【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様として、異なった密度のものである、流体混合物の少なくとも2つの成分の分離のための遠心分離機であって、
固定フレームと、
固定フレームに対して回転部品を回転させるように構成される駆動部材であって、回転部品は、心棒、および分離空間を取り囲む遠心回転子、を備え、遠心回転子は、回転の軸(X)の周りで心棒と共に回転するために心棒に搭載され、回転部品は、少なくとも1つの軸受装置によって、固定フレームにより支持される、駆動部材と、
を備え、
固定フレームは遠心回転子を包囲し、それによって固定フレームと遠心回転子との間に回転子空間を形成し、固定フレームは、回転子空間に入る流体連通を提供するために配置される少なくとも1つの第1の空気入口と、回転子空間から出る流体連通を提供するために配置される少なくとも1つの第1の空気出口と、を備え、
少なくとも1つの第1の空気入口および少なくとも1つの第1の空気出口は、少なくとも1つの第1の空気入口から少なくとも1つの第1の空気出口に向かいその第1の空気出口を通って出て行く空気の流れを提供するために、固定フレームに配置され、
少なくとも1つの第1の空気入口は、加圧空気の供給源に接続されるように配置され、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間からの空気の流出を許容するように配置される、遠心分離機が提供される。
【0011】
遠心分離機は、気体混合物または液体混合物などの流体混合物の分離のためのものである。遠心分離機の固定フレームは非回転部品であり、心棒などの回転部品は、少なくとも1つの玉軸受などの、少なくとも1つの軸受装置によって、フレームにより支持される。
【0012】
駆動部材は心棒を回転させるために配置され、遠心回転子は心棒に搭載される。回転部品を回転させるためのこのような駆動部材は、回転子と固定子とを有する電気モータを備え得る。回転子は、動作中に駆動トルクを心棒に伝え、延いては遠心回転子へと伝えるように、心棒に設けられ得るか、または心棒に固定され得る。
【0013】
代替として、駆動部材は、心棒の傍らに設けられてもよく、ベルトまたは歯車の伝達装置など、適切な伝達装置によって回転部品を回転させる。
【0014】
遠心回転子は心棒の第1の端に隣接され、そのため心棒と回転するように搭載される。したがって動作中、心棒は回転シャフトを形成している。心棒の第1の端は心棒の上端であり得る。したがって、心棒は回転の軸(X)の周りに回転可能である。
【0015】
回転部品は、3600rpm超など、3000rpm超の速度で回転するように構成され得る。
【0016】
遠心回転子は、流体混合物の分離が起こる分離空間をさらに取り囲む。したがって、遠心回転子は、分離空間のための回転子筐体を形成する。分離空間は、回転の軸を中心として配置される分離円板の重なりを備え得る。このような分離円板は、分離空間において表面を拡大する挿入体を形成する。分離円板は円錐台の形態を有することができ、つまり、重なりは円錐台状の分離円板の重なりとできる。それらの円板は、回転の軸の周りに配置される軸方向の円板であってもよい。
【0017】
遠心分離機は、分離される流体混合物、すなわち供給物のための少なくとも1つの入口をさらに備え得る。このような入口は、供給物を分離空間へと供給するために配置される固定管であり得る。入口は、心棒などの回転シャフトの内部に設けられてもよい。したがって、心棒は中空であってもよく、少なくとも20mmなどの、少なくとも10mmの直径をさらに有し得る。例えば、心棒の外径は、20〜200mmの間などの、10〜300mmの間であり得る。
【0018】
遠心分離機は、分離された流体のための少なくとも1つの液体出口をさらに備えてもよい。分離された流体のための少なくとも1つの液体出口は、第1の液体出口と比較して、回転軸からより大きな半径において配置される第1の出口および第2の出口を備えてもよい。したがって、異なる密度の液体は、分離され、第1の液体出口および第2の液体出口をそれぞれ介して排出され得る。動作中、スラッジ相、つまり重量のある様態を形成する固体と液体との混合した粒子が、分離空間の外周部分で回収されてもよい。そのため、遠心分離機は、分離空間の周辺からこのようなスラッジ相を排出するための出口をさらに備えてもよい。出口は、遠心回転子と固定フレームとの間で、分離空間から遠心回転子を貫いて回転子空間へと延びる複数の周辺ポートの形態であり得る。周辺ポートは、分離空間から回転子空間へのスラッジ相の排出を可能にするために、ミリ秒の程度の短い期間の間に間欠的に開かれるように構成され得る。周辺ポートは、スラッジの定期的な排出を可能にするために、動作中に定期的に開くノズルの形態であってもよい。
