(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリアミノポリカルボン酸がモノ−またはポリ−アルキレンポリアミンポリカルボン酸、ポリアミノアルカンポリカルボン酸、ポリアミノアルカノールポリカルボン酸、およびヒドロキシアルキルエーテルポリアミンポリカルボン酸からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
前記ポリアミノポリカルボン酸がブチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、l,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、1,6−ヘキサメチレン−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、および(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
前記モノカルボン酸がリシン、2,3−ジアミノ酪酸、2,4−ジアミノ酪酸、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,6−ジアミノヘプタン酸、4−メチルリシン、3−メチルリシン、5−ヒドロキシリシン、3−メチル−L−アルギニン、アルギニン、ホモアルギニン、N5−モノメチル−L−アルギニン、N5−[イミノ(メチルアミノ)メチル]−D−オルニチン、カナバニン、ヒスチジン、N−(2−アミノエチル)グリシン、N−(2−アミノプロピル)グリシン、N2−メチルリシン、N2−メチル−L−アルギニン、N2−(2−アミノエチル)−D−アルギニン、N2−(2−アミノエチル)−L−アルギニン、2−メチルリシン、2−メチル−L−アルギニン、3,4−ジアミノ酪酸、および3−アミノ−5−[(アミノイミノメチル)メチルアミノ]ペンタン酸からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
前記第2のキレート剤がクロルヘキシジン、アルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、またはポリエチレンイミンである、請求項1に記載の組成物。
前記金属腐食抑制剤が、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよいベンゾトリアゾールである、請求項1に記載の組成物。
前記金属腐食抑制剤がベンゾトリアゾール、5−アミノテトラゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)−ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、および5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
前記ポリアミノポリカルボン酸がモノ−またはポリ−アルキレンポリアミンポリカルボン酸、ポリアミノアルカンポリカルボン酸、ポリアミノアルカノールポリカルボン酸、およびヒドロキシアルキルエーテルポリアミンポリカルボン酸からなる群より選択される、請求項34に記載の組成物。
前記金属腐食抑制剤が、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよいベンゾトリアゾールである、請求項34に記載の組成物。
前記少なくとも1つの第四級アンモニウム水酸化物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、コリン、水酸化テトラエタノ−ルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、又は水酸化ベンジルトリブチルアンモニウムを含む、請求項33に記載の組成物。
エッチング後残渣およびアッシング後残渣の少なくとも一方を含む半導体基板を請求項1〜48のいずれか1項に記載の洗浄用の組成物と接触させる接触工程を含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において定義されるように、別段の記述が無い限り、記述される全てのパーセンテージは本洗浄用組成物の総重量に対する重量パーセンテージであると理解されるべきである。別段の記述が無い限り、環境温度は摂氏約16度と約27度(℃)の間であると定義される。
【0014】
本明細書において定義されるように、「水溶性」物質(例えば、水溶性アルコール、ケトン、エステル、またはエーテル)は25℃で水に少なくとも5重量%の溶解性を有する物質を指す。
【0015】
本開示の1つの実施形態は、
1)約0.5重量%〜約20重量%の少なくとも1つの酸化還元剤、
2)約0.01重量%〜約1重量%のポリアミノポリカルボン酸である少なくとも1つの第1のキレート剤、
3)約0.01重量%〜約1.8重量%の前記第1のキレート剤と異なり、少なくとも2つの窒素含有基を含む少なくとも1つの第2のキレート剤、
4)約0.05重量%〜約1重量%の置換および非置換ベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1つの金属腐食抑制剤、
5)約1重量%〜約30重量%の水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテルからなる群より選択される少なくとも1つの有機溶媒、
6)約78%〜約98%の水、および
7)所望により金属イオンを含まない塩基であり、且つ、本洗浄用組成物のpHを約6と約9.5の間に調節する少なくとも1つのpH調整剤
を含む非腐食性洗浄用組成物に関する。
【0016】
本開示の前記組成物はフォトレジスト残渣、金属残渣、および金属酸化物残渣などの半導体表面上の残渣の溶解を助ける少なくとも1つの酸化還元剤を含む。本明細書において使用される場合、「酸化還元剤」という用語は半導体洗浄処理において酸化と還元を誘導し得る化合物を指す。適切な酸化還元剤の一例はヒドロキシルアミンである。幾つかの実施形態では前記酸化還元剤は過酸化物(例えば、過酸化水素)を含まない。
【0017】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約0.5重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約5重量%)および/または多くとも約20重量%(例えば、多くとも約17重量%、多くとも約15重量%、多くとも約12重量%、または多くとも約10重量%)の前記酸化還元剤を含む。
【0018】
本開示の前記組成物はポリアミノポリカルボン酸であり得る少なくとも1つの第1のキレート剤を含む。本開示上、ポリアミノポリカルボン酸は複数のアミノ基と複数のカルボン酸基を有する化合物を指す。適切なクラスのポリアミノポリカルボン酸キレート剤にはモノ−またはポリ−アルキレンポリアミンポリカルボン酸、ポリアミノアルカンポリカルボン酸、ポリアミノアルカノールポリカルボン酸、およびヒドロキシアルキルエーテルポリアミンポリカルボン酸が含まれるがこれらに限定されない。
【0019】
適切なポリアミノポリカルボン酸キレート剤にはブチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、l,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、1,6−ヘキサメチレン−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、および(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸が含まれるがこれらに限定されない。
【0020】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%または多くとも約0.5重量%)の前記ポリアミノポリカルボン酸キレート剤を含む。
【0021】
概して、本開示の前記組成物は少なくとも2つの窒素含有基(例えば、キレーティング能を持つ窒素含有基)を有する少なくとも1つの第2のキレート剤を含み得る。適切な窒素含有基の例には第一級アミノ、第二級アミノ、イミダゾリル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピペリジニル、グアニジニル、ビグアニジニル、カルバザチル、ヒドラジジル、セミカルバジジル、およびアミノグアニジニルが含まれる。これらの基のうちのいずれか2つ以上の組合せを有する化合物が企図されている。少なくとも2つの窒素含有基を有する前記第2のキレート剤は化合物自体として、またはその中和された塩として添加されてよい。幾つかの実施形態では前記第2のキレート剤の添加は本開示の前記組成物において自由選択的なものである。
【0022】
