(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
熱伝達管理装置に沿って熱の流れを方向付ける特徴を有した熱伝達管理装置の実施形態について詳細に説明する。熱伝達管理装置は、それぞれが絶縁基板を有する1又は複数の複合層と、その絶縁基板に結合された熱伝導トレースと、を有する。熱伝導体は、等方性の絶縁基板に沿った熱流束の方向及び/又は割合とは異なる方向及び/又は割合で、複合層に沿って熱エネルギを方向付ける。熱伝導体及び等方性構成の絶縁基板を有した複合層を設けることによって、熱エネルギは、複合層に結合された電気部品の動作を向上させる方向及び/又は割合で方向付けられ得る。熱伝達管理装置の様々な実施形態が本明細書においてより詳細に説明される。
【0010】
ここで
図1を参照すると、熱伝達管理装置100の1つの実施形態が示される。本実施形態において、熱伝達管理装置は、様々な電気部品が取り付けられる取り付け基板として機能し得る複合層120を有する。さらに熱伝達管理装置100は、共に複合層120に結合された発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウントとを有する。低耐熱性部品マウント132は、発熱部品マウント130から離れて配置される。発熱部品230は、発熱部品マウント130と共にアタッチメントによって熱伝達管理装置100に取り付けられてもよい。同様に、低耐熱性部品232は、低耐熱性部品マウント132と共にアタッチメントによって熱伝達管理装置100に取り付けられてもよい。
【0011】
図1に示された実施形態において、発熱部品230は、その動作に起因して発熱する電子デバイスであってもよい。発熱部品230は、例えばコンピュータプロセッシングユニット、グラフィカルプロセッシングユニット、チップセット等の集積回路を含む様々な電子デバイスであってもよい。ある実施形態において、発熱部品230は、パワーインバータ、電圧整流器、電圧調整器等において使用されるような半導体デバイスであってもよい。限定されるものではないが、例示的な半導体デバイスは、電気絶縁ゲート、バイポーラトランジスタ、金属酸化膜電界効果トランジスタ等を含む。動作中、概して発熱部品230は、発熱部品230の設計された動作機能に起因した排熱としての熱を生成する。電気部品は従来温度により誤動作を生じやすく、或いは、過熱状態となると永久的な故障を生じさせかねないため、熱伝達管理装置100における発熱部品230によって生成される熱は、一般的に好ましいものではない。それにもかかわらず、発熱部品230は、広範囲の温度で使用され続ける。
【0012】
さらに、
図1に示された実施形態において、低耐熱性部品232は、例えば平面カプラ、インダクタ/変圧器、高いQ値の共振回路、検知器、電流検知抵抗、水晶発信器、配列された光学的部品又はヒューマンインタフェース制御ボタンを含む、様々な感熱性の電子デバイスから選択され得る。低耐熱性部品232の動作は、発熱部品230によって生成された熱エネルギによって悪影響を及ぼされ得る。したがって、複合層120に結合された低耐熱性部品232の温度を管理するため、複合層120は、複合層120に沿って流れる熱流束の方向及び/又は強度を変更する熱伝達管理特性を有する。
【0013】
図1に示された実施形態において、複合層120は、絶縁基板140と絶縁基板140に結合された熱伝導トレース142とを有する。熱伝導トレース142は、例えば銅、銀、金、グラファイト、グラフェン又は他の炭素系熱伝導体を含む、高い熱伝導特性を有する任意の様々な材料から選択されてもよい。熱伝導トレース142は、絶縁基板140の熱伝導率Kiよりも大きな熱伝導率Kcを有してもよい。ある実施形態において、Kcは、少なくともKiよりも大きな値のオーダーである。絶縁基板140は、例えば炭素又はガラス強化剤と結合され得るポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、エポキシ等といったプラスチックを含む、低い導電性を有する任意の様々な材料から選択されてもよい。1つの実施形態において、絶縁基板140は、ガラス強化エポキシであるFR−4から作られてもよい。絶縁基板140は、熱伝導トレース142の熱伝導率Kcよりも小さな熱伝導率Kiを有する。ある実施形態において、複合層120は、従来の製造技術によって製造されたプリント回路基板であってもよい。ある実施形態において、熱伝導トレース142は、絶縁基板140に少なくとも部分的に組み込まれてもよい。
【0014】
示された実施形態において、熱伝導トレース142は、概して互いに離間されてもよく、これにより熱伝導トレース142は、互いに接触せずに絶縁基板140によって離間される。絶縁基板140によって互いに離間されるため、熱伝導トレース142は、互いに熱的に絶縁され、これにより熱流束は、熱伝導トレース142の長さを横断する方向に伝達するよりも、熱伝導トレース142の長さに沿ってより伝達しやすくなる。熱伝導トレース142が互いに熱的に絶縁されたかどうかの決定は、熱伝導トレース142が互いに電気的に絶縁されたことに基づいてもよく、これにより熱伝導トレース142及び絶縁基板140の構成は、それぞれの複合層120内の熱伝導トレース142が互いに電気的に導通されるのを防ぐ。
【0015】
さらに
図1を参照すると、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132の配置は、発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132へと延びる複数のシールド経路突出部180を互いに対して形成するように構成される。
図1に示された実施形態において、複数のシールド経路突出部180は、発熱部品マウント130の外周131から低耐熱性部品マウント132の外周133へと延びる。
図1に示された実施形態において、複数のシールド経路突出部180から延びるシールド経路突出部180は、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間の等方性の基板を通る熱流束の流れの一般的な方向を示す。さらに熱伝達管理装置100は、発熱部品マウント130から外方へと延びる複数の収束経路突出部184を有してもよい。収束経路突出部184は、発熱部品マウント130から目標熱排出領域170へと延びるように配置されてもよい。収束経路突出部184は、収束経路突出部が概してシールド経路突出部180と重ならないように配置されてもよい。熱伝達管理装置100のある実施形態において、熱伝導トレース142は、概して収束経路突出部184と共に配列されるように配置されてもよい。ある実施形態において、熱伝導トレース142の部分は、概してシールド経路突出部180から離間された位置において収束経路突出部184と共に配列されてもよい。
