特許第6856060号(P6856060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856060
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   F04D27/00 101G
   F04D27/00 101L
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-191542(P2018-191542)
(22)【出願日】2018年10月10日
(65)【公開番号】特開2020-60133(P2020-60133A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年9月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】開発 巳智子
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−039333(JP,A)
【文献】 特開2012−047355(JP,A)
【文献】 特開2006−295321(JP,A)
【文献】 特開2008−268300(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/072744(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L9/12
A63J5/02
F04D1/00−13/16
F04D17/00−19/02
F04D21/00−25/16
F04D29/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(3)と、該パネル(3)の前方へ空気を吹き出す送風ユニット(10)とを備えた送風装置であって、
前記パネル(3)の前方の人(H)の存在を検知する人検知部(30)と、
前記人検知部(30)で検知された人(H)に向けて空気を吹き出すように、前記送風ユニット(10)の送風動作を制御する制御部(7)とを備え、
前記送風ユニット(10)は、前記パネル(3)を囲うように配置された複数のファン(11)を有し、
前記複数のファン(11)は、上下左右方向から互いに衝突するように前記パネル(3)表面に沿って空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方のみへ向かう気流を生じさせることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記人検知部(30)は、前記パネル(3)から前記人(H)までの距離を測定することを特徴とする送風装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記制御部(7)は、前記人検知部(30)で人(H)の存在が検知されない場合に前記送風ユニット(10)の送風動作を停止する一方、該人検知部(30)で人(H)の存在が検知された場合に該送風ユニット(10)の送風動作を行うことを特徴とする送風装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
前記制御部(7)は、前記人検知部(30)で複数の人(H)の存在が検知された場合に、該複数の人(H)のうちの1人に向けて空気を吹き出すように、前記送風ユニット(10)の送風動作を制御することを特徴とする送風装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
前記送風ユニット(10)から吹き出される空気に香り成分を付加する香り付加部(35)を備えたことを特徴とする送風装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち何れか1つにおいて、
前記制御部(7)は、前記気流の方向が変わるように、前記複数のファン(11)から吹き出される空気の流速、流量、向きのうち少なくとも1つを調節することを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、絵画や写真等のパネルを窓枠内に取り付けて窓に見せるようにした疑似窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、パネルの両側の窓枠中に風道を設け、送風機から風道に送り込まれた風を風口から吹き出してパネルの中央部で衝突させることで、パネル前方に向かう気流を発生させるようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−193245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1には、パネルの中央部で空気を衝突させ、パネル前方へ向かう気流を生じさせることしか開示されていない。そのため、例えば、人がパネルの中央部から左右に離れた位置でパネルを見ている場合、その人には風が当たらないので、パネルから風が吹いている感覚を生じさせることができない。
【0006】
