特許第6856250号(P6856250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6856250-横形製袋充填機における物品供給装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856250
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】横形製袋充填機における物品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/067 20120101AFI20210329BHJP
   B65B 15/04 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   B65B9/067
   B65B15/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-253384(P2017-253384)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-119456(P2019-119456A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2019年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】水谷 巌
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘人
(72)【発明者】
【氏名】高羽 硝示
(72)【発明者】
【氏名】辻井 将央
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩司
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−287824(JP,A)
【文献】 特開平8−175505(JP,A)
【文献】 特開平8−58705(JP,A)
【文献】 特開平4−44912(JP,A)
【文献】 特開平1−111606(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0020151(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00− 9/24,
47/00−47/10
B65B 59/00−65/08
B65B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給源から引き出した帯状フィルムを筒状に成形する製袋手段と、
該製袋手段の成形口のフィルム引き込み縁部から帯状フィルムを引き込んで得た筒状フィルムを、所定のフィルム搬送速度により搬送するフィルム搬送手段と、
前記帯状フィルムにおける前記製袋手段までのフィルム搬送過程において、一包装分のフィルムが搬送される毎に、前記製袋手段で成形される筒状フィルムの内面に相当する位置に、添付物を貼り付ける貼付手段と、
物品を、前記製袋手段の前記フィルム引き込み縁部を経て成形された筒状フィルム内に所定間隔毎に送り込む送りコンベヤおよび該送りコンベヤの上流に配設した搬送コンベヤからなる物品供給手段と、
前記搬送コンベヤから、前記送りコンベヤに向けて搬送される物品を検知する物品センサと、を備え、
前記フィルム搬送手段で筒状フィルムが搬送されて、前記一包装分の帯状フィルムが前記成形口から引き込まれて筒状フィルムに成形される際に、前記帯状フィルムに貼り付けた添付物が、成形された筒状フィルムの内側に至るように前記フィルム引き込み縁部を通過する時期に対して、前記物品センサで検知され前記送りコンベヤによって前記筒状フィルム内へ送り込む物品の前記フィルム引き込み縁部を通過する時期を、フィルム引き込み縁部を通過する添付物に物品が引っ掛かることなく該フィルム引き込み縁部を通過可能に遅らせて、前記添付物が貼り付いた一包装分の筒状フィルムに対する規定の送り込み位置より上流に位置する物品を、前記規定の送り込み位置まで送り込むよう、前記物品供給手段を駆動制御する
ことを特徴とする横形製袋充填機における物品供給装置。
【請求項2】
前記搬送コンベヤは、前記フィルム搬送速度と同じ速度または低速の搬送速度で駆動され、また、前記送りコンベヤの搬送速度は、前記物品を搬送コンベヤから受け渡す時には、該搬送コンベヤと同じ速度で駆動され、その後に前記フィルム搬送速度より高速となる速度へ変速制御され、
