【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、切削インサートが、超硬材料を備えた切削先端を有しており、保持付加部が、少なくとも送り方向における前側の領域において、切削先端とベース部分との間の範囲に硬質材料エレメントを保持していることによって解決される。
【0011】
超硬材料製の切削先端によって、長時間にわたって、ほぼ変わらない切削係合を保証することができる。過剰の摩耗を阻止するために、保持付加部は、少なくとも送り方向における前側の領域において、切削先端とベース部分との間の範囲に硬質材料エレメントを備えている。超硬材料製の切削先端によって、長時間にわたって、ほぼ変わらない切削係合を保証することができる。保持付加部が摩滅し、次いで保持付加部の摩滅した横断面幾何形状に起因して切削先端が破損することを阻止するために、本発明によれば、保持付加部に硬質材料エレメントが配置される。このとき、配置形態は、意識的に、硬質材料エレメントが送り方向において前側に配置されるようになされている。作業実施中に、削り取られた地面物質が、切削先端を起点として、送り方向とは逆向きにかつ幾分傾けられて保持体のベース部分の方向に方向付けられた方向に導かれることが判明している。したがって、硬質エレメントは、この摩耗領域を保護する。さらに、地面物質のさらなる体積流が、切削先端を起点として、保持付加部の前側を通過して保持部分に導かれることが、予期せずに判明している。この二次摩耗もまた同様に、保持付加部の前側領域における著しい摩滅を生じさせるおそれがあるが、この摩滅は、本発明によれば硬質エレメントによって十分に低減される。したがって、本発明による硬質エレメントに基づいて、保持付加部の摩滅を低減させ、かつ保持体の耐用寿命を大幅に延ばすことができる。特に、これによって超硬の切削先端の耐用寿命と保持体の耐用寿命とを互いに合わせることができるので、最適な設計では、切削先端および保持体は、ほぼ同時にその摩耗限界に達することになる。
【0012】
本発明によれば、切削インサートは、保持体内に回動不能に保持されていてよい。このように構成されていると、超硬材料の破損を引き起こすおそれがある、工具係合中における振動が低減される。
【0013】
本発明によればまた、切削インサートは、切削先端が固定されているヘッドを有しており、ヘッドは、少なくとも部分的に、切削先端よりは小さいが、保持付加部の物質よりも大きな耐摩耗性を有する物質から成っている。このように構成されていると、保持体の可能な限り均一な摩耗を達成するという目的と共に、コストを最適化して材料を互いに合わせることができる。これによって、最適化された状態で切削先端と保持体とが同時にその摩耗限界に達する切削系が得られる。
【0014】
好ましくは、ヘッドは硬質合金から成っていてよい。
【0015】
本発明の可能な変化形態では、切削インサートはシャンクを有しており、切削インサートは、シャンクを用いて保持付加部の収容部内に挿入されている。好ましくは、切削インサートは、収容部内にプレス嵌めされているか、または収容部内に素材結合式に収容され、例えば収容部内においてろう接されている。シャンクによって、切削インサートの安定した支持を達成することができる。さらに、シャンクは収容部内において正確に方向付けることができるので、再現可能な製造が簡単に可能になる。
【0016】
本発明の可能な代替的形態では、切削インサートは、ヘッドとシャンクとの間の移行領域において、凹面状の移行部を形成しており、収容部はこの領域において凸面状の移行部を形成しており、かつこれらの移行部の領域には、結合物質、特にろう接物質によって満たされた間隙領域が形成されている。これによって、製造最適化された構造が得られる。特にこのとき、ヘッドとシャンクとの間の移行領域における損傷を引き起こす応力を低減することができるので、この領域における工具使用中の損傷が回避される。さらにこの構造は、運転中において切欠き効果が大幅に減少することに基づき、好適であることが判明している。このことは特に、僅かな切削深さを加工することが望まれている場合に有利である。このような場合には、部分的に極めて大きな横方向力が発生する。
【0017】
本発明の特に好適な変化形態では、切削インサートのヘッドは、切削先端を起点として、保持付加部の方向に拡大している。
【0018】
このようにして、ヘッドは誘導面を形成しており、この誘導面は、摩耗を低減させるために、その幾何形状において、削り取られてヘッドに沿って流れる地面物質を保持体物質から離れるように導くことができるように構成することができる。
【0019】
本発明の可能な別の変化形態では、切削先端は保持本体を有しており、保持本体は、切削インサートのヘッドに、好ましくはろう接によって結合されており、保持本体には、1つまたは複数の中間層が被着されており、中間層の、保持本体とは反対側の最外位の側に、カバー層が被着されており、かつカバー層の物質は、中間層の物質よりも硬質である。
【0020】
このような層構造によって、特に極端に耐摩耗性でありかつまた発生する衝撃負荷に対しても確実に抵抗する、安定した切削先端を構成することができる。
【0021】
本発明の可能な別の変化形態では、硬質材料エレメントは、例えば肉盛り溶接、プラズマ被着硬化体またはこれに類したものなどの被着硬化体によって形成されており、および/または、硬質材料エレメントは、保持付加部に結合された1つまたは複数の硬質材料セグメントによって形成されている。
【0022】
硬質材料セグメントとしては、例えば、保持付加部にろう接されている硬質合金エレメントを使用することができる。
