【実施例】
【0102】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0103】
<実験I:各種植物の水抽出物を用いる不飽和脂肪酸の酸化反応(1)>
各種植物の水抽出物を用いて、下記のスキームに示すリノール酸の酸化反応を実施した。
【化47】
【0104】
[I-1:材料及び方法]
ネギ(ユリ科、アリウム・フィスツロサム(Allium fistulosum))、カブ(アブラナ科、ブラシカ・ラパ(Brassica rapa))、ニンジン(セリ科、ドーカス・キャロタ(Daucus carota))、ダイズ(マメ科、グリシン・マックス(Glycine max)、トマト(ナス科、ソヌラム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum))、キュウリ(ウリ科、ククミス・サチバス(Cucumis sativus))、及びリンゴ(バラ科、マルス・プミラ(Malus pumila))を一般市場から購入した。各植物材料は、可食部を使用した。カブは、地下部と茎葉部とに分けた。
【0105】
カブの地下部及び茎葉部(各25 g)、ニンジン(37 g)、並びにネギ(25 g)をすり下ろし、これに25 mLの純水を加えて15分間超音波処理した。トマト(53 g)、キュウリ(60 g)及びリンゴ(50 g)をすり下ろし、15分間超音波処理した。ダイズの種子を、コーヒーミルで粉砕した。得られた5 gのダイズ種子粉末に、50 mLの純水を加えて懸濁し、15分間超音波処理した。得られた各植物材料の混合物を遠心分離(4000 rpm、15分間、25℃)し、上清をキムワイプで濾過して、各植物の水抽出物を得た。得られた水抽出物は、カブの地下部(25 g新鮮植物)では35 mLであり、カブの茎葉部(25 g新鮮植物)では28 mLであり、ニンジン(37 g新鮮植物)では35 mLであり、ネギ(25 g新鮮植物)では30 mLであり、トマト(53 g新鮮植物)では35 mLであり、キュウリ(60 g新鮮植物)では35 mLであり、リンゴ(50 g新鮮植物)では35 mLであり、ダイズ(5 g新鮮植物)では50 mLであった。
【0106】
2 mLの各植物の水抽出物を、15 mLコーニングチューブ(コーニング社製)に3本ずつ(反応用、脂肪酸ブランク用及び水抽出物中の内因性リノール酸定量用)分注した。各植物の水抽出物を入れた反応用チューブに、20 μL(18 mg)の市販のリノール酸(和光純薬工業社)を加えて懸濁し、そのままのpHで、室温で20分間反応させた。この際、脂肪酸ブランク用チューブには何も加えずに、同時に室温で20分間反応させた。反応終了後、各反応混合物を、塩酸を用いて酸性(pH 3)にした。この酸性混合物を、2 mLのクロロホルムで3回抽出した。合わせたクロロホルム相を、3 mLの20 v/v%メタノール水溶液で洗浄した。その後、各反応混合物のクロロホルム相を、減圧乾固して、分析用試料としてフリーザー中で保存した。リノール酸定量用チューブに含まれる各植物の水抽出物を、塩酸を用いて酸性(pH 3)にした。この水抽出物を、2 mLのクロロホルムで3回抽出した。合わせたクロロホルム相を、3 mLの20 v/v%メタノール水溶液で洗浄した。その後、各植物の水抽出物のクロロホルム相を、減圧乾固して、分析用試料としてフリーザー中で保存した。負の対照として、植物の水抽出物に代えて、同量の純水を用いて同様の処理を行った。
【0107】
各反応混合物の分析用試料、及び内因性リノール酸定量用の各植物の水抽出物の分析用試料を、1 mLのメタノールに溶解させた。各溶液を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、下記の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析した。
【0108】
〔HPLC条件〕
○リノール酸の分析HPLC
カラム: TSK ODS 100V(3μ) 4.6×150 mm(東ソー株式会社)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 10 μL
溶媒: A:10 mM 塩酸
B:CH
3CN
混合比 80%B
流速: 1.2 mL/分
検出: 210 nm
【0109】
○HODE及びHPODEの分析HPLC
カラム: TSK ODS 100V(3μ) 4.6×150 mm(東ソー株式会社)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 2 μL
溶媒: A:0.2%酢酸水溶液(pH5.5にNaOHで調整)
B:CH
3CN
C:CH
3OH
混合比 A:B:C=57:33:10
流速: 1.3 mL/分
検出: 234 nm
【0110】
○oxo-ODEの分析HPLC
カラム: TSK ODS 100V(3μ) 4.6×150 mm(東ソー株式会社)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 5 μL
溶媒: A:0.1%ギ酸水溶液
B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
混合比 60%B/0分-85%B/25分-100%CH
3OH/25.5分-
100%CH
3OH/28.5分-60%B/29分
流速: 0.5 mL/分
検出: 270 nm
【0111】
[I-2:結果]
