(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856627
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】接続支持体を製造するための方法、接続支持体、ならびに接続支持体を備えているオプトエレクトロニクス半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H05K 3/44 20060101AFI20210329BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20210329BHJP
H05K 1/05 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
H05K3/44 A
H01L33/62
H05K1/05 A
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-511334(P2018-511334)
(86)(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公表番号】特表2018-517307(P2018-517307A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】EP2016058643
(87)【国際公開番号】WO2016184632
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年3月22日
(31)【優先権主張番号】102015107657.8
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517398634
【氏名又は名称】アラノッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ALANOD GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェアク エーリヒ ゾアク
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ツィーグラー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル アウストゲン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ペーチュ
(72)【発明者】
【氏名】エックハート ディツェル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベネディクト
【審査官】
黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−195038(JP,A)
【文献】
特開2015−029078(JP,A)
【文献】
特表2010−529652(JP,A)
【文献】
特開平03−006096(JP,A)
【文献】
特表2013−519233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/44
H01L 33/62
H05K 1/05
H01L 23/12
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの接続支持体を製造するための方法において、
A)平らに形成されている上面(1a)を備えている支持体薄板(1)を準備するステップと、
B)電気絶縁性に形成されている少なくとも1つの絶縁ストリップ(2)を前記上面(1a)に被着させ、前記支持体薄板(1)と前記絶縁ストリップ(2)とを素材結合により結合させるステップと、
C)導電性に形成されている少なくとも1つの導体ストリップ(3)を、前記絶縁ストリップ(2)の固着面(2a)に被着させ、前記絶縁ストリップ(2)と前記導体ストリップ(3)とを素材結合により結合させるステップと、を有しており、
前記導体ストリップ(3)と前記支持体薄板(1)とは、前記絶縁ストリップ(2)によって相互に電気的に絶縁されており、
前記ステップC)を前記ステップB)の前に実施し、前記絶縁ストリップ(2)および前記導体ストリップ(3)を一緒に前記支持体薄板(1)に被着させる、
少なくとも1つの接続支持体を製造するための方法。
【請求項2】
前記ステップB)における素材結合による結合および/または前記ステップC)における素材結合による結合を、ラミネートプロセスを使用して、かつ/または接着結合によって行う、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ステップA)および前記ステップC)およびオプションとして前記ステップB)を、ロール・ツー・ロールプロセスで実施する、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記支持体薄板(1)は多層に形成されており、かつベース薄板(11)と誘電性の層系(13)を含んでおり、前記誘電性の層系(13)は誘電性ミラーとして設計され、前記支持体薄板(1)の前記上面(1a)は、少なくとも430nmの波長で少なくとも80%の反射率を有し、少なくとも700nmの波長で反射率を有する
請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記ステップB)の前に、前記支持体薄板(1)に複数の開口部(4)を形成し、
前記ステップC)における被着を、前記導体ストリップ(3)が前記開口部(4)のうちの少なくとも1つを前記開口部の覆い隠された領域(41)において少なくとも部分的に覆い隠すように行う、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記ステップC)の後に、さらなるステップD)において、前記導体ストリップの一領域(31)および前記絶縁ストリップの一領域(21)を、前記開口部の覆い隠された領域(41)において折り返し、
前記導体ストリップの折り返された領域(31)および前記絶縁ストリップの折り返された領域(21)を、続けて、前記導体ストリップ(3)の折り返されていない領域の、前記支持体薄板(1)側とは反対側の面に配置し、
前記導体ストリップ(3)を、折返し後に、前記開口部の覆い隠された領域(41)において、前記絶縁ストリップの折り返された領域(21)によって被覆する、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
電子モジュールのための接続支持体において、
平らに形成されている上面(1a)を備えている、支持体薄板(1)と、
電気絶縁性に形成されており、かつ前記上面(1a)に被着されている、少なくとも1つの絶縁ストリップ(2)と、
導電性に形成されており、かつ前記絶縁ストリップ(2)の、前記上面(1a)側とは反対側の固着面(2a)に被着されている、少なくとも1つの導体ストリップ(3)と、を有しており、
前記支持体薄板(1)と前記絶縁ストリップ(2)、および前記絶縁ストリップ(2)と前記導体ストリップ(3)は、それぞれ素材結合により相互に結合されており、
前記導体ストリップ(3)と前記支持体薄板(1)とは、前記絶縁ストリップ(2)によって相互に電気的に絶縁されており、
前記支持体薄板(1)は、多層に形成されており、かつベース薄板(11)、誘電性の層系(13)およびオプションとしての金属製の反射層(12)を含んでおり、
前記支持体薄板(1)の前記上面(1a)は、少なくとも430nmかつ最大で700nmの波長において、少なくとも80%の反射率を有しており、