【0019】
固定フレームは、例えば二重壁または三重壁といった、単一の壁であってもよく、回転子からある距離において遠心回転子を包囲し、それによって回転子とフレーム壁との間に回転子空間を形成する。固定フレームは、少なくとも1つの第1の空気入口と少なくとも1つの第1の空気出口とを備える。したがって、フレームは、単一の空気入口および/もしくは単一の空気出口を備えてもよく、または代替として、2つ以上の空気入口および/もしくは2つ以上の空気出口を備えてもよい。少なくとも1つの第1の空気入口および少なくとも1つの第1の空気出口は、フレームの外側と回転子空間との間に流体連通を提供するために配置される。したがって、少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とは、固定フレームにおける貫通孔であり得る。
【0020】
少なくとも1つの第1の空気入口および少なくとも1つの第1の空気出口は、少なくとも1つの第1の空気入口から少なくとも1つの第1の空気出口までの空気の流れを提供するためにフレームに配置され、少なくとも1つの第1の空気入口は、加圧空気の供給源に接続されるようにさらに配置される。
【0021】
加圧空気は、ほとんどすべての産業環境において見出される一般的な空気供給源からのものであり得る。したがって、少なくとも1つの空気入口は、例えばネジまたは他の異なる適切な接続手段を用いて、このような加圧空気供給源との接続を提供するために配置され得る。
【0022】
加圧空気は、大気と実質的に同じである組成を有し得る。例えば、加圧空気は酸素および窒素を含み得る。
【0023】
本発明の第1の態様の実施形態では、少なくとも1つの第1の空気入口は加圧空気の供給源に接続される。この接続は、例えば加圧空気を少なくとも1つの第1の空気入口に供給するための管、または任意の他の適切な手段を介したものであり得る。
【0024】
さらに、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間からの空気の流出を可能にするように配置される。「空気の流出」は、回転子空間から出る空気の流れを許容するように配置される空気出口を参照している。
【0025】
したがって、少なくとも1つの第1の空気出口は、対向する圧力を回転子空間内の空気に発揮する装置がなくてもよい。結果として、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間からの空気の自由な流出を可能にするように配置できる。したがって、少なくとも1つの第1の空気出口は、例えば液体シールがなくてもよい。
【0026】
少なくとも1つの第1の入口および/または少なくとも1つの第1の空気出口は、1.0cm
2超など、1.5cm
2超などの、2.0cm
2超などの、2.5cm
2超などの、0.5cm
2超の断面積を有し得る。
【0027】
少なくとも1つの第1の空気入口および/または少なくとも1つの第1の空気出口は、10mm超などの、15mm超などの、5mm超の直径を有する実質的に円形の貫通孔をフレームに備えてもよい。
【0028】
少なくとも1つの第1の入口および/または少なくとも1つの第1の空気出口は、50cm
2未満などの、20cm
2未満などの、10cm
2未満などの、5cm
2未満などの、100cm
2未満の断面積を有し得る。
【0029】
さらに、少なくとも1つの第1の空気入口および少なくとも1つの空気出口は、入口から出口に向かいその出口を通って出て行く、6Nm
3/hour超などの、8Nm
3/hour超などの、4Nm
3/hour超の加圧空気の流れを提供するように配置され得る。
【0030】
本発明の第1の態様は、遠心回転子が加圧空気の流れを使用して換気できるという洞察に基づいている。したがってこれは、遠心分離機が爆発の危険性を低下させるための複雑な不活性ガスシステムをまったく必要としない点において有利である。したがって、換気は加圧空気によって定期的に実施され得る。さらに、空気入口が加圧空気の供給源に接続されるように配置されるため、遠心回転子は分離機の休止の間にも換気でき、加圧空気を使用する換気は、定期的に実施され得るか、または時間スケジュールに従って頻繁に実施され得る。
