特許第6856771号(P6856771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6856771超音波トランスデューサのための殺菌カバー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856771
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサのための殺菌カバー
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   A61B8/00
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-557871(P2019-557871)
(86)(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公表番号】特表2020-517369(P2020-517369A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】US2018029566
(87)【国際公開番号】WO2018200809
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】62/490,993
(32)【優先日】2017年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517228423
【氏名又は名称】シブコ メディカル インスツルメンツ カンパニー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノードグレン、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー、ジェフリー スコット
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−068306(JP,U)
【文献】 特開平11−188046(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/109520(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/077176(WO,A1)
【文献】 米国特許第06039694(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0149359(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0331344(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0264751(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0234733(US,A1)
【文献】 特開2011−234733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサを覆うための保護シース・アセンブリであって、
第1の可撓性材料で形成され、第1の端部及び第2の端部を有する管状部分と、
前記管状部分の前記第1の端部を閉鎖するために前記管状部分の前記第1の端部に固定された平面部分と
を備えるシース
を備え、
前記平面部分は、前記第1の可撓性材料とは異なる第2の可撓性材料で形成され、
前記第2の可撓性材料は、
基板層と、
前記基板の表面に形成された少なくとも1つの親水性コーティング層と
を備える、保護シース・アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの親水性コーティング層は、前記基板層の外側表面に形成された第1の親水性コーティング層を備える、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの親水性コーティング層は、
前記基板層の外側表面に形成された第1の親水性コーティング層と、
前記基板層の内側表面に形成された第2の親水性コーティング層と
を備える、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項4】
前記基板層は、約1.0〜0.025ミリメートルの範囲の厚さを有するポリウレタン材料を含む、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項5】
リング形状のアプリケータと、
少なくとも1つの弾性バンドと
を更に備え、
前記リング形状のアプリケータは、前記管状部分の前記第2の端部に確固に固定され、実質的に楕円形又は円筒形の構成を含み、
前記シースの前記管状部分は、前記平面部分が前記リング形状のアプリケータの底部と実質的に同一平面になるように、潰れた構成に前記リング形状のアプリケータの上に折り畳まれ、
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記シース及び前記リング形状のアプリケータの上に位置決めされて、展開の際に、前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記シースが前記リング形状のアプリケータから展開されると、前記リング形状のアプリケータから前記超音波トランスデューサに移行する、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項6】
前記リング形状のアプリケータは、前記シースの展開を援助するための円周リップを更に備える、請求項5に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項7】
