(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856565
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】光学電力伝送を実行するシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/30 20160101AFI20210329BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20210329BHJP
H04B 10/80 20130101ALI20210329BHJP
【FI】
H02J50/30
H02J50/80
H04B10/80
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-30861(P2018-30861)
(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-137980(P2018-137980A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2020年3月18日
(31)【優先権主張番号】15/440,000
(32)【優先日】2017年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
【審査官】
辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0197578(US,A1)
【文献】
特開2001−025180(JP,A)
【文献】
特開2016−123179(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0218553(US,A1)
【文献】
特開平06−117678(JP,A)
【文献】
特開2016−177832(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/121618(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00−50/90
H04B 10/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
電力伝送装置であって、
前記電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源であって、前記電力伝送装置が、チャネルを介して前記電力伝送装置の二次側に光エネルギを伝送するように構成されている、光エネルギ供給源、並びに、
前記光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換して電気負荷に電力を供給するように構成された前記電力伝送装置の前記二次側の光エネルギレシーバ、
を含む電力伝送装置と、
少なくとも一つのマイクロコントローラを含む制御回路であって、該マイクロコントローラが、
前記電気負荷の電圧及び電力特性を判定し、
前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成し、且つ、
前記電力伝送装置の前記一次側から前記二次側への電力伝送を制御する、
ように構成された制御回路と、
を具備し、
前記光エネルギレシーバは、最大電力点追従(MPPT)曲線を有する光電池であり、前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上のピーク電力点よりも前記電気負荷の動作電圧を優先させる、
システム。
【請求項2】
前記光エネルギトランスミッタは、レーザ、発光ダイオード(LED)、又は銅光エミッタのうちの少なくとも一つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チャネルは、前記光エネルギトランスミッタの検知された特性を検出するように構成された較正センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御回路は、前記較正センサによる前記光エネルギトランスミッタの前記検知された特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを変更するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線及び前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを変更するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上の前記ピーク電力点に対応するように、前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを変更するべく更に構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上の前記ピーク電力点よりも前記電気負荷の前記動作電圧を優先させるように、前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを判定するべく更に構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記電力伝送装置の前記二次側は、前記電気負荷の前記電圧及び電力特性を検出するように構成された少なくとも一つのセンサ装置を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも一つのセンサ装置は、前記電気負荷と並列に接続された電圧センサを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御回路は、前記少なくとも一つのセンサ装置において検出された前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの強度を変更するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御回路は、前記少なくとも一つのセンサ装置において検出された前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギ供給源によって前記光エネルギトランスミッタに供給される電流を変更するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記電力伝送装置の前記一次側は、前記電力伝送装置の前記二次側から隔離されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
