(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カゴ車に前記カゴ車IDを記憶し且つ第1の周波数帯域により無線通信する第1の無線タグと、前記カゴ車IDを記憶し且つ第2の周波数帯域により無線通信する第2の無線タグとが設置されており、
前記判定用情報は、前記カゴ車IDを前記第1の無線タグと、前記第2の無線タグとのどちらから取得したかを示す情報であり、
前記入出判定部は、前記カゴ車IDを前記第1の無線タグと、前記第2の無線タグとのどちらから取得したかに基づいて、出庫か入庫かを判定する請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら情報処理装置及び情報処理方法について詳細に説明する。
図1は、物流倉庫1の例を示す。物流倉庫1は、カゴ車2に搭載され、輸送車両3により輸送される荷物を一時的に保管する物流における拠点である。物流倉庫1には、荷物が複数搭載されたカゴ車2が保管される保管スペース11と、輸送車両3の駐車スペース12と、駐車スペース12に駐車している輸送車両3にカゴ車2を積み下ろしする為のバース13と、カゴ車2を保管スペース11とバース13との間で行き来させる為の開口部14とが設けられている。また、物流倉庫1には、情報取得装置15及び情報処理装置16が設けられている。
【0010】
なお、荷物毎に荷物IDが付与され、カゴ車2毎にカゴ車IDが付与され、輸送車両3または輸送車両3のドライバー毎に輸送車両IDが付与されているものとして説明する。荷物IDは、例えば荷札に印刷されたバーコード等として構成される。
【0011】
荷物が複数搭載されるカゴ車には、ID(カゴ車ID)が付与されている。カゴ車IDは、例えば、カゴ車に設けられたRFIDが記憶するIDである。
【0012】
荷物の仕分を行う作業員が操作する端末は、カゴ車IDをカゴ車2から取得し、カゴ車2に荷物を搭載する毎に荷物IDを荷物から取得し、カゴ車IDと荷物IDとを対応付けて情報処理装置16に送信する。これにより、情報処理装置16において、どのカゴ車2にどの荷物が搭載されているかを把握することができる。
【0013】
情報取得装置15は、物流倉庫1の開口部14の近傍、または物流倉庫1のバース13に設けられ、開口部14を通過したカゴ車2のカゴ車ID、及び駐車スペース12に駐車している輸送車両3に対応する輸送車両IDを取得する。情報取得装置15は、取得したカゴ車ID及び輸送車両IDを情報処理装置16に供給する。
【0014】
情報処理装置16は、カゴ車IDを取得したカゴ車2が入庫されたか出庫されたかを判定する入出判定を行い、カゴ車IDと輸送車両IDと入出判定の結果(入出判定結果)とを対応付けて保存する。なお、入庫は、カゴ車2がバース13から保管スペース11に搬送されることを示す。また、出庫は、カゴ車2が保管スペース11からバース13に搬送されることを示す。また、カゴ車IDと輸送車両IDと入出判定結果と日時などが対応付けられた情報を輸送情報と称する。即ち、情報処理装置16は、カゴ車IDと輸送車両IDとを対応付け、且つカゴ車IDに対応付けられた輸送車両IDの輸送車両3から入庫されたのか、カゴ車IDに対応付けられた輸送車両IDの輸送車両3に出庫されたのかを示す輸送情報を生成する。
【0015】
次に、情報処理装置16の詳細な構成について説明する。
図2は、情報処理装置16の構成例について説明する為の説明図である。情報処理装置16は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などの、データの処理及びデータの保存を行うことができる装置により構成される。
図2に示されるように、情報処理装置16は、CPU21、ROM22、RAM23、第1の通信インタフェース24、及び第2の通信インタフェース25を備える。
【0016】
CPU21は、演算処理を実行する演算素子(たとえば、プロセッサ)を備える。CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムなどのデータに基づいて種々の処理を行う。CPU21は、ROM22に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行可能な制御部27として機能する。
【0017】
ROM22は、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROM22は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
【0018】
RAM23は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAM23は、CPU21が実行するプログラムを一時的に格納する。
【0019】
第1の通信インタフェース24は、情報取得装置15以外の他の機器と通信する為のインタフェースである。第1の通信インタフェース24は、図示されないサーバと通信する為の通信規格、表示装置31と通信する為の通信規格、操作部材32と通信する為の通信規格、及びストレージと通信する為の通信規格などに対応した端子及び回路を備える。第1の通信インタフェース24は、制御部27の制御に基づいて、サーバ、表示装置31、操作部材32、及びストレージ33などと通信する。
【0020】
第2の通信インタフェース25は、情報取得装置15と通信する為のインタフェースである。第2の通信インタフェース25は、情報取得装置15と通信する為の通信規格に対応した端子及び回路を備える。第2の通信インタフェース25は、制御部27の制御に基づいて、情報取得装置15と通信する。
【0021】
表示装置31は、表示用の画面データに基づいて画面を表示するディスプレイを備える。表示装置31は、情報処理装置16から供給された画面を表示する。
