【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年4月22日に下記ウェブサイト https://hygi−help.zendesk.com/hc/ja/articles/360046899974にて掲載。 令和2年5月14日に下記ウェブサイト https://hygi−help.zendesk.com/hc/ja/articles/360047713534にて掲載。 令和2年6月8日に下記ウェブサイト https://hygi−help.zendesk.com/hc/ja/articles/360049979033にて掲載。 令和2年6月22日に下記ウェブサイト https://hygi−help.zendesk.com/hc/ja/articles/360050409413にて掲載。 令和2年8月2日に下記ウェブサイト https://hygi−help.zendesk.com/hc/ja/articles/360052390713にて掲載。 令和2年4月23日に下記ウェブサイト https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000018532.htmlにて掲載。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る組織評価システム1の構成例を示す図である。図示するように、本実施形態に係る組織評価システム1は、組織評価サーバ10(以下、サーバ10と称する)と、構成員端末20(20A、20B、20C、・・・)と、人事管理者端末30と、を備える。また、組織評価システム1は、第三者端末40と、を備えてもよい。サーバ10と、構成員端末20と、人事管理者端末30と、第三者端末40とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。
【0013】
本実施形態においてネットワークNWはインターネットを想定している。ネットワークNWは、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0014】
サーバ10は、例えば、企業や団体等の組織体に関する組織評価の支援を行うためのコンピュータである。かかるサーバ10は、例えば、上記の組織体により管理されてもよいし、人事コンサルタント、人材エージェントまたは求人情報提供企業等の組織評価サービスを扱う第三者により管理されてもよい。
【0015】
また、例えば、サーバ10は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウドコンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
構成員端末20は、例えば、組織体に所属する構成員U1(U1A、U1B、U1C、・・・)が「組織に関するサーベイ」に回答する際に用いられる端末である。例えば、構成員端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。構成員端末20は、ユーザ端末の一例である。
【0017】
人事管理者端末30は、例えば、組織体に所属する、または該組織体から組織評価に関する業務を委託されている人事管理者U2が構成員U1の「組織に関するサーベイ」の回答結果を閲覧したり、かかる回答結果に基づいて得られる組織評価の結果を閲覧するために用いられる端末である。例えば、人事管理者端末30は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。
【0018】
第三者端末40は、例えば、組織体の組織評価の結果を閲覧したり、かかる組織評価に係る情報を利用するために用いられる端末である。ここでいう第三者とは、例えば、上記の組織体に福利厚生のサービス等を提供する企業等であり得る。すなわち、かかる第三者は、組織評価に係る情報を利用して、該組織における問題点を解決するためのサービスを提供することができる。例えば、第三者端末40は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。
【0019】
本実施形態に係る組織評価システム1の概要について説明する。構成員U1は、構成員端末20を介して、サーバ10から提供される「組織に関するサーベイ」に対して回答を行う。かかる回答を複数の構成員U1から収集し、その結果を処理することにより、かかる組織に対する複数の構成員U1による評価を得ることができる。
【0020】
かかる「組織に関するサーベイ」は、組織に対する重要度に関する設問により構成される。「組織に対する重要度」とは、構成員が組織のある要因に対して重視する価値観や希望を測定するための指標であり、組織体の定着のための重要度を意味する。各設問では、設問内容に対する回答として複数の選択肢が表示される。ユーザである構成員U1は、複数の選択肢から、複数の選択を行う。
【0021】
サーバ10は構成員U1の回答した重要度に関する複数の回答に係る情報を取得する。そして、サーバ10は回答に係る情報と、「組織の現状」に関する情報を解析し、組織に対する評価に係る情報を出力する。「組織の現状」とは、構成員が所属している組織(または組織の要因)に対する現状に満足しているか否かを測定するための指標である。このようにして得られる「組織に対する評価」は、重要度に関する複数の回答に強く紐づくものである。すなわち、組織のある要因における重要度の回答を構成する尺度(例えば、重要である、重要でない、わからない)のうちから一つを選択する構成では、各要因の組織に対する評価が得られても、要因間における明確な差を得ることはできなかった。
