(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の噴水ユニットを実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1の噴水ユニットAについて説明する。
(噴水ユニットの概略)
まず、実施の形態1の噴水ユニットAの概略について説明する。
図1は、実施の形態1の噴水ユニットAを示す斜視図であり、この噴水ユニットAは、人工芝マット10と、ノズル20と、バルブユニット30と、メイン給水管40と、サブ給水管50と、制御ユニット60と、を備える。
【0013】
この噴水ユニットAは、例えば、集合住宅のバルコニー床などのコンクリート製の設置面1の上に人工芝マットBを敷設する際、その一部に人工芝マット10を敷設したものである。なお、本実施の形態1では、人工芝マットBと噴水ユニットAの人工芝マット10とは、同様の材質のものを用いている。また、全体の図示は省略するが、噴水ユニットAの人工芝マット10は、人工芝マットBの中央部分に人工芝マットBと一体となるように設置しているものとする。
【0014】
人工芝マットBの中央部分に人工芝マットBと一体となるように人工芝マット10を設置するのにあたっては、例えば、人工芝マットBとして人工芝マット10と平面視の縦横寸法が同一のものを用い、人工芝マット10の縦横方向に人工芝マットBを並設することができる。あるいは、人工芝マットBの平面視の縦横寸法の一方を、人工芝マット10と共通化した長尺のものを、人工芝マット10を跨いで連続的に敷設するようにしてもよい。さらに、人工芝マット10よりも平面視の縦横寸法が大きな人工芝マットBに、人工芝マット10と同寸法の穴を形成し、この穴に人工芝マット10を敷設してもよい。
【0015】
また、噴水ユニットAに用いた人工芝マット10および人工芝マットBの構造は、周知のものであり、
図2に示すように、シート状に形成された人工芝基盤101に、所定の間隔を有してパイル102が植設され、人工芝基盤101の裏面側にはパイル102の抜け止め用のバッキング層(図示省略)を備える。また、人工芝基盤101は、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂などから形成されたものを用いることができる。また、パイル102は、例えば、結晶性プラスチックを一軸延伸加工した扁平なフィラメント糸などを用いることができる。
【0016】
なお、本実施の形態1では、人工芝マット10および人工芝マットBを敷設するにあたり、設置面1の上に除水シートCを敷いて、その上に両人工芝マット10,Bを敷設している。この除水シートCは、網目状の繊維により形成され、人工芝マットBを透過した水を、設置面1の水勾配に沿って移動させるもので、両人工芝マット10,Bにおける水はけを促進させる。
【0017】
(噴水ユニットの構成の詳細)
以下に、噴水ユニットAの構成の詳細について説明する。
ノズル20は、人工芝マット10に複数設置されており、本実施の形態1では、
図1および
図3に示すように、9個のノズル20が、縦横略等間隔にそれぞれ3個ずつ3列、3行を形成して配置されている。なお、以下の説明において、9個のノズル20のうちで特定のものを指す場合には、符号20の後に(1)〜(9)を表記するが、特定のものを指さない場合には、単に符号20のみ表記する。
【0018】
そして、各ノズル20には、サブ給水管50が接続され、各サブ給水管50にはバルブユニット30が接続されている。さらに、バルブユニット30には、メイン給水管40を介して水道の蛇口Dが接続されている。すなわち、噴水ユニットAは、水道の蛇口Dから供給される水を、バルブユニット30から任意のサブ給水管50を介して任意のノズル20から噴水させることができる。なお、各給水管40,50としては、例えば、軟質の樹脂、ゴムなどにより形成された管を用いることができる。
以下に、各構成について詳細に説明する。
【0019】
(ノズルの構成)
ノズル20は、
図2に示すように、ベース部材21とノズル部材22とを上下に嵌め合わせて形成されている。
【0020】
図5はベース部材21を示す図であり、(a)はベース部材21の平面図、(b)は軸心位置での縦断面である。このベース部材21は、硬質樹脂により形成され、
図5(a)(b)に示すように、ベース部材本体21aと水路壁21bを備える。ベース部材本体21aは、円盤状の底板21cの外周に円筒状の内筒部21dを起立させた有底円筒状に形成されている。さらに、内筒部21dには、内筒部21dの内外を連通する連通穴21eが形成され、この連通穴21eに前述したサブ給水管50に接続される接続管部21fが一体に形成されて外径方向に突出して設けられている。
