(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力信号特定部は、一時無効化された場合の前記所定部分からの前記出力信号の特定を、ユーザからの指示に基づいて実施する、請求項1に記載のロジック生成装置。
前記出力信号特定部は、前記ロジックの前記所定部分に対して入力する入力信号を前記所定部分からの前記出力信号として特定する、請求項1又は2に記載のロジック生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、コメント化により一時的に無効化された図形要素に接続される図形要素に対して接続する信号線を明確にできないと考えられる。そのため、一時的に無効化された図形要素以外の図形要素も正常な処理を行うことができなくなることが考えられる。
【0005】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、一部の一時無効化を行った際に、一時無効化された部分以外が適切に動作するロジックを作成することができるロジック生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るロジック生成装置は、図形言語により生成されたロジックの一部を一時無効化するロジック生成装置であって、前記ロジックにおいて一時無効化の対象となる所定部分を指定した一時無効化指示を取得する一時無効化指示取得部と、前記所定部分が一時無効化された場合に、前記ロジックの前記所定部分から出力される出力信号を特定する出力信号特定部と、前記出力信号特定部による特定結果に基づいて、前記ロジックの前記所定部分が一時無効化された一時無効化ロジックを生成するロジック生成部と、を有する。
【0007】
上記のロジック生成装置によれば、一時無効化指示に基づいて、ロジックの所定部分を一時無効化する際に、この所定部分から出力される出力信号を特定した後に、一時無効化ロジックが生成される。したがって、一時無効化ロジックにおいて、一時無効化した部分からも適切に信号が出力されるため、後段でも適切な動作が行われる。したがって、一時無効化された部分以外が適切に動作する一時無効化ロジックを生成することができる。
【0008】
ここで、前記出力信号特定部は、一時無効化された場合の前記所定部分からの前記出力信号の特定を、ユーザからの指示に基づいて実施する態様とすることができる。
【0009】
上記の構成とすることで、ユーザの指示に基づいて出力信号を適切に特定することが可能となり、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0010】
前記出力信号特定部は、前記ロジックの前記所定部分に対して入力する入力信号を前記所定部分からの前記出力信号として特定する態様とすることができる。
【0011】
上記の構成とすることで、一時無効化される部分の前段の入力信号を、後段の出力信号として利用することができ、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0012】
前記出力信号特定部は、所定の数値を前記所定部分からの前記出力信号として特定する態様とすることができる。
【0013】
上記の構成とすることで、一時無効化をした結果出力信号が一律となる場合に所定の数値を用いることが可能となり、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0014】
前記ロジック生成部により生成された一時無効化ロジックを表示する表示部を有し、前記表示部は、前記一時無効化ロジックにおける前記所定部分からの前記出力信号に係る情報を、図形言語を用いて表示する態様とすることができる。
【0015】
上記の構成とすることで、一時無効化により変更された出力信号の詳細やその対応関係等をユーザが容易に把握できるようになる。
【0016】
前記表示部は、前記一時無効化ロジックを、一時無効化前のロジックと同時に表示する態様とすることができる。
【0017】
上記の構成とすることで、一時無効化に伴う変更内容について、ユーザが容易に把握できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一部の一時無効化を行った際に、一時無効化された部分以外が適切に動作するロジックを作成することができるロジック生成装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係るロジック生成装置を含む制御システムの概略構成図である。制御システム1は例えばプラント等において適用されるシステムであり、制御対象となる装置の状態を示すデータ等を収集し、当該データ及びその他の情報に基づいて制御対象となる装置の制御を行うシステムである。
