特許第6856352号(P6856352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856352
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/28 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   H02B1/28 G
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-215443(P2016-215443)
(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-74857(P2018-74857A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植木 俊之
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−117212(JP,U)
【文献】 実開平06−013309(JP,U)
【文献】 特開2014−096882(JP,A)
【文献】 実開昭54−051749(JP,U)
【文献】 特開昭56−071228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00− 1/38
H01H 33/28−33/59
H02B 1/46− 7/08
H02B 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の外側に設けられ、前記開口部を覆う蓋と、
少なくとも一部が前記蓋と前記筐体との間に設けられるとともに、前記筐体の外側から前記開口部を覆う状態に設けられ、前記筐体内で生じて前記開口部から流出したガスを導入して膨らむ袋状部材と、
を備え、
前記袋状部材のうち当該袋状部材が膨らんだ場合の頂部となる位置に、当該袋状部材を貫通する逃げ穴が設けられた、
スイッチギヤ。
【請求項2】
前記蓋は、前記開口部を開閉可能に覆い、前記ガスが導入されて膨らむ前記袋状部材によって閉位置から開位置へ動かされる、請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項3】
前記袋状部材は、伸縮性を有した、請求項1または2に記載のスイッチギヤ。
【請求項4】
前記袋状部材は、互いに重ねられた複数の袋体を有した、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
【請求項5】
複数の前記開口部と、
複数の前記開口部のそれぞれに対応して設けられた複数の前記蓋と、
複数の前記開口部のそれぞれに対応して設けられた複数の前記袋状部材と、
を備えた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
【請求項6】
前記逃げ穴は、前記袋状部材のスリットが設けられた部分が外側に拡開することにより出現する、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
【請求項7】
前記逃げ穴は、前記袋状部材に設けられた脆弱部が当該袋状部材の内圧の上昇に伴って破断することにより出現する、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口部が設けられた筐体と、筐体の外側で開口部を開閉可能に覆う蓋と、蓋と一体で閉位置から開位置へ移動し筐体内で生じたガスを冷却する放熱部材と、を備えたスイッチギヤが、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−223721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のスイッチギヤでは、例えば、より不都合が少なく改善された新規な構成が得られれば、好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のスイッチギヤは、例えば、筐体と、蓋と、袋状部材と、を備える。筐体には、開口部が設けられる。蓋は、筐体の外側に設けられ、開口部を覆う。袋状部材は、少なくとも一部が蓋と筐体との間に設けられるとともに、筐体の外側から開口部を覆う状態に設けられ、筐体内で生じて開口部から流出したガスを導入して膨らむ。前記袋状部材のうち当該袋状部材が膨らんだ場合の頂部となる位置に、当該袋状部材を貫通する逃げ穴が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態のスイッチギヤの蓋が閉位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、図1のII−II断面図である。
図3図3は、第1実施形態のスイッチギヤの蓋が開位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図4図4は、図3のIV−IV断面図である。
図5図5は、第2実施形態のスイッチギヤの蓋が閉位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図6図6は、第2実施形態のスイッチギヤの蓋が開位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
