特許第6856623号(P6856623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856623
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】機械式時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 5/20 20060101AFI20210329BHJP
   G04D 7/00 20060101ALI20210329BHJP
   G04C 1/06 20060101ALI20210329BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20210329BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   G04B5/20
   G04D7/00 Z
   G04C1/06
   G04G21/00 K
   B60K35/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-506435(P2018-506435)
(86)(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公表番号】特表2018-535389(P2018-535389A)
(43)【公表日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】GB2016052352
(87)【国際公開番号】WO2017032970
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年7月2日
(31)【優先権主張番号】1515239.0
(32)【優先日】2015年8月27日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】502407266
【氏名又は名称】ベントレー モーターズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】デビッド アラン ルーク
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ハートレー
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102011118952(DE,A1)
【文献】 特開昭51−040964(JP,A)
【文献】 特開2006−271176(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3154770(JP,U)
【文献】 特開2004−264274(JP,A)
【文献】 特開平07−156719(JP,A)
【文献】 特開2002−243868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00 − 99/00
G04B 1/00 − 99/00
G04G 3/00 − 99/00
G04F 1/00 − 13/06
G04R 20/00 − 60/14
B60K 35/00 − 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式時計の巻き上げ機構と、該巻き上げ機構を機械式時計の回転により自動的に巻き上げる手段とを有する機械式時計を備えた車両であって、該機械式時計はホルダー内に取り付けられ、該機械式時計は、該巻き上げ機構を作動させるためにホルダー内で回転し、該ホルダー内の機械式時計の回転は、車両の電気システムによって動力供給され、該機械式時計は、更にユーザインターフェーススイッチを有し、該ユーザインターフェーススイッチは、使用時に、該巻き上げ機構の自動巻き上げ動作に優先し、スイッチされたときに、該機械式時計が巻き上げ機構を作動させるためにホルダー内で回転するように動作可能であり、該機械式時計が、使用時に、該機械式時計の1又はそれ以上の針を回転させてユーザに時刻を示すように動作可能である回転機構を含み、該ユーザインターフェーススイッチが、クラウンホイールをユーザに提示するために、スイッチされたときに、該機械式時計がホルダーに対して所定の角度で回転するように指示するように動作可能である、車両。
【請求項2】
更に、位置センサを備え、該位置センサが、使用時に、前記機械式時計自体の回転位置を検出するように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記センサは、さらに、巻き上げ機構が巻き上げられていないときに、機械式時計が正しい位置にあるかどうかをチェックするように動作可能であって、該機械式時計の文字盤が本体に対して望ましくない回転が生じた場合、センサはこれを検出し、検出すると機械式時計に正しい位置に戻るように回転するよう指示する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記機械式時計が、自動車の電気システムによって動力供給される時計の運動機構を有し、使用時に、設定された時間の間の前記機械式時計の回転の後、前記機械式時計が設定位置に戻るように