特許第6856925号(P6856925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イシダの特許一覧

<>
  • 特許6856925-吸着装置 図000002
  • 特許6856925-吸着装置 図000003
  • 特許6856925-吸着装置 図000004
  • 特許6856925-吸着装置 図000005
  • 特許6856925-吸着装置 図000006
  • 特許6856925-吸着装置 図000007
  • 特許6856925-吸着装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6856925
(24)【登録日】2021年3月23日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】吸着装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20210405BHJP
   B65G 47/91 20060101ALN20210405BHJP
【FI】
   B25J15/06 M
   !B65G47/91 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-234367(P2016-234367)
(22)【出願日】2016年12月1日
(65)【公開番号】特開2018-89732(P2018-89732A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】西辻 悟史
【審査官】 貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−39768(JP,A)
【文献】 特開2008−30956(JP,A)
【文献】 特開2011−32089(JP,A)
【文献】 特開平6−227505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
B65G 47/91
B65B 35/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定間隔離して搬送される第一の袋を吸着する第一吸着ヘッドと、
第二の袋を吸着する第二吸着ヘッドと、
前記第一吸着ヘッドと前記第二吸着ヘッドとを近接離反させるアクチュエータと、
前記アクチュエータによって前記両吸着ヘッドが離反するときは、前記両吸着ヘッドを水平姿勢に保持し、前記両吸着ヘッドが接近するときは、一方の吸着ヘッドを傾斜姿勢に保持する姿勢切り替え手段と、を備え、
前記姿勢切り替え手段が、
前記第一吸着ヘッドと一体化され、自身の搖動によって前記第一吸着ヘッドを水平姿勢と傾斜姿勢とに切り替えるレバーと、
一端部が前記レバーの支点に取り付けられ、他の部分が前記第二吸着ヘッドに固定されたガイドによってスライド自在に保持されたロッドと、を備え、
前記アクチュエータが、前記第一吸着ヘッドを前記第二吸着ヘッドから遠ざけているときは、前記ロッドが前記ガイドから受ける抵抗によって前記レバーの支点を前記第二吸着ヘッド側に引き寄せて前記第一吸着ヘッドを水平姿勢に保持し、
前記アクチュエータが、前記第一吸着ヘッドを前記第二吸着ヘッドに近づけているときは、前記ロッドが前記ガイドから受ける抵抗によって前記レバーの支点を前記第二吸着ヘッドから遠ざける方向に押して前記第一吸着ヘッドを傾斜姿勢に保持する吸着装置。
【請求項2】
前記アクチュエータがエアクッション付のエアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の吸着装置。
【請求項3】
前記ガイドがシール付ブッシュであることを特徴とする請求項1に記載の吸着装置。
【請求項4】
前記第一吸着ヘッドと前記第二吸着ヘッドは、袋を吸引保持する吸着パッドと、その吸着パッドに負圧を作用させる負圧室とをそれぞれ備え、それらの負圧室は、負圧ダクトを介して吸引ブロワに接続され、前記負圧ダクトは、前記第二吸着ヘッドが装着されるロボットアーム内に収納されていることを特徴とする請求項1に記載の吸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロータイプの袋詰め商品を段ボールケース等に収納する際に、その袋詰め商品を吸引しながら持ち上げる吸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加工食品等の製造ラインでは、商品を袋詰めにした後、それを箱詰め装置でもって段ボールケース等に収納している。このときに使用する箱詰め装置としては、例えば、下記特許文献に記載のものが知られている。