前記支持体薄板(1)の側面(1b)は、前記支持体薄板(1)におけるノッチによって形成されている複数のポケット(41)を有しており、該ポケット(41)のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に前記導体ストリップ(3)によって覆い隠されている、
電子モジュールのための接続支持体。
【請求項8】
前記支持体薄板(1)は多層に形成されており、かつベース薄板(11)と誘電性の層系(13)を含んでおり、前記誘電性の層系(13)は誘電性ミラーとして設計され、前記支持体薄板(1)の前記上面(1a)は、少なくとも430nmの波長で少なくとも80%の反射率を有し、少なくとも700nmの波長で反射率を有する、
請求項7記載の接続支持体。
【請求項9】
前記接続支持体は、表面実装(SMT)によらずに接続可能である、
請求項7または8記載の接続支持体。
【請求項10】
前記絶縁ストリップ(2)は、前記上面(1a)全体を被覆しており、
前記絶縁ストリップ(2)は、透明に形成されている、
請求項7から9までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの導体ストリップ(3)は、長さ(L)および幅(B)を有しており、
前記導体ストリップ(3)の前記幅(3B)は、前記導体ストリップ(3)の前記長さ(3L)の最大で20%であり、
前記導体ストリップ(3)は、前記長さ(3L)に沿って、前記支持体薄板(1)の少なくとも90%を被覆しており、かつ前記幅(3B)に沿って、前記支持体薄板(1)の少なくとも5%かつ最大で20%を被覆している、
請求項7から10までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの絶縁ストリップ(2)は、長さ(2L)および幅(2B)を有しており、
前記絶縁ストリップ(2)の長さ(2L)は、少なくとも、前記導体ストリップ(3)の長さ(3L)であり、
前記絶縁ストリップ(2)の幅(2B)は、前記導体ストリップ(3)の幅(3B)よりも少なくとも100μm長い、かつ/または前記絶縁ストリップ(2)の幅(2B)は、前記導体ストリップ(3)の幅(3B)の少なくとも1.25倍に相当する、
請求項11記載の接続支持体。
【請求項13】
前記支持体薄板(1)は、多層に形成されており、かつベース薄板(11)および電気絶縁性に形成されている透明なコーティングを含んでおり、
前記透明なコーティングの、前記ベース薄板(11)側とは反対側の外面は、前記支持体薄板(1)の前記上面(1a)を形成している、
請求項7から12までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項14】
前記支持体薄板(1)の前記側面(1b)は、少なくとも前記ポケット(41)の領域において、少なくとも部分的に絶縁層(6)によって被覆されている、
請求項7から13までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項15】
前記導体ストリップの一領域(31)および前記絶縁ストリップの一領域(21)は、前記ポケットの領域(41)において折り返されており、
前記導体ストリップの折り返された領域(31)および前記絶縁ストリップの折り返された領域(21)は、前記導体ストリップ(3)の折り返されていない領域の、前記支持体薄板(1)側とは反対側の面に配置されており、
前記導体ストリップ(3)の折り返されていない領域は、前記ポケットの領域(41)において、前記絶縁ストリップの折り返された領域(21)によって被覆されている、
請求項7から14までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項16】
各導体ストリップ(3)に1つの絶縁ストリップ(2)が一義的に対応付けられており、
前記上面(1a)は、1つに繋がるように形成されている、
請求項7から15までのいずれか1項記載の接続支持体。
【請求項17】
オプトエレクトロニクス半導体モジュールにおいて、
請求項7から16までのいずれか1項記載の接続支持体と、
接続箇所(51)を備えている少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(5)と、を含んでおり、
前記少なくとも1つの半導体チップ(5)は、前記接続支持体の実装領域(15)において、前記支持体薄板(1)の実装面(15a)に被着されており、
少なくとも1つの接続箇所(51)は、前記少なくとも1つの導体ストリップ(3)と導電的に接続されている、
オプトエレクトロニクス半導体モジュール。
【請求項18】
前記接続支持体は、少なくとも2つの導体ストリップ(3)を有しており、該2つの導体ストリップ(3)は、前記少なくとも1つの絶縁ストリップ(2)によって、前記支持体薄板(1)から電気的に絶縁されており、
各接続箇所(51)は、少なくとも1つの導体ストリップ(3)と導電的に接続されている、
請求項17記載のオプトエレクトロニクス半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
刊行物、米国特許第8,975,532号明細書(US8,975,532B2)には、接続支持体、ならびにその種の接続支持体を製造するための方法が記載されている。
【0002】
解決すべき課題は、接続支持体を製造するための簡単かつ廉価な方法を提供することである。解決すべき別の課題は、簡単かつ廉価に製造することができる接続支持体、およびその種の接続支持体を備えているオプトエレクトロニクス半導体モジュールを提供することである。
【0003】
少なくとも1つの接続支持体を製造するための方法が提供される。接続支持体を、少なくとも1つの電子モジュールの機械的な固定および安定化ならびに電気的な接触接続に使用することができる。例えば、接続支持体は回路基板である。電子モジュールは、電子的な半導体チップ、特にオプトエレクトロニクス半導体チップであってよい。
【0004】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体部材が準備される。支持体部材は、特に支持体薄板である。
【0005】
支持体薄板は、平らに形成されている上面と、この上面とは反対側に位置する底面と、を有している。換言すれば、上面は、平面ないし平坦に形成されている。底面も同様に平らに形成することができる。平らに形成されている面は、特に、その面が製造公差の枠内で、凸部および/または凹部を有していないことを特徴としている。この場合、幾つも繋がるように上面を形成することが可能である。
【0006】
支持体薄板は、主延在平面を有しており、この主延在平面に沿って2つの横方向が延びている。主延在平面は、製造公差の枠内で、上面および/または底面に対して平行に、または上面および/または底面に沿って延在している。主延在平面に対して直行する方向において、すなわち垂直な方向において、支持体薄板は、厚さを有している。支持体薄板の厚さは、支持体薄板の横方向における寸法に比べて小さい。
【0007】
支持体薄板は、特に、金属によって形成することができる薄いプレートであってよい。例えば、支持体薄板の厚さは、少なくとも0.3mm、好適には少なくとも0.4mm、かつ最大で2.2mm、好適には2.1mmである。
【0008】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、電気絶縁性に形成されている、少なくとも1つの絶縁ストリップが、支持体薄板の上面に被着されている。
【0009】
ここで、また下記において、「ストリップ」とは、細長く延びる、例えば縞状の構成要素であり、この構成要素は、巻き取られた状態において上から見ると、すなわち構成要素の主延在平面に対して直行する方向に見ると、例えば矩形に形成されている。この場合、ストリップは、特に主延在平面に対して平行に真っ直ぐ延びており、かつ湾曲部のない外縁を有することができる。
