(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電子モジュール及び前記第2の電子モジュールは、電池パック、電気活性眼内レンズ、電子モジュール、及び集積回路とデバイスとの組み合わせの密封された封入物、からなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
前記モジュールシールリングは、熱機械的結合、低融解温度合金を使用したリフロー処理、透過性材料を介したレーザー誘起リフロー、及び超音波接合のうちの1つによって形成される、請求項1に記載のデバイス。
前記底部金属層、前記底部シールリング、前記中央シールリング、前記上部シールリング、前記モジュールシールリング、前記第1及び前記第2の電子モジュールのシールハウジング、並びに前記バリア層は、完全な密封を形成する、請求項7に記載のデバイス。
前記底部絶縁層を堆積させる前記ステップ及びパターン形成する前記ステップ、並びに前記上部絶縁層を堆積させる前記ステップ及びパターン形成する前記ステップのうちの少なくとも1つは、スピンコーティング、スプレーコーティング、及びラミネーションのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
前記モジュール金属層を堆積させる前記ステップ及び前記最終バリア層を堆積させる前記ステップのうちの少なくとも一方は、Ti、Au、Pt、及びNbのうちの少なくとも1つを含む金属層を堆積させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載する実施形態は、(光)電子デバイスの電子モジュール間に密封された電気的相互接続部を提供するために、密封式電気的相互接続部を有する電子デバイス又は光電子デバイスを導入することにより、上記の必要性及び課題に対処する。この(光)電子デバイスの実施形態は、以下の点を含む様々な有利な態様を有する。
【0012】
(1)実施形態は、電子モジュール及びそれらの電気的接続部に対して長寿命の生体適合性の環境的保護を提供することができる。実施形態は、10年間、又は20年間に渡って耐腐食性であることができ、従って、長期の生体内使用のためにこのデバイスを移植することを可能にする。
【0013】
(2)実施形態は、低製造コストをもたらす半導体バッチ製造技術を使用して製造することができる。
【0014】
(3)半導体製造技術から適合された薄膜形成技術は、処理品質及び制御の観点で非常に成熟している。
【0015】
(4)これらの薄膜形成技術を使用して、金属及びセラミックスなどの広範囲の材料を利用することができる。
【0016】
(5)実施形態は、極めて小さな寸法に小型化することができる。
【0017】
(6)実施形態によっては、密封式相互接続部は可撓性を有することがある。可撓性により、挿入のために必要な眼部の切開の寸法を最小にすることができる。更に、実施形態は、身体の動き、組織の柔軟性、及び周囲組織の形状の潜在的な発達に適応することができる。
【0018】
(7)実施形態は、最初の移植後にデバイスに周辺装置を追加することを可能にする、デバイスのモジュール方式設計を有することがある。そのような周辺装置は、遠隔式モジュール、感知モジュール(化学的、機械的、及び電気的なセンサなど)、機能的にアクティブなモジュール(レンズ及び神経刺激用の電極の収容など)を含むことがある。
【0019】
(8)実施形態は、接続部間の電流漏れ、及び水分の侵入に起因する誘電材料の電圧破壊などの、意図しない負の効果を防止する。
【0020】
図1は、光電子デバイス100の一実施形態を示し、光電子デバイス100は、第1の電子モジュール101と、第2の電子モジュール102と、第1の電子モジュール101と第2の電子モジュール102との間に密封された電気的結合を提供するための密封式電気的相互接続部200と、を含む。電気活性眼内レンズ実施態様(EA−IOL)では、第1の電子モジュール101及び第2の電子モジュール102は、EA−IOL110、電子モジュール120、又は電池パック130のうちのいずれかであり得る。第1及び第2の電子モジュールがこれらの要素のいずれかであり得ることを表すために、IOLは101/102/110とラベル付けされており、電子機器は101/102/120、電池は101/102/130とラベル付けされている。他の実施形態では、第1又は第2の電子モジュール101及び102は、集積回路とデバイスの組み合わせの密封された封入物であり得る。この明細書は、光電子デバイスの観点から策定されている。しかしながら、類似の実施形態を、生体内での使用のための非眼部の電子デバイスにおいても実装することができる。
