【実施例】
【0088】
(実施例1)
【0089】
Rekovelle
Rekovelle(登録商標)は、WO2013/020996およびWO2009/127826Aに開示される方法によって操作されたPER.C6(登録商標)細胞株において発現された組換えFSHである。
【0090】
Rekovelle(登録商標)に対する販売承認取得者は、Ferring Pharmaceuticals A/S、Kay Fiskers Plads 11、2300 Copenhagen S、Denmarkであり、それは、英国においてFerring Pharmaceuticals、Drayton Hall、Church Road、West Drayton、UB7 7PS、UKから入手可能である。
【0091】
Rekovelle(登録商標)中の活性物質はフォリトロピンデルタ(FE999049)である。Rekovelleは高度にシアリル化されており、α2,3およびα2,6シアリル化を含み、総シアリル化の約85%〜90%がα2,3シアリル化であり、総シアリル化の約10%〜15%がα2,6シアリル化である。
【0092】
REKOVELLEは、注射用の透明でかつ無色の溶液(注射液)である。それは、1個のカートリッジおよび3個のペン型注射針のパックで入手可能である。各複数回投薬カートリッジは、0.36ミリリットルの溶液中に12マイクログラムのフォリトロピンデルタを含有する。1ミリリットルの溶液は、各ミリリットルの溶液中に33.3マイクログラムのフォリトロピンデルタを含有する。他の成分は、フェノール、ポリソルベート20、L−メチオニン、硫酸ナトリウム十水和物、第二リン酸ナトリウム・12水和物、濃リン酸、水酸化ナトリウム、および注射用水である。
(実施例2)
【0093】
フォリトロピンデルタを用いた調節卵巣刺激を受けている日本人IVF/ICSI患者における、無作為化、評価者盲検、(AMH)階層化、用量応答試験
IVF/ICSI患者における、無作為化、調節、評価者盲検、並行群対照、多施設の第2相抗ミュラー管ホルモン(AMH)階層化試験が、FE999049と回収される卵母細胞の数との用量応答関係性を判定する目的で、日本において行われた。無作為化は、スクリーニング時のAMHレベルに従って階層化された;低AMH(5.0〜14.9pmol/L)または高AMH(15.0〜44.9pmol/L)。
【0094】
20〜39歳(平均年齢33.7歳)の158人の患者が、フォリトロピンデルタであるFE999049(Ferring Pharmaceuticals)の3つの用量レベルを用いたCOSを受けた。FE999049の用量は、6μg/日、9μg/日、および12μg/日であり、認可されたrFSH生成物の標準療法(FOLLISTIM、MSD、150IU/日)も対照として含まれた。現在のところ、フォリトロピンベータ(FOLLISTIM)は、IVF/ICSIサイクルにおける調節卵巣刺激のための日本において認可された唯一の医療製品である。
【0095】
患者を、6μg/日、9μg/日、および12μg/日のFE999049(n=117)または150IUのフォリトロピンベータ(n=41)の固定用量に無作為化した。無作為化は、AMHレベル[低AMH=5.0〜14.9pmol/L;高AMH=15.0〜44.9pmol/L;Elecsys(登録商標)AMH、Roche Diagnostics]に従って階層化された。ゴナドトロピンは、月経周期の2〜3日目に開始された。ガンレリクス(Ganrelix)0.25mg/日を、刺激の6日目から添加し、最終卵胞成熟の誘引を、直径≧17mmを有する≧3個の卵胞が観察された当日に行った。OHSSをGolan分類を用いて評価した。
【0096】
1日用量は刺激期間を通じて固定された。回収される卵母細胞の数に対するFE999049についての統計的に有意な用量応答関係性が、集団全体に対しておよび各AMH無作為化階層に対して観察された。許容される妊娠率が、全FE999049用量に関して達成された。
【0097】
患者はこの試験では体重によって投薬されず、患者は6μg/日を下回る用量のFE999049を受けなかった。この試験における患者は、治療前に、AMHおよび体重の組み合わせによって同定されなかった。
(実施例3)
【0098】
第II相試験の回顧分析
