(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバレッジエンハンスメントモードが設定されている場合、前記復調用参照信号の生成に用いられる前記一つの組み合わせは、前記通信装置及び前記端末の間で予め規定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(本開示の基礎となった知見)
基地局と端末との間において使用されるサブフレーム間拡散符号系列を共有する場合、上りリンクのスケジューリングの柔軟性を確保するために、基地局が、その判断に基づいて、サブフレーム間拡散符号を端末に割り当てることが考えられる。
【0026】
しかしながら、単純に従来の上りリンク用のDCIを用いて、新たにサブフレーム間拡散符号を端末に通知するためには、サブフレーム間拡散符号を通知するためのフィールドをDCIフォーマットに新たに追加する必要がある。例えば、サブフレーム間拡散符号の系列長がN
SFの場合、ceil(log
2N
SF)ビットのフィールドが必要となり、オーバーヘッドが増加する。なお、関数「ceil(X)」は、X以上の最小の整数を返す天井関数を表す。
【0027】
そこで、本開示の一態様は、上りリンクのスケジューリングの柔軟性を確保するとともに、オーバーヘッドを増加させることなく、基地局と端末との間において、使用されるサブフレーム間拡散符号を共有できる通信装置及び通信方法を提供する。
【0028】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、例えば、LTE-Advancedに対応するシステムであって、通信装置として、基地局100及び端末200を備える。
【0030】
基地局100のセル内に、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200が複数個存在している場合を想定する。端末200は、例えば、MTCカバレッジエンハンスメントモードが適用される場合、PUSCHを、複数のサブフレームに渡ってレピティションして送信する(レピティション送信)。ここで、例えば、レピティション送信は、1サブフレームを1回分として、同一の信号を複数回送信する。すなわち、端末200は、所定のレピティション回数(レピティションレベル、又はRepetition Factorと呼ぶこともある)分の連続するサブフレームにおいて、所定のレピティション回数分の同一の信号を繰り返し送信する。その際、端末200は、レピティション送信される信号に対して、サブフレーム間拡散符号系列の各成分をサブフレーム毎に乗算する(サブフレーム間拡散)。
【0031】
例えば、NRep回のレピティションが行われる場合(つまり、レピティション回数:NRep)、端末200は、1サブフレームの信号をNRepサブフレームに渡って繰り返し送信する。このとき、端末200は、レピティション送信される信号に対して、レピティションが行われるサブフレーム毎にサブフレーム間拡散符号系列の各成分を乗算する。
図2は、レピティション回数NRepが4であり、サブフレーム間拡散符号系列の系列長(又は拡散率)N
SFが4である場合のPUSCHにおけるサブフレーム間拡散の一例を示す。サブフレーム間拡散符号系列の系列長又は拡散率N
SFは、レピティション回数NRepと同一の値としてもよく、予め決められた値(例えば、セル固有の値)としてもよい。
【0032】
このように、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200は、1サブフレーム内にデータシンボルとDMRSとが時間多重されたPUSCHを複数のサブフレームに渡ってレピティションする。また、端末200は、互いに直交する複数のサブフレーム間拡散符号系列のうちの1つの系列の各成分を、複数のサブフレーム毎の信号に乗算する。
【0033】
図3は本開示の実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
図3に示す基地局100において、制御部101は、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列であって、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号(PUSCH)に乗算される1つの符号系列を選択する。送信部108は、レピティションされた上りリンク信号の送信が設定された端末(MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末)に対して、復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列(OCC)を通知するためのフィールドを用いて、選択された1つの符号系列を示す情報(下り制御情報(DCI))を送信する。
【0034】
また、
図4は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図4に示す端末200において、受信部202は、レピティションされた上りリンク信号(PUSCH)の送信が設定された場合(MTCカバレッジエンハンスメントモードの場合)、復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列(OCC)を通知するためのフィールドを用いて、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列を示す情報(下り制御情報(DCI))を受信する。拡散部212は、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号に、受信した情報によって示される前記1つの符号系列を乗算する。
【0035】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図5は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図5において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、符号化部103と、変調部104と、信号割当部105と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部106と、CP(Cyclic Prefix)付加部107と、送信部108と、アンテナ109と、受信部110と、CP除去部111と、FFT(Fast Fourier Transform)部112と、逆拡散部113と、デマッピング部114と、チャネル推定部115と、等化部116と、復調部117と、復号部118と、判定部119と、を有する。
【0036】
なお、
図5に示す基地局100の各構成は例示であり、他の構成に置き換える、又は、省略することが可能であり、本開示を実施するにおいて必ずしも全ての構成は必要ない。
【0037】
制御部101は、端末200に対してPUSCHの割当を決定する。例えば、制御部101は、端末200に割り当てる、周波数リソース、変調・符号化方法及びサブフレーム間拡散符号などを決定(選択)し、決定したPUSCHの割当に関する情報を制御信号生成部102に出力する。
【0038】
また、制御部101は、制御信号に対する符号化レベルを決定し、決定した符号化レベルを符号化部103に出力する。また、制御部101は、制御信号をマッピングする無線リソース(下りリソース)を決定し、決定した無線リソースに関する情報を信号割当部105に出力する。
【0039】
制御信号生成部102は、端末200向けの制御信号を生成する。制御信号には、制御部101から受け取ったPUSCHの割当に関する情報を指示するための上りリンク用DCIが含まれる。上りリンク用DCIは、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。
【0040】
また、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200(PUSCHを複数のサブフレームに渡ってレピティション送信する端末200)に対する上りリンク用DCIには、サブフレーム間拡散符号を端末200に指示するためのMSCI(Multiple-subframe spreading code indicator)が含まれる。MSCIは、3ビット又は2ビットから構成される。また、MSCIが2ビットで構成される場合、上りリンク用DCIには、1ビットのバーチャルCRCが含まれる。また、MTCカバレッジエンハンスメントモードではない端末(PUSCHを複数のサブフレームに渡ってレピティション送信しない端末)に対する上りリンク用DCIには、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを指示する情報が含まれる。