【0016】
図1に示されるように、複数の熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132へと延びるシールド経路突出部180を横断して配置される。ある実施形態において、熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132へと延びるシールド経路突出部180の一部又は全部に対して垂直である。シールド経路突出部180近傍に配置された熱伝導トレース142は、第1の熱伝達促進領域150内に配置される。シールド経路突出部180から遠位に配置された熱伝導トレース142は、第2の熱伝達促進領域内に配置される。
【0017】
この位置内の熱伝導トレース142は、発熱部品230から低耐熱性部品232への熱流束を変化させる。熱伝導トレース142は、絶縁基板140より高い熱伝導率を有するため、発熱部品マウント130に結合される発熱部品230によって生成された熱流束は、熱伝導トレース142に沿って方向付けられ、且つ、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間のシールド経路突出部180を横切るように方向付けられる傾向を有し得る。熱流束のシールド経路突出部180を横断する方向付けによって、発熱部品230から低耐熱性部品マウント132への(すなわち低耐熱性部品232への)熱の流入は、最小化され得る。これに対し、発熱部品230によって生成された熱は、熱伝導トレース142に沿ってシールド経路突出部180から外方に、第2の熱伝達促進領域152内へと方向付けられ、そこで熱流束は、低耐熱性部品マウント132から外方に(又は離れるように)方向付けられる。
【0018】
さらに
図1を参照すると、互いに入れ子配列148構成の複数の熱伝導トレース142が配置されてもよく、これにより複数の熱伝導トレース142は、低耐熱性部品マウント132周りで概して凹状となる。入れ子配列148で配置された複数の熱伝導トレース142は、第1の熱伝達促進領域150内で規定される経路長さを概して有し、その領域内において、低耐熱性部品マウント132近傍に配置された熱伝導トレース142の経路長さは、低耐熱性部品マウント132の遠位に配置された熱伝導トレース142の経路長さより短い。熱伝導トレース142の入れ子配列148の方向は、熱伝導トレース142に亘る熱流束を低減し得る。逆に、熱流束は、熱伝導トレース142の長さに沿って方向付けられてもよく、これにより、熱流束は、低耐熱性部品マウント132から熱排出を目的とする熱伝達管理装置の要素へと向かって外方へと案内され得る。
【0019】
積層体110内の熱伝導トレース142の一部の組は、発熱部品マウント130及び/又は低耐熱性部品マウント132と電気的に導通されて配置されてもよい。熱伝導トレース142のこの一部の組は、導電体144として識別され得る。発熱部品マウント130及び/又は低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した導電体144は、関連した発熱部品マウント130及び/又は低耐熱性部品マウント132に対して電力を伝えてもよく、且つ/又は、発熱部品マウント130及び/又は低耐熱性部品マウント132に対して電気信号を伝えてもよい。導電体144は、その長さに沿って電気及び熱の両方を伝えてもよい。
【0020】
導電体144を含む熱伝導トレース142は、複合層120に沿って熱流束の方向を案内するため、複合層120内に配置されてもよい。理論と結びつけることなく、熱流束は、全ての方向において高温領域から低温領域へと「拡散する」傾向にある。熱伝導トレース142の絶縁基板140への配置によって、熱流束は、熱伝導トレース142に沿って優先的に方向付けられ、熱の拡散パターンを変更する。積層体110に沿った熱流束の方向を制御することによって、積層体110に取り付けられた低耐熱性部品232の温度上昇は、最小化でき、これにより、好ましくない低耐熱性部品232へと流される熱流束を最小化することによって、低耐熱性部品232の機能を向上させる。さらに、少なくとも発熱部品マウント130又は低耐熱性部品マウント132の一方から電気的に絶縁された熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した導電体144よりも熱流束を流す。
【0021】
図1をさらに参照すると、熱伝達管理装置100は、複合層120と結合された目標熱排出領域170を有してもよい。
図1に示された実施形態において、目標熱排出領域170は、複数の熱伝導トレース142に結合される。これらの熱伝導トレース142に沿って方向付けられた熱流束は、目標熱排出領域170内へと案内されてもよい。目標熱排出領域170は、熱流束を周辺環境へと排出するように構成されてもよく、これにより、熱伝達管理装置100内に残る熱を減少させる。熱流束は、自然対流によって周辺環境へと排出されてもよい。ある実施形態において、目標熱排出領域170は、公知のヒートシンク(図示せず)を含んでもよい。熱伝導トレース142に沿って発熱部品マウント130から目標熱排出領域170へと流れる熱流束は、熱伝導トレース142の領域の部分が、概して第2の熱伝達促進領域152を形成する発熱部品マウント130と目標熱排出領域170との間に配置されるように、従来の複合層よりも大きな割合で案内されてもよい。これらの領域において、発熱部品マウント130から目標熱排出領域170において評価される伝導性熱伝達は、同じ方向に沿って絶縁基板140から流れる伝導性熱伝達より大きい。
【0022】