本開示の目的は、パネルの前方に居る人に向けて空気を吹き出すことができる送風装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、パネル(3)と、該パネル(3)の前方へ空気を吹き出す送風ユニット(10)とを備えた送風装置であって、前記パネル(3)の前方の人(H)の存在を検知する人検知部(30)と、前記人検知部(30)で検知された人(H)に向けて空気を吹き出すように、前記送風ユニット(10)の送風動作を制御する制御部(7)とを備え、前記送風ユニット(10)は、前記パネル(3)を囲うように配置された複数のファン(11)を有し、前記複数のファン(11)は、上下左右方向から互いに衝突するように前記パネル(3)表面に沿って空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方のみへ向かう気流を生じさせるものである。
【0008】
第1の態様では、パネル(3)の前方の人(H)の存在が人検知部(30)で検知されると、検知された人(H)に向けて空気が吹き出されるように、送風ユニット(10)の送風動作が制御される。
【0009】
これにより、パネル(3)の前方のどの位置に人(H)が居たとしても、その人(H)に向けて空気を吹き出すことで、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記人検知部(30)は、前記パネル(3)から前記人(H)までの距離を測定するものである。
【0011】
第2の態様では、パネル(3)から人(H)までの距離を測定することで、パネル(3)の前方の上下左右方向だけではなく奥行方向についても考慮して、人(H)に向けて空気を吹き出すことができる。
【0012】
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記制御部(7)は、前記人検知部(30)で人(H)の存在が検知されない場合に前記送風ユニット(10)の送風動作を停止する一方、該人検知部(30)で人(H)の存在が検知された場合に該送風ユニット(10)の送風動作を行うものである。
【0013】
第3の態様では、人検知部(30)で人(H)の存在が検知されない場合に、送風ユニット(10)の送風動作を停止することで、送風ユニット(10)の消費電力を抑えることができる。また、人(H)の存在が検知された場合に、送風ユニット(10)の送風動作を再開すればよい。
【0014】
本開示の第4の態様は、第1乃至第3の態様のうち何れか1つにおいて、前記制御部(7)は、前記人検知部(30)で複数の人(H)の存在が検知された場合に、該複数の人(H)のうちの1人に向けて空気を吹き出すように、前記送風ユニット(10)の送風動作を制御するものである。
【0015】
第4の態様では、人検知部(30)で複数の人(H)の存在が検知された場合には、複数の人(H)の1人に向けて空気を吹き出すようにしている。例えば、複数の人(H)のうち、特定の色の服を着ている人(H)や、識別用のIDカードを装着している人(H)など、予め設定された条件の人(H)に向けて空気を吹き出すようにすればよい。
【0016】
本開示の第5の態様は、第1乃至第4の態様のうち何れか1つにおいて、前記送風ユニット(10)から吹き出される空気に香り成分を付加する香り付加部(35)を備えたものである。
【0017】
第5の態様では、送風ユニット(10)から吹き出される空気に香り成分、例えば、海や草原の映像をパネル(3)に表示したときに潮風や草木の香りを付加して臨場感を高めたり、食べ物の映像をパネル(3)に表示したときにその食べ物の香りを付加して食欲をそそる等、訴求性の高い体感を人に与えることができる。
【0018】
本開示の第6の態様は、第1乃至第5の態様のうち何れか1つにおいて、前記制御部(7)は、前記気流の方向が変わるように、前記複数のファン(11)から吹き出される空気の流速、流量、向きのうち少なくとも1つを調節するものである。
【0019】
第6の態様では、例えば、1つのファン(11)から吹き出る空気の流速又は流量を増やすと、衝突した気流の向きは、流速又は流量を増やしたファン(11)とは逆側に向く。また、例えば、1つのファン(11)から吹き出される空気の吹き出し方向を変えると、空気が衝突して生じた気流の向きも変化する。したがって、吹出空気が衝突して発生する気流の方向を調節して、人(H)に向けて空気を吹き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本実施形態に係る送風装置の構成を示す正面図である。
図2図2は、送風装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1のX−X矢視断面図である。
図4図4は、各吹出空気の流量を均一にしたときの送風装置から流れる気流のシミュレーション結果を示す図である。
図5図5は、左右の吹出口からの吹出空気の流量を異ならせたときの図4相当図である。
図6図6は、人がパネル前方の中央位置に居るときの空気の流れを示す正面図である。
図7図7は、人がパネル前方の中央位置から右方に移動したときの空気の流れを示す正面図である。
図8図8は、本実施形態の変形例1の図3相当図である。
図9図9は、本実施形態の変形例2に係る送風装置の構成を示す正面図である。
図10図10は、人がパネル前方の中央位置から右方に移動したときの空気の流れを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《実施形態》
実施形態について説明する。本実施形態の送風装置(1)は、例えば、室内の壁面に設けられ、室内に送風するために用いられる。
