(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遠心力により処理液を固液分離するボウルと、前記ボウルを回転させるモーターと、前記ボウル内で分離された固形相を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、前記ボウル内の固形相を搬送するスクリューコンベアのトルクが目標値となるように前記差速発生装置を制御する制御部と、を備えた遠心分離装置において、
前記差速発生装置がバックドライブモーターを備えており、
前記スクリューコンベアのトルクを検出するトルク検出部と、前記バックドライブモーターに発生する回生電力を検出する回生電力検出部と、前記トルク検出部にて検出されるトルクおよび前記回生電力検出部にて検出される回生電力に基づいて、ボウルから排出される固形相の含水率を推定する含水率モニタリング部と、を備えたことを特徴とする遠心分離装置。
【背景技術】
【0002】
汚泥等の処理液を固液分離する装置として、デカンタと称される遠心分離装置が知られている。上記デカンタでは、処理液を固液分離する際のトルクや遠心力を制御することで、固液分離の結果得られる固形相の含水率を調整している。
【0003】
デカンタにおける固形相の含水率の制御は、デカンタ自身だけでなく後段の移送設備や処理設備等の適正な運転状態を維持するためにも非常に重要である。しかしながら、下水処理工程における固液分離の対象である汚泥の性状は、例えば市町村等で区画された下水回収エリアの環境変化(例えば、降雨、季節、気温、人口変動など)の影響を受けて変動する。また、下水由来の汚泥は、砂、しさ、活性汚泥分などを含み、且つ、それらの混合バランスも一定でない。そのため、脱水(濃縮)された汚泥の水分を濃度計によってリアルタイムに高精度に計測することは困難であるとされている。
【0004】
このような背景の下、デカンタの適正運転のために、固液分離により得られる分離液の濃度や分離液の泡の色を計測し、デカンタに供給する処理液への薬品添加量が適切であるかどうかを判定する技術(例えば、特許文献1を参照)や、固液分離の結果得られる固形相の液状化を検出して固形相の状態を推測する技術などが提供されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
但し、上記特許文献1および2に記載の技術は、いずれも固形相の含水率を推測するためのものではなく、固形相の含水率を制御パラメータとして推測することのできる技術はいまだ提供されていないのが実情であった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態に従う遠心分離装置について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
【0013】
<システム構成>
本実施形態による遠心分離システムの概略構成について説明する。ここでは、一例として、下水由来の汚泥(処理液)に対して遠心分離処理を行う場合について説明する。
【0014】
例えば、本実施形態による遠心分離システムを下水処理場における下水処理工程の一部において使用する場合、下水処理の一連の工程における脱水(濃縮)工程を担う。したがって、この場合は、本実施形態による遠心分離システムにおける固液分離の対象である処理液は、脱水(濃縮)工程の前段までの処理を経た下水由来の汚泥である。
【0015】
図1は、本発明の好ましい第1実施形態に従う遠心分離システムの構成図である。第1実施形態による遠心分離システムは、例えば、遠心分離装置であるデカンタ1と、デカンタ制御盤8と、を備えている。
【0016】
<デカンタ構成>
本実施形態のデカンタ1は、
図1に示すように、固形相出口20と液相出口21が下面側にそれぞれ独立に形成されているケーシング2と、ケーシング内に配置されたボウル3と、ボウル3内で遠心分離された固形相を搬送するスクリューコンベア4と、遠心分離する処理液をボウル3内に供給するための供給ノズル5を備えている。ボウル3は、例えばケーシング2の外部に配置されるベアリング等の軸受機構22によって、その両軸が回転可能に支持されている。さらにスクリューコンベア4は、コンベアベアリング等の軸受機構23によって、その両軸が回転可能に支持されている。なお、符号24は、ケーシング2内の空間を区画する仕切壁である。
【0017】
そして、駆動機構である主モーター25の動力が回転ベルト25aを介してボウル3側のプーリー25bに伝達されると、ボウル3が回転し、さらに差速発生装置であるギアボックス26及びスプラインシャフト26aを通じてスクリューコンベア4に回転動力が伝達され、これによりボウル3とスクリューコンベア4とが相対的な差速をもって回転する。主モーター25の回転駆動制御は、デカンタ制御盤8における制御部81によりインバータ82を通じて行なわれる。処理液の種類や濃度等によって適宜調整され得るが、通常運転の一例として、500〜8000min
−1の範囲内で選択される所定の回転数でボウル3を回転させ、ボウル3に対して0.5〜50min