本開示上、前記ポリアミノポリカルボン酸は前記第2のキレート剤から除外される。言い換えると、前記第2のキレート剤は前記第1のキレート剤と異なる。しかしながら、幾つかの実施形態では前記第2のキレート剤は1つ以上のカルボン酸基を含んでよい。
【0023】
例えば、前記第2のキレート剤は第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含むモノカルボン酸化合物であり得る。本開示上、必要な第一級アミノ基または第二級アミノ基はその追加の窒素含有塩基性基(例えば、NH
2、H
2NC(=X)、またはH
2NNHC(=X)であって、X=O、S、またはNRであり、RはHまたはC
1〜C
4アルキルである)に直接的に結合しておらず、その追加の窒素含有塩基性基の一部でもない。言い換えると、NH
2NH−、H
2NC(=X)NH−、またはH
2NNHC(=X)NH−は本開示内において前記第一級アミノ基または第二級アミノ基と見なされない。したがって、そのような塩基性基(例えば、NH
2NH−、H
2NC(=X)NH−、またはH
2NNHC(=X)NH−)だけを含むモノカルボン酸は第一級アミノ基または第二級アミノ基を含まず、したがって本開示において記載される第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含むモノカルボン酸化合物から除外される。そのような除外されるモノカルボン酸の例にはグアニジノ酢酸および4−グアニジノ酪酸が含まれる。
【0024】
適切なクラスの第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含むモノカルボン酸化合物は、第一級アミノ基または第二級アミノ基を含み、且つ、次のイミダゾリル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピペリジニル、グアニジニル、カルバザチル、ヒドラジジル、セミカルバジジル、アミノグアニジニル、第一級アミノ(例えば、C
1〜C
10第一級アミノ)、および第二級アミノ(例えば、C
1〜C
10第二級アミノ)からなる群より選択される窒素含有塩基性基のうちの少なくとも1つを含むモノカルボン酸化合物である。第二級アミノ基を除くこれらの基は、置換基、例えば、低級アルキル基でさらに置換されてもよい。
【0025】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、一般構造式(I):
(R
3NH)C(R
1)(R
2)CO
2H (I)
によって記載される化合物であって、式中、R
1とR
2の各々は、独立して水素原子、C
1〜C
4アルキル、または少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基(例えば、C
1〜C
10基)であり、且つ、R
3は水素原子、C
1〜C
10アルキル、または少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基(例えば、C
1〜C
10基)であり、R
1、R
2、およびR
3のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基である化合物から選択される。
【0026】
幾つかの実施形態ではR
1は少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり得、少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する前記基がアミノ、グアニジニル、またはイミダゾリルによって置換されており、且つ、OHによってさらに置換されていてもよいC
1〜C
10アルキルである。そのような実施形態ではR
2がHまたはC
1〜C
10アルキルであり得、且つ、R
3がH、C
1〜C
10アルキル、または少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり得、少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する前記基がアミノ、グアニジニル、またはイミダゾリルによって置換されていてもよく、且つ、OHによってさらに置換されていてもよいC
1〜C
10アルキルである。
【0027】
幾つかの実施形態ではR
3は少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり得、少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する前記基がアミノ、グアニジニル、またはイミダゾリルによって置換されており、且つ、OHによってさらに置換されていてもよいC
1〜C
10アルキルである。そのような実施形態ではR
1とR
2の各々が独立してHまたはC
1〜C
4アルキルであり得る。
【0028】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、上記の構造(I)の化合物であって、R
1が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり、且つ、R
2とR
3の各々が水素原子である化合物から選択される。この構造を有する化合物の例にはリシン、2,3−ジアミノ酪酸、2,4−ジアミノ酪酸、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,6−ジアミノヘプタン酸、4−メチルリシン、3−メチルリシン、5−ヒドロキシリシン、3−メチル−L−アルギニン、アルギニン、ホモアルギニン、N
5−モノメチル−L−アルギニン、N
5−[イミノ(メチルアミノ)メチル]−D−オルニチン、カナバニン、およびヒスチジンが含まれるがこれらに限定されない。
【0029】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、上記の構造(I)によって記載される化合物であって、R
1とR
2の各々が水素原子であり、且つ、R
3が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基を含むC
1〜C
10アルキル基である化合物から選択される。この構造を有する化合物の例にはN−(2−アミノエチル)グリシンとN−(2−アミノプロピル)グリシンが含まれるがこれらに限定されない。
【0030】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、上記の構造(I)によって記載される化合物であって、R
1が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり、R
2が水素原子であり、且つ、R
3がC
1〜C
10アルキル基である化合物から選択される。この構造を有する化合物の例にはN2−メチルリシンとN2−メチル−L−アルギニンが含まれるがこれらに限定されない。
【0031】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、上記の構造(I)によって記載されるモノカルボン酸化合物であって、R
1が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり、R
2が水素原子であり、且つ、R
3が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基である化合物から選択される。この構造を有する化合物の例にはN
2−(2−アミノエチル)−D−アルギニンとN
2−(2−アミノエチル)−L−アルギニンが含まれるがこれらに限定されない。
【0032】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、上記の構造(I)によって記載されるモノカルボン酸化合物であって、R
1がC
1〜C
4アルキルであり、R
2が少なくとも1つの窒素含有塩基性基を有する基であり、且つ、R
3が水素原子である化合物から選択される。この構造を有する化合物の例には2−メチルリシンと2−メチル−L−アルギニンが含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
本開示の幾つかの実施形態では第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含む前記少なくとも1つのモノカルボン酸化合物は、必要な第一級アミノ基または第二級アミノ基がカルボキシル基と同じ炭素に結合していない構造を有するモノカルボン酸化合物から選択される。この構造を有する化合物の例には3,4−ジアミノ酪酸と3−アミノ−5−[(アミノイミノメチル)メチルアミノ]ペンタン酸が含まれるがこれらに限定されない。
【0034】
幾つかの実施形態では前記第2のキレート剤はビグアニド基を含み得る。例えば、前記第2のキレート剤は次の構造(II):
【化1】
(II)
を有することができ、式中、R
10、R
11、R
12、およびR
13は水素、置換または非置換アリール、置換または非置換C