【0021】
水路壁21bは、連通穴21eからベース部材21の軸中心に至る噴水路21gを形成する壁であり、連通穴21eを中央に挟んで内筒部21dからベース部材21の軸中心部まで延在された一対の立壁部21h,21hと、ベース部材21の軸中心部を囲んで設けられた円筒状の環状壁21jとを備える。
【0022】
次に、ノズル部材22について説明する。
図6はノズル部材22を示す図であり、(a)はノズル部材22の平面図、(b)はノズル部材22の断面図である。このノズル部材22は、シリコン樹脂などの軟質の樹脂、ゴムなどの弾性材により形成され、
図6(a)(b)に示すように、ノズル部材本体22aとノズル部22bとを備える。
【0023】
ノズル部材本体22aは、円盤状の天板22cと、この天板22cの外周から円筒状に垂下されるとともに、ベース部材21の内筒部21dの外周を囲む内径に形成された外筒部22dを備える。なお、外筒部22dには、内筒部21dの連通穴21eと同軸に配置可能に丸あるいはU字の状の連通穴22eが径方向に貫通して形成され、この連通穴22eに接続管部21fが貫通して設けられている(
図4参照)。また、天板22cの軸心部からノズル部22bが立ち上げられている。このノズル部22bは、略円錐筒状に形成され、上端部に噴水穴22fが開口されている。
【0024】
そして、ノズル20は、
図4に示すように、ベース部材21の上からノズル部材22を被せ、両者の当接部分を接着あるいは溶着させて一体に形成する。すなわち、ベース部材21の立壁部21hおよび環状壁21jの上端に、ノズル部材22の天板22cの裏面を当接させるとともに、ベース部材21の内筒部21dの外周にノズル部材22の外筒部22dに当接させて、一体に形成する。そして、このベース部材21とノズル部材22とを一体とした状態では、ノズル20に、連通穴21e,22eからノズル部22bの噴水穴22fに至るとともに、外部と遮断された噴水路21gが形成される。これにより、接続管部21fに供給した水を噴水穴22fから上方に向けて噴水することができる。
【0025】
(バルブユニットの構成)
次に、バルブユニット30について説明する。
バルブユニット30は、前述のように、メイン給水管40を介して供給される蛇口Dからの水道水を、各サブ給水管50を介して各ノズル20に選択的に供給するもので、ケース30cの内部に、
図7に示すように各サブ給水管50に接続された9個のバルブ31を収容している。なお、9個のバルブ31の符号の表記についても、ノズル20およびサブ給水管50と同様に、特定のものを指す場合には、符号31の後ろに(1)〜(9)を表記するが、特定のものを指さない場合には、単に31と表記する。
【0026】
バルブユニット30は、メイン給水管40に接続されたメイン管32と、このメイン管32から分岐されて各サブ給水管50(1)〜(9)に接続される分岐管33(1)〜(9)を備える。そして、分岐管33(1)〜(9)のそれぞれに、分岐管33(1)〜(9)を開閉するバルブ31(1)〜(9)が設けられている。
【0027】
各バルブ31は、非通電時に閉じ、通電時に開く常閉の電磁バルブである。したがって、各バルブ31は、開弁時に、メイン管32(メイン給水管40)とサブ給水管50およびノズル20とを連通させる。そして、この連通状態では、蛇口Dからの水道の水圧により、ノズル20から上方に噴水される。
【0028】
(制御ユニットの構成)
上述したバルブユニット30の各バルブ31の開閉は、制御ユニット60により制御されるもので、この制御ユニット60は、バルブユニット30に内蔵されている。
【0029】
この制御ユニット60は、自動噴水制御を実行し、9個のバルブ31のうちの1つを順次選択的に開弁させることにより、人工芝マット10の各ノズル20から、所定の形態で噴水するもので、以下に、その制御について説明する。
【0030】
すなわち、本実施の形態1では、制御ユニット60は、噴水開始スイッチ(図示省略)が投入された際には、自動噴水制御を実行して、各ノズル20から噴水させる。なお、噴水開始スイッチの投入は、手動により行うようにしてもよいし、あるいは、所定の時刻あるいは所定の温度を越えた際に、自動的に行うようにしてもよい。
【0031】
制御ユニット60は、本実施の形態1では、自動噴水制御の実行時には、直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンの3種類の噴水パターンの3つの噴水パターンを順に2回繰り返す。さらに、本実施の形態1では、1回目の3つの噴水パターンにおける噴水時間(バルブ開弁時間)に対し、2回目の3つの噴水パターンにおける噴水時間(バルブ開弁時間)を長く設定している。