図7図7は、第3実施形態のスイッチギヤの蓋が閉位置にある状態での例示的かつ模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0008】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、筐体2の前後方向に沿い、Y方向は、筐体2の幅方向に沿い、Z方向は、筐体2の高さ方向に沿う。
【0009】
<第1実施形態>
図1,2に示されるように、スイッチギヤ1は、例えば、建物の電気室等に設置されており、筐体2と、蓋3と、ヒンジ部4と、袋状部材5と、取付部材6,7(図2参照)と、メッシュ部材11と、結合具12と、を備えている。スイッチギヤ1は、遮断器や保護継電器等が金属製の筐体2内に収容された、所謂金属閉鎖形スイッチギヤである。筐体2は、盤や、閉鎖箱等とも称されうる。なお、電気室には、Y方向に一列に並んだ状態で複数の筐体2が設けられうる。筐体2には、例えば、遮断器、計器用変成器等を有し主に電力を受電する受電盤や、遮断器、変流器、零相変流器等を介して負荷供給用のケーブルが引き出されるフィーダ盤、主母線を系統毎に遮断器によって切り分ける母線連絡盤等が含まれる。
【0010】
筐体2は、例えば、X方向に短い偏平な直方体状の箱型に構成されている。筐体2は、複数の壁部2a〜2fを有する。壁部2aおよび壁部2bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。壁部2aは、天壁部や上壁部等と称され、壁部2bは、底壁部や下壁部等と称されうる。
【0011】
また、壁部2cおよび壁部2eは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部2dおよび壁部2fは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。壁部2cは、前壁部等と称され、壁部2eは、後壁部等と称されうる。また、壁部2c〜2fは、側壁部や周壁部等とも称されうる。
【0012】
また、筐体2には、X方向に向けて開放され、図1に示される扉8によって開閉可能に覆われた作業用の開口部が設けられうる。扉8は、壁部2cの少なくとも一部を構成している。扉8は、筐体2に、扉8のY方向の反対方向の端部8a(Z方向)に沿って延びる回転軸を有したヒンジ部を介して、回転可能に支持されている。扉8は、回転軸回りに回転することで、開口部を閉じる閉位置(図1参照)と、開口部を開放する開位置との間で、移動可能である。
【0013】
また、扉8のY方向の端部8bには、操作部9が設けられている。操作部9は、X方向に沿って延びる回転軸回りに回転可能に設けられたレバー9aを有する。レバー9aは、例えば、閉位置(図1参照)ではZ方向に沿った下向きの状態となり、開位置ではY方向に沿った横向きの状態となる。レバー9aは、ハンドルや、ドアノブ、把持部等とも称されうる。
【0014】
また、図2に示されるように、壁部2aには、蓋3によって開閉可能に覆われた開口部2sが設けられている。開口部2sは、壁部2aをZ方向に貫通した貫通孔である。図3に示されるように、開口部2sは、Z方向の視線では、円形状に構成されている。開口部2sは、例えば、遮断器等のスイッチギヤ1の主回路を構成する機器が配置される室等と繋がっている。
【0015】
図1に示されるように、蓋3は、例えば、覆部3aと、接続部3bと、を有する。覆部3aは、開口部2sの縁部2s1(図2参照)に沿った円板状に構成されている。覆部3aは、開口部2sを開閉可能に覆っている。
【0016】
接続部3bは、覆部3aの基端部から覆部3aと交差する方向に延びている。図2に示されるように、接続部3bは、ヒンジ部4と接続されている。蓋3は、覆部3aおよび接続部3bによって、X方向と直交したL字状の断面を有している。
【0017】
また、蓋3は、筐体2に、X方向に沿って延びる回転軸を有したヒンジ部4を介して、回転可能に支持されている。ヒンジ部4は、蓋3の接続部3bと、壁部2aの外面2a1と、に固定されている。蓋3は、ヒンジ部4の回転軸回りに回転することで、開口部2sを閉じる閉位置P1(図1,2参照)と、開口部2sを開放する開位置P2(図3,4参照)との間で、移動可能である。覆部3aは、蓋3が閉位置P1にある状態では、壁部2aと平行であり、蓋3が開位置P2にある状態では、壁部2aと直交する。蓋3は、開閉板や、放圧板、弁部等とも称されうる。
【0018】
図2,4に示されるように、袋状部材5は、例えば、少なくとも一つの袋体51を有している。袋体51は、筐体2の内側に位置された第一の部分51aと、筐体2の外側に位置された第二の部分51bと、第一の部分51aおよび第二の部分51bと繋がり開口部2sの内側に位置された第三の部分51cと、を含む。第三の部分51cは、開口部2sの縁部2s1の全周に亘って設けられている。第一の部分51aは、開口縁部等と称され、第二の部分51bは、袋部や、展開部、膨張部等と称され、第三の部分51cは、スロート部や、接続部、挿入部等と称されうる。
【0019】