【0031】
本発明の第1の態様の実施形態では、少なくとも1つの第1の空気入口は、回転子空間の左部分と連通するようにフレームに配置され、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間の右部分と連通するようにフレームに配置されるか、またはそれらは逆になされる。
【0032】
「左」部分および「右」部分は、遠心分離機の中心を貫く軸平面において見たときであり得る。そのため、「左」部分は回転軸Xの左であり得るが、一方「右」部分は回転軸Xの右であり得る。したがって、左部分と右部分とは回転子空間の異なる部分であり得る。
【0033】
空気入口、空気出口、および回転軸は、すべて同じ軸平面において配置されてもよい。
【0034】
したがって、空気入口は、回転子空間の第1の半分と連通するためにフレームに設けられてもよく、第1の出口は、回転子空間の第1の半分以外の第2の半分と連通するためにフレームに設けられてもよい。これは、空気が空気入口から空気出口へと流れるとき、大量の回転子空間が換気されることを容易にすることができる。
【0035】
本発明の第1の態様の実施形態では、少なくとも1つの第1の空気入口は、回転子空間の上方部分と連通するようにフレームに配置され、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間の下方部分と連通するようにフレームに配置されるか、またはそれらは逆になされる。
【0036】
これも、空気が空気入口から空気出口へと流れるとき、大量の回転子空間が換気されることを容易にするという点において有利である。
【0037】
「上方」部分および「下方」部分は、遠心分離機の中心を貫く軸平面において見たときであり得る。そのため、「上方」部分は遠心回転子の中心の軸方向上方とでき、一方「下方」部分は遠心回転子の中心の軸方向下方とできる。したがって、上方部分と下方部分とは回転子空間の別々の部分であり得る。
【0038】
例として、少なくとも1つの第1の空気入口は、回転子空間の上方左部分と連通するようにフレームに配置されてもよく、少なくとも1つの第1の空気出口は、回転子空間の下方右部分と連通するようにフレームに配置されてもよく、またはそれらは逆になされてもよい。これは、空気が空気入口から空気出口へと流れるとき、大量の回転子空間が換気されることを容易にすることができる。
【0039】
本発明の第1の態様の実施形態では、遠心分離機は、回転子空間の空気中の可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するように構成される少なくとも1つのセンサをさらに備える。
【0040】
可燃性ガスは、オイルまたは燃料などの可燃性流体に由来する炭化水素などの可燃性ガスであり得る。したがって、センサは、例えば可燃性ガスを検知するための赤外線または触媒ビーズの検知技術を含むセンサであり得る。少なくとも1つのセンサは、固定フレームの内面においてなど、回転子空間内に配置され得る。
【0041】
可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するためにセンサを使用することは、センサからの出力に基づいて、空気の流れ、つまり換気を調整することを可能にする点において、有利であり得るし、可燃性ガスの濃度が特定の無害のレベル未満であるという情報をさらに提供してもよい。
【0042】
例として、パラメータは、回転子空間の空気中の酸素に対する炭化水素の割合であり得る。パラメータは、炭化水素の実際の濃度であってもよい。したがって、遠心分離機は、回転子空間内の酸素の濃度を検知するように構成されるセンサを備えてもよく、または酸素の濃度と炭化水素の濃度との両方を検知する能力、もしくは酸素に対する炭化水素の割合を直接的に検知する能力を伴う少なくとも1つのセンサを備えてもよい。
【0043】
例として、少なくとも1つのセンサのうちの少なくとも1つは、回転子空間と流体連通している追加の空間に配置されてもよい。
【0044】
実施形態では、このような追加の空間は遠心回転子を包囲していない。
【0045】
したがって、追加の空間は、実際の固定フレームの外側に配置される管の形の通路または室などの通路または室とできるが、フレームにおける少なくとも1つの開口を介して回転子空間と連通する。これは、少なくとも1つのセンサへの容易なアクセスを可能にするという利点がある。