【0022】
一方で、本実施形態に係る組織評価システム1によれば、重要度に関して複数の回答を得ることで、要因間においてどの要因が重要であるかの情報を含めて得ることができる。これにより、組織に対する評価の結果から、どの要因について優先的に対処すべきかがより明確になる。例えば、人事管理者端末30を利用する人事管理者であれば、どの要因に対して優先的に施策をすべきかを容易に把握することができる。また、第三者端末40を利用する第三者であれば、優先的に対処すべき要因に関するソリューションを的確に提供することが可能となる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係るサーバ10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、少なくとも、制御部11、メモリ12、ストレージ13、通信部14および入出力部15等を備える。これらはバス16を通じて相互に電気的に接続される。
【0024】
制御部11は、サーバ10全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、ストレージ13に格納されメモリ12に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0025】
メモリ12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ12は、制御部11のワークエリア等として使用され、また、サーバ10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0026】
ストレージ13は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ13に構築されていてもよい。
【0027】
通信部14は、サーバ10をネットワークに接続する。通信部14は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、近距離または非接触通信等の方式で、外部機器と直接またはネットワークアクセスポイントを介して通信する。
【0028】
入出力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0029】
バス16は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0030】
本実施形態に係る構成員端末20、人事管理者端末30および第三者端末40を実現するコンピュータやスマートフォン等の端末のハードウェア構成は、
図2に示すサーバ10のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
図3は、本実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ10の制御部11は、表示制御部111、取得部112、解析部113および出力制御部114を備える。
【0032】
表示制御部111は、構成員端末20に「組織に関するサーベイ」に係る情報(サーベイ情報)を表示する制御を行う機能を有する。サーベイ情報は、例えばサーバ10のストレージ13や、外部のストレージ等に格納されるデータベースから取得される。
図4は、本実施形態に係る表示制御部111によるサーベイ情報の表示例を示す図である。
図4に示すように、構成員端末20の表示部D1には、設問内容1001、選択肢オブジェクト1002、進行オブジェクト1003および回答を中断するための回答中断オブジェクト1004が表示されている。
【0033】
図4に示す例では、会社の執務環境という要因について重視する点について、複数の回答からなる選択肢オブジェクト1002が表示される。ここで示される各回答は、自由度や設備など、執務環境の要因に関する事象に相当する。つまり、事象とは、要因について構成員が重視する重要度の選択対象を意味する。設問は、例えば上記の「会社の執務環境について重視する点」のように、組織の「衛生要因(ハイジーンファクター)」についての重要度に関する設問であってもよい。ハイジーンファクターは、モチベーションとは異なり、家庭生活との両立のしやすさ、職場環境など、組織に属する構成員の不満や働きやすさ(働きにくさ)などの仕事・職場・組織に関する要因や組織の定着に関する要因である。かかるハイジーンファクターは構成員の離職原因となり得る一方で顕在化しにくい要因でもあり得る。そのため、かかるハイジーンファクターに関する設問をサーベイの設問として含むことにより、組織に対する評価をハイジーンファクターの観点から得ることができる。ハイジーンファクターの例としては、上記の「執務環境」の他に、「リフレッシュ環境」「休暇制度」「社内の雰囲気」「周囲の理解」「メンタルヘルス」「フィジカルヘルス」「チームワーク」「適正な労働時間」「私生活の充実と支援」「生活負担の軽減」等であってもよい。また、上記の衛生要因の他の例として、組織の要因として、「経営方針」「経営者への信頼」「人員配置・適材適所」「評価・給与」「教育・研修」「多様な働き方に関する制度の充実」等も含まれ得る。なお、後述するように、重要度に関する設問として表示される回答の対象は、組織の要因における事象に限られず、組織の要因そのものであってもよい。