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記機械式時計が、自動車の電気システムによって動力供給される時計の運動機構を有し、使用時に、前記巻き上げ機構を定期的に巻き上げるように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記機械式時計の文字盤が、その上に1又はそれ以上の表示を有し、巻き上げた後に前記機械式時計が戻る前記設定位置が、12時の表示が前記機械式時計の上部の中心となる位置から成る、請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記自動巻き上げ手段が、車両のエンジンが作動中又は停止中であるにかかわらず、前記機械式時計の巻き上げ機構を自動的に巻き上げるように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
使用時に、前記回転機構に作用して前記機械式時計の針を動かすように動作可能であるクラウンホイールを有し、かつ、ユーザが機械式時計が表示する時刻を変更するために、ユーザに前記クラウンホイールを提示するように機械式時計自体を動かす手段を有する、請求項に記載の車両。
【請求項9】
前記ユーザインターフェーススイッチが、使用時に、スイッチされたときに、前記自動巻き上げ機構が所定の時間の間巻き上げられるように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記ユーザインターフェーススイッチが、使用時に、前記車両から取り外すために、前記車両から前記機械式時計を分離するように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
前記ユーザインターフェーススイッチが、前記車両から前記機械式時計を分離するために、スイッチされたときに、前記機械式時計をホルダーに対して機械式時計が車両から分離する位置まで回転するように動作可能である、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記ユーザインターフェーススイッチが、使用時に、スイッチされたときに、機械式時計がその位置を変えてもよいように動作可能である、請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時計(特に、機械式時計)の又はこれに関する改良に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式時計はよく知られており、その製造に関わる高い技能と職人技から高級感があると認められている。このタイプの時計は、時計がその機能を維持するために定期的に巻き上げられねばならない巻き上げ機構を含む。一般に、固定式の機械式時計は、巻上げキーなどを用いて巻き上げなければならない。しかし、腕時計のような携帯用時計が開発されており、この腕時計の巻き上げ機構は、例えば、ユーザの手首に装着されたときに、腕時計の普通の動きにより巻き上げられる。このような腕時計は、「自動」時計と呼ばれることがある。自動時計は、歩行などの毎日の動きの中の着用者の手首や腕の動きなどの、着用者の動きを利用して自ら巻き上げる。手首、腕及び身体のこの動きは、巻き上げ機構(「ロータ」)に取り付けられた金属製の重りに、その動きの中心の軸上の自由な回転を引き起こす。このロータは、ユーザの手首、腕又は身体の作用によって概ね円形の動きで前後に回転する。このロータの動きは主ばねを巻き上げる。一般に、この主ばねは、機械式腕時計に動力供給する平らなコイルばねである。
【0003】
自動車内に時計を有することは一般的である。このタイプの時計は、一般に、機械式ではなくバッテリ式又は電動式である。しかし、車両内により高品質と認められる機械式時計を提供することができることは有利であろう。残念なことに、定期的に巻き上げられなければならないという機械式時計の要求を考慮すると、車両の普通の動きが必ずしも時計を自動的に巻き上げるとは限らないので、ユーザが手動で時計を巻き上げる必要なしにそうすることは現時点では不可能である。さらに、車両が、例えば一晩のように長期間動かない状態に留まる可能性がある状況においては、車両内に置かれた従来の機械式時計は、十分なほど頻繁に巻き上げられないので、正しく機能しないであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、車両内に配置することができる、従来技術のこのような欠点のない機械式時計を提供することは有益である。
従って、本発明の1又は複数の実施形態の目的は、従来技術の改良である機械式時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、時計の巻き上げ機構と、該巻き上げ機構を自動的に巻き上げる手段とを有する機械式時計であって、該自動巻き上げ手段は、使用時に、自動車の電気システムによって直接的又は間接的に動力供給される又は作動される、機械式時計が提供される。
この時計は自動時計であってもよい。この自動時計は、自動腕時計に関して上述したように機能することができる。
このようにして、接続された自動車の電気システムは、ユーザがその機構を手動で巻き上げる必要なしに、巻き上げ機構を巻き上げる電力を供給することができる。従って、本発明の機械式時計は、従来技術の上記の欠点の無い車両内の機械式時計を提供することを可能にする。
