(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1段ピストンが、前記第1段ピストンとともに移動しかつ前記第1バルブボールを前記出口開口から離すために前記第1バルブボールに接触するように構成された抑制器を含む、請求項1に記載のレギュレータ。
前記第1段ピストンに取り付けられた近位端と、前記第1段ピストンから離れる方に延在する遠位端と、を有し、前記第1段ピストンの前記内側と流体連通する通路を有するガス送達導管をさらに含む、請求項1に記載のレギュレータ。
前記第1段ピストンを付勢し、前記バルブチャンバの方に移動し、前記第1段バルブを開放するように構成された第1ピストンばねをさらに含む、請求項1に記載のレギュレータ。
前記ガスケット保持器が、円筒状シェル部分と、前記第1バルブガスケットに接触するように配置された、前記保持器のガスケット端部の、内側に延在するフランジと、含む、請求項8に記載のレギュレータ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態を参照して本発明の態様を以下に記載するが、本発明の態様は、記載される特定の実施形態を考慮して狭く解釈されるべきでないことを理解すべきである。従って本発明の態様は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本発明の様々な態様は単独で及び/又は互いのいずれかの適切な組合せにおいて使用可能であり、従って、様々な実施形態は、特徴のいずれか特定の組合せを必要としていると解釈すべきでないことも理解すべきである。それよりもむしろ、記載される実施形態の1以上の特徴は、他の実施形態の他のいずれかの適切な特徴と組み合わせることができる。
【0012】
図1〜
図4は本発明の1以上の態様を組み込み得る飲料抜き取り装置1の一実施形態の概略図を示す。この例示的なシステム1は、取り付けられた加圧ガス源100(圧縮ガスシリンダなど)を備えた本体3を含み、加圧ガス源100は圧力下(例えば、シリンダから分配される場合2600psi以下)にガスをレギュレータ600に供給する。この構成において、シリンダ100は、ねじ接続によって本体3及びレギュレータ600に固定されるが、以下に及び/又は米国特許第4,867,209号明細書、米国特許第5,020,395号明細書、及び、米国特許第5,163,909号明細書に記載されるものなど、他の構成が可能であり、これらの特許は、ガスシリンダをシリンダレシーバと係合するための機構に関するそれらの教示に関して参照することによって本明細書に組み込まれる。レギュレータ600は
図1〜
図4に概略的に、及び、細部を省略して示されているが、特定の実施形態が以下に記載され、及び/又は、プリセットされた又は可変の出口圧力にガス圧を調整可能な、様々な市販の、又は他の単段もしくは多段圧力レギュレータのいずれかを含むことができる。レギュレータ600の主機能は、例えば、閉塞物730が押し出されないことを保証するレベルなど、容器700内で形成される圧力が所望のレベルを超えないように、容器700(ワインボトルなど)に送達するのに適切な圧力及び流速でガスを供給することである。
【0013】
この実施形態では、本体3は、レギュレータ600からのガスの流れを制御するように動作可能なバルブ300も含む。バルブ300は3方向トグルバルブであってもよく、3方向トグルバルブは1つの操作ボタンと、針200を介して容器700へ加圧ガスを選択的に導入し、及び、飲料710(ワインなど)を容器700から抜き取る機能と、を含む。そのようなバルブ300の動作に関連する詳細は、米国特許第8,225,959号明細書に提供されており、前記特許は参照することによって完全な形で組み込まれる。しかしながら、加圧ガス及び飲料の流れを制御する他のバルブ構成が可能であり、それには以下に記載され及び本発明の態様を組み込むものが含まれる。
【0014】
ガスを容器700に導入し及び飲料を抜き取るために、本体3に取り付けられた針200が、容器700の開口をシールするコルク又は他の閉塞物730を通して挿入される。この例示的なシステム1は、針先端近くの針側壁に沿って針開口220を有するペン先状のノンコアリング針200を使用する。針200は様々な方法でコルク又は他の閉塞物730に挿入可能であるが、この実施形態では、システム1は、本体3の各レール31を受け入れてその移動を案内する一対のチャネル21を有する基部2を含む。従って、容器閉塞物730に対する本体3及び取り付けられた針200の移動は基部2によって案内可能であり、例えば、本体3は、針200を閉塞物730の内外へ移動するために基部2に対して摺動し得る。加えて、針200の移動は、基部2に取り付けられかつ閉塞物730の上に配置された針案内部202によって案内することができる。基部2に対する本体3の移動を案内する他の構成が可能である。例えば、本体3のチャネル又は他の受入部分と係合する1以上のレールを基部2に設けること、本体又は基部の他方の対応する特徴部(例えばタブ)と係合して滑り移動を可能にする細長いスロット、チャネル又は溝を本体又は基部に設けること、本体と基部を一緒に接続して針を閉塞物に挿入するための本体の移動を可能にする連結部及びその他などである。さらに他の実施形態では、本体3は基部2に対して可動である必要はなく、互いに固定されてもよい。この場合、針の挿入は、本体及び基部を容器に対して一緒に移動することによって実行され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、基部2は、例えばクランプ、スリーブ、ストラップ又は容器700と係合する他の装置によって、容器700に対して適所に固定又は保持されてもよい。クランプ構成は一時的すなわち着脱可能に装置1をワインボトルネック部又は他の容器700に固定するために使用され得る。容器700に対する基部2の移動を制限することによって、そのような構成は、閉塞物730に進入するとき又は閉塞物730から引き抜かれるとき、容器700に対する針200の移動を案内する助けとなり得る。あるいは容器700は装置1を掴み、操作することによって操作されてもよい。装置1を容器700に係合するクランプが装置1及び容器700を一緒に確実に保持し得るためである。