3〜C
10環状アルキル、および置換または非置換C
1〜C
10直鎖または分岐アルキルからなる群より独立して選択され、且つ、R
14は水素、またはR
13と共にイミダゾール環を形成する単結合であり、ただしR
10、R
11、R
12、およびR
13のうちの少なくとも1つはアリール基であるかまたはアリール置換基を含み、且つR
10、R
11、R
12、およびR
13のうちの少なくとも2つは水素である。幾つかの実施形態ではR
11およびR
13は水素である。幾つかの実施形態ではR
13およびR
14は水素である。
【0035】
R
10〜R
13に適切なアリール基の例にはフェニル、ナフチル、およびアントラセニルが含まれるがこれらに限定されない。適切な置換基にはハロゲン(例えば、Cl、Br、またはF)、C
1〜C
10直鎖または分岐アルキル、C
3〜C
10環状アルキル、C
1〜C
10直鎖または分岐アルコキシ、C
3〜C
10環状アルコキシ、ニトロ、SH、ジオキソリル、および置換または非置換フェニルが含まれるがこれらに限定されない。
【0036】
R
10〜R
13に適切な置換または非置換C
3〜C
10環状アルキルの例にはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ならびにノルボルニルおよび完全水素化ナフチレンなどの二環式系が含まれるがこれらに限定されない。適切な置換基にはハロゲン(例えば、Cl、Br、またはF)、C
1〜C
10直鎖または分岐アルキル、C
3〜C
10環状アルキル、および置換または非置換フェニルが含まれ
るがこれらに限定されない。
【0037】
R
10〜R
13に適切な置換または非置換C
1〜C
10直鎖または分岐アルキルの例にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル
、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、およびデシルが含まれるがこれらに限定されない。適切な置換基にはハロゲン(例えば、Cl、Br、またはF)、C
1〜C
10直鎖または分岐アルコキシ、C
1〜C
10直鎖または分岐フルオロアルコキシ、C
3〜C
10環状アルコキシ、および置換または非置換アリールが含まれるがこれらに限定されない。
【0038】
置換または非置換アリールを有するビグアニドの例には1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド、1−(3−メチルフェニル)ビグアニド、1−(4−メチルフェニル)ビグアニド、1−(2−クロロフェニル)ビグアニド、1−(4−クロロフェニル)ビグアニド、1−(2,3−ジメチルフェニル)ビグアニド、1−(2,6−ジメチルフェニル)ビグアニド、1−(1−ナフチル)ビグアニド、1−(4−メトキシフェニル)ビグアニド、1−(4−ニトロフェニル)ビグアニド、1,1−ジフェニルビグアニド、1,5−ジフェニルビグアニド、1,5−ビス(4−クロロフェニル)ビグアニド、1,5−ビス(3−クロロフェニル)ビグアニド、1−(4−クロロ)フェニル−5−(4−メトキシ)フェニルビグアニド、1,1−ビス(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ビグアニド、1,5−ビス(3,4−ジクロロフェニル)ビグアニド、1,5−ビス(3,5−ジクロロフェニル)ビグアニド、1,5−ビス(4−ブロモフェニル)ビグアニドが含まれるがこれらに限定されない。
【0039】
置換または非置換アリール基と置換または非置換C
1〜C
10直鎖または分岐アルキル基を有するビグアニドの例には1−フェニル−1−メチルビグアニド、1−(4−クロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)ビグアニド(プログアニル)、1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)ビグアニド、1−(4−メチルフェニル)−5−オクチルビグアニド、1−(4−クロロフェニル)−2−(N’−プロパン−2−イルカルバムイミドイル)グアニジン、ジトリルビグアニド、ジナフチルビグアニド、およびジベンジルビグアニドが含まれるがこれらに限定されない。
【0040】
置換または置換C
1〜C
10直鎖または分岐アルキルを有するビグアニドの例には4−クロロベンズヒドリルビグアニド、1−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルメチルビグアニド、1−ベンジル−5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド、1−ベンジルビグアニド、4−クロロベンジルビグアニド、1−(2−フェニルエチル)ビグアニド、1−ヘキシル−5−ベンジルビグアニド、1,1−ジベンジルビグアニド、1,5−ジベンジルビグアニド、1−(フェネチル)−5−プロピルビグアニド、および1,5−ビス(フェネチル)ビグアニドが含まれるがこれらに限定されない。
【0041】
置換または非置換C
3〜C
10環状アルキルを有するビグアニドの例には1−シクロヘキシル−5−フェニルビグアニド、1−(4−フェニルシクロヘキシル)ビグアニド、1−(4−メチル)シクロヘキシル−5−フェニルビグアニド、および1−シクロペンチル−5−(4−メトキシフェニル)ビグアニド、ノルボルニルビグアニド、ジノルボルニルビグアニド、アダマンチルビグアニド、ジアダマンチルビグアニド、ジシクロヘキシルビグアニドが含まれるがこれらに限定されない。
【0042】
R
14がR
13と共にイミダゾール環を形成する単結合である構造(II)の例には、2−グアニジノベンズイミダゾール、5−メチル−2−グアニジノベンズイミダゾール、4,6−ジメチル−2−グアニジノベンズイミダゾール、5,6−ジメチル−2−グアニジノベンズイミダゾール、5−クロロ−2−グアニジノベンズイミダゾール、4,5−ジクロロ−2−グアニジノベンズイミダゾール、4,6−ジクロロ−2−グアニジノベンズイミダゾール、5−ブロモ−2−グアニジノベンズイミダゾール、5−フェニル−2−グアニジノベンズイミダゾール、および5−メトキシ−2−グアニジノベンズイミダゾールが含まれるがこれらに限定されない。
【0043】
幾つかの実施形態では前記第2のキレート剤は複数のビグアニド基を含む。幾つかの実施形態では前記第2のキレート剤は2つのビグアニド基を含む。これらの第2のキレート剤は本明細書においてビスビグアニドまたはジビグアニドと呼ばれる。幾つかの実施形態では複数のビグアニド基を含む前記第2のキレート剤は高分子ビグアニドである。企図されている高分子ビグアニドにはその高分子の骨格中にビグアニド部分が含まれている高分子、ならびにペンダントビグアニド部分を含む高分子が含まれる。
【0044】
2つのビグアニド基を含む前記第2のキレート剤の一例は構造(III):
【化2】
(III)
の化合物であって、式中、R
20、R
21、R
22、およびR
23は水素、置換または非置換アリール、置換または非置換C
3〜C
10環状アルキル、および置換または非置換C
1〜C
10直鎖または分岐アルキルからなる群より独立して選択され、各R
24は水素、置換または非置換アリール、置換または非置換フェニルエチル、または置換もしくは非置換ベンジルアルキルからなる群より独立して選択され、且つ、mは1〜10の整数であり、ただしR
20、R
21、R
22、R
23およびR
24のうちの少なくとも1つはアリール基であるかまたはアリール置換基を含み、且つR
20、R
21、R
22、およびR
23のうちの少なくとも2つは水素である。
【0045】
構造(III)のビスビグアニドの例には、エチレンジビグアニド、プロピレンジビグアニド、テトラメチレンジビグアニド、ペンタメチレンジビグアニド、ヘキサメチレンジビグアニド、ヘプタメチレンジビグアニド、オクタメチレンジビグアニド、1,6−ビス−(4−クロロベンジルビグアニド)−ヘキサン(フルオルヘキシジン(登録商標))、1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)(クロルヘキシジン)、2−(ベンジルオキシメチル)ペンタン−1,5−ビス(5−ヘキシルビグアニド)、2−(フェニルチオメチル)ペンタン−1,5−ビス(5−フェネチルビグアニド)、3−(フェニルチオ)ヘキサン−1,6−ビス(5−ヘキシルビグアニド)、3−(フェニルチオ)ヘキサン−1,6−ビス(5−シクロヘキシルビグアニド)、3−(ベンジルチオ)ヘキサン−1,6−ビス(5−ヘキシルビグアニド)、および3−(ベンジルチオ)ヘキサン−1,6−ビス(5−シクロヘキシルビグアニド)が含まれるがこれらに限定されない。
【0046】
1つの実施形態では前記第2のキレート剤は次の構造:
【化3】
を有するビスビグアニドである。このビスビグアニドはアレキシジンとしても知られる。
【0047】