【0003】
これらの箱詰め装置では、複数個の袋詰め商品を一度に把持するために、内部が負圧に設定された吸着ヘッドが用いられ、その吸着ヘッドでもって、複数個の袋詰め商品を一度に持ち上げて段ボールケース等に収納している。
【0004】
その際、段ボールケース内に袋詰め商品を密に詰め込むために、縦列で搬送される複数個の袋詰め商品を、傾斜させた状態で持ち上げてから、それらの商品が部分的にオーバーラップするように間隔を詰めて段ボールケースに収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−32089号公報
【特許文献2】特許第3703364号公報
【特許文献3】特開平8−301222号公報
【特許文献4】特開平6−227505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載の装置では、吸着パッドが扁平な袋の端を持ち上げることによって袋をS字状に垂らした後、それらの間隔を詰めているが、腹部が盛り上がったピロータイプの袋では、それができないので、この装置は、ピロータイプの袋には適用できない問題がある。
【0007】
また、特許文献2〜4に記載の装置では、吸着ヘッドに備えられた複数個の吸着パッドが当初から傾斜姿勢で取り付けられているため、腹部が盛り上がったピロータイプの袋を持ち上げるときに、袋の位置がずれていると、吸着パッドの吸着面が袋の湾曲面に沿うことができずに、吸着ミスを起こすことがある。
【0008】
本発明は、こうした現状に鑑みて開発したもので、腹部が盛り上がったピロータイプの袋であっても、また袋の位置が多少ずれていても、それを確実に把持することができ、さらに、簡単な機構でもって持ち上げた袋の間隔を狭めて段ボールケース等に収納することのできる新たな吸着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の吸着装置は、
一定間隔離して搬送される第一の袋を吸着する第一吸着ヘッドと、
第二の袋を吸着する第二吸着ヘッドと、
前記第一吸着ヘッドと前記第二吸着ヘッドとを近接離反させるアクチュエータと、
前記アクチュエータによって前記両吸着ヘッドが離反するときは、両吸着ヘッドを水平姿勢に保持し、前記両吸着ヘッドが接近するときは、一方の吸着ヘッドを傾斜姿勢に保持する姿勢切り替え手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この姿勢切り替え手段は、
前記第一吸着ヘッドと一体化され、自身の搖動によって前記第一吸着ヘッドを水平姿勢と傾斜姿勢とに切り替えるレバーと、
一端部が前記レバーの支点に取り付けられ、他の部分が前記第二吸着ヘッドに固定されたガイドによってスライド自在に保持されたロッドと、
を備える。
【0011】
図1図3は、本発明の構成とその作用を説明するための図である。これらの図において、本発明の吸着装置10は、一定間隔離されて搬送される第一の袋Aを吸着する第一吸着ヘッド1と、第二の袋Bを吸着する第二吸着ヘッド2と、第一吸着ヘッド1と一体化されて、自身の搖動によって第一吸着ヘッド1を水平姿勢と傾斜姿勢とに切り替えるレバー3と、一端部が前記レバー3の支点31に取り付けられ、他の部分が前記第二吸着ヘッド2に固定されたガイド4にスライド自在に保持されたロッド5と、一端がレバー3の作用点32に取り付けられ、他端が第二吸着ヘッド2に取り付けられて、第一吸着ヘッド1と第二吸着ヘッド2とを近接離反させるアクチュエータ6とを備えている。
【0012】
また、姿勢切り替え手段7は、レバー3とガイド4とロッド5によって構成され、アクチュエータ6が、第一吸着ヘッド1を第二吸着ヘッド2から遠ざけているときは、ロッド5がガイド4から受ける抵抗によってレバー3の支点31を第二吸着ヘッド2側に引き寄せて第一吸着ヘッド1を水平姿勢に保持し、アクチュエータ6が、第一吸着ヘッド1を第二吸着ヘッド2に近づけているときは、ロッド5がガイド4から受ける抵抗によってレバー3の支点31を第二吸着ヘッド2から遠ざける方向に押して第一吸着ヘッド1を傾斜姿勢に保持する作用をなす。
また、以上の構成に代えて、ロッド5が移動するときは、ガイド4から殆ど抵抗を受けることなく移動ができるようにし、一方、レバー3には、コイルバネを組み込んで、第一吸着ヘッド1が常時傾斜姿勢となるように構成する。さらに、ロッド5の後端部にストッパを取り付けて、第一吸着ヘッド1が第二吸着ヘッド2から最も離れる直前でに、ロッド5の後端部のストッパがガイド4に当って拘束され、これによってレバー3が搖動して、第一吸着ヘッド1を水平姿勢に切り替えるように構成しても良い。
なお、袋A、Bは、紙面に向かって左右方向に搬送されるが、どちらの袋A,Bが先頭であっても構わない。