【0022】
操作部材32は、情報処理装置16の各種の操作を行うための操作部材である。操作部材は、例えば、タッチセンサ、キーボード、及びテンキーなど如何なるものであってもよい。なお、タッチセンサは、上記の表示装置31のディスプレイと一体にタッチパネルとして構成されることにより、ディスプレイに表示された画面上のタッチされた位置を示す信号を情報処理装置16に入力する。
【0023】
ストレージ33は、種々の情報を記憶可能な記憶装置である。ストレージ33は、例えば輸送情報を保存する。ストレージ33は、例えば、半導体メモリ、または他の記憶装置である。ストレージ33は、メモリカードなどの記憶媒体を挿入可能なカードスロットなどのメモリインタフェースにより構成されていてもよい。
【0024】
情報取得装置15は、開口部14を通過したカゴ車2のカゴ車ID、及び駐車スペースに駐車している輸送車両3に対応する輸送車両IDを取得する。例えば、情報取得装置15は、カゴ車2が開口部14を通過する毎に、開口部14を通過したカゴ車2からカゴ車IDを取得する。また、例えば、情報取得装置15は、輸送車両3がバース13近傍の駐車スペース12に駐車した場合に輸送車両IDを取得する。また、情報取得装置15は、輸送車両3のドライバーが所持する端末から輸送車両IDを取得する。
【0025】
さらに、情報取得装置15は、カゴ車2が入庫されたのか出庫されたのかを制御部が判定する為の情報(判定用情報)を取得する。判定用情報は、例えば、カゴ車IDを取得した際の状況を示す情報、輸送車両のドライバーが所持する端末から受け取った情報、カゴ車IDを取得したリーダの種類を示す情報などである。情報取得装置15は、取得したカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報を情報処理装置16に供給する。なお、情報取得装置15の構成については後述する。
【0026】
次に、CPU21がプログラムを実行することにより実現される制御部27の種々の機能について説明する。
図3は、制御部27の機能について説明する為の説明図である。制御部27は、入出判定部41、完了判定部42、及び輸送情報処理部43を備える。
【0027】
入出判定部41は、情報取得装置15から供給された判定用情報に基づいて、カゴ車2が入庫されたか出庫されたかを判定し、入出判定結果を生成する。即ち、入出判定部41は、カゴ車2毎に、カゴ車2がバース13から保管スペース11に搬送されたのか、カゴ車2が保管スペース11からバース13に搬送されたのかを判定する。
【0028】
完了判定部42は、輸送車両3へのカゴ車2の搬送(即ち入庫)、または輸送車両3からのカゴ車2の搬送(即ち出庫)が完了したか否か判定する。例えば、完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する。また、完了判定部42は、情報取得装置15が輸送車両のドライバーが所持する端末から所定の情報を受け取った場合、搬送が完了したと判断してもよい。
【0029】
輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。なお、輸送情報処理部43は、輸送情報を生成した日時、または、完了判定部42により搬送が完了したと判定された日時を示す情報を輸送情報にさらに付加する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0030】
図4は、制御部27の動作について説明する為の説明図である。
制御部27は、情報取得装置15から供給されるカゴ車IDを取得する(ステップS11)。また、制御部27は、情報取得装置15から供給される輸送車両IDを取得する(ステップS12)。また、制御部27は、情報取得装置15から供給される判定用情報を取得する(ステップS13)。
【0031】
制御部27の入出判定部41は、ステップS13で取得した判定用情報に基づいて、ステップS11で取得したカゴ車IDのカゴ車2が、ステップS12で取得した輸送車両IDの輸送車両3に出庫されるのか否か判定する(ステップS14)。
【0032】
入出判定部41は、ステップS14で出庫であると判定した場合(ステップS14、YES)、出庫を示す入出判定結果を生成し(ステップS15)、ステップS17の処理に移行する。また、入出判定部41は、ステップS14で出庫ではないと判定した場合(ステップS14、NO)、入庫を示す入出判定結果を生成し(ステップS16)、ステップS17の処理に移行する。
【0033】
制御部27の完了判定部42は、輸送車両3へのカゴ車2の搬送(即ち入庫)、または輸送車両3からのカゴ車2の搬送(即ち出庫)が完了したか否か判定する(ステップS17)。例えば、完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する。また、完了判定部42は、情報取得装置15が輸送車両のドライバーが所持する端末から所定の情報を受け取った場合、搬送が完了したと判断する。
【0034】
制御部27は、ステップS17で搬送が完了していないと判定した場合(ステップS17、NO)、ステップS11の処理に移行し、ステップS11乃至ステップS16を繰り返し実行する。なお、制御部27は、ステップS12乃至ステップS16を輸送車両ID毎に1度行う構成であればよい。言い換えると、制御部27は、ステップS12乃至ステップS16を1度実行することによって、1つの輸送車両IDを取得し、1つの入出判定結果を生成した場合、ステップS12乃至ステップS16を省略する構成であってもよい。この場合、制御部27は、ステップS11でカゴ車IDを取得する度に、既に取得した輸送車両IDに取得したカゴ車IDを対応付ける。
【0035】