第1の開放端及び第2の開放端を有するポーチを更に備え、
前記第1の開放端は、前記管状部分の前記第2の端部に固定され、
前記ポーチは、展開前に前記シースを折り畳まれた構成に保持し、前記超音波トランスデューサに沿って前記シースを展開するための把持表面を提供するように構成されている、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項8】
可撓性バンドを更に備え、
組立て中に、前記管状部分は、潰れた構成に前記可撓性バンドの周りに巻かれ、
展開中に、前記管状部分は、前記可撓性バンドから広げられる、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項9】
前記管状部分は、前記可撓性バンドの周りに巻かれる前にそれ自体の周りに同心に折り畳まれて、前記接着層は、前記潰れた構成にある場合に使用者に対して上側表面に位置する、請求項8に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項10】
前記管状部分の前記第2の端部に固定されたプルタブを更に備える、請求項8に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の可撓性材料は、前記基板の内側表面に形成された接着層を更に備え、
前記超音波トランスデューサを前記管状部分の中に挿入すると、前記超音波トランスデューサの動作端が前記接着層と係合する、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項12】
前記接着層は、シリコーンゲル接着コーティングを含む、請求項11に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項13】
前記シリコーンゲル接着コーティングは、約0.2〜0.025ミリメートルの範囲の厚さを有する、請求項12に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項14】
前記接着層の上に設けられた剥離層を更に備え、前記剥離層は、前記超音波トランスデューサの挿入前に除去される、請求項11に記載の保護シース・アセンブリ。
【請求項15】
前記平面部分は、矩形の構成又は楕円の構成を含む、請求項1に記載の保護シース・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
このPCT出願は、2017年4月27日に出願された米国仮特許出願第62/490,993号の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療装置に関し、より詳細には、無菌用途において使用するための、超音波プローブ及びプローブを覆うための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波トランスデューサは、一般的に無菌環境において使用されるが、トランスデューサとそれに付随する信号ケーブルを無菌状態に保つことは非現実的で費用がかかる。滅菌は時間がかかり、通常、超音波機器が使用される領域(例えば手術室又は処置室)においては行われない。超音波トランスデューサは高価であるので、充分な数の利用可能な滅菌済みユニットを維持することは費用がかかりすぎる。この結果、一般的な履行は、通常、ラテックス、ポリエチレン、又はポリウレタンのような高分子材料の細長い袋として形成される、滅菌された使い捨てシースで超音波トランスデューサをカプセル化し又は覆うことである。
【0004】
このようなシースの適用中に、施術者は、ハウジング、信号ケーブル、等のようなトランスデューサの非滅菌部分が、開業医の手袋をはめた手等のような滅菌要素に接触しないようにすることを保証する必要がある。トランスデューサ・シースは長い場合があるので(特に、腔内用途のトランスデューサ・ハウジング全体に対応するために)、特に単一の個人によって、滅菌野を汚染する高いリスクなしに、トランスデューサ・プローブを覆うことは困難である場合がある。
【0005】
更に、使用中に、シースは通常開かれ、一定量の導電性ゲルが、プローブへの超音波エネルギーの変換を支援するようにシースの底部に配置される。シースの構成は長く狭いので、トランスデューサのヘッドに接触するシースの底部へのゲルの塗布は、シース若しくはトランスデューサ・プローブ本体の他の部分、及び/又はその取り付けられた信号ケーブルに沿って、ゲルが不利に再分配されることなく達成することが困難であり、この結果、トランスデューサ・プローブを覆うプロセスが更に複雑で面倒である。
【0006】
シースが手で開いて保持される必要があり、折り畳まれた部分がコンパクトではないので、使用者が超音波シースに関連する現在の折り畳み方法で、ゲルの塗布及びプローブの挿入のためにターゲット表面に、ターゲット表面がシースの内側の数インチの深さになるように、アクセスすることは困難である。滅菌されていないゲルを施術者の手に触れないように保ち、またゲルがプローブの他の部分及び信号ケーブルに広がることを回避することは困難な作業である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書で説明される実施形態と一致する超音波トランスデューサ・シースの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1の超音波トランスデューサ・シースの断面図である。
図3A図1及び図2の平面部分の例示的な実装の断面図を示す。
図3B図1及び図2の平面部分の例示的な実装の断面図を示す。
図3C図1及び図2の平面部分の例示的な実装の断面図を示す。