【0032】
次に、各噴水パターンについて説明する。
直線噴水パターンでは、
図3(a)に示すように、第1列のノズル20(1),20(2),20(3)を矢印P11の順に一定時間(t)だけ噴水させる第1直線噴水パターン、第2列のノズル20(4),20(5),20(6)を矢印P12の順に一定時間(t)だけ噴水させる第2直線噴水パターン、第3列のノズル20(7),20(8),20(9)を矢印P13の順に一定時間(t)だけ噴水させる第3直線噴水パターンを順に実行する。
【0033】
すなわち、第1直線噴水パターンでは、第1列のノズル20(1),20(2),20(3)に接続されたバルブ31(1),31(2),31(3)を、順に一定時間(例えば、t=0.5秒)ずつ開弁させる制御を実行し、各ノズル20(1),20(2),20(3)から順に噴水させる。
第2直線噴水パターンでは、第2列のノズル20(4),20(5),20(6)に接続されたバルブ31(4),31(5),31(6)を、順に一定時間(例えば、t=0.5秒)ずつ開弁させる制御を実行し、各ノズル20(4),20(5),20(6)から順に噴水させる。
【0034】
第3直線噴水パターンでは、第3列のノズル20(7),20(8),20(9)に接続されたバルブ31(7),31(8),31(9)を、順に一定時間(例えば、t=0.5秒)ずつ開弁させる制御を実行し、各ノズル20(7),20(8),20(9)から順に噴水させる。
以上のように、直線噴水パターンでは、第1直線噴水パターン、第2直線噴水パターン、第3直線噴水パターンによる噴水を順に実行する。
【0035】
次の、渦巻き噴水パターンでは、
図3(b)の矢印P20に示す順に外側に配置されたノズル20(1)、20(2)、20(3)、20(6)、20(9)、20(8)、20(7)、20(4)の順で一定時間(t)ずつ噴水させた後、最後に、中央のノズル20(5)から一定時間(t)だけ噴水させる。したがって、この場合、バルブ31(1)、31(2)、31(3)、31(6)、31(9)、31(8)、31(7)、31(4)、31(5)を、順に一定時間(例えば、t=0.5秒)ずつ開弁させる制御を実行する。
【0036】
ランダム噴水パターンは、9個のノズル20(1)〜(9)を、ランダムに1つずつ選択し一定時間(t)だけ噴水させる。すなわち、9個のバルブ(1)〜(9)を、ランダムに1つずつ選択し一定時間(例えば、t=0.5秒)だけ開弁させる制御を実行する。
【0037】
そして、以上の1回目の直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンの噴水制御を実行した後、再度、直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンで噴水させる際には、各噴水の実行時間を1回目より長くするもので、例えば、1回目の噴水時間の3〜5倍程度(例えば、t=2秒程度)で噴水させる。そして、2回目の各パターンの噴水を終えると、全てのバルブ31を閉弁させ、自動噴水制御を終了する。
【0038】
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の噴水ユニットの作用を説明する。
夏場など、人工芝マットBが日射を受けると、人工芝マットBの温度が上昇する。そこで、このような場合には、制御ユニット60に自動噴水制御を実行させる。なお、この自動噴水制御の実行は、前述のように、人工芝マットBの温度が上昇した際、あるいは、温度が上昇する時間になった際に自動的に行うようにしてもよいし、あるいは、この人工芝マットBの上で、ペットを遊ばせたり、人がくつろいだり、遊んだりする際に、手動により実行させるようにしてもよい。
【0039】
そして、制御ユニット60の自動噴水制御の実行時には、噴水ユニットAの人工芝マット10から、直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンでの噴水が順に行われ、さらに、この噴水パターンが2回繰り返されるとともに、2回目は、1回目よりも長時間噴水される。
【0040】
したがって、人工芝マット10のみならず、その周囲の人工芝マットBに散水され、その表面温度を低下させることができるとともに、その散水の気化熱による温度低下を図ることができる。
【0041】
さらに、その人工芝マットBへの散水は、人工芝マット10からの自動的な噴水により行うため、人がホースなどで散水する場合と比較して、高い視覚効果を得ることができるとともに、手間がかからない。
