【実施例】
【0040】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。具体的には、以下の評価試験1〜評価試験9を行った。
【0041】
<評価試験1>(実施例1、比較例1)
実施例1の研磨用組成物Sample1は、9.5重量%の砥粒(コロイダルシリカ)、0.5重量%の水酸化アンモニウム(NH
4OH)、0.0135重量%の変性PVA(重合度:450)、0.015重量%の多価アルコール(1)を水に配合して全体で100重量部としたものである。
【0042】
ここで使用した砥粒の平均一次粒子径(BET法)は35nmであり、平均二次粒子径は70nmである。また、多価アルコール(1)は、ポリオキシエチレンメチルグルコシドであり、分子量は634であった。
【0043】
比較例1の研磨用組成物Sample_CP1は、実施例1の研磨用組成物の変性PVAの配合量を0.15重量%とし、さらに、多価アルコール(1)を配合しないことを除いて、実施例1と同一の組成である。
【0044】
参照例の研磨用組成物Ref_1としては、市販品の研磨用組成物(NP8020H、ニッタ・ハース株式会社製)を用いた。
【0045】
なお、上記の組成は、希釈前の組成であり、研磨時には、希釈して使用される。本実施例及び比較例では、原液1重量部に対してさらに水20重量部を加えて(すなわち、21倍に希釈して)使用した(後述の実施例及び比較例についても同様とする。)。参照例の研磨用組成物Ref_1は、後述する評価試験2以降においても同一のものを使用した。
【0046】
実施例1、比較例1及び参照例の研磨用組成物の成分を表1に示す。表1において、各成分の重量%は、研磨用組成物(原液)全体に対する重量%を表す(表2以降についても同様とする。)。
【0047】
上記の実施例1、比較例1及び参照例の研磨用組成物に対し、以下の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。
【0048】
(研磨条件)
研磨装置(SPP800S、岡本工作機械製作所製)を用い、研磨パッド(SUPREME RN−H、ニッタ・ハース株式会社製)に実施例1及び比較例1の研磨用組成物を600mL/分の割合で供給して、5分間、シリコンウェーハの研磨を行った。用いたシリコンウェーハは、直径が300mmのP型半導体のものであり、結晶方位が(100)であった。このときの研磨条件としては、研磨圧力が0.012MPa、研磨定盤の回転速度が40rpm、キャリアの回転速度が39rpmであった。
【0049】
(欠陥数測定方法)
上記の実施例1及び比較例1について、ウェーハ欠陥検査・レビュー装置(レーザーテック株式会社製のMAGICSシリーズ M5640)を用いて、欠陥数の測定を行った。測定条件はD37mVであった。なお、欠陥数の測定方法は、後述の実施例及び比較例についても同様である。
【0050】
(ヘイズ値測定方法)
上記の実施例1及び比較例1について、ウェーハ表面検査装置(日立電子エンジニアリング株式会社製、LS6600)を用いてヘイズ値の測定を行った。なお、ヘイズ値の測定方法は、後述の実施例及び比較例についても同様である。
【0051】
このようにして測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表1に示す。なお、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例1及び比較例1の測定結果を相対値で示している。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例の評価)
実施例1と比較例1との比較より、変性PVAの含有量の一部を多価アルコール(1)に置き換えた実施例1は、欠陥数、ヘイズ値共に、著しく低減していることが分かる。変性PVAは、ウェーハの表面を保護すると共に、ウェーハの表面に濡れ性を付与する機能を有すると考えられる。これに対し、変性PVAと多価アルコールの両方を含む研磨用組成物でさらに優れた欠陥数及びヘイズ値が得られている理由としては、多価アルコールは変性PVAよりも分子量が小さいので、変性PVAよりも緻密に、ウェーハの表面を保護しているからであると考えられる。
【0054】
<評価試験2>(実施例2〜3、比較例2)
実施例2の研磨用組成物Sample2は、9.5重量%の砥粒(コロイダルシリカ)、0.27重量%の水酸化アンモニウム(NH
4OH)、0.07重量%の変性PVA、0.014重量%の多価アルコール(1)を水に配合して全体で100重量部としたものである。
【0055】
実施例3の研磨用組成物Sample3は、実施例2の研磨用組成物に配合した多価アルコール(1)の代わりに、0.014重量%の多価アルコール(2)を配合したことを除いて、実施例2と同一の組成である。
【0056】
ここで使用した多価アルコール(2)は、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドであり、分子量は774であった。
【0057】
比較例2の研磨用組成物Sample_CP2は、実施例2の研磨用組成物に配合した多価アルコール(1)の代わりに、0.014重量%のポロキサミンを配合したことを除いて、実施例2と同一の組成である。
【0058】
なお、ここでは、ポロキサミンを非イオン性界面活性剤の一例として用いた。具体的には、ポロキサミンとして、下式(4)で示される逆ポロキサミンを用いた。このポロキサミンのEO/PO比(重量比)は40/60、分子量は6900であった。
【0059】
【化4】
【0060】
実施例2〜3及び比較例2の研磨用組成物の成分を表2に示す。