−1の差速をもってスクリューコンベア4を回転させて遠心分離を行う。
【0018】
ギアボックス26には、バックドライブモーター27と称されるモーターが回転ベルト27a及びプーリー27bを介して連結されている。バックドライブモーター27は、スクリューコンベア4がボウル3よりも遅く回転するようにブレーキをかけるためのものであり、差速の大きさを可変に調節することができる。バックドライブモーター27の制御は、デカンタ制御盤8における制御部81がインバータ82を通じて制御することにより実現される。デカンタ制御盤8は、例えばトルクメータ等のトルク検出部83を備えており、スクリューコンベア4がボウル3内の固形相を排出口に向けて搬送する際にかかるトルクを、インバータ82からの出力に基づいて検出する。また、必須ではないがトルク表示部83aを設けて現在のトルクを表示してオペレータが把握できるようにすることができる。なお、符号28は、デカンタ2の支持架台であり、符号29は、供給ノズル5を支持する支持部材である。
【0019】
ブレーキをかけることによってバックドライブモーター27に発生する回生電力は、主モーター25に供給するようにすることができる。バックドライブモーター27に発生する回生電力は、インバータ82を介して例えば電力計等による回生電力検出部84によって検出される。制御部81におけるCPU81aは、回生電力検出部84によって検出された回生電力を取得する。また、必須ではないが電力表示部84aを設けて現在の回生電力を表示してオペレータが把握できるようにすることができる。
【0020】
ボウル3は、円筒状の胴部の一端側に円錐形状部31が形成されており、他端側にはフロントハブ32と称する円盤状部材が設けられている。ボウル3の胴部は、ボウル3内に供給される処理液のプール(液溜り)部を形成する。一方、円錐形状部31は、スクリューコンベア4によって搬送される固形相が液相から離脱するビーチ部を形成しており、その端部に固形相排出口33が設けられている。フロントハブ32には、液相が溢流して排出される液相排出口34が設けられている。液相排出口34は、フロントハブ32を貫通する円形状の開口穴である。
【0021】
スクリューコンベア4の外周面には、固形相を搬送するためのスクリュー羽根41が螺旋状に設けられている。さらに、スクリューコンベア4の外周面には、供給孔42が設けられている。供給孔42は、スクリューコンベア4の先端側内部に形成されている液供給室43と連通している。
【0022】
このように、デカンタ制御盤8は、主モーター25、インバータ82を介したバックドライブモーター27の駆動制御や、トルク検出部83において検出される情報の取得、回生電力検出部84にて検出される回生電力(電力値)の取得など、デカンタ1を統括的に制御している。なお、デカンタ制御盤8に備わる制御部81は、例えばCPU81a、メモリ81bおよび記憶装置81cを含むコンピュータシステムで構成することができる。このような構成により、制御部81は、記憶装置81cに記憶されているプログラムをメモリ81bにロードし、メモリ81bにロードされたプログラムをCPU81aによって実行することにより、所望の処理機能を実現する。
【0023】
<駆動制御>
続いて、上述のような構成を有する遠心分離システムにおける、デカンタ制御盤8による駆動制御について説明する。デカンタ1のような遠心分離装置において採用される駆動制御方法としては、例えば、所望の含水率とするためのトルク一定制御を基本とし、さらに無駄を省き適性な遠心力で遠心分離を行うための遠心力制御が追加的に行われる。好ましいトルク一定制御および遠心力制御としては、例えば本発明者による特許第5442099号公報に記載の方法を採用することができる。
【0024】
このようなデカンタ1の制御の基本となるトルク一定制御は、スクリューコンベア4がボウル3内の固形相を固形相排出口33に向けて搬送するときにかかるトルクが、予め設定したトルク目標値を維持するようにする制御が行われる。すなわち、ボウル3から排出される固形相の含水率とスクリューコンベア4のトルクとの間に一定の相関関係があることを利用した制御方法である。トルク目標値は、相関関係を基に目標含水率(所望の含水率)に対応するトルク値が選択される。そしてトルクの調節は、トルク目標値を維持するようにボウル3とスクリューコンベア4の差速の大きさを可変調節することによって行う。例えば、トルク目標値を上回っているときには差速を大きくする動作を行い、反対にトルク目標値を下回っているときには差速を小さくする動作を行う。
【0025】
トルク一定制御を行うには、先ず、遠心力Gを決定する。遠心力Gは、例えばデカンタ1に供給する汚泥の濃度などに応じて、例えば800G〜1500Gの範囲内のいずれかの遠心力Gに設定することができる。制御部81は、種々の遠心力Gの値に対応付けた種々のボウル3の回転数の設定値についての情報を有しており、選択された遠心力Gに対応する回転数でボウル3が回転する様に主モーター25を制御する。
【0026】