【0034】
構成員U1は、表示部D1に対する操作(例えば、タッチまたはクリック等の入力操作)を行い、複数の選択肢オブジェクト1002のうち2以上のオブジェクトを選択する。これにより複数の回答が決定される。
図4に示す例では、3つの選択肢オブジェクト1002を選択するように設問内容1001に記載されており、3つの選択肢オブジェクト1002を選択する必要がある。
【0035】
図5は、
図4に示したサーベイ情報の表示の他の例を示す図である。
図5に示す表示部D2の表示例では、選択肢オブジェクト1002のうち、「設備」「自由度」「風通し」のオブジェクトが選択されている(オブジェクトの枠が太く示されている)。そのため、オブジェクトの枠が太く表示されている。選択肢オブジェクト1002が3つ選択されているので、進行オブジェクト1003が
図4に示す進行オブジェクト1003よりも濃く表示されており、進行オブジェクト1003が選択可能となっている。これにより、2以上の所定数の選択肢オブジェクトが選択された場合に、ユーザの選択の操作を完了させる(この場合では次の設問に進行するために完了させる)進行オブジェクト1003を選択することが可能となる。かかる進行オブジェクト1003の表示の制御により、ユーザに対し、2以上の所定数の選択肢オブジェクトの選択をより確実に行わせることができる。回答を各設問について繰り返すことで、組織に対する重要度に関する情報の基となる、構成員の回答情報が得られる。
【0036】
取得部112は、構成員端末20からの回答情報を取得する。回答情報は、ユーザにより選択された複数の選択に関する情報(すなわち、選択された回答に関する情報)である。
【0037】
取得部112が取得する回答情報に含まれる回答の各々には優先度が付与されていてもよい。例えば、構成員の選択の操作における順位付けの結果に基づいて、優先度が付与されてもよい。
図6は、表示部D3の他の表示例を示す。
図6に示す例では、「自由度」「設備」「風通し」の選択肢オブジェクト1002に、それぞれ1から3までの数字が付与されている。かかる数字は、例えば構成員の選択の順序により決められるものであってもよいし、他の操作により決められるものであってもよい。このような優先度を用いることで、得られた組織に対する評価において、対処を優先すべき要因をより確実に特定することができる。優先度は数字に限定されず、記号により示されるものであってもよい。
【0038】
なお、取得部112は、回答情報の他にも、例えば、組織に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部112は、構成員端末20を操作する構成員U1が所属する構成単位に関する情報を取得してもよい。これにより、後述する評価を、構成単位ごとに行うことができる。つまり、構成単位間において評価結果の比較等を行うことができる。なお、ここでいう構成単位とは、例えば組織における部署、職種、職位、年齢、性別、家族構成等によりカテゴライズされる単位を意味する。
【0039】
解析部113は、組織の現状に関する情報に基づいて、組織に対する評価を解析する。複数の回答に関する情報および組織の現状に関する情報は、構成員ごとに紐付いて得られる。これらの情報は、複数の構成員のそれぞれから得られる。また、解析部113は、取得部112により取得された複数の回答に関する情報に基づいて組織に対する評価を解析してもよい。
【0040】
組織の現状に関する情報は、上述したサーベイ情報に対する回答情報として、別途構成員U1による回答に基づき得られるものである。
図7は、本実施形態に係るサーベイ情報の他の表示例を示す図である。
図7に示すように、構成員端末20の表示部D4
には、組織の現状に関する回答を促すテキスト1011、設問内容1012、選択肢オブジェクト1013およびボタン1014が表示されている。設問内容1012に記載されている内容に対して、構成員U1は構成員端末20を操作して選択肢オブジェクト1013に表示されている回答を選択する。回答を各設問について繰り返すことで、組織の現状に関する情報の基となる、構成員の回答情報が得られる。
【0041】
かかる組織の現状に関する情報は、例えば、組織の要因についての現状に関する情報であり得る。
図7に示す例では、「執務環境」についての現状に関しての設問が表示されている。より具体的には、かかる情報は、組織の衛生要因(ハイジーンファクター)についての現状に関する情報であってもよい。これにより、組織の離職原因となり得るような組織の現状について特定することができる。
【0042】
解析部113は、組織に対する重要度に関する複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報とに基づいて解析し、解析結果として組織に対する評価を得てもよい。かかる解析は、例えば、組織のある要因に関する重要度と現状との比較や相関についての解析であり得る。解析方法は特に限定されず、公知の統計処理を用いるものや、機械学習により予め得られる学習モデルに基づく推論によるものであってもよい。
【0043】