【0013】
各吸着ヘッド1、2は、袋A,Bを吸引保持する複数の吸着パッド11と、各吸着パッド11に負圧を作用させる負圧室12とを備えたもので、第二吸着ヘッド2がロボットアームの先端部に着脱可能に取り付けられる。また、第一吸着ヘッド1は、ロッド5と、それをスライド自在に保持するガイド4とによって第二吸着ヘッド2に支持されている。したがって、ガイド4は、第二吸着ヘッド2に固定されている。
【0014】
ガイド4は、ロッド5をスライド自在に保持するリニアブッシュで構成したものであるが、これには限定されない。ただし、ロッド5がガイド4内をスライドするときは、摩擦抵抗によって移動が抑制されるものが好ましい。これらのロッド5とガイド4は、紙面と直交する方向に2セット設けられ、それらは平行に配置されている。これにより、ロッド5を介して片持ち支持される第一吸着ヘッド1を安定化させている。また、ガイド4内で水平方向にスライドするロッド5の先端部は、レバー3の支点31に回動自在に取り付けられている。
【0015】
アクチュエータ6は、例えばエアシリンダやボールネジ機構等の直線往復運動機構で構成されるもので、伸縮する可動部60の先端部は、レバー3の作用点32に回動自在に取り付けられている。また、可動部60の伸縮ストロークは、一定間隔離されて搬送される袋A、Bの離間距離に対応する位置から、図3に示すように、前後の袋A,Bが一部オーバーラップする位置まで伸縮するように設計されている。
【0016】
そして、アクチュエータ6が作動して、その可動部60が伸びていくと、図1に示すように、第一吸着ヘッド1は、第二吸着ヘッド2から遠ざかっていく。それに伴ってロッド5も伸びていく。その間、ロッド5は、ガイド4から受ける摩擦抵抗によって、レバー3の支点31を第二吸着ヘッド2側に引き付けるので、レバー3の支点31が第二吸着ヘッド2側に引き寄せられ、第一吸着ヘッド1を水平姿勢にしたままストロークエンドまで伸びていく。そして、アクチュエータ6の可動部60が伸びきると、吸着装置10が下降して搬送中の袋A,Bを吸引保持する。
【0017】
このとき、吸着パッド11は、各袋A,Bの真上に降りてきて、吸着パッド11の吸着面が袋A,Bの湾曲面に沿うから、例え腹部が盛り上がったピロータイプの袋A,Bであっても、吸着ミスを起こすことなくそれらを吸引保持することができる。
【0018】
続いて、吸着装置10は、袋A,Bを持ち上げた後、或いは持ち上げながら、図2に示すように、アクチュエータ6が作動して、その可動部60を後退させていく。すると、今度は、ロッド5がガイド4から受ける摩擦抵抗によって、レバー3の支点31を第二吸着ヘッド2から遠ざける方向に押しながら第二吸着ヘッド2に近づくから、第一吸着ヘッド1は、図2に示すように、傾斜姿勢になって第二吸着ヘッド2に近づいていく。
【0019】
そして、アクチュエータ6の可動部60がストロークエンドまで後退してしまうと、図3に示すように、傾斜した第一吸着ヘッド1の袋Aが第二吸着ヘッド2の袋Bの下に潜り込んで重なる。この状態になると、図示しないロボットアームは、吸着装置10を段ボールケース等に収納していく。こうした動作の繰り返しによって、一定間隔離された袋A,Bは、間隔が詰められた状態で段ボールケース内に収納されていく。
【0020】
ところで、袋を段ボールケース等に収納する場合に、4つの袋をコンベヤ上で田の字状に並べてから、それらを段ボールケースに収納する場合がある。その場合は、一列縦隊で搬送される袋をパラレルリンクロボット等で二列縦隊に並び替え、さらにその下流側で、本発明に係る吸着装置10でもって、二列縦隊の袋A,Bを持ち上げながら,それらの間隔を詰めていく。
【0021】
この場合、パラレルリンクロボットは、二列縦隊の横並びの袋同士を部分的に重ねていくが、前後の袋同士は重ねない。重ねたとしても、段ボールケースに収納できる間隔にまで重ねることはしない。それは、腹部が盛り上がったピロータイプの袋をベルトコンベヤ上で段ボールケースに収納できる間隔にまで重ねると、重ねた袋が崩れたり、袋の姿勢が乱れたりするからである。
そこで、この吸着装置では、横並びに部分的に重なった状態で袋が搬送される場合は、吸着パッド11を図1図3の紙面と直交する方向に多列に配列することによって対応している。したがって、この場合の吸着装置も、横並びに配列された袋をそのまま持ち上げながら、一定間隔離された袋の間隔を詰めていく。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、腹部が盛り上がったピロータイプの袋であっても、それらを持ち上げながら間隔を狭めていくから、吸着ミスを起こすことなく、確実に袋を段ボールケース等に収納していくことができる。また、第一吸着ヘッドと第二吸着ヘッドを近接離反させるだけで、同時に第一吸着ヘッドの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢へ切り替えることができるから、姿勢変更用のアクチュエータを別途設ける必要がなく、極めて簡単な構成で袋の姿勢変更を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る吸着装置の構成を説明する説明図。