【0010】
絶縁ストリップは、例えば、酸化物、窒化物、ポリマーおよび/またはプラスチック材料によって形成することができるか、またはそれらの材料のうちの1つから成るものであってよい。
【0011】
例えば、絶縁ストリップは、エポキシ樹脂接着剤、特に変性されたエポキシ樹脂接着剤(例えば、いわゆるBステージエポキシ接着剤)またはアクリル接着剤、特に変性されたアクリル接着剤(例えば、いわゆるBステージアクリル接着剤)によって形成することができるか、またはそれらから成るものであってよい。さらに、絶縁ストリップは、PSA接着剤(Pressure−Sensitive−Adhesive、感圧接着剤)、例えばアクリルポリマー、ポリイソブチレン(PIB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、シリコーン接着剤またはスチレンブロックポリマー(SBS,SEBS,SEP)によって形成することができるか、またはそれらから成るものであってよい。PSA接着剤は、例えばラミネートプロセスにおいて圧力を加えた後に漸くその固着力が生じることを特徴としている。さらに、絶縁ストリップの材料は、特に熱可塑性材料、例えばポリエチレンまたはポリアミドから成るホットメルト接着剤(英語:hotmelt adhesive)を基礎としてもよい。
【0012】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板および少なくとも1つの絶縁ストリップは、素材結合により相互に結合される。ここで、また下記において、「素材結合による結合」とは、結合相手同士が原子力および/または分子力によって結束される結合である。素材結合による結合は、機械的に非破壊では解消不可能であることを特徴としている。このことは、結合を機械的な力の作用によって解消させることを試みた際に、結合相手の少なくとも一方が破壊される、かつ/または損傷することを意味している。例えば、素材結合による結合は、接着結合、溶接結合および/または溶融結合である。さらに、素材結合による結合を、上面への絶縁ストリップの材料の吹付けかつ/または蒸着によって生じさせることができる。
【0013】
少なくとも1つの絶縁ストリップの被着後に、この絶縁ストリップが支持体薄板の上面を少なくとも部分的に被覆する。この場合、上面には、少なくとも部分的に自由に接近することができる。さらに、絶縁ストリップが上面を完全に被覆することも可能である。この場合、絶縁ストリップの固着面には、少なくとも部分的に外部から自由に接近することができる。
【0014】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、導電性に形成されている少なくとも1つの導体ストリップが、絶縁ストリップの固着面に被着され、かつ素材結合により絶縁ストリップと結合される。絶縁ストリップの固着面は、特に、上面に絶縁ストリップを被着させた後にその上面とは反対側に位置している、絶縁ストリップの外面である。
【0015】
例えば、導体ストリップは、金属、例えば銅、銅合金、アルミニウム、鋼または鉄から形成されているか、またはそれらの材料のうちの1つから成るものである。このことは、例えばワイヤボンディング(Wire−Bonding)を用いた、少なくとも1つの導体ストリップの、支持体薄板側とは反対側のコンタクト面の簡単な接触接続を実現する。コンタクト面を、さらにガルバニックプロセスによって処理することができる。このために、例えばNi−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−Au、Agおよび/またはNi−Pのように構成されている層列が適している。代替的または付加的に、接触面を、OSP(Organic Surface Protection)コーティングによってコーティングすることができる。そのようなOSPコーティングは、例えばベンゾトリアゾールポストディップを含むことができる。さらに、導体ストリップの、固着面と対向している底面を、例えば粗面化プロセス、例えばサンドブラスト、エッチングおよび/またはガルバニックコーティングによって前処理し、絶縁ストリップとの結合を容易にすることができる。
【0016】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、導体ストリップと支持体薄板とが、絶縁ストリップによって、相互に電気的に絶縁されている。このために、絶縁ストリップは、導体ストリップの底面を完全に被覆することができる。さらに、絶縁ストリップは、少なくとも1つの横方向において、導体ストリップから突出している。換言すれば、絶縁ストリップを、導体ストリップよりも幅広に形成することができる。
【0017】
少なくとも1つの接続支持体を製造するための方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、この方法が以下のステップを有している:
A)平らに形成されている上面を備えている支持体薄板を準備するステップ、
B)電気絶縁性に形成されている少なくとも1つの絶縁ストリップを上面に被着させ、支持体薄板と絶縁ストリップとを素材結合により結合させるステップ、
C)導電性に形成されている少なくとも1つの導体ストリップを、絶縁ストリップの固着面に被着させ、絶縁ストリップと導体ストリップとを素材結合により結合させるステップ、ただし導体ストリップと支持体薄板とは絶縁ストリップによって相互に電気的に絶縁されている。
【0018】
特に、本明細書に記載する方法によって、複数の接続支持体を製造することができ、この場合、ステップC)に続いて、個別化ステップが行われる。
【0019】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップB)における支持体薄板と絶縁ストリップとの素材結合による結合、および/またはステップC)における絶縁ストリップと導体ストリップとの素材結合による結合が、ラミネートプロセスを使用して、かつ/または接着結合によって行われる。特に、3つすべてのステップA),B)およびC)における素材結合による結合を、ラミネートプロセスを使用して、かつ/または接着結合によって行うことが可能である。ラミネートプロセスないし接着結合の使用は、そのラミネートプロセスないし接着結合を簡単かつ廉価に実施できることを特徴としている。
【0020】
例えば、絶縁ストリップを、固着面において、かつ/または固着面とは反対側の取付け面において接着剤コーティングすることができる。接着剤は、PSA接着剤であってよい。したがって、絶縁ストリップは、接着テープ(いわゆるライナ)および/または保護フィルムであってよい。例えば、絶縁ストリップを保護フィルムから剥がして、上面に接着させることができる。絶縁ストリップが接着剤によって上面に接着される場合、圧力の作用時に接着剤の均一な厚さを実現するために、接着剤がスペーサ粒子としての付加的な充填材を含有することも可能である。
【0021】
代替的または付加的に、絶縁ストリップおよび/または導体ストリップを印刷法によって被着させることも可能である。さらに、絶縁ストリップおよび/または導体ストリップを、ジェッティング、吹付け、スピンコーティング、蒸着またはディスペンシングによって被着させることができる。
【0022】