第一の部分51aは、第三の部分51cと接続されている。第一の部分51aは、第三の部分51cから筐体2の内側で壁部2aに沿って開口部2sとは反対側に延び、結合具12によって壁部2aと結合されている。第一の部分51aは、端部や、固定部等とも称されうる。
【0020】
第二の部分51bは、第三の部分51cと接続されている。第二の部分51bは、第三の部分51cから壁部2aの外面2a1に沿って開口部2sとは反対側に延びるとともに、開口部2sを筐体2の外側から覆っている。第二の部分51bは、蓋3が閉位置P1(図2参照)にある状態では、開口部2sの縁部2s1の全周に沿った軸回りに複数段に折り畳まれて、覆部3aと壁部2aとの間に配置されている。
【0021】
そして、本実施形態では、例えば、異常等によって筐体2内の圧力が閾値よりも高まった場合に、第二の部分51bが筐体2内で生じたガス10を導入して膨らむとともに、第二の部分51bが蓋3を押して閉位置P1(図2参照)から開位置P2(図4参照)へ移動させるよう、構成されている。すなわち、第二の部分51bの内側に筐体2内で生じた高温や高圧のガス10の少なくとも一部を閉じ込める構造となっている。これにより、ガス10が蓋3から筐体2外、すなわち筐体2が設置される電気室等の室内へ勢いよく出るのが抑制されている。第二の部分51bは、覆部や、ガス収容部等とも称されうる。
【0022】
また、図4に示されるように、第二の部分51bには、ガス10の逃げ穴51b1が設けられている。逃げ穴51b1は、例えば、第二の部分51bを貫通した貫通孔である。逃げ穴51b1は、蓋3とは外れた位置、すなわち蓋3によって覆われることなく第二の部分51bが露出する位置、一例としては、第二の部分51bが膨らんだ場合にZ方向の略頂部となる位置に、設けられている。本実施形態では、このような逃げ穴51b1によって、袋状部材5がガス10を導入して膨らんだ場合に内部の圧力が過度に高まるのが抑制されている。
【0023】
なお、第二の部分51bは、例えば、C字状や、I字状、U字状、V字状、X字状等のスリットが設けられた部分が袋外側に拡開することにより逃げ穴51b1が出現するような構成であってもよい。また、第二の部分51bは、例えば、比較的小さなC字状や、I字状、O字状、U字状、V字状、X字状等の薄肉部等の脆弱部が設けられ、当該脆弱部が内圧の上昇に伴う応力集中によって破断することにより逃げ穴51b1が出現するような構成であってもよい。
【0024】
袋状部材5は、例えば、ポリ塩化ビニルや、ポリフェニレンオキサイド、難燃EPゴム、架橋ポリエチレン、難燃クロロプレンゴム、ポリビニリデンフロライド、シリコーンゴム、テトラフロロエチレン等の難燃性および伸縮性を有した材料によって構成されうる。これにより、袋状部材5のガス10に対する耐熱性や、耐圧性、衝撃吸収性等が高まりやすい。
【0025】
図2,3に示されるように、取付部材6,7は、開口部2sの縁部2s1に沿った円環状(リング状)に構成されている。取付部材6,7には、それぞれ、結合具12のボルト12aが貫通する複数の貫通孔6a,7aが設けられている。本実施形態では、例えば、取付部材6、第二の部分51b、壁部2a、第一の部分51a、メッシュ部材11、および取付部材7を貫通したボルト12aにナット12bが噛み合うことによって、袋状部材5が壁部2aと結合されている。ボルト12aおよびナット12bは、結合具12の一例である。
【0026】
また、取付部材6には、Z方向に向けて開放された複数の有底の凹部6bが設けられている。複数(例えば、八つ)の凹部6bは、開口部2sの縁部2s1に沿って互いに間隔をあけて設けられている。凹部6bのそれぞれには、ボルト12aの頭部が収容される。また、凹部6bのそれぞれの底部には、ボルト12aの軸部が貫通する貫通孔6aが設けられている。
【0027】
図2に示されるように、メッシュ部材11は、第一の部分51aと取付部材7との間に設けられている。メッシュ部材11は、開口部2sを筐体2の内側から覆っている。メッシュ部材11は、例えば、アルミやステンレス等の金属線によって、メッシュ状かつ所定の厚さを有したシート状に構成されている。メッシュ部材11は、筐体2内の圧力が閾値よりも高まった場合に、ガス10の開口部2s側への流出を許容しつつ、筐体2内に収容される部品等の開口部2s側への流出を抑制している。メッシュ部材11は、防護部材等とも称されうる。
【0028】
以上のように、本実施形態では、例えば、スイッチギヤ1は、開口部2sが設けられた筐体2と、筐体2の外側に設けられ、開口部2sを覆う蓋3と、少なくとも一部が蓋3と筐体2との間に設けられるとともに、筐体2の外側から開口部2sを覆う状態に設けられ、筐体2内で生じて開口部2sから流出したガス10を導入して膨らむ袋状部材5と、を備える。よって、本実施形態によれば、例えば、異常等によって筐体2内の圧力が閾値よりも高まった場合に、袋状部材5の内側に筐体2内で生じた高温や高圧のガス10の少なくとも一部を閉じ込めることができる。よって、例えば、蓋3から筐体2外、すなわち筐体2が設置される電気室等の室内へのガス10の噴出(飛散、放出、漏洩)が抑制されやすく、ひいては当該ガス10によって生じる筐体2の周囲に配置される機器等への影響が抑制されうる。
【0029】
また、本実施形態では、例えば、蓋3は、開口部2sを開閉可能に覆い、ガス10が導入されて膨らむ袋状部材5によって閉位置P1から開位置P2へ動かされる。よって、本実施形態によれば、例えば、袋状部材5の膨らみを利用して蓋3を閉位置P1から開位置P2へ移動させることができる。また、例えば、袋状部材5が蓋3に対する衝撃吸収部として機能しうる。