図2】本発明に係る吸着装置の袋吸着直後の作用を説明する説明図。
図3】上記吸着装置で前後の袋を部分的に重ねた状態の説明図。
図4】本発明の一実施形態に係る吸着装置の外観斜視図。
図5】上記実施形態の吸着ヘッドを近接させた場合の外観斜視図。
図6図5の吸着ヘッドを下方から覗いた状態の外観斜視図。
図7図4の吸着装置で横並びの二列の袋を吸引保持するときの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る吸着装置の一実施形態を、図4図7に基づいて説明する。なお、この実施形態は一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
図4図6は、本発明の一実施形態に係る吸着装置の外観斜視図を示し、図7は、その側面図を示す。なお、図4図7において、図1と同一機能を有する部分には、同じ符号を付している。また、図6図7には、後述のフレキシブルホース24を省略している。
【0026】
図4図5において、吸着装置10は、ロボットアーム8の先端下部に連結されるもので、一定間隔離された状態で搬送される第一の袋(図1のA)を吸引する第一吸着ヘッド1と、第二の袋(図1のB)を吸引する第二吸着ヘッド2と、第一吸着ヘッド1の上部に取り付けられたレバー3と、第二吸着ヘッド2の上部に取り付けられたガイド4と、ガイド4にスライド自在に保持されたロッド5と、第一吸着ヘッド1と第二吸着ヘッド2とを近接離反させるアクチュエータ6と、前記レバー3、ガイド4、ロッド5で構成される姿勢切り替え手段7とを備えている。
【0027】
第一吸着ヘッド1は、吸着パッド11と、その吸着パッド11に負圧を作用させる負圧室12とで構成されるもので、負圧室12の上部には、負圧室12に負圧を作用させるパイプ13と、第一吸着ヘッド1を水平姿勢と傾斜姿勢に切り替えるレバー3とが取り付けられている。
【0028】
第二吸着ヘッド2は、同じ形状の吸着パッド11と、その吸着パッド11に負圧を作用させる負圧室20とで構成されるもので、負圧室20の上部には、負圧室20と連通する取付部21が設けられている。この取付部21は、ロボットアーム8の下端部に気密裡に連結されるもので、その上面に形成された孔22が、ロボットアーム8の内部に収納された図示しない負圧ダクトに接続されるようになっている。この負圧ダクトは、図示しない吸引ブロワに接続され、取付部21を介して負圧室20内に負圧が作用するようになっている。また、この取付部21には、取付面で回転するエルボ23が取り付けられ、そのエルボ23と第一吸着ヘッド1のパイプ13とが、フレキシブルホース24を介して接続されている。したがって、第一吸着ヘッド1の負圧室12には、フレキシブルホース24を介して取付部21内の負圧が作用するようになっている。
【0029】
ロボットアーム8は、吸着装置10を水平方向と上下方向に移動させて、吸着装置10で吸着した複数の袋を段ボールケース等に収納するものである。また、このロボットアーム8には、袋サイズに対応する種々の吸着装置10が交換自在に取り付けられるようになっている。具体的には、ロボットアーム8の下端部の両側面にそれぞれパチン錠80が取り付けられ、それと対向する取付部21の両側面にフック24が取り付けられ、そのフック24にパチン錠80の留め具81を掛けてレバー82を倒せば、取付部21の上面がロボットアーム8の下端部に密着状態で連結されるようになっている。なお、取付部21の孔22の周囲四隅に形成された四つの穴は、取付部21をロボットアーム8の下端部に装着するときの位置決め用の穴である。
【0030】
吸着パッド11は、ゴム製のベローズで成形され、それが各負圧室12、20の底面にそれぞれ六個取り付けられている。具体的には、図6図7に示すように、手前側三つの吸着パッド11aと、奥側三つの吸着パッド11bがそれぞれの負圧室12、20の底面に取り付けられ、それらで横並びの二列の袋を吸引保持するようになっている。また、横並びの二列の袋は、図7に示すように、左側の袋Aaが右側の袋Abの上に一部重なった状態で搬送される場合は、吸着パッド11は、左側(手前)三つの吸着パッド11aが短く、右側(奥側)三つの吸着パッド11bが長く成形される。したがって、吸着装置10が下降すれば、まず右側の吸着パッド11bが袋Abを吸引し、続いて左側の吸着パッド11aが袋Aaを吸引する。その際、各吸着パッド11a,11bの吸着面は、腹部が盛り上がった袋Aa、Abの湾曲面に密着するめ、吸着ミスを起こすことなくそれらを吸引保持することができる。
