特許第6856822号(P6856822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6856822OFDM信号の送信方法及び送信装置と、OFDM信号の受信方法及び受信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856822
(24)【登録日】2021年3月22日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】OFDM信号の送信方法及び送信装置と、OFDM信号の受信方法及び受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   H04L27/26 310
   H04L27/26 410
【請求項の数】20
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2020-540448(P2020-540448)
(86)(22)【出願日】2018年12月4日
(65)【公表番号】特表2021-507648(P2021-507648A)
(43)【公表日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】KR2018015249
(87)【国際公開番号】WO2019146902
(87)【国際公開日】20190801
【審査請求日】2020年7月21日
(31)【優先権主張番号】62/621,058
(32)【優先日】2018年1月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/629,714
(32)【優先日】2018年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2018-0039089
(32)【優先日】2018年4月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0079450
(32)【優先日】2018年7月9日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソクヒョン
(72)【発明者】
【氏名】コ ヒョンソ
(72)【発明者】
【氏名】キム キチョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ピョンフン
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンワン
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 Qualcomm Incorporated,Remaining details on synchronization signal design[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1-1800846,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800846.zip>,2018年 1月13日
【文献】 Spreadtrum Communications,Remaining issues on OFDM signal generation[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1-1800284,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800284.zip>,2018年 1月12日
【文献】 LG Electronics,Remaining Details on Synchronization signal[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1-1800349,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800349.zip>,2018年 1月13日
【文献】 Huawei, HiSilicon,Remaining issues on bandwidth part and wideband operation[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1- 1800018,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800018.zip>,2018年 1月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて送信装置が直交周波数分割多重化(OFDM)信号を送信する方法において、
前記送信装置のデジタルモジュールが、搬送波周波数fと第1周波数fbaseとの間の差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行うことにより、周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を生成するステップであって、前記第1周波数fbaseは、128△fの整数倍に該当する周波数のうち、前記搬送波周波数fに最も近いものであり、△fはOFDM副搬送波間隔である、ステップと、
前記送信装置のアナログオシレーターが、前記周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を前記第1周波数fbaseだけアップ・コンバートして、前記搬送波周波数fにおけるOFDMシンボル信号を生成するステップと、
前記送信装置の送信機が、前記搬送波周波数fにおける前記OFDMシンボル信号を送信するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記デジタルモジュールは、前記第1信号に逆高速フーリエ変換(IFFT)を実行するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記fとfbaseとの間の差だけ前記第1信号の前記周波数アップ−シフトを行うことは、前記IFFTへの入力である前記第1信号に対するリソースマッピングをNfracだけアップ−シフトすることを含み、Nfracは、f−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含み、
前記fとfbaseとの間の差だけ前記第1信号の前記周波数アップ−シフトを行うことは、前記デジタルオシレーターにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記OFDMシンボル信号を送信するステップの前に、前記デジタルオシレーターが、前記OFDMシンボル信号の循環前置の端部において前記OFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットするステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムにおいて受信装置が直交周波数分割多重化(OFDM)信号を受信する方法において、
搬送波周波数fにおいてOFDMシンボル信号を受信するステップと、
前記受信装置のアナログオシレーターが、前記OFDMシンボル信号を第1周波数fbaseだけダウン・コンバートして、ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号を生成するステップと、
前記受信装置のデジタルモジュールが、前記搬送波周波数fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを行うことにより、OFDM基底帯域信号を生成するステップと、を含み、
前記第1周波数fbaseは、128△fの整数倍に該当する周波数のうち、前記搬送波周波数fに最も近いものであり、△fはOFDM副搬送波間隔である、方法。
【請求項7】
前記デジタルモジュールは、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に高速フーリエ変換(FFT)を実行するように構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の前記周波数ダウン−シフトを行うことは、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に対する前記FFTからのリソースデマッピングをNfracだけダウン−シフトすることを含み、Nfracはf−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含み、
前記fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の前記周波数ダウン−シフトを行うことは、前記デジタルオシレーターにより行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記デジタルオシレーターが、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の循環前置の端部において前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットするステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システムにおいて直交周波数分割多重化(OFDM)信号を送信するための送信装置において、
デジタルモジュールと、
アナログオシレーターと、
少なくとも1つのアンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結される少なくとも1つのコンピューターメモリと、を含み、
前記少なくとも1つのコンピューターメモリは、実行時に前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記デジタルモジュールが、搬送波周波数fと第1周波数fbaseとの間の差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行うことにより周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を生成し、前記第1周波数fbaseは、128△fの整数倍に該当する周波数のうち、前記搬送波周波数fに最も近いものであり、△fはOFDM副搬送波間隔であり、
前記アナログオシレーターが、前記周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を前記第1周波数fbaseだけアップ・コンバートして、前記搬送波周波数fにおいてOFDMシンボル信号を生成し、
前記少なくとも1つのアンテナを使用して、前記搬送波周波数fにおいて前記OFDMシンボル信号を送信することを含む動作を実行させる指示を格納する、送信装置。
【請求項12】
前記デジタルモジュールは、前記第1信号に逆高速フーリエ変換(IFFT)を実行するように構成される、請求項11に記載の送信装置。
【請求項13】
前記fとfbaseとの間の差だけ前記第1信号の前記周波数アップ−シフトを行うことは、前記IFFTへの入力である前記第1信号に対するリソースマッピングをNfracだけアップ−シフトすることを含み、Nfracはf−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である、請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含み、
前記fとfbaseとの間の差だけ前記第1信号の前記周波数アップ−シフトを行うことは、前記デジタルオシレーターにより行われる、請求項11に記載の送信装置。
【請求項15】
前記動作は、前記OFDMシンボル信号を送信する前に、前記デジタルオシレーターが、前記OFDMシンボル信号の循環前置の端部において前記OFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットすることをさらに含む、請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
無線通信システムにおいて直交周波数分割多重化(OFDM)信号を受信するための受信装置において、
少なくとも1つのアンテナと、
アナログオシレーターと、
デジタルモジュールと、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結される少なくとも1つのコンピューターメモリと、を含み、
前記少なくとも1つのコンピューターメモリは、実行時に前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記少なくとも1つのアンテナを使用して、搬送波周波数fにおいてOFDMシンボル信号を受信し、
前記アナログオシレーターが、前記OFDMシンボル信号を第1周波数fbaseだけダウン・コンバートして、ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号を生成し、
前記デジタルモジュールが、前記搬送波周波数fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを行うことにより、OFDM基底帯域信号を生成することを含む動作を実行させる指示を格納し、
前記第1周波数fbaseは、128△fの整数倍に該当する周波数のうち、前記搬送波周波数fに最も近いものであり、△fはOFDM副搬送波間隔である、受信装置。
【請求項17】
前記デジタルモジュールは、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に高速フーリエ変換(FFT)を実行するように構成される、請求項16に記載の受信装置。
【請求項18】
前記fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の前記周波数ダウン−シフトを行うことは、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に対する前記FFTからのリソースデマッピングをNfracだけダウン−シフトすることを含み、Nfracはf−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である、請求項17に記載の受信装置。
【請求項19】
前記デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含み、
前記fとfbaseとの間の差だけ前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の前記周波数ダウン−シフトを行うことは、前記デジタルオシレーターにより行われる、請求項16に記載の受信装置。
【請求項20】
前記動作は、前記デジタルオシレーターが、前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の循環前置の端部において前記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットすることをさらに含む、請求項19に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細は無線通信システムに関し、特に、この明細はOFDM信号を送信/受信する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の移動通信システムでは、送信装置は基底帯域信号の生成後、基底帯域(baseband)信号をより高い搬送波周波数(carrier frequency)にアップ・コンバート(up−convert)し、搬送波周波数でアップ・コンバートされた無線信号を送信する。受信装置は上記無線信号を受信し、受信された無線信号をダウン・コンバート(down−convert)する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アップ・コンバートのための周波数に関する情報が送信装置と受信装置に知られていない場合、送信装置が使用するアップ・コンバート周波数と受信装置が使用するダウン・コンバート周波数の不一致が発生することができる。アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数の不一致は受信装置において各時間シンボルごとに急激な位相変化を招来し、このような急激な位相変化は受信装置でのチャネル推定による信号復旧性能を大きく低下させる。従って、アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数の不一致、搬送波周波数と周波数帯域の中心周波数の不一致、或いは搬送波周波数とRFフィルターの中心の不一致により発生するシンボルごとの位相変化を減らす方案が要求される。
【0004】
また同一の周波数帯域で搬送波周波数が変わる場合、RF再チューニング無しに搬送波周波数を容易に調節する方法が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細の目的は、無線通信システムにおいて直交周波数多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)信号を送信装置により送信することであり、ここに記載する技法により達成することができる。一様相では、無線通信システムにおいて送信装置が直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)信号を送信する方法が提供される。この方法は、搬送波周波数f0と第1周波数fbaseとの差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行って周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を上記装置のデジタルモジュールにより生成し、周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号を上記装置のアナログオシレーターにより第1周波数fbaseだけアップ・コンバートして搬送波周波数f0 でのOFDMシンボル信号を生成し、及び上記装置の送信機により搬送波周波数f0 でOFDMシンボル信号を送信することを含む。第1周波数 fbaseは128△fの整数倍に該当する周波数のうち、搬送波周波数f0に最も近いものである。△fはOFDM副搬送波間隔である。
【0006】
他の様相では、無線通信システムにおいて受信端での装置が直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)信号を受信する方法が提供される。この方法は、搬送波周波数f0でOFDMシンボル信号を受信し、OFDMシンボル信号を上記装置のアナログオシレーターにより第1周波数fbaseだけダウン・コンバートして、上記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号を生成し、及び上記ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを搬送波周波数f0とfbaseとの差だけ行って、OFDM基底帯域信号を上記装置のデジタルモジュールにより生成することを含む。第1周波数 fbaseは128△fの整数倍に該当する周波数のうち、搬送波周波数 f0に最も近いものである。△fはOFDM副搬送波間隔である。
【0007】
さらに他の様相では、無線通信システムにおいて直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)信号を送信する送信端での装置が提供される。上記装置は、デジタルモジュール、アナログオシレーター、少なくとも1つのアンテナ、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのコンピューターメモリを含む。少なくとも1つのコンピューターメモリは少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結される。少なくとも1つのコンピューターメモリは実行時に少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる指示を格納している。上記動作は、搬送波周波数f0と第1周波数fbaseとの差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行って周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号をデジタルモジュールにより生成し、周波数−シフトされたOFDM基底帯域信号をアナログオシレーターにより第1周波数fbaseだけアップ・コンバートして 搬送波周波数f0 でのOFDMシンボル信号を生成し、及び少なくとも1つのアンテナを使用して搬送波周波数f0 でOFDMシンボル信号を送信することを含む。第1周波数fbaseは128△fの整数倍に該当する周波数のうち、搬送波周波数f0に最も近いものである。△fはOFDM副搬送波間隔である。
【0008】
さらに他の様相では、無線通信システムにおいて直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)信号を受信する受信端での装置が提供される。上記装置は、少なくとも1つのアンテナ、アナログオシレーター、デジタルモジュール、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのコンピューターメモリを含む。少なくとも1つのコンピューターメモリは少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結される。少なくとも1つのコンピューターメモリは実行時に少なくとも1つのプロセッサに動作を実行させる指示を格納している。上記動作は、少なくとも1つのアンテナを使用して搬送波周波数f0でOFDMシンボル信号を受信し、OFDMシンボル信号をアナログオシレーターにより第1周波数fbaseだけダウン・コンバートしてダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号を生成し、及びダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを搬送波周波数f0とfbaseとの差だけ行って、OFDM基底帯域信号をデジタルモジュールにより生成することを含む。第1周波数fbaseは128△fの整数倍に該当する周波数のうち、搬送波周波数f0に最も近いものである。△fはOFDM副搬送波間隔である。