方法であって、
電力伝送装置の電気負荷の電圧及び電力特性を判定するステップであって、前記電力伝送装置は、前記電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源を有し、前記電力伝送装置は、チャネルを介して前記電力伝送装置の二次側に光エネルギを伝送するように構成され、前記電力伝送装置の前記二次側の光エネルギレシーバは、前記光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換して前記電気負荷に電力を供給するように構成されている、ステップと、
前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成するステップと、
前記電力伝送装置の前記一次側から前記二次側への電力伝送を制御するステップと、
を具備し、
前記光エネルギレシーバは、最大電力点追従(MPPT)曲線を有する光電池であり、前記電気負荷の動作電圧が、前記光電池の前記MPPT曲線上のピーク電力点よりも優先される、
方法。
【請求項14】
回路によって実行された際に前記回路が請求項13に記載の方法を実行するようにする実行可能命令を含む、一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項15】
システムであって、
制御回路であって、
電力伝送装置の電気負荷の電圧及び電力特性を判定し、前記電力伝送装置は、前記電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源を有し、前記電力伝送装置は、チャネルを介して前記電力伝送装置の二次側に光エネルギを伝送するように構成され、前記電力伝送装置の前記二次側の光エネルギレシーバは、前記光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換して前記電気負荷に電力を供給するように構成されており、
前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成し、且つ、
前記電力伝送装置の前記一次側から前記二次側への電力伝送を制御する、
ように構成された制御回路、
を具備し、
前記光エネルギレシーバは、最大電力点追従(MPPT)曲線を有する光電池であり、前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上のピーク電力点よりも前記電気負荷の動作電圧を優先させる、
システム。
【請求項16】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線及び前記電気負荷の前記電圧及び電力特性に基づいて前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを変更するように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上の前記ピーク電力点に対応するように、前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを変更するべく更に構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御回路は、前記光電池の前記MPPT曲線上の前記ピーク電力点よりも前記電気負荷の前記動作電圧を優先させるように、前記光エネルギトランスミッタの前記動作パラメータを判定するべく更に構成されている、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
エネルギは、光学電力伝送技法を使用することにより、電源から電気負荷に伝送することができる。Mahbobi に対する下記の特許文献1は、媒体の他側に位置するマッチングした太陽電池アレイを照射する光源を使用することにより、ガラスなどの透明な又は半透明な媒体に跨るDC電力の伝送を許容する装置について記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第7079722号明細書
【発明の概要】
【0003】
例示用の一実装形態においては、システムは、光エネルギをチャネルを介して電力伝送装置の二次側に伝送するように構成された電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源を有する電力伝送装置を含む。電力伝送装置の二次側の光エネルギレシーバは、光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換するように構成され、この場合に、電気エネルギは、電力を電気負荷に対して供給するように構成されている。又、システムは、電気負荷の電圧及び電力特性を判定し、電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成し、且つ、電力伝送装置の一次側から二次側への電力伝送を制御するように構成された制御回路をも含む。
【0004】
光エネルギトランスミッタは、レーザ、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、又は銅光エミッタ(copper photo-emitter)のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0005】
チャネルは、光エネルギトランスミッタの検知された特性を検出するように構成された較正センサを含むことができる。システムは、較正センサによる光エネルギトランスミッタの検知された特性に基づいて、トランスミッタの動作パラメータを変更するように、構成することができる。
【0006】
光エネルギレシーバは、光電池であってもよい。システムは、光電池の最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)曲線及び電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて、光エネルギトランスミッタの動作パラメータを変更するように、構成することができる。又、システムは、光電池のMPPT曲線上のピーク電力点に対応するように、光エネルギトランスミッタの動作パラメータを変更するべく、構成することもできる。又、システムは、光電池のMPPT曲線上のピーク電力点よりも電気負荷の動作電圧を優先させるように、光エネルギトランスミッタの動作パラメータを判定するべく、構成することもできる。