熱流束は、導電体144を含む全ての熱伝導トレース142に沿って方向付けられ得るため、導電体144は、いくらかの熱流束を発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132へと方向付けることができる。しかしながら、第2の熱伝達促進領域152及び第1の熱伝達促進領域150内の複数の熱伝導トレース142の構成のため、複合層120に沿った熱流束の流れは、最初は(primarily)導電体144ではなく、絶縁基板140及び熱伝導トレース142に沿って方向付けられてもよい。導電体144は、複合層120に沿った熱伝達流れのわずかな部分を占めるため、複合層120に沿った熱伝達流れは、特定のエンドユーザーの用途の熱管理要求に応じて、絶縁基板140に沿った導電体144の構成によって効果的に案内され得る。
図1に示された実施形態において、熱流束は、低耐熱性部品マウント132に結合された低耐熱性部品232に伝達される熱流束が最小化され得るように、低耐熱性部品マウント132から外方に案内されてもよい。
【0023】
ここで
図2を参照すると、複数の複合層120を含む積層体110を有した熱伝達管理装置100が示される。積層体110は、
図3において分解された状態の複合層120で示される。
図1を参照して上述した複合層120の実施形態と同様に、
図2に示された実施形態の積層体110の実施形態は、特定のエンドユーザーの用途の要求に応じて、熱流束を案内する構成で絶縁基板140に結合された、複数の熱伝導トレース142をそれぞれが有する複数の複合層120を有してもよい。
図2に示された実施形態において、熱伝導トレース142は、絶縁基板140に対して、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間の第1の熱伝達促進領域150内、及び、第1の熱伝達促進領域150の外側の位置における熱伝達促進領域内に配置される。積層体110を形成する複数の複合層120に亘る伝導性熱伝達を変化させることによって、熱伝達管理装置100に沿った熱伝達は、複数の複合層120に沿って目的とする温度特性を提供するための目標とされ得る。
【0024】
ここで
図3を参照すると、積層体110の複合層120は、分解された状態で示される。複合層120のそれぞれは、絶縁基板140に結合された熱伝導トレース142を有してもよい。示された実施形態において、積層体110の複合層120のそれぞれは、絶縁基板140に対し、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132に対して類似又は同一パターンで構成された熱伝導トレース142を有する。しかし、当然のことながら、積層体110のいくつかの実施形態は、異なる複合層120に亘る、異なる又は非類似の構成で配置された熱伝導トレース142及び絶縁基板140を有してもよい。
【0025】
図2及び
図3を共に参照すると、第1の熱伝達促進領域150は、発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132への第1の方向において方向付けられた熱流束を減ずることができる。熱伝導トレース142に沿った熱伝達を絶縁基板140と比して増大させることによって、熱流束の流れの方向は、熱伝導トレース142及び絶縁基板140の配置が熱伝導トレース142に沿って熱流束を案内するように少なくとも部分的に制御され得る。熱伝導トレース142及び絶縁基板140の特定の配置において、低耐熱性部品マウント132から離れるような熱流束の案内によって、低耐熱性部品232の動作は向上する。第1の熱伝達促進領域150に亘る発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132への第1の方向において評価される積層体110の熱伝導率は、絶縁基板140の熱伝導率よりも低くてもよい。
【0026】
さらに
図2及び
図3を参照すると、積層体110の実施形態は、熱伝導トレース142及び絶縁基板140をそれぞれ有する複数の複合層120を有してもよい。少なくとも1つの複合層120において、熱伝導トレース142及び絶縁基板140が第1の熱伝達促進領域150及び熱伝達促進領域152内に配置されてもよい。上述したように、第1の熱伝達促進領域150は、優先的に発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間における第1の方向からの熱流束を案内してもよい。第2の熱伝達促進領域152は、第1の熱伝達促進領域150の外側の位置において、積層体110に沿った熱流束を増加してもよい。
図2及び
図3に示された実施形態において、第2の熱伝達促進領域152は、低耐熱性部品232の温度を下げるため、低耐熱性部品マウント132からの熱流束を案内してもよい。
【0027】
複数の複合層120は、熱伝導トレース142及び絶縁基板140を通る熱流束の熱伝導によって、優先的に積層体110の厚みを通る熱流束を方向付けることにより、熱流束を変化させてもよい。積層体110内に第1の熱伝達促進領域150及び熱伝達促進領域152をそれぞれ有する複数の複合層120を組み込むことによって、発熱部品230と低耐熱性部品232との間の熱流束の遮断及び収束の効果は、1つの複合層120と比較して向上する。こうした積層体110は、複合層120を通る熱伝達を同時に管理することができる。したがって、複数の複合層120を有する積層体110は、第1の熱伝達促進領域150及び熱伝達促進領域152を有する1つの複合層120よりも優れた制御により、熱流束の流れを管理することができる。
【0028】
ある実施形態において、絶縁基板140における熱伝導トレース142の配置は、全ての複合層120に亘り統一されてもよい。他の実施形態において、熱伝導トレース142は、発熱部品230と低耐熱性部品232との間の熱流束管理における熱伝導トレース142の効果的使用のため、それぞれの複合層120に亘り選択的に配置されてもよい。例えば、ある実施形態において、発熱部品230から近傍に配置された複合層120と比較して、より少ない熱伝導トレース142が発熱部品230から遠位に配置された複合層120に配置されてもよい。こうした構成は、熱流束が絶縁基板140を通って拡散する傾向となり、これにより、発熱部品230から遠位に配置された複合層120内に配置された熱伝導トレース142のいくらかの部分の効果を最小化する。
【0029】
ある実施形態において、異なる複合層120に沿って配置された熱伝導トレース142は、複合層120の1つの少なくとも部分的厚さで延びるビア160で互いに電気的に結合されてもよい。ビア160は、熱伝導体である材料で形成されてもよい。ある実施形態において、ビア160は、熱伝導トレース142と同一の材料で形成されてもよい。ある実施形態において、ビア160は、熱伝導トレース142の熱伝導率と略等しい熱伝導率を有してもよい。ある実施形態において、ビアと160は、熱流束及び電気的エネルギの両方を1つの複合層120から別の複合層120へと導通させてもよい。