【0022】
−送風装置の全体構成−
図1に示すように、送風装置(1)は、パネル(3)と、枠部材(5)と、送風ユニット(10)と、制御部(7)と、人検知部としてのカメラ(30)とを備えている。
【0023】
パネル(3)は、横長の矩形状に形成されたディスプレイで構成されている。パネル(3)には、静止画や動画が表示されている。なお、パネル(3)は、絵画、写真等で構成されていてもよい。
【0024】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置されている。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した矩形状に構成されている。具体的に、枠部材(5)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、及び第4縁部(5d)を有する。
【0025】
第1縁部(5a)は、枠部材(5)の長辺のうち下側の辺を構成する。第2縁部(5b)は、枠部材(5)の長辺のうち上側の辺を構成する。第3縁部(5c)は、枠部材(5)の短辺のうち図1に向かって左側の辺を構成する。第4縁部(5d)は、枠部材(5)の短辺のうち図1に向かって右側の辺を構成する。
【0026】
第1縁部(5a)と第2縁部(5b)とは、パネル(3)を挟んで互いに対向する。第3縁部(5c)と第4縁部(5d)とは、パネル(3)を挟んで互いに対向する。枠部材(5)は、中空に形成されている。枠部材(5)の詳細については後述する。
【0027】
送風ユニット(10)は、複数のファン(11)で構成されている。ファン(11)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、及び第4縁部(5d)にそれぞれ1つずつ配置される。ファン(11)は、例えば、クロスフローファンで構成されており、後述する吹出口(13)へ空気を送る。
【0028】
カメラ(30)は、枠部材(5)の左右両側に一対設けられている。カメラ(30)は、パネル(3)の前方の人(H)の存在を検知するものであり、検知された人(H)の位置情報、つまり、パネル(3)前方の上下左右方向のどの位置に人(H)が居るのかを示す情報が制御部(7)に送信される。
【0029】
また、カメラ(30)は、枠部材(5)の左右両側に設けられているので、奥行方向の情報を得ることができる。つまり、カメラ(30)によって、パネル(3)から人(H)までの距離を測定することもできる。そのため、カメラ(30)で検知された位置情報には、パネル(3)前方の奥行方向のどの位置に人(H)が居るのかを示す情報も含まれる。
【0030】
制御部(7)は、枠部材(5)内に配置されている。図2に示すように、制御部(7)は、ファン(11)に対して回転数指令を送信して、ファン(11)の回転速度を調節する。また、制御部(7)は、パネル(3)に対して映像出力信号を送信して、パネル(3)に映像を表示させる。
【0031】
−枠部材−
図1及び図3に示すように、枠部材(5)は、内周面に、4つの空気の吹出口(13)が設けられている。各吹出口(13)は、パネル(3)の各辺に対応する位置に形成されている。各吹出口(13)には、ファン(11)が1つずつ配置されている。ファン(11)から送られた空気は、吹出口(13)を通過して枠部材(5)から吹き出される。各吹出口(13)からは、一方向に空気が吹き出される。
【0032】
第1縁部(5a)は、第1吹出口(13a)、第1吸込口(15a)、第1ファン(11a)、温度調節器(17)、及び通風路(14)を備えている。第1縁部(5a)は、断面略四角形に形成されている。
【0033】
第1吹出口(13a)は、第1縁部(5a)の上面に形成されている。第1吹出口(13a)は、第1縁部(5a)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。第1縁部(5a)の上面には、第1吹出口(13a)に沿うようにフラップ(16)が設けられている。フラップ(16)の傾斜角度に応じて、第1吹出口(13a)からの吹出空気の向きが変わる。
【0034】
第1吸込口(15a)は、第1縁部(5a)の下面に形成されている。第1吸込口(15a)は、第1縁部(5a)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。
【0035】
第1ファン(11a)は、第1吹出口(13a)と第1吸込口(15a)との間に位置する。第1ファン(11a)は、枠部材(5)の外側の空気を第1吸込口(15a)から取り入れて、第1吹出口(13a)に送る。第1ファン(11a)から送られた空気は、第1吹出口(13a)を通過して上方に吹き出される。
【0036】
温度調節器(17)は、第1ファン(11a)と第1吸込口(15a)との間に配置されている。温度調節器(17)は、例えば、室外ユニット(図示省略)に接続される熱交換器により構成されている。温度調節器(17)の温度を変化させることで、第1吹出口(13a)から吹き出す空気の温度を調節する。
【0037】