加えて、人工芝マット10からの噴水は、単に一定形状の噴水を行うのではなく、直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンとの複数種類の噴水パターンにより行うため、単に、一定の形状で噴水するものと比較して、高い視覚効果を得ることができる。
【0042】
しかも、各噴水パターンは、各バルブ31を、1つずつ開弁するようにしたため、水道の水圧でも、ノズル20から十分な高さで噴水させることができる。すなわち、例えば、全てのノズル20から同時に噴水する場合には、十分な高さに噴水させるには高い水圧が必要であり給水源にポンプなどの昇圧のための構成を要し、コストアップを招くとともに、これらの機器の設置場所も必要となる。それに対して、本実施の形態1では、9個のノズル20を1つずつ噴水させるため、ポンプが不要であり、コストダウンを図ることができるとともに、設置に必要な機器はバルブユニット30のみであり、設置が容易となる。
【0043】
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
1)実施の形態1の噴水ユニットAは、
下地としての設置面1の上に敷設されるシート状部材としての人工芝マット10と、
人工芝マット10に噴水可能に設けられた複数のノズル20(1)〜(9)と、
ノズル20に給水源としての水道の蛇口Dから噴水用の水を供給する給水管(メイン給水管40、サブ給水管50)と、
給水管(メイン給水管40、サブ給水管50)とノズル20(1)〜(9)との間に設けられ、蛇口Dとノズル20(1)〜(9)とを連通状態と遮断状態とに切り替えるバルブ31(1)〜(9)と、
バルブ31(1)〜(9)の連通状態と遮断状態との切り替えである開閉を制御する制御ユニット60と、
を備えることを特徴とする。
したがって、人工芝マット10に設けたノズル20から噴水させて人工芝マット10およびその周囲に敷設した人工芝マットBの温度上昇を抑制できる。
よって、人工芝マット10,Bの温度上昇抑制を、地下に配水管を設置するものよりも安価に達成でき、かつ、人が散水作業を行うのと比較して、作業が容易であるとともに高い視覚効果を得ることができる。
なお、人工芝マット10以外の樹脂製のシート状部材を敷設した部位であっても、ノズル20を同様のシート状部材に設けることにより、上記の効果を達成できる。
【0044】
2)実施の形態1の噴水ユニットAは、
給水源として水道(蛇口D)を用いたことを特徴とする。
したがって、ポンプを用いることなく水道の水圧によりノズル20から噴水させるため、給水源としてポンプを用いるものと比較して、より安価に上記1)に記載の効果を得ることができる。
【0045】
3)実施の形態1の噴水ユニットAは、
ノズル20のノズル部材22が弾性材により形成されていることを特徴とする。
したがって、ノズル20を人や動物などが踏んだ場合に、弾性変形および復元を可能として破損を抑制できる。よって、人工芝マット10のように人や動物などが踏むおそれがあるシート状部材に設置する場合に、別体の保護用の構成を付加するものと比較して、安価にノズル20の設置が可能である。また、逆に、ノズル20を硬質の部材により形成した場合、人がノズル20を踏んだ際に、違和感を与えたり、つまづいたりするおそれがあるが、弾性材により形成することにより、そのような不具合も生じない。
【0046】
加えて、本実施の形態1では、ノズル20をベース部材21とノズル部材22との2部材により形成したため、1部材により形成するものと比較して、製造が容易である。
しかも、ノズル20を弾性材により形成するのにあたり、ノズル部22bを有するノズル部材22を弾性材(シリコン樹脂など)により形成し、下側のベース部材21を硬質の樹脂により形成した。
したがって、ノズル20の全体を弾性材により形成したものと比較して、噴水路21gの形状を確実に保持してノズル20の変形により噴水に不具合が生じるのを抑制できる。
【0047】
4)実施の形態1の噴水ユニットAは、
給水管は、給水源としての蛇口Dに接続されたメイン給水管40と、メイン給水管40から分岐されて各ノズル20(1)〜(9)に独立して接続されたサブ給水管50(1)〜(9)とを備え、
バルブ31として、ノズル20と同数のバルブ31(1)〜(9)が、各サブ給水管50に設けられていることを特徴とする。
したがって、複数のノズル20(1)〜(9)のうちの1個のノズル20のみから選択的に噴水させることができ、噴水パターンの設定自由度が高い。加えて、上記のように1個のノズル20のみからの噴水が可能であるため、複数のノズル20から同時に噴水させるのと比較して、低水圧での噴水が可能であり、複数のノズル20(1)〜(9)を有しながらも、上記2)のような水道を給水源とする噴水を可能とすることができる。