図4に示された実施形態において、それぞれの複合層120a、120b、120c、120dは、複合層120のそれぞれに沿って熱伝導トレース142がビア160と熱的に導通するように、ビア160近傍の位置へと延びる熱伝導トレース142を有し、したがって、熱伝導トレース142のそれぞれは、互いに熱的連続状態となる。
【0030】
図4に示された実施形態において、複数のビア160は、複数の複合層120a、120b、120c、120dを通して延びる。ビア160は、異なる複合層120に沿って配置された熱伝導トレース142を横断するように配置される。例えば、
図4に示されたように、ビア160は、最も上にある複合層120aから、中間の複合層120b、120cを通って、最も下にある複合層120dへと延びる。示された実施形態において、ビア160は、異なる複合層120に沿って配置された熱伝導トレース142に接触するように配置され、これにより、異なる複合層120に沿って配置された熱伝導トレース142は、互いに熱的に導通するように配置される。
【0031】
図4に示された実施形態とは異なり、
図5に示された実施形態において、ビア160は、最も上にある複合層120a及び最も下にある複合層120dの熱伝導トレース142と接触する。ビア160は、最も上にある複合層120aの熱伝導トレース142を最も下にある複合層120dの熱伝導トレース142と熱的導通状態とする。ビア160は、熱流束の効率的な導体であるため、最も上にある複合層120a近傍(例えば発熱部品230)で生成された熱流束は、ビア160に沿って最も上にある複合層120aから最も下にある複合層120dの熱伝導トレース142へと伝達され得る。したがって、熱流束は、熱伝達管理装置100の発熱部品230から離間した複合層120に沿って配置される熱伝導トレース142によって案内され得る。
【0032】
異なる複合層120近傍に配置された熱伝導トレース142で熱流束を案内することによって、発熱部品230及び低耐熱性部品232が結合された複合層120よりも、発熱部品230から低耐熱性部品232に案内された熱流束は最小化され得る。
【0033】
再び
図2及び
図3を参照すると、熱伝導トレース142の一部の組である導電体144は、発熱部品230と低耐熱性部品232との間の電気的導通が必要な複合層120に配置されてもよい。
図2に示された実施形態において、導電体144は、積層体110の最も上にある複合層120aに配置される。積層体110の複合層120は、導電体144から離間している。他の複合層120に配置された導電体144を有した積層体110の他の実施形態は、以下でより詳細に説明される。本開示に係る積層体110の実施形態は、熱伝導トレース142及び導電体144を共に複合層120内に組み込んでもよい。導電体144から電気的に絶縁された熱伝導トレース142を組み込むことによって、積層体110は、積層体110に沿った熱流束を管理する一方で、積層体110に結合された電気部品間の(すなわち発熱部品230と低耐熱性部品232との間の)電気的導通を同時に維持する。さらに、導電体144が熱を伝えるため、複数の複合層120のそれぞれに亘る熱伝導トレース142の構成は、導電体144を通して方向付けられた熱流束を支配することができ、これにより、積層体110に沿った全体の熱流束は、設計基準を満たす。
【0034】
さらに
図2及び
図3に示された実施形態を参照すると、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132から電気的に絶縁された熱伝導トレース142は、導電体144に沿って方向付けられた熱流束の効果が、熱伝導トレース142に沿って優先的に方向付けられた熱流束と比較して最小化されるように配置される。
図2及び
図3に示された実施形態において、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間の中間位置において、熱伝導トレース142は、低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した導電体144よりも、低耐熱性部品マウント132のより近くに配置される。熱伝導トレース142を低耐熱性部品マウント132のより近くに配置することによって、導電体144から低耐熱性部品マウント132へと拡散する熱流束の効果は最小化され得る。さらに、
図2及び
図3に示されたように、発熱部品マウント130及び/又は低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した少なくとも1つの導電体144は、低耐熱性部品マウント132から電気的に絶縁された熱伝導トレース142よりも長い経路長さを有してもよい。同様に、熱伝導トレース142の厚さは、導電体144の厚さより厚くてもよい。導電体144の経路長さ及び/又は厚さを変更することによって、熱伝導トレース142と比較したとき、導電体144の熱伝導に対する抵抗は、熱伝導トレース142と比較してより少ない熱流束が導電体144に沿って方向付けられ得るように、熱伝導トレース142と比較したときより増加し得る。
【0035】
図1から
図3を参照すると、本開示に係る熱伝達管理装置100は、積層体110に沿って効果的に熱流束を方向付け手法で案内するため、熱伝導トレース142の
異方性の構成を絶縁基板140内に組み込んでもよい。例えば、
図1から
図3に示された実施形態において、熱伝導トレース142及び導電体144の構成は、本明細書に記載の特定の設計により、発熱部品マウント130から低耐熱性部品マウント132に案内された熱流束を最小化するように、効果的に熱流束を案内する。熱流束の方向付けは、第1の方向において熱流束を増加させ且つ第2の方向において熱流束を減少させる、熱伝導トレース142の
異方性の構成によって生じ得る。
【0036】
図1から
図3に示された実施形態において、
異方性の構成は、低耐熱性部品マウント132の周りで評価され得る。示された実施形態において呈されるように、熱伝導トレース142は、低耐熱性部品マウント132の周りで
異方性の構成で発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間に配置される。