【0009】
送信端での各様相において、デジタルモジュールは第1信号に逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)を具現するように構成される。
【0010】
送信端での各様相において、f0とfbaseとの差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行うことは、IFFTへの入力である第1信号に対するリソースマッピングをNfracだけアップ−シフトすることを含み、Nfracはf0−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である。
【0011】
送信端での各様相において、デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含む。f0とfbaseとの差だけ第1信号の周波数アップ−シフトを行うことは、デジタルオシレーターにより行われる。
【0012】
送信端での各様相において、デジタルオシレーターはOFDMシンボル信号を送信する前に、OFDMシンボル信号の循環前置(cyclic prefix)の端部でOFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットする。
【0013】
受信端での各様相において、デジタルモジュールはダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)を具現するように構成される。
【0014】
受信端での各様相において、f0とfbaseとの差だけダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを行うことは、ダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号に対するFFTからのリソースデマッピングをNfracだけダウン−シフトすることを含む。Nfracはf0−fbase=Nfrac*△fを満たす整数である。
【0015】
受信端での各様相において、デジタルモジュールはデジタルオシレーターを含む。f0とfbaseとの差だけダウン・コンバートされた OFDMシンボル信号の周波数ダウン−シフトを行うことは、デジタルオシレーターにより行われる。
【0016】
受信端での各様相において、デジタルオシレーターはダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の循環前置の端部でダウン・コンバートされたOFDMシンボル信号の位相を所定の値にリセットする。
【0017】
上記の課題解決方法は本具現による具現例の一部に過ぎず、本明細の技術的特徴が反映された様々な具現は当該技術分野における通常の知識を有する者が後述する本明細の詳しい説明に基づいて容易に導き出して理解することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数の不一致により発生するシンボルによる位相変化を容易に最小化することができる。これにより、アップ・コンバート周波数が送信装置と受信装置に知られていないか、アップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数とRFフィルターの中心が不一致するか、又は搬送波周波数とセルの中心周波数が不一致しても、受信装置での信号復旧性能を維持することができる。
【0019】
また同一の周波数帯域で搬送波周波数が変わる場合、RF再チューニング無しに搬送波周波数を容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(a)、(b)基底帯域信号の変調(modulation)及びアップ・コンバート(upconversion)の例を示す図である。
図2】(a)、(b)アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数の間の差による位相変化の例を示す図である。
図3】シンボル境界で位相をリセットする例を示す図である。
図4】(a)、(b)本明細のいくつかの具現による基底帯域信号の生成、搬送波周波数への変調及びアップ・コンバートの例を示す図である。
図5】(a)〜(c)本明細の具現1の例を示す図である。
図6】(a)、(b)本明細の具現2−1の例を示す図である。
図7】(a)、(b)本明細の具現2−1に他のリソースマッピング及び本明細の具現2−2によるリソースマッピングの例を示す図である。
図8】(a)、(b)本明細の具現2−2の例を示す図である。
図9】(a)〜(c)本明細の具現3の例を示す図である。
図10】(a)、(b)本明細の具現a2−1の例を示す図である。
図11】(a)、(b)本明細の具現a2−2の例を示す図である。
図12】本明細の他の使用例を示す図である。
図13】(a)、(b)本明細のいくつかの具現による送信機構造及び受信機構造の例を示す図である。
図14】本明細のいくつかの具現による送信装置及び受信装置の構成要素の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
通常、無線通信システムは無線周波数(radio frequency、RF)の特定の範囲を使用して通信する。かかるRF範囲での適切な送信を保障するために、無線システムは通常、送信機ではより低い周波数範囲からより高い(RF)周波数範囲に信号を変換するアップ・コンバートと呼ばれる技法を具現し、受信機ではより高い(RF)周波数範囲からより低い周波数範囲に信号を変換するダウン・コンバートと呼ばれる技法を具現する。
【0022】
しかし、周波数変換に関する情報が送信装置及び/又は受信装置に知られない問題がある。かかるシナリオでは、送信装置により使用されるアップ・コンバート周波数と受信装置により使用されるダウン・コンバート周波数との間に不一致が発生することができる。このようなアップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数との不一致は、受信装置により受信される各々の時間シンボルで位相オフセットを引き起こすことができる。位相オフセットは受信装置においてチャネル推定による信号復元の性能を低下させる。
【0023】
いくつかのシナリオでは、搬送波周波数と周波数帯域の中心周波数との間又は搬送波周波数とRFフィルターの中心との間に不一致が発生することができる。かかる不一致は、受信された時間シンボルで位相オフセットを引き起こし、これにより受信性能が低下することができる。
【0024】
従って、かかる位相オフセットが、アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数との不一致、又は搬送波周波数と周波数帯域の中心周波数との不一致、又は搬送波周波数とRFフィルターの中心との不一致によって発生するシステムでは問題があり得る。また搬送波周波数が同じ周波数帯域で変化すると、搬送波周波数をRF再チューニングを行わず調整することが困難になる場合がある。
【0025】
ここに記載する具現では、このような位相オフセットを緩和又は除去する方式によりアップ・コンバートを行うように構成された送信機を可能にする。いくつかの具現例において、送信機は、受信機で位相オフセットを引き起こさないように設定された所定の数の周波数の1つであり、基底帯域からアップ・コンバートする。このような所定の数の周波数は送信機により活用される実際の搬送波周波数とは異なることができ、送信機はその差だけ基底帯域信号を事前シフトすることにより、上記差に対して補償することができる。
【0026】
いくつかの具現において、事前シフト(pre−Shift)は周波数ドメインシフト(例えば、送信機での逆高速フーリエ変換(inverse Fast Fourier Transform、IFFT)の入力をシフト)を行うことにより具現されるか、又は時間−ドメインシフト(例えば、IFFTの出力、例えば、デジタルオシレーターを使用してシフト)により具現される。
【0027】
これと同様に、いくつかの具現において、受信機は所定の数の周波数のうちの1つから基底帯域にダウン・コンバートを行うように設定される。所定の数の周波数は受信機により活用される実際の搬送波周波数とは異なるので、受信機は結果として生じる基底帯域信号をその差だけ事後シフトすることにより、かかる差を補償することができる。
【0028】
従って、ここに記載する具現は、アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数との不一致によって発生する位相オフセットを緩和又は除去することができる。従って、アップ・コンバート周波数が送信装置と受信装置に知られなくても、又はアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数とRFフィルターの中心とに不一致が発生しても、又は搬送波周波数とセルの中心周波数とに不一致が発生しても、受信機で信号回復性能を維持できる。
【0029】
また、いくつかのシナリオにおいて、搬送波周波数が同じ周波数帯域で変化する場合、搬送波周波数はRF再チューニングを行わず容易に調節できる。
【0030】
以下、本明細に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本明細の例示的な実施の形態を説明するためのものであり、本明細が実施し得る唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本明細の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとってはこのような具体的な細部事項なしにも本明細を実施できることは明らかである。
【0031】
いくつかの場合、本明細の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されるか、又は各構造及び装置の核心機能を中心とするブロック図の形式で示される。また、本明細の全体において、同じ構成要素については同じ図面符号を使用して説明する。
【0032】
以下に説明する技法(technique)及び装置、システムは、様々な無線多重接続システムに適用することができる。多重接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)又はCDMA2000のような無線技術(technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)(i.e.,GERAN)などのような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved−UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部であり、3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTSの一部である。3GPP LTEは、下りリンク(downlink、DL)ではOFDMAを採択し、上りリンク(uplink、UL)ではSC−FDMAを採択している。LTE−A(LTE−advanced)は、3GPP LTEの進化した形態である。説明の便宜のために、以下では、本明細を3GPP基盤通信システムに関連して説明する。しかし、本明細の技術的特徴はこれに制限されるものではない。例えば、以下の詳細な説明が、移動通信システムが3GPP基盤のシステムに対応する移動通信システムに基づいて説明されても、3GPP基盤のシステム特有の事項以外は、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。例えば、アップ・コンバート周波数及びダウン・コンバート周波数が送信装置と受信装置の間で共有されていない通信技術、アップ・コンバート周波数とRFフィルターの中心或いはアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数とセルの中心周波数が不一致する通信技術に、本明細をそのまま適用することができる。
【0033】
本明細において、UEは、固定していても移動性を有してもよく、基地局(base station、BS)と通信してユーザデータ及び/又は各種制御情報を送受信する各種機器がこれに属する。UEは端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)などと呼ぶことができる。また、本明細において、BSは、一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定局(fixed station)のことをいい、UE及び他のBSと通信して各種データ及び制御情報を交換する。BSは、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node−B)、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、接続ポイント(Access Point)、PS(Processing Server)等の他の用語と呼ぶこともできる。特に、UTRANの基地局はNode−Bと、E−UTRANの基地局はeNBと、新しい無線接続技術ネットワーク(new radio access technology network)の基地局はgNBと呼ばれる。
【0034】
本明細でいうノード(node)とは、UEと通信して無線信号を送/受信できる固定した地点(point)のことをいう。様々な形態のgNBを、その名称に関係なくノードとして用いることができる。例えば、BS、NB、eNB、ピコセルeNB(PeNB)、ホームeNB(HeNB)、gNB、リレー、リピータなどをノードとすることができる。また、ノードは、BSでなくてもよい。例えば、無線リモートヘッド(radio remote head、RRH)、無線リモートユニット(radio remote unit、RRU)とすることもできる。RRH、RRUなどは、一般にBSの電力レベル(power level)よりも低い電力レベルを有する。RRH或いはRRU(以下、RRH/RRU)は、一般に光ケーブルなどの専用回線(dedicated line)でBSに接続されているため、一般に無線回線で接続されたBSによる協調通信に比べて、RRH/RRUとBSによる協調通信を円滑に行うことができる。1つのノードには少なくとも1つのアンテナが設置される。上記アンテナは物理アンテナを意味することもでき、アンテナポート、仮想アンテナを意味することもできる。
【0035】
本明細でいう“セル(cell)”とは、1つ以上のノードが通信サービスを提供する一定の地理的領域をいう。従って、本明細において特定のセルと通信するとは、特定のセルに通信サービスを提供するBS或いはノードと通信することを含む。また特定のセルの下りリンク/上りリンク信号は、特定のセルに通信サービスを提供するBS或いはノードからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。UEに上り/下りリンク通信サービスを提供するセルを、特にサービングセル(serving cell)と呼ぶ。
【0036】
3GPP基盤通信システムは、無線リソースを管理するためにセルの概念を用いているが、無線リソースと関連付くセルは、地理的領域のセルと区別される。例えば、地理的領域の“セル”は、ノードが搬送波を用いてサービスを提供できるカバレッジ(coverage)と理解することができ、無線リソースの“セル”は、上記搬送波によって設定(configure)される周波数範囲である帯域幅(bandwidth、BW)に関連する。ノードが有効な信号を送信できる範囲である下りリンクカバレッジと、UEから有効な信号を受信できる範囲である上りリンクカバレッジは、当該信号を運ぶ搬送波に依存するので、ノードのカバレッジは、上記ノードが用いる無線リソースの“セル”のカバレッジと関連することもある。従って、“セル”という用語は、時にはノードによるサービスのカバレッジを、時には無線リソースを、時には上記無線リソースを用いた信号が有効な強度で到達できる範囲を意味することに用いることができる。無線リソースに連関する"セル"とは、下りリンクリソース(DL resources)と上りリンクリソース(UL resources)の組み合わせ、即ち、DLコンポーネント搬送波(component carrier、CC)とUL CCの組み合わせにより定義される。セルはDLリソース単独、又はDLリソースとULリソースの組み合わせにより設定される。
【0037】
本明細で使用される用語及び技術のうち、具体的な説明がない用語及び技術については、3GPP LTE/LTE−Aの標準文書、例えば、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.321及び3GPP TS 36.331などと、3GPP NRの標準文書、例えば、3GPP TS 38.211、3GPP TS 38.212、3GPP 38.213、3GPP 38.214、3GPP 38.215、3GPP TS 38.321、3GPP TS 38.300及び3GPP TS 38.331などを参照できる。
【0038】
3GPP TS 36.211の標準を参照すると、物理任意接続チャネルを除いた全ての物理信号及び物理チャネルについて、OFDMシンボル基底帯域信号、例えば、単一搬送波周波数分割多重接続(single carrier frequency division multiple access、SC−FDMA)の基底帯域の信号が以下のように生成される。LTEシステムにおいて、上りリンクスロット内のSC−FDMAシンボルlでの時間−連続(time−continuous)信号
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は、
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(ここで、高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)サイズN=2048)について以下の式により定義される。
【0039】
【数1】
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【0040】
ここで、
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副搬送波間隔△f=15kHzであり、ak,lはリソース要素
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のコンテンツ(content)である。Kは周波数ドメインにおいて0からNULRB×NRBsc−1まで付与されるインデックスであり、lは時間ドメインにおいて0からNULsymb−1まで付与されるインデックスである。
【0041】
LTEシステムにおいて、各スロット内の上りリンク送信信号はNULRB×NRBsc個の副搬送波及びNULsymb個のOFDMシンボルのリソース格子(Resource grid)を活用する。リソース格子内の各リソース要素はスロット内のインデックス対
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により固有に(uniquely)定義され、ここで、k=0,…,NULRB×NRBsc−1であり、l=0,…,NULsymb−1である。表現NULRBはULスロットでのリソースブロック(Resource block、RB)の数を表し、セルに設定された上りリンク送信帯域幅に依存する。表現NRBscは1つのRBを構成する副搬送波の数を示す。LTEシステムにおいて、NRBsc=12である。RBは周波数ドメインで12個の連続する(consecutive)副搬送波により定義される。表現TsはLTEに対する基本(basic)時間ユニットであって、Ts=1/(15*10*2048)秒である。参考として、サンプリング時間は1/(NFFT*△f)と定義され、ここで、NFFTはFFTサイズ(=IFFTサイズ)であり、△fは副搬送波間隔である。NFFT=2048であり、基本副搬送波間隔が15kHzである場合、LTEシステムの基本時間ユニットTsはサンプリング時間に該当する。NULsymbはULスロット内のSC−FDMAシンボルの数を表し、正規(normal)循環前置(cyclic prefix、CP)についてNULsymb=7であり、拡張(extended)循環前置(CP)についてNULsymb=6である。NCP,lは循環前置の長さであり、以下の表はLTEシステムの上りリンクで使用されるNCP,lの値を示している。
【0042】
【表1】
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【0043】
スロット内のSC−FDMAシンボルはl=0から始まってlの増加順に送信され、SC−FDMAシンボルl>0はスロット内で時間
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に始まる。
【0044】
下りリンクスロットの直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)シンボルl内のアンテナポートp上の時間−連続信号
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について以下のように定義される。
【0045】
【数2】
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【0046】
ここで、
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である。時間間隔