第1縁部(5a)は、前側部材(19)及び後側部材(18)を有する。前側部材(19)は、第1縁部(5a)の上面における前方(図3で左側)寄りの位置から第1ファン(11a)の上面に向かって延びている。後側部材(18)は、第1縁部(5a)の上面における後方(図3で右側)寄りの位置から第1ファン(11a)の下面に向かって延びている。前側部材(19)と後側部材(18)との間には、通風路(14)が区画されている。通風路(14)は、第1ファン(11a)と第1吹出口(13a)との間に形成されている。通風路(14)は、第1ファン(11a)から吹き出された空気を第1吹出口(13a)へ導く。
【0038】
第2縁部(5b)は、第2吹出口(13b)、第2吸込口(15b)、第2ファン(11b)、温度調節器(17)、及び通風路(14)を備えている。第2吹出口(13b)は、第2縁部(5b)の下面に形成されている。第2吸込口(15b)は、第2縁部(5b)の上面に形成されている。
【0039】
第2ファン(11b)は、第2吹出口(13b)と第2吸込口(15b)との間に位置する。第2ファン(11b)は、枠部材(5)の外側の空気を第2吸込口(15b)から取り入れて、第2吹出口(13b)に送る。第2ファン(11b)から送られた空気は、第2吹出口(13b)を通過して下方に吹き出される。
【0040】
第3縁部(5c)は、第3吹出口(13c)、第3吸込口(15c)、第3ファン(11c)、温度調節器(17)、及び通風路(14)を備えている。第3吹出口(13c)は、第3縁部(5c)の右面に形成されている。第3吸込口(15c)は、第3縁部(5c)の左面に形成されている。
【0041】
第3ファン(11c)は、第3吹出口(13c)と第3吸込口(15c)との間に位置する。第3ファン(11c)は、枠部材(5)の外側の空気を第3吸込口(15c)から取り入れて、第3吹出口(13c)に送る。第3ファン(11c)から送られた空気は、第3吹出口(13c)を通過して右方に吹き出される。
【0042】
第4縁部(5d)は、第4吹出口(13d)、第4吸込口(15d)、第4ファン(11d)、温度調節器(17)、及び通風路(14)を備えている。第4吹出口(13d)は、第4縁部(5d)の左面に形成されている。第4吸込口(15d)は、第4縁部(5d)の右面に形成されている。
【0043】
第4ファン(11d)は、第4吹出口(13d)と第4吸込口(15d)との間に位置する。第4ファン(11d)は、枠部材(5)の外側の空気を第4吸込口(15d)から取り入れて、第4吹出口(13d)に送る。第4ファン(11d)から送られた空気は、第4吹出口(13d)を通過して左方に吹き出される。
【0044】
なお、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)及び第4縁部(5d)の内部構造については、第1縁部(5a)の内部構造と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
このように、各吹出口(13)は、それぞれの吹出方向が異なる。また、第1吹出口(13a)と第2吹出口(13b)とが向かい合い、第3吹出口(13c)と第4吹出口(13d)とが向かい合う。
【0046】
枠部材(5)は、各吹出口(13)が形成された4つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせる。具体的に、枠部材(5)は、パネル(3)の中央側に向かってパネル(3)表面に沿うように空気を吹き出して、パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させている。
【0047】
−制御部−
制御部(7)は、プロセッサ(例えば、マイクロコントローラ)と、プロセッサを動作させるためのソフトウェアを格納するメモリディバイス(例えば、半導体メモリ)とを備えている。また、メモリディバイスには、制御部(7)の制御動作に必要なデータなども格納されている。
【0048】
制御部(7)は、各ファン(11)の回転速度を調節することで、各吹出口(13)から吹き出される空気の流量及び流速を調節する。具体的に、制御部(7)は、それぞれの吹出口(13)から吹き出される空気の流量の合計が一定に保たれるように、それぞれの方向から吹き出される空気の流量を調節可能である。
【0049】
制御部(7)は、各吹出口(13)から吹き出される空気の流量及び流速を調節することで、それぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えることができる。
【0050】
図4及び図5は、本実施形態の送風装置(1)から流れる気流(F)のシミュレーション結果を示す。
【0051】
図4では、制御部(7)は、各吹出口(13)から吹き出される空気の流量及び流速が等しくなるように調節している。この場合、気流(F)は、パネル(3)の中央部の前方からさらに前方に向かってほぼ真っ直ぐ流れる。
【0052】
一方、制御部(7)は、気流を向けたい方向とは逆側に位置する吹出口からの吹出空気の流量が残りの吹出口から吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、且つ流速が残りの吹出口の流速よりも相対的に速くなるように、各ファン(11)の回転速度を個別に調節することができる。
【0053】
例えば、気流を下向きにしたいとき、制御部(7)は、第2ファン(11b)の回転速度を上げ、第1ファン(11a)、第3ファン(11c)及び第4ファン(11d)の回転速度を下げる。そうすることで、第2吹出口(13b)からの吹出空気の流量が、第1吹出口(13a)、第3吹出口(13c)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、流速が、第1吹出口(13a)、第3吹出口(13c)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流速よりも相対的に速くなる。