各植物の水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物を表1に示す。表中、上段は、各植物の水抽出物にリノール酸を加えて反応させた反応混合物の分析結果を、下段は、各種植物の水抽出物のみを反応させた脂肪酸ブランクの反応混合物の分析結果を、それぞれ示す。脂肪酸ブランクの反応は、各植物の水抽出物に含まれる内因性リノール酸の酸化反応に相当する。
【表1】
【0112】
各植物の水抽出物に含まれる内因性リノール酸の定量結果、及び各植物の水抽出物の調製に使用された植物の新鮮重量を表2に示す。表2に示すように、2 mLの植物の水抽出物に含まれる内因性リノール酸は、約0.6〜1.5 μgであった。この内因性リノール酸の量は、反応系に投入されたリノール酸(18 mg)と比較して極めて微量であった。
【表2】
【0113】
表1に示すように、ネギ、カブ、ニンジン、ダイズ、トマト、及びキュウリの水抽出物をリノール酸と反応させた場合、顕著な量のリノール酸の酸化誘導体が形成された。また、形成されたリノール酸の酸化誘導体は、使用された植物の水抽出物に応じて様々であった。例えば、カブ及びニンジンの水抽出物を使用した場合、9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)が、ネギ及びダイズの水抽出物を使用した場合、13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)が、それぞれより多量に形成された。
【0114】
<実験II:各種植物の水抽出物を用いる不飽和脂肪酸の酸化反応(2)>
[II-1:材料及び方法]
トマト、パプリカ(ナス科、カプシクム・アンヌム(Capsicum annuum))及びナス(ナス科、ソラヌム・メロンゲーナ(Solanum melongena))の水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応を実施した。トマト(65 g)、パプリカ(57 g)及びナス(64 g)をすり下ろし、15分間超音波処理した。得られた各植物材料の混合物を遠心分離(4000 rpm、15分間、25℃)し、上清をキムワイプで濾過して、各植物の水抽出物を得た。得られた水抽出物は、トマト(65 g新鮮植物)では27 mLであり、パプリカ(57 g新鮮植物)では30 mLであり、ナス(64 g新鮮植物)では27 mLであった。実験Iの手順において、各植物の水抽出物の量を4 mLに、市販のリノール酸の量を40 μL(36 mg)に、それぞれ変更した他は前記と同様の手順で、各植物の水抽出物の反応混合物を調製した。塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて、反応混合物のpHをpH 6に調整した。この反応混合物を、室温で20時間反応させた。反応終了後、各反応混合物を、塩酸を用いて酸性(pH 3)にした。この酸性混合物を、3 mLのクロロホルムで3回抽出した。合わせたクロロホルム相を、減圧乾固した。得られた乾固物を、3 mLのヘキサンに溶解させた。このヘキサン溶液を、3 mLの20 v/v%メタノール水溶液で1回、次いで2 mLの80 v/v%メタノール水溶液で3回洗浄した。その後、各反応混合物のヘキサン溶液を、減圧乾固して、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。負の対照として、植物の水抽出物に代えて、同量の純水を用いて同様の処理を行った。
【0115】
[II-2:結果]
各植物の水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物を表3に示す。脂肪酸ブランクの反応は、各植物の水抽出物に含まれる内因性リノール酸の酸化反応に相当する。また、各植物の水抽出物の調製に使用された植物の新鮮重量を表4に示す。表3に示すように、パプリカ及びナスの水抽出物を用いた場合、トマトの水抽出物を用いた場合と比較して、より多量のリノール酸の酸化誘導体が形成された。
【表3】
【表4】
【0116】
各植物の水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物におけるリノール酸のオキソ誘導体の分析結果を
図1に示す。図中、A〜Cは、ナス、パプリカ又はトマトの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物の検出波長234 nmによる分析HPLCクロマトグラムを、それぞれ示す。Dは、リノール酸の過酸化物及びヒドロキシル誘導体の標品(各500 ng)の検出波長234 nmによる分析HPLCクロマトグラムを示す。E〜Gは、ナス、パプリカ又はトマトの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物の検出波長270 nmによる分析HPLCクロマトグラムを、それぞれ示す。
図1E〜Gに示すように、保持時間40分付近に、検出波長270 nmによる分析HPLCクロマトグラムにのみ存在する新たなピークが出現した(ピーク番号9〜11)。このピークに相当する物質は、パプリカ及びナスの水抽出物を用いた場合、トマトの水抽出物を用いた場合と比較して、より多量に形成された。リノール酸の過酸化物及びヒドロキシル誘導体は、234 nm付近に極大吸収を有するのに対し、リノール酸のオキソ誘導体は、234 nm付近に吸収帯がなく、270 nm付近に極大吸収を有する。それ故、これらの新たに出現したピークに相当する物質は、リノール酸のオキソ誘導体であると推測される。