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において、変数(variable)Nはf=15kHzの副搬送波間隔については2048であり、△f=7.5kHzの副搬送波間隔については4096である。スロット内のOFDMシンボルはl=0から始まってlの増加順に送信され、OFDMシンボルl>0はスロット内で時間
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に始まる。Kは周波数ドメインにおいて0からNDLRB×NRBsc−1まで与えられるインデックスであり、lは時間ドメインにおいて0からNDLsymb−1まで与えられるインデックスである。
【0047】
LTEシステムにおいて、各スロット内の下りリンク送信信号は、NDLRB×NRBsc個の副搬送波及びNDLsymb個のOFDMシンボルのリソース格子により示される。リソース格子内の各リソース要素はスロット内のインデックス対
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により固有に(uniquely)定義され、ここで、k=0,…,NDLRB×NRBsc−1であり、l=0,…,NULsymb−1である。NDLRBはDLスロットでのRBの数を示し、セルに設定された下りリンク送信帯域幅に依存する。NDLsymbはDLスロット内のOFDMシンボルの数を示し、正規CP(normal CP)についてNDLsymb=7であり、拡張CP(extended CP)についてNDLsymb=6である。NCP,lは循環前置の長さであり、以下の表はLTEシステムの下りリンクで使用されるNCP,lの値を示している。
【0048】
【表2】
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【0049】
図1A及び図1Bはいくつかの具現(例えば、LTEシステム)で具現される、基底帯域信号の搬送波周波数への変調及び搬送波周波数へのアップ・コンバートの例を示す。特に、図1Aは各アンテナポートに対する複素値(complex−valued)SC−FDMA基底帯域信号の搬送波周波数への変調及びアップ・コンバートを示し、図1Bは各アンテナポートに対する複素値(complex−valued)OFDM基底帯域信号の搬送波周波数への変調及びアップ・コンバートを示している。
【0050】
上りリンクの送信に先立って求められるフィルタリングは、例えば、3GPP TS 36.101の要求事項により定義され、下りリンクの送信に先立って求められるフィルタリンクは、例えば、3GPP TS 36.104の要求事項により定義される。図1A及び図1Bにおいて、周波数fはアップ・コンバート周波数である。いくつかのシナリオ(例えば、LTEシステム)では、アップ・コンバート周波数がセルの搬送波周波数と同様にセットされることができる。
【0051】
いくつかのシステム(例えば、LTEシステム)では、セルの同期信号と物理ブロードキャストチャネル(physical broadcast channel、PBCH)がセルの搬送波周波数を中心として総6個のRBで送信されるので、LTEシステムのユーザ機器(user equipment、UE)は同期信号及びPBCHを得ることによりセルの下りリンク搬送波周波数を知ることができる。i)下りリンク搬送波周波数と上りリンク搬送波周波数が同一であるシナリオにおいて、例えば、時分割デュプレックス(time division duplex、TDD)の場合、又はii)下りリンク搬送波周波数と共に使用される上りリンク搬送波周波数が予め定められたシナリオにおいて、例えば、周波数分割デュプレックス(frequency division duplex、FDD)の場合、又はiii)上りリンク搬送波周波数がセルのシステム情報などにより明示的にブロードキャストされるシナリオにおいて、UEとBSは下りリンク搬送波周波数を知ると、該当上りリンク搬送波周波数も知ることができる。結局、LTEシステムのようなシナリオでは、UEとBSが無線信号の送信/受信に使用されるセルの搬送波周波数を互いに知ることができる。
【0052】
既存のLTでは、以下の周波数が同一に設定される:(i)無線周波数(radio frequency、RF)フィルター(例えば、IFFTとアップ・コンバートの間のフィルター、アップ・コンバート後に適用されるフィルターなど)の中心、(ii)搬送波帯域幅の中心周波数、及び(iii)アップ・コンバート周波数f。また同一の周波数が基底帯域信号の搬送波周波数へのアップ・コンバート及び無線信号の基底帯域信号へのダウン・コンバートに使用される。
【0053】
しかし、機械タイプ通信(machine type communication、MTC)、IoT(internet of things)通信、超信頼性及び低待機時間通信(ultra−reliable and low latency communication、URLLC)の導入及び増加によって、既存のLTE通信技術とは異なる新しい無線接続技術(new radio access technology、NR)が開発されている。NRシステムでは、既存の通信システムで使用された周波数帯域より高い周波数の使用が考慮されており、既存の通信システムで使用された周波数帯域幅より非常に広い帯域幅を支援することも考慮されている。様々な制約事項によって順方向(forward)の互換性(compatibility)を有する通信技術の導入が困難であった既存のLTEシステムの問題点を考慮して、NRシステムでは、NRシステムとの順方向の互換性を有する未来通信技術の導入を容易にするために、必須的な制約事項を最小化する方向に開発されている。
【0054】
これにより、NRシステムでは、基底帯域信号のアップ・コンバートに使用される周波数がセルの中心周波数に限定されない。またNRシステムでは、同期信号が送信される周波数リソースがセルの周波数帯域の中心ではないことができる。
【0055】
NRシステムで支援される広い帯域幅をUEが1回に支援できないことを考慮して、UEがセルの周波数帯域幅のうちの一部(以下、周波数帯域幅パート(bandwidth part、BWP))で動作するように設定することができる。BWPは任意の参照ポイント(reference point)を基準として割り当てられ、任意の参照ポイントがセルの中心周波数ではないこともできる。BWP基盤の通信、NB−IoTなどのようにセルの周波数帯域幅の一部のみが通信に使用される場合、送信装置が使用したアップ・コンバート周波数を受信装置が受信信号に対するダウン・コンバート前に知らないこともできる。
【0056】
これにより、基底帯域信号に対するアップ・コンバート周波数と該当無線信号に対するダウン・コンバート周波数とが異なることができ、アップ・コンバート周波数がRFフィルターの中心ではないことができる。
【0057】
またNRシステムでは、様々なニューマロロジーが支援されると予想される。同一の周波数帯域に対するニューマロロジーが変わる場合、副搬送波間隔が変わる。かかる副搬送波間隔の変化は、アップ・コンバート周波数或いはダウン・コンバート周波数の変更を招来する。従って、送信装置と受信装置が各々アップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数を容易に調節できる方法が要求される。
【0058】
本明細の具現を具体的に説明する前に、本明細の理解を助けるために、現在まで論議されたNRシステムの基本的なフレーム構造及び物理リソースについて説明する。
【0059】
本明細の説明では、特に言及しない限り、時間ドメインでの様々なフィールドのサイズは時間単位Tc=1/(△fmax*Nf)又は時間単位Tsで表現され、ここで、△fmax=480*10Hzであり、Nf=4096である。TcはNR用の基本時間ユニットである。常数κ=Ts/Tc=64であり、ここで、Ts=1/(△fref*Nf,ref)、△fref=15*10Hz、Nf,ref=2048である。TsはLTE用の基本時間ユニットである。NRでは、以下の表に示されているように、多数のOFDMニューマロロジーが支援され、ここで帯域幅パートのためのμ及び循環前置はBSにより提供される上位階層パラメータにより与えられる。
【0060】
【表3】
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【0061】
下りリンク及び上りリンクの送信はTf=(△fmaxNf/100)*Tc=10ms持続期間(duration)を有するフレームで構成される。各々のフレームがTsf=(△fmaxNf/1000)*Tc=1msの持続期間の10個のサブフレームで構成される。サブフレームごとの連続する(consecutive)OFDMシンボルの数は
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である。各フレームは夫々5個のサブフレームである2個の同サイズ(equally−sized)の半フレーム(half−frame)に分けられる。搬送波には上りリンクに1セットのフレームがあり、下りリンクに1セットのフレームがある。
【0062】
副搬送波間隔の設定μについて、スロットはサブフレーム内で増加順に
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に番号付けされる。スロット内には
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の連続するOFDMシンボルがあり、
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は表4及び表5により与えられた循環前置に依存する。表4は正規循環前置(normal CP)に対するスロットごとのOFDMシンボルの数、フレームごとのスロットの数、サブフレームごとのスロットの数を示し、表5は拡張循環前置(extended CP)に対するスロットごとのOFDMシンボルの数、フレームごとのスロットの数、サブフレームごとのスロットの数を示す。
【0063】
【表4】
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【0064】
【表5】
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【0065】
表4及び表5において
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はスロットごとのシンボルの数を、
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は副搬送波の設定μに対するフレームごとのスロットの数を、
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は副搬送波の設定μに対するサブフレームごとのスロットの数を示す。
【0066】
各々のニューマロロジー及び搬送波について、BSによる上位階層シグナリングにより指示される共通(common)リソースブロック
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で始まる、
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の副搬送波及び
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のOFDMシンボルのリソース格子が定義される。ここで、
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はリソース格子のサイズであり、
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はリソースブロックごとの副搬送波の数である。DL或いはULにセットされる下付き文字xを有する送信方向(DL或いはUL)ごとの1セットのリソース格子がある。下付き文字xは下りリンクについてはDLであり、上りリンクについてはULである。混同の可能性がない場合には、下付き文字xは省略可能である。アンテナポートpごと、副搬送波間隔の設定μごと、また送信方向(下りリンク或いは上りリンク)ごとの1つのリソース格子がある。アンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μに対するリソース格子内の各要素はリソース要素と呼ばれ、
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により固有に識別される。ここで、kは周波数ドメインでのインデックスであり、lは参照ポイントについて相対的な時間ドメイン内のシンボル位置を意味する。リソース要素
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は複素値(complex value)
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に対応する。混同の可能性がないか、特定のアンテナポートがないか、又は副搬送波間隔が特定されない場合には、インデックスp及びμが省略されて
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又は
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になる。
【0067】
リソースブロック(Resource block、RB)は、周波数ドメインにおいてNRBsc=12個の連続する副搬送波により定義される。参照リソースブロック(reference Resource block)は周波数ドメインにおいて0から上昇しながら(upward)番号付けされる。参照リソースブロック0の副搬送波0は全ての副搬送波間隔の設定μに対して共通しており、‘参照ポイントA’或いは‘ポイントA’と表記され、他のリソースブロック格子に対する共通参照ポイントの役割をする。参照ポイントAは基地局により提供される上位階層パラメータから得られる。共通リソースブロック(common Resource block、CRB)は副搬送波間隔の設定μに対して周波数ドメインで0から上昇しながら番号付けされる。副搬送波間隔の設定μに対する共通リソースブロック0の副搬送波0は照ポイントAと一致する。共通リソースブロック番号nCRBと副搬送波間隔の設定μに対するリソース要素
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の間の関係は、以下のように与えられる。
【0068】
【数3】
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【0069】
ここで、kは副搬送波間隔の設定μに対するリソース格子の副搬送波0について相対的に定義される。
【0070】
NRシステムの物理リソースブロック(physical Resource block、PRB)は、搬送波帯域幅パート内で定義され、0から
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まで番号付けされる。ここで、iは搬送波帯域幅パートの番号であり、
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は帯域幅パートiのサイズである。搬送波帯域幅パートi内の物理及び共通リソースブロックの間の関係は、以下のように与えられる。
【0071】
【数4】
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【0072】
ここで、
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は搬送波帯域幅パートが始まる共通リソースブロックであり、共通リソースブロック0に対して相対的な値である。
【0073】
帯域幅パートは、与えられた搬送波上の帯域幅パートi内の所定のニューマロロジーμiについて近接した(contiguous)共通リソースブロックのサブセットである。帯域幅パート内の開始位置
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及びリソースブロックの数
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は、
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及び
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を満たさなければならない。UEは所定の時間に1つの下りリンク帯域幅パートが活性(active)である所定の数(例えば、4個まで)の下りリンク搬送波帯域幅パートを有して設定される。UEは所定の時間に1つの上りリンク帯域幅パートが活性である所定の数(例えば、4個まで)の上りリンク帯域幅パートを有して設定される。
【0074】
いくつかの無線通信システムでは、送信機と受信機が使用する搬送波周波数を互いに知っているが、送信機と受信機が同じ搬送波周波数をアップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数に各々セットしたにも関わらず、アナログオシレーターやPLLの不正確性によって送信機と受信機が生成する周波数間の誤差、即ち、周波数オフセットが発生することができる。この場合、受信端でシンボルによって信号位相が変わる。しかし、かかるアナログモジュールの不正確性による位相変化は、参照信号(reference signal、RS)を用いたチャネル推定を無用化する程度ではなく、普通は受信信号の復元に大きい影響を及ぼさない程度である。
【0075】
しかし、NRシステムのように広帯域のセルを支援する無線通信システムでは、アップ・コンバートのための搬送波周波数に関する情報がUEとBSの間に知られていない状態でUEとBSが動作することもある。従って、UEとBSが異なる搬送波周波数を用いてアップ・コンバートとダウン・コンバートを行う場合は、アナログオシレーターやPLLの不正確性による周波数オフセット、即ち、周波数誤差がないと仮定しても、後述するように、受信装置で各々のシンボルごとに位相が急激に変わる可能性がある。
【0076】
物理任意接続チャネル(physical random access channel、PRACH)を除いた任意の物理チャネル及び信号について、サブフレーム内のOFDMシンボルlに対するアンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μ上の時間−連続信号
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は、以下の式により定義される。
【0077】
【数5】
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【0078】
ここで、
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である。数5は以下のように表現することもできる:
【0079】
【数6】
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【0080】
ここで、
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は上記サブフレーム内の時間である。
【0081】
数5及び数6において、
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の値はBSにより提供される上位階層パラメータk0から得られ、副搬送波間隔の設定μに対する共通リソースブロック内の最低番号の副搬送波(lowest numbered subcarrier)がμより小さい任意の副搬送波間隔の設定に対する共通リソースブロック内の最低番号の副搬送波と一致する値である。サブフレーム内の副搬送波間隔の設定μに対するOFDMシンボルlの開始位置
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は以下の通りである。
【0082】
【数7】
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【0083】
ここで、OFDMシンボルlの有効シンボル長さNμuとOFDMシンボルlのCP長さNμCP,lは以下の通りである:
【0084】
【数8】
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【0085】
PRACHについて、アンテナポートp上の時間−連続信号
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は以下の式により定義される。
【0086】
【数9】
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【0087】
ここで、
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である。数9における各々のパラメータに関する詳しい説明は3GPP TS 38.211を参照できる。
【0088】
送信装置はアンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μに対するOFDMシンボル基底帯域信号
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を周波数fTxの自励発振器(free−running frequency)を用いてアップ・コンバート周波数fTxにアップ・コンバートする。アンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μに対するOFDMシンボル基底帯域信号
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のアップ・コンバート周波数fTxへのアップ・コンバートは以下のように表現できる:
【0089】
【数10】
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【0090】
数10において、