【0041】
制御信号生成部102は、制御部101から入力される情報を用いて、制御情報ビット列(制御信号)を生成し、生成した制御信号を符号化部103へ出力する。なお、制御信号生成部102は、各端末200向けの制御信号に、各端末200の端末IDを含めてビット列を生成する。例えば、制御信号には、端末IDによってマスキングされたCRCビットが付加される。
【0042】
符号化部103は、制御部101から指示された符号化レベルに従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号(符号化ビット列)を符号化し、符号化後の制御信号を変調部104へ出力する。
【0043】
変調部104は、符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号(シンボル列)を信号割当部105へ出力する。
【0044】
信号割当部105は、変調部104から受け取る制御信号を、制御部101から指示される無線リソースにマッピングする。なお、制御信号がマッピングされる対象となる制御チャネルは、MTC用のPDCCHでもよく、EPDCCH(Enhanced PDCCH)でもよい。信号割当部105は、制御信号がマッピングされたMTC用のPDCCH又はEPDCCHを含む下りリンクサブフレームの信号をIFFT部106に出力する。
【0045】
IFFT部106は、信号割当部105から受け取る信号に対してIFFT処理を行うことにより、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。IFFT部106は、時間領域信号をCP付加部107へ出力する。
【0046】
CP付加部107は、IFFT部106から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号(OFDM信号)を送信部108へ出力する。
【0047】
送信部108は、CP付加部107から受け取るOFDM信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ109を介して端末200に無線信号を送信する。
【0048】
受信部110は、アンテナ109を介して受信された端末200からの上りリンク信号(PUSCH)に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号をCP除去部111に出力する。端末200から送信される上りリンク信号(PUSCH)には、複数のサブフレームに渡ってレピティションされ、サブフレーム間拡散された信号が含まれる。
【0049】
CP除去部111は、受信部110から受け取る受信信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部112へ出力する。
【0050】
FFT部112は、CP除去部111から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、周波数領域の信号系列に分解して、PUSCHのサブフレームに対応する信号を抽出し、抽出した信号を逆拡散部113へ出力する。
【0051】
逆拡散部113は、レピティション送信及びサブフレーム間拡散された、複数のサブフレームに渡るPUSCHに対して、端末200がサブフレーム間拡散に用いるべきサブフレーム間拡散符号を用いて、データ信号及びDMRSに相当する部分の信号を逆拡散する。端末200がサブフレーム間拡散に用いるべきサブフレーム間拡散符号は、例えば、制御部101から指示される。逆拡散部113は、逆拡散後の信号をデマッピング部114へ出力する。
【0052】
デマッピング部114は、逆拡散部113から受け取る信号から、端末200に割り当てられたPUSCHのサブフレーム部分を抽出する。また、デマッピング部114は、抽出した端末200のPUSCHのサブフレーム部分を、DMRSとデータシンボル(SC-FDMAデータシンボル)とに分解し、DMRSをチャネル推定部115に出力し、データシンボルを等化部116に出力する。
【0053】
チャネル推定部115は、デマッピング部114から入力されるDMRSを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部115は、得られたチャネル推定値を等化部116に出力する。
【0054】
等化部116は、チャネル推定部115から入力されるチャネル推定値を用いて、デマッピング部114から入力されるデータシンボルの等化を行う。等化部116は、等化後のデータシンボルを復調部117へ出力する。
【0055】
復調部117は、等化部116から入力される周波数領域のSC-FDMAデータシンボルに対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理を適用し、時間領域信号へ変換した後、データ復調を行う。具体的には、復調部117は、端末200に指示した変調方式に基づいて、シンボル系列をビット系列へ変換し、得られたビット系列を復号部118へ出力する。
【0056】
復号部118は、復調部117から入力されるビット系列に対して誤り訂正復号を行い、復号後のビット系列を判定部119へ出力する。
【0057】
判定部119は、復号部118から入力されるビット系列に対して誤り検出を行う。誤り検出は、ビット系列に付加されたCRCビットを用いて行われる。判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り無しの場合、受信データを取り出し、ACKを出力する。一方、判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り有りの場合、NACKを出力する。判定部119において出力されるACK及びNACKは、図示しない制御部において再送制御処理に用いられる。
【0058】
[端末の構成]
図6は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図6において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、CP除去部203と、FFT部204と、抽出部205と、制御部206と、DMRS生成部207と、符号化部208と、変調部209と、多重部210と、DFT部211と、拡散部212と、信号割当部213と、IFFT部214と、CP付加部215と、送信部216と、を有する。
【0059】
なお、
図6に示す端末200の各構成は例示であり、他の構成に置き換える、又は、省略することが可能であり、本開示を実施するにおいて必ずしも全ての構成は必要ない。
【0060】
受信部202は、アンテナ201を介して受信された、基地局100からの無線信号(MTC用のPDCCH又EPDCCH)に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。受信部202は、OFDM信号をCP除去部203へ出力する。
【0061】
CP除去部203は、受信部202から受け取るOFDM信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部204へ出力する。
【0062】
FFT部204は、CP除去部203から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。FFT部204は、周波数領域信号を抽出部205へ出力する。
【0063】
抽出部205は、FFT部204から受け取る周波数領域信号に対してブラインド復号を行い、自端末宛ての制御信号であるか否かを判定する。制御信号には、端末IDによってマスキングされたCRCが付加されている。したがって、抽出部205は、ブラインド復号した結果、CRC判定がOK(誤りなし)であれば、自端末宛ての制御情報である判定し、その制御情報を制御部206へ出力する。また、制御信号にバーチャルCRCが含まれている場合、抽出部205は、CRC判定結果とバーチャルCRCにより、当該制御信号が自端末宛ての制御信号であるか否かを判断する。
【0064】