ステップS17で搬送が完了したと判定した場合(ステップS17、YES)、制御部27の輸送情報処理部43は、カゴ車ID、輸送車両ID、入出判定結果、及び日時に基づいて、輸送情報を生成する(ステップS18)。例えば、輸送情報処理部43は、1つの輸送車両ID及び入出判定結果に対して複数のカゴ車IDを対応付けることによって輸送情報を生成する。また、輸送情報処理部43は、カゴ車ID毎に、輸送車両ID及び入出判定結果を対応付けて輸送情報を生成する構成であってもよい。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存し(ステップS19)、処理を終了する。
【0036】
情報処理装置16は、上記したように生成した輸送情報を蓄積することにより、荷物IDまたはカゴ車IDなどから、荷物が搭載されたカゴ車2を輸送している輸送車両3、または荷物が搭載されたカゴ車2が保管されている物流倉庫1などを検索することができる。
【0037】
次に、情報取得装置15の具体的な構成である、第1の方式によりカゴ車ID及び輸送車両IDを取得する情報取得装置15Aの構成例について説明する。
図5は、物流倉庫1に設けられた情報取得装置15Aの構成例について説明する為の説明図である。なお、本例では、カゴ車IDを記憶したカゴ車用のRadio Frequency IDentification(RFID)タグ(カゴ車用RFIDタグ)51がカゴ車2に設置され、輸送車両IDを記憶した輸送車両用のRFIDタグ(輸送車両用RFIDタグ)52が輸送車両3に設置されているものとして説明する。
【0038】
RFIDタグは、RFIDタグを読み取るRFIDリーダが出力する搬送波によって起動し、RFIDリーダに応答を返すパッシブ型の無線タグである。
【0039】
情報取得装置15Aは、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62、並びに第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の動作を制御する制御装置63を備える。
【0040】
第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、電磁波を出力することによって、RFIDタグと通信を行う。第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、アンテナ及び信号処理回路を備える。第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62のアンテナは、電磁波を送受信するアンテナである。アンテナは、共振周波数がカゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に対応する周波数(例えばUHF帯)となるように構成されている。信号処理回路は、アンテナに流す信号の処理を行う。
【0041】
第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、保管スペース11とバース13との間をカゴ車2が搬送される際に通過する方向(通過方向)に沿って配列される。第1のRFIDリーダ61は、バース13であって、且つ第2のRFIDリーダ62よりも開口部14に近い位置に設けられている。第2のRFIDリーダ62は、バース13であって、且つ第1のRFIDリーダ61よりも開口部14から遠い位置に設けられている。これにより、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、異なる通信範囲を有するように構成される。第1のRFIDリーダ61の通信範囲は、第2のRFIDリーダ62よりも開口部14に近いバース13上の領域である。また、第2のRFIDリーダ62の通信範囲は、第1のRFIDリーダ61よりも開口部14から遠いバース13上の領域である。
【0042】
制御装置63は、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の動作を制御する。例えば、制御装置63は、演算素子とプログラムを記憶したメモリとを備える。制御装置63は、演算素子がメモリのプログラムを実行することにより、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の動作を制御する。
【0043】
上記のような構成において、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、信号処理回路によりアンテナに信号を流すことによって電磁波を出力し、カゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に搬送波を供給する。さらに、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、カゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に対してIDを要求するコマンドを送信する。
【0044】
カゴ車用RFIDタグ51は、第1のRFIDリーダ61または第2のRFIDリーダ62からIDを要求するコマンドを受信した場合、カゴ車IDを第1のRFIDリーダ61または第2のRFIDリーダ62に送信する。
【0045】
輸送車両用RFIDタグ52は、第1のRFIDリーダ61または第2のRFIDリーダ62からIDを要求するコマンドを受信した場合、輸送車両IDを第1のRFIDリーダ61または第2のRFIDリーダ62に送信する。
【0046】