図3D図1及び図2の平面部分の例示的な実装の断面図を示す。
図4】潰れた構成又は包装された状態の構成におけるシース・アセンブリの斜視図である。
図5図4の展開機構の断面図である。
図6】展開された構成又は使用中の構成における図4のシース・アセンブリの側面図である。
図7A】アセンブリの様々な段階における本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの断面図を示す。
図7B】アセンブリの様々な段階における本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの断面図を示す。
図7C】アセンブリの様々な段階における本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの断面図を示す。
図7D】アセンブリの様々な段階における本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの断面図を示す。
図8】潰れた構成における図7A図7Dのシース・アセンブリの斜視図である。
図9】展開中の構成における図7A図7Dのシース・アセンブリの側面図である。
図10A】本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの別の実施形態の側面図を示す。
図10B】本明細書で説明される実装と一致するシース・アセンブリの別の実施形態の上面図を示す。
図11】展開された構成における図10A及び図10Bのシース・アセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面の同じ参照番号は、同じ又は類似の要素を識別する場合がある。また、以下の詳細な説明は本発明を限定しない。
【0009】
本明細書で説明される実装は、超音波トランスデューサのための滅菌カバーを提供するための保護シースに関する。本明細書で説明される一実装と一致して、シースは、超音波トランスデューサの周囲を覆うための略管状構成に形成された第1の部分と、第1の部分の開口端に配置された第2の部分とを含んでもよい。本明細書で説明されるように、第2の部分は、第1の部分とは異なる材料又は材料の組合せから形成されてもよい。一実施形態においては、第2の部分は、超音波トランスデューサの動作端と係合するように構成され、第2の部分の内側表面に設けられた接着層を有する材料から形成される。使用中に、接着層は、トランスデューサに接着して、シースとトランスデューサとの間に確実で一貫した結合と、それを通る超音波信号の鮮明でより効率的な伝送を促進する確実な音響結合との両方を提供し、シース内に結合ジェルを配置する必要性を排除する。
【0010】
図1及び図2はそれぞれ、本明細書で説明される実施形態と一致する、超音波トランスデューサ・シース100の第1の実施形態の斜視図及び断面図である。示されるように、シース100は、第1の管状部分105と、管状部分105の一端に配置された第2の平面部分110とを有する略管状又はスリーブ状の構成を含む。平面部分110から遠位の管状部分105の反対端は、使用中に超音波トランスデューサが受け取られる開口部115を形成する。
【0011】
本明細書で説明される実施形態と一致して、管状部分105は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリクロロプレン、等のような任意の適切な可撓性材料で形成されてもよい。一実装においては、管状部分105は、約0.25ミリメートル(mm)以下の厚さを有するポリエーテルポリウレタンで形成される。管状部分105とは対照的に、平面部分110は多層組成物で形成されてもよい。図3A図3Dは、平面部分110の例示的な実装の断面図を示す。
【0012】
図3Aに示されるように、平面部分110は、約0.025〜1.0mmの範囲の厚さを有するポリウレタン担体又は材料のような基板層120を含む。本明細書で説明される実施形態と一致して、平面部分110は、基板層120の一方の側面に塗布された親水性コーティング層122を更に含む。この構成においては、シース100の外側に親水性コーティング層122が設けられる。使用中に、超音波プローブにシースを適用する前に、音響結合ゲルが、基板層120の内側に塗布されてもよい。次に、親水性コーティング層122は、シース100と患者との間に必要な音響結合インターフェースを提供するために水又は生理食塩水のみを使用して活性化されてもよい。
【0013】
図3Bは、親水性コーティング層122と向かい側の基板層120の側面に塗布された第2の親水性コーティング層123を含む平面部分110の実施形態を示す。使用中に、親水性コーティング層122及び123はそれぞれ、トランスデューサとシース100と患者との間に必要な音響結合インターフェースを提供するために水又は生理食塩水のみを使用して活性化されてもよい。
【0014】
図3Cに示されるように、平面部分110は、基板層120及び接着層125を含む。一実施形態においては、接着層125は、約0.025〜0.2mmの範囲の厚さを有するシリコーンゲル接着コーティング層を含む。図3Cに示されるように、使用前に、平面部分110は、接着層125の粘着性を保護し、接着層125が使用前に管状部分105又は任意の他の要素(例えば、以下で説明されるシース展開構成要素)に接着することを防ぐために、接着層125に設けられる剥離層130(ライナーとも呼ばれる)を含む。一実施形態においては、剥離層130はポリカーボネート層を含む。
【0015】