【0007】
又、電力伝送装置の二次側は、電気負荷の電圧及び電力特性を検出するように構成された少なくとも一つのセンサ装置を含むこともできる。少なくとも一つのセンサ装置は、電気負荷と並列に接続された電圧センサを含むことができる。システムは、少なくとも一つのセンサ装置において検出された電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギトランスミッタの強度を変更するように構成することができる。又、システムは、少なくとも一つのセンサ装置において検出された電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギ供給源によって光エネルギトランスミッタに供給される電流を変更するように構成することもできる。
【0008】
電力伝送装置の一次側は、電力伝送装置の二次側から隔離することができる。
【0009】
別の例示用の実装形態においては、プロセスは、光エネルギをチャネルを介して電力伝送装置の二次側に伝送するように構成された電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源と、光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換するように構成された電力伝送装置の二次側の光エネルギレシーバと、を有する電力伝送装置の電気負荷の電圧及び電力特性を判定するステップであって、電気エネルギは、電気負荷に電力を供給するように構成されている、ステップと、電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成するステップと、電力伝送装置の一次側から二次側への電力伝送を制御するステップと、を含む。一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体は、回路によって実行された際に、回路がプロセスを実行するようにする実行可能命令を含むことができる。
【0010】
別の例示用の実装形態においては、システムは、光エネルギをチャネルを介して電力伝送装置の二次側に伝送するように構成された電力伝送装置の一次側の光エネルギトランスミッタに接続された光エネルギ供給源と、光エネルギトランスミッタからの受け取られた光エネルギを電気エネルギに変換するように構成された電力伝送装置の二次側の光エネルギレシーバと、を有する電力伝送装置の電気負荷の電圧及び電力特性を判定し、電気エネルギは、電力を電気負荷に供給するように構成され、電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギトランスミッタの動作パラメータを構成し、且つ、電力伝送装置の一次側から二次側への電力伝送を制御するように構成された制御回路を含む。
【0011】
光エネルギレシーバは、光電池であってもよい。システムは、光電池の最大電力点追従(MPPT)曲線及び電気負荷の電圧及び電力特性に基づいて光エネルギトランスミッタの動作パラメータを変更することができる。又、システムは、光電池のMPPT曲線上のピーク電力点に対応するように、光エネルギトランスミッタの動作パラメータを変更することもできる。システムは、光電池のMPPT曲線上のピーク電力点よりも電気負荷の動作電圧を優先させるように、光エネルギトランスミッタの動作パラメータを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面との関連において、以下の詳細な説明を参照することにより、その理解が進むことから、本開示及びその付随する利点の多くについて容易に更に十分に理解することができよう。
【0013】
【
図1】
図1は、光電池の最大電力点追従(MPPT)曲線の例示用のグラフである。
【
図2】
図2は、光学電力伝送装置の例示用の概略図である。
【
図3】
図3は、様々な光供給源強度のMPPT曲線の例示用のグラフである。
【
図4】
図4は、光学電力伝送プロセスの例示用のフローチャートである。
【
図5】
図5は、DC−DCコンバータを含む電力システムの動作を示す。
【
図6】
図6は、光学電力伝送装置を含む電力システムの動作を示す。
【
図7】
図7は、コントローラ及び/又はコンピュータシステムなどの処理システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面においては、同一の参照符号は、いくつかの図の全体を通じて、同一の又は対応する部分を表記している。更には、本明細書において使用されている「一つの(a)」及び「一つの(an)」という単語、並びに、これらに類似したものは、一般に、そうではない旨が記述されていない限り、「一つ又は複数の(one or more)」の意味を有する。添付図面は、一般に、そうではない旨が記述されていない限り、或いは、概略的な構造又はフローチャートを示していない限り、正確な縮尺において描画されている。
【0015】
本開示の態様は、光学電力伝送装置を対象としている。従来のDC−DCコンバータとは異なり、本明細書において記述されている光学電力伝送装置は、スイッチ又は変圧器の使用を伴うことなしに、エネルギを電源から電気負荷に伝送しており、その結果、損失が低減される。これに加えて、光学電力伝送装置の一次側は、光学電力伝送装置の二次側の光パワーレシーバとして動作するように構成された光電池に対して電力を伝送する可変強度光源を含む。これに加えて、本明細書において記述されている光学電力伝送装置の一次側は、光学電力伝送装置の二次側から完全に隔離することができる。
【0016】
いくつかの実装形態においては、光学電力供給源によって出力される光の強度は、光電池と関連する最大電力点追従(MPPT)曲線のみならず、電気負荷の電圧及び電力特性にも基づいている。例えば、
図1は、光電池における受け取られた光の強度に基づいた光電池のMPPT曲線の例示用のグラフ100である。いくつかの実装形態においては、光パワー供給源は、出力電圧がピーク電力動作点102に対応する既定の強度において光エネルギを出力するように構成されている。
【0017】