【0021】
実施形態によっては、密封式電気的相互接続部200は、生体適合性であり得る。そのような実施形態は、生体内での使用のために、眼部組織などの組織に移植するのによく適している。
【0022】
実施形態によっては、密封式電気的相互接続部200は、可撓性を有することがある。既に考察したように、この可撓性により、光電子デバイス100を眼球内に挿入するために必要な眼部の切開の寸法を低減することができる。更に、実施形態は、身体の動き、組織の柔軟性、及び周囲組織の形状の潜在的な発達に適応することができる。
【0023】
実施形態によっては、密封式電気的相互接続部200は、半導体バッチ製造技術によって製造可能であることがある。半導体技術は成熟し効率的であるので、そのような技術を適合させることで、優れた制御を有し、非常に小型の信頼性の高いデバイスを低コストで製造することができる。
【0024】
図2は、光電子デバイス100の一実施形態の断面図を幾らか詳細に示す。前述と同じように、デバイス100は第1の電子モジュール101と第2の電子モジュール102とを含むことがあり、第1の電子モジュール101はこの場合では集積回路などの封止された電子機器120であり、第2の電子モジュール102はこの場合では封止された電池パック130である。他の実施形態では、電子モジュールのうちの1つは、電気活性IOL110であり得る。密封式電気的相互接続部200は、これらの2つ以上のモジュール間に電気的接続を提供し、以下の要素を含むことができる。
【0025】
密封式電気的相互接続部200は、底部金属層210を含むことがある。この底部金属層210は、後で取り除くことができるウェハ又は基板上に形成することができる。
【0026】
密封式電気的相互接続部200は、底部金属層210を絶縁するために底部金属層210上に堆積され、かつ、底部シールリング溝261bt(明確にするために後程
図4Aに示される)を形成するようにパターン形成された、底部絶縁層220を含むことがある。
【0027】
密封式電気的相互接続部200は、相互接続金属層230を含むことがあり、相互接続金属層230は、底部絶縁層220上に堆積され、かつ、底部シールリング261bを形成するために底部シールリング溝261btを充填するように堆積され、かつ底部シールリング261bと結合された中央シールリング261mによって囲まれた、コンタクトパッド234−1と234−2との間に電気的接続部を形成するようにパターン形成される。
【0028】
密封式電気的相互接続部200はパターン形成された上部絶縁層240を含むことがあり、パターン形成された上部絶縁層240は、相互接続金属層230を絶縁するために相互接続金属層230上に堆積され、また、コンタクトパッド234−1及び234−2用の貫通孔242−1及び242−2(明確にするために、後程
図4B1〜4B2に示される)を形成するように、かつ中央シールリング261mと結合された上部シールリング溝261tt(明確にするために、後程
図4B1〜4B2に示される)を形成するようにパターン形成される。
【0029】
密封式電気的相互接続部200は、上部金属層250を含むことがあり、上部金属層250は、上部絶縁層240上に堆積され、また、接触子254−1及び254−2の形成を開始するために貫通孔242−1及び242−2を充填するように、かつ、上部シールリング261tの形成を開始するために上部シールリング溝261ttを充填するように堆積され、また、貫通孔242−1及び242−2を通る接触子254−1及び254−2の形成を完了するように、かつ分離したバリア層256を形成するように、かつ上部シールリング261tの形成を完了するように、パターン形成される。
【0030】
実施形態によっては、第1及び第2の電子モジュール101/120及び102/130は、電子コンタクトパッド258−1及び258−2を有することがあり、これらの電子コンタクトパッド258−1及び258−2は接触子254−1及び254−2に取り付けられることがある。そうすることにより、第1の電子モジュール101/120と第2の電子モジュール102/130との間に、密封式電気的相互接続部200を介して電気的接続が確立される。
