(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856600
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】電気接続箱およびそのアース接続構造
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20210329BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20210329BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 610J
H05K7/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-188540(P2018-188540)
(22)【出願日】2018年10月3日
(65)【公開番号】特開2020-58183(P2020-58183A)
(43)【公開日】2020年4月9日
【審査請求日】2019年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直之
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 仁
(72)【発明者】
【氏名】篠ヶ谷 翔也
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−260992(JP,A)
【文献】
実開平06−031327(JP,U)
【文献】
特開2013−198330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス本体と、
前記ボックス本体に装填された電気回路体と、
前記電気回路体に備えられたアース部材と、
前記アース部材から前記ボックス本体の外部に引き延ばされた帯状のアース用金属板と、
前記ボックス本体に一体に延設され、前記アース用金属板を内包する固定ブラケットと、
前記固定ブラケットの先端部に貫通形成され、挿通されるボルトに対して前記アース用金属板を導通させるボルト通し孔と、
を具備し、
前記固定ブラケットの前記ボックス本体側の端部と前記ボルト通し孔側の端部との中間部にスリットが設けられ、
前記アース用金属板の前記スリットに対応する位置に切欠が設けられている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記アース用金属板の先端部は、前記固定ブラケットに内包され且つ前記ボルト通し孔の内周に露出する円筒導体に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
ボックス本体と、
前記ボックス本体に装填された電気回路体と、
前記電気回路体に備えられたアース部材と、
前記アース部材から前記ボックス本体の外部に引き延ばされた帯状のアース用金属板と、
前記ボックス本体に一体に延設され、前記アース用金属板を内包する固定ブラケットと、
前記固定ブラケットの先端部に貫通形成され、挿通されるボルトに対して前記アース用金属板を導通させるボルト通し孔と、
を具備し、
前記固定ブラケットが水平方向に延在し、
前記固定ブラケットの前記ボックス本体側の端部と前記ボルト通し孔側の端部との中間部にスリットが設けられ、
前記スリットが、前記固定ブラケットの上下面の少なくとも一方の面から他方の面に向けて切り込み深さを有するように形成されており、かつ、前記スリットが、前記ボックス本体側から前記ボルト通し孔側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項4】
前記アース用金属板の前記スリットに対応する位置に切欠が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気接続箱のアース接続構造であって、
前記固定ブラケットの先端部の前記ボルト通し孔にボルトを挿通させ、該ボルトにより前記固定ブラケットを車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部に締結固定することで、前記アース用金属板を前記固定部に対してアース接続した
ことを特徴とする電気接続箱のアース接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両に搭載される電気接続箱およびそのアース接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、バッテリと各種の電気機器とを繋ぐための電気接続箱が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。電気接続箱には、電気回路体としての回路基板やバスバー等が装備されている。これらの回路基板やバスバーには、アース用の導体部が設けられている。
【0003】
アース用の導体部は、適当に集約された形態で、多くは、電気接続箱の外部のアースポイントに電線等の導体線を用いて接続されている。あるいは、電気接続箱側のコネクタの内部にアース回路が組み込まれ、嵌合相手のコネクタのアース回路を通じて、アース用の導体部がアース接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−226019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電線等の導体線を電気接続箱とは別に用意してアース接続したり、コネクタにアース回路を組み込んでアース接続したりすることは、設計・製造・組付の各工程で工数がかかりコスト高になりやすい。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気接続箱をボルトで車体に取り付けるだけで、電気回路体のアース接続を行うことができ、それにより、アース用の導体線を省略して、設計・製造・組付の各工程での工数を減らして、コストの低減を図ることのできる電気接続箱およびそのアース接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱およびそのアース接続構造は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) ボックス本体と、