【0016】
針200を閉塞物730に挿入するために、使用者は、基部2と容器700とを互いに少なくともいくらか動かない状態に維持しながら、本体3を下方に押してもよい。針200は、基部2に対する本体3の案内される動きによって(例えばレール31及びチャネル21によって)少なくとも部分的にその動きを案内されながら、閉塞物730を通過する。針200が
図2に示されるように適切に挿入されると、針先端の針開口220を、閉塞物730の下及び容器700のシールされた空間内に位置付けることができる。次に容器700を、例えば飲料710が閉塞物730の近くまで流れるように、及び、容器700内のあらゆる空気又は他のガス720が閉塞物から離れて流れるように、傾けることができる。次にバルブ300を作動し、及び、
図3に示されるようにシリンダ100からのガスをバルブ300及び針200に流し込み、針開口220から出るようにすることによって、加圧ガス120を容器700に導入することができる。その後、加圧ガスの流れを停止し、飲料710が針開口220に流れ込み、針200を通って流れ、
図4に示されるようにバルブ300から分配されることを可能にするように、バルブ300を操作することができる。
【0017】
図5〜
図7は、本発明の態様を組み込み得る飲料抜き取り装置1の別の例示的な実施形態を示す。この実施形態は
図1〜
図4の実施形態と操作が似ているが、ガス及び飲料の流れを制御するためのバルブを含むいくつかの異なる特徴を有する。この実施形態では、本体3はハンドル33を含み、ハンドル33は、針200を容器700のコルク又は他の閉塞物に挿入するために本体3を基部2に対して上下運動で移動するために使用者が掴むことができる。同様に、例えば飲料を出口301から分配するように、及び/又は、ガスを針200を介して容器700へ送り出すようにバルブ8を操作するためにレバー32が設けられる。基部2に対する本体3の移動を許容するために、本体3は、T字形断面を有しかつ基部2のT字形受入れスロット又はチャネル21内を移動するように配置されたレール31を含む。しかしながら、上で考察したように、針200の移動を許容しながら本体3及び基部2を係合する他の構成が可能である。同様に、ガスシリンダカバー101が、シリンダ100を本体3に対して適所に係合及び保持するためにレギュレータ600で本体3とねじ式に係合される。(ガスシリンダカバー101はこの実施形態では、ガスシリンダ100を適所に保持するためにガスシリンダ100を覆い本体3の別の部分とねじ式に係合する一種のキャップである。)このガスシリンダカバー101の構成は、レギュレータ600とねじ式に係合せずカバー101によってレギュレータ600と係合して保持されるガスシリンダ100の使用を可能にする。
【0018】
同じくこの実施形態に含まれるのは、クランプアーム41の対を有するクランプ4であり、クランプアーム41は装置1をテーブル天板又はカウンター天板などの平らで水平な表面102上で直立した向きに支持するように構成される。この実施形態では、クランプアーム41の最下部分は、本体3の最下部分(この例ではシリンダカバー101の下端部である)と一緒に表面102に接触する。従って、クランプアーム41及びカバー101は、表面102との3つの接触点を提供し得るが、追加の接触点が提供されてもよい。同様に、カバー101は表面102に接触しなくてもよく、代わりに本体3又は基部2の他の部分が装置1を直立した向きに支持するように表面102に接触してもよい。別の構成では、クランプアーム41は単独で表面102に接触し装置1を支持し得る。例えば、クランプアーム41は、装置1の他の部分からの補助なしに装置1を適切に支持するべく表面102に接触する「足」又は他の構造を含み得る。
【0019】
滑らかな壁の外面の、16ゲージ以上のペンシルポイント又はヒューバーポイント針を有する針が、飲料抜き取り中にコルクと効果的にシールを行いガス又は流体の流入又は流出を防止しながらワインボトルコルク又は他の閉塞物に貫入するのに効果的であることが分かっている。さらに、そのような針は、針を引き抜いた後にコルクが再シールすることを可能にし、そして飲料風味の異常な変化なしに容器及び残った飲料が数か月又は数年間保存されることを可能にする。さらに、そのような針は、ワインボトル及び他の容器で共通して見られるホイルカバー又は他のラッピングに貫入するために使用することができる。従って、針は閉塞物と同様にホイルカバー又は他の要素に貫入し、飲料抜き取りの前にホイル又は他のラッピングを取り除く必要性を排除する。他の針プロファイル及びゲージもシステムで使用可能である。
【0020】
飲料抜き取りシステムで使用される針は、コルクから材料を除去することなくコルクに通過させることができるノンコアリングチップを有する、滑らかな外壁の円筒状針であってもよい。1つのノンコアリングチップは、コルクを通して通路を拡張させるペンシルチップであるが、偏向チップ及びスタイレット針が適切に作用することも分かっており、代替実施形態で使用してもよい。ペンシルチップ針は、ペンシルチップの反対側の端部の少なくとも1つの入口及びペンシルチップに近い少なくとも1つの出口からその長さに沿って延びる少なくとも1つのルーメンを好ましくは有する。上に示されるように針出口は、針の遠位端において、しかし針の最先端の近くで針の側壁に位置付け可能である。
【0021】
正しい針ゲージを用いると、針をコルクから取り除いた後に残る通路(もしあれば)は、標準的な貯蔵条件のもとで流体及び/又はガスの流入又は流出に対して自己シールすることが分かっている。従って、針は飲料を抜き取るために閉塞物に挿入し、その後、閉塞物を貫く飲料及びガスの通過が阻止されるように閉塞物が再シールすることを可能にしながら取り除くことができる。複数の針ゲージが機能し得るが、好ましい針ゲージの範囲は16〜22ゲージであり、いくつかの実施形態で最適な針ゲージは17〜20ゲージである。これら針ゲージは容器の内側の最少圧力で最適な流体流れを提供し得る一方、繰り返される挿入及び引抜きのあとでさえ許容される低レベルの損傷をコルクに与える。
【0022】