多くのアジア諸国(例えば、日本、中国、韓国、およびインド)において、多くの女性は、米国および西欧における女性と比較して低い体重を有する。それゆえ、欧州における一般的集団に適した固定用量をアジア人/日本人患者に投与することは、低体重の患者が、用量/kg体重の観点から高い用量のFSHを受けることにつながり得る危険性がある。これは今度は、これらの患者における過剰応答およびOHSSの危険性につながり得る。伝統的な「固定用量」FSHプロトコールは、日本の調査における報告されるいくらか高いOHSS率の要因であり得る。
【0099】
患者は体重によって投薬されるため、上記の表Aに示された用量プロトコールは、この危険性を軽減するのをいくらか助ける。しかしながら、非常に低用量のゴナドトロピンは、不十分な卵胞誘導および卵巣応答の不良と潜在的に関連している。それゆえ、表Aのプロトコールに従った投薬は、高AMHを有する非常に軽量な患者が、有効性の視点から準最適であり得る用量のFSHを受けることにつながり得る危険性がある。それゆえ、これらの患者(彼らは高AMHおよび低体重を有するため、この危険性に陥る傾向がより高くあり得る)における過剰刺激およびOHSSの危険性を低下させると同時に、高AMHを有するより軽量な患者(重量<60kg)の効果的な投薬の必要性がある。
【0100】
日本の第2相試験において全体として、6μgのFE999049用量に関して安全性懸念はなかった。体重<60kgを有する、日本の第2相試験における患者の安全性プロファイルが回顧的に検討されている。6μgのFE999049群における観察結果に対する背景として、FOLLISTIMを用いた参照療法群からのデータも呈示される。表1は、卵巣応答に関連した安全性パラメーターを呈示している。
【0101】
【表2】
【0102】
体重<60kgを有する患者の間で、早期OHSSを有する患者の総数は、6μgのFE999049群において4人(13.8%)および150IUのFOLLISTIM群において8人(24.2%)であった。中程度/重度の早期OHSSは、6μgのFE999049および150IUのFOLLISTIM群において、それぞれ3人(10.3%)の患者および7人(21.2%)の患者に対して報告された。さらに、8〜14個の卵母細胞という適当な応答を上回る卵母細胞産出量は、150IUのFOLLISTIM群における7人(21.2%)の患者とは対照的に、6μgのFE999049群において1人(3.4%)の患者のみに観察された。GnRHアゴニスト誘引が要求される程度までの過度の卵胞発育は、6μgのFE999049群においてどの患者にも観察されなかったが、150IUのFOLLISTIM群において1人の患者に対して生じた。ゆえに、<60kgの重さがある患者における卵巣応答安全性プロファイルは、150IUのFOLLISTIMと比較して、6μgのFE999049に関して改善されるように見える。
【0103】
表1は、AMHレベルとは無関係に、体重<60kgを有する全患者を網羅している。AMH<15pmol/Lを有する全患者は、12μgのFE999049を受けるであろう。それゆえ、患者が<6μgの算出用量を有し得るが6μgを受けるであろう状況は、AMH≧15pmol/Lを有する患者に対してのみ当てはまる。体重<60kgおよびAMH≧15pmol/Lを有した、日本の第2相試験における患者に関するデータが、表2に提示されている。
【0104】
【表3】
【0105】
体重<60kgおよびAMH≧15pmol/Lを有する患者の間で、早期OHSSを有する患者の総数は、6μgのFE999049群において4人(22.2%)および150IUのFOLLISTIM群において7人(31.8%)であった。中程度/重度のOHSSは、早期OHSS症例の間で最もよく見られる重症度であり、6μgのFE999049群において3人(16.7%)の患者および150IUのFOLLISTIM群において6人(27.3%)の患者に対して報告された。6μgのFE999049群において1人(5.6%)の患者のみが15〜19個の卵母細胞を回収されたものの、これは150IUのFOLLISTIM群において4人(18.2%)の患者の症例であり、加えて2人(9.1%)の患者が≧20個の卵母細胞を有した。過度の卵胞発育に起因したGnRHアゴニストによる誘引は、6μgのFE999049群において必要とされなかったが、150IUのFOLLISTIM群において1人の患者に対して必要とされた。ゆえに、<60kgの重さがありかつAMH≧15pmol/Lを有する患者における6μgのFE999049を用いた調節卵巣刺激は、150IUのFOLLISTIMを用いた調節卵巣刺激よりも、早期OHSSのより低い危険性および過度の卵巣応答のより低い危険性を伴った。
【0106】