【0117】
<実験III:トマトの水抽出物を用いるリノール酸のオキソ誘導体の調製>
[III-1:材料及び方法]
トマトの水抽出物を用いて、リノール酸のオキソ誘導体の調製を実施した。実験Iの手順において、反応基質を、リノール酸から10 μL(9 mg)のリノール酸のヒドロキシル誘導体(13-(Z,E)-HODE)に変更した他は前記と同様の手順で、反応混合物を調製した。13-(Z,E)-HODEは、ダイズの水抽出物を用いてリノール酸の酸化反応を実施することによって得たものを使用した。水酸化ナトリウム水溶液を用いて、反応混合物のpHを、pH 11に調整した。この反応混合物を、室温で20時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、下記の条件でHPLC分析した。また、HPLC分析で同定されたリノール酸の酸化誘導体を、反応混合物の全量から分取HPLCで分取した。分取した画分を、液体クロマトグラフィー-質量スペクトル(LC-MS)を用いて下記の条件で質量スペクトル(MS)測定した。
【0118】
〔HPLC条件〕
○リノール酸のオキソ誘導体の分析HPLC
カラム: TSK Octadecyl-2PW 4.6×150 mm(東ソー株式会社)
カラム温度: 室温
試料注入量: 100 μL
溶媒: A:0.1%リン酸水溶液, pH 7.6
B:アセトニトリル
混合比 28%B
流速: 0.7 mL/分
検出: 270 nm
【0119】
○リノール酸のオキソ誘導体の分取HPLC
カラム: TSK ODS 100V(3μ) 4.6×150 mm(東ソー株式会社)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 5 μL
溶媒: A:0.1%ギ酸水溶液
B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
混合比 60%B/0分-90%B/30分-90%B/35分-60%B/36分
流速: 0.5 mL/分
検出: 270 nm
【0120】
〔LC-MS条件〕
○LC
カラム: Capcellcore C18 2.1×150 mm(資生堂)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 2 μL
溶媒: A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
B:0.1%ギ酸水溶液
混合比 50%A/0分-100%A/8分-100%A/10分
流速: 0.4 mL/分
検出: UV 190 nm及びMS
○MS
MS装置: The AccuToF LC-Plus / JMS-T100Lp (JEOL)
イオン化: 正又は負イオンモードESI
【0121】
[III-2:結果]
トマトの水抽出物を用いた13-(Z,E)-HODEの酸化反応の分析結果を
図2に示す。図中、Aは、反応混合物の分析HPLCクロマトグラムを、Bは、反応混合物から分取した画分のMSスペクトルを示す。
図2Aに示すように、トマトの水抽出物を用いて反応させた場合、保持時間20分付近に新たなピーク(ピーク番号12)が出現した。このピーク番号12のピークを含む画分を分取HPLCで分取した後、MSスペクトルを測定した。その結果、前記ピークに相当する物質は、リノール酸のオキソ誘導体(13-(Z,E)-oxo-ODE)(分子量:294、m/z 295([M+H]
+)、m/z 293([M-H]
-))と同定された(
図2B)。
【0122】
<実験IV:野菜果実ジュースを用いる不飽和脂肪酸の酸化反応>
[IV-1:材料及び方法]
植物の水抽出物として市販の野菜果実ジュースを用いて、リノール酸の酸化反応を実施した。実験Iの手順において、植物の水抽出物を2 mLの市販の野菜果実ジュース(農協 野菜100%ニンジンミックス、株式会社ふくれん甘木工場)に変更した他は前記と同様の手順で、反応混合物を調製した。正の対照として、実験Iと同様の手順で、キュウリの水抽出物を含む反応混合物を調製した。反応混合物を、そのままのpHで、室温で20時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0123】
[IV-2:結果]
野菜果実ジュースを用いたリノール酸の酸化反応の反応生成物を表5に示す。表中、上段は、野菜果実ジュース又はキュウリの水抽出物にリノール酸を加えて反応させた反応混合物の分析結果を、下段は、野菜果実ジュース又はキュウリの水抽出物のみを反応させた脂肪酸ブランクの反応混合物の分析結果を、それぞれ示す。表5に示すように、市販の野菜果実ジュースを用いた場合であっても、植物の水抽出物を用いた場合と同様に、リノール酸の酸化誘導体を生成した。
【表5】
【0124】
<実験V:不飽和脂肪酸の酸化反応における反応時間>
[V-1:材料及び方法]
ダイズの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応における反応時間と反応生成物との関係を調査した。実験Iの手順において、ダイズの水抽出物の量を4 mLに、市販のリノール酸の量を40 μL(36 mg)に、それぞれ変更した他は前記と同様の手順で、ダイズの水抽出物の反応混合物を調製した。反応開始から0時間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間及び20時間後に、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応時間の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0125】