本明細書に記載する方法では、特に、導体ストリップないし絶縁ストリップの支持体薄板との素材結合による結合のために廉価な結合方式を使用するという着想が実践される。このために、特に、ラミネートプロセス、接着結合および/または印刷法が適している。さらに、接続支持体の個々の構成要素に対して廉価な材料が使用される。これによって、所望の特別な特性、例えば反射率および/または熱伝導率を有している支持体薄板を廉価に接続支持体において使用することができる。電子モジュールの電気的な接触接続のために必要になる導体路を、導体ストリップとして簡単かつ廉価に支持体薄板に被着させることができる。
【0023】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップA)における支持体薄板の準備およびステップC)における少なくとも1つの導体ストリップの被着が、ロール・ツー・ロールプロセスで実施される。その種のプロセスにおいては、支持体薄板、少なくとも1つの導体ストリップおよびオプションとしての絶縁ストリップが、ロールとして巻き取られた状態で提供される。続いて、支持体薄板、少なくとも1つの導体ストリップおよびオプションとしての少なくとも1つの絶縁ストリップがロールから広げられ、相互に結合される。結合を特にラミネートプロセスによって行うことができる。続いて、完成した接続支持体を再びロールに巻き取ることができる。
【0024】
その種のロール・ツー・ロールプロセスは、接続支持体の高速かつ廉価な製造を実現する。特に、支持体薄板、少なくとも1つの導体ストリップおよび少なくとも1つの絶縁ストリップを、それぞれロールとして巻き取られた状態で提供することができる。支持体薄板と絶縁ストリップの素材結合による結合および導体ストリップと絶縁ストリップの素材結合による結合を、1つの共通の方法ステップで行うことができる。
【0025】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップC)における少なくとも1つの導体ストリップの被着が、ステップB)における上面への少なくとも1つの絶縁ストリップの被着の前に実施される。絶縁ストリップおよび導体ストリップは、特に一緒に支持体薄板に被着される。この場合、導体ストリップおよび絶縁ストリップが先ず、素材結合により相互に結合され、続いて、一緒にロールに巻き取られた状態で提供される。
【0026】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップB)における上面への少なくとも1つの絶縁ストリップの被着の前に、支持体薄板に複数の開口部が形成される。換言すれば、支持体薄板が事前に構造化される。開口部の形成を、例えば、打抜きプロセス、レーザ切断、ウォータビーム切断、サンドビームおよび/またはエッチングによって行うことができる。開口部は、垂直な方向において、支持体を貫通して延びている。
【0027】
開口部は分断構造であってよい。例えば、各開口部は、それぞれ主延在方向を有しており、その主延在方向に沿って開口部が延びている。主延在方向は、2つの横方向のうちの一方であってよい。特に、開口部は、製造すべき接続支持体に対応する支持体薄板の領域を枠状に包囲することができる。この場合、開口部を部分的に、支持体薄板のブリッジによって相互に離隔させることができる。ブリッジを貫通する開口部に沿って、ステップC)に続くステップにおいて、少なくとも1つの接続支持体の個別化を行うことができる。
【0028】
さらに、開口部が少なくとも部分的にポケットを有することが可能である。ポケットを、開口部の一部分によって形成することができ、その部分は、開口部の主延在方向に対して直行する少なくとも1つの横方向において、開口部の残りの部分よりも大きい幅を有している。ポケットによって、絶縁ストリップに沿った漏れ電流に関する沿面距離を拡大することができ、それによって、導体ストリップと支持体薄板との間の短絡を阻止することができる。
【0029】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップC)における少なくとも1つの導体ストリップの被着は、導体ストリップが開口部のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に覆い隠すように行われる。この場合、開口部は、覆い隠された領域を有している。開口部の覆い隠された領域は、特に、ポケットの少なくとも1つの領域であってよい。換言すれば、開口部の各ポケットを、少なくとも部分的に導体ストリップによって覆い隠すことができる。少なくとも1つの導体ストリップの個別化を、開口部の覆い隠された領域において行うことができる。ここで、また下記において、少なくとも1つの導体ストリップによって「覆い隠される」状態とは、導体ストリップが開口部の上に延在している場合に生じる。この場合には特に、開口部の覆い隠された領域には、支持体薄板の上面側からはもはや自由に接近することができない。開口部の覆い隠された領域において、導体ストリップを自立式に形成することができる。
【0030】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップB)の前に、支持体薄板に複数の開口部が形成され、またステップC)における被着は、導体ストリップが開口部のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に覆い隠すように行われる。
【0031】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップC)における少なくとも1つの導体ストリップの被着の後に、導体ストリップの一領域および絶縁ストリップの一領域が、開口部の覆い隠された領域において折り返される。換言すれば、導体ストリップが折り畳まれる。折返しを、例えば、切断ツールおよび/または打抜きツールによって行うことができる。この場合、導体ストリップおよびオプションとしての絶縁ストリップを、先ず、開口部の覆い隠された領域において分断し、続いて一緒に折り返すことが可能である。折返しを、支持体薄板の横方向のうちの一方に沿って延びる回転軸線を中心に行うことができる。特に、導体ストリップおよび絶縁ストリップを、少なくとも160°かつ最大で200°、特に180°、回転軸線を中心に回転させることができる。
【0032】
折返し後に、導体ストリップは、折り返された領域と、折り返されていない領域と、を有することができる。導体ストリップの折り返された領域が、支持体薄板側とは反対側の面において、導体ストリップの折り返されていない領域と接続されることも考えられる。さらに、絶縁ストリップの折り返された領域が、絶縁ストリップの折り返されていない領域と少なくとも部分的に接続されることも考えられる。
【0033】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、導体ストリップの折り返された領域および絶縁ストリップの折り返された領域が、折返し後に、導体ストリップの折り返されていない領域の、支持体薄板側とは反対側の面に配置されている。この場合、導体ストリップは、開口部の覆い隠された領域において、絶縁ストリップによって被覆されている。換言すれば、導体ストリップには、開口部の覆い隠された領域においてもはや自由に接近することができない。
【0034】
折返し後に、絶縁ストリップの折り返された領域の固着面の一部と、絶縁ストリップの折り返されていない領域の固着面の一部とを、相互に対向させることができる。さらに、折り返された領域の固着面の一部と、折り返されていない領域の固着面の一部とを、相互に直接的に接触させることができ、また特に素材結合により相互に結合させることができる。同様に、導体ストリップの折り返された領域のコンタクト面の一部と、導体ストリップの折り返されていない領域のコンタクト面の一部とを、相互に対向させることができ、また特に相互に直接的に接触させることができる。
【0035】