【0061】
上記の実施例2〜3、比較例2及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例1及び比較例1と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表2に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例2〜3及び比較例2の測定結果を相対値で示した。
【0062】
【表2】
【0063】
(実施例の評価)
実施例2〜3及び比較例2より、実施例2及び3は、比較例2と比べて、欠陥数、ヘイズ値共に著しく低減している。このことから、砥粒、変性PVA、多価アルコール及び水酸化アンモニウムを含む研磨用組成物において、ポロキサミンが有する表面特性向上の効果よりも、多価アルコールが有する表面特性向上の効果の方が大きいことが分かる。
【0064】
実施例2と実施例3とを比較すると、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例2は、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例3よりも、欠陥数が低い。その一方で、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例3は、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例2よりも、ヘイズ値が低い。つまり、エチレン系の多価アルコールが欠陥数、プロピレン系の多価アルコールがヘイズに対して、より効果的に作用することが分かる。
【0065】
プロピレン系の多価アルコールがエチレン系の多価アルコールよりもヘイズ値に対してより効果的に作用することについては、エチレン系の化合物とプロピレン系の化合物のエッチング抑制効果の違いが影響していると考えられる。
【0066】
過去に、本発明者らは、アルカリ化合物によるエッチング抑制作用についての研究の結果、プロピレン系の化合物はエチレン系の化合物よりもエッチング抑制作用が大きいとの知見を得た。これを多価アルコールに応用して考えると、プロピレン系の多価アルコールは、エチレン系の多価アルコールよりもエッチング抑制作用が大きいと考えられる。つまり、プロピレン系の多価アルコールを含む研磨用組成物は、エチレン系の多価アルコールを含む研磨用組成物に比べて、研磨用組成物によるウェーハの表面のエッチングが進行しにくい。したがって、ウェーハの表面粗さ成分の指標であるヘイズ値が低減されると考えられる。
【0067】
エチレン系の多価アルコールがプロピレン系の多価アルコールよりも欠陥数に対してより効果的に作用することについては、研磨用組成物のウェーハ表面への吸着の度合いが直接影響していると考えられる。
【0068】
研磨用組成物のウェーハ表面への吸着力が大きくなると、一般に、機械的な研磨作用が抑制される。そのため、機械的な研磨によるウェーハ表面への傷の発生が抑制される。また、研磨用組成物がウェーハ表面に吸着してウェーハ表面を保護することにより、ウェーハの表面にパーティクルが付着するのが抑制される。一方で、研磨用組成物のウェーハ表面への吸着力が大きくなると、研磨速度が低下し、ウェーハの表面についている傷(特に、ウェーハ面に対して深くついた傷)を除去する力が弱くなる傾向がある。
【0069】
エチレン系の化合物を含む研磨用組成物と、プロピレン系の化合物を含む研磨用組成物とでは、プロピレン系の化合物を含む研磨用組成物の方がウェーハ表面への吸着力が大きい。評価試験2においては、実施例3は、実施例2の研磨用組成物よりも強くウェーハの表面に吸着し、研磨速度が低下した結果、ウェーハ表面に存在する深い傷を除去する力が低下し、実施例2よりも欠陥数が大きくなったと考えられる。
【0070】
<評価試験3>(実施例4〜6)
実施例4のSample4は、比較例2の研磨用組成物に、さらに0.0040重量%の多価アルコール(1)を配合したことを除いて、比較例2と同一の組成である。
【0071】
実施例5のSample5は、実施例4の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.0021重量%としたことを除いて、実施例4と同一の組成である。
【0072】
実施例6のSample6は、実施例5の研磨用組成物の多価アルコール(1)のの代わりに0.0021重量%の多価アルコール(2)を配合したことを除いて、実施例5と同一の組成である。
【0073】
実施例4〜6の研磨用組成物の成分を表3に示す。
【0074】
上記の実施例4〜6及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例1及び比較例1と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表3に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例4〜6の測定結果を相対値で示した。
【0075】
【表3】
【0076】
(実施例の評価)
実施例4及び5より、研磨用組成物に含まれる多価アルコール(1)の配合量が実施例5から実施例4に増加すると、欠陥数、ヘイズ値共に、低減していることが分かる。
【0077】