前記一包装分のフィルムに貼り付た添付物が前記フィルム引き込み縁部を通過した後に前記物品が前記フィルム引き込み縁部を通過するよう物品を前記送りコンベヤ送すると共に、送りコンベヤを加速して、前記フィルム引き込み縁部を経て成形された筒状フィルム内へ搬送される物品を、筒状フィルムにおける一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置まで送り込むよう、前記物品供給手段を駆動制御することを特徴とする請求項1記載の横形製袋充填機における物品供給装置。
【請求項3】
前記送りコンベヤは、前記フィルム搬送速度より高速となる搬送速度で連続駆動され、
前記フィルムに貼り付けた添付物が前記フィルム引き込み縁部を通過した後に、前記物品が前記フィルム引き込み縁部を通過して前記一包装分の筒状フィルム内の規定の送り込み位置まで送り込まれるように前記搬送コンベヤから前記送りコンベヤへ物品受け渡しを行うべく、前記物品供給手段を駆動制御することを特徴とする請求項1記載の横形製袋充填機における物品供給装置。
【請求項4】
前記貼付手段は、前記フィルム引き込み縁部までに至るまでの前記帯状フィルムのフィルム搬送過程で、前記一包装分の筒状フィルムの内面における側面または底面に相当する位置に、添付物を貼り付けるよう構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の横形製袋充填機における物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横形製袋充填機において筒状成形されるフィルムに向けて物品を供給する物品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横形製袋充填機において、供給源から引き出された帯状フィルムを筒状に成形し、該筒状フィルムに物品を供給する物品供給装置として、特許文献1に開示のものが知られている。この物品供給装置は、物品を所定間隔毎に搬送する供給コンベヤの下流側に、筒状フィルムの搬送速度と同じ速度で連続走行する送りコンベヤが配置され、搬送コンベヤから物品を受け取った送りコンベヤによって、帯状フィルムを筒状フィルムとして成形する製袋手段に向けて一包装分のフィルムに対応する所定位置に物品を送り込むよう構成されている。
【0003】
包装される物品が食品の場合において、食品の変質を防ぐために、シート状の小片や小袋などからなる脱酸素剤などの添付物を、物品と共に袋内に収めて包装するようにしている。このような場合において、横形製袋充填機では、供給源から製袋手段までに至る帯状フィルムの搬送経路において、帯状フィルムの袋の内面側に相当するフィルム面に、添付物を所定間隔毎に貼り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4703588号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来技術の如く、製袋手段へ向けた帯状フィルムの搬送過程で添付物を貼り付けるものにおいては、添付物はフィルムへ部分接着される。そして、添付物が貼り付いたフィルムが製袋手段における成形口のフィルム引き込み縁部を通過する際には、添付物の周縁部がフィルムから持ち上がってしまう。そのため、供給手段によって送り込まれた物品が製袋手段のフィルム引き込み縁部を通過する際に、その添付物が下方を通過する物品に接触し、添付物の角部により物品を引っ掻いて損傷させたり、あるいは、物品の搬送が阻害されたりするなどの問題が生ずる。特に、物品が最中やまんじゅうなどの食品であって、軟弱、脆いなどの性状のものにおいては、それにより物品の商品価値を損ねてしまう。
【0006】
そこで本発明は、フィルムに貼り付けた添付物と物品とが接触することなく、物品を筒状フィルム内の所定位置に送り込むことができる横形製袋充填機における物品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明の横形製袋充填機における物品供給装置は、
供給源から引き出した帯状フィルム(16)を筒状に成形する製袋手段(18)と、
該製袋手段(18)の成形口(18a)のフィルム引き込み縁部(18b)から帯状フィルム(16)を引き込んで得た筒状フィルム(16a)を、所定のフィルム搬送速度により搬送するフィルム搬送手段(14)と、
前記帯状フィルム(16)における前記製袋手段(18)までのフィルム搬送過程において、一包装分のフィルムが搬送される毎に、前記製袋手段(18)で成形される筒状フィルム(16a)の内面に相当する位置に、添付物(24)を貼り付ける貼付手段と、
物品(20)を、前記製袋手段(18)の前記フィルム引き込み縁部(16b)を経て成形された筒状フィルム(16a)内に所定間隔毎に送り込む送りコンベヤ(26)および該送りコンベヤ(26)の上流に配設した搬送コンベヤ(28)からなる物品供給手段と、
前記搬送コンベヤ(28)から、前記送りコンベヤ(26)に向けて搬送される物品(20)を検知する物品センサ(38)と、を備え、