図3Dは、平面部分110の代替の実施形態を示す。示されるように、基板層120及び接着層125に加えて、平面部分110は、接着層125と向かい側の基板層120に塗布される親水性コーティング層135を更に含んでもよい。この構成においては、接着層125は、シース100の内側に設けられ、一方、親水性コーティング135は、シース100の外側に設けられる。使用中に、親水性コーティング層135は、トランスデューサとシース100と患者との間に必要な音響結合インターフェースを提供するために水又は生理食塩水のみを使用して活性化されてもよい。
【0016】
本明細書で説明される実施形態と一致して、管状部分105は、様々な型又はタイプの超音波トランスデューサを収容するために、任意の適切な形状、サイズ、又は長さで形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、管状部分105は、実質的に矩形の構成で形成されてもよく、他の実施形態においては、管状部分105は、概して楕円形又は円形の構成で形成されてもよい。
【0017】
平面部分110は、製造後に統合シース100を提供するために、任意の適切な方法で管状部分105に統合又は接合されてもよい。例示的な一実施形態においては、平面部分110は、余分な部分を除去するために、熱衝撃シールを切断ワイヤと共に使用して接合される。切断ワイヤ及び発熱体は、熱又は密閉シールを作り出すために使用され、切断ワイヤは、特定の用途に応じて、様々な形状に設計されることができる。他の実施形態においては、平面部分110は、管状部分105に接着されてもよく、さもなければ化学的に結合されてもよい。
【0018】
本明細書で説明される実施形態と一致して、超音波シース100は、超音波トランスデューサにおけるシース100の一人での適用を容易にするための幾つかの展開機構と統合されてもよい。図4は、潰れた構成又は包装された状態の構成におけるシース100及び第1の展開機構410を含むシース・アセンブリ400の斜視図である。図5は、展開機構410の断面図であり、図6は、展開された構成又は使用中の構成におけるシース・アセンブリ400の側面図である。
【0019】
図4図6に示されるように、展開機構410は、概してリング形状のアプリケータ415と複数の弾性バンド420(図6に最も明確に示される)とを含む。リング形状のアプリケータ415は、剛性材料(プラスチック又はポリマーのような)で形成され、管状部分105の開口端115に固定される。一実装においては、リング形状のアプリケータ415は、開口端115内に強制的に除去されるまで摩擦で保持されるようにサイズ化される。図5に示されるように、リング形状のアプリケータ415は、本体部分425と、本体部分425から径方向外方に延伸し、シース100の展開を支援する円周リップ430とを含む。
【0020】
図4に示されるように、その展開前又は潰れた構成においては、シース100の管状部分105は、その長さに沿ってアコーディオン型に折り畳まれ、本体部分425の外側に保持されて、平面部分110は、円周リップ430から遠位の本体部分425の一部と実質的に同一平面にある。図6に示される弾性バンド420は、シース100の折り畳まれた管状部分105の外側の周りに、それがリング形状のアプリケータ415上に配置される際に引き伸ばされる。弾性バンド420は、シース100の閉鎖端(平面部分110)から開口端115までの間隔において配置され、アコーディオン型の折り畳み内に共に引き寄せられ、折り畳まれたシースをリング形状のアプリケータ415上に保持することを助ける。
【0021】
使用中に、剥離層130は、接着層125から除去されてもよく、トランスデューサ450(図6)は、リング形状のアプリケータ415の本体部分425の中に挿入され、平面部分110の露出された接着層125と接触させてもよい。そして、図6に示されるように、リング形状のアプリケータ415を保持し、リップ430をトランスデューサ450から引き離し、この結果、シース110の管状部分105をリング形状のアプリケータ415から展開させることによって、トランスデューサ450のシースで覆われた部分が平面部分110を通して把持され、シース100の開放端115がトランスデューサ450及びトランスデューサ信号ケーブル455の長さに沿って引っ張られる。
【0022】
シース110の管状部分105がトランスデューサ450上で展開すると、弾性バンド420は、トランスデューサ・ハンドル452および信号ケーブル455に1つずつ移送され、シース100をリング形状のアプリケータ415から解放し、シース100をトランスデューサ450/ケーブル455にその長さに沿ってぴったりと合うように固定する。幾つかの実施形態においては、最後の弾性バンド420がリング形状のアプリケータ415から移送された後であっても、シース100の開放端115からリング形状のアプリケータ415を強制的に除去することが必要である場合がある。
【0023】
シース100の全長が展開された場合には、アプリケータ415を破断部460(図4に示される)において曲げて離し、信号ケーブル455からアプリケータ415を引っ張ることによって、リング形状のアプリケータ415は、トランスデューサ信号ケーブル455から除去されてもよい。
【0024】
図7A図7Dは、アセンブリの様々な段階におけるシース100と第2の展開機構710とを含むシース・アセンブリ700の断面図を示す。図8は、潰れた構成のシース・アセンブリ700の斜視図であり、図9は、展開中の構成のシース・アセンブリ700の側面図である。
【0025】
図7Aに示されるように、シース・アセンブリ700を形成するために、シース100は、管状部分105の「外側」半分は実線で示され、一方、管状部分105の「内側」半分は破線で示される図7Aに破線で示されるように、平面部分110及び開口部115が互いに均一になるように最初にそれ自体内に同心に半分に折り畳まれる。このカバーを折り畳む方法は、非常に高速で簡単であり、潜在的なコスト削減及び大量生産のための優れた拡張性を提供する。展開を容易にするために、展開機構710は、図7Bに示されるように、折り畳み点720に配置された可撓性バンド又はリング715と、管状部分105の開口端115に固定されたプルタブ725とを含む。