【0006】
いくつかの実施形態において、自動巻き上げ手段は、使用時に、この巻き上げ機構を連続的に巻き上げるように動作可能であってもよい。あるいは、この自動巻き上げ手段は、使用時に、巻き上げ機構を定期的に巻き上げるように動作可能であってもよい。この自動巻き上げ手段は、少なくとも10分毎、少なくとも30分毎、少なくとも45分毎、又は少なくとも1時間毎に巻き上げ機構を巻き上げるように動作可能であってもよい。この自動巻き上げ手段は、例えば、少なくとも1分間、少なくとも2分間、又は少なくとも5分間、巻き上げ機構を巻き上げるように動作可能であってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、この自動巻き上げ手段は、巻き上げ機構に1又はそれ以上の回転歯車によって機械的に接続された巻き上げキーを備えてもよい。このようにして、この巻き上げキーは、使用時に、軸方向に回転して巻き上げ機構を自動的に巻き上げるように動作可能で、この巻き上げキーの回転は、接続された車両の電気システムによって動力供給されてもよい。
機械式時計が自動時計である実施形態において、この自動時計は、時計の巻き上げ機構を時計の動きによって自動的に巻き上げる手段を備えてもよく、この巻き上げ機構を自動的に巻き上げる手段は、この時計を動かす手段を有していてもよい。この時計を動かす手段は、時計を回転させる手段を含んでもよい。
【0008】
従って、本発明の第2の態様によれば、巻き上げ機構と、前記時計の動き(好ましくは、回転の動き)を介して該巻き上げ機構を自動的に巻き上げる手段とを備え、使用時に、この時計の動きが、自動車の電気システムによって動力供給される又は作動される、自動機械式時計が提供される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、時計の動きにより動力供給される又は作動される自動巻き上げ機構を備え、更に、使用時に、自動車の電気システムによって動力供給される時計運動機構を備えた自動機械式時計が提供される。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、時計の動きによって動力供給される自動巻き上げ機構及び自動車の電気システムによって動力供給される時計の運動機構を有する自動機械式時計に接続された自動車が提供される。
いくつかの実施形態において、この時計は巻き上げキーを備えた自動時計であり、この巻き上げキーは時計全体を回転させる回転歯車を有する。このようにして、この巻き上げキーは、時計全体を回転させるために軸方向に回転し、かつ自動巻き上げ機構を作動させるように動作可能であってもよい。
他の実施形態において、この自動巻き上げ手段は、巻き上げ機構に動作可能に接続された時計の文字盤の一部を含んでもよい。このような実施形態において、この時計の文字盤は、巻き上げ機構を巻き上げるために回転可能であってもよい。
【0011】
時計又は時計の文字盤が回転可能である実施形態において、この時計又は文字盤は、巻き上げ機構を巻き上げるために完全に(即ち、360°)回転するように動作可能であってもよい。このような実施形態において、この時計又は時計の文字盤は、巻き上げ機構が巻き上げられるべき時間の間、巻き上げ機構を巻き上げるために連続的に回転するように動作可能であってもよい。他の実施形態において、この時計又は文字盤は、部分的にのみ(即ち、360°未満)回転してもよい。このような実施形態において、時計又は時計の文字盤は、巻き上げ機構が巻き上げられるべき時間の間、ある程度巻き上げ機構を巻き上げるために、繰り返し回転するように動作可能であってもよい。いずれの場合においても、その自動巻き上げ手段は、使用時に、設定された時間の間、時計又は文字盤の回転の後、時計又は文字盤が設定された位置に戻るように動作可能であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、時計の文字盤は、その上に1又はそれ以上の表示を有し、この表示は、例えば、アラビア数字又はローマ数字などの数字から成ってもよい。この時計又は時計の文字盤が回転可能である実施形態において、巻き上げ後に、時計又は文字盤が戻る設定位置は、好ましくは、12時の表示が時計の上部の中心となる位置から成る。
【0013】
機械式時計は、更に、位置センサを備えてもよい。いくつかの実施形態において、このセンサは、使用時に、時計自体の回転位置、又は前記時計の文字盤の回転位置を決定するように動作可能であってもよい。このようにして、このセンサは、使用時に、巻き上げの後に、時計又は時計の文字盤がその設定位置に戻されたかどうかを判定するように動作可能であってもよい。さらに、このセンサは、時計自体の動きの後、時計自体が正しい構成に戻されているかどうかを判定するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、この位置センサは光学センサから成る。
【0014】