【0030】
また、本実施形態では、例えば、袋状部材5に、ガス10の逃げ穴51b1が設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、逃げ穴51b1によって、袋状部材5がガス10を導入して膨らんだ場合に内部の圧力が過度に高まるのが抑制されやすい。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、袋状部材5は、伸縮性を有した材料によって構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、蓋3が閉位置P1にある状態で、袋状部材5がよりコンパクトに蓋3と筐体2との間に配置されやすい。また、伸縮性を有するため、袋状部材5のガス10に対する耐圧性や衝撃吸収性等が高まりやすく、ひいては袋状部材5がガス10を導入して膨らんだ場合により破れ難くなりやすい。
【0032】
また、本実施形態では、例えば、袋状部材5は、難燃性を有した材料によって構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、袋状部材5のガス10に対する耐熱性が高まりやすい。
【0033】
<第2実施形態>
図5,6に示される実施形態のスイッチギヤ1Aは、上記第1実施形態のスイッチギヤ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
【0034】
ただし、本実施形態では、例えば、図5,6に示されるように、袋状部材5Aが互いに重ねられた複数の袋体51A,51Bを有する点が、上記第1実施形態と相違している。袋体51Aは、袋体51Bの外側に位置され、袋体51Bを覆っている。換言すれば、袋体51Bは、袋体51A内に収容されている。本実施形態では、袋体51Aの大きさは、袋体51Bの大きさと略同じかあるいは僅かに大きい。よって、本実施形態によれば、例えば、複数の袋体51A,51Bによって、開口部2sの保護性が高まりやすく、ひいてはガス10や筐体2に収容される部品等の電気室への流出がより確実に抑制されうる。なお、袋体51A,51Bの数は、二つには限定されず、例えば、三つ以上であってもよい。また、袋体51A,51Bの材質を互いに異ならせてもよい。
【0035】
<第3実施形態>
図7に示される実施形態のスイッチギヤ1Bは、上記第1実施形態のスイッチギヤ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
【0036】
ただし、本実施形態では、例えば、図7に示されるように、壁部2aにそれぞれが袋状部材5Bおよび蓋3によって覆われた複数の開口部2sが設けられている点が、上記第1実施形態と相違している。具体的には、本実施形態では、例えば、壁部2aに互いに間隔をあけて四つの開口部2sが設けられるとともに、それぞれの開口部2sに対応して、四つの袋状部材5B、および四つの蓋3が設けられている。よって、本実施形態によれば、複数の袋状部材5Bによって容積を稼ぐことができるため、例えば、一つ一つの袋状部材5Bの大きさをより小さく構成することができるという利点がある。よって、例えば、壁部2aと電気室の天井との間のスペースが比較的小さいような場合にも、袋状部材5Bの展開した状態、すなわちガス10を導入して膨らんだ状態がより確実に得られうる。なお、開口部2s、蓋3、および袋状部材5Bの数は、四つには限定されず、例えば、二つや、三つ、あるいは五つ以上であってもよい。また、開口部2s、蓋3、および袋状部材5Bが設けられる場所は、壁部2aには限定されず、例えば、壁部2c〜2f等に設けられてもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の外側に設けられ、前記開口部を覆う蓋と、
少なくとも一部が前記蓋と前記筐体との間に設けられるとともに、前記筐体の外側から前記開口部を覆う状態に設けられ、前記筐体内で生じて前記開口部から流出したガスを導入して膨らむ袋状部材と、
を備えた、スイッチギヤ。
[2]
前記蓋は、前記開口部を開閉可能に覆い、前記ガスが導入されて膨らむ前記袋状部材によって閉位置から開位置へ動かされる、[1]に記載のスイッチギヤ。
[3]
前記袋状部材は、伸縮性を有した、[1]または[2]に記載のスイッチギヤ。
[4]
前記袋状部材は、互いに重ねられた複数の袋体を有した、[1]〜[3]のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
[5]
複数の前記開口部と、
複数の前記開口部のそれぞれに対応して設けられた複数の前記蓋と、
複数の前記開口部のそれぞれに対応して設けられた複数の前記袋状部材と、
を備えた、[1]〜[4]のうちいずれか一つに記載のスイッチギヤ。
【符号の説明】
【0038】
1,1A,1B…スイッチギヤ、2…筐体、2s…開口部、3…蓋、5,5A,5B…袋状部材、51,51A,51B…袋体、51b1…逃げ穴、10…ガス、P1…閉位置、P2…開位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7