【0046】
さらに、本発明の第1の態様の実施形態では、遠心分離機は、前記回転子空間の空気中の可燃性ガスの濃度に関する検知されたパラメータに関する入力信号を受信し、入力信号に基づいて加圧空気の流れを調節するために信号を生成するように構成される制御ユニットをさらに備える。
【0047】
これは、検知されたパラメータによって制御される加圧空気の流れ、つまり遠心回転子の換気を可能にする。したがって、換気する空気の流れは、検知されたパラメータによって調節されてもよい。
【0048】
制御ユニットは、処理装置と、加圧空気の供給源と通信するための、および少なくとも1つのセンサから回転子空間における可燃性ガスの濃度に関するパラメータについての情報を受信するための入力/出力インターフェースと、を備え得る。
【0049】
調節することは、検知されたパラメータが閾値を上回る場合に加圧空気の流れを増加させることを含み得る。閾値は、例えば回転子空間における酸素に対する炭化水素の割合、または回転子空間における炭化水素の比濃度についての爆発下限であり得る。
【0050】
調節することは、検知されたパラメータが閾値を下回る場合に加圧空気の流れを低下させることをさらに含み得る。
【0051】
調節することは、加圧空気の流れを一定のレベルで保つために調節ループを使用すること、加圧空気の流れを作動もしくは作動停止すること、または加圧空気の流れを増加させることも含み得る。したがって、制御ユニットは、遠心回転子内に分離される液体がある場合に、分離機の休止において加圧空気の流れを増加させるように構成されてもよく、つまり制御ユニットは、遠心分離機の回転速度についての情報を受信し、その情報に基づいて加圧空気の流れを制御するようにさらに構成されてもよい。
【0052】
したがって、遠心分離機は、大気圧より高い圧力にある空気を少なくとも1つの第1の空気入口へと供給するように構成される圧力調節手段を備え得る。圧力調節手段は弁を備え得る。したがって、制御ユニットは、圧力調節手段に送られる信号を生成するように配置され得る。
【0053】
本発明の第1の態様の実施形態では、フレームは駆動部材をさらに包囲し、それによって駆動部材を取り囲む駆動空間も形成し、さらに駆動空間に入る流体連通を提供するために配置される少なくとも1つの第2の空気入口と、駆動空間から出る流体連通を提供するために配置される少なくとも1つの第2の空気出口と、を備え、遠心分離機は、第2の空気入口から第2の空気出口に向かいその第2の空気出口を通って出て行く空気の流れを生成するための手段をさらに備える。
【0054】
第2の空気入口から第2の空気出口に向かいその第2の空気出口を通って出て行く空気の流れを生成するための手段は、例えばファンを備えてもよい。第2の空気入口から第2の空気出口に向かいその第2の空気出口を通って出て行く空気の流れを生成するための手段は、さらに回転子空間を換気するために使用される加圧空気の供給源などの、加圧空気の供給源であってもよい。したがって、少なくとも1つの第2の空気入口は、加圧空気の供給源に接続されるように配置されてもよい。少なくとも1つの第2の空気出口は、対向する圧力の手段のない自由な流出など、駆動空間からの空気の流出を許容するように配置され得る。さらに、少なくとも1つの第2の空気入口および少なくとも1つの第2の空気出口は、先に少なくとも1つの第1の空気入口および少なくとも1つの第1の空気出口に関して詳述したような大きさであり得るか、またはそのような大きさを有し得る。
【0055】
したがって、遠心分離機は、回転子空間の換気について先に記載したものと同様に、駆動部材の周りの駆動空間を換気するためにさらに配置されてもよい。駆動空間は、回転子空間と流体連通していてもよく、または回転子空間から封止されてもよい。例として、遠心回転子は、駆動部材の軸方向において上方または下方に配置されてもよく、回転子空間および駆動空間は、例えば回転子空間と駆動空間との軸方向の間で液体シールを使用して、封止されてもよい。軸受装置は駆動空間に配置されてもよい。
【0056】
回転子空間と駆動空間との間にシールがない場合、少なくとも1つの第1の空気入口は、加圧空気を駆動空間にも提供するために使用されてもよい。少なくとも1つの第1の空気出口は、少なくとも1つの第1の空気入口を介して供給される加圧空気が、少なくとも1つの第1の出口を介して離れる前に駆動空間も通過して換気するように、フレームに配置されてもよい。
【0057】