体重<60kgを有する患者における有害事象プロファイルに関して、調節卵巣刺激に用いられた薬物に関係していると治験責任医師によって判断された有害事象の頻度は、6μgのFE999049群において20.7%および150IUのFOLLISTIM群において33.3%であった。体重<60kgおよびAMH≧15pmol/Lを有する患者の間で、関係する有害事象の頻度は、6μgのFE999049群において27.8%および150IUのFOLLISTIM群において36.4%であった。
【0107】
有効性の視点から、体重<60kgを有する患者における移植を有するサイクルあたりの臨床妊娠率は、6μgのFE999049群において40.0%および標準療法群において21.7%であった。体重<60kgおよびAMH≧15pmol/Lを有する患者に関して、移植を有するサイクルあたりの臨床妊娠率は、6μgのFE999049および標準療法群において、それぞれ38.5%および20.0%であった。
【0108】
最後に、Ferringは、AMHおよび体重に基づき、個別化FE999049投薬レジメン(上記の表A)に従って<6μgのFE999049を受けているであろうが、この試験では無作為化どおりに6μgのFE999049または150IUのFOLLISTIMのいずれかを受けた、日本の第2相試験における患者を同定した。これは、患者のごく限られた数のみであった(6μgのFE999049群における5人の患者、および150IUのFOLLISTIM群における3人の患者)が、卵巣応答安全性データは、以前に提示されたものと合致した。15個の卵母細胞またはそれを上回る数の卵巣応答は、6μgのFE999049群における5人の患者のいずれにおいても観察されなかったが、150IUのFOLLISTIM群における3人中2人の患者(66.7%)において観察された。GnRHアゴニストによる誘引を要求する過度の卵胞発育は、6μgのFE999049群における5人の患者のいずれにおいても観察されなかったが、150IUのFOLLISTIM群における3人中1人の患者(33.3%)において観察された。早期OHSSは、6μgのFE999049群における5人中1人の患者(20.0%)に対して、および150IUのFOLLISTIM群における3人中1人の患者(33.3%)に対して報告された。
【0109】
言い換えれば、本出願人らは、低体重を有する日本人患者の過少量投薬を回避することを意図して、日本人集団におけるより低い体重を説明する6μgという最小用量を特定し、それによってこれらの患者における有効性を維持し、同時にOHSSなどの副作用を回避することが可能であることを驚くべきことに見い出した。
【0110】
この用量の適当性を支持する日本の第2相試験における6μgのFE999049に関する安全性および有効性データに加えて、日本の第2相試験から推定されている用量応答モデルを用いたシミュレーションが行われている。これらのシミュレーションの目的は、<6μgであるとされた用量を用いた投薬レジメンと比較した、最低用量として6μgを用いた提案される投薬レジメンに関する卵母細胞の数の予想される差を査定することである。日本の第2相試験における全158人の無作為化された患者の体重およびAMHレベルに基づき、18人(11%)は、<6μgの算出用量の代わりに、提案される投薬レジメンを用いて6μgの用量を受けたであろう。これらの患者のすべては、試験における全患者の体重およびAMHを提示している
図1に示されるように、52kgを下回る体重および26pmol/Lを超えるAMHを有した。
図1は、図の右下に小さなひし形(四角ではなく)を有するこれら18人の患者を示している。
【0111】
<6μgの算出用量を有する18人の患者において、平均算出用量は5.33μgであり、ゆえに提案される投薬レジメンは、最小値を有しないレジメンと比較して、13%高い平均用量に達する(5.33μgの代わりに6.0μgの平均用量)。
【0112】
卵巣応答は、最小用量として6μgを遂行することによって有益に影響されると予想される。表3に示されるように、<6μgの算出用量を有する患者において、より多くの患者が、6μgが最小用量である提案される投薬レジメンを用いて、回収される8〜14個の卵母細胞という目標を達成すると期待される(最小用量を有しないレジメンを用いた44.8%に対して、患者の48.0%)。
【0113】
【表4】
【0114】
ゆえに、日本の第2相試験からの観察されたデータに加えて、提案される投薬レジメンを用いた卵巣応答のモデル予測は、6μgという最小用量の適当性をさらに支持する。
【0115】