【0031】
実施形態によっては、デバイス100は、電子モジュールの外周に沿って第1及び第2の電子モジュール101/102に取り付けられたモジュールシールリング260を更に含むことができる。このモジュールシールリング260は、密封式相互接続部200の上部シールリング261tに取り付けられ固定されることができる。実施形態によっては、2つ以上のモジュールシールリング260が存在することがあり、例えば、図示するように、各電子モジュール101/120及び102/130は、それ自体のモジュールシールリング260を有することがある。これらの実施形態の全てにおいて、上部シールリング261tは、モジュールシールリング260のレイアウトと合致するような形状にすることができる。
【0032】
実施形態では、底部金属層210、底部シールリング261b、中央シールリング261m、上部シールリング261t、モジュールシールリング260、第1及び第2の電子モジュール101及び102のシールハウジング、及びバリア層256は、光電子デバイス100のための完全な密封を形成することができる。
【0033】
上部シールリング261tへのモジュールシールリング260の取り付けは、熱機械的結合、低融解温度合金を使用したリフロー処理、透過性材料を介したレーザー誘起リフロー、及び超音波接合などの、多種多様な方法によって行うことができる。適切な低融解温度合金の例は、Au/Snである。
【0034】
図2は、コンタクトパッド234−1と234−2との間の電気的接続部を示すことに的を絞っており、この電気的接続部は、それらのコンタクトパッドを目に見えて接続する相互接続金属層230によって形成される。一般的に、実施形態では、図示される接触子234−3及び234−4などの、幾つかの追加のコンタクトパッドが存在することがある。それらの電気的接続部は、相互接続金属層230の平面内に配置されることがあり、従って、
図2に示す断面図の平面の内外に移動することがある。コンタクトパッド234−3及び234−4は、相互接続金属層230内に形成されたトレースによって電気的に接続されることができ、このトレースは、コンタクトパッド234−3において断面図の平面から外に出て、コンタクトパッド234−4において平面に再び入る。これが、コンタクトパッド234−3及び234−4が
図2の断面図では接続されているように見えない理由である。これらのコンタクトパッドは、断面平面の外側にあるトレースを通じて接続されているのである。相互接続金属230の平面内のそのような追加の電気的接続のレイアウトの上面図を、
図7Bに示す。説明を容易にするために、この明細書の残りの部分では、コンタクトパッド234−1と234−2との間の電気的接続に的を絞っているが、説明は、断面平面の前方及び断面平面の背後にある、他の電気的接続にも同様に当てはまることを理解されたい。
【0035】
図3は、原則として、底部金属層210のために多種多様な材料が考えられ得ることを示す。しかしながら、生体組織への長期の移植可能性が、厳しい選択基準を設定する。最終的な金属層の実施形態は、(b)非常に長期間に渡って、(a)透過性が低く、(c)薄い層厚さを有するべきである。これらの基準を満足することが、移植後10年経っても、水分の侵入又は漏れが確実に発生しないようにするために必要である。
【0036】
図3は、長期間が10年間以上に設定される場合、シリコーン、エポキシ樹脂、及びポリマーは、一般的に不適当であり、所望の設計性能を達成するためには、ガラスであっても数ミリメートルの厚さを必要とすることを示す。眼科用途では、数ミリメートルの厚さの接続部に対する余地はない。従って、相互接続部200の実施形態では、底部金属層210は、金属又はセラミックスとして選択される。金属が使用される実施形態では、金属は、少なくとも10年間の期間に渡り、0.5〜1ミクロンの範囲内の金属厚さで、10
−14g/(cm
*sec
*torr)未満の透過性を有することがある。他の実施形態では、透過性は10
−13g/(cm
*sec
*torr)未満であることがあり、更に他の実施形態では、10
−15g/(cm
*sec