制御部206は、抽出部205から入力される制御信号に基づいて、PUSCH送信の制御を行う。具体的には、制御部206は、制御信号に含まれるPUSCHのリソース割当情報に基づいて、PUSCH送信に割り当てられたリソースを信号割当部に指示する。また、制御部206は、制御信号に含まれる符号化・変調方式の情報に基づいて、PUSCH送信に用いる符号化方式及び変調方式を符号化部208及び変調部209にそれぞれ指示する。また、制御部206は、MTCカバレッジエンハンスメントモードの場合(PUSCHを複数のサブフレームに渡ってレピティション送信する場合)、制御信号に含まれるMSCIに基づいて、PUSCHレピティション送信に用いるサブフレーム間拡散符号を決定し、決定したサブフレーム間拡散符号を、拡散部212に指示する。また、MTCカバレッジエンハンスメントモードではない場合(PUSCHを複数のサブフレームに渡ってレピティション送信しない場合)は、上りリンク用DCIに含まれるDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを指示する情報に基づいて、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを決定し、決定した巡回シフト及びOCCをDMRS生成部207に指示する。
【0065】
DMRS生成部207は、制御部206から指示されたDMRSパターンに従ってDMRSを生成し、生成したDMRSを多重部210へ出力する。
【0066】
符号化部208は、入力される送信データ(上りリンクデータ)に対して、端末200の端末IDによってマスキングされたCRCビットを付加し、誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット列を変調部209へ出力する。
【0067】
変調部209は、符号化部208から受け取るビット列を変調して、変調後の信号(データシンボル系列)を多重部210へ出力する。
【0068】
多重部210は、変調部209から入力されるデータシンボル系列と、DMRS生成部207から入力されるDMRSとを1サブフレーム内で時間多重し、多重後の信号をDFT部211へ出力する。
【0069】
DFT部211は、多重部210から入力される信号に対してDFTを適用して、周波数領域信号を生成し、生成した周波数領域信号を拡散部212へ出力する。
【0070】
拡散部212は、自端末がMTCカバレッジエンハンスメントモードの場合、DFT部211から入力される信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティション信号を生成する。また、拡散部212は、制御部206から指示されたサブフレーム間拡散符号を用いて、レピティション信号をサブフレーム間拡散し、拡散後の信号を信号割当部213へ出力する。すなわち、拡散部212は、レピティション信号に対して、レピティションが行われるサブフレーム毎にサブフレーム間拡散符号系列の各成分を乗算する。
【0071】
信号割当部213は、拡散部212から受け取る信号を、制御部206から指示されるPUSCHの時間・周波数リソースにマッピングする。信号割当部213は、信号がマッピングされたPUSCHの信号をIFFT部214に出力する。
【0072】
IFFT部214は、信号割当部213から入力される周波数領域のPUSCH信号に対してIFFT処理を行うことにより時間領域信号を生成する。IFFT部214は、生成した信号をCP付加部215へ出力する。
【0073】
CP付加部215は、IFFT部214から受け取る時間領域信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号を送信部216へ出力する。
【0074】
送信部216は、CP付加部215から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0075】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200におけるサブフレーム間拡散符号の共有方法について詳細に説明する。
【0076】
上述したように、LTE-Aでは、SU-MIMO及びMU-MIMOを適用する際、同一の時間・周波数リソースを用いて送信されるDMRS間の干渉を低減するために、DMRSに対して端末間で異なる巡回シフトを施したり、PUSCH内の2つのDMRSに端末間で異なるOCCを乗算したりすることで、複数のDMRSをサブフレーム内で直交多重する。
【0077】
また、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報及びOCCに関する情報は、上りリンク用のDCIを用いて通知される。具体的には、DCIフォーマットのうち、DCI format 0又はDCI format 4の中の3ビットが、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報及びOCCに関する情報を通知するためのフィールドとして利用されている。
【0078】
一方、MTCカバレッジエンハスメントは、基地局における端末からの希望波の受信電力が非常に小さい環境での運用が想定される。このような環境ではMIMOによる通信容量増加を目的とせず、SU-MIMO及びMU-MIMOが用いられないことが想定される。
【0079】
また、MTCカバレッジエンハンスメントでは、端末のコスト低減の観点からシステム帯域内の1.4MHz程度の狭帯域を用いた送受信が想定されている(例えば、非特許文献4を参照)。LTE-Aでは、この1.4MHzの狭帯域をシステム帯域内で周波数ホッピングさせることでカバレッジエンハスメント効果を増大させることが検討されている(例えば、非特許文献4を参照)。周波数ホッピングを用いる際、隣接セル間で異なるホッピングパターンを用いることによって隣接セル間の干渉をランダム化することができる。このため、MTCカバレッジエンハスメントでは、隣接セル間干渉がほとんどない環境(孤立セル環境)での運用が想定される。
【0080】
上述したように、MTCカバレッジエンハンスメントでは、MIMOが用いられないこと、及び、孤立セル環境での運用が想定される。このことから、MTCカバレッジエンハンスメントでは、同一の時間・周波数リソースを用いる複数の信号が同時に存在せず、干渉を与え合う複数の端末が同時に存在しないと想定できる。なお、サブフレーム間拡散符号を用いる場合、同一の時間・周波数リソースを用いる複数の端末が同時に存在するが、異なるサブフレーム間拡散符号が用いられることから、符号リソースで直交化できていると言うことができる。
【0081】
したがって、MTCカバレッジエンハンスメントでは、既存のLTE-AのようにDMRSを直交化させる必要性が低い。つまり、MTCカバレッジエンハンスメントでは、DMRS間の干渉を低減するために、DMRS間でDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを制御する必要性は低い。例えば、何れか1つの巡回シフト及びOCCが用いられればよい。したがって、端末によって使用される巡回シフト及びOCCを予め固定(動的に変更しない)するなどによって、巡回シフト及びOCCを基地局から端末へDCIを用いて通知(動的に変更)しなくてもよい。
【0082】
そこで、本実施の形態では、基地局100は、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200に対しては、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報及びOCCに関する情報を通知するために利用されている既存のDCIフィールドを、サブフレーム間拡散符号の通知に利用する。つまり、基地局100(送信部108)は、PUSCHに対してレピティションが適用される場合、PUSCHで送信されるDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するためのフィールドを用いて、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中から選択した1つのサブフレーム間拡散符号系列を示す情報(MSCI)を送信する。
【0083】
以下では、一例として、端末200がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定され、PUSCHのレピティション送信を行う際に系列長(符号拡散率)N
SF=8のサブフレーム間拡散符号を用いたサブフレーム間拡散が適用される場合について説明する。
【0084】
基地局100は、端末200がDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを端末200に予め通知する。DMRSに用いる巡回シフト及びOCCは、基地局100及び端末200間において予め規定されてもよい。また、基地局100が端末200に対して上位レイヤを介してDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知してもよい。
【0085】