前記フィルム搬送手段(14)で筒状フィルム(16a)が搬送されて、前記一包装分の帯状フィルム(16)が前記成形口(18a)から引き込まれて筒状フィルム(16a)に成形される際に、前記帯状フィルム(16)に貼り付けた添付物(24)が、成形された筒状フィルム(16a)の内側に至るように前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過する時期に対して、前記物品センサ(38)で検知され前記送りコンベヤ(26)によって前記筒状フィルム(16a)内へ送り込む物品(20)の前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過する時期を、フィルム引き込み縁部(18b)を通過する添付物(24)に物品(20)が引っ掛かることなく該フィルム引き込み縁部を通過可能に遅らせて、前記添付物(24)が貼り付いた一包装分の筒状フィルム(16a)に対する規定の送り込み位置より上流に位置する物品(20)を、前記規定の送り込み位置まで送り込むよう、前記物品供給手段を駆動制御することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、帯状フィルムに貼り付けた脱酸素剤などの添付物が製袋手段の成形口のフィルム引き込み縁部を通過する時期に対して、送りコンベヤによって搬送される物品が、成形口のフィルム引き込み縁部を通過する時期を遅らせるように筒状成形されるフィルム内へ物品を送り込むようにするので、物品は、帯状フィルムが筒状成形される際にフィルムから浮き上がった添付物がフィルムに沿う状態となってからフィルム内にり込まれる。従って、添付物に物品が引っ掛かって包装不良を起こしたり、物品が傷ついて商品価値を損ねてしまうのを防ぐことができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記搬送コンベヤ(28)は、前記フィルム搬送速度と同じ速度または低速の搬送速度で駆動され、また、前記送りコンベヤ(26)の搬送速度は、前記物品(20)を搬送コンベヤ(26)から受け渡す時には、該搬送コンベヤ(28)と同じ速度で駆動され、その後に前記フィルム搬送速度より高速となる速度へ変速制御され、
前記一包装分のフィルムに貼り付た添付物(24)が前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過した後に前記物品(20)が前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過するよう物品(20)を前記送りコンベヤ(26)送すると共に、送りコンベヤ(26)を加速して、前記フィルム引き込み縁部(18b)を経て成形された筒状フィルム(16a)内へ搬送される物品(20)を、筒状フィルム(16a)における一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置まで送り込むよう、前記物品供給手段を駆動制御することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、筒状成形されるフィルム内に物品を直接送り込む送りコンベヤの搬送速度を変速して、フィルム内への物品の送り込み時期を変えるよう構成したので、添付物による物品の包装不良や傷付きを防止しつつ、物品送り時の慣性を抑えて一包装分のフィルムの規定の送り込み位置に良好に物品を送り込むことができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記送りコンベヤ(26)は、前記フィルム搬送速度より高速となる搬送速度で連続駆動され、
前記フィルムに貼り付けた添付物(24)が前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過した後に、前記物品(20)が前記フィルム引き込み縁部(18b)を通過して前記一包装分の筒状フィルム(16a)内の規定の送り込み位置まで送り込まれるように前記搬送コンベヤ(28)から前記送りコンベヤ(26)へ物品(20)受け渡しを行うべく、前記物品供給手段を駆動制御することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、搬送コンベヤから送りコンベヤへの物品の受け渡し時期を変えることで、一定の高速で搬送される物品のフィルム内への送り込み時期を変えるよう構成したので、送りコンベヤを変速制御する必要がなく、変速に伴う物品の位置ずれが生じ難く、安定した搬送をなし得ると共に、制御を簡単にすることができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記貼付手段は、前記フィルム引き込み縁部(18b)までに至るまでの前記帯状フィルム(16)のフィルム搬送過程で、前記一包装分の筒状フィルム(16a)の内面における