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は副搬送波間隔の設定μに対するRBの数であり、
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である。
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はBSにより設定される値であり、UEはシステム情報により
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を把握することができる。送信装置が周波数アップ・コンバート(変調)のための
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を送信信号に乗じて得た最終信号のうち、実際に送信する信号は複素(complex)信号ではなく、実際(real)の信号であるので、数10の最終信号で実際の値のみが送信される。即ち、アンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μに対する複素値(complex−valued)OFDMシンボル基底帯域信号のアップ・コンバート周波数 fTxへの変調及びアップ・コンバートは以下のように表現できる。
【0091】
【数11】
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【0092】
但し、送信装置が複素信号のうち、実際の値のみを送信しても、受信装置は受信信号を再び複素信号に変換した後にFFTを適用するので、本明細の説明では、便宜上、送信信号を複素信号と表現し、複素信号と実際の信号はモデリング上、同等である。これは受信動作でも同様である。
【0093】
無線信号
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が受信装置に受信されると、受信装置は
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に周波数ダウン・コンバートを行って基底帯域信号
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を得る。受信装置が任意の周波数fRxを周波数ダウン・コンバートに使用すると仮定すると、アンテナポートp及び副搬送波間隔の設定μに対する無線信号
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の周波数ダウン・コンバートは以下のように表現できる:
【0094】
【数12】
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【0095】
受信信号
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の位相変化を示すために、周波数fTxとfRxがfTx=NTx*△f+△offset及びfRx=NRx*△f+△offsetと表現され、ここで、△fは副搬送波間隔であり、項NTxはfTx/△fと最も近い正の整数(例えば、floor{fTx/△f}又はceil{fTx/△f})であり、項NRxはfRx/△fと最も近い正の整数(例えば、floor{fRx/△f}又はceil{fRx/△f})であり、項△offsetはサイズが△fより小さい実数である。本明細の説明においては、fTxとfRxは単純化のために同一の△offsetを用いて表現しているが、fTxとfRxの間に△offsetが互いに異なることもできる。
【0096】
かかる表現を使用して、数12を以下のように再整理することができる。
【0097】
【数13】
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【0098】
送信機/受信機の部品の特性によって、思いかけず発生する周波数誤差である周波数オフセットがない環境においても、fTxとfRxが同一ではないと、周波数アップ・コンバート又は周波数ダウン・コンバートの際に、受信信号
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だけの位相変化が発生することが分かる。これは数5において、
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であると、
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即ち、逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)が適用される時間t'は
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について定義されるが、周波数アップ・コンバートコンポーネントである
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においてt、即ち、自励発振器が動作するアップ・コンバート時間tは
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のように定義されるためである。
【0099】
図2A及び2Bはアップ・コンバート周波数とダウン・コンバート周波数の差による位相変化例を装置と信号波形の観点で説明する図である。
【0100】
図2Aを参照すると、送信装置が送信しようとする情報シンボル
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はIFFTを経てOFDM基底帯域信号
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に変換される。送信装置は
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を周波数fTxである自励発振器を用いて
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にアップ・コンバートする。
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が無線チャネルを介して受信装置に到達すると、無線チャネルでの信号歪みを考慮しないと、受信装置は周波数fRxである自励発振器(OSC)を用いて
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を乗じて
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をOFDM基底帯域信号
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にダウン・コンバートし、
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にFFTを行って情報シンボル
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を得る。
【0101】
図2Bを参照すると、情報シンボルにIFFTが行われて得られたIFFT信号に循環前置(cyclic prefix、CP)が付加されることにより、OFDMシンボル信号が得られる。IFFT信号に付加されるCPによってIFFT信号の波形に対して時間軸で遷移(transition)が発生する。これにより、OFDMシンボル信号を自励発振器の信号に載せると、送信信号の位相がOFDMシンボルの開始で0ではない場合が発生する。また送信/受信信号の位相がOFDMシンボルの開始で異なることもできる。
【0102】
従って、fTxとfRxが同一ではないと、fTxとfRxの差によって発生するシンボル間の急激な位相変化のため、受信端ではチャネル推定による信号復旧過程で大きい性能低下が発生する。OFDMシンボル間の位相が急激に異なると、受信機が特定のOFDMシンボルのRSを用いたチャネル推定値を他のOFDMシンボルにそのまま適用できない。そのまま適用する場合は、受信信号が正しく復元されない可能性があるためである。送信機が毎OFDMシンボルごとにRSを挿入して、受信機が各シンボルのチャネル状態を正しく推定できるようにすることは、RSオーバーヘッドが大きくなるので、望ましくない。
【0103】
いくつかのタイプの技術が、シンボル間の位相不連続/不一致の問題を解決するために、NRシステムにおいて活用されている。以下、それに関するいくつかの技術について、各々の潜在的な短所と共に説明する。
【0104】
*技術A:gNBが使用する搬送波周波数をUEに知らせ、それによる位相不連続(phase discontinuity)をUEが補償する。
【0105】
この方式によれば、BSが送信信号について別の事前補償(pre−compensation)を行わず送信すると、UEがBSの搬送波周波数情報を用いてシンボルごとに位相不連続に対する補償を行う。例えば、数12において、
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により発生する位相不連続をシンボルごとに相殺させるように、受信機であるUEで位相補償が行われる。またUEが信号を送信する場合には、送信端であるUEで位相不連続の項(term)に対して事前補償を行い、BSはBSとUEの搬送波周波数が一致するという仮定下で受信すればよい。しかし、この技術は、BSとUEの動作とBSにより使用される搬送波周波数に関する情報が送信された後のBSとUEの動作だけではなく、BSにより使用される搬送波周波数に関する情報が送信される前のBSとUEの動作もさらに定義する必要があるので、BSとUEが2つのモードを全部具現する必要があるという短所がある。
【0106】
*技術B:送信機であるBSがUEのDL搬送波周波数の情報を用いて位相の事前補償を行う。
【0107】
この技術は、技術Aで受信機に搬送波周波数に関する情報が伝達される前の動作であって、例えば、NB−IoTシステムで具現される。例えば、数12において、
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により発生する位相不連続をシンボルごとに相殺させるように、送信機で位相の事前補償が行われる。この場合、受信機は送信機と受信機の搬送波周波数が一致すると仮定して動作すればよい。しかし、この技術は、NRシステムのように、UEごとに異なる周波数位置を有する帯域幅パートが設定される場合、BSがUEごとに異なる値を用いて位相の事前補償を行う必要がある。従って、この技術によれば、UEの受信機動作が非常に単純になる反面、BSの送信機動作が非常に複雑になる短所がある。
【0108】
*技術C:送信機と受信機が共通の参照ポイントを仮定して位相の事前補償を行う。
【0109】
この技術では、送信機が受信機の搬送波周波数(また受信機が送信機の搬送波周波数)に関する情報を使用しない。その代わりに、送信機と受信機の間の共通の参照ポイントが予め定義され、参照ポイントに対する位相の事前補償がシンボルごとに行われる。例えば、送信機は
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により発生する位相不連続に対して位相(事前)補償を行い、受信機は
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により発生する位相不連続に対して位相(事前)補償を行う。例えば、いくつかのシナリオにおいて、上記数5を位相事前補償のために以下のように修訂することができる。
【0110】
【数14】
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【0111】
ここで、△fref=15kHz、
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である。
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であり、ここで、帯域0〜2.65GHzについてM={−1、0、1}であり、他の帯域についてM=0である。位相補償値△は量子化された搬送波周波数(quantized carrier frequency)と非−量子化された搬送波周波数の間で決定されるか、量子化された搬送波周波数について△=0であり、非−量子化された搬送波周波数について△=f−pμ△frefである。ここで、fは受信機の搬送波周波数であり、kは変数である。結局、‘f−M*5kHz−k△fref’の絶対値を最小化するkがpμである。しかし、この技術は常に送信機と受信機の両方で位相補償が行われるという短所がある。また、この技術によれば、送信機と受信機が基本的に自分の搬送波周波数を基準として毎シンボルごとに位相を計算して補償項を信号に適用するように提案する。従って、利用可能な全周波数、即ち、副搬送波がマッピングされる全ての周波数が搬送波周波数になることができると仮定すると、位相補償項は非常に高い解像度(resolution)と非常に長い周期の関数になって、非常に複雑な具現を要求する。
【0112】
参考として、現在NR標準では、具現のための特定の技術を具体的に明示しておらず、送信端と受信端が搬送波周波数を毎シンボル単位でゼロ位相にリセットすることにより、毎シンボルの開始点で搬送波周波数の位相が一定値を維持するように以下の表のように変調及びアップ・コンバート方法が定義された状態である(3GPP TS 38.211セクション5.4を参照)。これは以下のように、標準文書3GPP TS 38.211 V15.1.0に明示されている。
【0113】
【表6】
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【0114】
図3はシンボル境界で位相をリセットする一例を示す図である。即ち、図3はNR標準で定義された位相補償の例を示している。図3において、
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は表6の
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に該当する。送信端が信号を送信するときに使用する搬送波周波数と、受信端が信号を受信するときに使用する搬送波周波数が一致しないと、受信端でダウン・コンバートされた信号が各シンボルごとに異なる位相を有する。しかし、表6及び図3を参照すると、周波数アップ・コンバートの過程で送信信号について
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だけ時間シフトを行って位相をリセットする。従って、搬送波周波数によって毎シンボルで発生する位相不連続が送信端及び受信端でなくなり、それにより、結局、受信端が受信した信号で毎シンボルごとの位相不連続/不一致がなくなる。これを以下のように表現できる。
【0115】
【数15】
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【0116】
数15が実際の具現でどのように示されるかを説明するために数15を再整理すると、以下の通りである。
【0117】
【数16】
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【0118】
ここまで説明した位相不連続/不一致に関する技術は、位相リセットを搬送波周波数レベルで定義している。しかし、実際の搬送波周波数レベルに対するアップ・コンバート(又はダウン・コンバート)には、PLL(phase−locked loop)、ミキサーなどのコンポーネントが用いられる。
【0119】
図4A及び図4Bは本明細のいくつかの具現による基底帯域信号の生成、また搬送波周波数への変調及びアップ・コンバートの例を示す図である。
【0120】
図4A及び図4Bを参照すると、例えば、実際のアップ・コンバート(又はダウン・コンバート)のための搬送波周波数はPLLを用いて生成され、搬送波周波数へのアップ・コンバートにはミキサーなどが用いられる。PLL、ミキサーなどのコンポーネントはアナログ機器(device)で具現されるか、或いは非常に速い速度で動作する。従って、いくつかのシナリオにおいて、送信端と受信端において、実際の搬送波周波数レベルで位相リセットが具現されることが非常に難しい。
【0121】
即ち、表6を参照すると、NR標準では搬送波周波数の位相を直接制御して位相リセットが具現されると規定している。しかし、いくつかのシナリオでは、搬送波周波数の位相を直接制御することが実際では非常に難しい。よって、搬送波周波数での位相直接制御の実質的な難しさによって、いくつかのシステムでは、搬送波周波数レベルでは連続する位相を有する搬送波周波数を用いてアップ・コンバートとダウン・コンバートを行い、アナログレベルでのアップ・コンバート/ダウン・コンバートにより引き起こされるシンボル間の位相不連続/不一致をなくすための位相リセット関数を基底帯域レベルで具現する。
【0122】
かかるシステムにおいて、数16を参照すると、連続する位相を有する搬送波周波数を用いた搬送波周波数レベルでのアップ・コンバートとダウン・コンバートは各々
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に該当する。周波数fTx及びfRxは各々副搬送波がマッピングされる任意の周波数であり、副搬送波間隔△fを用いてfTx=NTx*△f+△offset及びfRx=NRx*△f+△offsetのように各々表現される。ここで、下付き文字TxとRxは各々送信端と受信端を示す。数12に関連して、上述したように、項NTxはfTx/△fと最も近い正の整数(例えば、floor{fTx/△f}又はceil{fTx/△f})であり、項NRxはfRx/△fと最も近い正の整数(例えば、floor{fRx/△f}又はceil{fRx/△f})であり、項△offsetはサイズが△fより小さい実数である。本明細の説明において、fTxとfRxは単純化のために同一の△offsetを用いて表現しているが、fTxとfRx の間に△offsetが互いに異なることもできる。数16を参照すると、基底帯域レベルでの位相リセット関数は
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に該当する。
【0123】
従って、かかるシステムにおいて、送信端と受信端は各々自分が使用する搬送波周波数のみを用いて位相を補償し、これは数16において
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及び
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に該当する。これは、送信端は受信機が直流(direct current、DC)トーン、即ち、0をダウン・コンバートのための搬送波周波数として使用すると判断して位相補償を行い、受信端は送信機がDCドーンをアップ・コンバートのための搬送波周波数として使用すると判断して位相補償を行うことに該当する。かかるシナリオにおいて、送信端と受信端が搬送波周波数に関する情報なしに動作すると、数13における項(term)
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と同一である。
【0124】
従って、現在NR標準(3GPP TS 38.211 V15.1.0)は、受信端はダウン・コンバートに使用する搬送波周波数が0であると仮定して、
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をアップ・コンバートに活用し、同様に、受信端はアップ・コンバートのために送信端により使用される搬送波周波数が0であると仮定して、
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をダウン・コンバートに活用すると規定したと理解できる。
【0125】
(技術A〜技術Cを参照して)上述したように、NR標準に基づくいくつかの無線通信システムは、搬送波周波数に基づいて毎シンボルごとに位相を計算することにより位相補償項を適用する。しかし、fXX(ここで、XXはTx又はRx)を該当通信システムで適用可能な又は利用可能な周波数が非常に多いことを考慮すると、位相補償項が非常に高い解像度と非常に長い周期の関数になって、位相補償項が非常に複雑な具現を要求することができる。
【0126】
かかる問題を解決するために、本明細は送信機と受信機が送信に使用される搬送波周波数、或いはアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数を互いに分からずに動作するシナリオを解決する具現について説明する。
【0127】
複雑度の低下のための技術
【0128】
現在のNR標準では、以下のニューマロロジーを定義する(3GPP TS 38.101−1のセクション5.4及び3GPP TS 38.101−2のセクション5.4を参照)。
【0129】
【表7】
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【0130】
【表8】
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【0131】
NR標準は3GPPで特定された大きく2つの大きい周波数範囲(frequency range、FR)を有する。1つは通常のサブ6GHzと呼ばれ、表7及び表8において周波数範囲FR1に該当し、他の1つはミリメートル波と呼ばれ、表7及び表8において周波数範囲FR2に該当する。周波数範囲によって最大帯域幅及び利用可能な副搬送波間隔が異なる。
【0132】
表7はチャネルラスター、即ち、NR−ARFCHの定義を示し、表8は同期(synchronization)ラスターを示す。
【0133】
チャネルラスターは無線周波数(radio frequency、RF)チャネルの位置を識別するために使用されるRF参照周波数のセットを定義する。RFチャネルのためのRF参照周波数は搬送波上のリソース要素にマッピングされる。グローバル周波数ラスターが0から100GHzまでの全周波数について定義され、許容される(allowed)RF参照周波数のセットを定義するために使用される。グローバル周波数ラスターの粒度(granularity)は△FGlobalである。各々の動作(operating)帯域について、グローバル周波数ラスターからの周波数のサブセットがその帯域に適用可能であり、粒度△FGlobalを有してその帯域に対するチャネルラスターを形成する。