幾つかの実施形態では2つのビグアニド基を含む前記第2のキレート剤にはフェニレニルジビグアニド、ナフチレニルジビグアニド、ピリジニルジビグアニド、ピペラジニルジビグアニド、フタリルジビグアニド、1,1’−[4−(ドデシルオキシ)−m−フェニレン]ビスビグアニド、2−(デシルチオメチル)ペンタン−1,5−ビス(5−イソプロピルビグアニド)、および2−(デシルチオメチル)ペンタン−1,5−ビス(5,5−ジエチルビグアニド)が含まれるがこれらに限定されない。
【0048】
幾つかの実施形態では複数のビグアニド基を含む前記第2のキレート剤は高分子ビグアニドである。本明細書に記載される前記組成物の成分として企図されている例となる高分子ビグアニドは構造(IV):
【化4】
(IV)
を有し、式中、nは2以上の整数であり、各R
25は独立してHまたはC
1〜C
6アルキルであり、且つ、各R
26は独立して置換されていてもよいC
1〜C
20アルキレン(例えば、C
4〜C
10アルキレン)である。
【0049】
本明細書において使用される場合、「アルキレン」は二価の有機ラジカルを指す。二価のアルキレン部分の例には−CH
2−、−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−などが含まれるがこれらに限定されない。幾つかの実施形態ではR
26は−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−である。
【0050】
幾つかの実施形態では前記C
1〜C
20アルキレンは置換されていてもよい。適切な置換基にはC
1〜C
10直鎖または分岐アルキル、C
3〜C
10環状アルキル、置換または非置換フェニル、C
1〜C
10直鎖または分岐アルコキシ、C
3〜C
10環状アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、SH、ハロゲン、アミノ、ジオキソリル、ビグアニジル、シアノ、カルボキシル、エステル、アミド、エーテル、スルフィド、ジスルフィド、スルフオキシド、およびスルホンが含まれるがこれらに限定されない。
【0051】
幾つかの実施形態では本明細書に記載されるアルキレン部分の少なくとも1つのメチレン単位がヘテロ原子、例えば、−O−、−NH−、−S−などによって置き換えられる。
【0052】
幾つかの実施形態ではnは2〜6000の整数である。幾つかの実施形態ではnは3〜3000の整数である。幾つかの実施形態ではnは3〜1000の整数である。幾つかの実施形態ではnは5〜300の整数である。幾つかの実施形態ではnは5〜50の整数である。幾つかの実施形態ではnは10〜20の整数(例えば、12または15)である。
【0053】
幾つかの実施形態では本明細書に記載される前記組成物中の成分として企図されている前記高分子ビグアニドは、R
25がHであり、R
26がC
6アルキレンであり、且つ、nが12または15である上記構造を有する。
【0054】
上で示された高分子ビグアニドに加えてペンダントビグアニド部分を担持する高分子ビグアニドが企図されている。これらの実施形態の例にはビグアニジル置換α−オレフィンモノマーの重合生成物、例えば、ポリ(ビニルビグアニド)、ポリ(N−ビニルビグアニド)、ポリ(アリルビグアニド)、およびそれらの共重合体が含まれるがこれらに限定されない。重合鎖当たりのペンダントビグアニジル部分の数を広範に変えることができるように様々なオレフィンモノマーとビグアニジル置換α−オレフィンモノマーを共重合させることができることが理解される。
【0055】
本明細書において開示される前記ビグアニドは有機酸と無機酸の両方の様々な酸と容易に塩を形成する。本明細書に記載される前記組成物に使用することが企図されている前記ビグアニドの無機酸塩には塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホスホン酸、リン酸、スルホンン酸、硫酸などが含まれるがこれらに限定されない。本明細書に記載される前記組成物に使用することが企図されている前記ビグアニドの有機酸塩には吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−オクテン酸、ラウリン酸、5−ドデセン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ヘプタデカン酸、パルミトレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、ドデカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、セバシン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸などのような置換されていてもよいカルボン酸が含まれるがこれらに限定されない。
【0056】
他の適切な第2のキレート剤の例にはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、および少なくとも2つの窒素含有基を有するポリエチレンイミンなどのアルキレンジアミンが含まれる。
【0057】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、または少なくとも約0.4重量%)および/または多くとも約1.8重量%(例えば、多くとも約1.5重量%、多くとも約1.3重量%、多くとも約1.1重量%、多くとも約1重量%、多くとも約0.8重量%、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の前記第2のキレート剤を含む。
【0058】
本開示の前記組成物は置換または非置換ベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1つの金属腐食抑制剤を含む。適切なクラスの置換ベンゾトリアゾールにはアルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、およびヒドロキシル基で置換されたベンゾトリアゾールが含まれるがこれらに限定されない。置換ベンゾトリアゾールは1つ以上のアリール(例えば、フェニル)基またはヘテロアリール基と融合したものも含む。本開示上、「置換または非置換ベンゾトリアゾール」という語句はカルボキシル基と第一級アミノ基または第二級アミノ基の両方を同時に含むあらゆるベンゾトリアゾール化合物を除外すると定義される。
【0059】
金属腐食抑制剤としての使用に適切なベンゾトリアゾールにはベンゾトリアゾール(BTA)、5−アミノテトラゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)−ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、および5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールが含まれるがこれらに限定されない。
【0060】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約0.05重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の前記金属腐食抑制剤を含む。
【0061】
本開示の前記組成物は水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテル(例えば、グリコールジエーテル)からなる群より選択される少なくとも1つの有機溶媒を含む。
【0062】
水溶性アルコールのクラスにはアルカンジオール(アルキレングリコールを含むがこれらに限定されない)、グリコール、アルコキシアルコール(グリコールモノエーテルを含むがこれらに限定されない)、飽和脂肪族一価アルコール、不飽和非芳香族一価アルコール、および環構造を含む低分子量アルコールが含まれるがこれらに限定されない。
【0063】
水溶性アルカンジオールの例には2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、およびアルキレングリコールが含まれるがこれらに限定されない。
【0064】
水溶性アルキレングリコールの例にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールが含まれるがこれらに限定されない。
【0065】
水溶性アルコキシアルコールの例には3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、および水溶性グリコールモノエーテルが含まれるがこれらに限定されない。
【0066】
水溶性グリコールモノエーテルの例にはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテルが含まれるがこれらに限定されない。
【0067】
水溶性飽和脂肪族一価アルコールの例にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、t−ペンチルアルコール、および1−ヘキサノールが含まれるがこれらに限定されない。