複数の針長さを様々な実施形態で適切に作用するために適合させることができるが、標準的なワインボトルコルクを通過するのに約1.5インチの最小針長さが一般に必要とされることが分かっている。9インチの長さの針を使用してもよいが、いくつかの実施形態の最適な長さの範囲は2〜2.6インチであることが分かっている。針はいずれかの標準的な継手(例えばNPT、RPT、Leur、クイック接続又は標準ねじ)を介して、特別注文の継手又はねじ構成を経由して、直接バルブに流体接続可能であり、若しくは、柔軟性又は剛性チューブなどの介在要素を介してバルブに接続可能である。2つ以上の針が使用されるとき、針長さは同じ又は異なってもよく、0.25インチ〜10インチまで変化してもよい。針の入口/出口の間に距離を作ることは、泡の形成を防止することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、飲料を容器から抜き取るために適切なガス圧力が容器に導入される。例えば、いくつかのワインボトルでは、約40〜50psiの最大圧力を、コルクでの漏出及びコルクの放出の危険がない状態で、ボトルに導入できることが分かっているが、約15〜30psiの圧力が上手く作用することが分かっている。これら圧力は、コルクの除去もコルク脇の液体又はガスの通過も引き起こすことなくボトル開口のコルク対ボトルシール部の最も弱い部分によってさえよく耐えられ、また比較的速い飲料抜き取りを提供する。いくつかの実施形態でのワイン抜き取りの間の容器内の低い方の圧力限界値は、約0〜20psiであることが分かっている。すなわち、ボトルからの飲料の適切に速い抜き取りを提供するために約0〜20psiの圧力がボトル内に必要とされることが分かっている。単一の17〜20ゲージ針を使用する一例では、ワインボトル内の初期圧力を形成するために30psiの圧力が使用され、内部圧力が約15〜20psiに低下したときでさえ迅速なワインの抜き取りが得られた。
【0024】
加圧ガス源は、多様な不活性ガスのいずれかで充填された多様な調整又は非調整加圧ガス容器のいずれかであることができる。好ましい実施形態では、ガスシリンダは約2000〜3000psiの初期圧力でガスを含有する。この圧力は、いくつかのワインボトルの中身の完全な抜き取りに対して、単一の比較的小型の圧縮ガスシリンダ(例えば長さ約3インチ及び直径0.75インチ)の使用を可能にすることが分かっている。複数のガスが、延長された貯蔵期間にわたり成功裏に試験され、好ましくは使用されるガスはワインなどの容器内の飲料に関して不活性であり、飲料酸化又は他の損傷を保護するように働くことができる。適切なガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びその他を含む。ガスの混合物も可能である。例えば、アルゴンと別のより軽量のガスとの混合物は、ワイン又は他の飲料をアルゴンで覆うことができる一方、より軽量のガスがボトル内の容積を占めることができ、おそらくガスの全体費用を低減し得る。
【0025】
上記の実施形態では、ガスを容器に導入し飲料を容器から抜き取るために、単一のルーメンを有する単一の針が使用される。しかしながら、他の実施形態では、2つ以上の針を使用してもよく、例えば1つの針はガス送達用であり、1つの針は飲料抜き取り用である。そのような実施形態では、バルブは、ガスの流れを容器に対して開放し、同時に飲料の流れを容器から開放するように作動し得る。針は、同じ又は異なる直径を有してもよく、あるいは同じ又は0.25〜10インチまで変化する長さを有してもよい。例えば、ガスを送達する一方の針は、ボトルからワインを抜き取る他方の針よりも長くてもよい。あるいは、2つのルーメンを有する針を使用可能であり、ここでガスは一方のルーメン内を移動し、飲料は他方のルーメン内を移動する。各ルーメンは別々の入口及び出口を有することができ、出口はガスの循環を防止するためにボトル内で互いに離されてもよい。
【0026】
上述のように、本発明のいくつかの態様は、例えば飲料抜き取り装置で使用するための、圧力レギュレータの特徴に関し、及び/又は、ガスシリンダを穿孔するためのランスの特徴に関する。
図8は、本発明の1以上の態様を組み込み、及び、上記の飲料抜き取り装置で使用可能である圧力レギュレータ600の例示的な実施形態の断面図を示す。本明細書に記載される実施形態は、CO2ガスを含有する加圧カートリッジ(不図示)とともに使用されるが、窒素又は酸素など、他の加圧ガス又は流体が圧縮ガスカートリッジから利用されてもよい。圧力レギュレータは、シリンダからのガスの放出を引き起こすために、受取り部開口24で受け取られ、ランス25によって穿孔されるシリンダ100からの圧力(約2600〜3000psi、若しくは、それ以上又はそれ以下であり得る)を低減するように作動する第1段10を含む。第1段10はシリンダ100から受け取られたガスの圧力を第1レベルに、例えば30〜60psiの範囲内に低減し得る一方、任意選択の第2段(不図示)は、第1段10から受け取られたガスの圧力をさらに低いレベルに、例えば15〜30psiの範囲内に低減し得る。(第2段は第1段10と同じ基本的な方法で配置可能であり、及び、第1段10のガス出口62に流体接続されたバルブチャンバ入口開口を有し得る。)ランス25は、第1段レギュレータ本体4の開口に圧入(又はそれと係合)可能であり、並びに、中空及び/又は中実の穿孔ランス設計を使用し得る。ランス25とシリンダ100との間のシールは、ランス25がシリンダを穿孔するために使用されるとき、ランス25とシリンダ(不図示)との間に配置されるガスケット(Oリング41など)を使用して形成可能である。受取り部開口24にシリンダを係合させるために、シリンダは、受取り部開口24の周囲のレギュレータ本体4の底部でねじ山42と係合するカップ(例えば
図5のカバー101など)内に保持されてもよく、その結果、カップをレギュレータ本体4にねじで留めることによりシリンダのネック部が受取り部開口24に押し込まれ、ランス25がシリンダに貫通され、及びガスの漏れを防止するために例えばOリング41によってシールが形成される。米国特許第7,334,598号明細書は、シリンダを受取り部開口24で係合させるために使用されるカップ構成を記載する。
【0027】