結論として、最小用量としての6μgの遂行を含めた、提案されるFE999049投薬レジメンは、安全でかつ有効であり、日本における第3相試験に対してこれを提案しているところである。<6μgの算出用量を有する日本人患者に関する第3相データは、PMDA審査の目的で特異的に分析されて、これらの患者における6μgのFE999049の有効性および安全性を支持するであろう。
(実施例10)
【0116】
日本における第3相臨床試験
方法論
これは、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストプロトコール後にIVF/ICSIのための調節卵巣刺激を受けている20〜40歳の最初のサイクルの日本人患者において用いられる場合の、その個別化投薬レジメンにおけるFE999049の有効性および安全性を評価する、無作為化、評価者盲検、調節、並行群対照、多施設試験である。試験は、回収される卵母細胞の数に関して、日本において認可されたrFSH生成物、すなわちFOLLISTIMに対するFE999049の非劣性を実証するように設計されている。
【0117】
対象は、組み入れ基準および除外基準を順守して、刺激の開始の60日以内前にスクリーニングされる。月経周期の2〜3日目に、対象は、FE999049またはFOLLISTIMを用いた調節卵巣刺激に1:1比で無作為化される。無作為化は、施設によっておよびスクリーニング時のAMHレベルに従って階層化される(<15pmol/Lおよび≧15pmol/L)。
【0118】
FE999049に無作為化された対象は、スクリーニング時の彼らのAMHレベルおよび刺激の開始時の彼らの体重に基づいて彼らの個々のFE999049用量を決定される(下記を参照されたい)。FE999049の1日用量は、刺激期間を通じて固定される。AMH<15pmol/Lを有する対象に関して、FE999049の1日用量は、体重に関係なく12μgである。AMH≧15pmol/Lを有する対象に関して、FE999049の1日用量は、0.19〜0.10μg/kgに及ぶ連続的段階にあり、すなわち実際のAMHおよび体重に依存する。これは下記の表に示されている。FE999049の最小許容1日用量は6μgであり、FE999049の最大許容1日用量は12μgである。対象は、最大20日間FE999049を用いて治療され得、延期すること(coasting)は許されない。
【0119】
FOLLISTIMに無作為化された対象に関して、投薬レジメンは表示の範囲内である(下記を参照されたい)。FOLLISTIMの開始用量は150IUであり、刺激の最初の5日間固定され、その後それは個々の応答に基づいて75IU調整され得る。FOLLISTIMの最大許容1日用量は375IUである。対象は、最大20日間FOLLISTIMを用いて治療され得、延期することは許されない。
【0120】
刺激の間、対象は、刺激1日目および6日目に、ならびにこの後少なくとも1日おきに経膣超音波によってモニターされる。≧15mmの3個の卵胞が観察された場合、来院は毎日実施されなければならない。早発黄体形成ホルモン(LH)サージを防ぐために、GnRHアンタゴニストが刺激6日目に0.25mgの1日用量で開始され、刺激期間を通じて継続される。最終卵胞成熟の誘引は、直径≧17mmを有する≧3個の卵胞が観察された当日に、5,000IUの尿ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を用いて行われる。直径≧12mmを有する≧25個の卵胞として規定される過度の卵胞発育の場合、サイクルはキャンセルされるべきである(注記:直径≧12mmを有する≧25〜35個の卵胞の場合、GnRHアゴニストが最終卵胞成熟の誘引として投与され得る)。直径≧17mmを有する≧3個の卵胞が20日目までに到達され得ないという治験責任医師の判断として規定される卵胞発育不良の場合、サイクルはキャンセルされるべきである。
【0121】
卵母細胞回収は、最終卵胞成熟の誘引の36時間(±2時間)後に行われ、卵母細胞は、IVFまたはICSIによって授精され得る。受精および胚発生は、卵母細胞回収から移植の日まで評価される。使用可能な最高品質の1個の胚盤胞が卵母細胞回収後5日目に移植され、一方で残りの胚盤胞は凍結保存され得る。GnRHアゴニストによる最終卵胞成熟の誘引を受けた対象に関して、移植は行われず、その代わりに胚盤胞は5日目に凍結保存され得る。凍結保存されたすべての胚盤胞は、日本産婦人科学会(JSOG)による宣言に従って、試験の完了後に対象によって用いられ得る。