【0068】
水溶性不飽和非芳香族一価アルコールの例にはアリルアルコール、プロパルギルアルコール、2−ブテニルアルコール、3−ブテニルアルコール、および4−ペンテン−2−オールが含まれるがこれらに限定されない。
【0069】
環構造を含む水溶性低分子量アルコールの例にはテトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、および1,3−シクロペンタンジオールが含まれるがこれらに限定されない。
【0070】
水溶性ケトンの例にはアセトン、プロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−ブタノン、2,5−ヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサンジオン、3−ヒドロキシアセトフェノン、1,3−シクロヘキサンジオン、およびシクロヘキサノンが含まれるがこれらに限定されない。
【0071】
水溶性エステルの例にはエチルアセテート;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテートなどのグリコールモノエステル;およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールモノエーテルモノエステルが含まれるがこれらに限定されない。
【0072】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約1重量%(例えば、少なくとも約5重量%、少なくとも約8重量%、または少なくとも約10重量%)および/または多くとも約30重量%(例えば、多くとも約25重量%、多くとも約20重量%、または多くとも約15重量%)の前記有機溶媒を含む。
【0073】
本開示の洗浄用組成物は水をさらに含む。その水は脱イオン化された超純水であり、有機性汚染物質を含まず、且つ、約4〜約17メガオームの極小抵抗率を有することが好ましい。その水の抵抗率が少なくとも17メガオームであることがより好ましい。
【0074】
幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約78重量%(例えば、少なくとも約80重量%、少なくとも約83重量%、または少なくとも約85重量%)および/または多くとも約98重量%(例えば、多くとも約95重量%、多くとも約93重量%、または多くとも約90重量%)の水を含む。
【0075】
本開示の前記組成物はpHを約6〜約11の間に制御するための少なくとも1つのpH調整剤を含んでもよい。幾つかの実施形態では本開示の前記組成物は少なくとも約6(例えば、少なくとも約6.5、少なくとも約7、または少なくとも約7.5)から多くとも約11(例えば、多くとも約10、多くとも約9.5、多くとも約9、多くとも約8.5)のpHを有し得る。理論に捉われることを望むものではないが、11より高いpHを有する洗浄用組成物はプラズマエッチング残渣の洗浄を完全な洗浄にとって現実的ではないレベルにまで低下させ、6より低いpHはWのエッチ速度を望ましくないレベルにまで高めると考えられている。効果的なpHは本明細書に記載される前記組成物に使用される成分の種類と量に応じて変化し得る。
【0076】
存在する場合、必要なpH調整剤の量は様々な製剤中の他の成分、特に前記ヒドロキシルアミン、前記第1のキレート剤ポリアミノポリカルボン酸、および前記第2のキレート剤(またはその中和された塩)の濃度の変化に応じて、および使用する特定のpH調整剤の分子量の関数として変化し得る。概して、前記pH調整剤の濃度は約0.1%〜約3%の範囲である。幾つかの実施形態では本開示の洗浄用組成物は少なくとも約0.1重量%(例えば、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、または少なくとも約1.5重量%)および/または多くとも約3重量%(例えば、多くとも約2.5重量%、多くとも約2重量%、または多くとも約1.5重量%)の前記pH調整剤を含む。
【0077】
概して、前記pH調整剤は(微量の金属イオン不純物を除いて)金属イオンを全く含まない。適切な金属イオンを含まないpH調整剤には水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物、モノアミン(アルカノールアミンを含む)、イミン(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなど)、およびグアニジン塩(炭酸グアニジンなど)が含まれる。
【0078】
適切な第四級アンモニウム水酸化物の例には水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、コリン、水酸化テトラエタノールアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、および水酸化ベンジルトリブチルアンモニウムが含まれるがこれらに限定されない。
【0079】
適切なモノアミンの例にはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、およびベンジルアミンが含まれるがこれらに限定されない。
【0080】
幾つかの実施形態では本開示の非腐食性洗浄用組成物は少なくとも約0.5重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約5重量%)および/または多くとも約20重量%(例えば、多くとも約17重量%、多くとも約15重量%、多くとも約12重量%、または多くとも約10重量%)の前記酸化還元剤;少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%または多くとも約0.5重量%)の前記第1のキレート剤(すなわち、ポリアミノポリカルボン酸);少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、または少なくとも約0.4重量%)および/または多くとも約1.8重量%(例えば、多くとも約1.5重量%、多くとも約1.3重量%、多くとも約1.1重量%、多くとも約1重量%、多くとも約0.8重量%、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の前記第2のキレート剤;少なくとも約0.05重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の置換および非置換ベンゾトリアゾールからなる群より選択される前記金属腐食抑制剤;少なくとも約1重量%(例えば、少なくとも約5重量%、少なくとも約8重量%、または少なくとも約10重量%)および/または多くとも約30重量%(例えば、多くとも約25重量%、多くとも約20重量%、または多くとも約15重量%)の前記有機溶媒;少なくとも約78重量%(例えば、少なくとも約80重量%、少なくとも約83重量%、または少なくとも約85重量%)および/または多くとも約98重量%(例えば、多くとも約95重量%、多くとも約93重量%、または多くとも約90重量%)の水;および所望により、約0.1%〜約3%の金属イオンを含まないpH調整剤を含み、それらから成り、または基本的にそれらから成り、その非腐食性洗浄用組成物のpHは少なくとも6(例えば、少なくとも約6.5、少なくとも約7、または少なくとも約7.5)から多くとも約11(例えば、多くとも約10、多くとも約9.5、多くとも約9、多くとも約8.5)までである。
【0081】