例えばある要因について、組織の現状として低い値(悪い)を示しており、該要因のある事象が、多くの構成員により重要であると選択されている場合や、優先度が高いとして選択されている場合は、解析部113は、該要因を対処すべき優先度の高い要因として評価しうる。一方で、ある要因が組織の現状として低い値を示している場合であっても、その要因の各事象が、重要度が高い事象であるとして選択されていなかったり、優先度が低いものとして選択されている場合は、解析部113は、該要因を対処の必要な要因としては評価し得ない。要因について複数の選択肢により複数選択させることで、要因間における重要度の評価の差別化が可能となる。これにより、対処を優先すべき要因の特定がより明確になる。
【0044】
なお、組織の構成単位ごとに評価を行う場合は、解析部113は、構成単位ごとに評価を得てもよい。この場合、後述する出力制御部114においては、構成単位間における評価の比較に基づく情報を出力してもよい。また、解析部113は、組織の現状に係る設問に対する回答により得た回答情報から得られる組織の現状に係る情報のみに基づいて、組織に対する評価を解析してもよい。
【0045】
出力制御部114は、解析部113により解析して得られた組織に対する評価に係る情報を出力する。評価に係る情報は、例えば、人事管理者端末30や第三者端末40等に出力される。評価に係る情報は、例えば、スコアの他に、表、グラフ、レーダーチャート等の任意の出力態様により出力され得る。また、出力制御部114は、評価に係る情報を、適宜内部または外部のサーバ等のストレージ等にデータとして記憶してもよい。
【0046】
図8は、本実施形態に係る出力制御部114による出力表示態様の一例を示す図である。
図8に示す例では、人事管理者端末30の表示部D5に表示される評価に係る情報の一例が示されている。例えば、「組織Aにおける改善すべき優先度の高い要因」として「執務環境:自由度」「評価・給与:成果」が表示される。このように、評価に係る情報として、組織Aにおいて対処する優先度の高い要因、および重要度(優先度)が高いとして選択された事象が表示される。
【0047】
なお、出力制御部114は、これらの要因について、数字や記号等で優先度が高いことを示す情報を付加して出力してもよい。また、
図8に示した例では、重要度の高い事象を要因とともに表示しているが、優先度の高い要因のみが表示されてもよい。
【0048】
また、出力制御部114は、組織に対する評価に係る情報を、過去の評価を含めた時系列情報として出力してもよい。例えば、出力制御部114は、過去に解析して得られた組織に対する評価において優先度が高いとされた要因の変化について出力してもよい。これにより、要因への対処による改善の程度について把握することができる。
【0049】
図9は、本実施形態に係る組織評価システム1における一連の制御に係るフローチャート図である。まず、サーバ10から構成員端末20にサーベイ情報が送信される(ステップS101)。かかるサーベイ情報には、組織に対する重要度に関する設問と、組織の現状に関する設問との内容が含まれ得る。構成員端末20は、表示部に、サーベイ情報に基づく設問を表示する(ステップS103)。そして、構成員による操作により、構成員端末20に重要度に関する設問の回答と、現状に関する設問の回答とが入力される(ステップS105、S107)。そして構成員端末20は、サーベイに対する回答に係る回答情報をサーバ10に送信する(ステップS109)。
【0050】
上述したように、各ステップの少なくともいずれかに係る処理(例えば、ステップS101〜S109に係る処理等)は、構成員ごとに適宜行われてもよい。
【0051】
次に、サーバ10は、複数の構成員の回答情報に含まれる、組織に対する重要度および組織の現状に関する情報を解析する(ステップS111)。そして、サーバ10は、各情報を解析して得られる評価情報を生成する(ステップS113)。次に、サーバ10は、評価情報を人事管理者端末30等に出力する(ステップS115)。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る組織評価システム1によれば、組織に対する重要度に関する設問について複数の選択の回答をユーザに対して行わせ、かかる複数の回答と組織の現状に関する設問に対する回答とを解析することで、対応すべき要因の差別化が、単なる尺度を用いた解析よりも有意に得ることができる。これにより、どの要因について対処を優先すべきかをより明確に把握することができる。よって、組織の問題点をより精度高く特定することができる。また、複数の選択においてユーザの操作等により優先度を付して回答情報に含めることで、対処の優先度をより明確に差別化することができる。
【0053】
また、重要度や現状の調査対象となる要因は、ハイジーンファクターを含むものであってもよい。かかるハイジーンファクターを要因として用いることで、離職の原因である働きにくさや不満等の要因を突き止めることができる。
【0054】
次に、本実施形態の変形例について説明する。上述した例では、重要度に関する設問として、要因ごとにそれぞれ回答が設定されていたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、重要度に関する設問は、要因そのものの優先度を決定するためのものであってもよい。
【0055】
図10は、本実施形態の一変形例に係るサーベイ情報の表示例を示す図である。
図10に示すように、構成員端末20の表示部D6には、設問内容1021、選択肢オブジェクト1022および回答に関する操作を行うためのオブジェクト1023が表示されている。