【0134】
同期ラスターは同期信号(synchronization、SS)ブロック位置に関する明示的なシグナリングがないとき、システム獲得(acquisition)のためにUEにより使用されるSSブロックの周波数位置を示す。グローバル同期ラスターが全ての周波数について定義され、SSブロックの周波数位置は該当グローバル同期チャネル番号(global synchronization channel number、GSCN)を有するSSREFとして定義される。
【0135】
表8に同期ラスターとSSブロックの該当リソース要素の間のマッピングが示されている。マッピングはチャネル内に割り当てられたRBの総数に依存し、UL及びDLの両方に適用される。表8はSSブロックのRB#10のリソース要素#0(即ち、副搬送波#0)の位置を示す。SSブロックは20個のRBからなるが、SSブロックを構成する20個のRBを0から19までインデックスすると、同期ラスターとして指示される周波数はSSブロックのRB#0〜RB#19のうち、RB#10の1番目のRE、即ち、1番目の副搬送波の位置に該当する。
【0136】
表7及び表8に示したように、チャネルラスターとSSラスターが一定の値に定められている。従って、搬送波周波数がfTx=NTx*△f+△offsetのように表現されると、オフセット項△offsetは周波数範囲FR1(<3GHz)について、いくつかの特定の値(一例として、−5kHz、0又は5kHz)に限定され、残りの周波数帯域について0である。上記表現において、数12について記載したように、項△fは副搬送波間隔であり、項NTxはfTx/△fと最も近い正の整数(例えば、floor{fTx/△f}又はceil{fTx/△f})であり、項△offsetはサイズが△fより小さい実数である(以下、fTxに適用される説明はfRxにも適用される)。
【0137】
また循環前置(cyclic prefix、CP)に対するサンプルの数を含めて、現在LTE/NR通信システムにおいてシンボルごとに使用されるサンプルの数は△fに基づいて決定されるサンプル時間を基準として全ての副搬送波間隔について16の整数倍である。即ち、CP長さは144=16*9或いは160=16*10であり、OFDMシンボルのCP部分ではない信号部分の長さは2048=16*128である。例えば、LTE或いはNR標準を基準として、△f=15kHz副搬送波間隔である20MHzの帯域幅の場合、サンプリング周波数は30.72MHzであり、1つのサブフレーム(又は1つのスロット)は30720個のサンプルからなり、各OFDMシンボルは2048+144サンプル時間或いは2048+160サンプル時間からなる。参考として、本明細の説明において、各サンプル時間Tsは1/(30.72MHz)、即ち、Ts=1/(2048*15*10kHz)である。
【0138】
いくつかのシナリオにおいて、NR及びLTEシステムは△f=15kHz副搬送波間隔である20MHzの帯域幅に該当するニューマロロジーに比例する値をニューマロロジーとして使用するので、本明細で説明する全周波数は15kHz副搬送波間隔である20MHzの帯域幅に該当するニューマロロジーを基準として説明されている。ここで、2048は上記ニューマロロジー(例えば、15kHz副搬送波間隔及び20MHz帯域幅)が使用されるときのFFTサイズにより定義される信号長さ(即ち、OFDMシンボルの有効シンボル長さ)であり、144及び160は上記ニューマロロジー(例えば、△f=15kHz副搬送波間隔及び20MHz帯域幅)が使用される時の循環前置(cyclic prefix、CP)長さに該当する。
【0139】
送信信号及び受信信号に対する位相リセットが、例えば、アップ・コンバート周波数による信号周期がOFDMシンボル長さの整数倍ではなく、シナリオを解決するために具現されることができ、ここで、OFDMシンボル長さは‘CP部分の長さ+信号部分の長さ’と同一である。従って、いくつかのシナリオにおいて、該当周波数による信号周期の整数倍がOFDMシンボル長さに該当する周期を有する搬送波周波数を使用すると、位相リセットが具現されないこともできる。
【0140】
例えば、OFDMシンボルのCP部分は144=16*9個のサンプル或いは160=16*10個のサンプルからなり、OFDMシンボルの信号部分は2048=16*128個のサンプルからなり、IFFT/FFTサイズが2048である通信システムを考慮する。かかるシステムでは、アップ・コンバート周波数が16個のサンプルの周期を有する周波数、又は周波数1/(16*Ts)にセットされる場合、位相リセットが不要になることもでき、ここで、16は{144、160、2048}の最大公約数である。サンプリング時間Tsを代入すると、これは1/(16*Ts)=1/{16*1/(FFTサイズ*△f)}=1/{16*1/(2048*△f)}=128△fに該当する。このようにアップ・コンバート周波数が値1/(16*Ts)=128△fにセットされると、位相リセットが要求されない。
【0141】
これは、16個のサンプルの周期を有する周波数(16は144、160及び2048の最大公約数)は、OFDMシンボルの各信号部分の開始で同じ位相を有するためである。特に、これは160TsのCP部分には周期が16*Tsである正弦波が10個含まれ、長さ2048Tsの信号部分には周期が1/(16*Ts)である正弦波が128個含まれるためである。例えば、NRシステムで支援される最小の副搬送波間隔△f=15kHzを考慮すると、15kHz*2048/16=15kHz*128=1.92MHzの倍数に該当する搬送波周波数を使用すると、毎OFDMシンボルの信号部分の開始で自然に位相が0になるので、位相オフセットの問題が発生しない。
【0142】
また、副搬送波間隔△f=15kHz、CP長さ144Ts及び160Ts、及びOFDMシンボルの信号部分(即ち、有効シンボル)長さ2048Tsを有するニューマロロジーによれば、1.92MHzの整数倍に該当する周波数については、CP開始点でも位相が0になる。これを一般化すると、OFDMシンボル信号生成のために多数のCP長さ(例えば、NCP,1、NCP,2、…)が定義され、OFDMごとの有効サンプルの数、即ち、OFDMシンボルでCPを除いた信号部分のサンプルの数(即ち、IFFT/FFTサイズ)がNsampleである仮定すると、シンボルごとに位相不連続を引き起こさない周波数は{NCP,1、NCP,2、…、Nsample}の最大公約数に該当するサンプルを1周期とする周波数に該当する。
【0143】
シンボルごとの位相不連続を引き起こさない周波数は、副搬送波間隔を用いて以下のように表現できる:
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ここで、gcd{NCP,1、NCP,2,…、Nsample}はNCP,1、NCP,2,…、Nsampleの最大公約数である。
【0144】
これを上述したニューマロロジーである2048、160及び144に適用すると、Nbase△f=128△fになる。FFTサイズ=4096が使用される場合、NR標準でCP長さは144*2、160*2に変更されるので、これを
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に適用すると、相変わらずNbase=128である。
【0145】
他の例では、FFTサイズ=1024のようにFFTサイズが2048より減らした状況でも、CP長さは144/2=72及び160/2=80に変更されるので、これを
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に適用しても、相変わらずNbase=128である。
【0146】
以下、本明細はCP部分の長さと信号部分の長さが144*2μ又は160*2μであり、OFDMシンボルの信号部分の長さが2048*2μ(ここで、μは整数)である通信システム(例えば、LTEシステム、又はNRシステム)の具現について説明する。
【0147】
かかるシナリオでは、位相不連続を引き起こさない周波数が128△fを使用して表現される。しかし、具現はこれに制限されず、本明細は上記例示したCP長さ及び信号部分長さとは異なるCP長さと信号部分長さが使用されるシナリオにも適用できる。
【0148】
例えば、本明細の具現は、{NCP,1、NCP,2、…、Nsample}の最大公約数に該当する数のサンプルを1周期とする周波数が基本搬送波周波数fbaseとして使用される、即ち、
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の整数倍がfbaseとして使用されるシナリオにも適用できる。
【0149】
このように以下の説明において、128△fの整数倍として上述した基本搬送波周波数fbaseは、{NCP,1、NCP,2、…、Nsample}の最大公約数に該当する数のサンプルを1周期とする周波数の整数倍或いは
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の整数倍として一般化できる。
【0150】
基本搬送波周波数128△fを使用するシナリオの場合、fTxは以下のように表現できる:
【0151】
【数17】
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【0152】
ここで、項
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であり、項Nfrac=modulo(NTx,128)であり、項fbaseは搬送波周波数のうち、128△fの解像度(例えば、△f=15kHzである場合は、1.92MHz解像度)に量子化された(下方へ量子化された、即ち、floor関数を適用した)バージョン、項ffracはfbaseとfTxの間の差について△fに量子化されたバージョンである。
【0153】
項△offsetは△f=15kHz単位の周波数から離れた量を示す。NRシステムにおいて、△offsetは、例えば、+/−5、0kHzになるようにセットされる。特に、△offsetは△f=15kHzの副搬送波間隔を基準として、−5kHz、5kHz、0kHzのうちの1つに定義される。いくつかの具現において、Nintはfloor関数ではなく、round関数にも代替でき、この場合、Nfrac=NTx −128*round(NTx/128)のように定義される。Nintはfloor関数ではなく、round関数に代替されると、Nfrac=NTx −128*round(NTx/128)に変更されること以外には、他の動作はNintがfloor関数に定義される時と同一である。
【0154】
数17において、基本搬送波周波数fbaseは常にOFDMシンボル単位で位相を一定値にリセットする周波数である。従って、位相補償に該当する
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と同じ値を有する。
【0155】
正規CPのみを考慮すると、送信機と受信機の間の搬送波周波数差について1つのシンボルに適用される位相補償項
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の値は、Nfrac=0,…,127と△offset=−5kHz、0、5kHzの組み合わせによる128*3個の複素値の1つであり、△offset=0である周波数範囲FR1(>3GHz)或いは周波数範囲FR2については、128個の複素値(例えば、Nfrac=0,…,127)のうちの1つになる。送信機と受信機の間の搬送波周波数差について、一定の時間単位(例えば、スロット、サブフレーム、1msなど)を構成する複数のシンボルに適用される位相補償値はシンボルによって異なる。
【0156】
従って、複数のシンボルに対する位相補償値の集合をシーケンスであると表現すると、正規CPのみを考慮すると、位相補償項
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は、Nfrac=0,…,127と△offset=−5kHz、0、5kHzの組み合わせによる128*3個のシーケンスのみを必要とする。△offsetとして可能な値の数が3個ではなく、他の値bに変更されると、128*b個のシーケンスが位相補償のために必要である。△offset=0である周波数範囲FR1(>3GHz)或いはFR2については、128個のシーケンス(例えば、Nfrac=0,…,127)のみを必要とする。ここで、位相補償項は最大1msの周期を有する。即ち、OFDMシンボルごとの信号部分の1周期が2048個のサンプル時間であると仮定すると、サンプル時間Ts=1/15000*2048秒であるので、任意のOFDMシンボル境界で特定の搬送波周波数に対する位相値がαであると、遅くとも15*2048サンプル時間、即ち、1msが経たときに同一の位相値αが示される。fTx=Nint*128△f+Nfrac*△f+△offsetであり、Nint*128△fについては位相補償が不要であるので、結論的にはNRシステムにおいて位相補償項
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は以下のように計算される。
【0157】
【数18】
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【0158】
搬送波周波数の元来の定義fTx =NTx*△f+△offsetを使用して送信端の最終信号を示すと、以下の通りである。
【0159】
【数19】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
*具現1
【0161】
具現1において、搬送波周波数fTxが自励発振器(OSC)を使用する周波数アップ・コンバートのために使用され、搬送波周波数fRxが自励発振器(OSC)を使用する周波数ダウン・コンバートのために使用される。
【0162】
図5A乃至図5Cは本明細の具現1の一例を示す図である。特に、図5Aは具現1による送信端構造の一例を示し、図5B及び図5Cは具現1による受信端構造の一例を示す。
【0163】
図5Aを参照すると、送信端はOFDM基底帯域信号を搬送波周波数にアップ・コンバートする前に、128個の複素値シーケンス或いは128*3個の複素値シーケンスのうち、搬送波周波数fTxに対して計算される1つの複素値シーケンスを用いて、毎シンボルごとに乗じた後(即ち、位相リセットを行った後)、fTxを用いてアップ・コンバートを行う。特定の搬送波周波数について128個の複素値シーケンスのうちの1つ(又は128*3個の複素値シーケンスのうちの1つ)が位相補償に使用され、該当複素値シーケンスを構成する複数の要素が複数のOFDMシンボルに1:1適用される。
【0164】
具現1は受信端でも同様の方式で行われる。以下、受信端での具現1の動作例について詳しく説明する。
【0165】
搬送波周波数がfRx=NRx*△f+△offsetのように表現されたシナリオにおいて、上記送信機構造について説明したように、受信機でも△offsetは周波数範囲FR1(<3GHz)では−5kHz、0又は5kHzであり、その他の周波数帯域では0kHzである。また現在のLTE/NR通信システムで使用される各々のシンボルについて使用されるCPを含むサンプルの数は△fに基づいて決定されるサンプル時間を基準として全ての副搬送波間隔について16の整数倍である。従って、この場合、△f=15kHzであるとき、15kHz*2048/16=15kHz*128=1.92MHzの整数倍に該当する搬送波周波数がダウン・コンバートに使用されると、毎OFDMシンボルごとに自然に信号部分(即ち、有効シンボル)の位相が0から始まるので、上述したような問題が発生しない。またLTE及びNRシステムにおいて、現在使用可能なニューマロロジーである△f=15kHzの副搬送波間隔、160Ts及び144Ts のCP長さ及び2048Tsの有効シンボル長さによれば、1.92MHzの整数倍に該当する周波数の場合、CP開始でも位相が0になる。
【0166】
より一般的には、OFDMシンボル信号の生成のために多数のCP長さ(例えば、NCP,1、NCP,2,、…)が定義され、OFDMごとの有効サンプルの数、即ち、OFDMシンボルにおいてCPを除いた部分のサンプル数(即ち、IFFT/FFTサイズ)がNsampleであると、{NCP,1、NCP,2,…、Nsample}の最大公約数に該当する数のサンプルを1周期とする周波数がシンボルごとに位相不連続を引き起こさない周波数に該当する。シンボルごとの位相不連続を引き起こさない周波数は、副搬送波間隔を用いて以下のように表現できる:
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ここで、gcd{NCP,1、NCP,2,…、Nsample}はNCP,1、NCP,2,…、Nsampleの最大公約数である。
【0167】
これを上述したニューマロロジー(即ち、2048、160、144)に適用すると、Nbase△f=128△fになる。△f=15kHz副搬送波間隔である20MHzの帯域幅の例において、FFTサイズ=4096が使用される場合、NR標準でCP長さは144*2、160*2に変更されるので、これを
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に適用すると、相変わらずNbase=128である。他の例として、FFTサイズ=1024のようにFFTサイズが2048より減らした状況でも、CP長さは144/2=72及び160/2=80に変更されるので、それを
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に適用しても、相変わらずNbase=128である。上述したように、以下では位相不連続を引き起こさない周波数を128△fを使用して示す。
【0168】
128△fを使用すると、fRxは以下のように表現できる:
【0169】
【数20】
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【0170】
ここで、
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Nfrac=modulo(NRx,128)であり、fbaseは搬送波周波数のうち、128△fの解像度(例えば、△f=15kHzである場合は、1.92MHz解像度)に量子化された(下方へ量子化された、即ち、floor関数を適用した)バージョン、ffracはfbaseからfRxまでの差について△fに量子化されたバージョンである。△offsetは△f=15kHz単位の周波数から離れた量を示し、NRシステムにおいて△offsetは、例えば、+/−5、0kHzになるように定められる。特に、△offsetは△f=15kHzの副搬送波間隔を基準として−5kHz、5kHz、0kHzのうちの1つに定義される。Nintはfloor関数ではなく、round関数にも代替可能であり、この場合、Nfrac=NTx−128*round(NTx/128)のように定義できる。いくつかの具現において、Nintがfloor関数ではなく、round関数に具現されると、Nfrac=NTx −128*round(NTx/128)に変更されること以外に他の動作はNintがfloor関数により定義されるときと同一である。
【0171】
数20において、fbaseは常にOFDMシンボル単位で位相を一定値にリセットする周波数であるので、位相補償に該当する
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と同じ値を有する。従って、正規CPのみを考慮すると、位相補償項
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はNfrac=0,…,127と△offset=−5kHz、0、5kHzの組み合わせによる128*3個のシーケンスのみを必要とする。△offsetの可能な値の数が3ではなく、他の値bに変更されると、128*b個のシーケンスが位相補償のために具現される。△offset=0である周波数範囲FR1(>3GHz)或いは周波数範囲FR2については、128個のシーケンス(例えば、Nfrac=0,…,127)のみが具現されてもよい。ここで、位相補償項は最大1msの周期を有する。fRx=Nint*128△f+Nfrac*△f+△offsetであり、Nint*128△fについては位相補償が具現されない。従って、NRシステムにおいて位相補償項
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は以下のように計算できる。
【0172】
【数21】
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【0173】
搬送波周波数の元来の定義fRx =NRx*△f +△offsetを使用して受信端の動作が定義されると、具現1による受信端の動作は、以下の数22のように表現できる。
【0174】
【数22】
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【0175】
数22において、積分はFFTに該当する機能を表現しており、数22の動作は図5Bのように表現される。実際の受信信号がダウン・コンバートされた後にアナログ−to−デジタル変換が行われると、積分式で表現されたFFTは、数23のように離散式(discrete equation)の形態で具現される。数23の動作は図5Cのように表現できる。
【0176】
【数23】
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【0177】
図5B図5Cの例の差は、位相リセット関数の位置であり、他の機能は同等である。
【0178】
受信端は受信信号にfRxを用いたダウン・コンバートを行った後、或いは受信信号にfRxを用いたダウン・コンバート及びFFTを行った後、128の複素値シーケンス或いは128*3の複素値シーケンスのうち、搬送波周波数fRxにより計算される1つの複素値シーケンスを用いて毎シンボルごとに乗ずる位相リセットを行う。
【0179】
具現1による送信装置と受信装置は位相補償のために