第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、カゴ車用RFIDタグ51から送信されたカゴ車IDを取得する。また、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、輸送車両用RFIDタグ52から送信された輸送車両IDを取得する。
【0047】
制御装置63は、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62が取得したカゴ車ID及び輸送車両IDを情報処理装置16に送信する。
【0048】
またさらに、制御装置63は、第1のRFIDリーダ61がカゴ車IDを読み取ったタイミングを示す情報と、第2のRFIDリーダ62がカゴ車IDを読み取ったタイミングを示す情報とを上記の判定用情報として情報処理装置16に送信する。
【0049】
情報処理装置16の入出判定部41は、第1のRFIDリーダ61と第2のRFIDリーダ62とのどちらが先に同じカゴ車IDを読み取ったかに基づいて、カゴ車2が入庫されたのか出庫されたのかを判定する。
【0050】
例えば、カゴ車2が出庫される場合、カゴ車2は、保管スペース11から開口部14を通りバース13に搬送される。この場合、第1のRFIDリーダ61は、第2のRFIDリーダ62よりも先にカゴ車2に設置されたカゴ車用RFIDタグ51を読み取る。また、例えば、カゴ車2が入庫される場合、カゴ車2は、バース13から開口部14を通り保管スペース11に搬送される。この場合、第2のRFIDリーダ62は、第1のRFIDリーダ61よりも先にカゴ車2に設置されたカゴ車用RFIDタグ51を読み取る。
【0051】
情報処理装置16の入出判定部41は、判定用情報に基づいて、同じカゴ車IDを第1のRFIDリーダ61と第2のRFIDリーダ62とのどちらが先に読み取ったかを認識する。情報処理装置16の入出判定部41は、同じカゴ車IDを第2のRFIDリーダ62よりも早く第1のRFIDリーダ61が読み取った場合、カゴ車2が出庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。また、情報処理装置16の入出判定部41は、同じカゴ車IDを第1のRFIDリーダ61よりも早く第2のRFIDリーダ62が読み取った場合、カゴ車2が入庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。
【0052】
情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが一定時間供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する。
【0053】
情報処理装置16の輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、日時、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0054】
上記のように、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の通信範囲がカゴ車2の通過方向に沿って構成されていることにより、情報処理装置16は、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62とのどちらが先にカゴ車用RFIDタグ51を読み取ったかに基づいて出庫か入庫かを判定することができる。
【0055】
次に、情報取得装置15の他の構成例である、第2の方式によりカゴ車ID及び輸送車両IDを取得する情報取得装置15Bについて説明する。
図6は、物流倉庫1に設けられた情報取得装置15Bの構成例について説明する為の説明図である。なお、本例では、カゴ車用RFIDタグ51がカゴ車2に設置され、輸送車両用RFIDタグ52が輸送車両3のドライバーが所持する携帯物4に設置されているものとして説明する。
【0056】
情報取得装置15Bは、第1のRFIDリーダ61、第2のRFIDリーダ62、制御装置63、及びスピーカ64を備える。第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の構成は、
図5の例と同様である為、詳細な説明を省略する。
【0057】
スピーカ64は、音声を出力する音声出力部である。スピーカ64は、制御装置63の制御に基づいて音声を出力する。
【0058】
上記のような構成において、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、信号処理回路によりアンテナに信号を流すことによって電磁波を出力し、カゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に搬送波を供給する。これにより、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、カゴ車2が第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の通信範囲を通過した場合、カゴ車用RFIDタグ51からカゴ車IDを取得する。また、第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62は、輸送車両用RFIDタグ52が設置された携帯物4を所持する人物が第1のRFIDリーダ61及び第2のRFIDリーダ62の通信範囲を通過した場合、輸送車両用RFIDタグ52から輸送車両IDを取得する。
【0059】
制御装置63は、第1のRFIDリーダ61または第2のRFIDリーダ62によって輸送車両IDを取得した場合、スピーカ64から所定の音声を出力させる。これにより、輸送車両IDの取得が完了したことを輸送車両用RFIDタグ52が設置された携帯物4を所持する人物に報知する。
【0060】
情報処理装置16の入出判定部41は、
