特許第6856722号(P6856722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6856722伝動機構およびこのような伝動機構を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856722
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】伝動機構およびこのような伝動機構を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 25/02 20060101AFI20210329BHJP
   C22C 1/08 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   B22D25/02 G
   C22C1/08 A
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2019-170369(P2019-170369)
(22)【出願日】2019年9月19日
(65)【公開番号】特開2020-44578(P2020-44578A)
(43)【公開日】2020年3月26日
【審査請求日】2019年9月19日
(31)【優先権主張番号】18195645.9
(32)【優先日】2018年9月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】317017427
【氏名又は名称】フレンダー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Flender GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー パピーズ
【審査官】 鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−159173(JP,A)
【文献】 特開2008−251652(JP,A)
【文献】 特開2009−253053(JP,A)
【文献】 特開2010−040583(JP,A)
【文献】 特開2011−100959(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/146845(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 25/02
C22C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却構造が設けられた金属材料からなるハウジング(2)を備える伝動機構(1)であって、前記冷却構造は、開気孔型の発泡金属からなる冷却要素(5)を有し、前記冷却要素(5)は、前記ハウジング(2)、特にハウジング外面に取り付けられており、
前記冷却要素(5)と前記ハウジング(2)との間に、シリコーンと熱伝導性の粒子とを含む中間層(6)が設けられていることを特徴とする伝動機構(1)。
【請求項2】
前記冷却要素(5)は、アルミニウムまたは銅から製造されていることを特徴とする、請求項1記載の伝動機構(1)。
【請求項3】
前記冷却要素(5)は、プレート形に形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の伝動機構(1)。
【請求項4】
前記冷却要素(5)は、ねじ(7)および/または接着により前記ハウジング(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の伝動機構(1)。
【請求項5】
前記冷却要素(5)は、磁石を介してそれに取り付けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の伝動機構(1)。
【請求項6】
請求項1からまでのいずれか1項記載の伝動機構(1)を製造する方法であって、開気孔型の発泡金属からなる冷却要素(5)を前記ハウジング(2)に取り付け
前記冷却要素(5)と前記ハウジング(2)との間に、シリコーンと熱伝導性の粒子とを含む中間層(6)を設けることを特徴とする、伝動機構(1)を製造する方法。
【請求項7】
前記冷却要素(5)をねじ(7)および/または接着および/または磁気により前記ハウジング(2)に取り付けることを特徴とする、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却構造が設けられた金属材料からなるハウジングを備える伝動機構に関する。さらに本発明は、このような伝動機構を製造する方法に関する。
【0002】
伝動機構技術の分野において、伝動機構の申し分のない運転を持続的に保証することができるように、伝動機構内で生じる熱を伝動機構ハウジングから導出することは、極めて重要である。この目的のために伝動機構に能動型の冷却装置が設けられることがある。代替的または付加的に受動型の冷却がなされることもあり、受動型の冷却は、例えば、冷却リブの形態の冷却構造を設けることでハウジング表面を拡大させることにより実現される。しかし、このような冷却リブを有するハウジングは、冷却リブなしに相応に構成されるハウジングと比較して何倍も高価である。加えて冷却リブを形成することは、ハウジングの自重を比較的大きく増大させてしまい、このことは、多くの場合、望ましいことではない。
【0003】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、簡単かつ安価に製造され、その冷却能力が柔軟にその都度の需要に適合される、冒頭で挙げた形態の伝動機構を提供することである。
【0004】
上記課題を解決すべく、本発明は、冒頭で挙げた形態の伝動機構であって、冷却構造は、開気孔型の発泡金属からなる冷却要素を有し、冷却要素は、ハウジング、特にハウジング外面に取り付けられていることを特徴とする伝動機構を提供する。旧来の冷却リブと比較した、開気孔型の発泡金属からなるこのような冷却要素の主な利点は、何倍も拡大された表面と、これに伴って改善された冷却能力とである。さらに、開気孔型の発泡金属からなるこのような冷却要素は、冷却リブと比較して僅かな自重を有している。それというのも、本発明に係るハウジングは、冷却リブが設けられたハウジングに対して、冷却能力が同等であれば、より軽量に形成され得るからである。開気孔型の発泡金属からなる別体の冷却要素の使用に伴うさらに別の利点は、冷却要素が、例えば鋳造技術的に製造されたハウジングに必要に応じて事後的に取り付けられる点にあり、このことは、冷却能力の簡単で柔軟なかつ必要に応じた設定を可能にする。特に、冷却要素のこのような事後的な組み付けのため、単一ハウジングで様々な冷却能力が実現され、このことは、それ自体は同一に形成されながら、それぞれ異なる冷却能力を有するハウジングが必要とされるとき、低コストの量産を可能にする。