本方法の少なくとも1つの実施の形態によれば、ステップC)における少なくとも1つの導体ストリップの被着の後に、導体ストリップの一領域および絶縁ストリップの一領域が、開口部の覆い隠された領域において折り返される。その後、導体ストリップの折り返された領域および絶縁ストリップの折り返された領域は、導体ストリップの折り返されていない領域の、支持体薄板側とは反対側の面に配置されている。折返し後に、導体ストリップは、開口部の覆い隠された領域において、絶縁ストリップの折り返された領域によって被覆されている。
【0036】
導体ストリップおよび絶縁ストリップの折返しによって、折り返された領域において、支持体薄板と導体ストリップとの間の沿面距離が拡大されること、および導体ストリップの自由端部がポテンシャルフリーになることを達成することができる。さらに、少なくとも1つの導体ストリップを絶縁ストリップによってシーリングすることができる。折り返された領域を固定するために、特に、絶縁ストリップの固着面の固着力を利用することができる。このために、絶縁ストリップの折り返された領域と絶縁ストリップの折り返されていない領域との間の結合、特に素材結合による結合を生じさせることができる。例えば、この結合は温度および圧力の供給によって行うことができる。代替的または付加的に、固着材料、例えば接着剤を、導体ストリップおよび/または絶縁ストリップの折り返された領域と折り返されていない領域との間に導入することができる。
【0037】
さらに、電子モジュールのための接続支持体が提供される。とりわけ、接続支持体を、本明細書に記載する方法によって製造することができる。このことは、方法に関して開示したすべての特徴は、接続支持体についても開示されており、またそれとは反対に、接続支持体に関して開示したすべての特徴は、方法についても開示されていることを意味している。
【0038】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、接続支持体が、平らに形成されている上面を備えている支持体薄板を含んでいる。さらに、接続支持体は、電気絶縁性に形成されており、かつ支持体薄板の上面に被着されている少なくとも1つの絶縁ストリップと、その絶縁ストリップの、上面側とは反対側の固着面に被着されており、かつ導電性に形成されている導体ストリップと、を含んでいる。支持体薄板と絶縁ストリップ、ならびに絶縁ストリップと導体ストリップは、それぞれ素材結合により相互に結合されている。さらに、導体ストリップと支持体薄板とは、絶縁ストリップによって相互に電気的に絶縁されている。
【0039】
接続支持体は、特に、電子モジュールのための支持体として使用される。接続支持体は、少なくとも2つの導体ストリップを有することができ、それらの各導体ストリップは、少なくとも1つの電子モジュールの電気的な接触接続に使用される。この場合、2つの異なる極性の電気的な接触接続のために設けられている2つの導体ストリップを、ESD保護ダイオードによってブリッジすることができる。
【0040】
支持体薄板は、特に、底面側とは反対側の実装面を備えている実装領域を有することができる。実装面において、実装領域に電子モジュールを配置することができる。この場合、導体ストリップは、電子モジュールの電気的な接触接続に使用される。実装面は、上面の一部であってよい。代替的または付加的に、実装面が少なくとも部分的に固着面によって形成されていてもよい。固着面および/または上面には、支持体薄板の、実装領域外に位置する領域において、外部から自由に接近することができる。換言すれば、絶縁ストリップは、実装領域外の領域においては、上面を完全には被覆していない、かつ/または導体ストリップは、実装領域外の領域においては、固着面を完全には被覆していない。
【0041】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板が多層に形成されている。支持体薄板は、ベース薄板、誘電性の層系およびオプションとしての金属製の反射層を含んでいる。ベース薄板の露出されている外面は、支持体薄板の底面を形成することができる。さらに、誘電性の層系の露出されている外面は、支持体薄板の上面を形成することができる。
【0042】
特に、底面を金属製の面、例えばベース薄板の露出されている外面によって形成することができる。底面には外部から自由に接近することができる、かつ/または底面に外部から自由に電気的に接触接続することができる。換言すれば、底面は完成した接続支持体において、完全には電気絶縁性の材料によって被覆されていない。
【0043】
ベース薄板は、特に金属、例えばアルミニウムによって形成することができるか、または金属から成るものであってよい。ベース薄板の底面側とは反対側の面を、コイルアルマイトかつ/または陽極酸化することができる。金属製のベース薄板の使用によって、支持体薄板の良好な熱伝導性が実現される。
【0044】
ベース薄板の底面側とは反対側の面には、オプションとして、金属製の反射層を被着させることができる。金属製の反射層は、例えばアルミニウムまたは銀によって形成することができるか、またはそれらの材料のうちの1つから成るものであってよい。ベース薄板と金属製の反射層との間には、Elox層を含むことができる層列を設けることができる。Elox層は、酸化物、特に酸化アルミニウムまたは酸化銀を含有することができる。例えば、Elox層を、電解酸化を用いて、特にアルミニウムまたは銀から製造することができる。さらに、層列は固着層を含むことができる。
【0045】
誘電性の層系は、複数の層を有することができ、層系のそれらの層のうちの少なくとも1つは、酸化物を含有することができるか、または酸化物から成るものであってよい。例えば、層系は、TiO
2、SiO
2、Al
2O
3、Nb
2O
5またはTa
2O
5を含有している。層系を、特に、誘電性ミラー、例えばブラッグミラーとして形成することができる。
【0046】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板の上面が、少なくとも430nm、好適には少なくとも440nm、かつ最大で700nmの波長において、特に450nmの波長において、少なくとも80%、好適には少なくとも85%、特に好適には少なくとも90%の反射率を有している。換言すれば、主延在平面に対して直交する方向において、支持体薄板の上面に入射する可視光が、少なくとも80%、好適には少なくとも85%、特に好適には少なくとも90%の確率で反射される。したがって、支持体薄板は、可視光、特に青色の光に対して高反射性に形成されている。その種の高反射性の、特に多層に形成されている支持体薄板を廉価に提供することができる。
【0047】
高反射性の支持体薄板の使用によって、接続支持体にオプトエレクトロニクス半導体チップを実装した場合、出力結合効率を改善することができる。つまり、特にすべての空間方向に光を放射するボリュームエミッタを使用する場合、接続支持体の方向に放出された光の効率的な反射が、支持体薄板によって実現される。したがって、反射された光をさらに利用することができる。さらに、ベース薄板は高い熱伝導性を有することができ、これによって、熱を、接続支持体に実装された電子モジュールからベース薄板を介して効率的に排出することができる。
【0048】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、接続支持体は、表面実装(英語:SMT、Surface−Mountable−Device)によらずに、導電的に接続可能である。換言すれば、導体ストリップには、支持体薄板の底面側とは反対側のコンタクト面においてのみ自由に接近することができる。特に、導体ストリップは、支持体薄板の上面にのみ延在している。