幾つかの実施形態では本開示の非腐食性洗浄用組成物は少なくとも約0.5重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約5重量%)および/または多くとも約20重量%(例えば、多くとも約17重量%、多くとも約15重量%、多くとも約12重量%、または多くとも約10重量%)のヒドロキシルアミン;少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%または多くとも約0.5重量%)の前記第1のキレート剤(すなわち、ポリアミノポリカルボン酸);少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、または少なくとも約0.4重量%)および/または多くとも約1.8重量%(例えば、多くとも約1.5重量%、多くとも約1.3重量%、多くとも約1.1重量%、多くとも約1重量%、多くとも約0.8重量%、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の前記第2のキレート剤であって、第一級アミノ、第二級アミノ、イミダゾリル、トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピペラジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピペリジニル、グアニジニル、ビグアニジニル、カルバザチル、ヒドラジジル、セミカルバジジル、およびアミノグアニジニルからなる群より選択される少なくとも2つの窒素含有基を有する化合物からなる群より選択される前記第2のキレート剤;少なくとも約0.05重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の置換および非置換ベンゾトリアゾールからなる群より選択される前記金属腐食抑制剤;少なくとも約1重量%(例えば、少なくとも約5重量%、少なくとも約8重量%、または少なくとも約10重量%)および/または多くとも約30重量%(例えば、多くとも約25重量%、多くとも約20重量%、または多くとも約15重量%)の前記有機溶媒であって、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテルからなる群より選択される前記有機溶媒;少なくとも約78重量%(例えば、少なくとも約80重量%、少なくとも約83重量%、または少なくとも約85重量%)および/または多くとも約98重量%(例えば、多くとも約95重量%、多くとも約93重量%、または多くとも約90重量%)の水;および所望により、約0.1%〜約3%の金属イオンを含まないpH調整剤を含み、それらから成り、または基本的にそれらから成り、その非腐食性洗浄用組成物のpHは少なくとも6(例えば、少なくとも約6.5、少なくとも約7、または少なくとも約7.5)から多くとも約11(例えば、多くとも約10、多くとも約9.5、多くとも約9、多くとも約8.5)までである。
【0082】
幾つかの実施形態では本開示の非腐食性洗浄用組成物は少なくとも約0.5重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約5重量%)および/または多くとも約20重量%(例えば、多くとも約17重量%、多くとも約15重量%、多くとも約12重量%、または多くとも約10重量%)のヒドロキシルアミン;少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%または多くとも約0.5重量%)の前記第1のキレート剤(すなわち、ポリアミノポリカルボン酸);少なくとも約0.01重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、または少なくとも約0.4重量%)および/または多くとも約1.8重量%(例えば、多くとも約1.5重量%、多くとも約1.3重量%、多くとも約1.1重量%、多くとも約1重量%、多くとも約0.8重量%、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の前記第2のキレート剤であって、第一級アミノ基または第二級アミノ基および少なくとも1つの追加の窒素含有塩基性基を含むモノカルボン酸化合物、構造IIを有するビグアニド化合物、および複数のビグアニド基を有する化合物からなる群より選択される前記第2のキレート剤;少なくとも約0.05重量%(例えば、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、または少なくとも約0.3重量%)および/または多くとも約1重量%(例えば、多くとも約0.7重量%、多くとも約0.6重量%、または多くとも約0.5重量%)の置換および非置換ベンゾトリアゾールからなる群より選択される前記金属腐食抑制剤;少なくとも約1重量%(例えば、少なくとも約5重量%、少なくとも約8重量%、または少なくとも約10重量%)および/または多くとも約30重量%(例えば、多くとも約25重量%、多くとも約20重量%、または多くとも約15重量%)の前記有機溶媒であって、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテルからなる群より選択される前記有機溶媒;少なくとも約78重量%(例えば、少なくとも約80重量%、少なくとも約83重量%、または少なくとも約85重量%)および/または多くとも約98重量%(例えば、多くとも約95重量%、多くとも約93重量%、または多くとも約90重量%)の水;および所望により、約0.1%〜約3%の金属イオンを含まないpH調整剤を含み、それらから成り、または基本的にそれらから成り、その非腐食性洗浄用組成物のpHは少なくとも6(例えば、少なくとも約6.5、少なくとも約7、または少なくとも約7.5)から多くとも約11(例えば、多くとも約10、多くとも約9.5、多くとも約9、多くとも約8.5)までである。
【0083】
加えて、幾つかの実施形態では本開示の洗浄用組成物は追加のpH調整剤、追加の腐食抑制剤、界面活性剤、追加の有機溶媒、殺生物剤、および消泡剤などの添加剤を自由選択的成分として含んでよい。
【0084】
適切な消泡剤の例にはポリシロキサン消泡剤(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリエチレングリコールメチルエーテル重合体、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、およびグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(参照により本明細書に援用される米国特許第6717019号明細書に記載されているものなど)が含まれる。
【0085】
幾つかの実施形態では本開示の洗浄用組成物は前記添加成分のうちの1つ以上を、1つより多くあるとすればあらゆる組合せで特定的に除外してよい。そのような成分は、脱酸素剤、第四級アンモニウム水酸化物、アミン、アルカリ金属塩基およびアルカリ土類塩基(NaOH、KOH、LiOH、水酸化マグネシウム、および水酸化カルシウムなど)、消泡剤以外の界面活性剤、フッ化物含有化合物、酸化剤(例えば、過酸化物、過酸化水素、硝酸第二鉄、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硝酸、亜塩素酸アンモニウム、塩素酸アンモニウム、ヨウ素酸アンモニウム、過ホウ酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、亜塩素酸テトラメチルアンモニウム、塩素酸テトラメチルアンモニウム、ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム、過ホウ酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム、過硫酸テトラメチルアンモニウム、過酸化水素尿素、および過酢酸)、研磨材、ケイ酸塩、ヒドロキシカルボン酸、アミノ基を含まないカルボン酸およびポリカルボン酸、非アゾール系腐食抑制剤、グアニジン、グアニジン塩、無機酸(例えば、スルホン酸、硫酸、亜硫酸、亜硝酸、硝酸、亜リン酸、およりリン酸)、ピロリドン、ポリビニルピロリドン、金属ハロゲン化物、WがH、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、および金属イオンを含まない水酸化物塩基部分から選択され、MはSi、Ge、Sn、Pt、P、B、Au、Ir、Os、Cr、Ti、Zr、Rh、RuおよびSbからなる群より選択される金属であり、yは4〜6であり、且つ、zは1、2、または3である式W
zMX
yの金属ハロゲン化物、および本開示において記載されるもの以外の腐食抑制剤からなる群より選択される。
【0086】
概して、本開示の洗浄用組成物は半導体基板からバルクフォトレジスト膜を除去するように特別に設計されてはいない。むしろ本開示の洗浄用組成物は概して乾式または湿式剥離方法によるバルクレジスト除去の後に全ての残渣を除去するように設計されている。したがって、乾式または湿式フォトレジスト剥離処理の後に本開示の洗浄方法を用いることが好ましい。概してこのフォトレジスト剥離処理の前にエッチング処理またはインプラント処理などのパターン転写処理が来るか、またはパターン転写の前にマスクエラーを修正するためにこのフォトレジスト剥離処理が行われる。その残渣の化学組成は洗浄工程に先行する処理または複数の処理に左右される。
【0087】
半導体基板からバルクレジストを除去するためにあらゆる適切な乾式剥離処理を用いることができる。適切な乾式剥離処理の例にはフッ素/酸素プラズマまたはN
2/H
2プラズマなどの酸素ベースのプラズマアッシング、オゾンガス相処理、フッ素プラズマ処理、熱H
2ガス処理(参照により全体が本明細書に援用される米国特許第5691117号明細書に記載されるものなど)等が含まれる。加えて、当業者に知られているあらゆる従来の有機湿式剥離溶液を使用して半導体基板からバルクレジストを除去することができる。
【0088】