図2及び
図3に示された実施形態において、複合層120のそれぞれは、低耐熱性部品マウント132の周りで評価される、非円形又は極性対称の熱伝導トレース142を有する。
図2及び
図3の積層体110の複合層120のそれぞれは、熱伝導トレース142の類似した構成を有するため、積層体110は、低耐熱性部品マウント132の周りで評価される非円形又は球対称を有する。したがって、絶縁基板140の熱伝導トレース142の
異方性の構成は、積層体110に沿った熱流束の方向を維持する。
【0037】
少なくとも部分的に絶縁基板140に組み込まれた熱伝導トレース142を有する複合層120の実施形態は、熱伝達管理装置100に沿った定常の熱伝達における熱伝導トレース142及び絶縁基板140の効果について本明細書中に概して記載された。しかし、当然のことながら、熱伝導トレース142として使用された特定の材料及び絶縁基板140に対する熱伝導トレース142の寸法は、熱伝達管理装置100の熱容量に適用するように変更されてもよく、これにより、熱伝達管理装置100の熱伝達反応を管理する。
【0038】
ここで
図6を参照すると、複合層320を有する熱伝達管理装置300の別の実施形態が示される。この実施形態において、熱伝達管理装置300は、発熱部品マウント130に結合された発熱部品230と、第1の低耐熱性部品マウント132aに結合された第1の低耐熱性部品232aと、第2の低耐熱性部品マウント132bに結合された第2の低耐熱性部品232bと、を有する。上述した実施形態と同様、発熱部品230は、その動作中に熱を生じる。発熱部品230によって生成された熱は、周辺環境へと排出される。
【0039】
第1の低耐熱性部品マウント132a及び第2の低耐熱性部品マウント132bへと伝達される熱の量を最小化するため、複数の熱伝導トレース142が絶縁基板140に結合される。複数の熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130と第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間、及び、第1の低耐熱性部品マウント132aと第2の低耐熱性部品マウント132bとの間の第1の熱伝達促進領域150に配置される。熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130と第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間で延びるシールド経路突出部180を横断して配置される。さらに、複合層320は、第1の低耐熱性部品マウント132aと第2の低耐熱性部品マウント132bとの間で延びる中間シールド経路突出部182を横断して配置される複数の熱伝導トレース142を有する。シールド経路突出部180及び中間シールド経路突出部182から離間された位置において、熱伝導トレース142は、第2の熱伝達促進領域152に配置される。熱伝導トレース142は、熱伝導トレース142に沿って熱流束を案内してもよく、概して低耐熱性部品マウント132から離れる方向であって熱流束が周辺環境へと排出される位置へと向かう方向、例えば目標熱排出領域(図示せず)へと向かう方向に熱流束を案内してもよい。
【0040】
ここで
図7を参照すると、複合層420を有した熱伝達管理装置400の別の実施形態が示される。この実施形態において、熱伝達管理装置400は、発熱部品マウント130に結合された発熱部品230と、第1の低耐熱性部品マウント132aに結合された第1の低耐熱性部品232aと、第2の低耐熱性部品マウント132bに結合された第2の低耐熱性部品232bと、を有する。
【0041】
第1の低耐熱性部品マウント132a及び第2の低耐熱性部品マウント132bに伝達される熱の量を最小化するため、複数の熱伝導トレース142は、絶縁基板140に結合される。複数の熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130と第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間、及び、第1の低耐熱性部品マウント132aと第2の低耐熱性部品マウント132bとの間の第1の熱伝達促進領域150に配置される。
図6に示された実施形態と同様に、
図7に示された熱伝達管理装置400の実施形態は、発熱部品マウント130と第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間で延びてシールド経路突出部180を横断するように配置された複数の熱伝導トレース142を有する。さらに、複合層420は、第1の低耐熱性部品マウント132aと第2の低耐熱性部品マウント132bとの間で延びる中間シールド経路突出部182を横断して配置された複数の熱伝導トレース142を有する。シールド経路突出部180及び中間シールド経路突出部182から離間して配置された位置において、熱伝導トレース142は、第2の熱伝達促進領域152に配置される。熱伝導トレース142は、熱伝導トレース142に沿って熱流束を案内してもよく、概して低耐熱性部品マウント132から離れる方向であって熱流束が周辺環境に排出される位置へと向かう方向、例えば目標熱排出領域(図示せず)へと向かう方向に熱流束を案内してもよい。
【0042】
図8を参照すると、複合層520を有した熱伝達管理装置500の別の実施形態が示される。本実施形態において、熱伝達管理装置500は、発熱部品マウント130a、130bのそれぞれを通して複合層520に結合された2つの発熱部品230a、230bと、低耐熱性部品マウント132a、132bのそれぞれを通して複合層520に結合された2つの低耐熱性部品232a、232bと、を有する。
【0043】
上述した実施形態と同様に、第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bに伝達される熱の量を最小化するため、複数の熱伝導トレース142は、絶縁基板140に結合される。複数の熱伝導トレース142は、第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bと、第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間の第1の熱伝達促進領域150内に配置される。複数の熱伝導トレース142を含む、