【0049】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、絶縁ストリップが上面全体を被覆している。特に、絶縁ストリップは、上面全体を完全に被覆している。絶縁ストリップを、例えば、保護層、保護封止材料または保護フィルムとして、支持体薄板の上面に設けることができる。絶縁ストリップは、透明に形成されている。ここで、また下記において、支持体薄板の構成要素の材料が少なくとも430nm、好適には少なくとも440nm、かつ最大で700nmの波長において、特に450nmの波長において、少なくとも80%、好適には少なくとも90%、特に好適には少なくとも95%の透過率を有している場合には、支持体薄板の構成要素は透明に形成されている。換言すれば、可視光、特に青色の光が、絶縁ストリップを良好に通過し、続いてその光を支持体薄板によって反射させることができる。
【0050】
ここで、絶縁ストリップは、特に有機材料、例えばアクリル酸エステル、フッ素樹脂、ポリウレタンまたはポリエステルによって形成することができるか、またはそれらの材料のうちの少なくとも1つから成るものであってよい。代替的または付加的に、絶縁ストリップは、ゾルゲル、例えばシロキサン、水ガラスまたはモノリン酸アルミニウム(ベルリナイト)によって形成することができるか、またはそれらから成るものであってよい。有機材料および/またはゾルゲルを、例えば上面に吹付けることができるか、またはスピンコーティングすることができる。
【0051】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、導体ストリップが長さおよび幅を有している。特に、導体ストリップは長さに沿って、この導体ストリップが延在する優先方向を有している。導体ストリップの幅は、導体ストリップの長さの最大で20%、好適には最大で10%である。したがって、導体ストリップは細長く形成されている。例えば、幅は、少なくとも0.4mmかつ最大で5mmである。長さは、少なくとも4mmかつ最大で100mmであってよい。
【0052】
導体ストリップは、長さに沿って、支持体薄板の少なくとも90%を被覆している。さらに、導体ストリップは、幅に沿って、支持体薄板の少なくとも5%かつ最大で20%を被覆している。導体ストリップの長さは、製造公差の枠内で、支持体薄板の第1の横方向に沿って延びていると考えられる。さらに、導体ストリップの幅は、製造公差の枠内で、第1の横方向に対して直交する第2の横方向に沿って延びていると考えられる。この場合、導体ストリップの長さは、第1の横方向に沿った支持体薄板の第1の寸法の少なくとも1つの90%である。さらに、導体ストリップの幅は、第2の横方向に沿った支持体薄板の第2の寸法の少なくとも5%かつ最大で20%である。
【0053】
導体ストリップは、さらに、幅および長さを横断する方向ないし直交する方向において厚さを有している。導体ストリップの厚さは、少なくとも25μm、好適には少なくとも40μm、かつ最大で200μm、好適には最大で150μmである。
【0054】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも1つの絶縁ストリップが長さおよび幅を有している。特に、絶縁ストリップは長さに沿って、この絶縁ストリップが延在する優先方向を有している。絶縁ストリップの幅は、絶縁ストリップの長さの最大で25%、好適には15%であってよい。絶縁ストリップの長さは、少なくとも導体ストリップの長さである。換言すれば、絶縁ストリップの長さは、導体ストリップの長さと正確に一致するように、または導体ストリップの長さよりも長くなるように形成されている。
【0055】
さらに、絶縁ストリップの幅は、導体ストリップの幅よりも少なくとも100μm大きい。代替的または付加的に、絶縁ストリップの幅は、導体ストリップの幅の少なくとも1.25倍、好適には少なくとも1.5倍に相当する。
【0056】
絶縁ストリップが導体ストリップよりも幅広に形成されていることによって、導体ストリップと支持体薄板との間の沿面距離を拡大し、それによって支持体薄板に対する導体ストリップのより良好な絶縁を保証することができる。
【0057】
各導体ストリップに1つの絶縁ストリップを一義的に対応付けることができる。導体ストリップを、絶縁ストリップにセンタリングして配置することができる。換言すれば、長さおよび/または幅に沿った導体ストリップの中心軸線を、製造公差の枠内で、長さおよび/または幅に沿った絶縁ストリップの中心軸線に一致させることができる。
【0058】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板が多層に形成されており、かつベース薄板と、電気絶縁性に形成されている透明なコーティングと、を含んでいる。透明なコーティングの、ベース薄板側とは反対側の外面は、支持体薄板の上面を形成している。上面は、特に、1つに繋がるように形成されている。換言すれば、透明なコーティングを一体的にないし繋がっているように形成することができ、また透明なコーティングは、ベース薄板を完全に覆い隠すことができる。透明なコーティングは、特に、上述の有機材料および/または上述のゾルゲルによって形成することができるか、またはそれらの材料のうちの1つから成るものであってよい。
【0059】
例えば、支持体薄板は、誘電性の層系を含むことができ、また透明のコーティングは、誘電性の層系の一部であってよい。特に、透明なコーティングは、層系の残りの層の面を完全に被覆することができるか、もしくは層系の残りの層の全面を被覆することができる。透明なコーティングは、特に、環境の影響に対する支持体薄板の耐腐食性を改善することができる。さらに、透明なコーティングは、絶縁ストリップに付加的に、絶縁耐力を向上させることができ、また沿面距離を拡大することができる。特にこの場合には、接続支持体は、1つに繋がっている透明なコーティングと、その透明なコーティングに被着された少なくとも1つの絶縁ストリップと、を有することができる。
【0060】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、各導体ストリップに、1つの絶縁ストリップが一義的に対応付けられており、かつ支持体薄板の上面は、1つに繋がるように形成されている。この種の接続支持体は、特に簡単かつ廉価に製造することができる。
【0061】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板の側面が、複数のポケットを有している。ポケットは、支持体薄板の側面におけるノッチによって形成されている。側面は、支持体薄板の、底面および上面と繋がっている外面であってよい。ポケットのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、少なくとも1つの導体ストリップによって覆い隠されている。
【0062】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、支持体薄板の側面が、少なくともポケットの領域において、少なくとも部分的に絶縁層によって被覆されている。特に、絶縁層を側面に直接的に接触させることができる。側面をポケットの領域において完全に絶縁層によって被覆することができ、その結果、ポケットの領域においては、側面にはもはや自由に接近することができない。
【0063】
絶縁層を、電気絶縁性に形成することができる。絶縁層は、アクリル酸エステル、ポリウレタン、シリコーンまたはエポキシを基礎とする有機誘電体を含有することができるか、またはそれらの材料のうちの1つから成るものであってよい。代替的または付加的に、絶縁層をポリエステルまたはポリイミドによって形成することができる。さらに、絶縁層の材料をUVビームによって、かつ/または熱的に硬化させることができる。特に、絶縁層を側面へのジェッティング、ディスペンシングまたは印刷法によって被着させることができる。この場合、製造方法の間に、開口部および/またはポケットを絶縁層で充填し、続いて、各側面において絶縁層の領域のみが残存するように、絶縁層の一部を除去することができる。
