラス基板201とカラーフィルタ用ガラス基板301とをできるだけ近づけた状態で、又は、密着させた状態で露光処理を行うことが好ましい。それにより、原板用ガラス基板201に形成された投影用アライメントマーク22のパターンをより正確にカラーフィルタ用ガラス基板301に転写することが可能となる。
【0130】
露光処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対して現像処理を実施する。それにより、ネガ型レジスト304のうち、遮光膜202r,202s,202tによってマスクされた領域は、開口して、開口領域303o,303p,303qを形成する(
図23の(f)参照)
【0131】
現像処理後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301のうち、ポジ型レジスト303の開口領域303o,303p,303qを介して露出した領域は、腐食により、凹部301o,301p,301qを形成する(
図23の(g)参照)。
【0132】
その後、残ったポジ型レジスト303は除去される。それにより、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、基準アライメントマーク32の凹型パターンを構成する凹部301o,301p,301qのみが残る(
図23の(h)参照)。換言すると、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面には、投影用アライメントマーク22を反転させた基準アライメントマーク32が形成される。
【0133】
(基準アライメントマーク32の第4の形成方法)
図24は、カラーフィルタ用ガラスウエハ30の表面に基準アライメントマーク32を形成する第4の方法を説明するための断面図である。
【0134】
まず、アライメントマークの凹型パターンが書き込まれたマスク4eを用いて、フォトレジスト203が塗布された原板用ガラス基板201に対して露光処理を実施する(
図24の(a)参照)。
【0135】
露光処理後、原板用ガラス基板201の表面に対して現像処理を実施する。それにより、フォトレジスト203のうち、アライメントマークの凹型パターンを構成する領域のみが残る。本例では、フォトレジスト203には、開口領域203o,203p,203qが形成される(
図24の(b)参照)。
【0136】
現像処理後、原板用ガラス基板201の表面に対してエッチング処理を実施する。それにより、原板用ガラス基板201のうち、フォトレジスト203の開口領域203o,203p,203qを介して露出した領域は、腐食により、凹部201o,201p,201qを形成する(
図24の(c)参照)。
【0137】
その後、残ったフォトレジスト203は除去される。それにより、原板用ガラス基板201の表面には、投影用アライメントマーク22の凹型パターンを構成する凹部201o,201p,201qのみが残る(
図24の(d)参照)。
【0138】
その後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面にUV硬化樹脂305をポッティングする(
図24の(e)参照)。その後、カラーフィルタ用ガラス基板301の表面と、原板用ガラス基板201の表面と、をUV硬化樹脂305と凹部201o,201p,201qとが対向するようにして貼り合わせる(
図24の(f)参照)。
【0139】
それにより、UV硬化樹脂305では、凹部201o,201p,201qに対応して凸部305o,305p,305qが形成される。これら凸部305o,305p,305qによって、基準アライメントマーク32の凸型パターンが構成される(
図24の(g)参照)。
【0140】
<実施の形態2>
図25は、実施の形態2にかかる反射型液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
図26は、IC用シリコンウエハから切り出されたチップと、カラーフィルタ用ガラスウエハから切り出されたチップと、を貼り合わせる製造工程を説明するための図である。
【0141】
図25に示すステップS201〜S204の製造工程については、
図10に示すステップS101〜S104の製造工程と同様であるため、その説明を省略する。ステップS204の工程終了後、各ウエハから素子サイズのチップを切り出す(ステップS205)。その後、
図26にも示すように、切り出されたIC用チップ及びカラーフィルタ用チップを、基準アライメントマーク12,32が対向するようにして貼り合わせる(ステップS206)。より具体的には、切り出されたIC用チップ及びカラーフィルタ用チップを、基準アライメントマーク12,32を基準にして形成された貼り合わせ用アライメントマーク111,103が対向するようにして貼り合わせる。
【0142】
実施の形態1に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、IC用シリコンウエハとカラーフィルタ用ガラスウエハとを貼り合わせた後に、貼り合わされたウエハから素子サイズのチップを切り出していた。それに対し、本実施の形態に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、各ウエハから素子サイズのチップを切り出した後、IC用チップとカラーフィルタ用チップとを貼り合わせる。本実施の形態に係る反射型液晶表示素子の製造方法でも、実施の形態1に係る製造方法と同等程度の効果を奏することができる。
【0143】
以上のように、上記実施の形態1,2に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、IC用シリコンウエハに基準アライメントマークを形成した場合と同じ条件(露光装置及びマスクパターン)を用いて、原板用ガラスウエハに投影用アライメントマークを形成する。そして、原板用ガラスウエハとカラーフィルタ用ガラスウエハとを対向配置した状態で、原板用ガラスウエハの表面に形成された投影用アライメントマークをカラーフィルタ用ガラスウエハの表面に転写する。それにより、上記実施の形態1,2に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、対向させる基準アライメントマーク(換言すると、それらを基準にして形成された貼り合わせ用アライメントマーク)のずれを同等程度にして、これらのずれを相殺させることができるため、IC用シリコンウエハ(又はそれから切り出されたチップ)とカラーフィルタ用ガラスウエハ(又はそれから切り出されたチップ)とを正確に対向配置させることができる。その結果、上記実施の形態1,2に係る反射型液晶表示素子の製造方法では、高品質な反射型液晶表示素子を製造することが可能となる。
【0144】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、アライメントマークを目印に特定の方向に所定量だけずらして貼り合わせることもできる。これにより、配向方向及び液晶のプレチルトに依存するディスクリネーションによる混色を改善し、単色の明るさ、色域、コントラストを向上させることができる。