側面または底面に相当する位置に、添付物(24)を貼り付けるよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、筒状成形されるフィルムの天面側から垂れ下がった添付物に物品が引っ掛かって物品が損傷したり、あるいは搬送が阻害されることはない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筒状フィルム内に物品を送り込む際に、フィルムに貼り付けた脱酸素剤などの添付物に物品が引っ掛かって包装不良を起こしたり、物品が傷ついて商品価値を損なってしまうのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】横形製袋充填機の要部を示す概略側面図である。
図2】横形製袋充填機の要部を示す概略平面図である。
図3】横形製袋充填機の要部を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る横形製袋充填機における物品供給装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0014】
図1図3に示す如く、横形製袋充填機では、原反ロールから引き出した帯状フィルム16が、製袋手段18に向けて供給され、該製袋手段18に成形口18aから引き込まれる帯状フィルム16は、その長手方向両端縁部が重合するよう案内されて筒状に成形される。横形製袋充填機は、サーボモータ等の第1の駆動モータ10により回転駆動される一対の送りローラ12で、得られた筒状フィルム16aの重合部を挟持して下流に向けて筒状フィルム16aを搬送するフィルム搬送手段14を備える。また、物品供給手段によって、筒状フィルム16a内へ所定間隔毎に物品20が供給される。筒状フィルム16aの重合部は、送りローラ12の下流へ離間して設けた一対の加熱ローラを備えた縦シール手段22で連続的に縦シールが施される。縦シールがなされた筒状フィルム16aは、その下流に案内された所定位置において、筒状フィルム16a内に供給された各物品20,20の間において横シール手段の上下シール体で挟んで筒状フィルム16aの搬送方向と交差する方向に横シールおよび切断を施すことで、ピロー包装品が連続的に製造される。
【0015】
実施例の横形製袋充填機は、帯状フィルム16の搬送経路上において、該帯状フィルム16を製袋手段18で角筒状に成形し得るように、帯状フィルム16の搬送方向に沿って平行な4本の連続する折り線を付与する公知の折り癖形成手段および添付物供給装置が配置され、前記製袋手段18により角筒状に成形された際に内面側となる帯状フィルム16の面(貼付面)に対して、添付物供給装置によって一包装分のフィルム長さに対応して脱酸素剤のシート小片や小袋からなる添付物24が、公知の貼付手段によって両面テープや接着剤などの接触部材で部分的に接着される。実施例では、添付物24を、製袋手段18で筒状成形された筒状フィルム16aの下面(ピロー包装品の底面に相当する位置)に位置するように、帯状フィルム16の幅方向の対応位置に添付物24が、一包装分のフィルム長さ毎に貼り付けられる(図1参照)。
【0016】
前記物品供給手段は、前記製袋手段18の成形口18aから引き込まれて角筒状に成形されるフィルム内に物品20を1個ずつ送り込む無端ベルト式の送りコンベヤ26を備える。この送りコンベヤ26は、図2に示す如く、製袋手段18の底部に形成された略三角形状の空所に位置して、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bが送りコンベヤ26で供給される物品20の側方と上方に臨む。そして、送りコンベヤ26によって搬送される物品20は、成形口18aを通過して筒状フィルム16a内の所定位置に送り込まれる。また、物品供給手段は、送りコンベヤ26の上流に、物品20を所定間隔毎に載置して搬送する無端ベルト式の搬送コンベヤ28を備える。搬送コンベヤ28の上流には、前工程からランダムな間隔で送り込まれる物品20をアキューム可能なプールコンベヤが配設されており、該プールコンベヤから搬送コンベヤ28に物品20が受け渡されるよう構成される。搬送コンベヤ28の搬送速度は、プールコンベヤの搬送速度より高速に設定され、プールコンベヤから搬送コンベヤ28に受け渡された物品20を後続の物品20から所定間隔毎に分離して搬送するよう構成される。
【0017】