【0064】
接続支持体の少なくとも1つの実施の形態によれば、導体ストリップの一領域および絶縁ストリップの一領域が、ポケットの領域において折り返されている。導体ストリップの折り返された領域および絶縁ストリップの折り返された領域は、導体ストリップの折り返されていない領域の、支持体薄板側とは反対側の面に配置されている。さらに、導体ストリップは、ポケットの領域において、絶縁ストリップの折り返された領域によって覆い隠されている。特に、導体ストリップを側面において、絶縁ストリップによって完全に覆うことができる。この場合、側面において、導体ストリップにはもはや自由に接近することができず、また特に絶縁ストリップを外側に向かって電気的に絶縁することができる。
【0065】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体モジュールが提供される。オプトエレクトロニクス半導体モジュールは、本明細書に記載する接続支持体を含んでいる。このことは、接続支持体に関して開示したすべての特徴は、オプトエレクトロニクス半導体モジュールについても開示されており、またそれとは反対に、オプトエレクトロニクス半導体モジュールに関して開示したすべての特徴は、接続支持体についても開示されていることを意味している。
【0066】
オプトエレクトロニクス半導体モジュールの少なくとも1つの実施の形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体モジュールが、接続支持体と、接続箇所を備えている少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップと、を含んでいる。接続箇所は、特に、オプトエレクトロニクス半導体チップの電気的な接触接続に使用される。オプトエレクトロニクス半導体チップを、光の放射および/または吸収のために設けることができる。オプトエレクトロニクス半導体チップは、発光ダイオードチップおよび/またはフォトダイオードチップであってよい。特に半導体チップは、青色の光を放射する。特に、オプトエレクトロニクス半導体チップは、すべての空間方向への放射を行うボリュームエミッタであってよい。
【0067】
オプトエレクトロニクス半導体モジュールの少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも1つの半導体チップが、接続支持体の実装領域において、支持体薄板の実装面に被着されている。半導体チップを、実装面と直接的に接触させることができる。実装面は、上面の一部であってよい。
【0068】
オプトエレクトロニクス半導体モジュールの少なくとも1つの実施の形態によれば、接続箇所のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの導体ストリップと導電的に接続されている。導体ストリップと接続箇所との電気的な接続を、例えばワイヤボンディングによって行うことができる。
【0069】
オプトエレクトロニクス半導体モジュールの少なくとも1つの実施の形態によれば、接続支持体が少なくとも2つの導体ストリップを有している。各導体ストリップは、少なくとも1つの絶縁ストリップによって、支持体薄板から電気的に絶縁されている。さらに、各接続箇所は、少なくとも1つの導体ストリップと導電的に接続されている。換言すれば、半導体チップの接続箇所は、支持体薄板を介しては電気的に接触接続されていない、かつ/または支持体薄板とは導電的に接続されていない。
【0070】
以下では、本明細書に記載する方法、本明細書に記載する接続支持体、ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールを、実施例および添付の図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載する方法の1つの実施例を示す。
【
図2】本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの実施例を示す。
【
図3】本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの実施例を示す。
【
図4】本明細書に記載する接続支持体のための支持体薄板の1つの実施例を示す。
【
図5】本明細書に記載する接続支持体、本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールならびに本明細書に記載する方法に関する1つの実施例を示す。
【
図6】本明細書に記載する接続支持体、本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールならびに本明細書に記載する方法に関する1つの実施例を示す。
【
図7】本明細書に記載する接続支持体、本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールならびに本明細書に記載する方法に関する1つの実施例を示す。
【
図8】本明細書に記載する接続支持体、本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールならびに本明細書に記載する方法に関する1つの実施例を示す。
【0072】
図中、同一の要素、同種の要素または同一に作用する要素には、同一の参照符号を付している。図面、および図面に図示した要素相互の大きさの比率は、縮尺通りとみなされるべきではない。むしろ、個々の要素は、見易くするため、かつ/またはより良い理解のために過度に大きく図示している場合もある。
【0073】
図1の斜視図に基づき、本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載する方法の1つの実施例を詳細に説明する。接続支持体を個別化する前の方法ステップが示されている。
【0074】
各接続支持体は、上面1aを備えている支持体薄板1を有している。
【0075】
上面1aには、絶縁ストリップ2が被着されている。さらに、絶縁ストリップ2の、上面1a側とは反対側の固着面2aには、導体ストリップ3が被着されている。絶縁ストリップ2および導体ストリップ3は、支持体薄板1の横方向のうちの一方に沿って延在している。図示の実施例においては、各絶縁ストリップ2に、1つの導体ストリップ3が一義的に対応付けられている。
【0076】
支持体薄板1は、さらに実装領域15を有しており、この実装領域15において、上面1aの一部が実装面15aを形成している。実装領域15において、実装面15aに、電子モジュール(
図1には図示せず)を被着させることができる。
【0077】
さらに、支持体薄板1は、複数の開口部4を有している。各開口部4は、主延在方向を有している。それらの開口部4に沿って、接続支持体の個別化を行うことができる。開口部4は、ポケット41を有している。ポケット41の領域において、開口部4は、その各主延在方向に対して直交する方向において、ポケット41外の寸法よりも大きい寸法を有している。ポケット41の領域においては、導体ストリップ3および絶縁ストリップ2が開口部4を覆い隠している。
【0078】
開口部4間には、ブリッジ42が設けられており、それらのブリッジ42において、支持体薄板1の個々の領域がさらに繋がるように形成されている。それらのブリッジ42を貫いて、接続支持体の個別化を行うことができる。さらに、ブリッジ42によって、例えばロールに巻き取るために必要になる、接続支持体の可撓性を保証することができる。