[V-2:結果]
リノール酸の酸化反応の反応時間と酸化誘導体の生成量との関係を
図3に示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLのダイズの水抽出物を使用した場合の換算値である。
図3に示すように、反応時間が長くなるほど、13-ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)の生成量が増加した。これに対し、他の酸化誘導体の生成量は、反応時間を延長しても有意な変化が認められなかった。
【0126】
<実験VI:植物の水抽出物による不飽和脂肪酸の酸化反応におけるpH(1)>
[VI-1:材料及び方法]
ダイズの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応におけるpHと反応生成物との関係を調査した。実験Iの手順において、塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応開始前の反応混合物のpHをpH 4、6、8、10又は11に調整するように変更した他は、前記と同様の手順で、ダイズの水抽出物の反応混合物を調製した。反応混合物のpHは、pH試験紙で確認した。反応混合物を、室温で7時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0127】
カブの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応におけるpHと反応生成物との関係を調査した。実験Iの手順において、塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応開始前の反応混合物のpHをpH 4、6、8、10又は11に調整するように変更した他は、前記と同様の手順で、カブの水抽出物の反応混合物を調製した。反応混合物のpHは、pH試験紙で確認した。反応混合物を、室温で7時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0128】
[VI-2:結果]
ダイズの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応のpHと酸化誘導体の生成量との関係を
図4に示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLのダイズの水抽出物を使用した場合の換算値である。
図4に示すように、ダイズの水抽出物を使用した場合、試験した全pH範囲、特にpH 6を越えるpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 10であった。pH 8、10又は11の条件で反応を実施した際に、13-ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)が優先的に生成した。これに対し、pH 4又は6の条件で反応を実施した際は、酸化誘導体の生成量が全体的に減少した。
【0129】
カブの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応のpHと酸化誘導体の生成量との関係を
図5に示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLのカブの水抽出物を使用した場合の換算値である。
図5に示すように、カブの水抽出物を使用した場合、試験した全pH範囲、特にpH 8未満且つpH 4を越えるpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 6であった。pH 6の条件で反応を実施した際に、9-ヒドロキシル誘導体である9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)が優先的に生成した。これに対し、pH 4、8、10又は11の条件で反応を実施した際は、酸化誘導体の生成量が全体的に減少した。
【0130】
<実験VII:植物の水抽出物による不飽和脂肪酸の酸化反応におけるpH(2)>
[VII-1:材料及び方法]
キュウリ、ニンジン、トマト及びナスの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応におけるpHと反応生成物との関係を調査した。実験Iの手順において、塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応開始前の反応混合物のpHを、キュウリの水抽出物ではpH 3、5、7、9又は11に、ニンジンの水抽出物ではpH 3、5、7又は9に、トマトの水抽出物ではpH 3、5又は7に、ナスの水抽出物ではpH 3、5、7又は9に、それぞれ調整するように変更した他は、前記と同様の手順で、各植物の水抽出物の反応混合物を調製した。反応混合物のpHは、pH試験紙で確認した。反応混合物を、室温で20時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0131】
[VII-2:結果]
キュウリ、ニンジン、トマト又はナスの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応のpHと酸化誘導体の生成量との関係を、