【0022】
制御システム1は、ロジック生成装置10、制御装置20及び制御対象装置30を含んで構成される。
【0023】
ロジック生成装置10は、制御対象装置30の制御を制御装置20が行うためのロジックの生成を行う装置である。また、ロジック生成装置10は生成したロジックの修正を行う機能も有する。本実施形態では、ロジック生成装置10によりロジックの一部を一時的に無効化する変更について説明する。ロジックとは、図形言語で作成されたロジックプログラムであり、所定の演算等を実行するための複数のロジックにより構成される。本実施形態では、制御対象装置30に係る情報に基づいた演算を実行する制御ロジックについて説明する。図形言語の種類は特に限定されないが、本実施形態では、図形言語がファンクション・ブロック・ダイアグラム(FBD)言語である場合について説明する。ロジック生成装置10の各機能部については後述する。ロジック生成装置10により作成・変更された制御ロジックは、制御装置20へ送られる。制御装置20に対して制御ロジックが送られる場合には、制御ロジックは制御装置20で動作可能なようにコンパイルが行われた後に、送信される。
【0024】
ロジック生成装置10は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、制御装置20等の他の機器との間の通信を行う通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。そして、これらの構成要素が動作することにより、後述のロジック生成装置10としての機能が発揮される。
【0025】
制御装置20は、制御対象装置30からのデータを取得すると共に、制御ロジックを解釈して実行することで制御対象装置30の制御に係る動作を行う。制御装置20は、実行エンジン21と入出力部22とを備える。実行エンジン21は、ロジック生成装置10において生成された制御ロジック(制御装置20用にコンパイルされたもの)を解釈し実行する機能を有する。入出力部22は、制御対象装置30からのデータ等を受信すると共に、実行エンジンにより制御ロジックを実行した結果に基づいて、制御対象装置30に対して処理の実行等を指示する機能を有する。
【0026】
制御対象装置30は、制御システム1において制御装置20による制御の対象となる装置であり、例えば、プラントにおける運転装置等が挙げられる。制御対象装置30は、制御装置20からの指示を受信すると、これに基づいて運転制御等を行う。また、制御対象装置30は、制御装置20からの指示に基づいて、自装置で取得された運転データ等を制御装置20に対して送信する。このように、制御対象装置30では、自装置の状態を示す情報を制御装置20に対して送信し、自装置の状態に対応した指示を制御装置20から受信することで、運転の制御が行われる。
【0027】
なお、
図1では制御システム1を構成する制御装置20及び制御対象装置30がそれぞれ1台である場合を示しているが、制御装置20及び制御対象装置30は制御システム1にそれぞれ複数含まれていてもよい。この場合、制御装置20が複数の制御対象装置30を制御する構成とすることもできる。
【0028】
本実施形態に係るロジック生成装置10により作成・変更が行われる制御ロジックの例を
図2に示す。
図2(A)は、ロジック生成装置10において作成される図形言語により記載された制御ロジックの例である。また、
図2(B)は、記載された制御ロジックを図形言語から制御装置20で動作するプログラムにコンパイル(変換)したものを示している。図形言語で作成される制御ロジックには、ブロック(ファンクションブロック)、変数、及び、信号線が含まれる。ブロックとは、特定の機能を示すものである。変数は、ブロックに対して入力する又はブロックから出力される変数を特定するものである。また、信号線とは、ブロックと変数との関係を示すものである。
図2(A)に示す例では、例えば、ブロックN1としてPLSと記載されたブロックが設けられている。そして、変数LL0003が入力信号としてPLSブロックに入力され、PLSブロックからの出力信号が変数LL1となることが記載されている。このように、
図2(A)に示す制御ロジックでは、ブロックN1〜N6が設けられていると共に、ブロックの前段には入力信号を特定する信号線が設けられ、ブロックの後段には出力信号を特定する信号線が設けられる。また、
図2(A)中のブロックN1〜N6における1〜6の数字は、ブロックの演算順序を示すものでもある。すなわち、ブロックN1からブロックN6の順に演算が行われることを示している。
【0029】
図2(B)は、