図2は、光学電力伝送装置200の例示用の概略図である。光学電力伝送装置200は、光チャネル204の両側において、一次側及び二次側を含むことができる。光学電力伝送装置200の一次側は、光学電力伝送装置200の二次側に対して光チャネル204を通じて光エネルギを伝送する光エネルギトランスミッタ206に対して電力を供給する光エネルギ供給源202を含む。いくつかの実装形態においては、光エネルギ供給源202は、電源と関連した電流供給源である。例えば、電気車両(EV:Electric Vehicle)内の電池セルなどの電源は、光エネルギトランスミッタ206によって出力される既定の強度に対応した電流を光エネルギトランスミッタ206に対して出力する光エネルギ供給源202であってもよい。いくつかの実装形態においては、光エネルギトランスミッタ206は、レーザ、発光ダイオード(LED)、銅光エミッタ、又は任意のその他のタイプの光エネルギエミッタであってもよい。
【0018】
いくつかの実装形態においては、光パワーレシーバ210は、光エネルギトランスミッタ206によってチャネル204に跨って伝送された光エネルギを受け取る光電池(PVセル)である。PVセルは、負荷206と関連した既定電圧に対応するピーク電力点を有する既定の強度のMPPT曲線を有するように構成することができる。負荷が、可変電圧負荷である場合には、既定電圧は、負荷と関連した平均、最小、最大、又は任意のその他の電圧に対応し得る。又、これに加えて、PVセルは、PVセル210と関連したMPPT曲線が、光エネルギトランスミッタ206によって伝送される既定の強度に対応するように構成することもできる。例えば、光パワーレシーバ210のPVセルは、光エネルギトランスミッタ206及び/又は光エネルギ供給源202の最大効率動作点に対応する特定の強度と関連したMPPTを有するように構成することができる。又、光パワーレシーバ210のPVセルは、光学電力伝送装置200内において封入されていることから、PVセルは、環境の影響に対して曝露されてはおらず、この結果、太陽環境において太陽エネルギを収集しているPVセルよりも安定した動作特性が得られる。いくつかの実装形態においては、光パワーレシーバ210は、フォトダイオード、フォトレジスタ、及びこれらに類似したものなどの、光エネルギを電気エネルギに変換し得る別のタイプの装置であってもよい。
【0019】
又、光学電力伝送装置200の二次側は、負荷216における電圧及び電力特性を検出するように構成された少なくとも一つのセンサ214を含むこともできる。いくつかの実装形態においては、少なくとも一つのセンサ214は、負荷における電圧を検出する、負荷216と並列に接続された電圧センサであってもよい。但し、少なくとも一つのセンサ214は、電流センサ又は任意のその他のタイプのセンサを含むこともできる。いくつかの態様においては、センサ214において検知された電圧は、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を変更するべく、使用されている。いくつかの実装形態においては、負荷電圧とセンサ214における検知された電圧との間の差に基づいて光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を変更するべく、光エネルギ供給源202によって出力される電流を変更するための制御信号を出力するコントローラにより、フィードバック信号212が提供されている。例えば、検知された電圧が既定値を超えて負荷電圧を上回っている場合には、コントローラは、光エネルギ供給源202によって出力される電流を低減するための制御信号を出力することが可能であり、この制御信号は、次いで、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度が低減されるようにする。同様に、検知された電圧が、既定値を超えて負荷電圧を下回っている場合には、コントローラは、光エネルギ供給源202によって出力される電流を増大させるための制御信号を出力することが可能であり、この制御信号は、次いで、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度が増大するようにする。又、コントローラは、光学電力伝送装置200のコンポーネントの誤動作又は障害を検出するべく、少なくとも一つのセンサ214によって取得されたセンサデータを使用することもできる。
【0020】
いくつかの例においては、光学電力伝送装置200の一次側と二次側との間のチャネル204は、光エネルギ供給源202及び/又は光エネルギトランスミッタ206の特性を検出するように構成された較正センサ208を含む。較正センサ208は、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、及びこれらに類似したものなどの、任意のタイプの光エネルギセンサであってもよい。いくつかの実装形態においては、較正センサ208は、光エネルギトランスミッタ206によってチャネル204内に伝送される光エネルギの量を較正するように、使用することができる。例えば、コントローラは、較正センサ208から光エネルギ強度センサデータを受け取ることが可能であり、コントローラは、このデータを使用することにより、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を変更するかどうかを判定することができる。又、較正センサ208は、コンポーネントの誤動作及び/又は障害を検出するべく、使用することもできる。例えば、較正センサ208は、較正センサ208及び/又はセンサ214から受け取ったセンサデータに基づいてコンポーネント障害を一次側又は二次側に隔離するべく、コントローラのみにより、或いは、センサ214との関連において、使用することができる。
【0021】
光エネルギ供給源202によって出力される供給電流、光エネルギトランスミッタ206によって出力される強度、及び光学電力伝送装置200のその他の動作特性は、コントローラと関連した動作を実行する一つ又は複数の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)又は類似の回路により、制御することができる。例えば、センサは、電池の電荷状態(SOC:State Of Charge)、電圧、及びこれらに類似したものを検知し得る電気車両(EV)の電池セル内において設置することができる。一実装形態においては、ECUは、センサデータを処理することが可能であり、電池のSOC情報をユーザに対して表示することが可能であり、且つ、電力伝送動作のために光学電力伝送装置200を調節するアクチュエータに制御信号を伝送することができる。ECUは、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度のみならず、その他のコンポーネントの動作特性をも制御することにより、光学電力伝送装置200によって伝送される電力の値を制御することができる。又、ECUは、ユーザからの入力によって判定された機能を実行するべく、光学電力伝送装置200を調節することもできる。