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或いは
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のシーケンス、或いは
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のうち、
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を除いた
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の値に該当する
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或いは
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のシーケンスを格納しておき、毎シンボルに対する位相リセットを行うときに使用できる。
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は1副搬送波間隔に対して一定の値を有するので、
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の値が本明細の具現1によって
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或いは
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のシーケンスに固定されると、シンボルごとに該当シンボルに対する位相補償はシーケンスから1つを選択して行われるので、送信装置及び受信装置で位相リセットが容易に具現される。
【0180】
このように、本明細の具現によれば、搬送波周波数が異なると、位相補償のためのシーケンスも異なるが、変更されたシーケンスはただ128個或いは128*3個の可能なシーケンスのうちの1つになる。従って、本明細のいくつかの具現において、送信端と受信端は利用可能な各搬送波周波数について、位相が変わる周期の正の整数倍に該当するOFDMシンボルに適用される位相補償値からなるシーケンスを各々格納しておき、特定の搬送波周波数を用いたOFDMシンボル信号の処理時に、上記周期ごとに特定の搬送波周波数に該当するシーケンスを適用して位相補償を行うことができる。
【0181】
例えば、1msを周期としてOFDMシンボルの位相が変わり、1ms内に14個のOFDMシンボルが含まれる場合、特定の搬送波周波数に対する位相補償値シーケンスは14個のOFDMシンボルの各々に対する14個の位相補償値からなる。送信端と受信端は1ms周期で適用される位相補償値シーケンスを搬送波周波数ごとに格納しておき、格納された位相補償値シーケンスを該当搬送波周波数に対する位相補償時に使用することができる。
【0182】
*具現2
【0183】
具現1と同様に、具現2でも基本搬送波周波数fbase=Nint*128△fが位相リセットを容易に行うために、或いはOFDMシンボルの間の位相不一致の容易な解消のために使用される。ここで、項fbaseは(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍である周波数のうち、fXX(ここで、下付き文字XXは送信端ではTxであり、受信端ではRx)に最も近い周波数である。以下、fbaseがNint*128△f(ここで、Nintは整数)のように表現される。
【0184】
比較すると、具現1では、搬送波周波数fTxが自励発振器(即ち、アナログOSC)を用いた周波数アップ・コンバートに使用され、搬送波周波数fRxが自励発振器を用いた周波数ダウン・コンバートに使用される。
【0185】
一方、具現2では、fXX のうち、基本搬送波周波数fbase=Nint*128△fだけはアナログ端での周波数シフト(例えば、自励発振器により周波数シフト)を行うときに使用され、fXX のうち、周波数差‘fXX −Nint*128△f’だけはデジタル端での周波数シフトを行ときに使用される。Nint*128△fが自励発振器でアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数として使用されると、OFDMシンボル間の位相遷移値が同一である(即ち、OFDMシンボルの信号部分の開始で位相が同一である)。従って、Nint*128△fが自励発振器でアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数として使用されると、位相補償のために毎OFDMシンボルごとに位相遷移値を計算して適用する必要がない。
【0186】
以下、デジタル端において‘fXX −Nint*128△f’だけを周波数シフトするときに使用されるモジュールによって、具現2を具現2−1及び具現2−2として説明する。
【0187】
**具現2−1
【0188】
図6A及び図6Bは本明細の具現2−1の例を示す図である。特に、図6Aは具現2−1による送信端構造の一例を示し、図6Bは具現2−1による受信端構造の一例を示す。図6A及び図6Bにおいて、tlは時間ドメインでOFDMシンボルlの信号部分の開始位置を示し、
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のように表現される。
【0189】
数17を用いて最終送信機信号を整理すると、送信機の送信信号は以下のように表現できる。
【0190】
【数24】
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【0191】
数24の最後の行を参照すると、Nfrac=modulo(NTx,128)はIFFT式においてリソースのマッピング位置(即ち、副搬送波のマッピング位置)を変更する項である。即ち、
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がIFFT式に該当するが、IFFT式のうち、
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項はIFFTに対するリソースのマッピング位置を示す。従って、各副搬送波の信号シンボルakがどの周波数に変調されるかが
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によって決定される。
【0192】
このように具現2−1では、IFFTに対するリソースのマッピング位置をNfracにより変更することにより、基底帯域信号が搬送波周波数fTxのうち、fTx−Nint*128△f(或いは△offsetが0ではない場合には、fTx−Nint*128△fの一部)だけ周波数−シフトされる。IFFTはそれ自体で位相に対するリセット機能を有するので、IFFTに対するリソースマッピング位置を変更して行われる周波数シフトはOFDMシンボル間の位相不一致を引き起こさない。数24の最後の行における
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は、LTE上りリンクのSC−FDMAで行われる7.5kHz周波数シフトのように(数1において1/2*△fを参照)、毎シンボル単位でCPの開始或いは終了で信号の位相を一定値(例えば、0)にリセットしながら信号を△offsetだけ周波数シフトする。
【0193】
いくつかのシナリオにおいて、一般的には、非常に大きいサイズの周波数シフトをデジタルに具現することは容易ではない。しかし、△offsetは小さい値であるので、△offsetだけの周波数シフトはデジタルOSCにより容易に具現できる。△offsetだけの周波数シフトはIFFTの後に行われる。数24の最後の行における
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においてfbaseは、(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fTxに最も近い周波数である。例えば、周波数fbaseは△f=15kHzである場合には1.92MHzの整数倍であり、△f=30kHzである場合には3.84MHzの整数倍である。
[この文献は図面を表示できません]
はfbaseへのアップ・コンバート動作を示す。具現2−1において、fbaseだけの周波数シフトはアナログOSCを用いて行われる。
【0194】
上述した具現1は特定の数の複素値シーケンス(例えば、128或いは128*3個の複素値シーケンス)のうちの1つを用いて位相補償を行うように位相補償機能を構成する。特に、具現1において、搬送波周波数fTxへの周波数アップ・コンバートはアナログOSCにより行われる。これに反して、具現2−1では、デジタルモジュールであるIFFTを用いた‘fTx−Nint*128△f’の周波数シフトとアナログOSCを用いたNint*128△fの周波数シフトによって実際の搬送波周波数fTxへの周波数アップシフトが行われる。
【0195】
図6Aを参照すると、△offsetを考慮すると、IFFT及びアップ・コンバートの機能に、さらに△offsetに該当する周波数シフト動作が行われる。具現がこれに制約されることではないが、いくつかの具現において、△offsetは+/−5kHzの変動(variance)を有する。また周波数範囲FR2とFR1(>3GHz)である場合、或いは周波数範囲FR1(<3GHz)において△offset=0である場合、さらなる動作(例えば、△offsetによる周波数シフト)無しに周波数シフト動作が行われることもできる。この場合、図6Aにおいて、
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のように表示された周波数シフトモジュールは省略可能である。
【0196】
受信端でもそれに相応する動作が設定される。以下、具現2による受信端動作について具体的に説明する。
【0197】
数20を用いて整理された最終送信機信号は以下のように与えられる。
【0198】
【数25】
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【0199】
数25の最後の行について説明すると、
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は、FFT式においてリソースのデマッピング位置を変更する項である。即ち、FFT式
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において、項
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はリソースのデマッピング位置、即ち、副搬送波のOFDM基底帯域信号へのデマッピング位置に関する。言い換えれば、
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は副搬送波のFFTからの出力位置に関する。具現2−1ではFFTに対するリソースのデマッピング位置をNfracにより変更することにより周波数シフトが搬送波周波数fRxのうち、‘fRx−Nint*128△f’(或いは△offsetが0ではない場合には、‘fTx−Nint*128△f’の一部)だけ行われる。FFTはそれ自体で位相に対するリセット機能を有するので、FFTに対するリソースデマッピング位置を変更して行われる周波数シフトはOFDMシンボル間の位相不一致を引き起こさない。数25の最後の行における
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は、LTE上りリンクのSC−FDMAで行われる7.5kHz周波数シフトのように(数1の1/2*△fを参照)、毎シンボル単位でCPの開始或いは終了で信号の位相を一定値(例えば、0)にリセットしながら信号を△offsetだけ周波数シフトする。
【0200】
いくつかのシナリオにおいて、一般的には、非常に大きい周波数シフトをデジタルに具現することは容易ではない。しかし、△offsetは小さい値であるので、△offsetだけの周波数シフトはデジタルOSCにより容易に具現できる。△offsetだけの周波数シフトはFFTの前に行われる。数25の最後の行における
[この文献は図面を表示できません]
において周波数fbaseは、(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fRxに最も近い周波数である。例えば、fbaseは△f=15kHzである場合には1.92MHzの整数倍であり、△f=30kHzである場合には3.84MHzの整数倍である。
[この文献は図面を表示できません]
はfbaseからのダウン・コンバート動作を示す。具現2−1において、fbaseだけの周波数シフトはアナログOSCを用いて行われる。
【0201】
具現1は特定の数の複素値シーケンス(例えば、128個或いは128*3個の複素値シーケンス)のうちの1つを用いて位相補償を行うように位相補償機能を構成する。特に、具現1において搬送波周波数fRxからの周波数ダウン・コンバートはアナログOSCにより行われる。
【0202】
これに反して、具現2−1では実際搬送波周波数fRxからの周波数ダウンシフトがデジタルモジュールであるFFTを用いた‘fRx−Nint*128△f’の周波数シフトとアナログオシレーターを用いたfbase=Nint*128△fの周波数シフトにより行われる。
【0203】
図6Bを参照すると、さらに△offsetに該当する周波数シフト動作がFFT及びダウン・コンバート機能で行われる。また、FR2とFR1(>3GHz)である場合、或いはFR1(<3GHz)で△offset=0である場合には、周波数シフト動作がさらなる動作(例えば、△offsetによる周波数シフト)なしに行われる。この場合、図6Bにおいて、
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で表示された周波数シフトモジュールは省略できる。
【0204】
**具現2−2
【0205】
具現2−1と同様に、具現2−2では搬送波周波数fXX のうちのfbaseの周波数シフトはアナログOSCを用いて行われる。但し、搬送波周波数fXX のうち、‘fXX − fbase’の周波数シフトはIFFT/FFTを用いて行われる具現2−1とは異なり、具現2−2ではデジタルOSCにより行われる。
【0206】
例えば、デジタルOSCによる周波数シフトはデジタルOSCが信号にcosine値或いはsine値を乗ずることにより行われる。この場合、デジタルOSCは適切な技術、例えば、consine/sine値が格納されたメモリからcosine/sine値を読み取ること、或いはcosine/sine値を演算することにより、cosine/sine値が得ることができる。特定の時点に信号の位相が一定の値になるようにするためには、例えば、デジタルOSCが特定のサンプルについて読み取るメモリの住所を、位相値が一定の値になるようにするconsine/sine値を格納したメモリの住所になるように、デジタルOSCを設定すればよい。或いはcosine/sine値をメモリから読み取ることではなく、演算するように具現されたデジタルOSCである場合は、デジタルOSCが位相値を特定の時点に所望の値に調整すればよい。即ち、デジタルOSCは特定の時点/サンプルについて一定の位相値を有する周波数シフト値を格納したメモリ住所を読み取るように具現されるか、或いは特定の時点/サンプルについて位相値を上記一定の位相値に調整するように具現すればよい。従って、デジタルOSCによる周波数シフトの場合、かかる具現はOFDMシンボル境界を基準として位相リセット機能を単純化することができる。かかるシナリオにおいて、いくつかの具現は送信端で位相の事前補償を行わなくてもよい。
【0207】
参考として、上述したように、OFDMシンボル間の位相不一致はIFFT/FFTが適用される時間区間と自励発振器が駆動する時間区間とが異なるためであるといえる。アップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数をアナログOSCである自励発振器の代わりにデジタルOSCに具現すると、OFDMシンボルの境界で位相をリセットすることがもっと容易かつ簡便になる。しかし、搬送波周波数だけをデジタルOSCでアップ・コンバート/ダウン・コンバートすることは、送信機と受信機が数GHz単位で乗算(multiplication)を行う必要があるので、非常に複雑になる。例えば、デジタルOSCを用いて2GHzに/からのアップ・コンバート/ダウン・コンバートを行うためには、Nyquistサンプリング整理(theorem)によれば、少なくとも4GHzへのサンプリングが必要があるので、結局4GHzのサンプル単位で入力信号にアップ・コンバート/ダウン・コンバートのcosine/sine値を乗ずる動作を行うようにデジタルOSCを具現しなければならない。このように多い数の乗算動作をデジタルモジュールで具現することは、いくつかのシナリオでは非常に複雑であり、送信機と受信機の製作費用が高くになる。従って、いくつかのシナリオでは、搬送波周波数の全体サイズがデジタルOSCによりアップ・コンバート/ダウン・コンバートされない。
【0208】
比較すると、具現2−1において、送信端はRF端のOSC(即ち、自励発振器)によってfbaseに該当する周波数にアップ・コンバートする過程と、ffrac(或いは‘fTx − fbase’)を用いてIFFTでリソースマッピングの位置を定める過程を行うように構成される。△offset=0ではない場合、具現2−1による送信端は△offsetのためにデジタルOSCを用いてOFDMシンボル単位で(例えば、CPが終了した時点にゼロ位相を有するように)位相をリセットする過程をさらに行うように構成される。具現2−1のいくつかのシナリオにおいて、基底帯域で出力される信号はffrac値(或いは‘fTx −fbase’値)によってDCを基準として非対称になることができる。これは送信機でIFFTの出力後に(或いは受信機でFFTの入力前に)フィルタリングなどによりスペクトルの効率性を制約することができる。例えば、IFFTの出力(又はFFTの入力)のうちの一部が送信機(又は受信機)のフィルタリンク領域から離れてフィルタリングによる帯域の縁部で信号歪みを引き起こすことができる。
【0209】
従って、この問題を解決するために、いくつかのシナリオではIFFTのリソースマッピングの位置によりffrac(或いは‘fTx−fbase’)に対応する周波数アップ・コンバート(即ち、周波数アップシフト)及び位相リセット機能を具現する具現2−1の送信端動作を修正することが求められる。
【0210】
これにより、図6Aの周波数シフト、即ち、デジタルOSCを用いた△offsetだけの周波数シフトの場合と同様に、ここで説明する具現2−2では送信端でffrac(或いは‘fTx −fbase’)だけの周波数に対する周波数シフト及び位相リセット機能がデジタルOSCで構成される。
【0211】
以下、シナリオの例について図7A及び図7Bを参照しながら説明する。
【0212】
図7A及び図7Bは本明細の具現2−1によるリソースマッピングと本明細の具現2−2によるリソースマッピングの例を示す図である。特に、図7Aは具現2−1によるリソースマッピング及びアップ・コンバートの例を示し、図7Bは具現2−2によるリソースマッピング及びアップ・コンバートの例を示す図である。
【0213】
図7Aの左側部を参照すると、いくつかの無線通信システムにおいて、OFDMシンボル内の副搬送波の情報シンボル
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(ここで、kは副搬送波インデックス)はIFFTモジュールにマッピングされ、IFFTモジュールにマッピングされた情報シンボルはIFFTモジュールの中心或いはDCを基準として(略)対称的に分布する。
【0214】
一方、図7Aの右側部を参照すると、本明細の具現2−1において
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のIFFTへのマッピング位置を、例えば、Nfracだけ変更する。図7Aの右側部のように、IFFTのリソースマッピング位置が変更されるシナリオでは、IFFTの出力のうち、送信機のフィルタリンク領域を超える部分が発生する可能性がある。IFFTの出力のうち、フィルタリンク領域を離れた部分はフィルタリングが行われないので、帯域の縁部(band edge)で信号が歪む問題が発生する可能性がある。
【0215】
この問題を解決するために、具現2−2は図7Bに示すように、IFFTのリソースマッピング位置を変更しない状態で、IFFTの出力について(フィルタリング機能があればフィルタリンクを行った後に)ffrac+△offset(即ち、‘fTx−fbase’)だけデジタルOSCにより周波数位置を所望の位置に変更する。
【0216】
図8A及び図8Bは本明細の具現2−2の例を示す図である。特に、図8Aは具現2−2による送信端構造の一例を示し、図8Bは具現2−2による受信端構造の一例を示す。図8A及び図8Bにおいてtlは時間ドメインでOFDMシンボルlの信号部分の開始位置を示し、
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のように表現される。
【0217】
まず図8Aを参照すると、具現2−2による送信機はfTxだけ周波数アップ・コンバートを行うために、fTxのうち、fbaseに該当する周波数についてはRF端でのオシレーター(即ち、アナログOSC)によってアップ・コンバートを行い、ffrac+△offset(即ち、‘fTx−fbase’)に該当する周波数についてはデジタルOSCによりOFDMシンボル単位で周波数アップ・コンバート及び(例えば、CPが終了する時点にゼロ位相を有するように)位相リセットを行う。後述するように、具現2−2による送信端動作は受信端でも同様の方式で行われる。
【0218】
図8Bを参照すると、具現2−2による受信機はfRxだけ周波数ダウン・コンバートを行うために、fRxのうち、fbaseに該当する周波数についてはRF端でのオシレーター(即ち、アナログOSC)によってダウン・コンバートを行い、ffrac+△offset(即ち、‘fRx−fbase’)に該当する周波数についてはデジタルオシレーターによってOFDMシンボル単位で周波数ダウン・コンバート及び(例えば、CPが終了する時点にゼロ位相を有するように)位相リセットを行う。