図5の例と同様の処理により、入出判定結果を生成する。
【0061】
情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが一定時間供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する。
【0062】
情報処理装置16の輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、日時、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0063】
上記のように、情報取得装置15Bは、輸送車両IDを輸送車両3のドライバーが所持する携帯物4に設置された輸送車両用RFIDタグ52から取得する構成であってもよい。このような構成によると、輸送車両3に輸送車両用RFIDタグ52を設置する必要がなくなる。また、例えば物流倉庫1への入場時に輸送車両3のドライバーに携帯物4を貸与するなど、フレキシブルな運用が可能になる。
【0064】
次に、情報取得装置15の他の構成例である、第3の方式によりカゴ車ID及び輸送車両IDを取得する情報取得装置15Cについて説明する。
図7は、物流倉庫1に設けられた情報取得装置15Cの構成例について説明する為の説明図である。なお、本例では、カゴ車用RFIDタグ51がカゴ車2に設置され、輸送車両用RFIDタグ52が輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cに設置されているものとして説明する。
【0065】
携帯端末5Cは、通信部、操作部、及び表示部を備える端末である。携帯端末5Cは、例えばスマートフォンなどである。携帯端末5Cの通信部は、所定の通信方式により他の機器と通信することができるように構成されている。携帯端末5Cの表示部及び操作部は、画面上でのタッチ操作が可能なタッチパネルとして構成されている。
【0066】
情報取得装置15Cは、第3のRFIDリーダ65、無線通信装置66、及び制御装置63を備える。
【0067】
第3のRFIDリーダ65は、電磁波を出力することによって、RFIDタグと通信を行う。第3のRFIDリーダ65は、アンテナ及び信号処理回路を備える。第3のRFIDリーダ65のアンテナは、電磁波を送受信するアンテナである。アンテナは、共振周波数がカゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に対応する周波数(例えばUHF帯)となるように構成されている。信号処理回路は、アンテナに流す信号の処理を行う。
【0068】
第3のRFIDリーダ65は、バース13に設けられている。第3のRFIDリーダ65の通信範囲は、バース13上の領域である。第3のRFIDリーダ65は、バース13に接岸される輸送車両3が配列される方向に沿って複数配置されている。第3のRFIDリーダ65は、開口部14の所定の領域をカゴ車2及び輸送車両3のドライバーが通過した場合に、カゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52を読み取るように、狭域のリーダとして構成されている。これにより、バース13に複数の輸送車両3が存在する場合に、異なる輸送車両3のカゴ車2及び異なる輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cに設置された輸送車両用RFIDタグ52を第3のRFIDリーダ65が読み取ることを防ぐことができる。
【0069】
無線通信装置66は、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cと通信する。無線通信装置66は、例えばIEEE(アイトリプルイー)802.15.4g規格で定められた無線LANにより携帯端末5Cと通信する。
【0070】
制御装置63は、第3のRFIDリーダ65及び無線通信装置66の動作を制御する。例えば、制御装置63は、演算素子とプログラムを記憶したメモリとを備える。制御装置63は、演算素子がメモリのプログラムを実行することにより、第3のRFIDリーダ65及び無線通信装置66の動作を制御する。
【0071】
上記のような構成において、第3のRFIDリーダ65は、信号処理回路によりアンテナに信号を流すことによって電磁波を出力し、カゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に搬送波を供給する。これにより、第3のRFIDリーダ65は、カゴ車2が第3のRFIDリーダ65の通信範囲を通過した場合、カゴ車用RFIDタグ51からカゴ車IDを取得する。また、第3のRFIDリーダ65は、輸送車両用RFIDタグ52が設置された携帯端末5Cを所持する人物が第3のRFIDリーダ65の通信範囲を通過した場合、輸送車両用RFIDタグ52から輸送車両IDを取得する。
【0072】
また、制御装置63は、輸送車両用RFIDタグ52から輸送車両IDを取得した場合、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cに無線通信装置66によりデータを送信する。これにより、制御装置63は、入庫と出庫とを輸送車両3のドライバーに選択させる為の画面を携帯端末5Cに表示させる。携帯端末5Cは、輸送車両3のドライバーの操作により入庫と出庫とのいずれかを示す情報を無線通信装置66に送信する。制御装置63は、携帯端末5Cから送信された入庫と出庫とのいずれかを示す情報を判定用情報として情報処理装置16に送信する。
【0073】