【0122】
卵母細胞回収の翌日から臨床妊娠来院の日までの黄体期支援のために、1日3回のプロゲステロン膣錠(ルティナス(LUTINUS)、Ferring Pharmaceuticals)100mgが提供される。黄体期支援は、移植を受ける予定である対象にのみ提供され、移植なしまたは陰性のβhCGテストの場合には早期に終結され得る。βhCGテストは移植の13〜15日後に実施され、その後に移植の5〜6週間後の経膣超音波が続いて、臨床妊娠および生命妊娠(vital pregnancy)を評価する。
【0123】
内分泌プロファイルならびに臨床化学および血液学パラメーターを査定する目的で、試験の間に血液サンプルが収集される。内分泌パラメーターは、スクリーニング時、刺激1日目、刺激6日目、および刺激の終了時に測定される。臨床化学および血液学パラメーターは、スクリーニング時、刺激の終了時、および試験の終了時に評価される。皮下投与後のFE999049の局所忍容性は、1日3回:注射の直後、30分後、および24時間後に対象によって評価される。注射部位反応の評価は、刺激期間を通じて行われ、対象によって日記に記録される。
【0124】
試験の手順および/または評価が日曜日、祝日、または診療所の営業時間外に実施される予定である場合、手順および/または評価は、次回の平日(もともとの来院スケジュールの最大1日後)に先延ばしにされ得るまたは適当な場合にはキャンセルされ得る。
【0125】
義務的な追跡調査として、生命妊娠を有する対象に関して、妊娠の進行および転帰データが集められる。データは、進行中の妊娠(移植後10〜11週間)および妊娠転帰、ならびに出生時および出生後4週間の時点での新生児の健康状態に関して収集される。妊娠追跡調査は、いかなる介入も含まず、データ収集のみを含む。妊娠追跡調査データは、対象の婦人科医/産科医および対象の母子健康手帳(Maternal and Child Health Handbook)から得られる報告に基づく。データは、対象の婦人科医/産科医、対象自身、または該当する場合には他の情報源のいずれかにより、試験現場によって回収される。Ferringは、試験の主要部分(すなわち、最高で臨床妊娠来院まで)の完了後にJ−NDAを提出し、その時点で入手可能な妊娠追跡調査データをJ−NDAに含めるつもりである。妊娠追跡調査データは、完了後に提出され得る。
【0126】
対象の数
およそ328人の対象が、FE999049およびFOLLISTIMに1:1比で無作為化される。
【0127】
組み入れ/除外のための基準
彼女たちの最初のIVF/ICSIサイクルを受けており、かつ卵管性不妊症、原因不明の不妊症、子宮内膜症ステージI/IIに関連した不妊症を有すると診断された、または男性要因不妊症を有すると診断されたパートナーを有する、IVFおよび/またはICSI治療を受ける適格性がある女性が、この試験に含まれる。対象は、17.5〜32.0kg/m2の肥満度指数(BMI)を有する20〜40歳である。
【0128】
子宮内膜症ステージIII/IV、反復流産の病歴、またはゴナドトロピンを用いた調節卵巣刺激の禁忌を有する女性は、この試験への参加から除外される。
【0129】
組み入れ基準および除外基準の完全なリストが下で提供される。
【0130】
組み入れ基準
1.インフォームドコンセント文書が、任意の試験関連手順の前に署名された。
2.良好な身体的および精神的な健康状態にある。
3.20〜40歳の日本人女性。対象は、彼女たちがインフォームドコンセント文書に署名する時に少なくとも20歳(20回目の誕生日を含む)でなければならず、無作為化の時点で40歳を上回っていない(最高で41回目の誕生日の前日まで)。
4.男性パートナーからの射精された精子を用いた体外受精(IVF)および/または卵細胞質内精子注入(ICSI)治療を受ける適格性がある、卵管性不妊症、原因不明の不妊症、子宮内膜症ステージI/II(改訂された米国生殖医学会議(ASRM)分類によって定義される)を有すると診断された、または男性要因不妊症を有すると診断されたパートナーを有する不妊症女性。
5.無作為化前の少なくとも1年間の間の不妊症(卵管性不妊症または重度の男性要因不妊症の場合には適用されない)。
6.試験サイクルは、IVF/ICSIのための対象の最初の調節卵巣刺激サイクルである。
7.排卵性であると推測される24〜35日間(両方を含む)の定期的な月経周期。