*torr)未満であることがあり、両方とも、少なくとも10年間の期間に渡り、0.5〜1ミクロンの範囲内の同じ金属厚さにおいての場合である。これらの基準を満足し、かつ生体適合性である金属には、Ti、Au、Pt、又はNbが含まれる。従って、底部金属層210の実施形態は、Ti、Au、Pt、若しくはNb、又はこれらの金属のうちの1つ若しくは複数を含む合金を使用して、形成することができる。
【0037】
光電子デバイス100の多くの実施形態が、金属層210及び250が金属から形成されるという観点から主として説明されるのに対して、他の実施形態では、これらの同じ層210及び250がセラミックスから形成されることがある。
【0038】
また、底部金属層210の実施形態は、少なくとも10年間の間、平衡塩類溶液(BSS)による腐食に耐えることができる。
【0039】
更に、第1及び第2の絶縁層は、多種多様な絶縁材料から形成されることができる。光画像化できる材料は特に適している、というのも、それらを使用することにより、光電子デバイス100を製造するのに必要とされるリソグラフィー工程の数を低減することができるからである。そのような光画像化可能な材料の例としては、ポリイミドが挙げられる。他の実施形態では、非光画像化可能な材料も同様に使用されることがある。
【0040】
実施形態によっては、上部絶縁層240は、シール効率を高めるために、貫通孔において階段状の「ピラミッド型」のカバレッジパターンを有する。そのような実施形態は、より良好なシール特性を有することができるが、その製造には追加の工程が必要となることがある。そのような実施形態の一例を、
図6に関連して幾らか詳細に説明する。
【0041】
図4A、4B1、4B2は、密封式電気的接続部200を製造する方法300を示す。明確にするために、
図4A、4B1、4B2は、2列に分けてステップを示す。右側には、ステップ(a、b、c)及びこれらのステップの下位ステップ(c1、d2)が示されており、これらは、層及び電気的接続部の形成に関係する。左側には、ステップ(bs、cs)及びこれらステップの下位ステップ(c1s、d2s)が示されており、これらは、シールの形成に関係する。電気的接続部及びシールの形成は、層が堆積されると、両方の目的のために層をパターン形成することにより、並行して行われる。
【0042】
光電子デバイスは、両方のエッジ上に明らかにシール構造を有する。右側のシールは、図が雑然としないように、図示されていない。それらのシールの存在は、点線によってのみ参照される。
【0043】
方法300は、以下のステップを含むことがある。
【0044】
ステップ300(a)−ウェハ(又は基板)212上に底部金属層210を堆積させる。基板/ウェハ212は、例えば<100>、n型のシリコンとすることができる。上記で考察したように、この堆積工程のために使用される金属は、約1ミクロンなどの0.5〜5ミクロンの範囲内の厚さを有し、10年間以上に渡り低透過性であるという厳しい基準を満足すべきである。これらの基準を満足する金属の例としては、Ti、Au、Pt、及びNbが挙げられる。底部金属層210の厚さは、0.5〜2ミクロンとすることができる。場合によっては、この底部金属層210は、実際には、1ミクロンのAu層及び500オングストロームのTi層などの、2つの金属層から構成されることがある。
【0045】
ステップ300(b)−底部金属層210を封止するために底部金属層210上に底部絶縁層220を堆積させる。底部絶縁層220は、例えば、1ミクロンなどの0.5〜5ミクロンの範囲内の厚さで、スピンコーティングを用いて堆積させることができる。底部絶縁層は、光画像化可能な層とすることができる。絶縁層220がそのようなフォトレジストである幾つかの実施形態では、絶縁層220は、典型的な「マスクを用いた露光−フォトレジストの現像−熱処理(「焼成」)」手順を用いてパターン形成することができる。他の実施形態では、絶縁層220は非フォトレジスト層とすることができ、この場合には、パターン形成は、追加の別個のフォトレジスト層を堆積させるステップと、これに続く露光ステップ、現像ステップ、及びエッチングステップとを含むリソグラフィー手順によって行われる。
【0046】
ステップ300(bs)−底部シールリング溝261btを形成するように底部絶縁層220をパターン形成する。この底部シールリング溝261btは、リング状のレイアウトを有する小さなノッチとすることができ、計画された電気的接続部の設置場所を取り囲んでいる。