さらに、遠心分離機は、駆動空間の空気における可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するように構成される少なくとも1つのセンサを備えてもよい。
【0058】
したがって、駆動空間に配置されるセンサは、先に回転子空間に関して記載したようなセンサであり得る。
【0059】
さらに、少なくとも1つの第2のガス入口が、加圧空気の供給源に接続されるように配置されてもよく、遠心分離機は、パラメータに関する入力信号を受信し、入力信号に基づいて加圧空気の流れを調節するために信号を生成するように構成される制御ユニットをさらに備える。
【0060】
制御ユニットは、例えば加圧空気の流れを調節することに関して、回転子空間内の可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するように構成される少なくとも1つのセンサから信号を受信するための制御ユニットに関して記載したようなものであり得るか、またはその記載のように機能し得る。
【0061】
同じ制御ユニットは、回転子空間および駆動空間における空気の流れを受け入れて制御するために使用されてもよい。
【0062】
本発明の第1の態様の実施形態では、遠心回転子は、その外側周辺において、流体混合物中のスラッジまたは他の固体など、より高い密度の成分の排出のためのスラッジ出口のセットが設けられ、フレームは、排出した成分を回収するための固体回収器をさらに取り囲み、遠心分離機は、固体回収器の空気中の可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するように構成される少なくとも1つのセンサをさらに備える。
【0063】
スラッジ出口は、間欠的に開けられるように構成されてもよく、または永久的に開けられるように、つまりノズルを形成するように構成されてもよい。固体回収器はサイクロンを備えてもよい。
【0064】
少なくとも1つのセンサを固体回収器に配置させることは、処理の安全性をさらに高める可能性があり、つまり固体回収器内の可燃性ガスの濃度についての情報も提供できる。遠心分離機が前述したような制御ユニットを備える場合、換気空気の流れが固体回収器内のセンサからの情報に基づいて調節され得るように、固体回収器内のセンサも制御ユニットに接続され得る。固体回収器内のセンサは、回転子空間および駆動空間内のセンサに関してそれぞれ記載したように機能できる。
【0065】
本発明の第2の態様として、遠心分離機を換気するための方法であって、
- 本発明の第1の態様による遠心分離機を提供するステップと、
- 分離される異なる密度のものである、少なくとも2つの成分を含む流体混合物を遠心回転子の分離空間へと供給するステップと、
- 流体混合物の分離を提供するために回転部品を回転させるステップと、
- 加圧空気を少なくとも1つの第1の空気入口に供給し、それによって遠心分離機を換気するステップと、
を含む方法が提供される。
【0066】
第2の態様に関して使用される用語および定義は、先に第1の態様に関連して詳述したものと同じである。
【0067】
分離される流体混合物は液体混合物であり得る。
【0068】
用途に依存して、分離される液体混合物は異なる温度を有してもよく、分離される液体混合物がガソリン、エタノール、または他の揮発性化学物質を含む場合、その液体混合物は室温以上において実質的な蒸発速度を有し始める可能性がある。したがって例として、分離機に供給される液体混合物は室温で供給されてもよい。さらなる例として、液体混合物は、少なくとも50℃などの、少なくとも90℃などの、少なくとも95℃などの、少なくとも98℃などの、少なくとも40℃の温度を有し得る。
【0069】
液体混合物は、上方または下方から固定入口管を介して分離空間に供給されてもよい、または、心棒と共に回転する心棒におけるダクトを通じてなど、心棒を介して供給されてもよい。
【0070】
したがって、回転部品を回転させるステップは、心棒および遠心回転子が回転するようにトルクを心棒に伝えるために駆動部材を使用することを含む。回転部品を回転させるステップは、3600rpm超などの、3000rpm超である速度で遠心回転子を回転させることを含み得る。
【0071】
方法は、当然ながら、流体混合物を、1つまたは2つの液相および固相またはスラッジ相などの、2つまたはいくつかの相へと分離するステップを含んでもよい。
【0072】