研磨用組成物にポロキサミンが配合された実施例5及び6を比較すると、評価試験2における実施例2及び3の比較と同様、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例5は、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例6よりも、欠陥数が低い。その一方で、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例6は、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例5よりも、ヘイズ値が低い。
【0078】
<評価試験4>(実施例7〜10)
実施例7では、実施例4で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample4を用いた。
【0079】
実施例8のSample7は、実施例7の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.002重量%とし、さらに、0.002重量%の多価アルコール(2)を配合したことを除いて、実施例7と同一の組成である。
【0080】
実施例9のSample8は、実施例7の研磨用組成物に、さらに、0.004重量%の多価アルコール(2)を配合したことを除いて、実施例7と同一の組成である。
【0081】
実施例10のSample9は、実施例9の研磨用組成物の配合成分からポロキサミンを除いたことを除いて、実施例9と同一の組成である。
【0082】
実施例7〜10の研磨用組成物の成分を表4に示す。
【0083】
(研磨条件)
上記の実施例7〜10の研磨用組成物に対し、以下の研磨条件で研磨を行った。研磨装置(SPP800S、岡本工作機械製作所製)を用い、研磨パッド(SUPREME RN−H、ニッタ・ハース株式会社製)に実施例7〜10の研磨用組成物を600mL/分の割合で供給して、3分間、シリコンウェーハの研磨を行った。用いたシリコンウェーハは、直径が300mmのP型半導体のものであり、結晶方位が(100)であった。このときの研磨条件としては、研磨荷重が0.010MPa、研磨定盤の回転速度が50rpm、キャリアの回転速度が52rpmであった。
【0084】
これらの実施例7〜10及び参照例について、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表4に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例7〜10の測定結果を相対値で示した。
【0085】
【表4】
【0086】
(実施例の評価)
多価アルコールの配合量の総和が等しい実施例7と実施例8とを比較すると、多価アルコールとして多価アルコール(1)を単独で用いる実施例7よりも、多価アルコール(1)及び多価アルコール(2)を併用する実施例8の方が、欠陥数、ヘイズ値共に大きく低減していることが分かる。
【0087】
多価アルコールとして多価アルコール(1)及び多価アルコール(2)を併用すると欠陥数及びヘイズ値がさらに低減するのは、エチレン系の多価アルコールとプロピレン系の多価アルコールとを併用することにより、エチレン系の多価アルコールが有する欠陥数の低減に対して大きく貢献する性質と、プロピレン系の多価アルコールが有するヘイズ値の低減に対して大きく貢献する性質と、の両者の特性がうまく発揮されるためであると考えられる。
【0088】
実施例8〜9より、研磨用組成物に含まれる多価アルコール(1)及び多価アルコール(2)の配合量が増加すると、ヘイズ値が低減していることが分かる。また、ここでは欠陥数は実施例8、実施例9共に同程度の値を示している。
【0089】
実施例9〜10より、研磨用組成物が2種の多価アルコールを含む場合であっても、研磨用組成物がさらにポロキサミンを含む場合には、欠陥数及びヘイズ値を低減する効果が大きくなることが分かる。
【0090】
<評価試験5>(実施例11〜16)
実施例11では、実施例8で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample7を用いた。
【0091】
実施例12のSample10は、実施例11の研磨用組成物の配合成分からポロキサミンを除いたことを除いて、実施例11と同一の組成である。
【0092】
実施例13のSample11は、実施例12の研磨用組成物の多価アルコール(2)の配合量を0.004重量%としたことを除いて、実施例12と同一の組成である。
【0093】
実施例14のSample12は、実施例12の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.004重量%としたことを除いて、実施例12と同一の組成である。
【0094】
実施例15では、実施例10で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample9を用いた。
【0095】
実施例16のSample13は、実施例12の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.010重量%とし、さらに、多価アルコール(2)の配合量を0.010重量%としたことを除いて、実施例12と同一の組成である。
【0096】
実施例11〜16の研磨用組成物の成分を表5に示す。
【0097】
上記の実施例11〜16及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例7〜10と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表5に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例11〜16の測定結果を相対値で示した。
【0098】
【表5】
【0099】
(実施例の評価)