【0047】
ステップ300(c1)−底部絶縁層220を遮断するために、底部絶縁層220上に相互接続金属層230を堆積させる。相互接続金属層230は、例えば、スパッタリングを用いて堆積させることができる。相互接続金属層の厚さは、1ミクロンなど、0.5〜5ミクロンとすることができる。金属層230は、Au、Ti、又は等価物から作製することができる。
【0048】
ステップ300(c1s)−底部シールリング261bを形成するために底部シールリング溝261btを充填するように相互接続金属層230を堆積させる。
【0049】
ステップ300(c2)−コンタクトパッド234−1と234−2との間に電気的接続部を形成するように相互接続金属層230をパターン形成する。このパターン形成は、所望のパターンを形成するために、フォトレジスト232を堆積させ、相互接続マスクを使用して露光させ、次いでフォトレジスト232を現像し、非露光部分を取り除き、次いで相互接続金属層230をエッチング除去することによって、行われることができる。
図4Aでは、コンタクトパッド234−1と234−2との間に、単純な直線の電気的接続部が形成されている。
図7Bは、2次元のより複雑な電気的接続パターンの形成を示している。
【0050】
ステップ300(c2s)−底部シールリング261bと結合させて、電気的接続部の周囲に中央シールリング261mを形成するように、相互接続金属層230をパターン形成する。
【0051】
図4B1〜4B2は、ステップ300(d1)を示す。ステップ300(d1)−相互接続金属層230を絶縁するために、相互接続金属層230上に上部絶縁層240を堆積させる。
【0052】
ステップ300(d1s)−相互接続金属層230から中央シールリング261mを分離するために上部絶縁層240を堆積させる。
【0053】
ステップ300(d2)−コンタクトパッド234−1及び243−2と結合された、貫通孔242−1及び242−2を形成するように、上部絶縁層240をパターン形成する。上部絶縁層240のパターン形成は、フォトレジストを堆積させる−貫通マスクを用いてフォトレジストを露光する−フォトレジストを現像する−上部絶縁層240に貫通孔242をエッチングする、という通常の方法を用いて、行うことができる。実施形態によっては、上部絶縁層をフォトレジスト自体とすることができ、手順の工程をより少なくすることができる。
【0054】
ステップ300(d2s)−中央シールリング261mと結合された上部シールリング溝261ttを形成するように上部絶縁層240をパターン形成する。
【0055】
ステップ300(e1)−貫通孔242−1及び242−2を充填することにより接触子254−1及び254−2の形成を開始するために、上部絶縁層240上に上部金属層250を堆積させる。
【0056】
ステップ300(e1s)−(e1s)上部シールリング溝261ttを充填することにより上部シールリング261tの形成を開始するために上部金属層250を堆積させる。
【0057】
ステップ300(e2)−貫通孔242ー1及び242−2を通る接触子254−1及び254−2の形成を完了するように、並びに、相互接続部200全体のための水分バリア及び遮断体として機能するように、分離したバリア層256を形成するように、上部金属層250をパターン形成する。バリア層256は、構造強度も提供することができる。通常通り、上部金属層250のパターン形成は、フォトレジスト252を堆積させて露光させ、これに続いてエッチング工程を行うことにより、行うことができる。エッチングにより、上部金属層250をバリア層256と接触子254−1及び254−2とに分離することができ、バリア層256は、相互接続金属層230とは電気的に結合されておらず、接触子254−1及び254−2は、貫通孔242ー1及び242−2を通じて相互接続金属層230と電気的に結合されている。
図2に示すように、これらの接触子254−1及び254−2は、揺りかごの形状を有することができる。
【0058】