シリンダが受取り部開口24で受け取られ、ランス25で穿孔された状態で、第1段レギュレータ10のバルブチャンバ5が、比較的高い圧力ガスをシリンダから、ランス25を通る通路を経由して受け取る。(出口開口13を通る)バルブチャンバ5からのガスの流れは、バルブボール16を上方に押し上げ、バルブガスケット11例えば弾性Oリングに接触させるばね30を含むバルブアセンブリ20によって制御される。バルブボール16のガスケット11との適切な接触は、出口開口13を通るバルブチャンバ5からのガスの流れを阻止する一方で、出口開口13から離れるバルブボール16の移動はバルブチャンバ5からの流れを許容する。従って、ガスケット11及び出口開口13に対する(すなわちそれらに向かう及びそれらから離れる)ボール16の移動が、バルブチャンバ5からのガスの流れを制御することができる。
【0028】
バルブボール16の移動は、レギュレータ本体4のピストンボア26の中を移動するように配置されたピストン14に取り付けられた抑制器12によって制御される。ピストンばね17はピストン14をボア26内で下方に移動するように促し(従って抑制器12及びボール16を下方に移動し)、その一方、(出口開口13を通してバルブチャンバ5から放出されるガスによってもたらされる)ピストン14の内側底部表面のガス圧力は、ピストン14を上方に移動するように促し、従って抑制器12を上方へ移動し、ばね30がボール16を上方へ移動することを許容する。ピストンシール15は、ピストン14の内側からピストンの外側への(例えばピストンばね17が配置された空間への)ガスの流れを制御するために、ピストン14の段付き表面と、及びピストンボア26のテーパした段付き又は他のシール表面と係合するように配置される。ピストン14の外側の領域内のガスは、レギュレータ本体4のベント、例えば穴、溝又は他の特徴部27によって、本体4からガス抜きされる。
【0029】
従って、ピストン14がピストンばね17によって下方に移動させられるとき、バルブチャンバ5からの流れは許容されるがピストン14の内側からの流れはピストンシール15によって停止され、ピストン14が上方へ移動されるとき、ピストンシール15を越えるピストン14の内側からの流れは許容されるがバルブチャンバ5からの流れは停止される。当業者には理解されるように、ピストン14の移動、及びピストンばね17及びばね30によってそれぞれ影響を及ぼされる対応する抑制器12及びバルブボール16の移動は、バルブチャンバ5からのガスの、圧力を調整された流れをもたらす。一般的に言えば、ピストンばね17の圧縮力(及び/又はばね17のばね定数)は、バルブアセンブリ20によって放出されるガスの圧力を決定する。ばね17はピストンボア26の中にカップ58によって保持され、カップ58は本体4とねじによって係合され、第1段10によって放出されるガスの圧力を調整するためにばね17の予負荷又は圧縮力を調整するように適切な位置に調整可能である。レギュレータ本体4及び/又はカップ58は、ピストン14の外側のガス圧力がガス抜きされることを可能にする穴又は他の開口を含み得る。
【0030】
圧力を制御されたガス流は、ピストン14の頂部から分岐する出口導管62を経由して第1段10から排出される。出口導管62は、タイヤを膨張するための、飲料容器から液体を押し出すための
図1〜
図7の装置の、又は、調整された実質的に一定の作動圧力ガスを使用する他の空気圧装置又は液圧装置のバルブ300などに、圧力を制御された使用のためのガスを送達するホース、ねじ継手、又は他の構成要素に接続可能である。あるいは、圧力を制御されたガスの供給は、出口導管62によって、例えば第1段レギュレータ10のように構成されかつ出口導管62に流体接続されたバルブチャンバ5を有する第2段圧力レギュレータに対して提供可能である。
【0031】
本発明の一態様によれば、圧力レギュレータ内でバルブチャンバを規定するバルブ本体は、成形されたプラスチックレギュレータ本体のキャビティ内に配置された金属構成要素であり得る。例えば、一実施形態では、バルブ本体はレギュレータ本体と一緒に成形され得る。そのような構成は、レギュレータ本体が、プラスチック材料など、比較的軽量かつ頑丈性で劣る材料から作製されることを可能にし得る一方、レギュレータが、1000、2000、3000psi又はそれ以上など、比較的高い圧力に対処することを可能にする。すなわち、レギュレータのバルブチャンバのみが、ガスシリンダ又は他の供給源から受け取られる比較的高い圧力に曝され得るので、バルブチャンバを規定するバルブ本体のみを比較的高い圧力に耐えるように作製すればよい。バルブ本体の下流の構成要素は、そのような高い圧力に曝されない。なぜなら、例えば、レギュレータが、バルブの下流の圧力が所望の閾値より低く、例えば50未満、60 100psi以下で維持され得るようにレギュレータバルブの開放/閉鎖を制御し得るためである。結果として、バルブチャンバの下流の構成要素は、さらにより低い圧力、例えば100psi未満に耐えることを必要とされ得る。
【0032】
図8は、バルブアセンブリ20が、第1バルブチャンバ5を規定するバルブ本体50を含む実施形態を示す。バルブ本体50は、出口開口13を規定する半径方向内側に延在する環状端壁と、バルブチャンバ5の入口開口51で半径方向外側に延在するフランジとを有する全体的に円筒状の要素として形成される。環状端壁は、ガスケット11と係合しかつバルブボール16がガスケット11と係合されるときバルブチャンバ5からのガスの漏出に抵抗する一助となるシールを形成するシール係合表面を提供し得る。この実施形態では、バルブ本体50の環状端壁の内側表面は、Oリングガスケット11とともに作用するように構成された、ガスケット11の形状に少なくとも部分的に近似する湾曲した形状、例えば部分的トロイダル状シェル形状を有するが、任意の適切な形状を有してもよい。また、出口開口13の寸法は、出口開口13を通るガスケット11の移動に抵抗する一助となるように抑制器12の寸法に関連して構成され得る。例えば、抑制器12は、出口開口13に類似した寸法及び形状を有し得、従って開口13を通るガスケット11の移動を阻止する一助となる。この実施形態のバルブ本体50は、レギュレータ本体4のキャビティ内において本体50の位置を維持する一助となるために入口開口51端部にフランジを含むが、そのようなフランジも他の特徴部も必要ではない。バルブ本体50の厚さはいずれかの適切な値であり得、2000psi以上など、予想される圧力に耐えるように構成可能である。