図2(A)で示された制御ロジックを制御装置20で実行可能なようにコンパイルを行った後のプログラム例である。プログラム例におけるNo.1に記載された処理は、
図2(A)におけるブロックN1で行われる処理を記載したものである。このように、制御ロジックに含まれるブロック(本実施形態ではブロックN1〜N6)において行われる処理をプログラムとして記載したものが、ロジック生成装置10から制御装置20に対して出力される。
【0030】
ここで、本実施形態における制御ロジックの一時無効化について説明する。制御装置20で使用される制御ロジックを生成する途中過程や、生成後の検証等において、制御ロジックに含まれるブロックのうちの一部が動作しない状態を一時的に作り、特定のブロックの演算のみを実行する場合がある。このような場合には、特定のブロック以外のブロックを一時的に無効化した制御ロジックを準備する必要がある。このように、制御ロジックにはブロックが存在しているものの、ブロックにより指定される機能(演算)を一時的に行わない状態を当該ブロックの一時無効化という。この一時無効化は、コメント化(コメントアウト)という場合もある。
【0031】
制御ロジックの検証等を目的として、一時無効化が行われたブロックを含む制御ロジックを実行する場合には、一時無効化対象のブロックを無視して当該ブロックの前段及び後段の演算を行うことが想定される。しかしながら、従来検討されている一時無効化の手法では、一時無効化対象のブロックの後段での演算を適切に行うための手法について十分に検討されていなかった。そこで、本実施形態に係るロジック生成装置10では、ブロックの一時無効化を行う際に、ブロックの後段においても適切に演算を行うことができるように、制御ロジックを変更することを可能とする。
【0032】
図1に戻り、ロジック生成装置10の各機能部について説明する。ロジック生成装置10は、ユーザインタフェース11(表示部)に含まれる取得部12(一時無効化指示取得部)と、ロジック変更部13(出力信号特定部、ロジック生成部)と、ロジックDB(データベース)14と、出力部15と、を含んで構成される。また、ロジックDB14には、ロジック管理部141と、一時無効化管理部142と、を含んで構成される。
【0033】
ユーザインタフェース11は、ユーザによるロジック生成装置10に対する入力及びユーザからの入力に対するロジック生成装置10による処理の結果の出力を行う部分である。したがって、ユーザインタフェース11は、ユーザによる制御ロジックの変更結果等を表示する表示部として機能する。ユーザインタフェース11には、取得部12が含まれる。取得部12は、ユーザから制御ロジックにおける部分(所定部分)の一時無効化に係る情報を取得する機能を有する。ユーザからの制御ロジックの所定部分に関する一時無効化に係る指示には、制御ロジック中の一時無効化を行う部分を特定する情報が含まれる。すなわち、取得部12は、ロジックにおいて一時無効化の対象となる所定部分を指定した一時無効化指示を取得する一時無効化指示取得部としての機能を有する。制御ロジックの一時無効化に係る処理は、ユーザインタフェース11をユーザが操作することによってユーザから出される制御ロジックの所定部分に関する一時無効化に係る指示(一時無効化指示)の取得を契機に開始される。取得部12により取得された制御ロジックの一時無効化指示は、ロジック変更部13へ送られる。
【0034】
なお、本実施形態では、ユーザインタフェース11をユーザが操作することにより、制御ロジック中の一時無効化部分を特定する情報をロジック生成装置10において作成可能であるとする。この場合、ユーザインタフェース11は、制御ロジック中の一時無効化部分を特定する情報を作成する一時無効化情報作成部としての機能を有する。なお、外部装置で生成された制御ロジック中の一時無効化部分を特定する情報を取得部12にて取得する構成としてもよい。すなわち、ロジック生成装置10で使用する制御ロジック中の一時無効化部分を特定する情報を作成する装置は、ロジック生成装置10及び外部装置のどちらでもよい。
【0035】
ロジック変更部13は、取得部12から送られた制御ロジックの所定部分の一時無効化に関する指示に基づいて、制御ロジックを変更し、所定部分の一時無効化がなされた一時無効化ロジックを生成する機能を有する。ロジック変更部13は、所定部分が一時無効化された場合にロジックの前記所定部分から出力される出力信号を特定する出力信号特定部としての機能と、この特定結果に基づいて一時無効化ロジックを生成するロジック生成部として機能と、を有する。ロジック変更部13は、制御ロジックに係る一時無効化の指示に含まれる制御ロジック中の一時無効化部分を特定する情報に基づいて、ロジックDB14に保持された当該制御ロジックに係る情報の変更を行う。このとき、ロジック変更部13では、一時無効化部分に含まれるブロックを特定し、当該ブロックに対して入力する信号に基づいて、当該ブロックの後段に出力する信号を特定する。この点については後述する。