【0219】
比較すると、具現2−1において、受信端はRF端のオシレーター(即ち、自励発振器)によってfbaseに該当する周波数を有してダウン・コンバートする過程と、ffrac(或いは‘fRx − fbase’)を用いてFFTでリソースデマッピングの位置を定める過程を行うように構成される。△offsetの値が0ではない場合、具現2−1による受信端は△offsetのためにデジタルOSCを用いてOFDMシンボル単位で(CPが終了する時点にゼロ位相を有するように)位相をリセットする過程を行うことができる。具現2−1のいくつかのシナリオでは、RFダウン・コンバート段階で出力される信号はffrac値(或いは‘fRx−fbase’値)によってDCを基準として非対称の程度が大きい。これは、受信機のダウン・コンバート出力端でフィルタリングすることにより、スペクトルの効率を制限する可能性がある。
【0220】
従って、この問題を解決するために、FFTのリソースデマッピング(de−mapping)の位置により、ffrac(或いは‘fRx −fbase’)に対応する周波数ダウン・コンバート(即ち、周波数ダウンシフト)及び位相リセット機能を具現する具現2−1の受信端動作を変更することが求められる。
【0221】
これにより、図6Bでの周波数シフト、即ち、△offsetだけをデジタルOSCで周波数シフトすることと同様に、具現2−2では、受信端でffrac(或いは‘fRx−fbase’)だけの周波数に対する周波数シフト及び位相リセット機能がデジタルOSCで構成される。この時、周波数ダウン・コンバート及び位相リセットに使用される周波数ffrac(或いは‘fRx−fbase’)は、具現1と同様に、128(或いは周波数帯域によって△offsetが0ではない場合には128*3)種類があり得る。
【0222】
*具現3
【0223】
図9A乃至図9Cは本明細の具現3の例を示す図である。特に、図9Aは具現3による送信端構造の一部の例を示しており、図9B及び図9Cは具現3による受信端構造の一部の例を示している。
【0224】
数24は以下のように変形可能である。
【0225】
【数26】
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【0226】
数26の最後の行に基づいて、本明細の具現3を説明する。具現3と具現2−1は以下の点で類似する。例えば、Nfrac=modulo(NTx,128)は具現3で具現2−1のような役割をする。図9Aを参照すると、項Nfrac=modulo(NTx,128)はIFFT式においてリソースのマッピング位置(即ち、副搬送波のマッピング位置)を変更する項である。具現2−1で説明したように、
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がIFFT式に該当する。IFFT式において、
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はIFFTに対するリソースのマッピング位置を示す。
【0227】
数26の最後の行における
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を参照すると、具現3と具現2−1は以下のような差を有する。
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において周波数fbaseは、(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fTxに最も近い周波数である。例えば、周波数fbaseは△f=15kHzである場合には1.92MHzの整数倍と同一であり、△f=30kHzである場合には3.84MHz、△f=60kHzである場合には7.68MHzの整数倍と同一であり、△f=120kHzである場合には15.36MHzの整数倍と同一である。周波数fbaseはNint*128△f(ここで、Nintは整数)のように表現される。
【0228】
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はfbaseに△offsetを加えた周波数(即ち、fbase+△offset)へのアップ・コンバート動作を示し、アナログOSCにより処理される。アナログOSCにより処理される△offsetは、毎シンボルごとに位相不連続を引き起こすことができるので、いくつかの具現において具現3の送信端は△offsetについて
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を用いた位相補償を行う。
【0229】
比較すると、具現2は△offsetだけの周波数シフトのためにサンプル単位で位相を回転(即ち、位相をシフト)させることにより、サンプル単位で周波数をシフトする。即ち、具現2はサンプル単位で位相を回転するために、サンプル単位で導き出された複素値を活用する。具現2に比べて、図9Aに示したように、具現3はOFDMシンボル単位で固定された複素値をIFFTの出力に乗じればよい。
【0230】
さらに比較すると、具現1は全ての利用可能な搬送波周波数の候補について位相補償のために、128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用する。即ち、具現1は各々の搬送波周波数についてシンボルごとに128個或いは128*3個の複素値の1つを活用するので、具現1は搬送波周波数による位相補償のために128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用する。一方、具現3ではffracだけの周波数シフトをIFFTへのリソースマッピング位置を変更することにより行うので、ffracについては128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用せず、アナログアップ周波数変換により具現される△offsetに対する位相補償のみを行えばよい。従って、具現3では△offset=−5kHz又は△offset=5kHzに位相補償のみを行えばよいので、△offset=+/−5kHzに対する位相補償のために、2つの複素値シーケンスのみを活用する。負の周波数は正の周波数の反対位相進行に該当するので、具現3は実際には位相補償のために1つの複素値シーケンスのみを活用する。いくつかの具現において、周波数範囲FR2とFR1(>3GHz)である場合、或いは周波数範囲FR1(<3GHz)で△offset=0である場合は、具現2の場合と同様に、IFFTとアップ・コンバート以外にはさらなる動作(例えば、△offsetによる周波数シフト)無しに搬送波周波数へのアップ・コンバート機能を構成できる。
【0231】
具現3は送信端だけではなく、受信端にも適用できる。数25は以下のように変形可能である。
【0232】
【数27】
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【0233】
数27の最後の行に基づいて、本明細の具現3を説明する。具現3と具現2−1は以下のような点で類似する。例えば、Nfrac=modulo(NRx,128)は具現3及び具現2−1の両方で同一の役割をする。図9B及び図9Cを参照すると、Nfrac=modulo(NRx,128)はFFT式でリソースのデマッピング位置(即ち、副搬送波へのデマッピング位置)を変更する項である。具現2−1で説明したように、
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がFFT式に該当する。FFT式のうち、
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はFFTによるリソース(例えば、副搬送波)のデマッピング位置を示す。このように、
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項は副搬送波のFFTからの出力位置に関する。
【0234】
数27の最後の行における
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を参照すると、具現3と具現2−1は以下のような差を有する。
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において周波数fbaseは、(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fRxに最も近い周波数である。周波数fbaseはNint128△f(ここで、Nintは整数)のように表現される。
【0235】
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はfbaseに△offsetを加えた周波数だけのダウン・コンバート動作を示し、アナログOSCにより処理される。アナログOSCにより処理される△offsetは、毎シンボルごとに位相不連続を引き起こすことができるので、具現3の受信端は
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を用いた位相補償を行う。図5B及び図5Cと同様に、
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を用いた位相補償は、図9Bに示したように、FFTの前に行われることもでき、図9Cに示したように、FFTの後に行われることもできる。これらの例において、図9B及び図9Cは△offsetに対する位相補償が行われる位置のみが異なり、それ以外の受信機の動作/機能は同一である。
【0236】
比較すると、具現2は△offsetだけの周波数シフトのためにサンプル単位で位相を回転することにより、サンプル単位で周波数をシフトする。即ち、具現2ではサンプル単位で位相を回転するために、サンプル単位で導き出される複素値を具現する。一方、具現3ではOFDMシンボル単位で固定された複素値をFFTへの入力に乗じればよい。
【0237】
また比較すると、具現1は全ての利用可能な搬送波周波数の候補について位相補償のために、128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用する。即ち、具現1は各々の搬送波周波数についてシンボルごとに128個或いは128*3個の複素値の1つを活用するので、搬送波周波数による位相補償のために128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用する。一方、具現3ではffracだけの周波数シフトをFFTからのリソースデマッピング位置を変更することにより行うので、ffracについては128個或いは128*3個の複素値シーケンスを活用せず、アナログダウン周波数変換により具現される△offsetに対する位相補償のみを行えばよい。従って、具現3では△offset=+/−5kHzに対する位相補償のために、+/−5kHzに該当する2つの複素値シーケンスのみを活用する。また負の周波数は正の周波数の反対位相進行に該当するので、具現3は実際には位相補償のために1つの複素値シーケンスのみを活用する。また周波数範囲FR2とFR1(>3GHz)である場合、或いは周波数範囲FR1(<3GHz)において△offset=0である場合には、具現2と同様に、FFTとダウン・コンバート以外には更なる動作(例えば、△offsetによる周波数シフト)無しに搬送波周波数からのダウン・コンバート機能を構成できる。
【0238】
上記具現(具現1、具現2及び具現3)は、基本的に位相不連続に対する位相補償が送信端の搬送波周波数fTxと受信端の搬送波周波数fRxの各々について行われるシナリオについて説明している。しかし、数16を参照すると、究極的に位相補償はfTx−fRxに該当する位相不連続(即ち、位相不一致)を補正することに該当する。fTx及びfRxは副搬送波の位置(例えば、副搬送波間隔の整数倍)に該当するので、位相補償は△offsetが0にみなされるシナリオでも行われる。例えば、△offsetが実際には0ではない時にも△offsetを0とみなすことは、△offsetに対する位相補正/補償を行わないシナリオに該当する。このように本明細の具現は、△offsetが0にみなされる場合にも適用できる。△offsetが0にみなされると、搬送波周波数で△offsetを除いた周波数サイズについてのみ位相補償が各々送信端と受信端で行えばよい。位相補償項において△offsetが0にみなされるシナリオでは、fTx=NTx*△fであるので、数16の最後の行で位相補償に該当する項
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及び
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は各々以下のように表現できる。
【0239】
【数28】
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【0240】
【数29】
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【0241】
数28において、以下の式が維持される:fTx=NTx*△f+△offset=Nint*128△f+ Nfrac*△f+△offset=fbase+Nfrac*△f+△offset=fbase+ffrac+△offset。数29において、以下の式が維持される:fRx=NRx*△f+△offset=Nint*128△f+Nfrac*△f+△offset=fbase+Nfrac*△f+△offset=fbase+ffrac+△offset。△offsetを0とみなして行われる本明細によるOFDMシンボル信号の生成/復元は、△offsetを0とみなして△offsetに対する位相補償が行われない点を除くと、上述した具現1、具現2−1、具現2−2のように適用される。
【0242】
このようなシナリオにおいて、具現1a、具現2−1a、具現2−2a及び具現3aの各々に対応する具現1、具現2−1、具現2−2及び具現3が以下のように具現される。
【0243】
*具現a1
【0244】
具現1の送信端関連の数19を再度記載すると、以下の通りである。
【0245】
【数30】
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【0246】
具現1の位相補償項は
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により与えられるが、△offsetを考慮しない具現a1の位相補償項は
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により与えられる。
【0247】
具現1の受信端関連の数22及び数23のうち、図23を再度記載すると、以下の通りである。
【0248】
【数31】
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【0249】
具現1の位相補償項は
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により与えられるが、具現a1の位相補償項は△offsetが考慮されないシナリオにおいて
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により与えられる。
【0250】
具現1の位相補償は、△offsetが−5kHz、0或いは+5kHzである周波数帯域については128*3個の複素値シーケンスのうちの1つを用いて行われる。逆に、具現a1の位相補償は、△offsetとは関係なく、128個の複素値シーケンスのうちの1つを用いて行われる。具現a1では、△offsetに対する周波数シフトがアナログ自励発振器により行われても、△offsetにより引き起こされる位相不一致を補正するための位相補償が行われない。
【0251】
*具現a2−1
【0252】
図10A及び図10Bは本明細の具現a2−1の例を示す図である。特に、図10Aは具現a2−1による送信端構造の一部の例を示しており、図10Bは具現a2−1による受信端構造の一部の例を示している。
【0253】
offsetを除いた項目のみについて位相補償が行われることを考慮して、具現2−1の送信端関連の数24は以下のように変形可能である。
【0254】
【数32】
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【0255】
数32の1行目は数24の1行目のfTxにfbase+ffrac+△offsetを代入して得られる。数32から分かるように、具現a2−1の位相補償は、IFFT式である
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においてリソースのマッピング位置を変更すること
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と、fbaseに△offsetを加えて得られる周波数(即ち、fbase+△offset)へのアップ・コンバート
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を行うことにより行われる。ここで、fbaseは(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fTxに最も近い周波数である。結論として、△offsetに対する位相補償が行われない場合、図10Aに示されたように、IFFTに対するリソースマッピングシフトと(アナログOSCを用いた)アップ・コンバートのみで搬送波周波数へのアップ・コンバートが行われる。具現a2−2では、△offsetに対する周波数シフトがアナログ自励発振器により行われても、△offsetが0とみなされ、即ち、△offsetに対する位相補正/補償が行われない。
【0256】
これと同様に、△offsetを除いた項目のみについて位相補償が行われることを考慮して、具現2−1の受信端に関連する数25は以下のように変形することができる。
【0257】
【数33】
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【0258】
数33の1行目は数25の1行目のfRxにfbase+ffrac+△offsetを代入して得られる。数33から分かるように、上述したように、具現2−1aの位相補償は、FFT式の
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においてリソースのデマッピング位置を変更すること
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と、fbaseに△offsetを加えて得られる周波数(即ち、fbase+△offset)によるダウン・コンバート
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を含む。ここで、fbaseは(例えば、fTxより小さいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxより大きいか又は等しい周波数のうち、或いはfTxの両方の周波数のうち)128△fの整数倍に該当する周波数のうち、fTxに最も近い周波数である。結論として、△offsetに対する位相補償が行われない場合、図10Bに示されたように、位相補償の機能はFFTに対するリソースデマッピングシフトと(アナログOSCを用いた)ダウン・コンバートにより行われる。
【0259】
*具現a2−2
【0260】
図11A及び図11Bは本明細の具現a2−2の例を示す図である。特に、図11Aは具現a2−2による送信端構造の一例を示し、図11Bは具現a2−2による受信端構造の一例を示す。図11において、tlは時間ドメインにおいてOFDMシンボルlの信号部分の開始位置を示し、
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のように表現される。
【0261】
具現a2−2において、送信端の一部を示す図11Aを参照すると、オフセット△offsetが0にみなされ、即ち、△offsetに対する位相補正/補償が行われない。即ち、アナログ自励発振器を用いてfbase+△offsetだけの周波数シフトが行われても、△offsetに対する位相補正/補償は行われない。
【0262】
比較すると、具現a2−1では送信端でfbaseと△offsetに該当する周波数はRF端のOSC(自励発振器)によるアップ・コンバート過程に使用され、ffracに該当する部分はIFFTに対するリソースマッピング位置を定める過程に使用される。しかし、具現a2−1のいくつかのシナリオでは、基底帯域で出力される信号の非対称の程度がffrac値によってDCを基準として大きくなる。これは送信機でIFFTの出力後(或いは受信機でFFTの入力前)にフィルタリングなどによりスペクトルの効率性を制限することができる。
【0263】
従って、この問題を解決するために、いくつかのシナリオでは、IFFTのリソースマッピング位置を調節することにより、ffracへの周波数アップ・コンバート(即ち、ffracだけの周波数アップシフト)及び位相リセット機能を具現する具現a2−1の送信端動作を変更することが必要である。
【0264】
これにより、具現a2−2では送信端でffracだけの周波数シフト及び位相リセット機能がデジタルOSCにより具現される。図11Aに示したように、fTxだけの周波数アップ・コンバートのために、具現a2−2はfTx のうち、fbaseと△offsetに該当する周波数はRF端での自励発振器によるアップ・コンバートに使用され、ffracはデジタルOSCによるOFDMシンボルごとの周波数アップ・コンバート及び(例えば、CPが終了した時点にゼロ位相を有するように)位相をリセットするときに使用される。
【0265】
具現a2−2において受信端の一部を示す図11Bを参照すると、△offsetが0にみなされ、即ち、△offsetに対する位相補正/補償が行われない。言い換えれば、アナログ自励発振器によりfbase+△offsetだけの周波数シフトを行っても、△offsetに対する位相補正/補償は行われない。
【0266】