図10に示す例では、組織における各要因について選択肢オブジェクト1022として表示される。ここでの各要因は、上述した「衛生要因(ハイジーンファクター)」であってもよい。構成員は、表示部D6に表示されている質問に対し、各要因のうち重要だと考える要因を複数選択することができる。この際、取得部112が取得する回答情報は、構成員により選択された複数の要因に係る情報である。その際、要因間における順位や優先度等の情報が付されてもよい。また、各要因の重要度の値は、例えば、個人、部署または全社等の母集団に応じて、適宜算出されてもよい。
【0056】
取得部112は、続いて、
図7に示した設問を構成員に回答させることで、組織の現状に関する情報の基となる、構成員の回答情報を取得する。組織の現状に関する情報は、例えば、組織の要因に関連する情報であり得る。
【0057】
次に、解析部113は、組織の要因に対する重要度に関する複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報との、少なくとも一方に基づいて解析し、解析結果として組織に対する評価を得る。例えば、本変形例では、解析部113は、一または複数の構成員から取得した回答情報を基に、各要因についての現状について、スコアを算出してもよい。また、解析部113は、組織の重要度について構成員から得られた回答情報を基に、要因ごとに解析結果を付与し、各要因の現状を示すスコアに関連付けてもよい。なお、組織の要因に対する重要度と、各要因の現状とのスコアについては、必ずしも相互に関連する解析が行われなくてもよい。
【0058】
次に、出力制御部114は、組織の各要因に係る重要度に関する情報と、各要因の現状に関する情報とを関連付けて表示部に出力させる。
図11は、本変形例に係る出力制御部114による出力結果の一例を示す図である。
図11に示すように、人事管理者端末30の表示部D7には、組織の各要因に関する情報オブジェクト1031が表示されている。情報オブジェクト1031は、重要な要因であると回答した構成員の数が多い要因について、回答数が多い順に並べて表示されている。情報オブジェクト1031には、重要であると多く回答された(すなわち、重要度が高い)要因についての現状を示したスコアがそれぞれ表示されている。各スコアは、例えば、数値が高いほど現状に満足していることを示し、数値が低いほど現状に不満があることを示しうる。このように、構成員が重要であると考えている要因を優先的に表示し、それぞれの要因についてのスコアを重要度の高い要因に関連付けて表示することで、どの要因について優先的に取り組むべきかを、より確実に決定することが可能となる。
【0059】
なお、
図11に示した例では、重要度の高い要因のみが示されているが、全ての要因についての情報が表示されていてもよい。また、重要度が高いかどうかについては、本変形例では、重要であると回答した回答数に基づいて決められているが、本技術はかかる例に限定されない。また、
図11に示した例では、部署ごとの回答に基づく結果が表示されているが、例えば、全社員や、役職ごとなど、評価対象のグループは適宜調整することが可能である。また、過去の重要度や現状に関する評価結果は、時系列に表示されてもよい。
【0060】
図12は、本変形例に係る出力制御部114による出力結果の他の例を示す図である。
図12に示すように、人事管理者端末30の表示部D8には、表示する評価結果(解析結果)の母集団のレベルを選択するための領域1041と、組織の要因に対応するオブジェクト1042と、各要因に関する現状を示すスコア情報1043とが表示されている。オブジェクト1042に示す各要因についてスコアが示されており、これらのスコアは、領域1041に示される「会社レベル」「部署レベル」「個人レベル」に応じて変更され得る。これらの部署レベルや個人レベルが選択されると、評価対象である部署または個人を選択するためのオブジェクト等が適宜表示されてもよい。また、要因を示すオブジェクト1042の近傍に表示される星型のマークは、重要度の高い要因を示している。重要度の高い要因は、領域1041において選択されたレベルに応じて適宜変更され得る。
図12に示した例によれば、構成員のグループに応じて、各要因における重要度と現状との関連性を把握することができる。これにより、よりきめ細かな対応が可能となる。
【0061】
本変形例では、組織に対する重要度に関する設問に対する回答として、組織の要因が選択され得る。かかる回答を基に、組織の要因のそれぞれについての重要度に関する情報が得られる。そして、組織の各要因に関する現状についての回答が得られ、この回答は解析される。そして、重要度に関連して、組織の要因についての現状についての情報(例えば解析結果であるスコア)が表示される。これによって、構成員がどのような要因について重要と感じているのか、そして重要と感じている要因について改善が必要であるか否かを判断することができる。特に、重要と思われる組織の要因を複数回答させるよう表示部の表示を制御することで、要因間においてどの要因が重要であるかをより明確にさせることができる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0063】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、組織評価サーバ10の制御部11およびストレージ13は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0064】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る組織評価サーバ10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0065】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0066】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0067】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