DMRSは、LTE Rel.8〜12において使用されてきた、自己相関特性及び相互相関特性の優れたCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列に基づいて生成されてもよく、その他の系列でもよい。
【0086】
また、基地局100は、端末200に指示され得る複数のサブフレーム間拡散符号を端末200と予め共有する。指示され得るサブフレーム間拡散符号は、基地局100及び端末200間において予め規定されてもよく、基地局100が端末200に対して上位レイヤを介して通知してもよい。
【0087】
例えば、サブフレーム間拡散符号に、系列長(符号拡散率)N
SF=8であるWalsh系列を用いる場合、指示され得るサブフレーム間拡散符号は以下の8つとなる。
#0:(1,1,1,1,1,1,1,1)
#1:(1,-1,1,-1,1,-1,1,-1)
#2:(1,1,-1,-1,1,1,-1,-1)
#3:(1,-1,-1,1,1,-1,-1,1)
#4:(1,1,1,1,-1,-1,-1,-1)
#5:(1,-1,1,-1,-1,1,-1,1)
#6:(1,1,-1,-1,-1,-1,1,1)
#7:(1,-1,-1,1,-1,1,1,-1)
【0088】
基地局100は、端末200に対して、MTC用のPDCCH又はEPDCCHを介して上りリンク用のDCIを送信し、PUSCHの割当リソースを指示する。
【0089】
ここで、上りリンク用のDCIには、サブフレーム間拡散符号を指示する情報(MSCI)が含まれる。MSCIは、複数のサブフレーム間拡散符号の候補の中から何れか1つのサブフレーム間拡散符号を端末200に指示する情報である。
【0090】
すなわち、基地局100(制御部101及び制御信号生成部102)は、複数のサブフレーム間拡散符号の候補の中から、端末200に指示するサブフレーム間拡散符号を選択し、選択したサブフレーム間拡散符号を示すMSCIを生成する。そして、基地局100は、生成したMSCIを含む上りリンク用のDCIを端末200へ送信する。
【0091】
その際、基地局100は、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報及びOCCに関する情報を通知するための既存のフィールドを用いて、MSCIを送信する。つまり、基地局100は、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200に対して、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドを、サブフレーム間拡散符号を通知するために用いる。
【0092】
図7Aは、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するためのフィールドの一例を示す。
図7Aでは、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報(n
(2)DMRS,λ)及びOCCに関する情報([w
(λ)(0) w
(λ)(1)])を通知するための既存のフィールドは3ビット(000〜111)で構成される。
【0093】
これに対して、
図7Bは、サブフレーム間拡散符号を通知するためのフィールドの一例を示す。
図7Bに示すように、サブフレーム間拡散符号を通知するためのMSCIは、
図7Aに示す3ビットで構成される既存のフィールド(000〜111)を用いている。フィールドを構成する3ビットで表される各値(000〜111)には、複数のサブフレーム間拡散符号系列#0〜#7のそれぞれが対応付けられている。
【0094】
つまり、
図7Bは、
図7Aに示すDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための3ビットの既存フィールドを、サブフレーム間拡散符号を通知するためのMSCIに対応付けた例である。
【0095】
端末200(抽出部205)は、受信したMTC用PDCCH又はEPDCCHをブラインド復号し、自端末宛のDCIを得る。そして、端末200は、PUSCHに対して複数のサブフレームに渡るレピティションが適用される場合、受信したDCIの、PUSCHで送信されるDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するためのフィールドから、サブフレーム間拡散符号系列を示すMSCIを抽出する。端末200(制御部206)は、MSCIに基づいて、複数のサブフレーム間拡散符号の候補の中から、端末200が用いる一つのサブフレーム間拡散符号を決定する。そして、端末200(拡散部212)は、決定されたサブフレーム間拡散符号に従ってPUSCHのレピティション送信を行う。
【0096】
そして、基地局100は、端末200から送信された複数のサブフレームに渡るPUSCHを受信し、端末200が用いたサブフレーム間拡散符号を用いて、サブフレーム間逆拡散を行う。また、基地局100は、 サブフレーム間逆拡散後のPUSCHサブフレームから抽出したDMRSに基づいてチャネル推定を行い、得られたチャネル推定値を用いて、データシンボルの等化、レピティション合成、復調及び復号を行う。
【0097】
以上のように、本実施の形態では、基地局100は、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200に対して、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(
図7Aでは3ビット)を用いて、サブフレーム間拡散符号(MSCI)を通知する。
【0098】
こうすることで、本実施の形態によれば、基地局100及び端末200間において、オーバーヘッドを増加させることなく、サブフレーム間拡散符号を共有することができる。
【0099】
(実施の形態2)
サブフレーム間拡散を用いる場合、サブフレーム間符号拡散の拡散率(系列長)倍の時間内において、サブフレーム間拡散符号系列間での直交性を保つ必要がある。このため、サブフレーム内での符号拡散と比較すると、サブフレーム間拡散では、サブフレーム間拡散符号系列間の直交性崩れによって符号間干渉が発生しやすい。
【0100】
DMRSについてはチャネル推定精度向上のために、符号間干渉を可能な限り小さくしたほうがよい。
【0101】
そこで、本実施の形態では、サブフレーム間拡散符号による直交化に加え、既存のLTE-AのDMRSに用いる巡回シフト及びOCCによる直交化も利用することで、DMRS間の符号間干渉を抑圧することができる装置及び方法について説明する。
【0102】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図5及び
図6を援用して説明する。
【0103】
以下では、一例として、端末200がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定され、PUSCHのレピティション送信を行う際に系列長(符号拡散率)N
SF=8のサブフレーム間拡散符号を用いたサブフレーム間拡散が適用される場合について説明する。
【0104】
基地局100は、端末200に指示され得る、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせを端末200と予め共有する。指示され得る巡回シフト及びOCCの組み合わせは、基地局100及び端末200間において予め規定されてもよく、基地局100が端末200に対して上位レイヤを介して通知してもよい。
【0105】
DMRSは、LTE Rel.8〜12において使用されてきた、自己相関特性及び相互相関特性の優れたCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列に基づいて生成される。
【0106】
また、基地局100は、端末200に指示され得る複数のサブフレーム間拡散符号を端末200と予め共有する。指示され得るサブフレーム間拡散符号は、基地局100及び端末200間において予め規定されてもよく、基地局100が端末200に対して上位レイヤを介して通知してもよい。
【0107】
例えば、サブフレーム間拡散符号に、系列長(拡散率)N
SF=8であるWalsh系列を用いる場合、指示され得るサブフレーム間拡散符号は以下の8つとなる。
#0:(1,1,1,1,1,1,1,1)
#1:(1,-1,1,-1,1,-1,1,-1)
#2:(1,1,-1,-1,1,1,-1,-1)
#3:(1,-1,-1,1,1,-1,-1,1)
#4:(1,1,1,1,-1,-1,-1,-1)
#5:(1,-1,1,-1,-1,1,-1,1)
#6:(1,1,-1,-1,-1,-1,1,1)
#7:(1,-1,-1,1,-1,1,1,-1)
【0108】