ステップ300(e2s)−中央シールリングに結合された、上部シールリング261tの形成を完了するように、上部金属層250をパターン形成する。上部シールリング261tは、接触子254と非常によく似た形状を有することができるが、重要な相違点は、上部シールリング261tの機能は封止及び保護であるので、上部シールリング261tは相互接続金属層230から電気的に絶縁されていることである。図示するように、場合によっては、上部シールリング261tは揺りかご形状を有することがある。上部シールリング261tは、中央シールリング261mと結合されることができ、かつ、保護を完成させるために閉ループ状に相互接続部200の全周の周りに延びることができる。実施形態によっては、第1及び第2の電子モジュール101及び102の周りに、別個の上部シールリング261tが存在する。
【0059】
ステップ300(f)−接触子254−1及び254−2上に、第1の電子モジュール101及び第2の電子モジュール102のコンタクトパッド258−1及び258−2を取り付ける。
【0060】
ステップ300(fs)−上部シールリング261tに、モジュールシールリング260を取り付ける。このステップ300(fs)は、実施形態によっては、密封式電気的相互接続部200の周囲の封止を完成させる。
【0061】
この明細書の説明は、2つの接触子254−1及び254−2に関して実施形態を表現したが、明らかに、様々な実施形態では、接触子の数は実質的により多いことがある。例えば、
図7Bの実施形態は、10個の異なる接触子が密封式電気的相互接続部200によって電気的に接続される設計を示している。
【0062】
図5は、方法300によって製造された相互接続部200の上面図を示す。接触子254−1及び254−2が示されている。この実施形態では、これらの接触子のそれぞれが2個ずつある。
図5の平面の下では、これらの4つの接触子254−1及び254−2は、パターン形成された相互接続金属層230によって、対になって電気的に接続されている。
【0063】
これらの接触子254は、上部絶縁層240によって囲まれている。上面が生体組織に曝されるか又は曝される可能性がある場所は、上部はバリア層256によって覆われる。最後に、上部シールリング261tが、この配置の外周全体の周りにリングを形成するように示されている。
【0064】
実施形態によっては、相互接続金属層230、底部金属層210、及び上部金属層250の堆積は、スパッタリングを含むことがある。堆積された底部金属層210及び上部金属層250は、Ti、Au、Pt、若しくはNb、又はそれらの合金を含むことがある。
【0065】
また、実施形態によっては、底部絶縁層220及び上部絶縁層240の堆積及びパターン形成は、スピンコーティング、スプレーコーティング、又はラミネーションを含むことがある。
【0066】
図示するように、外側の縁部では、形成された層の不要な部分を、例えばレーザー切断によって切除することができる。
【0067】
図6A〜6Cは、光電子デバイス100用の密封式電気的相互接続部200の一実施形態を製造するための方法400を示す。方法300は、電子モジュールとの接触面から最も遠い層、即ち底部金属層210から堆積シーケンスを開始する。代替として、これから説明する方法400は、電子モジュールとの接触面に最も近い層を堆積させることから開始する。この意味で、方法300及び400は互いに補完的である。これらの方法は、それぞれ、ボトムアップ手順及びトップダウン手順と呼ばれることもある。方法400は、以下のステップを含むことがある。より明確にするために、各ステップごとに側面図及び底面図が設けられている。
【0068】
ステップ400(a)−露出した電子コンタクトパッド330−1及び330−2を有する少なくとも第1の電子モジュール101/320−1及び第2の電子モジュール102/320−2から、平坦化された構造体310を形成する。前述したように、第1及び第2の電子モジュール101/320−1及び102/320−2は、電気活性IOL110、電子機器120、又は電池スタック130のうちのいずれかであり得る。図示した実施形態では、平坦化された構造体310は、3つの電子モジュール110、120、及び130の全てから形成される。前述したように、1つの電子モジュールにつき1つのコンタクトパッドのみが明示的に説明されているが、様々な実施形態はより多くのコンタクトパッドを有することがある。
【0069】
平坦化された構造体310を形成するための可能な方法が、
図7に関連して説明される。