図6、7、8又は9にそれぞれ示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLの植物の水抽出物を使用した場合の換算値である。
図6に示すように、キュウリの水抽出物を使用した場合、試験した全pH範囲、特にpH 11以下且つpH 3以上のpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 7であった。pH 5の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)が優先的に生成した。これに対し、pH 7、9又は11の条件で反応を実施した際は、ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)、9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)、13-(E,E)-HODE(Fr. 3)又は9-(E,E)-HODE(Fr. 4)が優先的に生成した。
【0132】
図7に示すように、ニンジンの水抽出物を使用した場合、試験した全pH範囲、特にpH 7未満且つpH 3以上のpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 5であった。pH 3又は5の条件で反応を実施した際、ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)、9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)、13-(E,E)-HODE(Fr. 3)又は9-(E,E)-HODE(Fr. 4)が優先的に生成した。これに対し、pH 7又は9の条件で反応を実施した際は、酸化誘導体の生成量が全体的に減少した。
【0133】
図8に示すように、トマトの水抽出物を使用した場合、pH 7未満、特にpH 7未満且つpH 3以上のpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 3であった。pH 3及び5の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)が優先的に生成した。
【0134】
図9に示すように、ナスの水抽出物を使用した場合、試験した全pH範囲、特にpH 7未満且つpH 3以上のpHの範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適pHは、pH 3であった。pH 3又は5の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)、並びにヒドロキシル誘導体である9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)が優先的に生成した。特に、9-(Z,E)-幾何配置を有する9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)及び9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)が多量に生成した。これに対し、pH 7又は9の条件で反応を実施した際は、酸化誘導体の生成量が全体的に減少した。植物種間で比較すると、キュウリ及びナスの水抽出物は、ニンジン及びトマトの水抽出物と比較して、より高い酸化誘導体の生成活性を示した。
【0135】
<実験VIII:不飽和脂肪酸の酸化反応における反応温度>
[VIII-1:材料及び方法]
ダイズの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応における反応温度と反応生成物との関係を調査した。実験Iと同様の手順で、ダイズの水抽出物の反応混合物を調製した。反応混合物を、20、30、40又は50℃の反応温度で7時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0136】
ナス、ニンジン、トマト又はキュウリの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応における反応温度と反応生成物との関係を調査した。実験Iと同様の手順で、各植物の水抽出物の反応混合物を調製した。塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて、ナス、ニンジン、トマト又はキュウリの反応混合物のpHを、pH 3、5、3又は5にそれぞれ調整した。この反応混合物を、20、30、40又は50℃の反応温度で20時間、及び20℃の反応温度で44時間(ナス及びキュウリ)又は45時間(ニンジン及びトマト)反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応温度の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0137】
[VIII-2:結果]
ダイズの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応温度と酸化誘導体の生成量との関係を
図10に示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLのダイズの水抽出物を使用した場合の換算値である。
