(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のメッセージ表示装置、監視システム、メッセージ表示方法及びプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の監視制御システムの構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。同図に示すように監視制御システムは、プラント機器1と、コントローラ2と、監視制御サーバ3と、監視端末4とを備える。
図1に示す監視制御システムは監視システムの一例であり、監視端末4はメッセージ表示装置の一例である。同図においては、コントローラ2と監視端末4をそれぞれ1台のみ示しているが、それぞれ複数台が監視制御サーバ3に接続され得る。監視制御サーバ3と、コントローラ2及び監視端末4とは、例えば、IP(Internet Protocol)を用いた通信ネットワークにより接続される。
【0009】
プラント機器1は、監視制御対象のプラントを構成する機器である。プラント機器1は、例えば、ポンプ、ブロア、各種センサ(温度計、水位計、電力計、電圧計など)であるが、これらに限定されない。プラント機器1は、プロセス値を表す信号をコントローラ2へ送信する。プロセス値は、監視対象のプラント機器1(監視対象機器)の状況を表す値である。例えば、プロセス値は、温度、水位、流入水量、流出水量、特定の物質の濃度、電力、電圧などの計測値や、プラント機器1の稼働状態(on/off状態、回転数、送風量など)等を表す値であるが、これらに限定されない。
【0010】
コントローラ2は、監視制御サーバ3から受信した制御指示信号に従ってプラント機器1を制御する。また、コントローラ2は、プラント機器1から受信したプロセス値と、プロセス値の種類とを設定したプロセス値通知信号を、監視制御サーバ3に送信する。コントローラ2は、各プラント機器1との間で電気信号を送受信するため、それぞれ異なる信号線により接続される。従って、いずれの種類のプロセス値であるかは、そのプロセス値を示す信号を受信した信号線や物理ポートにより識別することができる。また、プロセス値を電気信号以外の信号により送受信する場合、コントローラ2は、プロセス値を示す信号に付加されている他の情報(例えば、IP信号のアドレスの情報やペイロードに設定されている種別の情報)を用いてプロセス値の種類を識別してもよい。
【0011】
監視制御サーバ3は、1台以上のコンピュータサーバにより実現される。監視制御サーバ3は、記憶部31と、プロセス値受信部32と、制御指示部33と、メッセージ生成部34と、データ送信部35とを備える。
【0012】
記憶部31は、プロセス値情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を記憶する。プロセス値情報は、現在のプロセス値を種類毎に示す。メッセージ履歴情報は、メッセージの発生時刻と、メッセージ種別と、メッセージの対象機器と、メッセージとを対応づけた情報である。設備情報は、各区分に属するプラント機器1を示す情報である。区分は、任意に設定することができる。例えば、区分は、発電用のプラント、水処理用のプラント、…などとしてもよく、A機場のプラント、B機場のプラント、…などとしてもよい。
【0013】
プロセス値受信部32は、コントローラ2からプロセス値通知信号を受信する受信部として動作する。プロセス値受信部32は、受信したプロセス値通知信号が示すプロセス値を、そのプロセス値の種類に応じて工学値に変換する。プロセス値受信部32は、プロセス値の種類と、工学値に変換されたプロセス値とを対応付けて記憶部31に記憶されるプロセス値情報に書き込む。
【0014】
制御指示部33は、監視端末4からプラント機器1に対する制御指示を受信する受信部として動作する。制御指示部33は、監視端末4から受信した制御指示に従ってプラント機器1を制御するよう指示する制御指示信号を、制御対象のプラント機器1を制御するコントローラ2に送信する。
【0015】
メッセージ生成部34は、プラント機器1の状況を表すデータに基づいて、そのプラント機器1の状況を示すメッセージを生成する。プラント機器1の状況を表すデータは、プロセス値受信部32が記憶部31に記憶されるプロセス値情報に書き込んだプロセス値及びそのプロセス値の種類や、プラント機器1に対する制御指示である。メッセージ生成部34は、生成したメッセージと、メッセージの発生時刻と、メッセージ種別と、対象機器とを対応付けて記憶部31に記憶されるメッセージ履歴情報に書き込む。メッセージ生成部34は、プロセス値の種類及びプロセス値に基づいて、あるいは、制御指示が示す制御対象のプラント機器1及び制御内容に基づいて、メッセージを生成するか否かを判断する。メッセージを生成する場合、メッセージ生成部34は、メッセージの内容やメッセージ種別、対象機器を、プロセス値の種類及びプロセス値に基づいて、あるいは、制御指示が示す制御対象のプラント機器1及び制御内容に基づいて、所定のルールに従って判断する。
