【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関し、以下の態様(1)〜(32)を開示する。
(1) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状を経て前記成形形状に直接成形する金属板の成形方法であって、
前記金属板から前記中間形状を成形する際に、前記金属板から前記成形形状に成形する場合よりも前記中間形状から前記成形形状に成形する場合の方が、前記金属板からの板厚減少率が大きい第1の部位の少なくとも一部を含む領域を成形することにより、前記中間形状を成形する
金属板の成形方法。
(2) 下記第1ステップと下記第2ステップとを順次行うことにより求められた有限要素法解析における成形形状の金属板の要素データ(B)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記第1の領域に対応する一部の要素には、前記一部の要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記中間形状を経て前記成形形状に成形する場合よりも前記金属板から前記成形形状に直接成形する場合の方が前記金属板からの板厚減少率が大きい部位の少なくとも一部を含む第2の領域に対応する残りの要素には、前記残りの要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
前記成形前の仮想金属板を変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)の形状を前記中間形状とする、(1)記載の金属板の成形方法。
第1ステップ:仮の金属板の要素データ(A)および前記成形形状の金属板の要素データ(B)を用意するステップ。
第2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)の、対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるステップ。
(3) 前記第1ステップは、有限要素法による成形解析により、仮の金属板の要素データ(A)をもとに、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求める
(2)記載の金属板の成形方法。
(4) 前記第1ステップは、有限要素法による逆解析により、前記成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、前記仮の金属板の要素データ(A)を求める
(2)記載の金属板の成形方法。
(5) 前記第2ステップにおいて、下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記第2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)の、対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを特徴とする(2)乃至(4)の何れか1項に記載の金属板の成形方法。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に、絶対値が前記第2−1ステップにおいて求めた前記応力(F1)以上の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記第2−2のステップで作成した有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
(6) 前記応力(F2)は、絶対値が前記応力(F1)より大きく且つ前記応力(F1)の1.5倍以下の応力である
(5)記載の金属板の成形方法。
(7) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形するのに必要な応力(F3)を、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、前記一部の要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、前記残りの要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを特徴とする(2)乃至(6)の何れか一項に記載の金属板の成形方法。
(8) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素のうち、前記一部の要素との境界近傍の要素には絶対値が前記応力(F3)より小さな応力を与え、前記境界近傍の要素から離れるにつれ徐々に絶対値が小さくなる応力を前記残りの要素に与える
(7)記載の金属板の成形方法。
(9) 前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップを行う、または、前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを特徴とする(2)乃至(8)の何れか一項に記載の金属板の成形方法。
(10) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間において対応する各要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値、または、上限の閾値および下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限および下限の閾値を設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする(2)乃至(9)の何れか一項に記載の金属板の成形方法。
(11) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する金属板の成形方法であって、
前記複数の中間形状を得る工程および前記成形形状を得る工程のうち、全部もしくは一部の工程において、(1)〜(10)の何れか一項に記載の成形方法で得られた形状を、前記工程の前工程で成形する中間形状とする、金属板の成形方法。
(12) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合の前記中間形状の設計方法であって、
前記金属板から前記中間形状を成形する際に、前記金属板から前記成形形状に直接成形する場合よりも前記中間形状を経て前記成形形状に成形する場合の方が、前記金属板からの板厚減少率が大きい第1の領域を先に成形した後に、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合よりも前記金属板から前記成形形状に成形する場合の方がひずみまたは板厚減少率が大きい部位の少なくとも一部を含む第1の領域を成形した場合の形状を、前記中間形状とする
中間形状の設計方法。
(13) 下記第1ステップと下記第2ステップとを順次行うことにより求められた有限要素法解析における成形形状の金属板の要素データ(B)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記第1の領域に対応する一部の要素には、前記一部の要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記中間形状を経て前記成形形状に成形する場合よりも前記金属板から前記成形形状に直接成形する場合の方が前記金属板からの板厚減少率が大きい部位の少なくとも一部を含む第2の領域に対応する残りの要素には、前記残りの要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
前記成形前の仮想金属板を変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)の形状を前記中間形状とする、(11)記載の中間形状の設計方法。
第1ステップ:仮の金属板の要素データ(A)および前記成形形状の金属板の要素データ(B)を用意するステップ。
第2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるステップ。
(14) 前記第1ステップは、有限要素法による成形解析により、仮の金属板の要素データ(A)をもとに、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求める
(13)記載の中間形状の設計方法。
(15) 前記第1ステップは、有限要素法による逆解析により、前記成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、前記仮の金属板の要素データ(A)を求める
(13)記載の中間形状の設計方法。
(16) 前記第2ステップにおいて、下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記第2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)の、対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを特徴とする(13)乃至(15)の何れか1項に記載の中間形状の設計方法。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応