図10に示すように、ダイズの水抽出物を使用した場合、20〜50℃の反応温度の範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適温度は、20℃であった。30℃以下の反応温度の条件で反応を実施した際、13-ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)が優先的に生成した。これに対し、50℃の反応温度の条件で反応を実施した際は、二重結合がtrans異性化したヒドロキシル誘導体である13-(E,E)-HODE(Fr. 3)及び9-(E,E)-HODE(Fr. 4)の生成量が増加した。
【0138】
ナス、ニンジン、トマト又はキュウリの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の反応温度と酸化誘導体の生成量との関係を、
図11、12、13又は14にそれぞれ示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLの各植物の水抽出物を使用した場合の換算値である。
図11に示すように、ナスの水抽出物を使用した場合、30〜50℃の反応温度の範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適温度は、30℃であった。30℃以下の反応温度の条件で反応を実施した際、9-(Z,E)-幾何配置を有する過酸化物である9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)及びヒドロキシル誘導体である9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)が優先的に生成した。これに対し、50℃の反応温度の条件で反応を実施した際は、二重結合がtrans異性化したヒドロキシル誘導体である13-(E,E)-HODE(Fr. 3)及び9-(E,E)-HODE(Fr. 4)の生成量が増加した。
【0139】
図12に示すように、ニンジンの水抽出物を使用した場合、20〜50℃の反応温度の範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適温度は、40℃であった。30〜50℃の反応温度の範囲の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)が優先的に生成した。また、20℃で反応時間を延長した場合、ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)、9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)、13-(E,E)-HODE(Fr. 3)又は9-(E,E)-HODE(Fr. 4)が優先的に生成した。低温で長時間(20℃、45時間)の条件で反応を実施した際にヒドロキシル誘導体が多量に生成したのは、植物の水抽出物を殺菌せずに使用したため、低温条件の方が反応系に存在する微生物の繁殖及び/又は望ましくない副反応の進行が実質的に抑制され、水抽出物に含まれるリポキシゲナーゼ及びペルオキシダーゼを介する酸化反応が優先的に進行したことに起因すると推測される。
【0140】
図13に示すように、トマトの水抽出物を使用した場合、20〜50℃の反応温度の範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適温度は、50℃であった。40〜50℃の反応温度の範囲の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)が優先的に生成した。これに対し、20℃で反応時間を延長した場合、ヒドロキシル誘導体である13-(Z,E)-HODE(Fr. 1)、9-(Z,E)-HODE(Fr. 2)又は13-(E,E)-HODE(Fr. 3)が優先的に生成した。
【0141】
図14に示すように、キュウリの水抽出物を使用した場合、20〜50℃の反応温度の範囲で反応が進行した。酸化誘導体の生成量に基づく至適温度は、20℃であった。20〜40℃の反応温度の範囲の条件で反応を実施した際、過酸化物である13-(Z,E)-HPODE(Fr. 5)、9-(Z,E)-HPODE(Fr. 6)、13-(E,E)-HPODE(Fr. 7)及び9-(E,E)-HPODE(Fr. 8)が優先的に生成した。
【0142】
<実験IX:不飽和脂肪酸の酸化反応における塩濃度>
[IX-1:材料及び方法]
ナスの水抽出物を用いて、リノール酸の酸化反応における塩濃度の影響を調査した。実験Iと同様の手順で、ナスの水抽出物の反応混合物を調製した。反応混合物に、30質量%塩化ナトリウム水溶液を所定量加えて、塩化ナトリウムの最終濃度を0、3、5、7又は10質量%に設定した。この反応混合物を、そのままのpHで、25℃の反応温度で20時間又は44時間反応させた後、反応混合物から50 μLを抜き取った。抜き取った反応混合物を、それぞれ450 μLのエタノール中に懸濁して、タンパク質等を沈殿させた後、分析用試料としてフリーザー中で保存した。各反応時間の分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、実験Iと同様の条件でHPLC分析した。
【0143】
[IX-2:結果]
ナスの水抽出物を用いたリノール酸の酸化反応の塩化ナトリウム濃度と酸化誘導体の生成量との関係を