【0070】
ステップ400(b)−平坦化された構造体310上にモジュール金属層340を堆積させ、また、第1及び第2の電子モジュール101/320−1及び102/320−2の電子コンタクトパッド330−1及び330−2に結合された、貫通孔350−1及び350−2を有するように、堆積されたモジュール金属層340をパターン形成する。実施形態では、貫通孔350の数は、コンタクトパッド330の数と同じであり得る。
【0071】
図6Bは、ステップ400(c)を示す。ステップ400(c)−モジュール金属層340を絶縁するために、モジュール金属層340上に第1の絶縁層360を堆積させ、また、貫通孔350−1及び350−2の内面を絶縁するように、堆積された第1の絶縁層360をパターン形成する。
【0072】
ステップ400(d)−接触子351−1及び351−2を形成するために貫通孔350−1及び350−2内に及び第1の絶縁層360上に相互接続金属層370を堆積させ、また、第1及び第2の電子モジュール101/320−1及び102/320−2のコンタクトパッドに対応する接触子351−1と351−2との間に電気的接続部375を形成するように、堆積された相互接続金属層370をパターン形成する。
【0073】
図6Cは、ステップ400(e)を示す。ステップ400(e)−相互接続金属層370を封止するために、相互接続金属層370上に第2の絶縁層380を堆積させる。
【0074】
ステップ400(f)−電気的相互接続部200の密封を完成させるために、第2の絶縁層380上に最終バリア層390を堆積させる。
【0075】
方法400は、ステップ400(a)で平坦化された構造体310を形成するために使用された平坦化された構造体の支持体395を取り除く任意選択的なステップを含むことができる。
【0076】
図7は、準備のステップ400(a)の一実施形態である方法500を幾らか詳細に示す。平坦化された構造体を形成する方法500は、以下のステップを含むことができる。
【0077】
ステップ500(a)−一時的な基板510を設ける。
【0078】
ステップ500(b)−第1及び第2の電子モジュール101/320−1及び102/320−2を一時的な基板510に接着剤を用いて取り付ける。
【0079】
ステップ500(c)−第1及び第2の電子モジュール101/320−1及び102/320−2をエポキシ樹脂520で覆う。このエポキシ樹脂は、方法400の平坦化された構造体の支持体395の一実施形態であり得る。
【0080】
ステップ500(d)−一時的な基板510を取り除く。
【0081】
方法400に関して、実施形態によっては、ステップ400(d)で相互接続金属層370を堆積させるステップは、スパッタリングを用いて行うことができる。また、ステップ400(c)で第1の絶縁層360を堆積させるステップ、又はステップ400(e)で第2の絶縁層380を堆積させるステップは、スピンコーティングを用いて行うことができる。
【0082】
モジュール金属層340を堆積させるステップ400(b)及び最終バリア層390を堆積させるステップ400(f)は、Ti、Au、Pt、及びNbのうちの少なくとも1つを含む金属層を堆積させるステップを含むことがある。
【0083】
この明細書は多くの詳細を含んでいるが、それらは、本発明の範囲または特許請求され得る内容に対する限定と解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明と解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈においてこの明細書で説明された特定の特徴同士は、単一の実施形態において組み合わせて実装されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に実装されることができ、又は、任意の適切な下位の組み合わせで実装されることができる。更に、特徴は、特定の組み合わせで機能するとして上記で説明されることがあり、更にそのように初めにクレームされることがあるが、あるクレームされた組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されることができ、クレームされた組み合わせは、下位の組み合わせ又は下位の組み合わせの変形例に導かれることができる。