情報処理装置16の入出判定部41は、第3のRFIDリーダ65によりカゴ車IDが読み取られたカゴ車2が入庫されたのか出庫されたのかを判定用情報に基づいて判定する。入出判定部41は、判定用情報が入庫を示す場合、第3のRFIDリーダ65によりカゴ車IDが読み取られたカゴ車2が入庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。また、入出判定部41は、判定用情報が出庫を示す場合、第3のRFIDリーダ65によりカゴ車IDが読み取られたカゴ車2が出庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。
【0074】
情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15が輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cから出庫または入庫を示す情報を取得した場合、搬送が完了したと判断する。
【0075】
情報処理装置16の輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、日時、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0076】
上記のように、情報取得装置15Cは、入庫か出庫かの選択操作の結果を判定用情報として情報処理装置16に供給する。即ち、情報処理装置16は、カゴ車2の搬送を行った輸送車両3のドライバーの操作結果に基づいて入庫と出庫とを判別する。これにより、情報処理装置16は、入庫と出庫との判別の確度を向上させることができる。
【0077】
なお、上記の実施形態では、情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15が輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cから出庫または入庫を示す情報を取得した場合、搬送が完了したと判断すると説明したがこの構成に限定されない。完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが一定時間供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する構成であってもよい。この構成によると、輸送車両3のドライバーは、出庫と入庫との選択操作を自由なタイミングで行うことができる。即ち、出庫と入庫との選択操作が行われてからカゴ車2を移動させることも、カゴ車2を移動させてから出庫と入庫との選択操作を行うことも可能になる。
【0078】
また、情報取得装置15は、カゴ車IDを取得する毎に、取得したカゴ車IDと読取日時とを携帯端末5Cに通知する構成であってもよい。この構成によると、読み取られたカゴ車IDと読取日時との一覧をドライバーに認識させることができる。
【0079】
また、上記の実施形態では、情報取得装置15の制御装置63は、輸送車両IDを取得した場合、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Cに入庫と出庫とをドライバーに選択させる為の画面を表示させる構成であると説明したが、この構成に限定されない。携帯端末5Cは、輸送車両3のドライバーの操作に応じて入庫と出庫との選択画面を表示する構成であってもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、輸送車両3のドライバーに入庫と出庫とのいずれかを選択させる構成であると説明したが、この構成に限定されない。情報取得装置15の制御装置63は、携帯端末5Cに出庫であることを輸送車両3のドライバーに選択させる為の画面を表示させる構成であってもよい。この構成では、情報処理装置16は、出庫の選択結果に対応付けられたカゴ車IDのカゴ車2が出庫されたカゴ車であり、出庫の選択結果に対応付けられていない他のカゴ車IDのカゴ車2が入庫されたカゴ車であると判定する。
【0081】
次に、情報取得装置15の他の構成例である、第4の方式によりカゴ車ID及び輸送車両IDを取得する情報取得装置15Dについて説明する。
図8は、物流倉庫1に設けられた情報取得装置15Dの構成例について説明する為の説明図である。なお、本例では、カゴ車用RFIDタグ51と、カゴ車IDを含む二次元コードが印刷されたラベル53とがカゴ車2に設置され、輸送車両IDが輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Dに保存されているものとして説明する。
【0082】
携帯端末5Dは、通信部、操作部、表示部、記憶部、及び撮像部を備える端末である。携帯端末5Dは、例えばスマートフォンなどである。携帯端末5Dの通信部は、所定の通信方式により他の機器と通信することができるように構成されている。携帯端末5Dの表示部及び操作部は、画面上でのタッチ操作が可能なタッチパネルとして構成されている。携帯端末5Dの記憶部は、輸送車両IDを記憶するメモリとして構成されている。携帯端末5Dの撮像部は、画像を取得するカメラである。
【0083】
情報取得装置15Dは、第4のRFIDリーダ67、無線通信装置66、及び制御装置63を備える。
【0084】
第4のRFIDリーダ67は、電磁波を出力することによって、RFIDタグと通信を行う。第4のRFIDリーダ67は、アンテナ及び信号処理回路を備える。第4のRFIDリーダ67のアンテナは、電磁波を送受信するアンテナである。アンテナは、共振周波数がカゴ車用RFIDタグ51及び輸送車両用RFIDタグ52に対応する周波数(例えばUHF帯)となるように構成されている。信号処理回路は、アンテナに流す信号の処理を行う。
【0085】
第4のRFIDリーダ67は、バース13に設けられている。第4のRFIDリーダ67の通信範囲は、バース13上の領域である。第4のRFIDリーダ67は、開口部14のどの位置をカゴ車2が通過しても、カゴ車用RFIDタグ51を読み取るように、広域のリーダとして構成されている。