【0033】
本発明の別の態様によれば、バルブガスケットを出口開口で保持する一助となるために、ガスケット保持器をバルブチャンバ内に設けることができる。1つの構成において、ガスケット保持器は、バルブ本体の一部として形成可能であり、又は、バルブチャンバ内に配置された別個の要素によって設けることができる。
図9及び10は、
図8のものと同様に構成された圧力レギュレータ600の例示的な実施形態を示すが、この実施形態では、ガスケット保持器52がバルブチャンバ5の中に設けられている。ガスケット保持器52はバルブ本体50と別個の要素として配置されるが、ガスケット保持器52は、バルブ本体50の一部として、例えば本体50の内壁に取り付けられた内側に延在するフランジ、壁、突起又は他の要素として形成可能である。この実施形態では、ガスケット保持器52は、円筒状シェル部分と、出口開口13の近くでバルブガスケット11に接触しかつそれを保持するように配置された、保持器52のガスケット端部の内側に延在するフランジとを含む。ガスケット保持器52は、第1バルブ本体50に対してバルブチャンバ内の適所に比較的静止した状態に維持されるが、いくつかの実施形態では、ある程度の範囲まで移動するように許容することができる。ガスケット保持器52は、様々な方法で適所に保持可能であるが、この実施形態では、ガスケット保持器52は、バルブ本体50の入口開口51の中に受け入れられるランス25の一部に接触する。すなわち、入口開口51近くのガスケット保持器52の端部は、ガスケット保持器52のフランジが出口開口13に対して適所に保持されるようにバルブ本体50内でランス25の一部に接触する。当然のことながら、ガスケット保持器52をバルブ本体50に対して適所に溶接、接着又は固定するなど、他の構成が可能である。
【0034】
バルブ本体50内のガスケット保持器52の組立てが
図10に示される。上に記載したように、バルブ本体50は、レギュレータ本体4内に成形可能であり、又は、バルブ本体50の入口開口51が受取り部開口24で露出されるようにレギュレータ本体4のキャビティ内に配置可能である。ガスケット11は入口開口51を通してバルブチャンバ5に挿入可能であり、ガスケット保持器52、バルブボール16、バルブばね30及びランス25が続く。
図10で見ることができるように、ランスは、バルブ本体50の入口開口51に嵌合しバルブ本体50と気密シールを形成するように寸法決めされかつ構成された後端部を有する。この実施形態では、ランス25は、バルブ本体50とシールを形成するようにランス25の後端部の溝の中に収容されたOリングガスケットを含むが、シーラント、溶接、接着、ねじ接続、フレアレス管継手等などの他の構成が可能である。同じく
図10で見ることができるように、この実施形態のガスケット保持器52は、バルブチャンバ5内にガスケット保持器52を位置付けるためにランス25の方に延在しそれに接触する2つ以上の脚部を含む。そのような脚部は任意選択的であるが設けられなくてもよい。
【0035】
図11及び
図12は、いくつかの実施形態においてガスケットがバルブボール16の接触により変形するときガスケット保持器52がガスケット11の移動を制限するためにどのように機能するかを示す。この実施形態では、ガスケット保持器52は、円筒状シェル部分から内側にテーパする環状形状を有するフランジを出口開口に有する。複数の内側に延在するつめ、バルブ本体50内壁に対して垂直であるフランジ又は他の構成など、ガスケット保持器52のガスケット接触部分の他の構成が可能である。
図11は、閉鎖位置にあるバルブボール16を示し、閉鎖位置では出口開口13は、バルブボール16のガスケット11との接触によって、及び、出口開口13におけるガスケット11のバルブ本体50との接触によって、シールされ閉鎖される。しかしながら、
図11は、ガスケット11がバルブ本体50及びガスケット保持器52によって制限されない場合にどのように移動し得るかを概略的に示す。
図12は、対照的に、閉鎖位置にあるバルブボール16を示すが、ガスケット11は変形された状態にあり、バルブ本体50及びガスケット保持器52によって制限されている。理解することができるように、ガスケット11は弾性であり、バルブボール16によって押されるときバルブ本体50及び保持器52の形状に概ね従う。示されないが、保持器52のない場合、ガスケット11は、出口開口13から離れ、バルブボール16とバルブ本体50との間の空間に至る方向に変形する傾向を有する可能性がある。しかしながら、ガスケット保持器52がこの移動を防止し、結果として、ガスケット11とバルブボール16との間の接触力は効果的に増大される。いくつかの実施形態では、バルブガスケット11及びガスケット保持器52は、出口開口13近くでのバルブボール16のバルブ本体50との接触を阻止するように配置される。例えば、この実施形態のバルブ本体50は、バルブ本体が出口開口13でバルブチャンバ5の方にバルブシート19までいくらか内側に延在するように出口開口13で内側に湾曲する。いくつかの場合、バルブボール16はバルブシート19でバルブ本体50に接触するように許容することができるが、この実施形態では、ガスケット11及びガスケット保持器52は、バルブボール16がバルブシート19でバルブ本体50に接触することができないように配置される。代わりに、ガスケット11は、バルブボール16が移動してバルブ本体50に接触することを防止する。なぜなら、例えば、バルブボール16がバルブシート19に接触する前にガスケット11が効果的に剛性体になるようにガスケット11の変形がガスケット保持器52及びバルブ本体50によって制限されるためである。バルブシート19でのバルブボール16のバルブ本体50との接触を防止することによって、例えば、ステンレス鋼又は他の適切な材料から作製され得る2つの比較的硬質の金属要素が互いに接触することによるボール16及び/又は本体50への損傷に抵抗することができる。さらに、バルブが閉鎖するときの接触に関連するノイズを、低減又は排除することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ボール16が