前記ボックス本体に装填された電気回路体と、
前記電気回路体に備えられたアース部材と、
前記アース部材から前記ボックス本体の外部に引き延ばされた帯状のアース用金属板と、
前記ボックス本体に一体に延設され、前記アース用金属板を内包する固定ブラケットと、
前記固定ブラケットの先端部に貫通形成され、挿通されるボルトに対して前記アース用金属板を導通させるボルト通し孔と、
を具備
し、
前記固定ブラケットの前記ボックス本体側の端部と前記ボルト通し孔側の端部との中間部にスリットが設けられ、
前記アース用金属板の前記スリットに対応する位置に切欠が設けられている
ことを特徴とする電気接続箱。
【0008】
(2)
前記アース用金属板の先端部は、前記固定ブラケットに内包され且つ前記ボルト通し孔の内周に露出する円筒導体に接続されている
ことを特徴とする上記(1)に記載の電気接続箱。
【0009】
(3)
ボックス本体と、
前記ボックス本体に装填された電気回路体と、
前記電気回路体に備えられたアース部材と、
前記アース部材から前記ボックス本体の外部に引き延ばされた帯状のアース用金属板と、
前記ボックス本体に一体に延設され、前記アース用金属板を内包する固定ブラケットと、
前記固定ブラケットの先端部に貫通形成され、挿通されるボルトに対して前記アース用金属板を導通させるボルト通し孔と、
を具備し、
前記固定ブラケットが水平方向に延在し、
前記固定ブラケットの前記ボックス本体側の端部と前記ボルト通し孔側の端部との中間部にスリットが設けられ、
前記スリットが、前記固定ブラケットの上下面の少なくとも一方の面から他方の面に向けて切り込み深さを有するように形成されており、かつ、前記スリットが、前記ボックス本体側から前記ボルト通し孔側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されている
ことを特徴とする電気接続箱。
【0010】
(4) 前記アース用金属板の前記スリットに対応する位置に切欠が設けられている
ことを特徴とする上記(3)に記載の電気接続箱。
【0011】
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気接続箱のアース接続構造であって、
前記固定ブラケットの先端部の前記ボルト通し孔にボルトを挿通させ、該ボルトにより前記固定ブラケットを車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部に締結固定することで、前記アース用金属板を前記固定部に対してアース接続した
ことを特徴とする電気接続箱のアース接続構造。
【0012】
上記(1)
及び(2)の構成の電気接続箱によれば、固定ブラケットの先端部のボルト通し孔にボルトを挿通させ、該ボルトより固定ブラケットを、車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部に締結固定することにより、アース用金属板をボルトを介して車体側の固定部にアース接続することができる。つまり、電気接続箱の固定ブラケットを車体にボルトで固定するだけで、電気回路体のアース接続を完了することができる。したがって、アース用の電線等の導体線を省略することができ、設計・製造・組付の各工程の簡略化により工数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【0013】
上記
(1)及び(2)の構成の電気接続箱によれば、車両衝突時の衝撃によって電気接続箱に過大な外力が働いた際に、ボックス本体から延出した固定ブラケットの中間部(弱部)が、スリットに誘導されて優先的に破断することになる。そのため、意図しない箇所で電気接続箱が破断するのを防止でき、意図しない箇所の破断により危険箇所が剥き出しになるのを回避することができて、車両衝突時の安全性を高めることができる。
【0014】
上記(3)の構成の電気接続箱によれば、スリットが、ボックス本体側からボルト通し孔側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されているので、車両衝突時の衝撃圧縮力を受けてスリットの位置で固定ブラケットが破断した際に、固定ブラケットの破断面に沿って滑ることにより、ボックス本体側(電源側)のブラケット破断片が、ボルト通し孔側のブラケット破断片の下側に潜り込む。従って、アース用金属板のボックス本体側の破断面が、ボルト通し孔側のブラケット破断片の下側に隠れることになり、ボックス本体側のアース用金属板の破断面に人が触れないようにすることができる。そのため、安全性を高めることができる。
【0015】
上記(4)の構成の電気接続箱によれば、固定ブラケットに内包されたアース用金属板のスリットに対応する位置に切欠が設けられているので、アース用金属板の破断を促すことができる。そのため、固定ブラケットの破断時に、ボックス本体側のブラケット破断片を、ボルト通し孔側のブラケット破断片の下側にスムーズに潜り込ませることができる。つまり、アース用金属板が破断せずに変形した状態で人に触れるように露出するのを防ぐことができる。
【0016】