一般に、車両の電気システムは、自動車バッテリーのようなバッテリーによって電力が供給されるであろう。いくつかの実施形態において、機械式時計の自動巻き上げ手段は、車両のエンジンが作動中であるか又は停止しているかにかかわらず、時計の巻き上げ機構を自動的に巻き上げるように動作可能であってもよい。このようにして、車両が使用されていないときでさえ、自動巻き上げプロセスは継続することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、機械式時計は、使用時に、時計の1又はそれ以上の針を回転させてユーザに時刻を示すように動作可能である回転機構を含む。このような実施形態において、この回転機構は、接続された車両の電気システムによって動力を供給されてもよい。このようにして、時計の針によって表示される時間は、車両によって又はユーザと車両との相互作用によって、自動的に変更されてもよい。
さらなる実施形態において、この時計の回転機構は、車両に電気的に接続されていなくてもよい。このような実施形態において、機械式時計は、使用時に、前記回転機構に作用して前記時計の針を動かすように動作可能であるクラウンホイールを有してもよい。このような実施形態において、機械式時計は、ユーザが時計が表示する時刻を変更するために、ユーザにクラウンホイールを提示するように時計自体を動かす手段を有してもよい。いくつかの実施形態において、この動かす手段は、時計をそのような位置に回転させるように動作可能であってもよい。
このようにして、本発明の機械式時計は、表示された時間が手作業で変更されてもよい位置に時計自体を回転し、その後時計を初期位置に戻すような手段を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、機械式時計は、更に、ユーザインターフェーススイッチを備えてもよい。このインターフェーススイッチは、使用時に、巻き上げ機構の自動巻き上げ動作に優先するように動作可能であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、このインターフェーススイッチは、使用時に、スイッチされたときに、自動巻き上げ機構が所定の時間の間巻き上げられるように動作可能であってもよい。これは、ユーザが、機械式時計の操作上の使用を実際にやってみること又は機構の自動巻き上げが正しく機能しているかどうかをテストすることを望むような特定の状況においては望ましい。いくつかの実施形態において、このインターフェーススイッチは、使用時に、スイッチされたときに、時計がその構成(その位置など)を変えてもよいように動作可能であってもよい。これは、ユーザがより良い視野角に時計の位置を動かすことを望む場合や、又はユーザが時計自体上の時間を変更するために、ユーザにクラウンホイールが提示されるようないくつかの実施形態において望ましい。
いくつかの実施形態において、このインターフェーススイッチは、使用時に、車両から取り外すために、車両から時計を分離するように動作可能であってもよい。このような実施形態において、時計は、インターフェーススイッチの操作の下で、回転又は並進運動により、車両から切り離されてもよい特定の位置に動くように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、このインターフェーススイッチは、使用時に、上記のタスクの2又はそれ以上を実行するように動作可能である。
【0017】
このユーザインターフェーススイッチは、例えば、プッシュボタン又はフリックスイッチから成ってもよい。このインターフェーススイッチがボタンから成る実施形態において、このボタンは、使用時に、設定された時間の間、又は設定された回数連続してボタンを押すことにより、上記のタスクのうちの1又はそれ以上を実行するように動作可能であってもよい。このインターフェーススイッチがフリックスイッチから成る実施形態において、このスイッチは、スイッチが、設定された時間の間又は設定した回数だけ連続して、第1の位置から第2の位置に移動することにより、上記のタスクのうちの1又はそれ以上を実行するように動作可能であってもよい。
【0018】
この時計はホルダー内に取り付けられてもよい。このホルダーは、ユーザインターフェーススイッチを備えていてもよい。この時計は、巻き上げ機構を作動させるためにホルダー内で回転してもよく、ホルダー内の時計の回転は、車両の電気システムによって動力供給されてもよい。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による機械式時計を備えた車両が提供される。
この機械式時計は、必要に応じて又は適宜に、本発明の第1〜4の態様のいずれかの機械式時計の特徴のいずれか又は全てを有してもよい。
いくつかの実施形態において、この機械式時計は、車両のダッシュボード上又はその内部に配置されていてもよい。他の実施形態において、この機械式時計は、車両のセンターコンソール上又はその内部に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1-4】本発明の時計を例証する一連の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明をより明確に理解するために、以下、添付の図面を参照してその実施形態を単なる例として説明する。