データ送信部35は、記憶部31に記憶されているプロセス値情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を、監視端末4に出力する。
【0016】
監視端末4は、HMI(ヒューマンマシーンインタフェース)であり、例えば、ワークステーションなどのコンピュータ端末により実現される。なお、監視制御サーバ3と監視端末4とが同一のコンピュータ装置により実現されてもよい。監視端末4は、データ取得部41と、記憶部42と、表示制御部43と、画像表示部44と、操作入力部45と、制御指示送信部46とを備える。
データ取得部41は、監視制御サーバ3からプロセス情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を取得する。データ取得部41は、メッセージ履歴情報を取得することにより、監視対象のプラント機器1の状況を表すデータに基づいて生成された時系列のメッセージを取得するメッセージ取得部として動作する。記憶部42は、データ取得部41が監視制御サーバ3から取得したプロセス情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を記憶する。
【0017】
表示制御部43は、記憶部42に記憶されるプロセス情報及びメッセージ履歴情報に基づいてプラントの状態を表示する監視画面を生成し、画像表示部44に表示させる。表示制御部43は、表示更新部431と、バッファ432と、表示切替部433とを備える。
表示更新部431は、新たなメッセージ情報がメッセージ履歴情報に追加された場合、発生時刻が新しい順に選択した所定数のメッセージ情報に基づくメッセージを、発生時刻順に監視画面上の所定の表示領域に表示する。本実施形態では、この所定の表示領域を、2件分のメッセージを表示可能な最新メッセージ表示領域とする。
バッファ432は、表示更新部431が最新メッセージ表示領域に表示させたメッセージをバッファリング(記憶)する。バッファリングするメッセージの件数は、例えば、20件など、最新メッセージ表示領域に過去に遡って表示させることができる件数である。
表示切替部433は、操作入力部45により表示対象切替指示が入力された場合、最新メッセージ表示領域に表示中のメッセージよりも過去に表示されたメッセージをバッファ432から取得し、時系列に最新メッセージ表示領域に表示する。
【0018】
画像表示部44は、ディスプレイであり、画面を表示する。
操作入力部45は、ユーザ操作を入力するためのインタフェースであり、例えば、マウスやキーである。画像表示部44がタッチパネルの場合、操作入力部45は、タッチパネルに配されたタッチセンサである。以下では、操作入力部45がマウスである場合を例に説明する。
制御指示送信部46は、ユーザが操作入力部45によりプラント機器1に対する制御の指示を入力すると、その入力に基づく制御指示を監視制御サーバ3に送信する。
【0019】
図2は、メッセージ履歴情報の例を示す図である。同図に示すように、メッセージ履歴情報5は、メッセージの発生時刻と、イベント種別と、メッセージの内容とを対応付けたメッセージ情報からなる。同図にメッセージ履歴情報には、発生時刻が新しいメッセージ情報から順に、メッセージ情報5−1、5−2、5−3、…が登録されている。メッセージ種別は、通知、操作、アラームなどである。通知は、プラント機器1の動作等を通知するメッセージであり、操作は、ユーザ操作によりプラント機器1に指示した制御内容等を示すメッセージである。アラームは、さらに、重故障、軽故障、…などさらに詳細なメッセージ種別としてもよい。対象機器は、いずれのプラント機器1に関するメッセージであるかを示す。なお、メッセージの内容にプラント機器1を特定する情報が含まれる場合、その情報を対象機器の情報として用いてもよい。
【0020】
次に、監視端末4の表示制御部43が画像表示部44に表示させる監視画面を説明する。
図3は、メッセージを自動更新しているときの監視画面71を示す図である。監視画面71は、最新メッセージ表示領域72(メッセージ表示領域)と、個別監視画面表示領域73とを有する。個別監視画面表示領域73は、プラントの状態を表示するフロー画面や、プラントを構成する設備の時系列の状態を表示するトレンドグラフ画面などの個別監視画面74を表示させる領域である。表示制御部43は、個別監視画面74を、記憶部42に記憶されるプロセス情報やメッセージ履歴情報に基づいて表示させる。個別監視画面74の表示上限数は予め決められている。
【0021】