【0054】
また、例えば、気流を右向きにしたいとき、制御部(7)は、第3ファン(11c)の回転速度を上げ、第1ファン(11a)、第2ファン(11b)及び第4ファン(11d)の回転速度を下げる。そうすることで、第3吹出口(13c)からの吹出空気の流量が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、流速が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流速よりも相対的に速くなる。
【0055】
また、例えば、気流を左斜め上向きにしたいとき、制御部(7)は、第1ファン(11a)及び第4ファン(11d)の回転速度を上げ、第2ファン(11b)及び第3ファン(11c)の回転速度を下げる。そうすることで、第1吹出口(13a)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量が、第2吹出口(13b)及び第3吹出口(13c)からの吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、流速が、第2吹出口(13b)及び第3吹出口(13c)からの吹出空気の流速よりも相対的に速くなる。
【0056】
図5に示すシミュレーションでは、第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量は、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)、第3吹出口(13c)からの吹出空気の流量より多い。また、第4吹出口(13d)からの吹出空気の流速は、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)、第3吹出口(13c)からの流速よりも相対的に速い。
【0057】
この場合、気流(F)は、パネル(3)の中央部の前方から第4吹出口(13d)の反対側(図5で左側)寄りに向かって流れる。
【0058】
制御部(7)は、各縁部(5)に配置されたフラップ(16)の傾斜角度を調節することで、各吹出口(13)から吹き出される空気の向きを調節する。制御部(7)は、各吹出口(13)から吹き出される空気の向きを調節することによって、それぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えることができる。
【0059】
例えば、気流を下向きにしたいとき、制御部(7)は、第2吹出口(13b)から前方寄りに空気が吹き出るように、第2縁部(5b)のフラップの傾斜角度を調節する。
【0060】
また、例えば、気流を右向きにしたいとき、制御部(7)は、第3吹出口(13c)から前方寄りに空気が吹き出るように、第3縁部(5c)のフラップの傾斜角度を調節する。
【0061】
また、例えば、気流を左斜め上向きにしたいとき、制御部(7)は、第1吹出口(13a)及び第4吹出口(13d)から前方寄りに空気が吹き出るように、第1縁部(5a)及び第4縁部(5d)のフラップの傾斜角度を調節する。
【0062】
制御部(7)は、各ファン(11)の回転速度の調節と各フラップ(16)の傾斜角度の調節とを組み合わせて、それぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えてもよい。また、各ファン(11)の回転速度の調節のみでそれぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えてもよく、各フラップ(16)の傾斜角度の調節のみでそれぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えてもよい。
【0063】
このように、吹出空気が衝突して発生する気流の方向を調節することで、パネル(3)の表示に合わせて気流の方向を変更することができる。例えば、パネル(3)が外の風景を表示する場合には、送風装置(1)は、様々な方向に送風することで、自然の風に近い送風を行うことができる。また、パネル(3)が動画を表示する場合には、送風装置(1)は、動画に合わせて送風の向きを変えて、臨場感を与えることができる。
【0064】
−人の検知について−
本実施形態では、パネル(3)の前方に居る人(H)に向けて空気が吹き出されるように、気流の方向を変えるようにしている。
【0065】
具体的に、図6に示すように、パネル(3)を上下に3等分、左右に3等分した合計9つの吹き出しエリアを設定しておく。図6に示す例では、パネル(3)の上段の吹き出しエリアを、左側から順に「1」、「2」、「3」とする。また、パネル(3)の中段の吹き出しエリアを、左側から順に「4」、「5」、「6」とする。また、パネル(3)の下段の吹き出しエリアを、左側から順に「7」、「8」、「9」とする。
【0066】
そして、左右のカメラ(30)によって、パネル(3)の前方のどの吹き出しエリア内に人(H)が居るのかを検知する。図6に示す例では、パネル(3)の中央位置、つまり、吹き出しエリア「5」、「8」に人(H)が居るので、このエリアに向けて空気が吹き出されるように、ファン(11)の回転速度を調節する。