図2は、トルク一定制御を行ったときのトルクと差速の推移の一例を、模式的に示した図である。この例では、所望の含水率に対応するトルク目標値を軸としその上下に設定した上限値〜下限値までの範囲内にトルクが収まるように差速を可変制御している。すなわち、所望の含水率に対応するトルク目標値を維持するように差速を可変制御すると共に、例えば供給汚泥の大幅な濃度変化等によってトルクが大幅に変化した場合にも上限値(又は下限値)を超えないように差速を可変制御する。
【0027】
上記トルク一定制御に加えて遠心力制御も行う場合、例えば
図2に一例を示すように、トルク限界値(上限限界値〜下限限界値)を設定すると共に、差速に調節可能な範囲(可変上限値〜可変下限値)を設ける。この差速の調節可能な範囲は、例えば差速発生装置に過負荷がかからない範囲で設定することができる。そして、トルクが上限値と上限限界値の間に位置し、且つ、差速が可変下限値に達している状態が続く場合には、遠心力Gの設定値を例えば100G下げるようにする(すなわち、1段階下げる)。反対に、トルクが下限値と下限限界値の間に位置し、且つ、差速が可変上限値に達している状態が続く場合には、遠心力Gの設定値を例えば100G下げるようにする(すなわち、1段階上げる)。
【0028】
さらに、トルクが上限限界値に達し、且つ、差速が可変下限値に達している状態が続く場合には、遠心力Gの設定値を例えば200G下げるようにする(すなわち、2段階下げる)。反対に、トルクが下限限界値に達し、且つ、差速が可変上限値に達している状態が続く場合には、遠心力Gの設定値を例えば200G上げるようにする(すなわち、2段階上げる)。
【0029】
上記トルク一定制御を実行することによって、所望の含水率の脱水汚泥が得られ、さらに上記遠心力制御を実行することによって、省電力化等を達成した有効な制御を行うことができる。ところが、既述のように、特に下水処理工程にて運用される場合にはデカンタ1に供給する汚泥の性状が種々の要因によって変動する。汚泥は、砂、しさ、活性汚泥分などを含み、且つ、それらの混合バランスも一定でないことから、検出されるトルクが同じ値を示していても、得られる脱水汚泥の含水率にズレが生じる場合がある。すなわち、トルク一定制御の根幹である「トルク値と含水率の相関関係」にズレが生じ、得られる脱水汚泥の含水率が目標値からズレてしまうのである。
【0030】
本発明者は、デカンタ1の様々な運転状態を確認・検証する中で、トルク一定制御の根幹である「トルク値と含水率の相関関係」にもう一つパラメータを追加することで、脱水汚泥の含水率の推定精度が向上することを見出した。もう一つのパラメータとは、これまで含水率の制御には用いられてこなかったバックドライブモーターの回生電力(電力値)である。
【0031】
図3は、スクリューコンベア4のトルク[N・m]と、回生電力[kW]と、脱水汚泥を実際に測定して得られた含水率[%]の関係の中から一例を示す表である。
図3から、トルクが同じ値を示していても含水率が異なる値を示すことがあり、且つ、その含水率の影響がバックドライブモーターの回生電力(電力値)に表れることが理解できる。具体的には、トルクが同じ値を示している状態であっても、回生電力[kw]が増大するにつれて含水率[%]が低下する関係にあることが分かる。なお、
図3の回生電力[kw]は、バックドライブモーター27が電力を発生しているときを−(マイナス)表記で表している。
図4は、
図3の表について、スクリューコンベア4のトルク値をパラメータにして、回生電力と固形相の含水率の相関関係をグラフ化したものである。グラフ化することで「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係を、より明瞭に理解することができる。
【0032】
本実施形態では、上述のトルク一定制御と遠心力制御によるデカンタ1の運転を継続すると共に、「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係に基づき脱水汚泥の含水率のモニタリング(推定)を行う。さらに、好ましくは、モニタリングした含水率の情報を、デカンタの制御にフィードバックさせることによって、含水率制御の精度を向上させることができる。以下、
図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
まず、「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係に基づく含水率のモニタリング(推定)は、一例として次のように行う。すなわち、例えば遠心力G(1400G)において、所望の含水率(73%)に対して所定のトルク目標値(30N・m)にてトルク一定制御を行っていたときに(S1)、制御部81は、所定のタイミングで回生電力検出部84にて検出される回生電力の情報を取得する(S2)。情報を取得するタイミングは、任意に設定することができる。そして、トルク一定制御に用いられているトルクと前記回生電力に対応する含水率を「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係から導き出して出力する(S3)。導き出された含水率は、例えばデカンタ制御盤8の表示部85等に示すことによって、オペレータが現状把握できるようにするのが好ましい。さらには、所望の含水率の許容範囲(例えば、±2%)を予め設定しておき、許容範囲を外れたときにアラーム(警告)を示すようにしてもよい。