する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に、絶対値が前記第2−1ステップにおいて求めた前記応力(F1)以上の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記第2−2のステップで作成した有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
(17) 前記応力(F2)は、絶対値が前記応力(F1)より大きく且つ前記応力(F1)の1.5倍以下の応力である
(16)記載の中間形状の設計方法。
(18) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形するのに必要な応力(F3)を、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、前記一部の要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、前記残りの要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを特徴とする(13)乃至(17)の何れか一項に記載の中間形状の設計方法。
(19) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素のうち、前記一部の要素との境界近傍の要素には絶対値が前記応力(F3)より小さな応力を与え、前記境界近傍の要素から離れるにつれ徐々に絶対値が小さくなる応力を前記残りの要素に与える
(18)記載の中間形状の設計方法。
(20) 前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップを行う、または、前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを特徴とする(13)乃至(19)の何れか一項に記載の中間形状の設計方法。
(21) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間においてトポロジー的に対応する各有限要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値、または、上限の閾値および下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限および下限の閾値を設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする(13)乃至(19)の何れか一項に記載の中間形状の設計方法。
(22) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する場合の前記中間形状の設計方法において、
前記複数の中間形状を得る工程および前記成形形状を得る工程のうち、全部もしくは一部の工程において、(12)〜(21)の何れか一項に記載の設計方法で得られた形状を、前記工程の前工程で成形する中間形状とする、中間形状の設計方法。
(23) (1)〜(11)の何れか一項に記載の金属板の成形方法において得られた中間形状を、ダイフェース面の形状として含むことを特徴とする金属板の成形用金型。
(24) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合に前記中間形状を設計するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
前記金属板から前記中間形状を成形する際に、前記金属板から前記成形形状に直接成形する場合よりも前記中間形状を経て前記成形形状に成形する場合の方が、前記金属板からの板厚減少率が大きい部位の少なくとも一部を含む第1の領域を成形した場合の形状を、前記中間形状とするステップ
を含む処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
(25) 有限要素法解析における、仮の金属板の要素データ(A)と、前記仮の金属板の要素データ(A)に対応する成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
下記第2−1ステップと下記第2−2ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるための有限要素法による弾性変形解析を行うための有限要素モデル(I)を作成することを含む(24)記載のコンピュータプログラム。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素を、前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に、絶対値が前記第2−1ステップにおいて求めた前記応力(F1)以上の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
(26) 有限要素法解析における、仮の金属板の要素データ(A)と仮の金属板の要素データ(A)とトポロジー的に同相な成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを含む(24)記載のコンピュータプログラム。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応
する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に、絶対値が前記第2−1ステップにおいて求めた前記応力(F1)以上の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
(27) 前記応力(F2)は、前記応力(F1)より大きく且つ前記応力(F1)の1.5倍以下の応力である
(25)又は(26)記載のコンピュータプログラム。
(28) 有限要素法解析における、成形前の仮想金属板の要素データ(D)と、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)に対応する成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素が、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形するのに必要な応力(F3)を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記第1の領域に対応する一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに、前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち中間形状を経て前記成形形状に成形する場合よりも前記金属板から前記成形形状に直接成形する場合の方が前記金属板からの板厚減少率が大きい部位の少なくとも一部を含む第2の領域に対応する残りの要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成することを含む(25)〜(27)の何れか1項に記載のコンピュータプログラム。
(29) 前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記第1の領域に対応する一部の要素には、前記一部の要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)のうち前記第2の領域に対応する残りの要素には、前記残りの要素の各要素に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
前記成形前の仮想金属板を変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを含む(28)記載のコンピュータプログラム。
(30) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素のうち、前記一部の要素との境界近傍の要素には絶対値が前記応力(F3)より小さな応力を与え、前記境界近傍の要素から離れるにつれ徐々に絶対値が小さくなる応力を前記残りの要素に与える
(28)又は(29)記載のコンピュータプログラム。
(31) 有限要素法による成形解析により、仮の金属板を成形形状に成形する際の前記仮の金属板の要素データ(A)、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求める第1ステップと、
前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、前記中間形状とする第3ステップと、
を実行させるための(28)乃至(30)の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
(32) 前記第2-3ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップ〜前記第2−3ステップ、または、前記第2−1ステップ〜前記第2−3ステップを順次行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことをコンピュータに実行させることを特徴とする(31)に記載のコンピュータプログラム。