【0067】
なお、吹き出しエリア「5」、「8」の両方に空気を吹き出すようにしてもよいが、本実施形態では、人(H)が風の流れを感じやすいように、人(H)の顔、つまり、吹き出しエリア「5」に向けて空気を吹き出すようにしている。
【0068】
図6では、制御部(7)は、各吹出口(13)から吹き出される空気の流量及び流速が等しくなるように調節している。この場合、気流(F)は、パネル(3)の中央部の前方からさらに前方に向かってほぼ真っ直ぐ流れる。これにより、人(H)の顔に空気が吹き出され、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0069】
次に、図7に示すように、人(H)がパネル(3)の中央位置から右方に移動した場合について説明する。図7に示す例では、パネル(3)の右側位置、つまり、吹き出しエリア「6」、「9」に人(H)が居るので、このエリアに向けて空気が吹き出されるように、ファン(11)の回転速度を調節する。なお、先ほどと同様に、人(H)の顔、つまり、吹き出しエリア「6」に向けて空気を吹き出すようにする。
【0070】
図7では、制御部(7)は、第3ファン(11c)の回転速度を上げ、第1ファン(11a)、第2ファン(11b)及び第4ファン(11d)の回転速度を下げる。そうすることで、第3吹出口(13c)からの吹出空気の流量が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、流速が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流速よりも相対的に速くなる。これにより、気流が右向きとなり、人(H)の顔に空気が吹き出され、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0071】
ここで、人(H)がパネル(3)の前から離れるように移動して、カメラ(30)によって人(H)の存在が検知されなくなった場合に、制御部(7)は、ファン(11)の送風動作を停止させるようにすればよい。これにより、送風装置(1)の消費電力を抑えることができる。また、カメラ(30)によって人(H)の存在が検知された場合に、制御部(7)は、ファン(11)の送風動作を再開させるようにすればよい。
【0072】
また、制御部(7)は、カメラ(30)によって複数の人(H)の存在が検知された場合に、複数の人(H)のうちの1人に向けて空気を吹き出すように、ファン(11)の送風動作を制御するようにしてもよい。
【0073】
例えば、複数の人(H)のうち、特定の色の服を着ている人(H)や、識別用のIDカードを装着している人(H)など、予め設定された条件の人(H)に向けて空気を吹き出すようにすればよい。
【0074】
−実施形態の効果−
本実施形態の送風装置(1)は、パネル(3)と、パネル(3)の前方へ空気を吹き出す送風ユニット(10)とを備えたものである。そして、パネル(3)の前方の人(H)の存在を検知するカメラ(30)(人検知部)と、カメラ(30)で検知された人(H)に向けて空気を吹き出すように、送風ユニット(10)の送風動作を制御する制御部(7)とを備えたものである。
【0075】
本実施形態では、パネル(3)の前方の人(H)の存在がカメラ(30)で検知されると、検知された人(H)に向けて空気が吹き出されるように、送風ユニット(10)の送風動作が制御される。
【0076】
これにより、パネル(3)の前方のどの位置に人(H)が居たとしても、その人(H)に向けて空気を吹き出すことで、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0077】
また、本実施形態の送風装置(1)は、カメラ(30)は、パネル(3)から人(H)までの距離を測定するものである。
【0078】
本実施形態では、パネル(3)から人(H)までの距離を測定することで、パネル(3)の前方の上下左右方向だけではなく奥行方向についても考慮して、人(H)に向けて空気を吹き出すことができる。
【0079】
また、本実施形態の送風装置(1)は、制御部(7)は、カメラ(30)で人(H)の存在が検知されない場合に送風ユニット(10)の送風動作を停止する一方、カメラ(30)で人(H)の存在が検知された場合に送風ユニット(10)の送風動作を行うものである。
【0080】
本実施形態では、カメラ(30)で人(H)の存在が検知されない場合に、送風ユニット(10)の送風動作を停止することで、送風ユニット(10)の消費電力を抑えることができる。また、人(H)の存在が検知された場合に、送風ユニット(10)の送風動作を再開すればよい。
【0081】
また、本実施形態の送風装置(1)は、制御部(7)は、カメラ(30)で複数の人(H)の存在が検知された場合に、複数の人(H)のうちの1人に向けて空気を吹き出すように、送風ユニット(10)の送風動作を制御するものである。
【0082】
本実施形態では、カメラ(30)で複数の人(H)の存在が検知された場合には、複数の人(H)の1人に向けて空気を吹き出すようにしている。例えば、複数の人(H)のうち、特定の色の服を着ている人(H)や、識別用のIDカードを装着している人(H)など、予め設定された条件の人(H)に向けて空気を吹き出すようにすればよい。
【0083】