上記(5)の構成の電気接続箱のアース接続構造によれば、電気接続箱の固定ブラケットを車体側の固定部にボルトで固定するだけで、電気回路体のアース接続を完了することができる。従って、アース用の電線等の導体線を省略することができ、設計・製造・組付の各工程の簡略化により工数を減らしてコスト低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気接続箱の固定ブラケットを車体側の固定部にボルトで固定するだけで、電気回路体のアース接続を完了することができる。従って、アース用の電線等の導体線を省略することができ、設計・製造・組付の各工程の簡略化により工数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【0018】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態の電気接続箱とそのアース接続構造の固定前の状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、固定後の状態を示す
図1のA−A矢視断面図、
図2(b)は、
図2(a)で示した部分の破断時の挙動を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態における、
図2(a)と同様の図である。
【
図4】
図4は、本発明の更に別の実施形態における、
図2(a)と同様の図である。
【
図5】
図5(a)および(b)は、
図4の実施形態におけるアース用金属板の先端部の形状例をそれぞれ示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0021】
図1は、実施形態の電気接続箱とそのアース接続構造の固定前の状態を示す斜視図である。
図2(a)は、固定後の状態を示す
図1のA−A矢視断面図、
図2(b)は、
図2(a)で示した部分の破断時の挙動を示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、この電気接続箱1は、樹脂製のボックス本体1Aを有している。ボックス本体1Aには、回路基板やバスバー等を主体とする電気回路体2が装填されている。電気回路体2には、リレーやヒューズなどの各種電気素子が搭載されている。また、電気回路体2には、アース回路を構成するアース部材(アース用の導体部)3が備わっている。アース部材3からは、ボックス本体1Aの外部に帯状のアース用金属板6が引き延ばされている。また、ボックス本体1Aには、一体に腕状の固定ブラケット5が延設されている。固定ブラケット5は、電気接続箱1を車体に固定するための部分であり、内部に前記アース用金属板6が埋設されている。
【0023】
固定ブラケット5は、車両衝突時の衝撃力の加わる水平方向に延在している。固定ブラケット5の延在方向の先端部には、ボルト通し孔7が上下方向に貫通形成されている。ボルト通し孔7は、電気接続箱の固定の際にボルト21が挿通される貫通孔である。アース用金属板6の先端部は、このボルト通し孔7の内周に露出する円筒導体8に接続されている。したがって、このボルト通し孔7にボルト21を挿通させることで、ボルト21とアース用金属板6とが互いに導通する。
【0024】
ここでは、ボルト21としてスタッドボルトが用いられている。ボルト21は、車体に設けられたアースポイント兼用の固定部20に立設されている。固定ブラケット5は、先端部のボルト通し孔7にボルト21を挿通させ、上からナット22を螺合して締め込むことにより、車体側の固定部20に締結固定されている。これにより、アース用金属板6が、車体側のアースポイント兼用の固定部20に対してアース接続されている。
【0025】
また、
図2(a)に示すように、固定ブラケット5のボックス本体1A側の端部5Aとボルト通し孔7側の端部5Bとの中間部には、車両衝突時の衝撃力Gが作用した際に他の部位よりも優先的に破断する弱部を形成するためのスリット10が設けられている。スリット10は、
図1に示すように、車両衝突時の衝撃力Gの加わる水平方向X1に直交する水平方向X2に沿って、固定ブラケット5の上下面の少なくとも一方の面から他方の面に向けて切り込み深さを有するように形成されている。本実施形態では、固定ブラケット5の下面のみにスリット10が設けられている。
【0026】
このスリット10は、ボックス本体1A側からボルト通し孔7側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されている。また、固定ブラケット5の内部に埋設されたアース用金属板6のスリット10に対応する位置には、車両衝突時にアース用金属板6の破断を促す切欠11が設けられている。この切欠11は、アース用金属板6をプレス成形するときに容易に加工することができる。
【0027】
この電気接続箱1を車体のアースポイント兼用の固定部20に固定するには、固定ブラケット5の先端部のボルト通し孔7にボルト21を挿通させ、ボルト21の上部にナット22を螺合して締め込む。これにより、固定ブラケット5を車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部20に締結固定することができる。それにより、アース用金属板6をボルト21を介して車体側の固定部20にアース接続することができる。つまり、電気接続箱1の固定ブラケット5を車体にボルト21で固定するだけで、電気回路体2のアース接続を完了することができる。したがって、アース用の電線等の導体線を省略することができ、設計・製造・組付の各工程の簡略化により工数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【0028】
そして、