【0022】
特定の実装形態においては、光学電力伝送装置200は、電源から電気負荷に電力を伝送するべく、車両の電気システム内において設置することができる。いくつかの実装形態においては、車両内の電気コンポーネントは、実行されている用途に応じて、電源又は電気負荷として機能することができる。例えば、電気車両内の電池セルは、車両がプラグを介してACコンセントに接続されている際には、充電動作において電気負荷として機能することができる。その一方で、電池セルは、電池セルの均衡化の際には、電源として機能することもできる。
【0023】
図3は、光パワーレシーバ210として機能するPCセルの様々な光エネルギ供給源強度におけるMPPT曲線の例示用のグラフ300である。グラフ300は、ピーク電力点において依然として動作しつつ、光学電力伝送装置200の二次側の負荷が受け取る電圧を変更するべく、光源によって伝送される光エネルギの強度を変更し得る方式を示す光学電力伝送装置200の電力−電圧動作曲線のうちのPVセルのMPPT曲線302及び304を含む。例えば、MPPT曲線302は、MPPT曲線304と関連付けられた第二強度を上回る光エネルギの第一強度と関連付けられている。これに加えて、ピーク電力点302aがMPPT曲線302と関連付けられており、且つ、ピーク電力点304aがMPPT曲線304と関連付けられている。いくつかの例においては、光学電力伝送装置200の二次側において受け取られる電圧の値は、負荷216に供給される電力の値が増大している間にも、一定に留まっている。光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度は、負荷216における受け取られた電圧が、MPPT曲線302、304のうちの一方の曲線のピーク電力点における動作よりも優先され、その結果、MPPT曲線上の動作電圧点が、ピーク電力点の電圧よりもわずかに大きくなる又は小さくなるようにシフトされ得るように、制御することができる。
【0024】
いくつかの実装形態においては、センサ214における検知された電圧の増大又は減少の検知に応答して、コントローラは、関連したMPPT曲線のピーク電力点において依然として動作しつつ、負荷216における受け取られる電圧を変更するべく、光エネルギ供給源202からの供給電流を介して、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を増大又は減少させることができる。例えば、光エネルギトランスミッタ206によって出力される強度がMPPT曲線304に対応しており、且つ、センサ214が、受け取られた電圧の低減を検知し、且つ/又は、負荷電圧が増大した場合には、コントローラは、光エネルギトランスミッタ206によって出力される強度が、MPPT曲線304よりも高い電圧においてピーク電力点を有するMPPT曲線302に対応するように、光エネルギ供給源202によって出力される供給電流を増大させるための制御信号を電源に発行することができる。
【0025】
図4は、光学電力伝送プロセス400の例示用のフローチャートである。光学電力伝送プロセス400は、一つ又は複数のECUにより、或いは、本明細書において記述されているコントローラの機能を実行する類似の回路により、制御することができる。EV電力伝送システムの一つ又は複数の電池セル又はその他の電気コンポーネント内において設置されたセンサは、電池のSOC、電圧、電流、及びこれらに類似したものを検知することができる。ECUは、センサデータを処理することが可能であり、電力モジュール情報をユーザに対して表示することが可能であり、且つ、電気コンポーネントに対する連続的な電力を維持するようにEV電力伝送システムを調節するアクチュエータに制御信号を伝送することができる。いくつかの実装形態においては、アクチュエータは、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度のみならず、光学電力伝送装置200のその他のコンポーネントの動作特性をも制御するための制御信号を伝送している。又、ECUは、EV電力伝送システム内の一つ又は複数の供給源及び/又は負荷の間において電力伝送を実行するべく、複数の光学電力伝送装置を調節することもできる。これに加えて、光学電力伝送プロセス400は、本明細書においては、光学電力伝送装置200との関係において記述されているが、プロセス400は、その他の光学電力伝送装置構成にも適用され得ることを理解されたい。
【0026】
ステップ402において、コントローラにより、負荷216の電圧及び/又は電力需要が判定されている。いくつかの実装形態においては、負荷216は、一定電圧を有することもできるが、可変電圧特性を有することもできる。光学電力伝送装置200の二次側は、異なる電圧及び電力特性を有する複数の負荷に電力を供給することができる。例えば、光学電力伝送装置200は、電池セルから、パワーステアリング、ヒーター、ブレーキ、及びそれぞれが様々な電圧において動作するその他のタイプの車両負荷などの、電気負荷に電力を供給することができる。動作している負荷及び所与の時点に基づいて、負荷216の電圧及び電力特性は、変化し得る。いくつかの実装形態においては、コントローラは、光学電力伝送装置200と関連した負荷のそれぞれから受け取った状態信号に基づいて、負荷216の電力及び電圧特性を判定している。状態信号は、負荷が使用中であるのか又はスタンバイ状態にあるのかのみならず、負荷と関連した動作パラメータ(例えば、電圧、電流、及び電力需要)を含むこともできる。
【0027】