比較すると、具現a2−1において受信端ではfbaseと△offsetに該当する周波数はRF端のOSC(自励発振器)によるダウン・コンバート過程に使用され、ffracに該当する部分はFFTに対するリソースデマッピングの位置を定める過程で使用される。しかし、具現a2−1のいくつかのシナリオでは、ダウン・コンバートで出力される信号(即ち、RF出力)の非対称程度がffrac値によってDCに基づいて増大することができる。これは受信機でダウン・コンバートの出力後(或いは受信機でFFTの入力前)にフィルタリングなどによりスペクトルの効率性を制約することができる。
【0267】
従って、この問題を解決するために、いくつかのシナリオでは、FFTのリソースデマッピング位置を調節することにより、ffracに対応する周波数ダウン・コンバート(即ち、周波数ダウンシフト)及び位相リセット機能を具現する具現a2−1の受信端動作を変更することが必要である。
【0268】
このために、具現a2−2では受信端でffracだけの周波数に対する周波数シフト及び位相リセット機能がデジタルOSCにより実現される。図11Bに示したように、fRxだけの周波数ダウン・コンバートのために、具現a2−2はfRxのうち、fbaseと△offsetに該当する周波数はRF端での自励発振器(即ち、アナログOSC)によるダウン・コンバートに使用され、ffracはデジタルOSCによるOFDMシンボルごとの周波数ダウン・コンバート及び(例えば、CPが終了する時点にゼロ位相を有するように)位相をリセットするときに使用される。
【0269】
以下、具現1、具現2及び具現3について簡略に整理する。
【0270】
具現1は位相補償のために128個の補償値シーケンス或いは3つの△offsetがある場合には128*3個の補償値シーケンスを予め定めておき、各々のOFDMシンボルについて、予め定められた128個或いは128*3個の補償値シーケンスのうち、該当搬送波周波数のための1つの補償値シーケンスを用いて該当OFDMシンボルでの位相補償を行う。
【0271】
具現2の場合、具現2−1と具現2−2の両方で128△fの整数倍が基本搬送波周波数fbaseとして使用され、周波数上り/ダウンシフトがRF端で自励発振器によりfbaseだけ行われる。具現2において送信端はfTxとfbaseの周波数差をIFFTに対するリソースマッピングで補償するか(具現2−1)、又はIFFTの後にデジタルOSCを用いた周波数シフトにより補償する(具現2−2)。具現2の受信端はfRxとfbaseの周波数差をFFTに対するリソースデマッピングで補償するか(具現2−1)、又はFFTの前にデジタルOSCを用いた周波数シフトにより補償する(具現2−2)。
【0272】
具現3は具現2と類似するが、△offsetだけの周波数シフトのためにサンプル単位で位相をリセットする具現2とは異なり、具現3はOFDMシンボルごとに△offsetに対する位相補償を行う。
【0273】
図12は本明細の他の使用例を示す図である。
【0274】
上述したように、OFDMシンボルの間の位相不一致を防止するために、或いは容易な位相補償のために、128△fの整数倍に該当する周波数がOFDMシンボル信号の生成或いはOFDMシンボル信号の復元過程でアナログオシレーターに使用される。複数のニューマロロジーが支援される周波数帯域のニューマロロジーが変更される場合、例えば、周波数帯域の副搬送波間隔(subcarrier spacing、SCS)が30kHzから15kHzに変わる場合、或いはその逆に変わる場合、図12に示したように、128△fの整数倍になる周波数が不一致することができる。例えば、△f=30kHzであるとき、搬送波周波数fTxと最も近い128△fの整数倍に該当する周波数fbase,1とする(ここで、fbase,1=Nint,1*128△f for △f=30kHz)。fTxと同一の周波数帯域について、副搬送波間隔が△f=30kHzから△f=15kHzに変更される場合、△f=15kHzである時にアップ・コンバート周波数fTxと最も近い128△fの整数倍に該当する周波数fbase,0(ここで、fbase,0=Nint,0*128△f for △f=15kHz)とfbase,1とに差△fbaseが発生することができる。或いは副搬送波間隔の変化によってアップ・コンバート/ダウン・コンバート周波数が△fbaseだけ変わることもできる。この場合、本明細において送信機と受信機はRF再チューニングを行う代わりに、上述した本明細の具現2を用いて、△fbaseをデジタルオシレーター或いはIFFT/FFTリソースマッピング/デマッピングを用いて補うことができる。
【0275】
図13A及び図13Bは本明細による送信機構造及び受信機構造の例を示す図である。上述した本明細の送信端構造と受信端構造は図13A及び図13Bの基本構造に基づいて説明する。
【0276】
図13Aを参照すると、送信機では、例えば、標準で定義した信号生成技法によって入力されたビットシーケンスについてシンボル(以下、情報シンボル)の生成が行われる。送信機はこのように生成された情報シンボルをIFFTの入力端で、送信しようとする帯域に合わせて、適切なリソースマッピング(即ち、副搬送波マッピング)を行い、周波数軸信号を時間軸信号に変換するためのIFFTをリソースマッピングされた情報シンボルについて行う。送信機はOFDMシンボル間の干渉緩和/回避のためのCPをIFFT出力に挿入する。参考として、図5A乃至図11BにはIFFT/FFTがリソースマッピング/デマッピング及びCP付着(attach)/着脱(attach)機能を含むことが示されているが、図13に示したように、CP付着/着脱がFFT/IFFTと分離されて具現されることもできる。IFFTとCP付着を経て生成された信号について搬送波周波数にアップ・コンバートする前に、送信機はスペクトル特性を満たせるためのフィルタリング或いはウィンドウイング(windowing)を行うこともできるが、フィルタリング或いはウィンドウイングはRF機器の特性によって必ず具現すべき機能ではない。IFFTとCP付着を経て生成された信号或いはIFFT、CP付着(及びフィルタリング/ウィンドウイング)を経て生成された信号を所定の搬送波周波数を使用して送信するために、送信機は信号に対し所定の搬送波周波数へのアップ・コンバートを行う。一般的に、アップ・コンバートはデジタル信号をアナログ信号に変換するためのデジタル−to−アナログコンバーター(digital−to−analog converter、DAC)、搬送波周波数を生成するためのオシレーター及びPLL(Phase−locked loop)、基底帯域信号を所望の搬送波周波数に移すミキサーなどを用いて行われる。その後、送信機は周波数アップ・コンバートされた信号をアナログフィルター、増幅器(amplifier)及びアンテナにより外部に送信する。
【0277】
送信機において、デジタル−to−アナログコンバーターに入力される信号はデジタル信号であり、デジタル−to−アナログコンバーターで出力される信号はアナログ信号であるので、デジタル−to−アナログコンバーター前の信号処理に使用される送信機モジュールはデジタルモジュールであり、デジタル−to−アナログコンバーター後の信号処理に使用される送信機モジュールはアナログモジュールであるといえる。
【0278】
受信機では送信機の逆過程に該当する動作を行う。受信機の動作を見ると、まず送信機が伝達した信号は受信機のアンテナ、増幅器及びアナログフィルターにより受信される。図13Bを参照すると、受信機は受信信号についてダウン・コンバートを行う。一般的には、ダウン・コンバートはアナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ−to−デジタルコンバーター(analog−to−digital converter、ADC)、搬送波周波数を生成するためのオシレーター及びPLL、搬送波周波数で受信された信号を基底帯域信号に移すミキサーなどを用いて行われる。受信機はこのように基底帯域に伝達された信号をスペクトル特性に合うようにフィルタリングする。フィルタリングはRF機器特性によっては具現されないこともできる。受信機は(フィルタリングされた或いはフィルタリングされていない)基底帯域信号について予め測定したタイミング情報に合わせてCPを着脱する動作を行い、CPが着脱された信号を時間軸信号を周波数軸信号に変換するFFTにより周波数軸信号に変換する。FFT関数は全体周波数軸の信号のうち、受信機で伝達された信号のみを導き出すためのリソースデマッピング機能を含む。受信機は送信機が送信した信号を、チャネル上に歪まれた部分を補償するシンボル復旧(recovery)過程により、リソースデマッピングされた信号から復旧し、特定の信号生成技法、例えば、通信標準が定義した信号生成技法に対するデコーディング過程を行って最終信号(ビットシーケンス)を得る。チャネル上で歪まれた部分を補償する過程及びデコーディング過程がいずれもシンボル復旧過程に該当する。
【0279】
受信機でアナログ−to−デジタルコンバーターに入力される信号はアナログ信号であり、アナログ−to−デジタルコンバーターで出力される信号はデジタル信号であるので、アナログ−to−デジタルコンバーター前の信号処理に使用される受信機モジュールはアナログモジュールであり、アナログ−to−デジタルコンバーター後の信号処理に使用される受信機モジュールはデジタルモジュールであるといえる。
【0280】
図13A及び図13Bには示されていないが、送信機と受信機は本明細による動作を行うように構成されたデジタルオシレーターを含む。
【0281】
図14は本明細を具現するための送信装置10及び受信装置20の構成要素の例を示すブロック図である。
【0282】
送信装置10及び受信装置20は各々、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを運ぶ無線信号を送信又は受信できる無線周波数(radio frequency、RF)ユニット13、23、無線通信システム内の通信に関連する各種情報を貯蔵するメモリ12、22、RFユニット13、23及びメモリ12、22などの構成要素と動作的に連結されて、上記構成要素を制御し、該当装置が上述した本明細の具現のいずれか1つを行うように、メモリ12、22及び/又はRFユニット13、23を制御するプロセッサ11、21を含む。
【0283】
メモリ12、22は、プロセッサ11、21の処理及び制御のためのプログラムを貯蔵し、入出力される情報を臨時貯蔵する。メモリ12、22はバッファーとして活用されることもできる。
【0284】
通常、プロセッサ11、21は、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの全般的な動作を制御する。特に、プロセッサ11、21は、本明細を行うための各種制御機能を行う。プロセッサ11、21はコントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどとも呼ばれる。プロセッサ11、21は、ハードウェア又はファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はこれらの結合により具現できる。ハードウェアを用いて本明細を具現する場合、本明細を行うように構成されたASICs(application specific integrated circuits)又はDSPS(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などがプロセッサ11、21に備えられる。いくつかの具現において、ファームウェアやソフトウェアを用いて本明細が具現される場合は、本明細の機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアが構成され、本明細を行うように構成されたファームウェアやソフトウェアはプロセッサ11、21内に備えられるか、又はメモリ12、22に格納されてプロセッサ11、21により駆動される。
【0285】
本明細のいくつかのシナリオにおいて、本明細に記載された機能、過程、及び/又は方法は、プロセッシングチップ(プロセッシング装置とも称される)により具現されることもできる。プロセッシングチップはチップ上のシステム(system on chip、SoC)である。プロセッシングチップはプロセッサ11、21及びメモリ12、22を含み、送信装置10又は受信装置20に取り付け、設置又は連結される。プロセッシングチップは、ここに説明された方法及び/又は処理のうちのいずれか1つを行い、又はかかる方法及び/又は手順がプロセッシングチップが装置、設定又は連結される通信装置により行われるように制御する。プロセッシングチップ内のメモリ12、22はプロセッサにより実行されると、プロセッサ11、21に本明細に記載の機能、方法又は処理のうちのいずれか又は情報を行うようにする指示を含むソフトウェアコードを格納するように構成される。プロセッシングチップ内のメモリ12、22は、プロセッシングチップのプロセッサにより生成された情報、データ又は信号、或いはプロセッシングチップのプロセッサ11、21により復元又は得られたデータ又は信号を格納又はバッファリングする。情報、データ又は信号の送信或いは受信を含む1つ以上の処理がプロセッシングチップのプロセッサ11、21により、又はプロセッシングチップのプロセッサ11、21の制御下で行われる。例えば、プロセッシングチップに動作可能に連結又はカップリングされるRFユニット13、23は、プロセッシングチップのプロセッサ11、21の制御下で情報又はデータを含む信号を送信又は受信することができる。
【0286】
送信装置10に取り付け、設置又は連結されるプロセッサ11はプロセッサ11又はプロセッサ11に連結されたスケジューラでスケジューリングされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定の符号化(coding)及び変調を行った後、RFユニット13に送信する。例えば、プロセッサ11は送信しようとするデータ列を逆多重化及びチャネル符号化、スクランブル、変調過程などを経てK個のレイヤーに変換する。符号化されたデータ列はコードワードとも称され、MAC層が提供するデータブロックである輸送ブロックと同等である。1輸送ブロック(transport block、TB)は1コードワードに符号化され、各々のコードワードは1つ以上のレイヤーの形態で受信装置に送信される。プロセッサ11は、例えば、標準に定義された信号生成技法によって入力されるビットシーケンスのためのシンボル(以下、情報シンボルともいう)を決定或いは生成する。プロセッサ11は無線信号の送信のための搬送波周波数を決定する。プロセッサ11は周波数アップ・コンバートのために使用される周波数fbaseを決定する。プロセッサ11は搬送波周波数に基づいて、
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の整数倍である周波数のうち、fbaseを決定する。周波数アップ・コンバートのためにRFユニット13はオシレーターを含む。RFユニット13はNt 個(Nt は1以上の正の整数)の送信アンテナを含む。RFユニット13はプロセッサ11の制御下で本明細によってオシレーターによる周波数アップ・コンバートを行ってOFDMシンボル信号を生成する。例えば、具現2の場合、プロセッサ11は
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の整数倍である周波数を用いてアップ・コンバートを行うようにRFユニット13のオシレーター(即ち、アナログオシレーター)を制御する。
【0287】
受信装置20の信号処理過程は送信装置10での信号処理過程の逆に構成される。プロセッサ21の制御下で、受信装置20のRFユニット23は送信装置10により送信された無線信号を受信する。RFユニット23はNr個の受信アンテナを含み、RFユニット23は受信アンテナで受信した信号を各々プロセッサ21の制御下で本明細によるオシレーターによる周波数ダウン・コンバートを行って基底帯域信号に復元する。プロセッサ21は無線信号の受信のための搬送波周波数を決定する。プロセッサ21は周波数ダウン・コンバートのために使用されるfbaseを決定する。プロセッサ21は搬送波周波数に基づいて、
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の整数倍である周波数のうち、fbaseを決定する。例えば、具現2の場合、プロセッサ21は
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の整数倍である周波数を用いてダウン・コンバートを行うようにRFユニット23のオシレーター(即ち、アナログオシレーター)を制御する。RFユニット23は周波数ダウン・コンバートのためにオシレーターを含む。プロセッサ21は受信アンテナで受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行って、送信装置10が本来送信しようとしたデータを復元する。
【0288】
RFユニット13、23は1つ以上のアンテナを有する。アンテナはRFユニット13、23により処理された信号を外部に送信するか、又は外部から無線信号を受信してRFユニット13、23に伝達する機能を行う。アンテナはアンテナポートとも呼ばれる。各々のアンテナは1つの物理アンテナに該当するか、又は1つ以上の物理アンテナ要素の組み合わせにより構成される。各々のアンテナから送信された信号は受信装置20によりそれ以上分解されない。該当アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal、RS)は、受信装置20の観点でこのアンテナを定義し、チャネルが1物理アンテナからの単一(single)無線チャネルであるか、或いはアンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルであるかに関係なく、受信装置20をしてアンテナに対するチャネル推定を可能にする。即ち、アンテナはアンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが上記同一のアンテナ上の他のシンボルが伝達されるチャネルから導き出されるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援するRFユニットの場合には、2つ以上のアンテナに連結される。
【0289】
本明細において、ユーザ機器(user equipment、UE)、即ち、端末は上りリンクでは送信装置10として動作し、下りリンクでは受信装置20として動作する。本明細において、基地局は上りリンクでは受信装置20として動作し、下りリンクでは送信装置10として動作する。
【0290】
送信装置10に取り付け、設置又は連結されるプロセッサ11は、送信する信号に対して本明細による処理を行うように構成され、送信する信号或いはプロセッサ11により処理された信号に対して本明細による動作を行うように送信機のモジュールを制御する(図13Aを参照)。例えば、fとfbaseの差に該当する周波数シフトのために、プロセッサ11は送信される信号に対するIFFTへのリソースマッピング位置をNfracだけアップシフトするようにIFFTを制御する。他の例では、プロセッサ11はfとfbaseの差だけを周波数アップシフトするようにデジタルオシレーターを制御する。さらに他の例では、プロセッサ11はOFDMシンボルのCP部分の端部、即ち、OFDMシンボルの信号部分の開始で位相を一定値にリセットするようにデジタルオシレーターを制御する。プロセッサ11は
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の整数倍である周波数のうち、fと最も近い周波数をfbaseとして使用する。
【0291】
受信装置10において、プロセッサ21は受信した信号に対して本明細による動作を行うように受信機のモジュールを制御し(図13Bを参照)、RFユニット23からの信号に対して本明細による処理を行うように構成される。例えば、fとfbaseの差に該当する周波数シフトのために、プロセッサ21は受信信号に対するFFTからのリソースデマッピング位置をNfracだけダウンシフトするようにFFTを制御する。他の例では、プロセッサ21はfとfbaseの差だけを周波数ダウンシフトするようにデジタルオシレーターを制御する。さらに他の例では、プロセッサ21はOFDMシンボルのCP部分の端部、即ち、OFDMシンボルの信号部分の開始で位相を一定値にリセットするようにデジタルオシレーターを制御する。プロセッサ21は
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の整数倍である周波数のうち、fと最も近い周波数をfbaseとして使用する。
【0292】
送信装置10は図13Aを含むよう構成される。受信装置20は図13Bを含むように構成される。本明細の具現において、自励発振器によるアップ・コンバート及びダウン・コンバートはRFユニット13、23に備えられ、それ以外の本明細の動作(例えば、基底帯域信号の生成、IFFT/FFT、リソースマッピング/デマッピング、CP付着/着脱、フィルタリング、シンボル回復)はプロセッサ11、21により或いはプロセッサ11、21の制御下で行われる。
【0293】
図14では送信装置10と受信装置20が分離されて示されているが、送信装置10内のプロセッサ11、メモリ12及びRFユニット13は、受信装置20の動作も行うように構成され、送信装置20内のプロセッサ21、メモリ22及びRFユニット23は、送信装置10の動作も行うように構成される。図13Aに示された送信機の一部と図13Bに示された受信機の一部が送受信機として具現されることもできる。一方、“送受信機”という用語は、送信装置10のRFユニット13或いは受信装置20のRFユニット23を称するときにも使用できる。図13Aに示された送信機の一部と図13Bに示された受信機の一部はプロセッサ11、12と共に具現されることもできる。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13
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図14
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