監視端末4の表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72に、現在から最新の2件分のメッセージを表示する。機器の稼働等により新たなメッセージが発生し、メッセージ履歴情報が更新されると、表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72にその時点における最新の2件のメッセージを表示する。このとき、表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72において、最新のメッセージが最も上の行に表示されるように、発生時刻順に並べてメッセージを表示する。このように、メッセージが更新された際には、最新メッセージ表示領域72の表示内容は自動で更新され、常に現在から最新の2件分のメッセージが表示される。表示更新部431は、メッセージの背景色やメッセージの文字色を、イベント種別に応じて決定する。
【0022】
表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72に新たにメッセージを表示するたびに、その表示したメッセージの情報をバッファ432に書き込む。バッファ432に書き込むメッセージの情報は、表示したメッセージに背景色やメッセージの文字色などのスタイルを付加した情報でもよく、表示したメッセージの画像データでもよく、メッセージ履歴情報から取得したメッセージ情報でもよい。
【0023】
ユーザは、常に表示されている最新の2件を超える件数のメッセージを確認したい場合、最新メッセージ表示領域72の選択操作を行う。具体的には、ユーザは、マウス(操作入力部45)を操作して、マウスポインタ75を最新メッセージ表示領域72の上に移動させてクリックする。この操作は、最新メッセージ表示領域72における表示対象を切り換えるための所定の指示に相当する。この指示を、表示対象切換指示と記載する。
【0024】
図4は、最新メッセージ表示領域が選択されたときの監視画面を示す図である。ユーザがマウスにより最新メッセージ表示領域72の選択操作を行うと、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72に最新のメッセージが表示されていない可能性があることを示す態様で表示を行う。例えば、同図では、最新メッセージ表示領域72を囲んでいる線の表示を、赤色の太線に変更して表示している。つまり、この太線は、最新メッセージ表示領域72に表示されているメッセージ内容が、最新の2件のメッセージを表示しているものではない可能性があることを示すマーキングの役割を持つ。赤色の太線の表示により、ユーザが、最新メッセージ表示領域72に最新ではない過去のメッセージが表示されている状態を、最新のメッセージが表示されている状態と誤解しないようにする。
図4では、最新メッセージ表示領域72に最新のメッセージが表示されていない可能性があることを示す態様として、最新メッセージ表示領域72を囲む線を変更する場合を例に示したが、他の態様であってもよい。例えば、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72以外の監視画面71の表示をグレーアウトするなど、最新メッセージ表示領域72以外の色や明るさを変更して表示してもよい。
【0025】
図5は、表示対象切替指示が入力されたときの監視画面を示す図である。
最新メッセージ表示領域72が選択されている、つまり、最新メッセージ表示領域72を囲む線が赤色の太線で表示されている状態で、ユーザがマウスのホイール6を操作する。表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72内の表示内容をスクロールさせる。スクロールした際に最新メッセージ表示領域72内に表示させる対象は、表示制御部43がバッファ432にバッファリングしていた過去所定件数分(例えば20件)のメッセージである。ユーザがホイール6を下に回転させた場合、表示切替部433は、バッファ432からそのホイール操作量分応じた過去のメッセージの情報を読み出して順次スクロール表示させる。
【0026】
例えば、最新メッセージ表示領域72にメッセージ情報5−1及び5−2に基づくメッセージが表示されているとする。ユーザがホイール6を下に回転させると、表示切替部433は、メッセージ情報5−2及び5−3に基づくメッセージ、メッセージ情報5−3及び5−4に基づくメッセージ、メッセージ情報5−4及び5−5に基づくメッセージ、…と切り替えて表示する。表示切替部433は、表示対象を切り変えた場合でも、最新メッセージ表示領域72に表示させている中で、新しい発生時刻のメッセージほど上の行に表示する。これにより、ユーザが履歴メッセージを表示するための専用の画面を別途表示することなく、バッファ432にバッファリングしている件数分の過去のメッセージを確認することが可能となる。
【0027】
