【実施例】
【0014】
図1〜
図3に示す如く、横形製袋充填機では、原反ロールから引き出した帯状フィルム16が、製袋手段18に向けて供給され、該製袋手段18に成形口18aから引き込まれる帯状フィルム16は、その長手方向両端縁部が重合するよう案内されて筒状に成形される。横形製袋充填機は、サーボモータ等の第1の駆動モータ10により回転駆動される一対の送りローラ12で、得られた筒状フィルム16aの重合部を挟持して下流に向けて筒状フィルム16aを搬送するフィルム搬送手段14を備える。また、物品供給手段によって、筒状フィルム16a内へ所定間隔毎に物品20が供給される。筒状フィルム16aの重合部は、送りローラ12の下流へ離間して設けた一対の加熱ローラを備えた縦シール手段22で連続的に縦シールが施される。縦シールがなされた筒状フィルム16aは、その下流に案内された所定位置において、筒状フィルム16a内に供給された各物品20,20の間において横シール手段の上下シール体で挟んで筒状フィルム16aの搬送方向と交差する方向に横シールおよび切断を施すことで、ピロー包装品が連続的に製造される。
【0015】
実施例の横形製袋充填機は、帯状フィルム16の搬送経路上において、該帯状フィルム16を製袋手段18で角筒状に成形し得るように、帯状フィルム16の搬送方向に沿って平行な4本の連続する折り線を付与する公知の折り癖形成手段および添付物供給装置が配置され、前記製袋手段18により角筒状に成形された際に内面側となる帯状フィルム16の面(貼付面)に対して、添付物供給装置によって一包装分のフィルム長さに対応して脱酸素剤のシート小片や小袋からなる添付物24が、公知の貼付手段によって両面テープや接着剤などの接触部材で部分的に接着される。実施例では、添付物24を、製袋手段18で筒状成形された筒状フィルム16aの下面(ピロー包装品の底面に相当する位置)に位置するように、帯状フィルム16の幅方向の対応位置に添付物24が、一包装分のフィルム長さ毎に貼り付けられる(
図1参照)。
【0016】
前記物品供給手段は、前記製袋手段18の成形口18aから引き込まれて角筒状に成形されるフィルム内に物品20を1個ずつ送り込む無端ベルト式の送りコンベヤ26を備える。この送りコンベヤ26は、
図2に示す如く、製袋手段18の底部に形成された略三角形状の空所に位置して、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bが送りコンベヤ26で供給される物品20の側方と上方に臨む。そして、送りコンベヤ26によって搬送される物品20は、成形口18aを通過して筒状フィルム16a内の所定位置に送り込まれる。また、物品供給手段は、送りコンベヤ26の上流に、物品20を所定間隔毎に載置して搬送する無端ベルト式の搬送コンベヤ28を備える。搬送コンベヤ28の上流には、前工程からランダムな間隔で送り込まれる物品20をアキューム可能なプールコンベヤが配設されており、該プールコンベヤから搬送コンベヤ28に物品20が受け渡されるよう構成される。搬送コンベヤ28の搬送速度は、プールコンベヤの搬送速度より高速に設定され、プールコンベヤから搬送コンベヤ28に受け渡された物品20を後続の物品20から所定間隔毎に分離して搬送するよう構成される。
【0017】
横形製袋充填機は、
図1に示す如く、前記フィルム搬送手段14を駆動する第1の駆動モータ10と、前記送りコンベヤ26を走行駆動する第2の駆動モータ30と、前記搬送コンベヤ28を走行駆動する第3の駆動モータ32と、その他の各種作動機構とを制御する制御部34が設けられ、入力手段によって予め設定された入力データに基づく動作パラメータに従って、前記各駆動モータ10,30,32、並びに各種作動機構が制御される。一包装分のフィルム長さに関する値と、単位時間当たりの包装数(包装能力)についての設定値とで定まる所定のフィルム搬送速度でフィルム16,16aが搬送され、前記製袋手段18によって成形される一包装分のフィルム位置との関係で、前記物品供給手段によって物品20を送り込む時期が適切となるように物品供給手段の各コンベヤ26,28の走行とフィルム搬送手段14によるフィルム搬送位置が制御される。それにより、一包装分のフィルムに対して、物品20が規定の送り込み位置(一包装分のフィルムの中央)を基準とする前後所定範囲内であって、横シール手段でフィルムを挟持する位置に干渉しない領域に送り込まれる。
【0018】