【0023】
本発明の枠内においてはまた、次のような切削装置、すなわち保持付加部が、ベース部分とは反対側に支持部分を有しており、切削インサートがそのヘッドでもって支持部分を少なくとも部分的に覆っており、かつ硬質材料エレメントが、支持部分の、ヘッドの下における領域に到るまで案内されている、切削装置を構成することができる。
【0024】
このように構成されていると、硬質材料エレメントによって、ヘッドと保持付加部との間における移行領域が、摩滅に対して効果的に保護される。このことは、ヘッドの下における支持面が摩滅し、切削インサートが早期に故障することを阻止する。
【0025】
本発明の特に好適な変化形態では、切削インサートは、逸らせ面を有しており、逸らせ面は、切削先端によって削り取られた地面物質が、保持体のベース部分のところを少なくとも部分的に通過して案内されるように形成されている。このような構成によって、保持体における摩耗作用が大幅に低減される。
【0026】
硬質材料エレメントは、例えば円筒形の保持付加部の収容部の周囲に円弧形状に配置されているか、または保持付加部において収容部の周囲に円形に被着されている構成が可能である。
【0027】
その都度の使用目的に関連して、硬質材料エレメントは、5〜360°の範囲内の円弧にわたって配置されていてよい。
【0028】
また、最適な保護を提供するために、完全に取り囲むことも可能である。
【0029】
特に好ましくは、円弧形状の硬質材料エレメントは、周方向および送り方向において切削インサートの前に、収容部の直径または最大横断面寸法よりも大きな長さにわたって延びていてよい。このように構成されていると、切削インサートのための収容領域は、効果的にかつ簡単に摩耗に対して保護される。
【0030】
また特に、硬質材料エレメントは、収容部の中心長手方向軸線の方向において、この方向における収容部の高さと同じかまたはそれよりも大きい延在寸法を有するようになっていてよい。
【0031】
本発明の課題はまた、地面加工機、特に道路破砕機用の切削装置であって、切削インサートが固定されている保持体を備えており、保持体はベース部分を有しており、ベース部分の固定側に固定付加部が配置されている、切削装置によっても解決される。本発明によれば、切削装置は、ベース部分が、固定側とは反対の加工側に、保持体に不動に結合された切削エレメントを保持しており、切削エレメントが、超硬材料から成る切削先端を保持しており、切削エレメントは固定部材を保持していて、固定部材に送り方向とは逆向きに、付加部が背面側において接続されており、かつ固定部材および付加部が、接触面で保持体に対して支持されているように構成されている。
【0032】
送り方向において前側に配置された固定部材は、削り取られた地面物質を切削先端から確実に誘導する。本願発明者は、最初に切削先端の領域において最も高い摩耗圧が存在するということを認識した。超硬の切削先端は、この摩耗を確実に受け止める。切削先端に続いて、地面物質は流れ方向において拡大し、これによって摩耗圧は連続的に低減する。今なお高いこの摩耗圧は、固定部材において確実に受け止められる。地面物質が固定部材を通過した場合には、地面物質は、例えば鋼材料から成る保持体によって確実に受け止めることができる拡大状態に達する。このようにして、効果の高い耐摩耗システムが得られる。切削エレメントの確実な支持を達成するために、切削エレメントは本発明によれば背面側の付加部を有しており、この付加部は保持体に対して支持されている。このようにして曲げ負荷を確実に誘導することができる。さらに背面側の付加部は、引き続きまたなお背面側の保持体領域を摩滅に対して保護する。
【0033】
特に好ましくは、固定部材および付加部は、素材結合式の結合部、特にろう接物質を介して、保持体に対して支持されている。
【0034】
ろう接物質を介して、結合パートナの確実な支持が達成される。特に全面的な支持部を間隙なしに形成することができる。さらに好ましくは、切削エレメントは、硬質材料から、例えば、破壊応力に対して敏感な硬質合金から形成されていてよい。素材結合式の支持が行われている場合には、支持領域において有害な間隙領域を回避することができ、これによって確実な破損安定性の支持を得ることができる。
【0035】
本発明によれば、好ましくは、固定部材は、送り方向において保持体の保持付加部の前に配置されていて、保持付加部を少なくとも部分的に覆っている。保持付加部によって、切削エレメントは、保持体のベース部分の上方において露出状態で保持されることができ、そして固定部材は保持付加部を保護する。このようにして、攻撃的な切削幾何形状を実現することができる。
【0036】
本発明の代替的な可能な実施形態では、固定部材は、互いに反対側に位置する側に、送り方向に傾けられた逸らせ面を有しており、逸らせ面は、削り取られた地面物質を保持体の側方に向かって誘導するように形成されている。
【0037】
摩耗に対するさらなる最適化を得ることができる実施形態では、切削先端は、好ましくは非対称に形成されており、例えば切削エレメントの切削先端は、その半径方向外側に位置する領域に、その半径方向内側の領域に比べて大きな体積を有している。このように構成されていると、半径方向外側に位置していて、切削係合に最も強くさらされる領域において、高められた摩耗体積が形成される。
【0038】
切削先端の確実な支持は、切削先端が、結合部材で、切削エレメントのヘッドに、送り方向とは逆向きに支持されていることによって、得ることができる。
【0039】
次に本発明を、図面に示された実施形態を参照しながら詳説する。