図12の閉鎖位置にある状態でのガスケット保持器52とバルブボール16との間の間隙及び/又はバルブシート19とバルブボール16との間の間隙は、ガスケット11が各間隙の中に変形すること(例えば突き出ること)を防止する一助となるように適切に寸法決め(すなわち適切に小さく)されることができる。これはガスケット11の損傷及び/又はシールの不良を防止する一助となることができる。いくつかの実施形態では、間隙の幅は0.5〜2ミリメートル又はそれ未満であり得る。この実施形態ではガスケット11は、ショアA 90のデュロメータを有するOリングであるが、ガスケットの他の構成が可能であり、より高いデュロメータのガスケットは、バルブボール16とバルブシート19又はガスケット保持器52との間のより広い間隙を可能にし得る。
【0037】
図11及び
図12に示される本発明の別の態様は、バルブピストン14の抑制器12が、バルブボール16に接触するように構成された剛性の凸状接触表面を含み得ることである。これは、抑制器12の端部の、例えばゴムボールによって形成される、平坦、凹状及び/又は弾性の接触表面、凹状又は平坦な金属表面又は他の類似の要素と対照的である。(球状表面などの)剛性の凸状接触表面を抑制器12に使用することによって、抑制器12はバルブボール16を抑制器12の移動の方向に対して斜めの方向に出口開口13から離れて移動するように促し得る。例えば、
図12に示されるように、抑制器12は、ピストン14の移動とともにライン121に沿って移動し得る。しかしながら、抑制器12及びボール16は球状又は他の凸部で互いに接触するので、抑制器12はボール16をライン121に対して斜めの方向において出口開口13から離れるように移動し得る。すなわち、抑制器12及びバルブボール16は凸面で互いに接触するので、抑制器12はライン121を横切る方向におけるボール16の移動を制限しない。結果として、及びばね30及びバルブ本体50はバルブボール16の横移動を許容し得るので、バルブボール16は抑制器12によって出口開口13から突き放されるとき自由に横方向に(ライン121を横切る方向に)移動する。これはボール16の径線がライン121と平行である地点で抑制器12がバルブボール16に接触するかどうかに関係なく当てはまる。実際に、抑制器12のバルブボール16との接触点を、ボール16の直径がライン121と平行である場所に位置付けることによって、ガスケット11の摩耗はガスケット11の様々な領域により均一に分散し得る。すなわち、抑制器12とボール16との間の接触点がライン121と平行な径線から離れて位置付けられる場合、ボール16はライン121を横切る方向に一貫して移動され得るが、バルブが開放及び閉鎖するたびに同じ又は同様の経路に沿って移動され得る。これはガスケット11をその経路に沿ってガスケット11の他の部分よりも速く摩耗するおそれがある。しかしながら、抑制器12とボール16との間の接触点をライン121と平行な径線に位置付けることによって、ボール16は様々なランダムな経路に沿って移動可能であり、これはガスケット11がより均一に摩耗することを可能にする。
【0038】
バルブボール16をライン121を横切る方向に出口開口13から離して移動する結果として、ボール16は、ボール16の一方の側でガスケット11との接触を破るように移動し、その後、ボール16の反対側がガスケット11から離れて移動し得る。この種の移動によりバルブはより滑らかに開放及び/又は閉鎖することが可能になり、それによりバルブが開放から閉鎖へ(又はその逆へ)移行する間に急に開放及び閉鎖することによって引き起こされ得るチャタリングノイズ又は打撃ノイズを低減する。すなわち、ボール16がガスケット11から直線状に離れて移動する構成では、ボール16は、ボール16がガスケット11から完全に抜け出すまで、円形領域においてガスケットとの接触を維持する(従ってガスケット11とのシールを維持する)傾向がある。このバルブの突然の開放は、ガスが出口開口13を通って突然流れることを可能にし得、これはピストン14をバルブ20から離れる方に付勢する傾向がある。結果として、抑制器12は開口13から移動され得、ボール16がガスケット11と再び接触し完全なシールを形成することを可能にし、バルブを閉鎖する。これはピストン14の内側表面の圧力を低下し、抑制器12がバルブ20を開放するべくボール16を再び移動するようにばね17がピストン14を移動することを可能にする。バルブ開放/閉鎖のこの急速なサイクルは、チャタリングノイズ又は打撃ノイズを生成しながらボール16が開放及び閉鎖位置の間で急速に移動することを引き起こす可能性がある。しかしながら、ライン121を横切る方向にボール16をガスケット11から離すことによって、バルブ20はより漸進的に開放し得、これはピストンが開放及び閉鎖位置の間で急速に移動することを引き起こし得る突然の圧力変化の防止に役立つ。結果として、バルブのチャタリング又は打撃を、低減又は排除することができる。
【0039】
本発明の別の態様において、抑制器12は、出口開口13を通る流れに対する抵抗を低減する一助となるために、その長さに沿って溝又は他の流れチャネルを含み得る。すなわち、いくつかの実施形態では、抑制器12は、例えば、ガスケット11がバルブチャンバ5からの強力なガス流によって出口開口13を通って突き出される可能性を低減する一助となるために、出口開口13と同様の寸法及び形状を有し得る。しかしながら、出口開口13を通る流れの抵抗を低減する一助となるために、抑制器12は、出口開口13からの流れに対する抵抗を低減する一助となる、抑制器12の長さに沿って延びる溝などの流れチャネルを含み得る。抑制器12の穴、窪み又は他の特徴部など、他の構成が可能である。
【0040】