【0086】
無線通信装置66は、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Dと通信する。無線通信装置66は、例えばIEEE(アイトリプルイー)802.15.4g規格で定められた無線LANにより携帯端末5Dと通信する。
【0087】
制御装置63は、第4のRFIDリーダ67及び無線通信装置66の動作を制御する。例えば、制御装置63は、演算素子とプログラムを記憶したメモリとを備える。制御装置63は、演算素子がメモリのプログラムを実行することにより、第4のRFIDリーダ67及び無線通信装置66の動作を制御する。
【0088】
上記のような構成において、第4のRFIDリーダ67は、信号処理回路によりアンテナに信号を流すことによって電磁波を出力し、カゴ車用RFIDタグ51に搬送波を供給する。これにより、第4のRFIDリーダ67は、カゴ車2が第4のRFIDリーダ67の通信範囲を通過した場合、カゴ車用RFIDタグ51からカゴ車IDを取得する。
【0089】
また、携帯端末5Dは、輸送車両3のドライバーの操作に応じて、カゴ車2に設けられたラベル53の二次元コードを読み取る為の画面を表示する。携帯端末5Dは、二次元コードを読み取る為の画面の表示中の操作に応じて、画像を取得する。携帯端末5Dは、取得した画像から二次元コードを検出する。携帯端末5Dは、検出した二次元コードを復号することにより、カゴ車IDを取得する。
【0090】
また、携帯端末5Dは、入庫と出庫とを輸送車両3のドライバーに選択させる為の画面を表示する。携帯端末5Dは、輸送車両3のドライバーの操作に応じて、入庫と出庫とのいずれかを選択する。携帯端末5Dは、入庫と出庫との選択結果と、カゴ車IDと、輸送車両IDとを無線通信装置66に送信する。
【0091】
制御装置63は、入庫と出庫との選択結果を判定用情報として、カゴ車ID及び輸送車両IDとともに情報処理装置16に送信する。なお、携帯端末5Dは、カゴ車2のラベル53の二次元コードを読み取る毎に入庫または出庫を選択させ、無線通信装置66に送信する構成であってもよいし、複数のカゴ車2のラベル53の二次元コードを読み取った後、所定の操作に応じて入庫または出庫を選択させ、無線通信装置66に送信する構成であってもよい。この場合、携帯端末5Dは、操作に応じてカゴ車2の搬送が完了したか否かを判断し、カゴ車2の搬送が完了したことを示す情報を無線通信装置66及び情報取得装置15Dを介して、情報処理装置16に送信する。
【0092】
情報処理装置16の入出判定部41は、カゴ車IDが読み取られたカゴ車2が入庫されたのか出庫されたのかを判定用情報に基づいて判定する。入出判定部41は、判定用情報が入庫を示す場合、カゴ車IDが読み取られたカゴ車2が入庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。また、入出判定部41は、判定用情報が出庫を示す場合、カゴ車IDが読み取られたカゴ車2が出庫されたと判定し、入出判定結果を生成する。
【0093】
情報処理装置16の完了判定部42は、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Dからカゴ車2の搬送が完了したことを示す情報が供給された場合、搬送が完了したと判断する。なお、情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15が輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Dから出庫または入庫を示す情報を取得した場合、搬送が完了したと判断する構成であってもよい。また、情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが一定時間供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する構成であってもよい。
【0094】
情報処理装置16の輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、日時、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0095】
上記のように、情報取得装置15Dは、カゴ車2に張り付けられたラベル53の二次元コードを輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Dに読み取らせ、且つ入庫か出庫かを選択させる。これにより、情報処理装置16は、入庫と出庫との判別の確度を向上させることができる。
【0096】
なお、携帯端末5Dは、出庫と入庫とのいずれかで上記のような二次元コードの読み取りを行う構成であってもよい。開口部14を通過するカゴ車2のカゴ車IDは、第4のRFIDリーダ67により取得されている。この為、情報取得装置15Dは、携帯端末5Dにより二次元コードが読み取られたカゴ車2のカゴ車IDに出庫であることを示す情報を付加して情報処理装置16に送信する構成であってもよい。この場合、情報処理装置16は、第4のRFIDリーダ67により取得されたカゴ車IDのうち、カゴ車IDに出庫であることを示す情報が付加されていないものを入庫と判定する構成であってもよい。
【0097】
次に、情報取得装置15の他の構成例である、第5の方式によりカゴ車ID及び輸送車両IDを取得する情報取得装置15Eについて説明する。