実施例では、前記搬送コンベヤ28は、第3の駆動モータ32によって、前記フィルム搬送速度と同じ速度で物品20を搬送するよう、制御部34により駆動制御される。また、搬送コンベヤ28では、前記送りコンベヤ26が連続走行したもとで該送りコンベヤ26の搬送速度をフィルム搬送速度と同じ速度とした場合に、前記フィルム搬送速度で搬送される一包装分のフィルムに対する物品20の規定の送り込み位置まで送り込むことができる時期より遅れた時期となるよう、各物品20が搬送コンベヤ28によって所定間隔毎に搬送される。すなわち、搬送コンベヤ28において、フィルム搬送手段14で搬送される筒状フィルム16aの一包装分のフィルムの送り位置に対して、物品20が上流側に位置ずれした関係で搬送され、送りコンベヤ26への物品20の受け渡し時にはその位置ずれ状態にて物品20が送り込まれる。なお、搬送コンベヤ28の物品搬送面の上方には、物品搬送方向と交差する一側方に物品ガイド36が設けられ、該物品ガイド36に沿って搬送される物品20が搬送ラインの中心に合致して案内されるように物品ガイド36が位置調節可能に構成されている。
【0019】
前記第2の駆動モータ30により駆動される前記送りコンベヤ26の搬送速度は、前記フィルム搬送速度と同じ定速の搬送速度からフィルム搬送速度より高速の搬送速度まで変速するように制御部34によって駆動制御される。送りコンベヤ26は、物品20が前記搬送コンベヤ28から受け渡される際には、搬送コンベヤ28と同じ速度により物品20を搬送するので、各コンベヤ26,28間には速度差が無く、受け渡し時の物品20の位置ずれや傾きなどの搬送不良を生じることなく安定的な搬送を行うことができる。送りコンベヤ26への物品20の受け渡しが完了した後に、送りコンベヤ26の搬送速度は、フィルム搬送速度より高速の搬送速度まで加速するように変速制御されることで、前記フィルム位置との関係で、遅れたタイミングで送りコンベヤ26へ至った物品20は、その遅れを取り戻して一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置に至るように送り込まれる。なお、送りコンベヤ26が加速される時期は、先にフィルム内に送り込まれて規定の送り込み位置に至った物品20が送りコンベヤ26から離れた後に設定される。
【0020】
また、前記製袋手段18における成形口18aのフィルム引き込み縁部18bから引き込まれて成形される帯状フィルム16において、筒状フィルム16aに対する内面の底面となる位置に貼り付いた添付物24は、送りコンベヤ26の送り時期が遅延されて、搬送されてくる対応する物品20より早くフィルム引き込み縁部18bを通過し、その後、遅れて物品20が成形口18aを通過するように搬送制御される。すなわち、帯状フィルム16に貼り付けた添付物24が成形口18aを通過する時期に対して、前記送りコンベヤ26によって搬送される物品20が、前記成形口18aを添付物24が通過する添付物通過位置まで至る時期を遅らせている。このようにして一包装分のフィルム長さ毎に帯状フィルム16に貼り付いた添付物24が、製袋手段18の成形口18aを通過した後の時期に、送りコンベヤ26で搬送される対応する物品20は、成形口18aからフィルム内へ送り込まれ、その後、物品20の搬送速度が加速されて、物品20は、一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置まで送り込まれる。
【0021】
前記搬送コンベヤ28には、該搬送コンベヤ28で搬送される物品20を検知する物品センサ38が配設され、該物品センサ38の検知信号が制御部34に入力される。そして制御部34は、物品センサ38からの検知信号を受けて、その物品20が搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26へ受け渡しが完了する時期に、フィルム搬送速度と同じ速度で連続走行していた送りコンベヤ26を、それより高速の搬送速度で走行するよう、第2の駆動モータ30を変速制御する。なお、搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26に物品20が受け渡される時期、及び、物品20の受け渡しが完了する時期とは、前記物品センサ38の位置から搬送コンベヤ28の下流端までの既知の長さと、搬送コンベヤ28の搬送速度とから求めることができる。