図15に示す。図中、Aは、20時間の反応時間の条件で反応を実施した結果を、Bは、44時間の反応時間の条件で反応を実施した結果を、それぞれ示す。図中の酸化誘導体の生成量は、2 mLのナスの水抽出物を使用した場合の換算値である。
図15に示すように、ナスの水抽出物を使用した場合、塩化ナトリウム非添加(0質量%)、又は3〜10質量%の範囲の濃度で塩化ナトリウムを含む条件下で反応が進行した。塩化ナトリウム濃度が増加すると、酸化誘導体の生成量は全体として低下したが、生成物の選択性は殆ど変化しなかった。また、反応時間を延長した場合、いずれの塩化ナトリウム濃度の場合も、酸化誘導体の生成量が全体として増加したが、生成物の選択性は殆ど変化しなかった。
【0144】
<実験X:植物の水抽出物を用いる多価不飽和脂肪酸の酸化反応>
[X-1:材料及び方法]
実験Iの手順において、反応基質のリノール酸を、10 μL(9 mg)のエイコサペンタエン酸(EPA)(分子量:302)、ドコサヘキサエン酸(DHA)(分子量:328)、α-リノレン酸(分子量:278)、又はオレイン酸(分子量:282)に変更した他は、前記と同様の手順で、ダイズ又はカブの水抽出物の反応混合物を調製した。EPA及びDHAは、市販のEPAエチルエステル及びDHAトリグリセリド(いずれもマルハニチロ社)を加水分解して調製した。α-リノレン酸及びオレイン酸は、市販のエゴマ油(朝日ST社)及びオリーブ油(日清オイリオ)をそれぞれ加水分解して調製した。塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を用いて、ダイズの水抽出物の反応混合物のpHを11に調整した。カブの水抽出物の反応混合物は、そのままのpH(約pH 6)で使用した。反応混合物を、室温(25℃)で20時間反応させた後、実験IIと同様の手順で、分析用試料を調製した。各分析用試料を遠心分離(4000 rpm、5分間)し、得られた上清を、下記の条件でLC-MS分析した。
【化48】
【0145】
〔LC-MS条件〕
○LC
カラム: Capcellcore C18 2.1×150 mm(資生堂)
カラム温度: 40℃
試料注入量: 2 μL
溶媒: A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
B:0.1%ギ酸水溶液
混合比 50%A/0分-100%A/8分-100%A/10分
流速: 0.4 mL/分
検出: UV 190 nm及びMS
○MS
MS装置: The AccuToF LC-Plus / JMS-T100Lp (JEOL)
イオン化: 負イオンモードESI
【0146】
[X-2:結果]
カブの水抽出物を用いたEPA(分子量:302)の酸化反応の分析結果を
図16-1及び16-2に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B〜Eは、HPLCクロマトグラム上の番号1〜4のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間2.35分)のピークに相当する物質は、
図16-1Bに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間2.74分)のピークに相当する物質は、
図16-1Cに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))及びEPAのオキソ誘導体(m/z 315.2([M-H]
-))と、ピーク番号3(保持時間3.01分)のピークに相当する物質は、
図16-1Dに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))及びEPAのオキソ誘導体(m/z 315.2([M-H]
-))と、ピーク番号4(保持時間3.67分)のピークに相当する物質は、
図16-2Eに示すMSスペクトルから、EPAのオキソ誘導体(m/z 315.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0147】
ダイズの水抽出物を用いたEPA(分子量:302)の酸化反応の分析結果を
図17-1及び17-2に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B〜Fは、HPLCクロマトグラム上の番号1〜5のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間2.32分)のピークに相当する物質は、
図17-1Bに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間2.70分)のピークに相当する物質は、
図17-1Cに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))と、ピーク番号3(保持時間3.04分)のピークに相当する物質は、
図17-1Dに示すMSスペクトルから、EPAのヒドロキシル誘導体(m/z 317.2([M-H]
-))と、ピーク番号4(保持時間3.28分)のピークに相当する物質は、
図17-2Eに示すMSスペクトルから、EPAのオキソ誘導体(m/z 315.2([M-H]
-))と、ピーク番号5(保持時間3.67分)のピークに相当する物質は、
図17-2Fに示すMSスペクトルから、EPAのオキソ誘導体(m/z 315.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0148】