8.スクリーニングの1年以内前の、予想される正常機能と一致した子宮を立証する子宮卵管造影、子宮鏡検査、生理食塩水注入ソノグラフィー、または経膣超音波(例えば、直径3cmよりも大きな粘膜下または壁内筋腫として定義される臨床的に妨害する子宮筋腫の証拠がない、ポリープがない、および妊娠の機会の低下と関連する先天性の構造異常がない)。これは、上記の医学的病状のいずれかを有すると診断されているが、スクリーニングの1年以内前にそれらを外科的に矯正している女性も含む。
9.スクリーニングの1年以内前に、重要な異常の証拠がない(例えば、3cmよりも大きな子宮内膜腫がない、またはゴナドトロピンの使用に禁忌を示すと考えられる肥大した卵巣がない)両方の卵巣、ならびに重要な異常の証拠がない(例えば、卵管留水腫がない)ファロピウス管および周辺組織、の存在を立証する経膣超音波ならびに十分な可視化。両方の卵巣は、卵母細胞回収に使用可能でなければならない。
10.1〜15IU/LのFSHの卵胞期初期(周期2〜4日目)の血清レベル(スクリーニングの3ヶ月以内前に得られた結果)。
11.スクリーニングの1年以内前に、陰性の血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体テスト。
12.スクリーニング時に、17.5〜32.0kg/m2(両方を含む)の肥満度指数(BMI)。
13.1個の胚盤胞の移植を受け入れる意思がある。
【0131】
除外基準
1.既知の子宮内膜症ステージIII〜IV(改訂されたASRM分類によって定義される)。
2.刺激1日目の刺激の開始前に、経膣超音波で観察される>10mm(嚢胞を含む)の1個または複数の卵胞(無作為化の前に嚢胞の穿刺が許される)。
3.反復流産(妊娠(異所性妊娠を除く)の超音波確認後かつ妊娠の24週目前の3回連続した喪失として定義される)の既知の病歴。
4.対象または彼女のパートナーの既知の異常な核型。精子生成が重度に損なわれている場合(濃度<100万個/mL)、Y染色体微小欠失がないことを含めた正常な核型が立証されなければならない。
5.活発な動脈もしくは静脈血栓塞栓症、または重度の血栓性静脈炎、あるいはこれらの事象の病歴。
6.既知のポルフィリン症。
7.任意の既知の臨床的に重要な全身性疾患(例えば、インスリン依存性糖尿病)。
8.既知の遺伝性または後天性の血栓性疾患。
9.制御された甲状腺機能疾患を例外として、試験への参加を危うくし得る任意の既知の内分泌または代謝異常(下垂体、副腎、膵臓、肝臓、または腎臓)。
10.抗FSH抗体の既知の存在(対象の医療記録において入手可能な情報に基づく)。
11.ゴナドトロピンの使用に禁忌を示すと考えられる、卵巣、乳房、子宮、副腎、下垂体、または視床下部の既知の腫瘍。
12.治験責任医師によって臨床的に関連すると判断される、スクリーニング時の臨床化学、血液学、またはバイタルサインの任意の異常な所見。
13.腎機能または肝機能の既知の中程度または重度の障害。
14.現時点での授乳。
15.診断未確定の膣出血。
16.スクリーニングの3年以内前に観察された臨床的に重要な既知の異常な子宮頸部細胞診(臨床的重要性が解決されている場合を除く)。
17.ゴナドトロピン刺激を不可能にする、スクリーニング時の検査室分析からの所見。
18.ゴナドトロピン刺激を不可能にする、スクリーニング時の婦人科検診での所見。
19.妊娠の機会の低下と関連する、スクリーニング時の婦人科検診での所見、例えば先天性子宮異常または子宮内器具の保持。
20.妊娠(スクリーニング時および無作為化前に陰性の尿妊娠テストによって確認されなければならない)または妊娠の禁忌。
21.既知の現時点で活発な骨盤内炎症性疾患。
22.デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、メトホルミン、および経口避妊薬、プロゲストゲン、またはエストロゲン調製物を用いた周期プログラム化を含めた、スクリーニング前の最後の月経周期中のホルモン調製物(甲状腺薬剤を除く)または受胎修飾薬の使用。
23.化学療法(妊娠性病状を除く)または放射線療法の既知の経歴。
24.アルコールもしくは薬物の現時点もしくは過去(無作為化の1年前)の乱用、および/または1週間あたり14単位を上回るアルコールの現時点(先月)の摂取。
25.1日あたり10本を上回るタバコの現時点または過去(無作為化の3ヶ月前)の喫煙習慣。
26.試験において用いられる医療製品中の任意の薬物物質または賦形剤への過敏症。
27.GnRHまたは任意のGnRH類似体/誘導体中の任意の薬物物質または賦形剤への過敏症。
28.試験への以前の参加。
29.追跡調査期間を含めた、別の試験への現時点での参加。