【0036】
なお、ロジック変更部13では、対象部分の一時無効化を行った後の制御ロジック(一時無効化ロジック)が正しいものであるか(適切に動作するか)を確認するためのエラーチェックを併せて行う構成としてもよい。ロジック変更部13により一時無効化が行われて生成された制御ロジックは、出力部15へ送られる。
【0037】
ロジックDB14は、制御ロジックに係る情報を保持する機能を有する。上述したように、制御ロジックには、制御ロジックに含まれるブロックそれぞれについて、ブロックの入力側の端子(入力端子)に接続される入力信号の情報と、ブロックの出力側の端子(出力端子)に接続される出力信号の情報と、が含まれる。ロジックDB14に含まれるロジック管理部141は、ブロックに対して入力する入力信号、及び、ブロックから出力される出力信号に係る情報を保持する機能を有する。また、ロジック管理部141には、制御ブロックをユーザインタフェース11等で図形言語として描画する際のブロック、変数、信号線等の配置に係る情報(描画情報)も保持される。ロジック管理部141に保持される情報は、制御ロジックの生成時又は変更時等に更新される。
【0038】
ロジックDB14の一時無効化管理部142は、制御ロジック中の所定部分の一時無効化に係る処理を行う場合に、当該ロジックの一時無効化に関する情報を保持する。一時無効化は、上述のように一時的に制御ロジックを変更するものであり、一時無効化を行っている状態の間については、当該情報が一時無効化管理部142に保持される。制御ロジックに関する一時無効化に係る処理が終了すると、一時無効化管理部142に保持される情報は破棄される構成とすることができる。なお、当初はブロックの一時無効化を行っていたものの、一時的な変更を定常的な変更に切り替える(一時無効化された制御ロジックを定常的な状態とする)場合がある。その場合は、一時無効化された状態の制御ロジックについて、一時的な変更ではなく定常的な変更とすることをユーザが指示すると、一時無効化された状態で一時無効化管理部142に保持された情報が、ロジック管理部141に移されて保持される。
【0039】
出力部15は、ロジック変更部13において、所定部分のブロックが一時無効化された制御ロジックを、制御装置20で使用可能となるようにコンパイルした上で、制御装置20に対して送信する機能を有する。出力部15から制御装置20に対して送信された制御ロジックは、制御装置20において解釈及び実行される。なお、コンパイルは制御装置20側で行われる構成としてもよい。
【0040】
次に、ロジック生成装置10における制御ロジックの所定部分の一時無効化方法について、
図3を参照しながら説明する。
【0041】
まず、ロジック生成装置10の取得部12において、制御ロジック中の一時無効化を行う部分に係る情報を含んだ一時無効化の実行に係る指示を取得する。取得部12において取得された情報は、ロジック変更部13に送られる。ロジック変更部13では、一時無効化の対象となる部分(領域)を検出する(S01)。一時無効化の対象となる部分は、ユーザが領域を指定することで、指定される。
図4は、
図2(A)に示した図形言語で記載された制御ロジックに対して、一時無効化の対象となる部分を指定した例である。
図4中の破線C1で囲まれた領域が一時無効化の対象部分(所定部分)となる。ユーザは、
図4に示すように破線C1で囲むこと等で一時無効化の対象となる部分を指定する。ロジック変更部13では、破線C1で指定された部分を特定することで、一時無効化の対象部分を検出する。なお、図中では破線C1は1か所の領域のみを表しているが、複数の領域を同時に指定しても良い。
【0042】
次に、ロジック変更部13では、破線C1に基づいて検出された一時無効化の対象部分と、ロジック管理部141で保持されている当該制御ロジックに係る情報とを比較することで、この制御ロジックにおいて一時無効化を行う対象となるロジックを検出し特定する(S02)。より具体的には、一時無効化を行う対象はロジックに含まれるブロックであるため、ロジック変更部13では、一時無効化を行う部分に含まれるブロックを特定する。なお、ユーザが一時無効化の対象部分を指定するために作成した破線C1が、ロジックのブロックと重なる場合がある。そのため、ロジック変更部13では、一時無効化を行う対象を特定する際には、破線C1で指定された部分とブロックとが全て重なる(ブロックが破線C1で指定された部分内に全て含まれている)場合に、一時無効化対象とする、等の基準を事前に設けておくことが好ましい。
【0043】