図2(b)に示すように、車両衝突時の衝撃によって電気接続箱1に過大な外力(許容値を超える衝撃圧縮力)Gが働いた際には、ボックス本体1Aから延出した固定ブラケット5の中間部(弱部)が、スリット10に誘導されて優先的に破断することになる。そのため、意図しない箇所で電気接続箱1が破断するのを防止でき、意図しない箇所の破断により危険箇所が剥き出しになるのを回避することができて、車両衝突時の安全性を高めることができる。
【0029】
特に、スリット10が、ボックス本体1A側からボルト通し孔7側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されているので、車両衝突時の衝撃圧縮力Gを受けてスリット10の位置で固定ブラケット5が破断した際に、固定ブラケット5の破断面15に沿って滑ることで、ボックス本体側(電源側)のブラケット破断片5aが、ボルト通し孔7側のブラケット破断片5bの下側に潜り込む。したがって、アース用金属板6のボックス本体1A側の破断面が、ボルト通し孔7側のブラケット破断片5bの下側に隠れることになり、ボックス本体1A側のアース用金属板6の破断面に人が触れないようにすることができる。また、ボックス本体1A側のアース用金属板6のボックス本体1A側の破断面が、上を向いた状態になるものの、ボルト通し孔7側のブラケット破断片5bの下側に隠れることになるので、車体に触れないようにすることができる。そのため、安全性を高めることができる。
【0030】
また、固定ブラケット5の内部に埋設されたアース用金属板6のスリット10に対応する位置に切欠11が設けられているので、アース用金属板6の破断を促すことができる。そのため、固定ブラケット5の破断時に、ボックス本体1A側のブラケット破断片5aを、ボルト通し孔7側のブラケット破断片5bの下側にスムーズに潜り込ませることができる。その結果、アース用金属板6が破断せずに変形した状態で人に触れるように露出するのを防ぐことができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、固定ブラケット5の下面側にだけスリット10を形成した場合を説明したが、
図3に示す別の実施形態のように、下面側のスリット10の延長線上の上面側にスリット12を設けてもよい。また、上面側にだけスリット12を設けてもよい。下面側にだけスリット10を形成した場合は、上からスリット10が見えないので、見栄えがよくなるというメリットがある。
【0032】
また、上記実施形態においては、アース用金属板6の先端部に円筒導体8を接続したが、
図4に示す更に別の実施形態のように、円筒導体8を省略して、アース用金属板6の先端部に、内周が、ボルト通し孔7の内周面に露出する貫通孔9を設けてもよい。その際、
図5(a)に示すように、貫通孔9を形成できるような幅H1をアース用金属板6に持たせてもよいし、
図5(b)に示すように、幅H2が小さいときには、貫通孔9を形成できるような円板部9aをアース用金属板6の先端部に形成してもよい。
【0033】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱およびそのアース接続構造の特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] ボックス本体(1A)と、
前記ボックス本体(1A)に装填された電気回路体(2)と、
前記電気回路体(2)に備えられたアース部材(3)と、
前記アース部材(3)から前記ボックス本体(1A)の外部に引き延ばされた帯状のアース用金属板(6)と、
前記ボックス本体(1A)に一体に延設され、前記アース用金属板(6)を内包する固定ブラケット(5)と、
前記固定ブラケット(5)の先端部に貫通形成され、挿通されるボルト(21)に対して前記アース用金属板(6)を導通させるボルト通し孔(7)と、
を具備することを特徴とする電気接続箱(1)。
[2] 前記固定ブラケット(5)が水平方向(X1)に延在し、
前記固定ブラケット(5)の前記ボックス本体(1A)側の端部(5A)と前記ボルト通し孔(7)側の端部(5B)との中間部にスリット(10、12)が設けられている
ことを特徴とする上記[1]に記載の電気接続箱(1)。
[3] 前記スリット(10、12)が、前記固定ブラケット(5)の上下面の少なくとも一方の面から他方の面に向けて切り込み深さを有するように形成されており、かつ、前記スリット(10、12)が、前記ボックス本体(1A)側から前記ボルト通し孔(7)側に向けて下り傾斜する方向に沿って斜めに形成されている
ことを特徴とする上記[2]に記載の電気接続箱(1)。
[4] 前記アース用金属板(6)の前記スリット(10、12)に対応する位置に切欠(11)が設けられている
ことを特徴とする上記[4]に記載の電気接続箱(1)。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電気接続箱(1)のアース接続構造であって、
前記固定ブラケット(5)の先端部の前記ボルト通し孔(7)にボルト(21)を挿通させ、該ボルト(21)により前記固定ブラケット(5)を車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部(20)に締結固定することで、前記アース用金属板(6)を前記固定部(20)に対してアース接続した
ことを特徴とする電気接続箱(1)のアース接続構造。
【符号の説明】
【0034】
1 電気接続箱
1A 樹脂製のボックス本体
2 電気回路体
3 アース部材
5 固定ブラケット
5A 固定ブラケットのボックス本体側の端部
5B 固定ブラケットのボルト通し孔側の端部
6 アース用金属板
10,12 スリット
11 切欠
20 車体側に設けられたアースポイント兼用の固定部
21 ボルト
7 ボルト通し孔
X1 車両衝突時の衝撃力の加わる水平方向
X2 車両衝突時の衝撃力の加わる水平方向に直交する水平方向
G 衝撃圧縮力(衝撃力)