(33) 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間において対応する各要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値、または、上限の閾値および下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限および下限の閾値を設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2−3ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップ〜前記第2−3ステップもしくは前記第2−1ステップ〜前記第2−3ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする(31)または(32)に記載のコンピュータプログラム。
(34) 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する際の前記中間形状を求めるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
(31)乃至(33)の何れか一項に記載のコンピュータプログラムにおいて求められた形状を中間形状に置き換えて、前記第1ステップから前記第3ステップを順次行う(31)乃至(33)の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
(35) (24)乃至(34)の何れか一項に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0007】
また、本発明に関し、以下の態様[1]〜[21]を開示する。
[1] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する金属板の成形方法であって、
下記第1ステップと下記第2ステップとを順次行うことにより求められた有限要素法解析における成形形状の金属板の要素データ(B)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)の形状を前記中間形状とする、金属板の成形方法。
第1ステップ:有限要素法による成形解析により、仮の金属板の要素データ(A)をもとに、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求めるステップ。
第2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるステップ。
[2] 前記第2ステップにおいて、下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記第2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを特徴とする[1]に記載の金属板の成形方法。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記応力(F1)または前記応力(F1)の1.5倍以下の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記第2−2のステップで作成した有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
[3] 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素に弾性変形するのに必要な応力(F3)を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残部には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の金属板の成形方法。
[4] 前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを特徴とする[1]乃至[3]の何れか一項に記載の金属板の成形方法。
[5] 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間においてトポロジー的に対応する各有限要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値もしくは上限の閾値と下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限と下限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする[1]乃至[3]の何れか一項に記載の金属板の成形方法。
[6] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する金属板の成形方法であって、
前記複数の中間形状を得る工程および前記成形形状を得る工程のうち、全部もしくは一部の工程において、当該工程での成形形状を、[1]〜[5]の何れか一項に記載の成形方法における前記成形形状とすることによって得られる中間形状を、当該工程の前工程で成形する中間形状とする、金属板の成形方法。
[7] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合の前記中間形状の設計方法であって、
下記第1ステップと下記第2ステップとを順次行うことにより求められた有限要素法解析における成形形状の金属板の要素データ(B)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)の形状を前記中間形状とする、中間形状の設計方法。
第1ステップ:有限要素法による成形解析により、仮の金属板の要素データ(A)をもとに、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求めるステップ。
第2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるステップ。
[8] 前記第2ステップにおいて、下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記第2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを特徴とする、[7]に記載の中間形状の設計方法。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応
する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記応力(F1)または前記応力(F1)の1.5倍以下の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記第2−2のステップで作成した有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
[9] 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素に弾性変形するのに必要な応力(F3)を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残部には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
前記有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを特徴とする[7]または[8]に記載の中間形状の設計方法。
[10] 前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを特徴とする[7]乃至[9]の何れか一項に記載の中間形状の設計方法。
[11] 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間においてトポロジー的に対応する各有限要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値もしくは上限の閾値と下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限と下限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップおよび前記第2ステップまたは前記第2ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする[7]乃至[9]の何れか一項に記載の中間形状の設計方法。
[12] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する場合の前記中間形状の設計方法において、
前記複数の中間形状を得る工程および前記成形形状を得る工程のうち、全部もしくは一部の工程において、当該工程での成形形状を、[1]〜[5]の何れか一項に記載の成形方法における前記成形形状とすることによって得られる中間形状を、当該工程の前工程で成形する中間形状とする、中間形状の設計方法。
[13] [1]〜[6]の何れか一項に記載の金属板の成形方法において得られた中間形状を、ダイフェース面の形状として含むことを特徴とする金属板の成形用金型。
[14] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合に前記中間形状を設計するためのコンピュータプログラムであって、
有限要素法解析における、仮の金属板の要素データ(A)と仮の金属板の要素データ(A)とトポロジー的に同相な成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