基地局100は、端末200に対して、MTC用のPDCCH又はEPDCCHを介して上りリンク用のDCIを送信し、PUSCHの割当リソースを指示する。
【0109】
ここで、上りリンク用のDCIには、実施の形態1と同様、サブフレーム間拡散符号を指示する情報(MSCI)が含まれる。
【0110】
ただし、本実施の形態に係るMSCIは、サブフレーム間拡散符号に加えて、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせの中から何れか1つの巡回シフト及びOCCの組み合わせを端末200に指示する。
【0111】
すなわち、基地局100(制御部101及び制御信号生成部102)は、端末200に指示するサブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの組み合わせとを決定し、決定したサブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの組み合わせとに基づいてMSCIを生成する。そして、基地局100は、生成したMSCIを含む上りリンク用のDCIを端末200へ送信する。
【0112】
つまり、基地局100は、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200に対して、DMRSに用いる巡回シフトに関する情報及びOCCに関する情報を通知するための既存のフィールドを、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するために用いる。
【0113】
図8は、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するためのフィールドの一例を示す。
図8に示すように、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するためのMSCIは、
図7Aに示す3ビットで構成される既存のフィールド(000〜111)を用いている。フィールドを構成する3ビットで表される各値(000〜111)には、複数のサブフレーム間拡散符号系列#0〜#7のそれぞれと、巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせのそれぞれが対応付けられる。
【0114】
つまり、
図8は、
図7Aに示すDMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための3ビットの既存フィールドを、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するためのMSCIに対応付けた例である。
【0115】
なお、
図8では、一例として、MSCIの各値に対して、
図7Aに示すλ=0における巡回シフト及びOCCの組み合わせを対応付けている。しかし、MSCIに対する巡回シフト及びOCCの組み合わせの対応付けはこれに限定されず、例えば、
図7Aに示すλ=1〜3の何れか1つにおける巡回シフト及びOCCの組み合わせを対応付けてもよく、これら以外の任意の対応付けでもよい。
【0116】
端末200(抽出部205)は、受信したMTC用PDCCH又はEPDCCHをブラインド復号し、自端末宛のDCIを得る。そして、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200は、受信したDCIの、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するためのフィールドから、サブフレーム間拡散符号系列、巡回シフト及びOCCを示すMSCIを抽出する。端末200(制御部206)は、MSCIに基づいて、複数のサブフレーム間拡散符号の候補の中から、端末200が用いる一つのサブフレーム間拡散符号を決定する。また、端末200(制御部206)は、MSCIに基づいて、巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせの中から、端末200が用いる巡回シフト及びOCCの一つの組み合わせを決定する。
【0117】
そして、端末200(DMRS生成部207)は、決定した巡回シフト及びOCCの組み合わせに従ってDMRSを生成する。また、端末200(拡散部212)は、決定したサブフレーム間拡散符号に従ってPUSCHのレピティション送信を行う。
【0118】
一方、基地局100は、端末200から送信された複数のサブフレームに渡るPUSCHを受信し、端末200が用いたサブフレーム間拡散符号を用いて、サブフレーム間逆拡散を行う。また、基地局100は、サブフレーム間逆拡散後のPUSCHサブフレームから抽出したDMRSに基づいてチャネル推定を行い、得られたチャネル推定値を用いて、データシンボルの等化、レピティション合成、復調及び復号を行う。
【0119】
以上のように、本実施の形態では、基地局100は、実施の形態1と同様、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200に対して、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(
図7Aでは3ビット)を用いて、サブフレーム間拡散符号を通知する。こうすることで、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、オーバーヘッドを増加させることなく、基地局100及び端末200間において、サブフレーム間拡散符号を共有することができる。
【0120】
また、本実施の形態では、基地局100は、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末200に対して、MSCIを用いて、サブフレーム間拡散符号に加え、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを併せて通知する。こうすることで、本実施の形態によれば、基地局100が、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを、DCIを用いて端末200に通知できる。これにより、サブフレーム間拡散を用いる場合でも、DMRSの直交化によって、サブフレーム間拡散符号系列間の直交性の崩れによる符号化干渉を抑圧することができ、DMRS間の符号間干渉の発生を抑圧することができる。
【0121】
[実施の形態2のバリエーション]
サブフレーム間拡散符号間の直交性と、巡回シフト及びOCCによるDMRS間のサブフレーム内の直交性とを考慮して、DMRS間の符号間干渉を十分に抑圧することを考える。
【0122】
図9は、
図8に示すMSCIの各値(000〜111)に対応付けられた、サブフレーム間拡散符号と、巡回シフト及びOCCの組み合わせとを、巡回シフト軸及び直交符号軸上で表した図である。
図9に示すブロック内の値はMSCIの値を表す。
【0123】
例えば、MSCI=000に対応するサブフレーム間拡散符号#0(1,1,1,1,1,1,1,1)と、MSCI=100に対応するサブフレーム間拡散符号#4(1,1,1,1,-1,-1,-1,-1)との間では、端末200の移動に起因する符号間干渉を受けやすく、直交性が低い。一般的に言うと、次式で与えられるWalsh-Hadamard行列の第n列に対応する符号と第n+4列(n=0〜3)に対応する符号との直交性が低くなる。
【0125】
また、例えば、MSCI=000に対応する巡回シフト=0,OCC=[1 1]を用いたDMRSと、MSCI=100に対応する巡回シフト=2,OCC=[1 1]を用いたDMRSとの間では、巡回シフトの差が2であり巡回シフト系列間の直交性が低く、かつ同一OCCを用いている。このため、これらのDMRSは、端末200での送信タイミングのずれ又はマルチパスによる遅延波の影響を受けやすい。
【0126】
このように、MSCIへのサブフレーム間拡散符号、巡回シフト及びOCCの対応付けが、符号間干渉に影響を与え得る。
【0127】
そこで、本バリエーションでは、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアを互いに直交性の高い巡回シフト(巡回シフト系列)及びOCCに関連付けることによって、符号間干渉を低減する方法について説明する。
【0128】
具体的には、Walsh-Hadamard行列の第n列及び第n+4列(n=0〜3)に対応する2つのサブフレーム間拡散符号に、巡回シフトの差が最大値の6である2つの巡回シフトを、それぞれ関連付ける。このように関連付けられたサブフレーム間拡散符号、巡回シフト及びOCCを、MSCIに対応付ける。
【0129】
図10Aは、サブフレーム間拡散符号、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するためのフィールドの一例を示す。