図9に示された熱伝達管理装置500の実施形態は、第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bと、第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間で延びるシールド経路突出部180を横断して配置される。シールド経路突出部180から離間された位置において、熱伝導トレース142は、第2の熱伝達促進領域152に配置される。熱伝導トレース142は、熱伝導トレース142に沿って熱流束を案内してもよく、概して低耐熱性部品マウント132から離れる方向であって熱流束が周辺環境へと排出される位置へと向かう方向、例えば複合層520の外周を含む複合層520の周縁へと向かう方向に熱流束を案内してもよい。
【0044】
図8に示された実施形態において、発熱部品マウント130a、130bと複合層520の周縁との間に配置された熱伝導トレース142の部分は、熱伝達促進領域に配置されてもよい。これらの位置において、熱伝導トレース142は、隣接する熱伝導トレース142が複合層520の周縁近傍の位置において評価される他方から離れて広がるように配置される。第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bからの距離を増すにつれ離れて広がる構成で、絶縁基板140に沿って熱伝導トレース142を配置することによって、(第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bに結合される)第1及び第2の発熱部品230a、230bによって生成される熱流束の実質的部分は、複合層520の周縁に向かって、且つ、第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bから離れるように方向付けられる。さらに、第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bと、第1及び第2の低耐熱性部品マウント132a、132bとの間の低減された熱伝達領域と比較すると、第1及び第2の発熱部品マウント130a、130bから評価される伝導性熱伝達係数は、熱伝達促進領域に対応する方向において、より大きい。したがって、目的とする方向及び低耐熱性部品マウント132a、132bから離れる方向へと熱流束の流れを促進することによって、低耐熱性部品マウント132a、132bの温度上昇は、最小化され得る。
【0045】
図9を参照すると、熱伝達管理装置600の付加的な実施形態が示される。これらの実施形態において、熱伝達管理装置600は、絶縁基板140に結合された複数の熱伝導トレース142を備える少なくとも1つの複合層620を有する。熱伝達管理装置600は、発熱部品マウント130によって複合層620に結合された発熱部品230を有する。さらに熱伝達管理装置600は、低耐熱性部品マウント132によって複合層620に結合された低耐熱性部品232を有する。さらに複合層620は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した少なくとも1つの熱伝導トレース142と、発熱部品マウント130又は低耐熱性部品マウント132の少なくとも一方から電気的に絶縁された少なくとも1つの熱伝導トレース142と、を有する。上述したように、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132と電気的に導通した熱伝導トレース142は、本明細書において熱伝導トレース142の一部の組の導電体144と呼ばれ得る。
【0046】
図9に示された熱伝達管理装置600の少なくともいくつかの熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132を互いに電気的に導通させると共に、それらの長さに沿って熱流束を伝達する。これらの熱伝導トレース142は、導電体144として示される。複数の熱伝導トレース142の形状及び構成のため、発熱部品マウント130に結合された発熱部品230によって生成された熱流束は、低耐熱性部品マウント132から離れるように効果的に案内され、これによって、発熱部品230によって生成された熱流束は、低耐熱性部品232において小さな影響しか与えない。しかしながら、複数の非導電性の熱伝導トレース142及び導電性の熱伝導トレース142(導電体144)の形状及び構成は、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間の電気的導通性をも維持し、これにより、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間で電気信号が送信されてもよい。
【0047】
複合層620は、絶縁基板140に結合された複数の熱伝導トレース142を有する。示された実施形態において、複数の熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130と低耐熱性部品マウント132との間の位置において入れ子配列148に配置され、これによって比較的内側の位置に配置された熱伝導トレース142は、比較的外側の位置に配置された熱伝導トレース142より短い経路長さを有する。さらに、比較的内側の位置に配置された熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132の両方から電気的に絶縁されるため、電気的且つ熱的な伝達によって発熱部品230及び低耐熱性部品232から案内される熱流束は、熱伝導トレース142の比較的内側の位置において最小化され得る。逆に、発熱部品230及び低耐熱性部品232からの電気的且つ熱的伝達によって生じた熱流束は、比較的外側に配置された熱伝導トレース142に沿って方向付けられてもよく、これによって、熱流束は、低耐熱性部品マウント132に対する案内を低減される。
【0048】
さらに
図9を参照すると、複合層620は、熱伝導トレース142を概して横断する方向に延びる複数の熱伝導体相互連結部147を有する。複数の熱伝導体相互連結部147は、概して熱流束の方向(すなわち、熱伝導トレース142の経路に沿った方向)を横断する方向に延びる。熱伝導体相互連結部147は、熱伝導トレース142の部分を互いに電気的且つ熱的に導通させてもよい。