30.スクリーニング前の過去3ヶ月の間の任意の非登録治験薬の使用。
【0132】
月経周期の2〜3日目に、対象は、FE999049またはFOLLISTIMのいずれかを用いた治療に1:1比で無作為化され、調節卵巣刺激が開始される。
【0133】
FE999049投薬レジメン
FE999049に無作為化された対象は、スクリーニング時の彼らのAMHレベルおよび無作為化時の彼らの体重に基づいて彼らの個々の用量を決定される。AMH<15pmol/Lを有する対象に関して、FE999049の1日用量は、体重に関係なく12μgである。AMH≧15pmol/Lを有する対象に関して、FE999049の1日用量は、0.19〜0.10μg/kgに及ぶ連続的段階にあり、すなわち実際のAMHおよび体重に依存する。
【0134】
FE999049の1日用量は、刺激期間を通じて固定される。FE999049の最小許容1日用量は6μgである。FE999049の最大許容1日用量は12μgである。投薬は、最終卵胞成熟の誘引の基準が満たされるまで継続される。対象は、最大20日間FE999049を用いて治療され得る。延期することは許されない。
【0135】
完全なFE999049投薬レジメンは、以下の表に詳細に一覧にされている。
【0136】
【表5】
【0137】
FE999049調製物は、腹部に1日1回の皮下注射として投与される。投薬は、2回の注射に分けられてはいけない。局所注射部位反応を最小限に抑えるために、注射部位を定期的に変えることが賢明である。
【0138】
最初のFE999049注射は診療所で行われ、試験医薬代表者によってまたは試験医薬代表者による監視下で対象によって実施される。後続の注射は、自宅でまたは診療所で行われ得る。試験医薬代表者は、FE999049を投与する方法についての指示を対象に与える。
【0139】
FE999049用量の算出、およびFE999049プレフィルドペンへの用量の設定
対象の血清AMH濃度は、スクリーニング時に採取された血液サンプルから入手可能であり、Roche Diagnostics製のElecsys(登録商標)AMHアッセイを用いて中央検査室によって分析される。AMH濃度は、中央検査室からeCRFに直接提供される。対象の体重は、較正された体重計を用いて無作為化時に測定され、靴およびオーバーコートなしで実施される。体重結果はeCRFに入力される。FE999049投薬アルゴリズムはeCRFにおいてプログラム化されており、それにより対象のAMHおよび体重に基づくFE999049用量が算出される。
【0140】
FE999049プレフィルド注射ペンは、FE999049の皮下投与を意図したものである。それは、液体FE999049薬品を含有する一体化した非交換式の3mLカートリッジを有する非無菌針に基づく使い捨て器具である。各カートリッジは複数回用量を保ち、そのサイズは使用者によって調整可能である。0.33μgきざみで0.33μg〜20.0μgの用量を設定することが可能である。FE999049プレフィルド注射ペンは、0〜20μgの番号を付された投薬目盛を有する。各数字は2本の線によって分離され、各線は0.33μgを表す。プレフィルド注射ペンは、四捨五入して0.33μgまでの概数にされる用量を送達するように設定され得る。算出用量が8.25μg(0.11μg/kg
*75.0kg)であり、次いでそれは8.33μgに、すなわち8μg+ペン上の1本の線に四捨五入される、35pmol/LのAMHレベルを有して75.0kgの重さがある対象についてのこの例にあるように、算出用量の四捨五入が必要とされ得る。eCRFは、プレフィルド注射ペン上の数字および線に合う出力で算出用量を提供する、すなわち対象の算出用量を提供する前に、任意の四捨五入が自動的に行われる。
【0141】
試験医薬代表者は、プレフィルド注射ペンの正しい使用の教育を受けかつ訓練され、それにより正しい指示が対象に提供され得る。
【0142】
5.1.2 FOLLISTIM投薬レジメン
FOLLISTIMに無作為化された対象に関して、投薬レジメンは表示の範囲内である。FOLLISTIMの開始用量は150IUであり、刺激の最初の5日間固定され、その後それは個々の応答に基づいて75IU調整され得る。FOLLISTIMの最大許容1日用量は375IUである。投薬は、最終卵胞成熟の誘引の基準が満たされるまで継続される。対象は、最大20日間FOLLISTIMを用いて治療され得る。延期することは許されない。FOLLISTIM投薬レジメンは、以下の表に詳細に示されている。
【0143】
【表6】
【0144】
参考文献