【0034】
オペレータは、デカンタ1の運転管理の一環として含水率のモニタリングを逐次監視し、所望の含水率を維持しているか否か確認する(S4)。そして、例えば含水率の許容範囲から外れた状態が長く続いたとき、或いは、許容範囲から著しく外れたときに、現在設定されているトルク目標値を変更する必要性が有ると判断して設定変更するようにする(S5)。トルク目標値をどの位変更するかは、例えばモニタリングした含水率と所望の含水率との差の大きさに応じて決定するようにしてもよい。この場合、例えばモニタリングした含水率と所望の含水率との差の大きさに対応付けて決めたトルク目標値の変更幅の情報を予め制御部81に記憶させておき、その情報を基に新しいトルク目標値を決定するようにしてもよい。そして新しく変更したトルク目標値でトルク一定制御を継続する(S6)。なお、取得される回生電力には経時変化によるバラつきが生ずる場合があるため、制御パラメータとしての信頼性向上のために、回生電力の取得の際には移動平均処理を施すようにしてもよい。トルクについても同様である。
【0035】
さらに、
図4に一例として示したような「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係は、遠心力Gの設定値毎(例えば100G刻み)の相関関係の情報を用意して制御部8に格納しておき、現在の遠心力Gに合う相関関係を読み出して使用するようにしてもよい。すなわち、遠心力Gをパラメータにした種々の「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係を用いて含水率をモニタリングする。差速についても同様に、遠心力Gをパラメータにした種々の「トルク値−含水率−回生電力」の相関関係を用意するようにしてもよい。代替例として、
図2に模式的に示したように差速は可変制御により値が変化するので、含水率の推定を行うのは差速が一定の条件(範囲又は値)を満たすときの回生電力としてもよい。具体的な一例としては、含水率の推定は、差速が一定の条件(例えば差速が4min
−1の状態)のときにサンプリングされた回生電力を用いるようにする。このように遠心力Gや差速の大きさをも考慮すれば、より精度を高めることが期待できる。勿論、遠心力Gや差速の大きさにとらわれず含水率を推定するようにしてもよい。
【0036】
なお、上述の実施形態では、回生電力を含水率のモニタリングに用いたが、その他にも、デカンタ1の運転状態を把握する指標の一つとして利用するようにしてもよい。
【0037】
上述の実施形態によれば、スクリューコンベア4のトルク−回生電力−含水率の相関関係に基づいて推定する新たな手法を構築したことにより、現在ボウル3から排出されている脱水汚泥の含水率をモニタリング(推定)することが可能となる。従って、所望の含水率を維持しているか否かを確認することができ、さらに所望の含水率から外れた場合にトルク目標値を変更するなどの手当てを早期に行うことができる。その結果、安定したデカンタ1の運転を行うことが可能となる。
【0038】
上述の説明では、オペレータが含水率を確認してトルク目標値の変更を行っているが、さらに望ましくは、上述のS1〜S5までのステップを制御部81が行うようにプログラミングすることによって、デカンタ1の自動運転制御を実行するようにする。このように自動運転制御を実行可能にすることによって、デカンタ1の安定した運転が実現できるのに加えて、オペレータの作業負担の軽減、熟練したオペレータの経験に依存することのない運転を実現できるという利点がある。
【0039】
なお、上述の実施形態ではトルク目標値の変更を例示しているが、モニタリングした含水率を利用した制御としては、トルク目標値の変更に限らず他の制御因子を変更するようにしてもよい。他の制御因子としては、例えば凝集剤の添加量、凝集剤の種類の選択(高分子凝集剤/無機凝集剤)、処理液である汚泥のデカンタ1への供給量などを挙げることができる。
【0040】
なお、上述の各実施形態において、ボウル3およびスクリューコンベア4が水平な回転軸を中心として回転する、いわゆる横型のデカンタ1を例示したが、これに限られるものではない。例えば、鉛直な回転軸を中心として回転する、いわゆる竪型のデカンタに対しても、本発明は適用可能である。
【0041】
上述の各実施形態では、遠心分離の対象となる処理液が、下水由来の汚泥である場合を例示したが、もちろん、これに限られるものではなく、他の処理液に対する遠心分離処理を行う場合にも、本発明は適用可能である。
【0042】
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。