図10Aにおいて、MSCIを構成する3ビットによって表される値(000〜111)と、巡回シフト及びOCCとの対応付けは、
図8と同様である。
【0130】
例えば、
図10Aに示すように、MSCIを構成する3ビットで表される値(000〜111)のうち、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト0と巡回シフト6がそれぞれ対応付けられているMSCI=000とMSCI=001に対して、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#0及びサブフレーム間拡散符号系列#4(Walsh-Hadamard行列の第0列及び第4列)のペアを対応付ける。
【0131】
同様に、
図10Aに示すように、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=3と巡回シフト=9がそれぞれ対応付けられているMSCI=010とMSCI=111には、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#2及びサブフレーム間拡散符号系列#6(Walsh-Hadamard行列の第2列及び第6列)のペアが対応付けられている。
図10Aに示す他のMSCIの各値についても同様である。
【0132】
図10Bは、
図10Aに示すMSCIの各値(000〜111)に対応付けられた、サブフレーム間拡散符号と、巡回シフト及びOCCの組み合わせとを、巡回シフト軸及び直交符号軸上で表した図である。
【0133】
図10Bに示すように、MSCI=000に対応するサブフレーム間拡散符号#0(1,1,1,1,1,1,1,1)と、MSCI=001に対応するサブフレーム間拡散符号#4(1,1,1,1,-1,-1,-1,-1)との間では、端末200の移動に起因する符号間干渉を受けやすい。しかし、
図10Bに示すように、サブフレーム間拡散符号#0とサブフレーム間拡散符号#4にそれぞれ対応付けられた巡回シフトの差は、最大の6である。すなわち、サブフレーム間拡散符号系列同士では端末200の移動に起因する符号間干渉を受けやすいものの、これらのサブフレーム間拡散符号系列に対応付けられたDMRS間による直交化によって符号化干渉を低減することができる。
【0134】
このように、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアと、互いに直交性の高い巡回シフト及びOCCとが関連付けられることにより、符号間干渉を低減することができる。
【0135】
なお、本実施の形態では、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの組み合わせは、
図7Aに示す既存のLTE-Aのλ=0における巡回シフト及びOCCの組み合わせと同じにした。こうすることで、PUSCHの送受信よりも前に予め通知しておく巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせに加えて、MTCカバレッジエンハンスメント用の組み合わせを改めて通知する必要がない。
【0136】
(実施の形態3)
本実施の形態では、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末に通知するサブフレーム間拡散符号の候補数(使用可能なサブフレーム間拡散符号の数)が、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドを構成するビットで通知できる値の個数(ビットで表される値の個数)よりも少ない場合について説明する。
【0137】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図5及び
図6を援用して説明する。
【0138】
本実施の形態では、一例として、端末200がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定され、PUSCHのレピティション送信を行う際に系列長(符号拡散率)N
SF=4のサブフレーム間拡散符号を用いたサブフレーム間拡散が適用される場合について説明する。また、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドが3ビットで構成されるものとする。
【0139】
また、本実施の形態では、実施の形態2と同様、MSCIに、
図7Aに示す既存のLTE-Aのλ=0における、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの組み合わせを対応付ける。DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの組み合わせを、既存のLTE-Aにおける組み合わせと同じにすることで、PUSCHの送受信よりも前に予め通知しておく巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせに加えて、MTCカバレッジエンハンスメント用の組み合わせを改めて通知する必要がない。
【0140】
実施の形態2と同様、基地局100は、端末200に指示され得る、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせを端末200と予め共有する。また、実施の形態2と同様、基地局100は、端末200に指示され得る複数のサブフレーム間拡散符号を端末200と予め共有する。
【0141】
例えば、サブフレーム間拡散符号に、系列長(拡散率)N
SF=4であるWalsh系列を用いる場合、指示され得るサブフレーム間拡散符号は以下の4つとなる。
#0:(1,1,1,1)
#1:(1,-1,1,-1)
#2:(1,1,-1,-1)
#3:(1,-1,-1,1)
【0142】
また、指示され得るサブフレーム間拡散符号は、Walsh-Hadamardを用いて次式で表される。
【0144】
図11Aは、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するためのフィールドの一例を示す。
図11Aに示すように、サブフレーム間拡散符号の拡散率N
SF=4の場合、MSCI(3ビット)とサブフレーム間拡散符号(候補数4個)との対応関係が1対1ではなく、1つのサブフレーム間拡散符号が2つのMSCIに対応付けられている。
【0145】
ここで、同一の時間・周波数リソース及び同一のサブフレーム間拡散符号を用いて複数の端末200の信号が同時に多重されることはないと想定する。つまり、複数の端末200において、上述した1つのサブフレーム間拡散符号に対応付けられた2つのMSCIが同時に使用されることはないと想定する。
【0146】
そこで、本実施の形態では、一つのサブフレーム間拡散符号を、互いに直交性の低い2つの巡回シフトに関連付ける。これにより、符号間干渉を低減することができる。
【0147】
例えば、
図11Aに示すように、サブフレーム間拡散符号#0は、巡回シフトの差が2の巡回シフト=0と巡回シフト=2に関連付けられ、サブフレーム間拡散符号#1は、巡回シフトの差が1の巡回シフト=3と巡回シフト=4に関連付けられ、サブフレーム間拡散符号#2は、巡回シフトの差が2の巡回シフト=6と巡回シフト=8に関連付けられ、サブフレーム間拡散符号#3は、巡回シフトの差が1の巡回シフト=9と巡回シフト=10に関連付けられる。
【0148】
また、実施の形態2と同様、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアを互いに直交性の高い巡回シフト及びOCCを用いるDMRSと関連付ける。これにより、符号間干渉を低減することができる。具体的には、
図11Aに示すようにWalsh-Hadamard行列の第n列及び第n+2列(n=0〜1)に対応する2つのサブフレーム間拡散符号に、巡回シフトの差が最大値の6である2つの巡回シフトを、それぞれ関連付ける。このように関連付けられたサブフレーム間拡散符号、巡回シフト及びOCCを、MSCIに対応付ける。
【0149】
例えば、
図11Aに示すように、MSCIを構成する3ビットで表される値(000〜111)のうち、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=0と巡回シフト=6がそれぞれ対応付けられているMSCI=000とMSCI=001に、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#0及びサブフレーム間拡散符号系列#2(Walsh-Hadamard行列の第0列及び第2列)のペアが対応付けられている。また、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=2と巡回シフト=8がそれぞれ対応付けられているMSCI=100とMSCI=101にも、サブフレーム間拡散符号系列#0及びサブフレーム間拡散符号系列#2のペアが対応付けられている。