なお、表示切替部433は、ユーザがホイール6を上に回転させた場合、そのホイール操作量分応じて過去のメッセージを現在に近い方向に順次スクロール表示させる。例えば、最新メッセージ表示領域72にメッセージ情報5−10及び5−11に基づくメッセージが表示されているとする。ユーザがホイール6を上に回転させると、表示切替部433は、メッセージ情報5−9及び5−10に基づくメッセージ、メッセージ情報5−8及び5−9に基づくメッセージ、メッセージ情報5−7及び5−8に基づくメッセージ、…と切り替えて表示する。
このように、表示切替部433は、過去方向への移動を示す表示対象切替指示が入力された場合、最新メッセージ表示領域72に、現在表示中のメッセージから発生時刻を過去方向に順に移動させてメッセージを時系列に表示する。また、現在方向への移動を示す表示対象切替指示が入力された場合、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72に、表示中のメッセージから発生時刻を現在方向に順に移動させてメッセージを時系列に表示する。なお、マウスのホイール6を回転する操作に代えて、キーボードの上矢印キーや下矢印キーを押下する操作などでもよい。
【0028】
そして、ユーザが最新メッセージ表示領域72の外をクリックすると、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72を囲む太線を消去する。表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72に、現在からの最新の2件のメッセージを表示する。
【0029】
次に、監視制御システムの動作について説明する。
監視制御サーバ3のプロセス値受信部32は、随時、コントローラ2からプロセス値通知信号を受信する。プロセス値受信部32は、受信したプロセス値通知信号が示すプロセス値を工学値に変換し、プロセス値の種類と対応付けて記憶部31に記憶されるプロセス値情報に書き込む。メッセージ生成部34は、プロセス値情報に書き込まれたプロセス値及びそのプロセス値の種類に基づいてメッセージを生成した場合、メッセージの内容、発生時刻、メッセージ種別、及び、対象機器を対応付けて記憶部31に記憶されるメッセージ履歴情報に書き込む。
【0030】
また、監視制御サーバ3の制御指示部33は、随時、監視端末4の制御指示送信部46からユーザ操作に基づく制御指示を受信し、受信した制御指示に従ってプラント機器1を制御するよう指示する制御指示信号をコントローラ2に送信する。メッセージ生成部34は、監視端末4から受信した制御指示に基づいてメッセージを生成した場合、メッセージの内容、発生時刻、メッセージ種別、及び、対象機器を対応付けて記憶部31に記憶されるメッセージ履歴情報に書き込む。
【0031】
監視制御サーバ3のデータ送信部35は、情報が更新される度に、周期的に、又は、監視端末4からの要求を受けて、記憶部31からプロセス値情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を読み出して監視端末4に出力する。監視端末4のデータ取得部41は、監視制御サーバ3から受信したプロセス値情報、メッセージ履歴情報、及び、設備情報を記憶部42に書き込む。なお、データ取得部41は、これらの情報を非同期に取得し得る。
【0032】
図6は、監視端末4による最新メッセージ表示領域の表示制御処理を示すフロー図である。
監視端末4の表示更新部431は、メッセージ履歴情報に登録されている最新の2件分のメッセージ情報に基づくメッセージを、最新メッセージ表示領域72に表示する(ステップS110)。例えば、新たなメッセージが発生し、記憶部42に記憶されるメッセージ履歴情報にメッセージ情報が追加された場合、表示更新部431は、更新されたメッセージ履歴情報からまだメッセージを表示させていない追加のメッセージ情報を読み出す。表示更新部431は、最新メッセージ表示領域72に現在表示させているメッセージのうち最も発生時刻が古いメッセージを消去し、残りの表示中のメッセージを下に1行ずらして表示する。表示更新部431は、読み出したメッセージ情報に基づくメッセージを最新メッセージ表示領域72の最も上の行に表示する。表示更新部431は、表示させた最新のメッセージの情報をバッファ432に書き込む。なお、バッファ432にバッファリングする上限数のメッセージの情報が既に記憶されている場合、表示更新部431は、最も古い発生時刻のメッセージの情報を消去してから最新のメッセージの情報を書き込む。
メッセージを表示させていない追加のメッセージ情報が複数ある場合、表示更新部431は、最も発生時刻が古い追加のメッセージ情報から順に、上記の処理を行う。
【0033】