横形製袋充填機は、図1に示す如く、前記フィルム搬送手段14を駆動する第1の駆動モータ10と、前記送りコンベヤ26を走行駆動する第2の駆動モータ30と、前記搬送コンベヤ28を走行駆動する第3の駆動モータ32と、その他の各種作動機構とを制御する制御部34が設けられ、入力手段によって予め設定された入力データに基づく動作パラメータに従って、前記各駆動モータ10,30,32、並びに各種作動機構が制御される。一包装分のフィルム長さに関する値と、単位時間当たりの包装数(包装能力)についての設定値とで定まる所定のフィルム搬送速度でフィルム16,16aが搬送され、前記製袋手段18によって成形される一包装分のフィルム位置との関係で、前記物品供給手段によって物品20を送り込む時期が適切となるように物品供給手段の各コンベヤ26,28の走行とフィルム搬送手段14によるフィルム搬送位置が制御される。それにより、一包装分のフィルムに対して、物品20が規定の送り込み位置(一包装分のフィルムの中央)を基準とする前後所定範囲内であって、横シール手段でフィルムを挟持する位置に干渉しない領域に送り込まれる。
【0018】
実施例では、前記搬送コンベヤ28は、第3の駆動モータ32によって、前記フィルム搬送速度と同じ速度で物品20を搬送するよう、制御部34により駆動制御される。また、搬送コンベヤ28では、前記送りコンベヤ26が連続走行したもとで該送りコンベヤ26の搬送速度をフィルム搬送速度と同じ速度とした場合に、前記フィルム搬送速度で搬送される一包装分のフィルムに対する物品20の規定の送り込み位置まで送り込むことができる時期より遅れた時期となるよう、各物品20が搬送コンベヤ28によって所定間隔毎に搬送される。すなわち、搬送コンベヤ28において、フィルム搬送手段14で搬送される筒状フィルム16aの一包装分のフィルムの送り位置に対して、物品20が上流側に位置ずれした関係で搬送され、送りコンベヤ26への物品20の受け渡し時にはその位置ずれ状態にて物品20が送り込まれる。なお、搬送コンベヤ28の物品搬送面の上方には、物品搬送方向と交差する一側方に物品ガイド36が設けられ、該物品ガイド36に沿って搬送される物品20が搬送ラインの中心に合致して案内されるように物品ガイド36が位置調節可能に構成されている。
【0019】
前記第2の駆動モータ30により駆動される前記送りコンベヤ26の搬送速度は、前記フィルム搬送速度と同じ定速の搬送速度からフィルム搬送速度より高速の搬送速度まで変速するように制御部34によって駆動制御される。送りコンベヤ26は、物品20が前記搬送コンベヤ28から受け渡される際には、搬送コンベヤ28と同じ速度により物品20を搬送するので、各コンベヤ26,28間には速度差が無く、受け渡し時の物品20の位置ずれや傾きなどの搬送不良を生じることなく安定的な搬送を行うことができる。送りコンベヤ26への物品20の受け渡しが完了した後に、送りコンベヤ26の搬送速度は、フィルム搬送速度より高速の搬送速度まで加速するように変速制御されることで、前記フィルム位置との関係で、遅れたタイミングで送りコンベヤ26へ至った物品20は、その遅れを取り戻して一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置に至るように送り込まれる。なお、送りコンベヤ26が加速される時期は、先にフィルム内に送り込まれて規定の送り込み位置に至った物品20が送りコンベヤ26から離れた後に設定される。
【0020】
また、前記製袋手段18における成形口18aのフィルム引き込み縁部18bから引き込まれて成形される帯状フィルム16において、筒状フィルム16aに対する内面の底面となる位置に貼り付いた添付物24は、送りコンベヤ26の送り時期が遅延されて、搬送されてくる対応する物品20より早くフィルム引き込み縁部18bを通過し、その後、遅れて物品20が成形口18aを通過するように搬送制御される。すなわち、帯状フィルム16に貼り付けた添付物24が成形口18aを通過する時期に対して、前記送りコンベヤ26によって搬送される物品20が、前記成形口18aを添付物24が通過する添付物通過位置まで至る時期を遅らせている。このようにして一包装分のフィルム長さ毎に帯状フィルム16に貼り付いた添付物24が、製袋手段18の成形口18aを通過した後の時期に、送りコンベヤ26で搬送される対応する物品20は、成形口18aからフィルム内へ送り込まれ、その後、物品20の搬送速度が加速されて、物品20は、一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置まで送り込まれる。
【0021】
前記搬送コンベヤ28には、該搬送コンベヤ28で搬送される物品20を検知する物品センサ38が配設され、該物品センサ38の検知信号が制御部34に入力される。そして制御部34は、物品センサ38からの検知信号を受けて、その物品20が搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26へ受け渡しが完了する時期に、フィルム搬送速度と同じ速度で連続走行していた送りコンベヤ26を、それより高速の搬送速度で走行するよう、第2の駆動モータ30を変速制御する。なお、搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26に物品20が受け渡される時期、及び、物品20の受け渡しが完了する時期とは、前記物品センサ38の位置から搬送コンベヤ28の下流端までの既知の長さと、搬送コンベヤ28の搬送速度とから求めることができる。