図9は、物流倉庫1に設けられた情報取得装置15Eの構成例について説明する為の説明図である。なお、本例では、カゴ車IDを記憶し且つUHF帯域での通信が可能な第1のRFIDタグ54と、カゴ車IDを記憶し且つHF帯域での通信(即ち近接無線通信)が可能な第2のRFIDタグ55とがカゴ車2に設置され、輸送車両IDが輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Eに保存されているものとして説明する。
【0098】
携帯端末5Eは、通信部、操作部、表示部、記憶部、及びRFIDリーダを備える端末である。携帯端末5Eは、例えばスマートフォンなどである。携帯端末5Eの通信部は、所定の通信方式により他の機器と通信することができるように構成されている。携帯端末5Eの表示部及び操作部は、画面上でのタッチ操作が可能なタッチパネルとして構成されている。携帯端末5Eの記憶部は、輸送車両IDを記憶するメモリとして構成されている。携帯端末5EのRFIDリーダは、HF帯域でRFIDタグと通信を行うリーダーである。携帯端末5EのRFIDリーダは、電磁波を出力することによって、HF帯で第2のRFIDタグ55と通信し、カゴ車IDを取得する。
【0099】
情報取得装置15Eは、第5のRFIDリーダ68、無線通信装置66、及び制御装置63を備える。
【0100】
第5のRFIDリーダ68は、電磁波を出力することによって、第1のRFIDタグ54と通信を行う。第5のRFIDリーダ68は、アンテナ及び信号処理回路を備える。第5のRFIDリーダ68のアンテナは、電磁波を送受信するアンテナである。アンテナは、共振周波数が第1の第1のRFIDタグ54に対応する周波数であるUHF帯となるように構成されている。信号処理回路は、アンテナに流す信号の処理を行う。
【0101】
第5のRFIDリーダ68は、バース13に設けられている。第5のRFIDリーダ68の通信範囲は、バース13上の領域である。第5のRFIDリーダ68は、開口部14のどの位置をカゴ車2が通過しても、第1のRFIDタグ54を読み取るように、広域のリーダとして構成されている。
【0102】
無線通信装置66は、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Eと通信する。無線通信装置66は、例えばIEEE(アイトリプルイー)802.15.4g規格で定められた無線LANにより携帯端末5Eと通信する。
【0103】
制御装置63は、第5のRFIDリーダ68及び無線通信装置66の動作を制御する。例えば、制御装置63は、演算素子とプログラムを記憶したメモリとを備える。制御装置63は、演算素子がメモリのプログラムを実行することにより、第5のRFIDリーダ68及び無線通信装置66の動作を制御する。
【0104】
上記のような構成において、第5のRFIDリーダ68は、信号処理回路によりアンテナに信号を流すことによって電磁波を出力し、第1のRFIDタグ54に搬送波を供給する。これにより、第5のRFIDリーダ68は、カゴ車2が第5のRFIDリーダ68の通信範囲を通過した場合、第1のRFIDタグ54からカゴ車IDを取得する。
【0105】
また、携帯端末5Eは、RFIDリーダによりカゴ車2に設けられた第2のRFIDタグ55からカゴ車IDを取得する。携帯端末5Eは、第2のRFIDタグ55から取得したカゴ車IDと、記憶部に記憶されている輸送車両IDと、読取日時とを無線通信装置66に送信する。また、携帯端末5Eは、操作に応じてカゴ車2の搬送が完了したか否かを判断し、カゴ車2の搬送が完了したことを示す情報と、輸送車両IDとを無線通信装置66及び情報取得装置15Dを介して、情報処理装置16に送信してもよい。
【0106】
制御装置63は、カゴ車IDと、輸送車両IDとを情報処理装置16に送信する。また、制御装置63は、カゴ車IDを第5のRFIDリーダ68と携帯端末5とのどちらにより取得したのか、即ち、第1のRFIDタグ54と第2のRFIDタグ55とのどちらが読み取られたのかを示す情報を判定用情報として情報処理装置16に送信する。
【0107】
情報処理装置16の入出判定部41は、カゴ車IDが読み取られたカゴ車2が入庫されたのか出庫されたのかを判定用情報に基づいて判定する。入出判定部41は、カゴ車IDを読み取ったのが第5のRFIDリーダ68であるか携帯端末5であるかに基づいて、入庫であるか出庫であるかを判定する。例えば、入出判定部41は、カゴ車IDを読み取ったのが携帯端末5のRFIDリーダである場合、出庫であると判定し、入出判定結果を生成する。また、例えば、入出判定部41は、カゴ車IDを読み取ったのが第5のRFIDリーダ68である場合、入庫であると判定し、入出判定結果を生成する。
【0108】
情報処理装置16の完了判定部42は、輸送車両3のドライバーが所持する携帯端末5Eからカゴ車2の搬送が完了したことを示す情報が供給された場合、搬送が完了したと判断する。また、情報処理装置16の完了判定部42は、情報取得装置15からカゴ車ID、輸送車両ID、及び判定用情報などが一定時間供給されなくなった場合、搬送が完了したと判断する構成であってもよい。
【0109】
情報処理装置16の輸送情報処理部43は、情報取得装置15から供給されたカゴ車ID及び輸送車両ID、日時、並びに入出判定結果に基づいて輸送情報を生成する。輸送情報処理部43は、生成した輸送情報をストレージ33に保存する。
【0110】
上記のように、情報取得装置15Eは、開口部14及びバース13を通過したカゴ車2のカゴ車IDが、第1のRFIDタグ54と第2のRFIDタグ55とのどちらによって読み取られたのかに基づいて、入庫であるか出庫であるかを判断する。このような構成によると、入庫と出庫とのいずれかにおいて、近接無線通信によりRFIDタグからカゴ車IDを取得する為、カゴ車2の検出の確度を向上させることができる。
【0111】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。