【0079】
図2の概略図に基づき、本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの実施例を詳細に説明する。図示の実施例において、上面1aには、オプトエレクトロニクス半導体チップ5が被着されている(
図1には詳細には図示せず)。使用されている接続支持体は、
図1の実施例に相当する。半導体チップ5は、変換封止材53によって封止されている。変換封止材53は、オプトエレクトロニクス半導体チップ5から放射される光の波長変換に使用される。変換封止材53の外側の領域は、変換封止材53のための漏れ止め縁部として使用される漏れ止め堰54によって包囲される。
【0080】
図3の概略図に基づき、本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの別の実施例を詳細に説明するが、ここでは、
図1および
図2の実施例とは異なり、導体ストリップ3および絶縁ストリップ2は、接続支持体間で個別化されており、もはや相互に接続されていない。導体ストリップ3および絶縁ストリップ2のこの個別化は、開口部4のポケット41の領域において行われた。
【0081】
図4の概略的な断面図に基づき、本明細書に記載する接続支持体のための支持体薄板1の1つの実施例を詳細に説明する。支持体薄板1は、多層に形成されており、かつベース薄板11を有しており、その露出されている外面は、支持体薄板1の上面1a側とは反対側の底面1cを形成している。ベース薄板11の底面1c側とは反対側の面には、層列14が設けられており、この層列14によって、金属製の反射層12をベース薄板11に接続させることができる。層列14は、酸化アルミニウムまたは酸化銀によって形成することができるElox層を含むことができる。さらに、層列14は、ベース薄板11と金属製の反射層12および/または層系13の接続に使用することができる固着層を有することができる。しかしながら、支持体薄板1が、金属製の反射層12および/または層列14を有していないことも考えられる。
【0082】
ベース薄板11ないしオプションとしての金属製の反射層12の、底面1c側とは反対側の面には、誘電性の層系13が被着されている。誘電性の層系13の露出されている外面は、支持体薄板1の上面1aを形成している。誘電性の層系13は、複数の層を含んでおり(
図4には図示せず)、それらの層は一緒に1つの誘電性ミラーを形成することができる。特に、層系13は、透明なコーティングを含むことができ、そのコーティングの、ベース薄板11側とは反対側の外面は、上面1aを形成することができる。
【0083】
図5および
図6の概略的な平面図に基づき、本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載する方法の1つの実施例を詳細に説明する。
図5においては、底面1c側からの平面図が示されており、また
図6においては、支持体薄板1の上面1a側からの平面図が示されている。
図5および
図6の左側には、それぞれ打抜き前の方法ステップが示されており、その一方で右側には、打抜きに続く方法ステップが示されている。
【0084】
図5および
図6の左側に示されている方法ステップにおいては、開口部4およびポケット41が支持体薄板1に形成されている。ポケット41は、導体ストリップ3および絶縁ストリップ2によって部分的に覆い隠されている。開口部4のポケット41には、絶縁材料61が充填される。このために、例えば、ジェッティング、ディスペンシングまたは印刷法を使用することができる。ポケット41を覆い隠している絶縁ストリップ2ないし導体ストリップ3の領域は、ここでは、上面1aの方向に絶縁材料61が延びることを阻止することができる。
【0085】
図5および
図6の右側に示されている方法ステップにおいては、打抜きプロセスが実施されている。ここでは、絶縁材料61の一部が除去される。ここで、絶縁材料61の除去されなかった部分は、絶縁層6を形成する。支持体薄板1の側面1bは、ポケット41の領域において、絶縁層6によって被覆されている。
【0086】
さらに、
図6は、複数の接続箇所51を備えているオプトエレクトロニクス半導体チップ5を示しており、それらの接続箇所51は、ワイヤボンディング52によって、それぞれ1つの導体ストリップ3と接続されている。
図6に図示したものとは異なり、複数のオプトエレクトロニクス半導体チップ5が、例えばマルチダイないしマルチチップとして、実装面15aに被着されていてもよい。その場合、複数のオプトエレクトロニクス半導体チップ5を、相互に直列かつ/または並列に結線して、実装面15aに被着させることができる。
【0087】
図7の斜視図に基づき、本明細書に記載する接続支持体ならびに本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの別の実施例を詳細に説明する。図示した実施例には、開口部4のポケット41が改めて示されているが、ここでは、ポケット41の領域における支持体薄板1の側面1bに絶縁層6が設けられている。
【0088】
図8の斜視図に基づき、本明細書に記載する接続支持体および本明細書に記載するオプトエレクトロニクス半導体モジュールの1つの別の実施例を詳細に説明する。この実施例においては、絶縁ストリップ2および導体ストリップ3が、ポケット41の領域において折り返されている。ここでは、絶縁ストリップの折り返された領域21ならびに導体ストリップの折り返された領域31が、導体ストリップ3の折り返されていない領域を覆い隠している。側面1bにおいて、導体ストリップ3にもはや自由に接近することはできない。導体ストリップ3は、絶縁ストリップの折り返された領域21によって、側面1bにおいて電気的に絶縁される。
【0089】
ポケット41の領域において、支持体薄板1の側面1bには、上面1aから離れる方向において、最初に、折り返されていない絶縁ストリップ2が配置されており、続いて、折り返されていない導体ストリップ3が配置されており、それに続いて、上面1a側とは反対側の面には、導体ストリップ3の折り返された領域31が配置されており、さらに、絶縁ストリップ2の折り返された領域21が配置されている。
【0090】
本発明は、実施例に基づく上記の説明によって、それらの実施例に限定されるものではない。むしろ本発明は、あらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組合せを含むものであり、このことは特に、その特徴またはその組合せ自体が明示的に特許請求の範囲または実施例に記載されていない場合であっても、特許請求の範囲における特徴のあらゆる組合せを含んでいる。
【0091】
本明細書は、ドイツ連邦共和国特許明細書DE102015107657.8の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により明示的に本明細書に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 支持体薄板
1a 上面
1b 側面
1c 底面
11 ベース薄板
12 金属製の反射層
13 誘電性の層系
14 層列
15 実装領域
15a 実装面
2 絶縁ストリップ
2a 固着面
2L 絶縁ストリップの長さ
2B 絶縁ストリップの幅
21 絶縁ストリップの折り返された領域
3 導体ストリップ
3L 導体ストリップの長さ
3B 導体ストリップの幅
31 導体ストリップの折り返された領域
4 開口部
41 開口部におけるポケット
42 ブリッジ
6 絶縁層
61 絶縁材料
5 オプトエレクトロニクス半導体チップ
51 接続箇所
52 ワイヤボンディング
53 変換封止材
54 漏れ止め堰