また、本実施形態の送風装置(1)は、送風ユニット(10)は、パネル(3)を囲うように配置された複数のファン(11)を有し、複数のファン(11)は、複数の方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせ、制御部(7)は、気流の方向が変わるように、複数のファン(11)から吹き出される空気の流速、流量、向きのうち少なくとも1つを調節するものである。
【0084】
本実施形態では、例えば、1つのファン(11)から吹き出る空気の流速又は流量を増やすと、衝突した気流の向きは、流速又は流量を増やしたファン(11)とは逆側に向く。また、例えば、1つのファン(11)から吹き出される空気の吹き出し方向を変えると、空気が衝突して生じた気流の向きも変化する。したがって、吹出空気が衝突して発生する気流の方向を調節して、人(H)に向けて空気を吹き出すことができる。
【0085】
−実施形態の変形例1−
図8に示すように、枠部材(5)の第1縁部(5a)は、前側部材(19)及び後側部材(18)を有する。前側部材(19)は、第1縁部(5a)の上面における前方(図8で左側)寄りの位置から第1ファン(11a)の上面に向かって延びている。
【0086】
後側部材(18)は、第1縁部(5a)の上面における後方(図8で右側)寄りの位置から第1ファン(11a)の下面に向かって延びている。前側部材(19)と後側部材(18)との間には、通風路(14)が区画されている。
【0087】
通風路(14)は、第1ファン(11a)と第1吹出口(13a)との間に形成されている。通風路(14)は、第1ファン(11a)から吹き出された空気を第1吹出口(13a)へ導く。
【0088】
前側部材(19)には、香り付加部(35)が取り付けられている。香り付加部(35)は、香り成分が含まれた図示しないカートリッジを有し、香り成分を噴出口(35a)から噴出可能に構成されている。香り付加部(35)の噴出口(35a)は、前側部材(19)を貫通して通風路(14)に連通している。香り付加部(35)は、噴出口(35a)から香り成分を噴出することで、通風路(14)を流れる空気に香り成分を付加することができる。香り成分が付加された空気は、第1吹出口(13a)を通過して上方に吹き出される。
【0089】
なお、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)及び第4縁部(5d)の内部構造については、第1縁部(5a)の内部構造と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
そして、枠部材(5)は、各吹出口(13)が形成された4つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせる。これにより、パネル(3)前方の人(H)に向かって、香り成分が付加された空気が吹き出される。
【0091】
ここで、例えば、海や草原の映像をパネル(3)に表示したときに、潮風や草木の香りを付加すれば、臨場感を高めることができる。
【0092】
また、食べ物の映像をパネル(3)に表示したときに、その食べ物の香りを付加すれば、パネル(3)から食べ物の香りが出てきているかのような感覚を生じて食欲をそそることができる。このとき、人(H)がパネル(3)の前に居るときにだけ、通風路(14)を流れる空気に香り成分を付加するようにすれば、香り成分の消費量を低減することができる。
【0093】
また、香り成分としてアロマオイルを付加することで、リラックス効果を高めることもできる。
【0094】
−実施形態の変形例2−
図9に示すように、パネル(3)には、カメラ(30)で撮影された人(H)のライブ映像が表示されている。パネル(3)に表示された人(H)の映像は、人(H)が移動することによって、同じ方向に移動する。
【0095】
図9に示す例では、パネル(3)の中央位置に人(H)が居るので、人(H)の顔に向けて空気が吹き出されるように、ファン(11)の回転速度を調節する。制御部(7)は、各吹出口(13)から吹き出される空気の流量及び流速が等しくなるように調節している。この場合、気流は、パネル(3)の中央部の前方からさらに前方に向かってほぼ真っ直ぐ流れる。
【0096】
これにより、人(H)の顔に空気が吹き出され、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0097】
このとき、パネル(3)には、各吹出口(13)から人(H)に向かう空気の流れが、矢印線でアニメーション表示されている。人(H)は、パネル(3)に表示された自分の姿に対して空気が吹き出されているアニメーション映像を見ることで、空気の流れを視覚的に把握することができる。
【0098】
なお、このような矢印線のアニメーション表示データは、制御部(7)のメモリに予め保存されており、人(H)の位置情報に応じたアニメーションを適宜パネル(3)に表示させるようにすればよい。
【0099】
次に、図10に示すように、人(H)がパネル(3)の中央位置から右方に移動した場合について説明する。図10に示す例では、パネル(3)の右側位置に人(H)が居るので、人(H)の顔に向けて空気が吹き出されるように、ファン(11)の回転速度を調節する。
【0100】