図1〜4は、様々な動作上の用途を示す本発明の機械式時計2を例証する。この時計2は自動巻き上げ時計である。この時計2は、例えば、車両(図示せず)のダッシュボード又はセンターコンソールに取り付けられたホルダー4に収容されている。この時計2は、巻き上げ機構を含む時計機構を収容し、図示しない回転機構を介してホルダー4内で回転する。この時計2は時計の文字盤6を含み、クラウンホイール8とその上にアラビア数字の形状の表示10を含む。このクラウンホイール8は、使用時に、時計2の針(図示せず)の位置を手動で変更するように動作可能である。さらに、このホルダー4は、図に示す方向にホルダー4の底部に配置されたボタン12の形状のユーザインターフェーススイッチを含む。
【0022】
図には示されていないが、時計2は、車両の電気回路に電気的に接続されていることを理解されたい。このようにして、巻き上げ機構は、車両内のバッテリによって電力供給されるホルダー4内の時計2の回転を介して自動的に巻き上げられてもよい。このバッテリは車両バッテリそのものであってもよい。
【0023】
図1〜4は、時計2のいくつかの異なる構成を示し、時計2の動作上の使用法を示す。
図1は、休止位置にある時計2を示す。即ち、時計2は、大部分の時間、ユーザに時間を示す。この位置において、時計の文字盤6は、数字の12(表示10)が時計2の上部の中心となる位置に示されるように配置される。
図2は、時計2の自動巻き上げの様子を示す。時計2を巻き上げるためには、時計2を、ホルダー4に対して図2中の矢印14で示す方向に回転させる(時計2が、反対の方向に回転するように構成されていてもよいことは理解されたい。)。ホルダー4に対する時計2の回転は、時計2の巻き上げ機構(図示せず)を巻き上げて、時計2が求められるように機能するように作用する。即ち、時間を正しく維持し、遅れないようにする。時計2の回転は、接続された車両の電気システムによって電力供給される。
【0024】
時計2の巻き上げ機構を巻き上げるために、時計2は、設定された時間の間、又は設定された回転数で、常に回転することが想定される。さらに、時計2が機能し続けることを確実にするために、時計2のこの回転は定期的な方法で(例えば、1時間ごとに)実行される。これは、時計2が接続されている車両が使用中であるかどうかにかかわらず実行されてもよい。
【0025】
巻き上げ後、時計の文字盤6が図1に示された位置に戻ることを確実にするために、時計2は、更にセンサ(図示しない)を備えてもよく、いくつかの場合において、このセンサは、使用時に時計2又は時計の文字盤6の回転位置を検出するように動作可能なように、時計2の本体又は時計の文字盤6上に配置される。
【0026】
このセンサは、さらに、「通常の」使用の間、即ち、巻き上げ機構が巻き上げられていないときに、時計2及び/又は時計の文字盤6が正しい位置にあるかどうかをチェックするように動作可能であってもよい。これは、図4に図示されている。図4においては時計の文字盤6が本体4に対して矢印20で示す方向に回転している。この望ましくない回転は、時計2が接続されている車両の振動によって引き起こされたものであってもよい。このような回転が生じた場合、センサはこれを検出し、検出すると時計2に正しい位置に戻るように回転するよう指示する。このようにして時計の文字盤6は常に正しい位置に保持される。再度述べるが、この回転は、時計2が接続されている車両の電気系統によって電力供給されてもよい。
【0027】
図3は、本発明の時計2のさらなる特徴を示し、ユーザインターフェースボタン12の操作上の使用法を示す。ボタン12を押すと、クラウンホイール8をユーザに提示するために、時計2がホルダー4に対して(矢印16で示す方向に)所定の角度で回転するように指示する。このクラウンホイール8を手動で動かしてもよく、例えば、矢印18で示す方向に第2の位置(図3の番号8'で示す)に手動で動かしてもよい。この位置において、時計2の針の位置を変更するために、時計の文字盤6に対してクラウンホイール8を軸方向に回転させてもよい。
【0028】
ボタン12は、時計2の動作に関してさらなるタスクを実行するようにさらに動作可能であってもよい。例えば、ボタン12を押すと、時計2が一度で360°回転するようにしてもよい。このようにして、巻き上げ機構の巻き上げを、単にこの機能を表示するため、又は機械式時計2の自動巻き上げが正しく機能していることを確認するために、「手作業で」行ってもよい。さらに、ボタン12を押すと、時計2をホルダー4に対して時計2自体が接続された車両から分離する位置まで回転するように動作可能であってもよい。これは、例えば、サービス又は清掃のために時計2を取り外すことを可能にするために望ましい。ボタン12は、上記の動作のうちの2つ以上を実行するために使用されてもよく、そのような場合、ボタンが押される時間の長さ、又は実際にボタンが連続して押される回数は、どの動作を行うべきかによって異なってもよい。
【0029】
これらの図に示された時計2はそれ自体が回転するように示されているが、他の実施形態において、この時計2は、巻き上げ機構を巻き上げるように機能する時計の文字盤6を有し、時計の文字盤6が安定な時計本体に回転可能に結合してもよく、及び/又は時計2が、例えば、巻き上げキーのような巻き上げ機構を巻き上げるための代替又は追加の手段を備えてもよい。
【0030】
上記の複数の実施形態は、単なる例示として記載されたものである。添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0031】
2 時計
4 ホルダー
6 時計の文字盤
8 クラウンホイール
12 ボタン形状のユーザインターフェーススイッチ
図1
図2
図3
図4