カブの水抽出物を用いたDHA(分子量:328)の酸化反応の分析結果を
図18-1及び18-2に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B〜Hは、HPLCクロマトグラム上の番号1〜7のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間3.93分)のピークに相当する物質は、
図18-1Bに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間4.14分)のピークに相当する物質は、
図18-1Cに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、ピーク番号3(保持時間4.28分)のピークに相当する物質は、
図18-1Dに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、ピーク番号4(保持時間4.46分)のピークに相当する物質は、
図18-2Eに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、ピーク番号5(保持時間4.59分)のピークに相当する物質は、
図18-2Fに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、ピーク番号6(保持時間4.67分)のピークに相当する物質は、
図18-2Gに示すMSスペクトルから、DHAの過酸化物(m/z 359.2([M-H]
-))と、ピーク番号7(保持時間5.05分)のピークに相当する物質は、
図18-2Hに示すMSスペクトルから、DHAのオキソ誘導体(m/z 341.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0149】
ダイズの水抽出物を用いたDHA(分子量:328)の酸化反応の分析結果を
図19に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B及びCは、HPLCクロマトグラム上の番号1及び2のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間3.85分)のピークに相当する物質は、
図19Bに示すMSスペクトルから、DHAのヒドロキシル誘導体(m/z 343.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間4.11分)のピークに相当する物質は、
図19Cに示すMSスペクトルから、DHAのヒドロキシル誘導体(m/z 343.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0150】
カブの水抽出物を用いたα-リノレン酸(分子量:278)の酸化反応の分析結果を
図20に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B及びCは、HPLCクロマトグラム上の番号1及び2のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間2.17分)のピークに相当する物質は、
図20Bに示すMSスペクトルから、α-リノレン酸のヒドロキシル誘導体(m/z 293.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間2.59分)のピークに相当する物質は、
図20Cに示すMSスペクトルから、α-リノレン酸のオキソ誘導体(m/z 291.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0151】
ダイズの水抽出物を用いたα-リノレン酸(分子量:278)の酸化反応の分析結果を
図21に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B及びCは、HPLCクロマトグラム上の番号1及び2のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間2.15分)のピークに相当する物質は、
図21Bに示すMSスペクトルから、α-リノレン酸のヒドロキシル誘導体(m/z 293.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間2.33分)のピークに相当する物質は、
図21Cに示すMSスペクトルから、α-リノレン酸のヒドロキシル誘導体(m/z 293.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0152】
ダイズの水抽出物を用いたオレイン酸(分子量:282)の酸化反応の分析結果を
図22に示す。図中、Aは、反応混合物の検出波長190 nmによるHPLCクロマトグラムを、B及びCは、HPLCクロマトグラム上の番号1及び2のピークのMSスペクトルを、それぞれ示す。ピーク番号1(保持時間3.28分)のピークに相当する物質は、
図22Bに示すMSスペクトルから、オレイン酸のオキソ誘導体(m/z 295.2([M-H]
-))と、ピーク番号2(保持時間3.65分)のピークに相当する物質は、
図22Cに示すMSスペクトルから、オレイン酸のオキソ誘導体(m/z 295.2([M-H]
-))と、それぞれ同定された。
【0153】
なお、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除及び/又は置換をすることが可能である。