制御部(7)は、第3ファン(11c)の回転速度を上げ、第1ファン(11a)、第2ファン(11b)及び第4ファン(11d)の回転速度を下げる。そうすることで、第3吹出口(13c)からの吹出空気の流量が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流量よりも相対的に多くなり、流速が、第1吹出口(13a)、第2吹出口(13b)及び第4吹出口(13d)からの吹出空気の流速よりも相対的に速くなる。
【0101】
これにより、気流が右向きとなり、人(H)の顔に空気が吹き出され、パネル(3)から風が吹いている感覚を生じさせることができる。
【0102】
このとき、パネル(3)には、各吹出口(13)から人(H)に向かう空気の流れが、矢印線でアニメーション表示されている。人(H)は、パネル(3)に表示された自分の姿に対して空気が吹き出されているアニメーション映像を見ることで、人(H)の移動に合わせて空気の流れが追従していることを視覚的に把握することができ、エンターテイメント性を高めることができる。
【0103】
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0104】
本実施形態では、パネル(3)に映像を表示して、パネル(3)の前で映像を見ている人(H)に向けて空気を吹き出すようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、人(H)が往来する場所に送風装置(1)を設置して、広告が表示されたパネル(3)の前を通りかかった人(H)に向けて空気を吹き出すことで、人(H)がパネル(3)の広告表示に気が付くような使い方、つまり、デジタルサイネージとして利用してもよい。これにより、宣伝広告の効果を高めることができる。
【0105】
また、例えば、送風装置(1)を浴室に設置して、露天風呂の周辺映像をパネル(3)に表示するとともに、浴槽に入っている人(H)に向けて空気を吹き出すことで、例えば、都市部のホテル等、実際に露天風呂を施工することが困難な場所においても、快適な露天風呂体験を実現することができる。
【0106】
また、例えば、ボール等の物体がパネル(3)の前に居る人(H)に向かって飛んでくるような映像をパネル(3)に表示して、その物体を受け止められる位置に手を伸ばしたことをカメラ(30)で検知したときに、この手に向かって空気を吹き出すようにしてもよい。これにより、人(H)の手に吹き出された空気によって、手で物体を受け止めたような触感を与えることで、ゲームとしてのエンターテイメント体験を実現することができる。
【0107】
また、本実施形態では、パネル(3)を横長の矩形状に形成して、パネル(3)を囲うように枠部材(5)を矩形状に構成しているが、この形態に限定するものではない。例えば、パネル(3)を三角形や六角形等の多角形、又は円形に形成して、パネル(3)を囲うように枠部材(5)を多角形又は円形に構成してもよい。
【0108】
また、本実施形態では、枠部材(5)の内周面に4つの吹出口(13)を形成し、各吹出口(13)にファン(11)を1つずつ配置した構成としたが、吹出口(13)やファン(11)の数は、この形態に限定するものではない。
【0109】
また、本実施形態では、制御部(7)が吹出空気の流量、流速及び向きのうち1つを調節することにより、吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えてもよい。すなわち、吹出口(13)から吹き出される空気の流速、流量、向きのうち少なくとも1つを調節するものであればよい。
【0110】
また、本実施形態では、温度調節器(17)として、室外ユニットに接続される熱交換器を挙げたが、これに限定されない、温度調節器(17)として、ヒータやペルチェ素子等を用いてもよい。
【0111】
また、本実施形態では、ファン(11)を、クロスフローファンで構成するようにしたが、この形態に限定するものではなく、例えば、プロペラファンやシロッコファン、斜流ファンなどを用いてもよい。
【0112】
また、本実施形態では、各吹出口(13)が形成された4つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせるようにしたが、この形態に限定するものではない。
【0113】
例えば、パネル(3)の表面全体に複数の吹出口(13)を設け、パネル(3)の表面全体から空気が吹き出されるようにしてもよい。そして、パネル(3)の中央位置に人(H)が居る場合には、パネル(3)の中央位置に設けられた吹出口から空気を吹き出すとともに、その他の吹出口からの空気の吹き出しを停止するようにすれば、人(H)に向けて空気を吹き出すことができる。
【0114】
また、本実施形態では、カメラ(30)を用いて人(H)を検知するようにしたが、この形態に限定するものではなく、例えば、赤外線センサを用いて人(H)を検知してもよい。
【0115】
また、本実施形態では、パネル(3)と枠部材(5)とが一体に構成されているが、パネル(3)と枠部材(5)とを別々の部材として構成してもよい。
【0116】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本開示は、送風装置について有用である。
【符号の説明】
【0118】
1 送風装置
3 パネル
7 制御部
10 送風ユニット
11 ファン
30 カメラ(人検知部)
35 香り付加部
H 人
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10