ステップ404において、コントローラは、光学電力伝送装置200の一次側と二次側との間のチャネル204内において設置された較正センサ208からの較正データのみならず、光学電力伝送装置200の二次側のセンサ214からのセンサデータをも受け取っている。又、光学電力伝送装置200の二次側は、負荷216における電圧及び/又は電力特性を検出するように構成された少なくとも一つのセンサ214を含むこともできる。いくつかの実装形態においては、少なくとも一つのセンサ214は、負荷における電圧を検出する、負荷216と並列に接続された電圧センサであってもよい。但し、少なくとも一つのセンサ214は、電流センサ又は任意のその他のタイプのセンサを含むこともできる。いくつかの態様においては、センサ214において検知された電圧は、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を変更するべく、使用されている。
【0028】
いくつかの例においては、光学電力伝送装置200の一次側と二次側との間のチャネル204は、光エネルギ供給源202及び/又は光エネルギトランスミッタ206の特性を検出するように構成された較正センサ208を含む。較正センサ208は、フォトレジスタ、光電池、及びこれらに類似したものなどの、任意のタイプの光エネルギセンサであってもよい。いくつかの実装形態においては、較正センサ208は、光エネルギトランスミッタ206によってチャネル204内に伝送される光エネルギの値を較正するために、光パワートランスミッタ206の動作パラメータのみならず、光学電力伝送装置200のその他の動作パラメータをも変更するべく、使用することができる。
【0029】
ステップ406において、コントローラは、光エネルギトランスミッタ202から負荷216への電力伝送を制御している。いくつかの態様においては、コントローラは、較正センサ208及び/又はセンサ214から受け取ったセンサデータのみならず、負荷216の電力及び電圧特性にも基づいて、光エネルギ供給源202及び光エネルギトランスミッタ206の動作パラメータを判定している。いくつかの実装形態においては、負荷電圧とセンサ214における検知された電圧との間の差に基づいて光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度を変更するべく、光エネルギ供給源202によって出力される電流を変更するための制御信号を出力するコントローラにより、フィードバック信号212が提供されている。例えば、検知された電圧が、既定値を超えて負荷電圧を上回っている場合には、コントローラは、光エネルギ供給源202によって出力される電流を低減するための制御信号を出力することが可能であり、この制御信号は、次いで、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度が低減されるようにする。同様に、検知された電圧が、既定値を超えて負荷電圧を下回っている場合には、コントローラは、光エネルギ供給源202によって出力される電流を増大させるための制御信号を出力することが可能であり、この制御信号は、次いで、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度が増大するようにする。又、コントローラは、光学電力伝送装置200のコンポーネントの誤動作又は障害を検出するべく、少なくとも一つのセンサ214によって取得されたセンサデータを使用することもできる。
【0030】
又、これに加えて、較正センサ208から受け取った光エネルギ強度センサデータは、光エネルギトランスミッタ206によって放出される光エネルギの強度を変更するかどうかを判定するべく、コントローラによって使用することもできる。又、較正センサ208は、コンポーネントの誤動作及び/又は障害を検出するべく、使用することもできる。例えば、較正センサ208は、較正センサ208及び/又はセンサ214から受け取ったセンサデータに基づいてコンポーネントの障害を一次側又は二次側に隔離するべく、コントローラのみにより、或いは、センサ214との関連において、使用することができる。
【0031】
図5及び
図6は、二つのタイプの電力伝送装置の用途を示している。例えば、
図5は、スイッチングDC−DCコンバータ502を含むオーディオ装置用の電力システム500の動作を示し、且つ、
図6は、光学電力伝送装置200などの、光学電力伝送装置602を含むオーディオ装置用の電力システム600の動作を示している。
【0032】
図5に示されているように、DC−DCコンバータ502は、商用電力タップ504をオーディオ装置の電力増幅器506に接続している。グラフ508は、電力タップ504からDC−DCコンバータ502への入力電圧を示し、且つ、グラフ510は、DC−DCコンバータ502から増幅器506への出力電圧を示している。グラフ510内の出力電圧曲線は、DC−DCコンバータ502のスイッチングノイズに対応するいくつかのスパイクを有する。スイッチングに起因したスパイクを出力電圧曲線から除去するべく、フィルタを電力システム500内において設置することが可能であるが、この結果、電力システム500の更なる空間が占有され、且つ、費用が増大することになる。
【0033】
図6を参照すれば、光学電力伝送装置602は、商用電力タップ604をオーディオ装置の電力増幅器606に接続している。グラフ608は、電力タップ604からDC−DCコンバータ602への入力電圧を示し、且つ、グラフ610は、DC−DCコンバータ602から増幅器606への出力電圧を示している。光学電力伝送装置602は、スイッチを含んではおらず、且つ、従って、スイッチングノイズを経験しないことから、グラフ610内の出力電圧曲線は、スイッチングDC−DCコンバータ実装形態のグラフ510の出力電圧曲線のように、スイッチングノイズスパイクを含んではいない。
【0034】
本開示の態様は、従来のスイッチング電力変換装置が経験しているスイッチング及びワイヤ損失を経験することなしに、光学電力伝送装置の一次側と二次側との間の完全な隔離を提供する光学電力伝送装置を対象としている。これに加えて、光学電力伝送装置は、光エネルギトランスミッタから出力される光エネルギの強度を変更することにより、光学電力伝送装置の一次側から二次側に伝送される電力の値を変更することができる。
【0035】
本明細書において図示及び記述されているコンピュータアーキテクチャのブロック又は回路(即ち、回路要素)は、単一処理システム内において、或いは、複数の処理システムに跨って分散した状態において、実装することが可能であり、これらの処理システムは、別個のプロセッサ又は回路と呼称され得る。例えば、アーキテクチャのブロックのそれぞれは、別個のプロセッサ、システム、又は論理コンポーネントであってもよい。更には、例示用の機能又は特徴は、共通回路により、或いは、特定の命令を実行する汎用プロセッサにより、実行することができる。