図9に示された実施形態において、熱伝導体相互連結部147は、熱伝導トレース142の方向を概して横断する方向に延び、且つ、熱伝導トレース142を互いに電気的且つ熱的に導通させ、これによって最も外側にある熱伝導トレース142は、低耐熱性部品マウント132と電気的且つ熱的に導通され得る。熱伝導トレース142のこれらの部分は、導電体144とみなされる。さらに最も外側にある熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130と電気的かつ熱的に導通しているため、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132は、互いに電気的かつ熱的導通状態を維持される。しかしながら、より内側に配置された熱伝導トレース142は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132と電気的かつ熱的に導通しないこととなり得るため、これらのより内側に配置された熱伝導トレース142に沿って伝達される熱流束は、低耐熱性部品マウント132から離れるように方向付けられ得る。発熱部品230によって生成された熱の実質的な部分は、発熱部品マウント130及び低耐熱性部品マウント132から電気的に絶縁された熱伝導トレース142の部分に沿って方向付けられ得る。発熱部品230によって生成された熱の実質的な部分(又は大部分)は、(例えば熱流束を目標熱排出領域170へと方向付けることによって)周辺環境へと排出されてもよく、低耐熱性部品マウント132によって複合層620に結合された低耐熱性部品232から離れるように伝達されてもよい。したがって熱流束は、熱伝導トレース142の構成及び配置によって低耐熱性部品マウント132から離れるように効果的に案内されることができ、これによって、低耐熱性部品232と発熱部品230との間の電気的導通性を維持しつつ、発熱部品230によって案内された熱によって生じ得る低耐熱性部品232の動作時のいかなる悪影響も最小化される。上述したような熱伝導トレース142及び絶縁基板140の組込による熱流束の案内によって、低耐熱性部品232の向上した機能が実現され得る。
【0049】
当然のことながら、特定のエンドユーザーの用途の要求を満たす熱伝達管理装置を提供するため、上述した様々な実施形態の特定の要素を組み合わせてもよい。特定の実施形態において、熱伝達管理装置は、絶縁基板に結合された熱伝導トレースの様々な構成を有した1又は複数の複合層を有してもよい。複数の複合層を有する熱伝達管理装置は、複合層の厚み部を通るビアを有してもよく、異なる複合層の熱伝導トレースを互いに熱的に導通させる。
【0050】
当然のことながら、本開示に係る熱伝達管理装置は、積層体を形成するために互いに結合された複数の複合層を含む。複合層のそれぞれは、部分的に絶縁基板に組み込まれた熱伝導体を有し、熱伝導体は、発熱部品から低耐熱性部品へと向かう方向の熱流束を減ずる第1の熱伝達促進領域150内、及び、熱伝導体が組み込まれていない設計と比較して発熱部品から低耐熱性部品へと向かう方向の熱流束を増す第2の熱伝達促進領域152内に構成される。絶縁基板における熱伝導体の選択的な配置によって、熱流束は、低耐熱性部品の周辺の温度上昇を最小化するため、効果的に案内されることができる。
【0051】
上述した熱伝達管理装置によって提供される伝導性熱伝達特性について本明細書において詳細な説明がなされたが、上述した説明は、定常動作における熱伝達に関するものである。当然のことながら、熱伝達管理装置のパラメータは、熱伝達の管理を含む特定のエンドユーザーの要求に適合するように変更されてもよい。伝達時間フレームにおける熱流束の管理は、熱伝達管理装置で使用する材料、例えば熱伝導トレース、絶縁基板、ビア、発熱部品マウント、低耐熱性部品マウント及び目標熱排出領域を変更することによって適合され得る。さらに、任意の1つの複合層に沿った伝達時間フレームにおける熱流束の管理のため、絶縁基板に対する熱伝導トレースの構成は、隣接する熱伝導トレースと熱伝導トレースの形状との間の相対的配置と共に、熱伝導トレースの断面積の変更を含め変更されてもよい。特定の熱伝達特性に適合するために変更され得る要素のリストは、例示的且つ非限定的なサンプルとみなされるべきものである。
【0052】
本明細書において、「略」及び「約」という語は、任意の定量比較、値、計測又は他の代表値に帰する不確かさの固有の程度を示すために使用され得ることに留意されたい。さらに本明細書においてこれらの語は、本願に係る主題の基本的機能を変更することなく記載された参照値から定量的代表値が変化し得る程度を示すために使用される。
【0053】
特定の実施形態が示され且つ記載されたが、当然のことながら、特許請求された主題の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び変形がなされてもよい。さらに、特許請求された主題の様々な態様が本明細書において説明されてきたが、斯かる態様は、組み合わせて使用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求された主題の範囲内のこうした全ての変更及び変形を包含することを意図するものである。
本開示は以下の態様を包含する。
(1)
熱伝達管理装置であって、
絶縁基板と該絶縁基板に結合された複数の熱伝導トレースとを有する複合層であって複数の前記熱伝導トレースが第1の熱伝達促進領域内及び第2の熱伝達促進領域内に配置され、前記第1の熱伝達促進領域内の複数の前記熱伝導トレースの少なくとも1つが前記第2の熱伝達促進領域内の前記熱伝導トレースの少なくとも1つを横断する方向に延びる、複合層と、
前記複合層に結合された発熱部品マウントと、
前記複合層に結合され且つ前記発熱部品マウントから遠位に配置された低耐熱性部品マウントと、を具備し、
複数の前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通し、
複数の前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウント又は前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁された、熱伝達管理装置。
(2)
前記複合層が、前記発熱部品マウントの外周の部分から前記低耐熱性部品マウントの外周の部分へと延びる複数のシールド経路突出部を具備し、