本発明の別の態様は、前部穿孔端部を有する穿孔ランスを提供することに関し、前部穿孔端部は、シリンダからの流れを防止又は低減する穿孔プロセスの間にシリンダクロージャのフラップ又は他の部分が形成される可能性を低減しながらガスシリンダを確実に穿孔する一助となるように構成される。すなわち、上に記載された種類のほとんどのガスシリンダは、シリンダを開口するために穿孔されるように意図された比較的薄い金属製クロージャ(時にカップと呼ばれる)を含む。いくつかのランス構成では、シリンダクロージャは、クロージャの一部がランスの開口を遮断しシリンダからのガスの流出を防止するような方法で穿孔される場合がある。例示的な一実施形態において、穿孔ランスは、第1及び第2表面を有するテーパ部分を含み得、第1及び第2表面はテーパ部分の遠位端に開口を規定し、シリンダクロージャの一部による開口の遮断を防止する一助となるように配置される。第1及び第2表面はそれぞれ、それぞれの他方に対して20〜35度の角度で存在する各第1及び第2面に配置可能である。テーパ部分の遠位端が2つの異なる面に配置されることによって、ランスは、ランスの開口を塞ぐ恐れがあるフラップ又は他の部分の形成を防止する一助となる方法でガスシリンダを穿孔し得る。例えば、第1表面は、ランスのテーパ部分の長手軸に対して垂直な面に配置可能である一方、第2表面は、長手軸を横切りかつ長手軸に対し垂直でない、例えば長手軸に対して55〜70度の角度の面に配置可能である。そのような構成は、第1表面が最初にガスシリンダクロージャに円弧を切断することを可能にし得る一方、第2表面はシリンダクロージャの切断部分をランスの開口から離して折り曲げるように機能し得る。これは、ランスの先端面が、ランスの長手軸に対して垂直な面又はランスの長手軸を横切る他の角度の面において、単一面に配置された他のランス構成と対照的である。そのような構成は、いくつかの状況において、クロージャの平らな部分がランスの開口を覆って位置付けられるようにガスシリンダクロージャを変形及び/又は切断することが見出されている。シリンダからの及びランス開口へのガスの流れに関して、クロージャの平らな部分は、開口を覆い、開口への流れを遮断することが見出されている。対照的に、上に記載したようにそれぞれの他方に対してある角度で存在する2つの先端面(又はそれ以上)を有するようにランスを構成することは、シリンダクロージャの一部の完全な切断を防止することによって、及び/又は、流れを遮断するためにシリンダクロージャ部分がそれを覆って位置付けられ得るランスの非平坦な先端面を提供することによって、この問題を回避する一助となり得る。
【0041】
図13は分解断面図を示し、
図14は上に記載した本発明の態様を組み込むランスの斜視図を示す。この実施形態のランス25は、前部穿孔端部252と、前部穿孔端部の反対側の後端部253と、前部穿孔端部及び後端部の間に延びる流体通路254とを有する本体251を含む。前部穿孔端部252はテーパ部分255を含み、テーパ部分255はテーパ部分255の遠位端の開口256と長手軸257とを有する。開口256は約1〜3mmの寸法を有し得る。テーパ部分255は、長手軸257に対して垂直な面に配置された、遠位端で開口256を部分的に規定する第1表面258と、長手軸257を横切り長手軸257に対して垂直でない面に配置された、遠位端で開口256を部分的に規定する第2表面259と、を有する。(長手軸257に対して垂直な面は長手軸257に対して正確に90度である必要はなく長手軸に対して90度の+/−5度であってもよい。)一実施形態において、第2表面は、長手軸257に対して55〜70度の角度である面に配置可能である(この角度は面と長手軸との間の最小角度として測定される)。第1及び第2表面258、259が交わる交差部又は領域に沿って延びる線は、開口256を通過し得る。例えば、一実施形態において第1及び第2表面が交わる領域に沿って延びる線は、開口256の中心を通過するが、線は中心を通過しない開口256の弦を定めてもよい。テーパ部分は同じく長手軸257に対して斜めに配置された外側表面を有し得、例えば、外側表面は円錐台状でありかつ長手軸257に対して10〜30°の角度で配置され得る。
【0042】
ランス25の後端部253は、
図9に示されるようにランス25の後端部がバルブ本体50の入口開口51に受け入れられるとき、ランス25とバルブ本体50との間にシールを提供するように構成されたガスケット264を受け入れるための溝265又は他の特徴部を含み得る。ランス本体251のかかり又は他の特徴266が、ランス25をバルブ本体50及びレギュレータ本体4に対して適所に保持する一助となるために、レギュレータ本体4と係合し得る。任意選択のフィルタ263が、例えば比較的大きな粒子がバルブチャンバ5に入り込むことを防止する一助となるために、通路254に設けられてもよい。この実施形態のフィルタ263は固体の多孔体(例えばステンレス鋼から作製されかつ30ミクロンの孔を有する)であり得るが、スクリーン、膜等など、他の方法で配置されてもよい。フィルタ263は通路254に圧入可能であり、及び/又はフィルタ263が通路254内にしっかり残ることを保証する一助となるために、(例えばパンチ機によって)可塑的に変形可能である。
【0043】
本発明の別の態様によれば、テーパ部分の外側表面は、テーパ部分の遠位端の第1又は第2表面から、テーパ部分の近位端まで延在するベントチャネルを含み得る。例えば、
図13及び14は、テーパ部分255の外側表面に設けられたベントチャネル260を示す。この実施形態では、ベントチャネル260は、テーパ状ミリング工具(参照番号1000で概略的に示される)によって形成可能であるが、他の構成が可能である。
図13及び14に示されるもののようなベントチャネル260は、以下を含む1以上の利益をもたらし得る:1)ガスシリンダの穿孔が成功したことを示すこと、2)穿孔の間ガスシリンダクロージャからのフラップ又は他の片の完全な切断を防止する一助となること、及び/又は、3)シリンダが完全に空になる前にシリンダをレギュレータ600から取り外す試みが実行される場合にガスシリンダのガス抜きを行う一助となること。ベントチャネル260は、ガスシリンダが受入れ部開口24に完全に位置付けられるとき、ガスケット(