実施例11〜12より、多価アルコールを含む研磨用組成物がさらにポロキサミンを含む場合には、欠陥数及びヘイズ値を低減する効果が大きくなることが分かる。ただし、評価試験2における実施例2〜3と比較例2との検討結果を合わせて考えると、多価アルコールとポロキサミンとでは、多価アルコールが欠陥数及びヘイズ値を低減するのに大きく寄与していると考えられる。
【0100】
実施例12〜16より、研磨用組成物が2種の多価アルコールを含む系においても、研磨用組成物に含まれる多価アルコール(1)及び多価アルコール(2)の配合量の和が増加すると、欠陥数、ヘイズ値共に、低減していることが分かる。
【0101】
多価アルコール(1)及び多価アルコール(2)の配合量の和が等しい実施例13及び14を比較すると、エチレン系の多価アルコール(1)の割合が高い実施例14は実施例13よりも欠陥数が小さく、プロピレン系の多価アルコール(2)の割合が高い実施例13は実施例14よりもヘイズ値が小さくなっていることが分かる。つまり、評価試験2の実施例2及び3における考察に沿った結果となっていることが確認された。
【0102】
<評価試験6>(実施例17〜20)
実施例17では、実施例6で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample6を用いた。
【0103】
実施例18のSample14は、実施例2の研磨用組成物に、さらに、ポロキサミンを0.014重量%配合したことを除いて、実施例2と同一の組成である。
【0104】
実施例19では、実施例5で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample5を用いた。
【0105】
実施例20のSample15は、実施例18の研磨用組成物のポロキサミンの配合量を0.021重量%としたことを除いて、実施例18と同一の組成である。
【0106】
実施例17〜20の研磨用組成物の成分を表6に示す。
【0107】
上記の実施例17〜20及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例4〜6と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表6に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例17〜20の測定結果を相対値で示した。
【0108】
【表6】
【0109】
(実施例の評価)
実施例17及び実施例19の比較より、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例19は、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例17よりも、欠陥数が低い。その一方で、プロピレンオキシド誘導体である多価アルコール(2)を含む実施例17は、エチレンオキシド誘導体である多価アルコール(1)を含む実施例19よりも、ヘイズ値が低い。
【0110】
実施例18及び20より、研磨用組成物に含まれるポロキサミンの配合量が増加すると、欠陥数、ヘイズ値共に、低減していることが分かる。
【0111】
<評価試験7>(実施例21〜26、比較例3)
実施例21のSample16は、実施例18の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.0007重量%としたことを除いて、実施例18と同一の組成である。
【0112】
実施例22では、実施例18で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample14を用いた。
【0113】
実施例23のSample17は、実施例21の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.0028重量%としたことを除いて、実施例21と同一の組成である。
【0114】
実施例24では、実施例4で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample4を用いた。
【0115】
実施例25のSample18は、実施例22の研磨用組成物のポロキサミンの配合量を0.007重量%としたことを除いて、実施例22と同一の組成である。
【0116】
実施例26では、実施例20で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample15を用いた。
【0117】
比較例3では、比較例2で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample_CP2を用いた。
【0118】
実施例21〜26及び比較例3の研磨用組成物の成分を表7に示す。
【0119】
上記の実施例21〜26、比較例3及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例4〜6と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表7に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例21〜26及び比較例3の測定結果を相対値で示した。
【0120】
【表7】
【0121】
(実施例の評価)
実施例21〜24と比較例3との比較より、ポロキサミンが配合された研磨用組成物であっても、多価アルコール(1)が配合された実施例21〜24は、比較例3と比較して、欠陥数、ヘイズ値共に、著しく低減していることが分かる。
【0122】