【0150】
同様に、
図11Aに示すように、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=3と巡回シフト=9がそれぞれ対応付けられているMSCI=010とMSCI=111に、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#1及びサブフレーム間拡散符号系列#3(Walsh-Hadamard行列の第1列及び第3列)のペアが対応付けられている。また、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=4と巡回シフト=10がそれぞれ対応付けられているMSCI=011とMSCI=110にも、サブフレーム間拡散符号系列#1及びサブフレーム間拡散符号系列#3のペアが対応付けられている。
【0151】
図11Bは、
図11Aに示すMSCIの各値(000〜111)に対応付けられた、サブフレーム間拡散符号と、巡回シフト及びOCCの組み合わせとを、巡回シフト軸及び直交符号軸上で表した図である。
【0152】
図11Bに示すように、MSCIに対応付けられた(使用可能な)巡回シフトのうち、隣接する2つの巡回シフトに、同一のサブフレーム間拡散符号系列が関連付けられる。
【0153】
例えば、MSCI=000に対応するサブフレーム間拡散符号#0とMSCI=100に対応するサブフレーム間拡散符号#0とにそれぞれ関連付けられた2つの巡回シフトは、巡回シフトの差が2であり、かつ、同一OCCが組み合わされているので、直交性が低い。しかし、これらのリソースには同一のサブフレーム間拡散符号が対応付けられ、複数の端末200において同時に使用されることはない。
図11Bに示す他のサブフレーム間拡散符号系列#1〜#3についても同様である。
【0154】
なお、
図11Bでは、同一サブフレーム間拡散符号系列が関連付けられた隣接する巡回シフトの巡回シフトの差が2である場合(サブフレーム間拡散符号系列#0又は#2の場合)、その巡回シフトと組み合わされたOCCは同一である。一方、同一サブフレーム間拡散符号系列が関連付けられた隣接する巡回シフトの巡回シフトの差が1である場合(サブフレーム間拡散符号系列#1又は#3の場合)、その巡回シフトと組み合わされたOCCは異なる。
【0155】
このように、互いに直交性の低い巡回シフト及びOCCを用いるDMRSに対して同一のサブフレーム間拡散符号が関連付けられることにより、これらのDMRSが複数の端末200において同時に設定されることを回避し、符号間干渉を低減することができる。
【0156】
また、
図11Bに示すように、MSCI=000に対応するサブフレーム間拡散符号#0(1,1,1,1)と、MSCI=001に対応するサブフレーム間拡散符号#2(1,1,-1,-1)との間では、端末200の移動に起因する符号間干渉を受けやすい。しかし、
図11Bに示すように、サブフレーム間拡散符号#0とサブフレーム間拡散符号#2にそれぞれ対応付けられた巡回シフトの差は、最大の6である。このように、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアと、互いに直交性の高い巡回シフト及びOCCとが関連付けられることにより、実施の形態2と同様、符号間干渉を低減することができる。
【0157】
以上のように、本実施の形態では、サブフレーム間拡散符号の候補数(使用可能数)が、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドを構成するビットで通知できる値の個数よりも少ない場合に、一つのサブフレーム間拡散符号に、互いに直交性の低い巡回シフトを関連付ける。こうすることで、DMRS間の直交性の低下に起因する符号間干渉を抑圧することができる。
【0158】
更に、本実施の形態では、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号に対して、互いに直交性の高い巡回シフトを関連付ける。こうすることで、DMRSの直交化によって、サブフレーム間拡散符号系列間の直交性の崩れによるDMRS間の符号化干渉を抑圧することができる。
【0159】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、オーバーヘッドを増加させることなく、基地局100及び端末200間において、サブフレーム間拡散符号を共有することができる。
【0160】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3と同様、MTCカバレッジエンハンスメントモードに設定された端末に通知するサブフレーム間拡散符号の候補数(使用可能なサブフレーム間拡散符号の数)が、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドを構成するビットで通知できる値の個数よりも少ない場合について説明する。
【0161】
ただし、実施の形態3では、一つのサブフレーム間拡散符号を複数のMSCIに対応付ける場合について説明したが、本実施の形態では、1つのサブフレーム間拡散符号と1つのMSCIとを1対1で対応付ける場合について説明する。
【0162】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図5及び
図6を援用して説明する。
【0163】
本実施の形態では、一例として、端末200がMTCカバレッジエンハンスメントモードに設定され、PUSCHのレピティション送信を行う際に系列長(符号拡散率)N
SF=4のサブフレーム間拡散符号を用いたサブフレーム間拡散が適用される場合について説明する。また、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールドが3ビットで構成されるものとする。
【0164】
実施の形態2と同様、基地局100は、端末200に指示され得る、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCの複数の組み合わせを端末200と予め共有する。また、実施の形態2と同様、基地局100は、端末200に指示され得る複数のサブフレーム間拡散符号を端末200と予め共有する。
【0165】
また、サブフレーム間拡散符号に、系列長(拡散率)N
SF=4であるWalsh系列を用いる場合、指示され得るサブフレーム間拡散符号は以下の4つとなる。
#0:(1,1,1,1)
#1:(1,-1,1,-1)
#2:(1,1,-1,-1)
#3:(1,-1,-1,1)
【0166】
サブフレーム間拡散符号の拡散率N
SF=4の場合、サブフレーム間拡散符号系列の数は4個である。よって、拡散率N
SF=4のサブフレーム間拡散符号の通知に要するビット数は2ビットである。つまり、実施の形態1と同様にして、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(3ビット)を、サブフレーム間拡散符号を通知するために用いる場合、3ビットのうち2ビットを用いればよく、1ビットが余る。
【0167】
そこで、本実施の形態では、基地局100は、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(3ビット)のうち、2ビットをMSCIとして用い、MSCIによってサブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知する。
【0168】
図12Aは、サブフレーム間拡散符号と、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCとを通知するためのフィールドの一例を示す。
図12では、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(3ビット)のうち、サブフレーム間拡散符号系列の通知に要する2ビットで表される各値(00〜11)に、サブフレーム間拡散符号系列と、巡回シフト及びOCCの組み合わせとが対応付けられている。
【0169】
また、実施の形態2と同様、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアを互いに直交性の高い巡回シフト及びOCCを用いるDMRSと関連付ける。これにより、符号間干渉を低減することができる。具体的には、