【0031】
また、ロボットの運転速度を上げると、ロボットアーム8が吸着装置10を振り回すようになるが、それにも耐えて袋を吸引保持するために、これら三つの吸着パッド11a、11bでそれぞれ一つの袋を吸引保持するようにしている。
【0032】
第二吸着ヘッド2の負圧室20の底面は、第一吸着ヘッド1に向けて登り傾斜に形成され、その傾斜面に前述の吸着パッド11a、11bが取り付けられている。したがって、第二吸着パッド2の各吸着パッド11a、11bで吸引された袋は、第一吸着ヘッド1側に向けて傾斜姿勢をとる。これにより、一定間隔離された袋の間隔を必要な量だけ詰めることができる。
【0033】
図4図5に戻って、第一吸着ヘッド1の上部に固定されたレバー3は、上部が第二吸着ヘッド2側に飛び出た回り止め部30を有し、その下方にレバー3の作用点32となるシャフトが取り付けられている。また、そのシャフトには、ロッドエンド61を介してアクチュエータ6の可動部60の先端部が連結されている。また、シャフト32のさらに下方には、レバー3の支点31が取り付けられ、その支点31にブラケット50を介してロッド5の先端部が回動自在に取り付けられている。
【0034】
ロッド5は、第二吸着ヘッド2の取付部21の両サイドに設けられ、それぞれのロッド5は、各ガイド4にスライド自在に平行に保持されている。そして、アクチュエータ6の可動部60が伸縮すると、それに伴って平行ロッド5も伸縮するようになっている。
【0035】
平行ロッド5の先端部は、連結ブロック51を介して一体的に連結され、その連結ブロック51に前述のブラケット50が取り付けられている。また、そのブラケット50は、支点31に回動自在に取り付けられている。これにより、二本のロッド5は、連結ブロック51を介して一体となって移動するとともに、その連結ブロック51とブラケット50とを介して、レバー3の支点31を片持ち支持するようになっている。
【0036】
また、ブラケット50には、レバー3の回り止め部30が当るストッパ52が取り付けられている。このストッパ52は、レバー3が回動して第一吸着ヘッド1が傾斜するときに、そのレバー3の回動を一定角度に制限するものである。具体的には、アクチュエータ6の可動部60が伸びきった状態から後退するときに、ロッド5も一体となって後退しようとするが、そのとき、ロッド5は、ガイド4から受ける摩擦抵抗によって、レバー3の支点31を反対方向に押す。それにより、レバー3は、紙面に向かって反時計方向に回動し、それに伴って第一吸着ヘッド1は、図5に示すように傾斜するが、そのとき、回り止め部30がストッパ52に当ることによって、第一吸着ヘッド1の傾斜を所定角度に留めるようになっている。
【0037】
また、このロッド5の後端部にもストッパ53が取り付けられ、そのストッパ53でロッド5が伸びる長さが制限されている。すなわち、アクチュエータ6の可動部60が伸びると、ロッド5も追従して伸びるが、そのとき、可動部60がストロークエンドに到達する直前でストッパ53がガイド4に当る長さに設定されている。これにより、レバー3の支点31は、可動部60が伸びきる直前で停止するから、レバー3は、移動していく作用点32によって時計回りに回動する。これにより、例え第一吸着ヘッド1が傾斜していても、それを強制的に水平姿勢に戻すことができる。なお、連結ブロック51が当る負圧室12の上面には、図7に示す緩衝材55が設けられ、その緩衝材55が、負圧室12が時計方向にさらに回動しようとするのを阻止して、負圧室12を水平状態に保つようになっている。
【0038】
また、一方のロッド5の先端部には、L字形の検出板54が取り付けられ、ロッド5が後退してそのストロークエンドに到達すると、検出板54がロボットアーム8に取り付けられた近接センサSによって検出されるようになっている。この近接センサSは、第一吸着ヘッド1が所定位置まで第二吸着ヘッド2に接近したか否かを検出するもので、両吸着ヘッド1、2が十分接近していない状態で、ロボットアーム8が吸着装置10を段ボールケースに向けて下降させると、吸着装置10が段ボールケースに衝突したり、吸着した袋が脱落したりする恐れがあるので、それを防止するためのものである。
【0039】
ガイド4は、シール付のリニアブッシュで構成され、取付部21の側面に固定されたブラケット40に取り付けられている。このガイド4は、ロッド5がスライドするときに、ロッド5に摩擦抵抗を及ぼすようになっている。そのため、ブッシュの摩耗粉の脱落を防止するために、リニアブッシュの両端部にシールを組み込んだものを使用している。