このようにして、送りコンベヤ26まで搬送された物品20は、前述した如く、製袋手段18の成形口18aを通過する時期は、帯状フィルム16に貼り付いた添付物24が前記成形口18aにおけるフィルム引き込み縁部18bを通過する時期より遅れ、送りコンベヤ26の加速によって筒状フィルム16a内の規定の送り込み位置まで至るように搬送される。なお、送りコンベヤ26で搬送される物品20は、該物品20が送り込まれる一包装分のフィルムに貼り付けた添付物24が成形口18aを通過する添付物通過位置に遅れて至ればよい。すなわち、フィルム搬送速度で搬送される添付物24が成形口18aを通過する時期に対して、前記送りコンベヤ26によって搬送される物品20が、成形口18aを通過する添付物24に引っ掛かることなく添付物通過位置を遅れて通過してフィルム内に送り込まれるようになっていればよい。
【0022】
実施例の物品供給手段では、帯状フィルム16に貼り付いている添付物24が製袋手段18の成形口18aを通過した後に、筒状成形されるフィルム内へ物品20を送り込むようにしたので、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bからフィルムが引き込み案内される際に、フィルムから角部が浮き上がった添付物24で物品20を引っ掛けて搬送を阻害したり、物品20を傷付けたりすることがない。すなわち、物品20が筒状成形されるフィルム内に送り込まれる際には、成形口18aのフィルム引き込み縁部18bを通過する際に一旦角部が浮き上がり、通過後には添付物24がフィルム内面に沿うようになるので、添付物24で物品20を引っ掛けることなく良好な包装品を得ることができる。また、フィルム内への送り込み時期を遅らせた物品20は、フィルムが一包装分搬送されるまでの間に規定の送り込み位置まで至るように送られるので、横シール手段による横シール・切断に支障を来たすことはない。
【0023】
また、実施例の物品供給手段では、筒状フィルム16a内に物品20を送り込む送りコンベヤ26の搬送速度を変速して、フィルムへの送り込み時期および一包装分のフィルムに対する規定の送り込み位置へ物品20を送り込むよう構成しているので、添付物24と物品20の引っ掛かりが原因で、物品20が損傷したり、包装不良が生じたりするようなことはなく、安定的に、物品20をフィルムの規定の送り込み位置まで送り込むことができる。また、添付物24を、筒状フィルム16aの底面に対応する位置に貼り付けているので、フィルム引き込み縁部18bを通過した添付物24が筒状フィルム16aの内壁から内側に飛び出ることなく平たい姿勢で沿って貼り付いた状態にあるので、フィルムの性状に左右されることなく、筒状フィルム16a内において、添付物24が上方から、または側方から物品20の通路に向けて倒れ掛かることはなく、後から追いついて規定の送り込み位置まで搬送される物品20の通路が遮られることはないので、安定的にフィルムの規定の送り込み位置まで物品20を送り込むことができる。
【0024】
(変更例)
本発明は実施例等の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例等に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 送りコンベヤ26の搬送速度を、フィルム搬送速度より高速に設定された一定速で連続駆動したもとで、前記搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26への物品20の受け渡し時期を遅らせるよう搬送コンベヤ28を変速制御するなどによっても、実施例と同様の作用を達成できる。また、搬送コンベヤ28の搬送速度を、フィルム搬送速度より低速にして物品20を所定間隔毎に搬送するようにしたり、搬送コンベヤ28を間欠走行して、搬送コンベヤ28から送りコンベヤ26へ受け渡す物品20の間隔を、フィルムの一包装分より長く設定するなどの各種の形態を採用することで、送りコンベヤ26によって搬送される物品20を、成形口18aの添付物通過位置を遅らせて通過させることができる。
(2) 帯状フィルム16の材質など、フィルムの性状に応じて添付物24の貼付け部位は、筒状フィルム16aの天面や側面となる部位であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
14 フィルム搬送手段,16 帯状フィルム,16a 筒状フィルム
18 製袋手段,18a 成形口,18b フィルム引き込み縁部
24 添付物,26 送りコンベヤ,28 搬送コンベヤ,38 物品センサ
図1
図2
図3