前記発熱部品マウント又は前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウントの前記外周の部分と前記低耐熱性部品マウントの前記外周の部分との間の複数の前記シールド経路突出部を横断する、上記(1)に記載の熱伝達管理装置。
(3)
複数の前記熱伝導トレースが前記低耐熱性部品マウントに対して凹状となる入れ子配列で配置された、上記(2)に記載の熱伝達管理装置。
(4)
複数の前記熱伝導トレースの少なくとも2つが、前記発熱部品マウントからの距離を増すにつれて互いに離れて広がる、上記(2)に記載の熱伝達管理装置。
(5)
前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通する少なくとも1つの前記熱伝導トレースが、前記発熱部品マウント又は前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つを少なくとも部分的に包囲する、上記(2)に記載の熱伝達管理装置。
(6)
第2の低耐熱性部品マウントをさらに具備し、
前記複合層が、前記発熱部品マウントの前記外周の部分から前記第2の低耐熱性部品マウントの前記外周の部分へと延びる複数の第2のシールド経路突出部を有し、
前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウント又は前記第2の低耐熱性部品マウントの少なくとも1つから電気的に絶縁され且つ前記発熱部品マウントの前記外周の部分と前記第2の低耐熱性部品マウントの前記外周の部分との間の複数の前記第2のシールド経路突出部を横断する、上記(2)に記載の熱伝達管理装置。
(7)
前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウント及び前記第2の低耐熱性部品マウントと電気的に導通した、上記(6)に記載の熱伝達管理装置。
(8)
前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記低耐熱性部品マウント及び前記第2の低耐熱性部品マウントと電気的に導通した、上記(6)に記載の熱伝達管理装置。
(9)
前記第1の熱伝達促進領域において評価される前記複合層の熱伝導率が、前記シールド経路突出部に平行な方向よりも、前記シールド経路突出部を横断する方向においてより大きい、上記(2)に記載の熱伝達管理装置。
(10)
前記第2の熱伝達促進領域において評価される前記複合層の熱伝導率が、前記収束経路突出部を横断する方向よりも、前記収束経路突出部に平行な方向においてより大きい、上記(9)に記載の熱伝達管理装置。
(11)
前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通した前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウント又は前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つと比較して高温である、上記(1)に記載の熱伝達管理装置。
(12)
前記複合層に結合された目標熱排出領域を更に具備し、前記低耐熱性部品マウントから電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記目標熱排出領域と熱的に導通した、上記(1)に記載の熱伝達管理装置。
(13)
絶縁基板と該絶縁基板に結合された複数の熱伝導トレースとをそれぞれが有する複数の複合層と、
前記複合層の1つに結合された発熱部品と、
前記複合層の1つと結合され且つ前記発熱部品から遠位に配置された低耐熱性部品と、を具備する熱伝達管理装置であって、
ビアが、前記複合層の少なくとも2つを通して延び、且つ、前記絶縁基板に結合された熱伝導トレースを互いに電気的に導通させ、
複数の前記複合層に亘る複数の前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品及び前記低耐熱性部品と電気的に導通し、
複数の前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品又は前記低耐熱性部品の少なくとも一方から電気的に絶縁された、熱伝達管理装置。
(14)
複数の前記熱伝導トレースが、第1の熱伝達促進領域内及び第2の熱伝達促進領域内に配置された、上記(13)に記載の熱伝達管理装置。
(15)
目標熱排出領域をさらに具備し、前記低耐熱性部品から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記目標熱排出領域と熱的に導通した、上記(13)に記載の熱伝達管理装置。
(16)
前記複合層が、発熱部品マウントの外周の部分から低耐熱性部品マウントの外周の部分へと延びる複数のシールド経路突出部を具備し、
前記発熱部品又は前記低耐熱性部品の少なくとも一方から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品マウントの前記外周の部分と前記低耐熱性部品マウントの前記外周の部分との間の複数の前記シールド経路突出部を横断する、上記(13)に記載の熱伝達管理装置。
(17)
複数の前記熱伝導トレースが、前記低耐熱性部品に対して凹状となる入れ子配列で配置された、上記(16)に記載の熱伝達管理装置。
(18)
複数の前記熱伝導トレースの少なくとも2つが、前記発熱部品からの距離を増すにつれて互いに離れて広がる、上記(16)に記載の熱伝達管理装置。
(19)
前記発熱部品及び前記低耐熱性部品と電気的に導通する前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品又は前記低耐熱性部品の少なくとも一方から電気的に絶縁された前記熱伝導トレースの少なくとも1つを少なくとも部分的に包囲する、上記(16)に記載の熱伝達管理装置。
(20)
第2の低耐熱性部品をさらに具備し、
前記複合層が、前記発熱部品マウントの前記外周の部分から第2の低耐熱性部品マウントの前記外周の部分へと延びる複数の第2のシールド経路突出部を有し、
前記熱伝導トレースの少なくとも1つが、前記発熱部品又は前記第2の低耐熱性部品の少なくとも一方から電気的に絶縁され、且つ、前記発熱部品マウントの前記外周の部分と前記第2の低耐熱性部品マウントの前記外周の部分との間の複数の前記第2のシールド経路突出部を横断する、上記(16)に記載の熱伝達管理装置。