【0040】
アクチュエータ6は、エアクッション付のエアシリンダで構成され、その後端部が第二吸着ヘッド2に固定されたブラケット62に上下方向に搖動可能に取り付けられている。また、その可動部60であるピストンロッドの先端部は、ロットエンド61を介してレバー3の作用点32に回動自在に取り付けられている。したがって、アクチュエータ6は、レバー3の回動に伴って、後端部の回転軸63を中心に上下に搖動する。また、このアクチュエータ6は、平行ロッド5に均等に力を与えるために、それらの中間点である取付部21を貫通させて取り付けられている。具体的には、取付部21の中央部分に水平方向の貫通孔25が形成され、その貫通孔25にアクチュエータ6を貫通させている。この貫通孔25は、内側にパイプが気密裡に溶接され、これにより、取付部21内の気密性が保たれるようになっている。また、エアクッション付のエアシリンダを使用するのは、ピストンロッドがストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和するためである。これにより、第一吸着ヘッド1に吸着された袋に過度な振動を与えないようになっている。
【0041】
次に、吸着装置10の動作について説明する。
まず、運転開始とともに、アクチュエータ6としてのエアシリンダが作動して、ピストンロッド(可動部)60を伸長させる。すると、それに追従して二本のロッド5も伸長する。そのとき、ロッド5は、ガイド4から受ける摩擦抵抗によってレバー3の支点31を第二吸着ヘッド2側に引き付けながら伸長していくから、レバー3は、時計方向に回動して第一吸着ヘッド1を水平姿勢に保持する。
【0042】
そうしてピストンロッド60がストロークエンドまで伸びていくが、エンドに到達する直前で、ロッド5後端部のストッパ53がガイド4に当ってレバー3の支点31の移動を拘束する。そのため、第一吸着ヘッド1が完全な水平姿勢になっていない場合は、ピストンロッド60が完全に伸びきったときに、レバー3が時計方向に若干回動して第一吸着ヘッド1を完全な水平姿勢にする。
【0043】
この状態でロボットアーム8は、袋の到達を待つ。そして、袋が到達すると、直ちに下降して袋を吸引保持しながら上昇する。同時に、アクチュエータ6が作動して、伸びたピストンロッド60を後退させる。すると、ロッド5も後退しようとするが、ロッド5は、ガイド4から受ける摩擦抵抗によってレバーの支点31を反対方向に押して止まろうとする。すると、レバー3が反時計方向に回動して、水平姿勢であった第一吸着ヘッド1を傾斜姿勢に切り替える。そして、レバー3の回り止め部30がストッパ52に当り、レバー3がそれ以上回動しなくなると、ピストンロッド60に引かれて後退するレバー3に引かれてロッド5も後退していく。
【0044】
そうして、ピストンロッド60がストロークエンドまで後退すると、各吸着ヘッド1、2に吸着された一定間隔離された袋A,Bは、図3に示すように、一部オーバーラップした状態で間隔が詰められる。ただし、図3では、第二吸着ヘッド2の底面は、水平であるが、図4図7の第二吸着ヘッド2の底面は、傾斜しているので、その傾斜分だけ、各袋A,Bの間隔は、詰められた状態になる。
【0045】
このようにして、一定間隔離された袋が持ち上げられながら間隔が詰められていくが、その間、ロボットアーム8は、段ボールケースの直上まで吸着装置10を移動させる。そして、近接センサSの検出信号によって第一吸着ヘッド1が第二吸着ヘッド2の所定位置まで近接したことが確認されると、ロボットアーム8は、下降に転じて吸着された袋を段ボールケース内に収納していく。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、その他の実施形態も採用可能である。例えば、以上の実施形態では、搬送方向に離された前後の袋を対象としたが、搬送方向と直交する方向に所定距離離された二列の袋を寄せる場合にも使用することができる。また、前後の袋だけでなき、その間にさらにもう一列、袋が配列ものでも、第一吸着ヘッドを二組設け、それぞれを個別に駆動するアクチュエータとガイドを第二吸着ヘッドに設けることで、前後3列の袋の間隔を同様に詰めることもできる。また、対象とする袋は、ピロータイプの袋だけでなく、扁平な袋であっても適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 第一吸着ヘッド
2 第二吸着ヘッド
3 レバー
4 ガイド
5 ロッド
6 アクチュエータ
7 姿勢切り替え手段
11 吸着パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7