本開示の洗浄方法と併用される好ましい剥離処理は乾式剥離処理である。好ましくは、この乾式剥離処理が酸素ベースのプラズマアッシング処理である。この処理は真空条件(すなわち、1トール)において高温(典型的には250℃)で活性酸素雰囲気を適用することによって半導体基板からフォトレジストの大半を除去する。有機材料はこの処理によって酸化され、処理ガスによって除去される。しかしながら、無機性汚染物質または有機金属性汚染物質はこの処理によって半導体基板から除去されない。それらの残渣を除去するためには本開示の洗浄用組成物を使用する半導体基板の後洗浄が典型的には必要である。
【0089】
本開示の1つの実施形態は、エッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を有する半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させることを含む半導体基板からの残渣の洗浄方法である。本方法は前記接触工程の後に前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすること、および/または前記リンス工程の後に前記半導体基板を乾燥することをさらに含み得る。
【0090】
幾つかの実施形態では本洗浄方法は
(A)エッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を含む半導体基板を提供する工程、
(B)前記半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させる工程、
(C)前記半導体基板を適切なリンス溶媒でリンスする工程、および
(D)所望により、前記リンス溶媒を取り除き、且つ、前記半導体基板の完全性を損なわない方法によって前記半導体基板を乾燥する工程
を含む。幾つかの実施形態では本洗浄方法は上記の方法によって得られた半導体基板から半導体素子(例えば、半導体チップなどの集積回路素子)を形成することをさらに含む。
【0091】
この方法で洗浄される半導体基板は有機性残渣と有機金属残渣、およびさらに除去が必要な一連の金属酸化物を含み得る。半導体基板は典型的にはシリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsのようなIII−V族化合物、またはそれらのあらゆる組合せから構成される。それらの半導体基板は曝露された集積回路構造体、例えば、金属線と誘電体材料のような相互接続体をさらに含み得る。相互接続体に使用される金属と金属合金にはアルミニウム、銅とのアルミニウム合金、銅、チタン、タンタル、コバルト、およびシリコン、窒化チタン、窒化タンタル、およびタングステンが含まれるがこれらに限定されない。前記半導体基板は層間誘電体、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、および炭素ドープシリコン酸化物の層を含んでもよい。
【0092】
あらゆる適切な方法で、例えば、本洗浄用組成物をタンクに入れ、半導体基板を本洗浄用組成物に浸す、および/または沈めることで、本洗浄用組成物を半導体基板にスプレーすることで、本洗浄用組成物を半導体基板の上に流すことで、またはそれらのあらゆる組合せで半導体基板を洗浄用組成物と接触させることができる。本洗浄用組成物に半導体基板を浸すことが好ましい。
【0093】
本開示の洗浄用組成物は約90℃の温度まで効果的に使用され得る。好ましくは約25℃〜約80℃で本洗浄用組成物を使用することができる。より好ましくは約30℃〜約60℃で本洗浄用組成物を使用することができ、約40℃〜約60℃の温度範囲が最も好ましい。
【0094】
同様に、洗浄時間は用いる特定の洗浄方法と温度に応じて広い範囲で変化し得る。浸漬バッチタイプ処理で洗浄するとき、適切な時間範囲は、例えば、最大で約60分までである。バッチタイプ処理にとって好ましい範囲は約1分〜約60分である。バッチタイプ処理にとってより好ましい時間範囲は約3分〜約20分である。バッチタイプ洗浄処理にとって最も好ましい時間範囲は約4分〜約15分である。
【0095】
単一ウェーハ処理の洗浄時間は約10秒〜約5分の範囲であり得る。単一ウェーハ処理にとって好ましい洗浄時間は約15秒〜約4分の範囲であり得る。単一ウェーハ処理にとってより好ましい洗浄時間は約15秒〜約3分の範囲であり得る。単一ウェーハ処理にとって最も好ましい洗浄時間は約20秒〜約2分の範囲であり得る。
【0096】
本開示の洗浄用組成物の洗浄能をさらに促進するために機械的撹拌手段を用いてよい。適切な撹拌手段の例には基板上での本洗浄用組成物の循環、基板上での本洗浄用組成物の流動またはスプレー、および洗浄処理中の超音波または磁力による撹拌が含まれる。地面に対する半導体基板の方向はあらゆる角度であってよい。水平方向または垂直方向が好ましい。
【0097】
当業者に知られている従来の洗浄用ツールに本開示の洗浄用組成物を使用することができる。本開示の前記組成物は全体としても部分としても比較的に非毒性、非腐食性、且つ、非反応性の成分を含み、それによってそれらの組成物が広い範囲の温度および処理時間で安定であることが本開示の前記組成物の著しい利点である。本開示の前記組成物は、バッチウェーハ洗浄および単一ウェーハ洗浄のための既存の半導体ウェーハ洗浄処理ツールおよび提案されている半導体ウェーハ洗浄処理ツールを構築するために使用される実質的に全ての材料と化学的に適合する。
【0098】
洗浄後に撹拌手段を使用して、または使用せずに半導体基板が適切なリンス溶媒によって約5秒間から最大で約5分間にわたってリンスされる。適切なリンス溶媒の例には脱イオン(DI)水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリジノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが含まれるがこれらに限定されない。あるいは、pHが8を超える水性リンス液(希釈水酸化アンモニウム水溶液など)を用いてよい。リンス溶媒の好ましい例には希釈水酸化アンモニウム水溶液、DI水、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールが含まれるがこれらに限定されない。より好ましいリンス溶媒は希釈水酸化アンモニウム水溶液、DI水およびイソプロピルアルコールである。最も好ましいリンス溶媒は希釈水酸化アンモニウム水溶液とDI水である。その溶媒は本明細書に記載される洗浄用組成物の塗布に用いられる手段と類似の手段を用いて塗布され得る。リンス工程の開始前に半導体基板から本洗浄用組成物を除去してよく、リンス工程の開始時に本洗浄用組成物がその時点で半導体基板と接触していてもよい。好ましくは、リンス工程において用いられる温度は16℃と27℃の間である。
【0099】
リンス工程の後に半導体基板を乾燥させてもよい。当技術分野において知られているあらゆる適切な乾燥手段を用いてよい。適切な乾燥手段の例には遠心乾燥、半導体基板上での乾燥ガスの流動、またはホットプレートもしくは赤外線灯などの加熱手段を用いる半導体基板の加熱、マランゴニ乾燥、ロタゴニ乾燥、IPA乾燥またはそれらのあらゆる組合せが含まれる。乾燥時間は採用される特定の方法に依存するが、典型的には30秒から最大で数分の程度である。
【0100】
幾つかの実施形態では本明細書に記載される洗浄用組成物を使用する集積素子の製造方法は次の工程を含み得る。まず、フォトレジスト層を半導体基板に塗布する。次にそうして得られた半導体基板に対して集積回路を形成するためにエッチング処理またはインプラント処理などのパターン転写処理を行うことができる。次に乾式または湿式剥離方法(例えば、酸素ベースのプラズマアッシング処理)によってそのフォトレジストの大半を除去することができる。次に本明細書に記載される洗浄用組成物を上に記載されている方法で使用してその半導体基板上の残っている残渣を除去することができる。その後、その半導体基板を加工してその基板上に1つ以上の追加の回路を形成することができ、または例えば組み立て(例えば、切断と接着)と包装(例えば、チップ封入)によって半導体チップに形成することができる。
【実施例】
【0101】
次の実施例を参照して本開示をさらに詳細に例示するが、それらの実施例は例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。記載されるあらゆるパーセンテージは別段の指定が無い限り重量によるもの(重量%)である。別段の記載が無い限り1インチの撹拌子を300rpmで使用して制御撹拌を行った。
【0102】
基本手順1
製剤の調合
計算した量の脱イオン化超純水(DIW)に金属イオンを含まないpH調整剤を除く洗浄製剤の成分を撹拌しながら添加して洗浄用組成物の試料を調製した。自由選択の添加剤を使用する場合は溶液が均一になった後に添加した。pH調整剤を添加して前記組成物の製剤を完了した。所望により、その溶液を平衡化させその洗浄用組成物のpHを測った。
【0103】
全ての成分を完全に溶解した後に所望により、環境温度(17〜25℃)でpH測定値を得た。これらのpH測定値のためにベックマン・コールターΦ400シリーズ・ハンドヘルドメーターを使用することができる。使用した全ての成分は市販のものであり、高純度のものであった。