下記第2−1ステップと下記第2−2ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めるための有限要素法による弾性変形解析を行うための有限要素モデル(I)を作成することを含むコンピュータプログラム。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応
する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記応力(F1)または前記応力(F1)の1.5倍以下の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
[15] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する場合に前記中間形状を設計するためのコンピュータプログラムであって、
有限要素法解析における、仮の金属板の要素データ(A)と仮の金属板の要素データ(A)とトポロジー的に同相な成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
下記第2−1ステップ、下記第2−2ステップ及び下記2−3ステップを順次行うことにより、
前記仮の金属板の要素データ(A)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)のトポロジー的に対応する各要素間の形状の差が小さくなるように前記仮の金属板の要素データ(A)を修正して成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求めることを含むコンピュータプログラム。
第2−1ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応
する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求めるステップ。
第2−2ステップ:前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記応力(F1)または前記応力(F1)の1.5倍以下の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成するステップ。
第2−3ステップ:前記有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とするステップ。
[16] 有限要素法解析における、成形前の仮想金属板の要素データ(D)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)とトポロジー的に同相な成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素に弾性変形するのに必要な応力(F3)を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)を与えるとともに前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残部には前記弾性変形するのに必要な応力(F3)より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成することを含むコンピュータプログラム。
[17] 有限要素法解析における、成形前の仮想金属板の要素データ(D)と成形前の仮想金属板の要素データ(D)とトポロジー的に同相な成形形状の金属板の要素データ(B)をもとに、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素に弾性変形するのに必要な応力を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記変形するのに必要な応力を与えるとともに前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残部には前記変形するのに必要な応力より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
作成した有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみを与え、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残りの要素には、各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に変形するのに必要なひずみより絶対値の小さなひずみを与えるかまたはひずみを与えずに、
変形させた場合の変形後の仮想金属板の要素データ(G)を求める、
ことを含むコンピュータプログラム。
[18] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる中間形状に成形し、次いで、前記中間形状から前記成形形状に成形する際の前記中間形状を求めるコンピュータプログラムであって、
コンピュータシステムに、
有限要素法による成形解析により、仮の金属板を成形形状に成形する際の前記仮の金属板の要素データ(A)、前記成形形状の金属板の要素データ(B)を求める第1ステップと、
前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素をトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素の形状に弾性変形させるために必要な、前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に印加する応力(F1)を前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素毎に求める第2−1ステップと、
前記仮の金属板の要素データ(A)の各要素に対応する前記応力(F1)または前記応力(F1)の1.5倍以下の応力(F2)を与えるとともに、各有限要素の節点の面外方向への変位を拘束する条件を与えた有限要素モデル(I)を作成する第2−2ステップと
前記第2−2のステップで作成した有限要素モデル(I)をもとに有限要素法による弾性変形解析を行い、弾性変形後の要素データ(H)を求め、前記仮の金属板の要素データ(A)の各有限要素の形状を、弾性変形後の有限要素データ(H)の各有限要素の形状となるように修正し、修正した有限要素データを成形前の仮想金属板の要素データ(D)とする第2−3ステップと、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の各要素がトポロジー的に対応する前記成形形状の金属板の要素データ(B)の各要素に弾性変形するのに必要な応力を各要素毎に求め、
前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の一部の要素には前記変形するのに必要な応力を与えるとともに前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)の残部には前記変形するのに必要な応力より絶対値の小さな応力を与えるかまたは応力を与えない有限要素モデル(J)を作成し、
作成した有限要素モデル(J)をもとに、有限要素法による弾性変形解析を行うことにより、前記中間形状とする第3ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
[19] 前記第2-3ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップ〜前記第2−3ステップまたは前記第2−1ステップ〜前記第2−3ステップを順次行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことをコンピュータシステムに実行させることを特徴とする[18]に記載のコンピュータプログラム。
[20] 前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)と前記成形形状の金属板の要素データ(B)との間においてトポロジー的に対応する各有限要素の成形前後での状態変化量(ΔX)の上限の閾値もしくは上限の閾値と下限の閾値を設定し、
前記状態変化量(ΔX)の上限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値が閾値以下の要素データになるまで、
前記状態変化量(ΔX)の上限と下限の閾値のみを設定した場合は、状態変化量(ΔX)の最大値および最小値が上限の閾値以下でかつ下限の閾値以上の要素データになるまで、
前記第2−3ステップにおいて得られた前記成形前の仮想金属板の要素データ(D)を前記第1ステップにおける前記仮の金属板の要素データ(A)と置換してから、前記第1ステップ〜前記第2−3ステップもしくは前記第2−1ステップ〜前記第2−3ステップを行って成形前の仮想金属板の要素データ(D)を求め直すことを繰り返すことを特徴とする[18]または[19]に記載のコンピュータプログラム。
[21] 金属板をプレス成形して成形形状に成形する際に、前記金属板を成形形状とは異なる複数の中間形状に順次成形し、最後の中間形状から前記成形形状に成形する際の前記中間形状を求めるコンピュータプログラムであって、
[18]乃至[20]の何れか一項に記載のコンピュータプログラムにおける前記成形形状を、各中間形状を成形することによって得られる次の中間形状に置き換えて、前記第1ステップから前記第3ステップを順次行う[18]乃至[20]の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。