図12Aに示すようにWalsh-Hadamard行列の第n列及び第n+2列(n=0〜1)に対応する2つのサブフレーム間拡散符号に、巡回シフトの差が最大値の6である2つの巡回シフトを、それぞれ関連付ける。このように関連付けられたサブフレーム間拡散符号、巡回シフト及びOCCを、MSCIに対応付ける。
【0170】
例えば、
図12Aに示すように、MSCIを構成する2ビットで表される値(00〜11)のうち、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=0と巡回シフト=6にそれぞれ対応付けられているMSCI=00とMSCI=01に、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#0及びサブフレーム間拡散符号系列#2(Walsh-Hadamard行列の第0列及び第2列)のペアが対応付けられている。
【0171】
同様に、
図12Aに示すように、巡回シフトの差が最大の6である巡回シフト=3と巡回シフト=9がそれぞれ対応付けられているMSCI=10とMSCI=11に、複数のサブフレーム間拡散符号系列の中で互いに直交性が低いサブフレーム間拡散符号系列#1及びサブフレーム間拡散符号系列#3(Walsh-Hadamard行列の第1列及び第3列)のペアが対応付けられている。
【0172】
図12Bは、
図12Aに示すMSCIの各値(00〜11)に対応付けられた、サブフレーム間拡散符号と、巡回シフト及びOCCの組み合わせとを、巡回シフト軸及び直交符号軸上で表した図である。
【0173】
図12Bに示すように、MSCI=00に対応するサブフレーム間拡散符号#0(1,1,1,1)と、MSCI=01に対応するサブフレーム間拡散符号#2(1,1,-1,-1)との間では、端末200の移動に起因する符号間干渉を受けやすい。しかし、
図12Bに示すように、サブフレーム間拡散符号#0とサブフレーム間拡散符号#0#2にそれぞれ対応付けられた巡回シフトの差は、最大の6である。
【0174】
このように、互いに直交性の低いサブフレーム間拡散符号のペアと、互いに直交性の高い巡回シフト及びOCCとが関連付けられることにより、符号間干渉を低減することができる。
【0175】
また、本実施の形態では、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(3ビット)のうち、MSCIとして用いる2ビット以外の残りの1ビットは、基地局100と端末200との間で互いに既知のビット(つまり,バーチャルCRC)として用いられる。すなわち、DMRSに用いる巡回シフト及びOCCを通知するための既存のフィールド(3ビット)は、MSCIとバーチャルCRCとによって構成される。
【0176】
端末200(抽出部205)は、自端末宛の可能性があるDCIに付加されたCRCビットを、自端末の端末IDによってデマスキング(又は、デスクランブリング)し、CRCビット列とバーチャルCRCビットとを用いて、PDCCHをブラインド復号して、自端末宛のDCIを検出する。
【0177】
こうすることで、端末200は、受信したDCIが自端末宛てであるか否かの判定において、CRCビットの判定結果に加え、バーチャルCRCを利用することができる。例えば、端末200は、自端末の端末IDによってデマスキング(又は、デスクランブリング)したCRCビットのチェック結果が正しいことを示している場合でも、受信したDCIに含まれるバーチャルCRCビットと既知ビットとが一致しない場合、当該DCIを無視することができる。
【0178】
これにより、端末200における制御情報の誤検出を低減することができる。誤検出の低減は、カバレッジの拡大に寄与する。
【0179】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0180】
なお、上記実施の形態において用いた、レピティション回数、DMRSに用いる巡回シフト、OCCの系列長、及び、サブフレーム間拡散符号系列の系列長の値は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0181】
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0182】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0183】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0184】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0185】
本開示の通信装置は、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列であって、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号に乗算される前記1つの符号系列を選択する制御部と、レピティションされた前記上りリンク信号の送信が設定された端末に対して、前記復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列を通知するためのフィールドを用いて、選択された前記1つの符号系列を示す情報を送信する送信部と、を具備する。
【0186】
また、本開示の通信装置において、前記フィールドを構成するビットで通知できる複数の値に、前記複数の符号系列がそれぞれ対応付けられる。
【0187】
また、本開示の通信装置において、前記フィールドを構成するビットで通知できる複数の値には、前記符号系列と、前記巡回シフトと、前記直交系列との複数の組み合わせがそれぞれ対応付けられる。
【0188】
また、本開示の通信装置において、前記フィールドを構成するビットで通知できる複数の値のうち、巡回シフトの差が最大の2つの巡回シフトがそれぞれ対応付けられている2つの値に、前記複数の符号系列の中で互いに直交性が低い2つの符号系列がそれぞれ対応付けられる。
【0189】
また、本開示の通信装置において、前記フィールドを構成するビットで通知できる複数の値の個数よりも、前記複数の符号系列の数が少ない場合、前記複数の値のうち、隣接する巡回シフトが対応付けられている2つの値に、1つの符号系列が対応付けられる。
【0190】
また、本開示の通信装置において、前記フィールドを構成するビットで通知できる複数の値の個数よりも、前記複数の符号系列の数が少ない場合、前記ビットのうち、前記複数の符号系列のうちの一つの符号系列の通知に要する数のビットで通知できる複数の値には、前記符号系列と、前記巡回シフトと、前記直交系列との複数の組み合わせがそれぞれ対応付けられ、前記フィールドを構成するビットのうち、前記通知に要する数のビット以外の残りのビットは、既知ビットである。
【0191】
また、本開示の通信装置において、前記選択された1つの符号系列の各成分は、前記端末において、前記複数のサブフレーム毎の前記上りリンク信号に乗算される。
【0192】
また、本開示の通信装置は、復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列を通知するためのフィールドを用いて、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列を示す情報を受信する受信部と、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号に、前記情報によって示される前記1つの符号系列を乗算する拡散部と、を具備する。
【0193】
また、本開示の通信装置において、前記拡散部は、前記1つの符号系列の各成分を、前記複数のサブフレーム毎の前記上りリンク信号に乗算する。
【0194】
また、本開示の通信方法は、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列であって、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号に乗算される前記1つの符号系列を選択し、レピティションされた前記上りリンク信号の送信が設定された端末に対して、前記復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列を通知するためのフィールドを用いて、選択された前記1つの符号系列を示す情報を送信する。
【0195】
また、本開示の通信方法は、復調用参照信号に用いる巡回シフト及び直交系列を通知するためのフィールドを用いて、互いに直交する複数の符号系列のうちの1つの符号系列を示す情報を受信し、複数のサブフレームに渡ってレピティションされた復調用参照信号を含む上りリンク信号に、前記情報によって示される前記1つの符号系列を乗算する。