【0036】
図7は、例示用の処理システム(即ち、例示用のプロセッサ又は回路)を示している。このような処理システムのうちの一つ又は複数は、本明細書において提供されている説明に従って、一つ又は複数のアルゴリズム又はその一部分、或いは、一つ又は複数のアーキテクチャブロック又はその一部分、の内部において利用することが可能であり、或いは、これらを実行するべく、利用することができる。システムは、車両内に設置された電子制御ユニット(ECU)又は別個のコンピュータとして実施及び/又は実装することができる。
【0037】
例示用の処理システムは、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)及び/又は少なくとも一つの用途固有のプロセッサASP(Application Specific Processor:図示されてはいない)などの、一つ又は複数のマイクロプロセッサ又は均等物を使用して実装することができる。マイクロプロセッサは、本開示のプロセス及びシステムを実行及び/又は制御するべくマイクロプロセッサを制御するように構成された、メモリ回路(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、スタティックメモリ、DRAM、SDRAM、及びこれらの均等物)などの、コンピュータ可読ストレージ媒体を利用する回路である。その他のストレージ媒体は、ハードディスクドライブ又は光ディスクドライブを制御することができる、ディスクコントローラなどの、コントローラを介して制御することができる。
【0038】
マイクロプロセッサ及びその態様は、代替実装形態においては、本開示を増強する又は完全に実装する論理装置を含むことが可能であり、或いは、これのみを含むことができる。このような論理装置は、限定を伴うことなしに、用途固有の集積回路(ASIC:Application-Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、ジェネリックロジックアレイ(GAL:Generic-Array of Logic)、及びこれらの均等物を含む。マイクロプロセッサは、別個の装置又は単一の処理メカニズムであってもよい。更には、本開示は、マルチコア型CPUの並列処理能力の利益を享受することもできる。又、メモリ内に収容された命令のシーケンスを実行するべく、マルチプロセッシング構成において一つ又は複数のプロセッサによって提供される制御回路を利用することもできる。或いは、この代わりに、ソフトウェア命令の代わりに、或いは、これとの組合せにおいて、配線接続された回路を使用することもできる。従って、本明細書において記述されている例示用の実装形態は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されるものではない。
【0039】
別の態様においては、本開示による処理の結果は、表示コントローラを介してモニタに表示することができる。表示コントローラは、好ましくは、少なくとも一つのグラフィック処理ユニットを含み、グラフィック処理ユニットは、改善された演算効率を目的として、複数のグラフィクス処理コアによって提供することができる。又、表示コントローラ又はその一部分をCPUに内蔵することもできる。これに加えて、マイクロフォン、スピーカ、カメラ、マウス、キーボード、接触に基づいたディプレイ又はパッドインタフェースなどから信号及び/又はデータを入力するべく、I/O(入出力)インタフェースが提供されており、これらの装置は、周辺装置として、I/Oインタフェースに接続することができる。例えば、更なる機能及び構成選択肢を提供するべく、或いは、表示特性を制御するべく、本開示の様々なプロセス又はアルゴリズムのパラメータを制御するためのキーボード又はポインティング装置をI/Oインタフェースに接続することができる。更には、モニタには、コマンド/命令インタフェースを提供するための接触感知又はジェスチャ検出インタフェースを提供することもできる。
【0040】
例示用の一実装形態においては、センサ1、2...Nからセンサデータを入力するべく、I/Oインタフェースが提供されている。センサは、電池電圧センサ、温度センサ、電流センサ、又はスイッチの開閉を検出し得るセンサを含むことができる。データをI/Oインタフェースに入力するその他のセンサは、速度センサ、加速度センサ、操向センサ、ジャイロスコープセンサ、及びこれらに類似したものを含むことができる。これに加えて、I/Oインタフェースは、隔離されたDC−DC電力変換回路120及び分散された電力システムの構成をユーザが制御できるようにする一つ又は複数のコントローラからデータを入力するためにも提供されている。例えば、ユーザは、光学電力伝送装置の光エネルギトランスミッタ206の既定の強度をセットアップするべく、コントローラを使用することができる。又、I/Oインタフェースは、様々な作動型のコンポーネントを制御するべく、一つ又は複数のアクチュエータに制御信号を出力するためのインタフェースを提供することもできる。いくつかの実装形態においては、アクチュエータは、光エネルギ供給源202によって出力される供給電流を制御するための制御信号を送信しており、この制御信号は、光エネルギトランスミッタ206によって出力される光エネルギの強度が、供給電流の変化に応答して、増大又は減少するようにする。
【0041】
又、I/Oインタフェースは、スマートフォン及び/又は携帯型ストレージ装置などの、モバイル装置に接続することもできる。I/Oインタフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)ハブ、Bluetooth回路、近距離通信(NFC:Near Field Communication)回路、又はその他の有線又は無線通信回路を含むことができる。いくつかの態様においては、モバイル装置は、センサ入力、ナビゲーション入力、及び/又はネットワークアクセスを提供することができる。
【0042】
上述のコンポーネントは、制御可能なパラメータを含むデータの送信又は受信用のネットワークインタフェースを介して、インターネット又はローカルイントラネットなどの、ネットワークに結合することができる。ネットワークインタフェースは、一つ又は複数のIEEE802準拠回路を含むことができる。中央バスが、上述のハードウェアコンポーネント/回路を一つに接続するべく、提供されており、且つ、これらの間のデジタル通信用の少なくとも一つの経路を提供している。