最新メッセージ表示領域の選択操作がされない間(ステップS115:NO)、表示更新部431は、ステップS110の処理を繰り返す。ユーザがマウスを操作し、最新メッセージ表示領域72上にマウスポインタ75を移動させてクリックすると(ステップS115:YES)、表示切替部433は、表示対象切替指示の入力を行うための操作が行われたことを検出する。表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72を囲んでいる線の表示を、赤色の太線に変更して表示する(ステップS120)。
【0034】
ユーザがマウスのホイール6を操作すると(ステップS125:YES)、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72内の表示内容をスクロールさせる。表示切替部433は、ホイール6の操作量や操作方向に応じて過去に最新メッセージ表示領域72に表示させたメッセージをバッファ432から取得して順次スクロール表示させる(ステップS130)。
【0035】
スクロール操作が行われなかった場合(ステップS125:NO)、あるいは、スクロール操作に応じて過去のメッセージを表示させた後(ステップS130)、表示切替部433は、ステップS135の処理を行う。つまり、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72の選択終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS135)。選択終了操作が行われていないと判断した場合、表示切替部433は、ステップS125からの処理を繰り返す。ユーザが最新メッセージ表示領域72の外をクリックすると、表示切替部433は、選択終了操作が行われたと判断し(ステップS135:YES)、最新メッセージ表示領域72を囲む太線を消去する(ステップS140)。表示制御部43は、ステップS115において最新メッセージ表示領域の選択操作がされたときに表示していたメッセージを最新メッセージ表示領域72に表示させた後、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0036】
なお、監視端末4は、メッセージの表示領域を拡大し、メッセージの履歴を表示してもよい。
図7は、表示領域を拡大してメッセージを表示するときの表示画面を示す図である。
ユーザが監視画面71の最新メッセージ表示領域72上にマウスポインタ75を移動させてクリックすると、表示切替部433は、最新メッセージ表示領域72の下にドロップダウンリスト76を表示する。表示切替部433は、ドロップダウンリスト76内にバッファ432から読み出した過去のメッセージを発生時刻順に並べて時系列に表示する。ユーザがマウスのホイール6を操作すると、表示切替部433は、ドロップダウンリスト76内の表示内容をスクロールさせる。表示切替部433は、ホイール6の操作量や操作方向に応じて過去に最新メッセージ表示領域72に表示されたメッセージを順次スクロール表示させる。
【0037】
なお、ユーザが、操作入力部45により表示対象のメッセージ種別を入力してもよい。表示更新部431及び表示切替部433は、表示対象のメッセージ種別が設定されているメッセージ情報に基づくメッセージのみを、最新メッセージ表示領域72又はドロップダウンリスト76へ表示する。
また、ユーザが、操作入力部45により表示対象の区分を入力してもよい。表示更新部431及び表示切替部433は、表示対象の区分に属するプラント機器1が対象機器であるメッセージ情報に基づくメッセージのみを最新メッセージ表示領域72又はドロップダウンリスト76へ表示する。表示更新部431及び表示切替部433は、記憶部42に記憶されている設備情報を参照して、メッセージ情報に設定されている対象機器が表示対象の区分に属するか否かを判断する。
【0038】
上述の実施形態によれば、ユーザは、過去に発生したメッセージを、専用の画面を表示することなく、常時表示されているHMI画面上の最新メッセージ表示領域を利用して確認することができる。
【0039】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、表示切替部を持つことにより、最新メッセージ表示機能が占有する領域を拡張することなく、従来の件数を超えるメッセージの履歴を、専用の画面を表示することなく容易に確認可能とすることができる。また、メッセージの履歴を専用の画面により表示させないため、個別監視画面を上限数まで表示させることができる。
【0040】
上述した実施形態における監視制御サーバ3及び監視端末4の一部又は全ての機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、監視制御サーバ3及び監視端末4の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。