【0026】
組立て中に、図7C図7D、及び図8に示されるように、折り畳まれたシース100は、シース100をコンパクトな状態に潰れるように可撓性バンド715の周りに巻かれてもよく、一方、平面部分110及びプルタブ725を使用者にアクセス可能にする。図面には描写されていないが、幾つかの実装においては、図7A図7Dの構成は、シース100をそれ自体の周りに巻くことによって、可撓性バンド715を使用することなく達成されてもよい。
【0027】
図9に示されるように、使用中に、使用者は、剥離層130を除去し、トランスデューサ750が接着層125と係合するように、シース・アセンブリ700を超音波トランスデューサ750上に配置する。そして、使用者はタブ725を引っ張り、シースをトランスデューサ750及び信号ケーブル755の長さに沿って広げる。展開後の取り外しを容易にするために、可撓性バンド715は、破断点又は穿孔を含んでもよく、破断点に加えられる力は、可撓性バンド715を、それが信号ケーブル755から除去されることを可能にするように開くのに充分であってもよい。
【0028】
図10A及び図10Bは、展開機構1010を含むシース・アセンブリ1000の側面図及び上面図をそれぞれ示す。図11は、展開された構成のシース・アセンブリ1000の側面図である。
【0029】
図10A及び10Bに示されるように、展開機構1010は、2つの開口端1020、1025、並びに互いに対向するように構成された二重壁1030及び1035を有する半剛性二重壁ポーチ1015を含む。組立て中に、シース100の管状部分105はアコーディオン型に折り畳まれ、シース100の開口端115は、ポーチ1015の二重壁1030/1035の間に固定される。使用中に、使用者は最初に剥離層130を除去し、トランスデューサ1050が接着層125と係合するようにトランスデューサ1050をポーチ1015の中に挿入する。図11に示されるように、使用者は、シース100の平面部分110を通してトランスデューサ1050を把持し、ポーチ1015を引っ張って、トランスデューサ1050及び信号ケーブル1055の長さに沿ってポーチ1015の底部の開口部125からシース100を分配する。
【0030】
本明細書で記載される実施形態と一致して、ポーチ1015は、厚紙若しくはプラスチック又は任意の他の適切な材料で形成されてもよく、角部1040/1045で把持された場合にスナップで開くように構成されてもよい。シース100は、ポーチ1015が使用前にシース100を保持/包囲又は含有するように、図10Aに示されるようにポーチ1015の内側に折り畳まれ、又は詰め込まれてもよい。
【0031】
ポーチ型の展開機構1010の利点は、それがそのサイズを最小化するようにカバーを折り畳むコスト効率の高い方法を使用することである。次に、このような実装は、シース100に保護支持体を提供し、これは、シース100の展開において有益であり、また、単一の使用者によって展開が行われる場合のシース100の取り扱いに有益である。その上、シース100は、シース100をその折り畳まれた構成に保持するのに充分に剛性であり、ユーザが取り扱い、使用することをより容易にする、ポーチ1015に折り畳まれてもよい。ポーチ型の展開機構1010はまた、例えば図10Aに示されるように、製造業者のロゴ又は使用情報が印刷されることができる印刷可能領域を提供する。
【0032】
例示的な実装の前述の説明は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は本明細書で説明される実施形態を開示される正確な形態に限定することが意図されない。変更及び変形は、上記の教示に照らして可能であり、又は実施形態の履行から取得されてもよい。
【0033】
本発明は上記で詳細に説明されたが、本発明の精神から逸脱することなく、本発明が変更されてもよいことは当業者には明らかであることが明白に理解される。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態、設計、又は配置の様々な変化が本発明になされてもよい。従って、上記の説明は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲で定義されるものである。
【0034】
本願の説明において使用される要素、行為、又は命令は、明示的にそのように説明されない限り、本発明にとって重要又は不可欠であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する際に、冠詞「a」は1つ以上の項目を含むことが意図される。更に、「に基づいて」という表現は、明示的に記載されない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図される。
【0035】
クレーム要素を変更するための請求項における「第1」、「第2」、「第3」のような順序用語の使用は、それ自体によって、あるクレーム要素の別のクレーム要素を超える順位、序列、又は順序、方法の行為が行われる時間的な順序、装置によって実行される命令が行われる時間的な順序、等を暗示しないが、特定の名前を有するあるクレーム要素を同じ名前を有する別の要素(しかし、順序用語の使用のため)と区別するためのラベルとして、クレーム要素を区別するために単に使用される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図11