【0005】
本発明の一構成によれば、冷却要素は、アルミニウムまたは銅から製造されている。アルミニウムおよび銅の主な利点は、良好な熱伝導性にあり、アルミニウムについていえば、付加的に軽い重量にある。
【0006】
好ましくは、冷却要素は、プレート形に形成されており、このことは、簡単かつ柔軟な取り扱いを可能にし、下面の形状は、ハウジングの外面の一部領域の形状に適合されていることができる。而して冷却要素は、少なくとも一部領域が円環セグメント形に形成されている外面を有するハウジングに冷却要素を簡単に取り付けることができるように、同じく円環セグメント形の下面を有していてもよいが、これは一例にすぎない。
【0007】
冷却要素とハウジングとの間には、本発明によれば、シリコーンと熱伝導性の粒子とを含む中間層が設けられていてもよい。このことは、特に、例えば鋳造技術的に製造されるハウジングにおいて往々にしてそうであるように、ハウジングの、冷却要素が配置されるべき表面が平坦でないときに、有利である。
【0008】
好ましくは、冷却要素は、ねじおよび/または接着によりハウジングに取り付けられている。このことは、冷却要素をハウジングに極めて簡単に組み付けることを可能にする。
【0009】
代替的または付加的に、冷却要素は、磁石を介してハウジングに取り付けられていてもよい。
【0010】
さらに本発明は、冒頭で挙げた課題を解決すべく、本発明に係る伝動機構を製造する方法であって、開気孔型の発泡金属からなる冷却要素をハウジングに取り付けることを特徴とする方法を提供する。
【0011】
好ましくは、特にハウジング表面の凹凸を均すことができるように、冷却要素とハウジングとの間に、シリコーンと熱伝導性の粒子とを含む中間層を設ける。
【0012】
好ましくは、冷却要素をねじおよび/または接着および/または磁気によりハウジングに取り付ける。
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の一実施の形態によるハウジングの、添付の図面を参照しながらの以下の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】冷却要素が配置される本発明の一実施の形態による伝動機構の概略図である。
図2図1に示した線II−IIに沿った拡大断面図である。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態による伝動機構1を示している。本発明の一実施の形態による伝動機構1は、ここではベベルヘリカルギヤ伝動機構(Kegelstirnradgetriebe)として形成されるヘリカルギヤ伝動機構(Stirnradgetriebe)である。しかし、具体的な伝動機構形態が本発明にとって重要でないことは、明らかである。伝動機構1は、ハウジング2を備え、ハウジング2は、ハウジング上側部分2aとハウジング下側部分2bとに分割されている。ハウジング上側部分2aとハウジング下側部分2bとは、ここでは対称に構成されており、同じ型で鋳造され得るが、このことは、必須ではない。伝動機構1は、さらに駆動軸3を備え、駆動軸3を介して駆動出力は、伝動機構1に入力する。伝動機構1は、さらに被動軸4を備え、被動軸4は、図示しない装置、例えば搬送ベルト装置に結合され得るが、これは一例にすぎない。ハウジング2の外側には、開気孔型の発泡金属からなる冷却要素5の形態の冷却構造が配置されており、冷却構造は、別体の構成部材としてハウジング1に取り付けられている。冷却要素5は、ここではプレート形に形成され、アルミニウムから製造されている。冷却要素5とハウジング2との間には、シリコーンと熱伝導性の粒子とを含むそれぞれ1つの中間層6が設けられており、中間層6は、「ギャップフィラ(gap filler)」という称呼でも一般に公知である。冷却要素5は、ここではねじ7を用いてハウジング2に取り付けられている。しかし、取り付けは、代替的または付加的に接着によりかつ/または磁石を用いて実施されてもよい。後者の場合は、冷却要素5に、ここでは図示しない相応の磁石が設けられている必要がある。
【0016】
図1に示すハウジング1を製造するには、第1のステップで伝動機構1を公知のように組み立てる。その後、さらなるステップで別体の冷却要素5をハウジング2のハウジング外面に位置決めし、取り付ける。その際、個々の冷却要素5の数および位置は、所望の冷却能力に応じて選択し得る。鋳造技術的に製造されるハウジング2の平坦でない外面にもかかわらず、冷却要素5とハウジング2との良好な熱結合を保証すべく、冷却要素5とハウジング2との間には、ハウジング外面の凹凸を均すそれぞれ1つの中間層6を位置決めする。
【0017】
同じ構造形態の、冷却リブが設けられた従来慣用の伝動機構と比較した、本発明に係る伝動機構1の主な利点は、本発明に係る伝動機構1が、冷却要素5の形態の冷却構造を使用したことで、より低い自重を有している点にある。さらに、ハウジング2あるいはそのハウジング上側部分およびハウジング下側部分の鋳造技術的な製造は、冷却リブが存在しないことに基づいて大幅に安価である。さらに別の利点は、伝動機構1の、冷却要素5の形態の冷却構造を介して提供される冷却能力が、冷却要素5の形状、数および位置の好適な選択により柔軟に、ひいては必要に応じて設定される点にある。これにより、それぞれ異なる冷却能力を有する同じ構造形態の伝動機構を、同じ構造のハウジング2を用いて提供することも可能であり、このことは、量産を著しく容易にする。
【0018】
本発明の詳細について、好ましい実施例を通して詳しく図示し、説明したが、本発明は、開示した例に限定されるものではなく、当業者は、本発明の権利範囲を逸脱することなく、開示した例から別の変化態様を導き出すことができる。而して冷却要素5は、プレート形とは異なる形状を有していてもよい。冷却要素5の下面は、ハウジング外面の形状に適合されていてもよい。
図1
図2