本発明の第2の態様の実施形態では、分離される流体混合物は可燃性流体を含む。
【0073】
可燃性流体はオイルを含み得る。オイルは、重質燃料油(HFO)、潤滑油、または原油から選択され得る。HFOは、ISO 8217, Petroleum products - Fuels (class F) - Specification of marine fuels. Editions 2005 and 2012にあるように定義され得る。さらに、分離される流体混合物は、分離空間へと供給される前に、70℃〜98℃の間の温度までなどの、98℃超の温度までなどの、70℃超の温度まで加熱され得る。これは、例えば分離されるオイル混合物の、取り扱いおよび分離を増加させることができる。
【0074】
本発明の第2の態様の実施形態では、加圧空気を供給するステップは、始動、休止、および回転部品の回転速度が休止まで減速する間の時間期間、から選択される1つの期間の間に少なくとも実施される。
【0075】
これは、処理される液体が遠心回転子内においてより長い保持時間を有するとき、回転子空間へと漏れ出す可燃性ガスの危険性がより大きくなり得るため、有利であり得る。
【0076】
本発明の第2の態様の実施形態では、加圧空気を供給するステップは連続的に実施される。
【0077】
したがって、回転子空間は、加圧空気を使用して連続的に換気され得る。
【0078】
代替として、加圧空気を供給するステップは間欠的に実施されてもよい。加圧空気を供給するステップは、時間によって引き起こされ得る。したがって、回転子空間が換気される時間期間、つまり、加圧空気が供給されるとき、およびこのような換気期間同士の間の時間は、あらかじめ設定された時間期間によって決定され得る。
【0079】
本発明の第2の態様の実施形態では、加圧空気を供給するステップは、回転子空間内の圧力が0.5bar未満で保たれるように実施される。これは、すべての分離機のフレームが大きな圧力に耐えるように構成されなくてもよい点において有利であり得る。
【0080】
本発明の第2の態様の実施形態では、方法は、
- 回転子空間における可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するステップと、
- 検知されたパラメータに基づいて、少なくとも1つの第1のガス入口から少なくとも1つの第1のガス出口に向かいその第1のガス出口を通って出て行く空気の流れを調節するステップと、
をさらに含む。
【0081】
先に第1の態様に関連して詳述したように、パラメータは、回転子空間内の酸素に対する炭化水素の割合であり得る。パラメータは、炭化水素の実際の濃度であってもよい。
【0082】
調節することは、検知されたパラメータが閾値を上回る場合に加圧空気の流れを増加させることを含み得る。閾値は、例えば回転子空間内の酸素に対する炭化水素の割合、または回転子空間内の炭化水素の比濃度についての爆発下限であり得る。
【0083】
調節することは、検知されたパラメータが閾値を下回る場合に加圧空気の流れを低下させることをさらに含み得る。
【0084】
調節することは、加圧空気の流れを一定のレベルで保つために調節ループを使用すること、または加圧空気の流れを作動もしくは作動停止することも含み得る。
【0085】
したがって、本発明の第2の態様の実施形態では、方法は、
- 駆動部材を包囲する駆動空間における可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するステップと、
- 検知されたパラメータが閾値を上回る場合、少なくとも1つの第1のガス入口から少なくとも1つの第1のガス出口に向かいその第1のガス出口を通って出て行く空気の流れを増加させるステップと、
をさらに含む。
【0086】
さらに、本発明の第2の態様の実施形態では、方法は、
- 固体回収器における可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検知するステップと、
- 検知されたパラメータが閾値を上回る場合、少なくとも1つの第1のガス入口から少なくとも1つの第1のガス出口に向かいその第1のガス出口を通って出て行く空気の流れを増加させるステップと、
をさらに含む。
【0087】
方法は、当然ながら、回転子空間と駆動空間との両方において、回転子空間において、固体回収器において、または、回転子空間、駆動空間、および固体回収器の3つすべてにおいて、可燃性ガスの濃度に関するパラメータを検出するステップを含み得る。