次に、ロジック変更部13は、一時無効化を行う対象となる部分に含まれるロジックにおける入力信号及び出力信号を検出する(S03)。
図4に示す例では、破線C1においては、ブロックN1、ブロックN2及びブロックN4の3つのブロックが一時無効化の対象となっている。したがって、ロジック変更部13は、これらのブロックに対して入力する信号である入力信号、及び、これらのブロックから出力する信号である出力信号を特定する。
図4に示す例では、入力信号として、変数LL0003、変数LL0004、変数LL0005及び変数LL0001が検出される。また、出力信号として、変数LL1、変数LL2及び変数LL3が検出される。このように、入力信号と出力信号とがそれぞれ検出される。
【0044】
図4に示す例とは異なる例として、ブロックN1とブロックN3とが一時無効化対象について説明する。ブロックN1とブロックN3とが一時無効化対象となった場合には、ブロックN1に対する入力信号は、変数LL0003となり、出力信号は変数LL1となる。ただし、変数LL1は、同じく一時無効化対象であるブロックN3に対する入力信号となるため、検出される信号から除外される。また、ブロックN3に対する入力信号は変数LL1であり、出力信号は変数LL4となるが、変数LL1は、一時無効化対象のブロックN1からの出力信号であるため、検出される信号から除外される。したがって、結果として、ブロックN1とブロックN3とが一時無効化対象となった場合には、入力信号として変数LL0003が検出され、出力信号として変数LL4が検出される。このように、検出される信号は、一時無効化の対象となるロジックに応じて変更される。
【0045】
次に、ロジック変更部13は、前段階で検出された出力信号について、一時無効化時に出力する信号を特定する(S04)。
図4で示すブロックN1のように、ブロックに対する入力信号が1つであり、ブロックからの出力信号が1つである場合には、ロジック変更部13においてブロックの一時無効化の結果、入力信号をそのまま出力信号として出力する構成としてもよい。この場合は、ロジック変更部13において自動的に対応させる処理を行ってもよい。一方、
図4で示すブロックN3のように、ブロックに対する入力信号が2つであり、ブロックからの出力信号が1つである場合には、ブロックを一時無効化した場合には出力信号としてどの変数を用いるかが決められない場合がある。また、ブロックの一時無効化した場合には、出力信号として所定の数値(例えば、定数)を出力したい場合も考えられる。そこで、ユーザインタフェース11を利用して、ユーザから入力信号と出力信号とを対応付けるための情報を取得する、すなわち、ユーザの指示に基づいて出力信号を特定する構成とすることができる。
【0046】
図5は、出力信号である変数LL3に対して割り当てる変数または定数に係る情報に係る指示をユーザに求める際の出力例である。
図5に示す例では、出力信号である変数LL3に割り当てる変数の候補として、一時無効化を行う対象となる部分に含まれるロジックにおける入力信号(変数LL0003、変数LL0004、変数LL0005及び変数LL0001)が選択窓B1に提示されている。また、
図5に示す例では、変数ではなく定数を出力信号として用いる場合に対応できるように、選択窓B1内に定数Kの値の入力をユーザに求める入力欄を設けている。このように、ユーザに対して、一時無効化を行う対象となる部分に含まれるロジックにおける入力信号を提示して、出力信号となる変数LL3に対して割り当てる信号を特定する。この作業を、一時無効化を行う対象となる部分に含まれるブロックからの出力信号毎に行うことで、一時無効化を行う対象となる部分から出力される出力信号を特定することができる。
【0047】
なお、予め定めた基準に基づいて、ロジック変更部13側で予め出力信号と入力信号との対応付けを行った後にユーザに提示し、必要に応じてユーザが修正する構成としてもよい。すなわち、本工程において、一時無効化を行う対象となる部分から出力される出力信号を特定することができれば、具体的な手順は特に限定されない。
【0048】
次に、ロジック変更部13は、上記の特定結果に基づいて、出力信号に対応する信号の情報を更新し、一時無効化ロジックを生成する(S05)。上記のように、出力信号に対して割り当てる変数または定数の情報を出力信号に対応付ける。この情報は、一時無効化管理部142に保持される。そして、一時無効化を行っている間は、ロジック管理部141に保持されている情報と、一時無効化管理部142に保持される情報と、を組み合わせて、当該制御ロジックの一時無効化を行い、一時無効化ロジックを生成する。
【0049】
図6は、一時無効化を行った状態を図形言語によりユーザインタフェース11において表示している例である。