実施例21〜24より、研磨用組成物に含まれる多価アルコール(1)の配合量が増加すると、欠陥数、ヘイズ値共に、低減していることが分かる。
【0123】
実施例22、25及び26より、研磨用組成物に含まれるポロキサミンの配合量が増加すると、欠陥数、ヘイズ値共に、低減していることが分かる。
【0124】
<評価試験8>(実施例27〜28)
実施例27の研磨用組成物Sample19は、3.5重量%の砥粒、0.1重量%の水酸化アンモニウム(NH
4OH)、0.1重量%の変性PVA、0.02重量%の多価アルコール(2)、及び0.01重量%のポロキサミンを水に配合して全体で100重量部としたものである。
【0125】
実施例28のSample20は、実施例27の研磨用組成物の砥粒の配合量を9.0重量%としたことを除いて、実施例27と同一の組成である。
【0126】
実施例29〜30の研磨用組成物の成分を表8に示す。
【0127】
(研磨条件)
上記の実施例29〜30の研磨用組成物に対し、以下の研磨条件で研磨を行った。研磨装置(SPP800S、岡本工作機械製作所製)を用い、研磨パッド(SUPREME RN−H、ニッタ・ハース株式会社製)に実施例27〜28の研磨用組成物を600mL/分の割合で供給して、4分間、シリコンウェーハの研磨を行った。用いたシリコンウェーハは、直径が300mmのP型半導体のものであり、結晶方位が(100)であった。このときの研磨条件としては、研磨荷重が0.012MPa、研磨定盤の回転速度が40rpm、キャリアの回転速度が39rpmであった。
【0128】
これらの実施例27〜28及び参照例について、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表8に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例27〜28の測定結果を相対値で示した。
【0129】
【表8】
【0130】
(実施例の評価)
実施例27〜28より、研磨用組成物に含まれる砥粒の配合量が増加すると、欠陥数が増加していることが分かる。これは、砥粒の量が多くなることによって、砥粒によってつけられるウェーハ表面の傷が多くなるからであると考えられる。一方、砥粒の配合量が増加しても、ヘイズ値はほとんど変化しない。
【0131】
<評価試験9>(実施例29〜34、比較例4)
実施例29では、実施例2で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample2を用いた。
【0132】
実施例30のSample21は、実施例29の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.007重量%とし、さらに、0.007重量%のポロキサミンを配合したことを除いて、実施例29と同一の組成である。
【0133】
実施例31のSample22は、実施例30の研磨用組成物の多価アルコール(1)の配合量を0.004重量%とし、さらに、ポロキサミンの配合量を0.010重量%としたことを除いて、実施例30と同一の組成である。
【0134】
実施例32では、実施例4で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample4を用いた。
【0135】
実施例33のSample23は、実施例30の研磨用組成物の水酸化アンモニウム(NH
4OH)の配合量を0.50重量%としたことを除いて、実施例30と同一の組成である。
【0136】
実施例34のSample24は、実施例31の研磨用組成物の水酸化アンモニウム(NH
4OH)の配合量を0.50重量%としたことを除いて、実施例31と同一の組成である。
【0137】
比較例4では、比較例2で用いたものと同一成分の研磨用組成物Sample_CP2を用いた。
【0138】
実施例29〜34及び比較例4の研磨用組成物の成分を表9に示す。
【0139】
上記の実施例29〜34、比較例4及び参照例の研磨用組成物に対し、実施例4〜6と同一の研磨条件で研磨を行った。そして、欠陥数及びヘイズ値の測定を行った。測定した欠陥数及びヘイズ値の結果を、表9に示す。ここでは、参照例の欠陥数及びヘイズ値の測定結果を100として、実施例29〜34及び比較例4の測定結果を相対値で示した。
【0140】
【表9】
【0141】
(実施例の評価)
多価アルコール(1)及びポロキサミンの配合量の和が0.014重量%である実施例29、30及び比較例4を比較すると、多価アルコールを含んだ研磨用組成物である実施例29、30は、多価アルコールを含まない比較例4と比べて、欠陥数、ヘイズ値共に著しく低減していることが分かる。
【0142】
多価アルコール(1)及びポロキサミンの配合量の和が等しい実施例29、30を比較すると、ポロキサミンを含まない実施例29に比べ、ポロキサミンを含む実施例30は欠陥数及びヘイズ値が低減していることが分かる。
【0143】
実施例31及び32によれば、研磨用組成物におけるポロキサミンの配合量が実施例31よりも多い実施例32は、欠陥数及びヘイズ値が低減していることが分かる。
【0144】
実施例30及び実施例33の比較、並びに実施例31及び実施例34の比較から、研磨用組成物に含まれる水酸化アンモニウムの含有量が大きくなると、欠陥数及びヘイズ値が大きくなることが分かる。これは、水酸化アンモニウムの量が多くなると、水酸化アンモニウムによるシリコンウェーハのエッチング力が大きくなり、ウェーハの表面の荒れが生じたことが原因であると考えられる。
【0145】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。