【0104】
基本手順2
ビーカー試験による洗浄評価
リソグラフィーによってパターン化され、金属用プラズマエッチング装置内でエッチングを受け、続いて上層のフォトレジストを完全に除去するために酸素プラズマアッシングを受けたフォトレジスト/TiOx/SiN/Co/ILD(ILD=層間誘電体)またはフォトレジスト/TiOx/SiN/W/ILDからなる複層基板を使用して、基板からのPER(エッチング後残渣)の洗浄が本記載の洗浄用組成物を用いて実施された。
【0105】
約200ミリリットルの本開示の洗浄用組成物を含む500mlの容積のガラスビーカー中に試験片を浮遊させることができるように4インチ長のプラスチック製ロッキングピンセットを使用して試験片を保持した。その試験片をその洗浄用組成物に浸漬する前に制御撹拌しながらその組成物を所望の試験条件温度(上で述べたように通常は40℃または60℃)まで予備加熱した。その後、その試験片のPER層を含む面が撹拌子に対面するようにプラスチック製ピンセットによって保持するその試験片をその加熱組成物の中に入れることで洗浄試験を実施した。その洗浄用組成物を制御撹拌して試験温度に保ちながらその組成物の中にその試験片を一定の期間(典型的には2〜5分)にわたって静置した。所望の洗浄時間が完了したところでその試験片をその洗浄用組成物から直ぐに取出し、環境温度(約17℃)で穏やかに撹拌されている約400mlのDI水で満たされた500mlのプラスチックビーカーの中に入れた。その試験片をそのビーカーのDI水の中に約30秒間にわたって放置し、続いて直ぐに取出し、環境温度で約30秒間にわたってDI水流下でリンスした。その試験片を直ぐに携帯型窒素吹きつけ器からの窒素ガス流に曝露し、それによってその試験片表面上のあらゆる液滴をその試験片から吹き飛ばし、さらにその試験片素子表面を完全に乾燥させた。この最後の窒素乾燥工程の後にプラスチック製ピンセットの保持部分からその試験片を取り外し、約2時間以下の短期間の保管のために素子面を上にして蓋付きプラスチック製保管箱に入れた。その後、洗浄した試験片素子表面上の重要な特徴について走査型電子顕微鏡(SEM)写真を収集した。
【0106】
基本手順3
ビーカー試験による材料適合性評価
材料適合性試験のためにシリコン基板上のブランケットCo、シリコン基板上のW、シリコン基板上のSiO2上のTiOx、シリコン基板上のSiN、シリコン基板上のILDを約1インチ×1インチ四方の試験片に切断した。最初にそれらの試験片について金属膜(Co、W)用に4点プローブCDE Resmap273によって、または誘電体膜(TiOx、SiNおよびILD)用にWoollam M−2000Xを使用しエリプソメトリーによって厚みまたはシート抵抗を測定した。その後、それらの試験片を4インチ長のプラスチック製ロッキングピンセットに取り付け、その試験片のCo層、W層、TiOx層、SiN層、またはILD層を含む面が撹拌子に対面するようにして基本手順2の洗浄手順に記載されているように10分間にわたって処理した。
【0107】
最後の窒素乾燥工程の後にプラスチック製ピンセットの保持部分からその試験片を取り外し、蓋付きプラスチック製保管箱に入れた。その後、処理後試験片表面について金属膜(CoおよびW)用に4点プローブCDE Resmap273によって、または誘電体膜(TiOx、SiNおよびILD)用にWoollam M−2000Xを使用しエリプソメトリーによって事後の厚みまたはシート抵抗を収集した。
【0108】
製剤実施例FE−1〜FE−5および比較製剤実施例CFE−1〜CFE−4
表1は基本手順1によって調製された製剤FE−1〜FE−5および比較製剤CFE−1〜CFE−4を含む。
【表1】
EGBE=エチレングリコールブチルエーテル;
DTPA=ジエチレントリアミン五酢酸;
5MBTA=5−メチルベンゾトリアゾール;
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン;
CDC=クロルヘキシジンジヒドロクロリド;
アルギニン=
【化5】
。
【0109】
実施例1〜5および比較例CE1〜CE4
洗浄剤の曝露された金属との適合性
基本手順2に従って洗浄について、および65℃、4分間の基本手順3に従って材料適合性について製剤実施例FE−1〜FE−5および比較製剤実施例CFE−1〜CFE−4を試験した。それらの洗浄用組成物中でのCo、W、TiOx、SiN、SiC、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、およびILDのエッチ速度(オングストローム/分)が表2に示されている。
【表2】
「NA」はデータが利用可能ではないことを指す。
【0110】
表2のデータは本開示の製剤(すなわち、FE−1〜FE−5)によって半導体素子上で典型的に見出される半導体材料(Co、W、TiOx、SiN、SiC、TEOS、およびILDなど)を著しく腐食することなくエッチング後残渣が洗浄されたことを示している。他方、9.5より上のpHを有する比較製剤CFE−1およびCFE−2は洗浄不良の結果となった。加えて、第2のキレート剤を有しない比較製剤CFE−3は試験した半導体基板においてタングステンの著しい腐食を示した。同様に、ヒドロキシルアミンの代わりに過酸化水素を含む比較製剤CFE−4も半導体基板においてタングステンの著しい腐食を示した。
【0111】
製剤実施例FE−6〜FE−13ならびに比較製剤実施例CFE−5およびCFE−6
表3は基本手順1によって調製された製剤FE−6〜FE−13ならびに比較製剤CFE−5およびCFE−6を詳述している。
【表3】
【化6】
フェニルビグアニド(PBG)
【化7】
1−(o−トリル)ビグアニド(TBG)
【化8】
フェンホルミンヒドロクロリド(PFCl)
【化9】
メトホルミンヒドロクロリド(MTCl)
【化10】
2−グアニジノベンズイミダゾール(GBI)
【0112】
実施例6−13ならびに比較例CE−5およびCE−6
洗浄剤の曝露された金属との適合性
基本手順2に従って洗浄能について、および65℃、4分間の基本手順3に従って材料適合性について製剤実施例FE−6〜FE−13ならびに比較製剤実施例CFE−5およびCFE−6を試験した。それらの洗浄用組成物のCo、W、TiOx、SiN、SiC、およびILD(利用可能である場合)のエッチ速度(オングストローム/分)が表4に示されている。
【0113】
表4中の全ての製剤が優れた洗浄能を示した。しかしながら、比較製剤CFE−5(ビグアニド無し)およびCFE−6(ジアルキルビグアニド)は許容できないほど高いWエッチ速度を示した。製剤実施例FE−6〜FE13は著しく低下したWエッチ速度を示し、一方で他の材料に対しては許容できるエッチ速度を維持し、且つ、優れた洗浄を有した。
【表4】
洗浄
1:5の評価は優れており、1の評価は非常に悪い。
「NA」はデータが利用可能ではないことを指す。
【0114】
実施例14〜17ならびに比較例CE−7およびCE−8
洗浄剤の曝露された金属との適合性
基本手順2に従って洗浄能について、および65℃、4分間の基本手順3に従って材料適合性について製剤実施例FE−14〜FE−17ならびに比較製剤実施例CFE−7およびCFE−8を試験した。表5は本洗浄用組成物を示している。表5に示されている「Pol−BG」はポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を指す(下の構造を参照されたい。n=12)。
【化11】
ポリヘキサメチレンビグアニド(Pol−BG)塩酸塩
それらの洗浄用組成物のCo、W、TiOx、SiN、SiC、およびILD(利用可能である場合)のエッチ速度(オングストローム/分)が表6に示されている。
【表5】
【表6】
洗浄
(1): 5の評価は優れており、1の評価は非常に悪い。
「NA」はデータが利用可能ではないことを指す。
【0115】
表6中の全ての製剤が優れた洗浄能を示した。しかしながら、比較製剤CFE−7およびCFE−8は許容できないほど高いWエッチ速度を示した。製剤実施例FE−14〜FE17は著しく低下したWエッチ速度を示し、一方で他の材料に対しては許容できるエッチ速度を維持し、且つ、優れた洗浄を有した。
【0116】
製剤実施例18〜38
本開示の前記組成物をさらに詳しく述べるため、追加の洗浄用組成物が表7に記載されている。表7中の「第2のキレート剤」は構造(IV)を有する高分子ビグアニド(すなわち、下の高分子1〜8)またはペンダントビグアニド基を含む高分子ビグアニド(すなわち、下の高分子9〜12)を指す。具体的には高分子1〜8は、n、R
25およびR
26が下で既定される構造(IV)を有する高分子である。
【表7】
高分子9〜12はペンダントビグアニド部分を有する高分子であり、下に記載される。
【表8】
【表9】
【表10】
*0.5%DBUも含む製剤
**0.4%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)も含む製剤