図6では、一時無効化を行った部分のロジック(ブロック及び信号線)が半透明化され、その上に、一時無効化された部分の出力信号をその前段の出力信号と対応付けている状態を信号線L1〜L3で示している。なお、信号線L2については、入力信号を出力信号と対応付ける代わりに、定数0が出力信号に対応付けられている。すなわち、出力信号である変数LL2には定数0が代入されることになる。
図6に示すように、一時無効化前のロジックと、一時無効化ロジックとを同時に表示する構成とした場合、ユーザは一時無効化時のロジックの変更を視覚的に把握しやすくなる。なお、ユーザインタフェース11での表示形式は
図6に示す例に限定されず、例えば、一時無効化前のロジックと、一時無効化時のロジックとを並べて表示するような構成としてもよい。
【0050】
その後、ロジック変更部13により変更された制御ロジックを変更結果として出力部15から制御装置20に対して出力する。以上により、制御ロジックの一時無効化に係る処理が終了する。
【0051】
なお、一時無効化状態を終了する場合には、ユーザの指示に基づいて一時無効化管理部142に保持される情報が破棄される。ただし、一時無効化状態としての変更内容を制御ロジックの定常的な変更とする場合には、ユーザの指示に基づいて、一時無効化管理部142に保持される情報をロジック管理部141に保持する構成として、ロジック管理部141に保持される制御ロジックに係る情報を更新する。
【0052】
以上のように、本実施形態に係るロジック生成装置10によれば、取得部12で取得されるユーザからの一時無効化指示に基づいて、ロジック変更部13において、ロジックの所定部分を一時無効化する際に、この所定部分から出力される出力信号を特定した後に、一時無効化ロジックが生成される。したがって、一時無効化ロジックにおいて、一時無効化した部分からも適切に信号が出力されるため、後段でも適切な動作が行われる。したがって、一時無効化された部分以外が適切に動作する一時無効化ロジックを生成することができる。
【0053】
また、上記のロジック生成装置10のロジック変更部13では、一時無効化された場合の所定部分からの出力信号の特定を、ユーザからの指示に基づいて実施する。このような構成とすることで、ユーザの指示に基づいて出力信号を適切に特定することが可能となり、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0054】
また、上記のロジック生成装置10のロジック変更部13では、ロジックの所定部分に対して入力する入力信号を所定部分からの出力信号として特定することができる。このような構成とすることで、一時無効化される部分の前段の入力信号を、後段の出力信号として利用することができ、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0055】
また、上記のロジック生成装置10のロジック変更部13では、所定の数値を所定部分からの出力信号として特定することができる。このような構成とすることで、一時無効化をした結果出力信号が一律となる場合に上記実施形態のように定数を用いることが可能となり、一時無効化された部分以外の動作がより適切に設定された一時無効化ロジックを生成することができる。
【0056】
また、上記のロジック生成装置10では、ユーザインタフェース11において、ロジック変更部13において生成された一時無効化ロジックを表示する際に、一時無効化ロジックにおける前記所定部分からの出力信号に係る情報を、図形言語を用いて表示することができる。このような構成とすることで、一時無効化により変更された出力信号の詳細やその対応関係等をユーザが容易に把握できるようになる。
【0057】
また、上記のロジック生成装置10では、ユーザインタフェース11において、一時無効化ロジックを、一時無効化前のロジックと同時に表示することができる。このような構成とすることで、一時無効化に伴う変更内容について、ユーザが容易に把握できるようになる。
【0058】
以上、本発明の実施形態に係るロジック生成装置について説明したが、上述した実施形態は本発明の一例を示すものである。本発明に係るロジック生成装置は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0059】
例えば、ロジック生成装置は、上記実施形態で説明したように1台の装置によって実現されていてもよいし、複数台の装置の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ロジック生成装置で生成されるロジックが制御ロジックである場合について説明したが、ロジック生成装置で生成されるロジックは、制御対象装置の制御を制御装置が行うためのロジックに限定されない。