図8に示されるガスケット41など)がランス25のシール表面261とガスシリンダとの間にシールを形成する前に、ベントチャネル260を介したシリンダからのガスの漏出を可能にすることによって、シリンダの穿孔が成功したことを示し得る。すなわち、テーパ部分255は、穿孔の間、ランス25とガスシリンダクロージャとの間に少なくとも一時的なシールを典型的に提供するが、ベントチャネル260は、シールがシール表面261に形成される前、ガスが漏出することを可能にする漏出経路を提供し得る。この漏出は一時的でありかつ使用者に可聴性であり得、シリンダが成功裏に穿孔されたこと(可聴性漏出音によって示される)、及び、シールがガスケット41によって形成されたこと(可聴性漏出音の停止によって示される)を示す。いくつかの場合には、ベントチャネル260は、テーパ表面255の遠位端から近位端までテーパ表面255に沿って、並びに、テーパ表面255の近位端の段262に沿って、設けられてもよい。段262は、ランス25に対するガスシリンダの前進のストッパ部分を提供し得、及び、ベントチャネル260を段262に沿って設けることによって、ガスシリンダの先端面が段262に接触する場合でさえ、漏出経路を確立することができる。
【0044】
ベントチャネル260はまた、シリンダが完全に空になる前にランス25及びレギュレータ600からシリンダが取り出される場合にガスシリンダのガス抜きを提供し得る。すなわち、シリンダが部分的にだけ使用される場合、シリンダを受入れ部開口24から取り外すことができるように使用者はキャップ又は他のホルダを取り除き、シリンダ内の高圧によりシリンダがランス25から押しのけられ得る。この場合、ベントチャネル260は、キャップ又は他のホルダが取り除かれるときガスの漏出経路を提供し得、シール表面261のシールが破られるとすぐに高圧ガスが漏出することを可能にする。これは、シリンダがまだ空でないことを使用者に警告し得、使用者がカバー101を再び締めるか、シリンダが完全にガス抜きされるまでカバー101をさらに取り除くのを待つことを促す。
【0045】
ベントチャネル260がどのようにガスシリンダクロージャからのフラップ又は他の片の完全な切断を防止する一助となり得るかを説明するために、
図15及び16は、ガスシリンダ100を穿孔する
図13及び14のランス25を示す。
図15において、ランス25は、ガスシリンダ100のクロージャに接触し、その結果、ランス25の第1表面258が、シリンダクロージャを貫く円弧状の溝を切断し、クロージャのフラップ105部分が形成され、シリンダの中へと下方へ押し込まれた。第1表面258に部分的にのみ開口256を囲ませることによって、第1表面258は、完全に円形の開口ではなく円弧状の溝だけを切断する。従って、完全に円形の片がクロージャから切断されるのではなく、フラップ105が形成される。また、第2表面259は第1表面258に対して斜めに配置されるので、第2表面259は、クロージャの残りの部分からフラップ105をかなりさらに切断し又は切断することなく、フラップ105を下方に曲げる働きをし得る。さらに、フラップ105は、全体的に平らな要素として形成され得るので、開口256を遮断する可能性がより低い。第1及び第2表面258、259がそれぞれの他方に対してある角度で配置され、平らなフラップ105が開口256を覆うことを防止するためである。最後に、ベントチャネル260は第2表面259の外縁に中断部分を形成するので、ベントチャネル260は、シリンダが受入れ部開口24の中へ前進することによって第2表面259によって実行されるフラップ105のさらなる切断を止める一助となり、代わりに、フラップ105がシリンダクロージャの残りの部分に取り付けられたまま残り、開口256から離れる方に曲がるように仕向け得る。
【0046】
シリンダは様々な方法で構成可能であるが、
図15はガスシリンダ100のある実施形態を示し、このガスシリンダは、シリンダ100のネック部にねじで係合されるキャップ103によってガスシリンダ100の先端面に捕捉されたガスケット104、例えばOリングを含む。ランス25はキャップ103の開口に進入し得、それによりシール表面261がガスケット104に接触し、ガスシリンダ100の先端面とシール表面261との間のガスケット104によってシールが形成されるようにする。キャップ103は、ガスケット104をシリンダ100に適所で維持するばかりでなく、ランス25に接触されるときガスケット104の変形を制限する一助となる働きをし得る。ガスケット保持器52を参照して上で考察したように、ガスケット104の変形を制限することによって、キャップ103は、ランスシール表面261とガスケット104との間の接触力を増大する一助となり得、それにより向上したシールを提供する。この実施形態では、シール表面261すなわちランス25のガスケット接触部分は、テーパ部分255の基部であり、ガスケットとランスとの間に気密シールを形成するためにガスケット104に接触するように配置される。シール表面261は、ランスの長手軸257に対して垂直な面に配置された環状表面と、長手軸257の周りに延在する円筒状表面とを含むが、他の構成が可能である。
【0047】
本発明の別の態様において、ガスシリンダ100の金属部分に接触するランス25のテーパ部分255又は他の部分は、穿孔の間、ランス25とシリンダ100との間の摩擦を低減する一助となる表面仕上げを有し得る。例えば、テーパ部分255は、16マイクロインチ又はそれより優れた平均粗さを有する表面仕上げを有し得る。この表面仕上げは、摩擦が低減された状態で、ガスシリンダがテーパ部分255に「くっつく」可能性が低減された状態で、及び穿孔点におけるシリンダクロージャの変形が低減された状態で、ランス25がガスシリンダを穿孔する一助となることが見出されている。すなわち、テーパ部分255の高い表面粗さは、クロージャが切断されるよりもむしろ内側に変形されるように、穿孔の間、シリンダクロージャがテーパ部分255に「くっつく」ことを引き起こし得る。テーパ部分255に適切な表面粗さを提供することによって、シリンダクロージャは、穿孔の間、例えば金属板から缶を形成するために使用される一部の深絞り成形法の方法と同様の方法で変形されるよりもむしろきれいに切断される可能性が高い。
【0048】
このようにして本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を記載してきたが、様々な変形、修正及び改良を当業者は簡単に思い付くことが認識されるべきである。そのような変形、修正及び改良は、本開示の一部であることが意図され、及び本発明の趣旨及び範囲内にあることが意図される。従って前出の記載及び図は単に例として存在する。