組織に対する重要度に関する設問に対応する回答を示す複数の選択肢のうち、ユーザが選択した複数の回答に関する情報を取得する取得部と、
前記複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報を解析して得られる前記組織に対する評価に係る情報とを出力する出力制御部と、
を備え、
前記設問は前記組織における要因についての設問を含み、
前記複数の回答は、一の画面に複数示される前記要因に対して、前記ユーザにより複数選択された、前記要因についての回答であり、
前記出力制御部は、前記ユーザによる前記複数の回答により得られる前記要因の各々の重要度と、前記要因に関する前記組織の現状に関する情報とを、前記要因に関連付けて出力する、組織評価システム。
(項目2)
前記複数の回答の各々には優先度が付与され、
前記組織に対する評価は、前記優先度に基づいて得られる、
項目1に記載の組織評価システム。
(項目3)
前記優先度は、前記設問に対する前記ユーザの選択の操作による順位付けの結果に基づく、項目2に記載の組織評価システム。
(項目4)
前記設問は前記組織における要因についての設問であり、
前記出力制御部は、前記組織に対する評価として、対処を優先すべき前記要因についての情報を出力する、
項目1〜3のいずれか1項に記載の組織評価システム。
(項目5)
前記要因は、前記組織に対する衛生要因を含む、項目1〜4のいずれか1項に記載の組織評価システム。
(項目6)
前記取得部は、前記組織の構成単位に関する情報を取得し、
前記出力制御部は、前記組織の構成単位に対する評価に係る情報を出力する、項目1〜5のいずれか1項に記載の組織評価システム。
(項目7)
前記出力制御部は、前記構成単位間における前記評価の比較に基づく情報を出力する、項目6に記載の組織評価システム。
(項目8)
前記複数の選択肢に対応する選択肢オブジェクトをユーザ端末に表示させる表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部は、2以上の所定数の選択肢オブジェクトが選択された場合に、前記ユーザの選択の操作を完了させるためのオブジェクトの表示を制御する、項目1〜7のいずれか1項に記載の組織評価システム。
(項目9)
前記出力制御部は、前記組織に対する評価に係る情報を、過去の前記評価を含めた時系列情報として出力する、項目1〜8のいずれか1項に記載の組織評価システム。
(項目10)
コンピュータを、
組織に対する重要度に関する設問に対応する回答を示す複数の選択肢のうち、ユーザが選択した複数の回答に関する情報を取得する取得部と、
前記複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報を解析して得られる前記組織に対する評価に係る情報とを出力する出力制御部と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記設問は前記組織における要因についての設問を含み、
前記複数の回答は、一の画面に複数示される前記要因に対して、前記ユーザにより複数選択された、前記要因についての回答であり、
前記出力制御部は、前記ユーザによる前記複数の回答により得られる前記要因の各々の重要度と、前記要因に関する前記組織の現状に関する情報とを、前記要因に関連付けて出力する、プログラム。
(項目11)
プロセッサが、
組織に対する重要度に関する設問に対応する回答を示す複数の選択肢のうち、ユーザが選択した複数の回答に関する情報を取得することと、
前記複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報を解析して得られる前記組織に対する評価に係る情報とを出力することと、
を含み、
前記設問は前記組織における要因についての設問を含み、
前記複数の回答は、一の画面に複数示される前記要因に対して、前記ユーザにより複数選択された、前記要因についての回答であり、
前記ユーザによる前記複数の回答により得られる前記要因の各々の重要度と、前記要因に関する前記組織の現状に関する情報とを、前記要因に関連付けて出力する、組織評価方法。
【解決手段】組織評価システムにおいて、制御部11は、組織に対する重要度に関する設問に対応する回答を示す複数の選択肢のうち、ユーザが選択した複数の回答に関する情報を取得する取得部112と、複数の回答に関する情報と、組織の現状に関する情報を解析して得られる組織に対する評価に係る情報とを出力する出力制御部114と、を備える。設問は組織における要因についての設問を含み、複数の回答は、一の画面に複数示される要因に対して、ユーザにより複数選択された、要因についての回答であり、出力制御部114は、ユーザによる複数の回答により得られる要因の各々の重要度と、要因に関する組織の現状に関する情報とを、要因に関連付けて出力する。