このようにして、送りコンベヤ26まで搬送された物品20は、前述した如く、製袋手段18の成形口18aを通過する時期は、帯状フィルム16に貼り付いた添付物24が前記成形口18aにおけるフィルム引き込み縁部18bを通過する時期より遅れ、送りコンベヤ26の加速によって筒状フィルム16a内の規定の送り込み位置まで至るように搬送される。なお、送りコンベヤ26で搬送される物品20は、該物品20が送り込まれる一包装分のフィルムに貼り付けた添付物24が成形口18aを通過する添付物通過位置に遅れて至ればよい。すなわち、フィルム搬送速度で搬送される添付物24が成形口18aを通過する時期に対して、前記送りコンベヤ26によって搬送される物品20が、成形口18aを通過する添付物24に引っ掛かることなく添付物通過位置を遅れて通過してフィルム内に送り込まれるようになっていればよい。
【0022】
実施例の物品供給手段では、帯状フィルム16に貼り付いている添付物24が製袋手段18の成形口18aを通過した後に、筒状成形されるフィルム内へ物品20を送り込むようにしたので、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bからフィルムが引き込み案内される際に、フィルムから角部が浮き上がった添付物24で物品20を引っ掛けて搬送を阻害したり、物品20を傷付けたりすることがない。すなわち、物品20が筒状成形されるフィルム内に送り込まれる際には、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bを通過する際に一旦角部が浮き上がり、通過後には添付物24がフィルム内面に沿うようになるので、添付物24で物品20を引っ掛けることなく良好な包装品を得ることができる。また、フィルム内への送り込み時期を遅らせた物品20は、フィルムが一包装分搬送されるまでの間に規定の送り込み位置まで至るように送られるので、横シール手段による横シール・切断に支障を来たすことはない。
【0023】
また、実施例の物品供給手段では、筒状フィルム16a内に物品20を送り込む送りコンベヤ26の搬送速度を変速して、フィルムへの送り込み時期および一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置へ物品20を送り込むよう構成しているので、添付物24と物品20の引っ掛かりが原因で、物品20が損傷したり、包装不良が生じたりするようなことはなく、安定的に、物品20をフィルムの規定の送り込み位置まで送り込むことができる。また、添付物24を、筒状フィルム16aの底面に対応する位置に貼り付けているので、フィルム引き込み縁部18bを通過した添付物24が筒状フィルム16aの内壁から内側に飛び出ることなく平たい姿勢で沿って貼り付いた状態にあるので、フィルムの性状に左右されることなく、筒状フィルム16a内において、添付物24が上方から、または側方から物品20の通路に向けて倒れ掛かることはなく、後から追いついて規定の送り込み位置まで搬送される物品20の通路が遮られることはないので、安定的にフィルムの規定の送り込み位置まで物品20を送り込むことができる。
【0024】
(変更例)
本発明は実施例等の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例等に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 送りコンベヤ26の搬送速度を、フィルム搬送速度より高速に設定された一定速で連続駆動したもとで、前記搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26への物品20の受け渡し時期を遅らせるよう搬送コンベヤ28を変速制御するなどによっても、実施例と同様の作用を達成できる。また、搬送コンベヤ28の搬送速度を、フィルム搬送速度より低速にして物品20を所定間隔毎に搬送するようにしたり、搬送コンベヤ28を間欠走行して、搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26へ受け渡す物品20の間隔を、フィルムの一包装分より長く設定するなどの各種の形態を採用することで、送りコンベヤ26によって搬送される物品20を、成形口18aの添付物通過位置を遅らせて通過させることができる。
(2) 帯状フィルム16の材質など、フィルムの性状に応じて添付物24の貼付け部位は、筒状フィルム16aの天面や側面となる部位であってもよい。