【0043】
処理システムは、ネットワーク接続されたデスクトップコンピュータ、端末、或いは、タブレットコンピュータ又は携帯電話機などのパーソナル装置であってもよい。上述のデータベースは、サーバ上においてリモート保存されてもよく、且つ、サーバは、処理システムに類似した又はこれと同一のコンポーネントを含むことができる。これらの装置は、ネットワークを介して通信することができる。
【0044】
オペレーティングシステム又はアプリケーションなどの適切なソフトウェアは、メモリ及びストレージ装置を含む、処理システムのコンピュータ可読媒体上において有体の方式によって保存することができる。コンピュータ可読媒体のその他の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピーディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、又は任意のその他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、或いは、コンピュータが判読可能である任意のその他の媒体である。ソフトウェアは、限定を伴うことなしに、装置ドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェア、及び/又はグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。
【0045】
上述の媒体上のコンピュータコード要素は、限定を伴うことなしに、スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL:Dynamic Link Library)、Javaクラス、及び完全な実行可能プログラムを含む、任意の解釈可能又は実行可能なコードメカニズムであってもよい。更には、本開示の態様の処理の一部分は、相対的に良好な性能、信頼性、及び/又は費用を目的として、分散させることもできる。
【0046】
本明細書において記述されている手順及びルーチンは、装置、システム、方法、コンピュータプログラムプロダクトとして実施することが可能であり、且つ、一つ又は複数の専用の回路又はプログラミングされたプロセッサを介して実行することができる。従って、本明細書において提供されている説明は、ハードウェアのみの、ハードウェア上において実行されるソフトウェア(ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコードなどを含む)のみの、或いは、専用のハードウェアコンポーネントと特定のアルゴリズム及びプロセスコードによって構成された汎用プロセッサの組合せを通じた、形態を有することができる。ハードウェアコンポーネントは、「回路」、「モジュール」、「ユニット」、「装置」、又は「システム」と呼称される。ハードウェアによって実行される実行可能コードは、コンピュータプログラムプロダクトなどの、有体のメモリ装置上において実施される。例は、CD、DVD、フラッシュドライブ、ハードディスクユニット、ROM、RAM、及びその他のメモリ装置を含む。
【0047】
以上、本開示の実装形態による方法、システム、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及びブロックダイアグラムを参照した。これらの態様は、コンピュータプログラム命令によって実装されている。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理システムのプロセッサを介して稼働する命令が、フローチャート及び/又は一つ又は複数のブロックダイアグラムブロック内において規定されている機能/動作を実装する手段を生成するように、機械を生成するべく、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに対して提供されてもよい。
【0048】
又、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体内において保存されている命令が、フローチャート及び/又は一つ又は複数のブロックダイアグラムブロック内において規定されている機能/動作を実装する命令手段を含む製造物品を生成するように、特定の方式によって機能するようにコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を制御し得るコンピュータ可読媒体内において保存されてもよい。
【0049】
又、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において稼働する命令が、フローチャート及び/又は一つ又は複数のブロックダイアグラムブロック内において規定されている機能/動作を実装するプロセスを提供するように、コンピュータ実装されたプロセスを生成するべく、一連の動作ステップがコンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において実行されるようにするために、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込まれてもよい。
【0050】
以上、いくつかの実装形態について説明した。但し、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、様々な変更が実施され得ることを理解されたい。例えば、開示された技法のステップが異なるシーケンスにおいて実行された場合に、開示されたシステム内のコンポーネントが、異なる方式によって組み合わせられた場合に、或いは、コンポーネントが、その他のコンポーネントによって置換又は補完された場合に、好ましい結果を実現することができる。本明細書において記述されている機能、プロセス、及びアルゴリズムは、本明細書において記述されている機能、プロセス、及びアルゴリズムを実行するためのプログラムコード及び/又はコンピュータ命令を実行するように構成されたコンピュータプロセッサ及び/又はプログラム可能な回路を含む、ハードウェア内において、又はハードウェアによって実行されるソフトウェア内において、実行されてもよい。これに加えて、一実装形態は、記述されているものとは同一ではないモジュール又はハードウェア上において実行されてもよい。従って、その他の実装形態も、特許請求され得る範囲に含まれている。