【0048】
5)実施の形態1の噴水ユニットAは、
バルブ31をケース30cに収容するバルブユニット30を備え、
バルブユニット30に、メイン給水管40からサブ給水管50に分岐する管路としてのメイン管32、分岐管33が設けられていることを特徴とする。
したがって、複数のバルブ31の設置をコンパクトに行うことができる。加えて、バルブ31を各ノズル20の近傍に配置したものと比較して、バルブ31へ通電するラインの長さを短縮でき、その分、設置コストを抑えることが可能である。
【0049】
6)実施の形態1の噴水ユニットAは、
制御ユニット60は、複数のバルブ31(1)〜(9)の連通状態と遮断状態とを切り替えて、複数のノズル20(1)〜(9)のうちの噴水させるノズルの選択および噴水時間を制御することを特徴とする。
したがって、複数のノズル20(1)〜(9)のうちの噴水させるノズルの選択および噴水時間を制御することにより、多様な噴水パターンによる噴水が可能となる。
【0050】
7)実施の形態1の噴水ユニットAは、
制御ユニット60は、噴水させるノズル20(1)〜(9)の選択および噴水時間が異なる複数種類の噴水パターン(直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターン)が設定されていることを特徴とする。
したがって、複数種類の噴水パターンによる噴水を可能とすることにより、人工芝マット10、Bに噴水して温度上昇を抑制する際の視覚効果をさらに向上できる。
【0051】
特に、本実施の形態1では、9個のノズル20(1)〜(9)を、3個ずつ3例、3行に配置したことにより、比較的少ないノズル20の個数で、列方向、行方向、対角方向などの多様な噴水パターンを形成できる。
【0052】
8)実施の形態1の噴水ユニットAは、
人工芝マット10、Bと設置面1との間に、編み目状の除水シートCを設置したため、人工芝マット10、Bの水はけに優れる。
【0053】
以上、本開示の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0054】
例えば、実施の形態では、ノズルを設けるシート状部材として人工芝マットを例示したが、人工芝マット以外にも、ハニカム状、編み目状などの樹脂マットなど、他のマットを用いることができる。
また、人工芝マットを敷設する下地として、バルコニーの床である設置面を示したが、下地としてはこれに限定されるものではなく、例えば、住宅の庭の地面などを下地面としてもよい。
【0055】
また、実施の形態では、ノズルを1枚の人工芝マットに9個配置した例を示したが、人工芝マットの枚数およびノズルの数は、これに限定されるものではなく、少なくとも1枚のシート状マットに、2以上の複数のノズルが設けられたものであればよい。また、人工芝マットとしても、縦横で寸法が異なるものや、複数のマットを並設したものを用いることができる。
さらに、実施の形態では、ノズルは、ノズル部材を略直立させたものを示したが、これに限定されず、斜めに起立させたものを用いてもよい。この場合、噴水を横方向に飛ばして、広い範囲に噴水を飛ばすことが可能となり、人工芝などのシート状部材の温度上昇抑制を、より広い範囲まで行うことができる。
加えて、実施の形態では、1つのノズルに対し、1本のサブ給水管およびバルブを設けたものを示したが、ノズルに対するサブ給水管およびバルブの数は、これに限定されない。例えば、1本のサブ給水管に2以上のノズルを接続してもよい。また、1つのバルブから複数のサブ給水管に水を供給するようにしてもよい。これらの場合、複数のノズルから同時に噴水させることができる。
【0056】
また、実施の形態では、給水源として、水道(蛇口)を示したが、給水源はこれに限定されるものではなく、ポンプを用いて給水圧力を水道よりも高くしたものを用いてもよい。これにより、より高く噴水させることができ、美観が向上する。特に、1つのバルブから複数のノズルに給水を行う場合などには、このように給水圧力を高くすることが好ましい。
【0057】
また、実施の形態では、複数のバルブを、1つのバルブユニット内に設置したものを示したが、バルブの設置は、これに限定されない。例えば、バルブを各ノズルの近傍などに配置してもよい。
さらに、実施の形態では、噴水パターンとして、直線噴水パターン、渦巻き噴水パターン、ランダム噴水パターンの3種類のパターンを示したが、これに限定されるものではない。例えば、十分な水圧が得られるものでは、複数のノズルから同時に噴水させるパターンの設定も可能である。また、設置するノズルの数を増やせば、さらに多様な噴水パターンの設定も可能となる。