特許第6857095号(P6857095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857095
(24)【登録日】2021年3月23日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】圧力検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20210405BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20210405BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G01L19/00 A
   G01L19/14
   H01L29/84 B
   H01L29/84 A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-132047(P2017-132047)
(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公開番号】特開2019-15568(P2019-15568A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 将道
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅教
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−009467(JP,A)
【文献】 特表2005−524081(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0028119(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0011176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32
G01L 27/00−27/02
H01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力検出面に伝達される圧力を検出する圧力検出ユニットと、
流入口から流出口へ向けた流通方向に沿って流体を流通させる流路と該流路を流通する流体の圧力を前記圧力検出面に伝達するための圧力伝達面とが形成された流路ユニットと、
前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付機構とを備え、
前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面と前記圧力伝達面とが接触した状態で前記流路ユニットが取り付けられたことを検知する検知部を有する圧力検出装置。
【請求項2】
前記圧力検出ユニットは、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける際に、前記流路の前記流入口側の一部と前記流出口側の一部とを所定の取付位置に案内する溝部を有する一対の案内部を備え、
前記検知部は、前記一対の案内部の少なくともいずれか一方に配置されており、前記所定の取付位置に案内された前記流路を検知することにより前記流路ユニットが取り付けられたことを検知する請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記圧力検出ユニットは、所定指示に応じて前記圧力検出面で検出される圧力を基準値に設定する設定部を有し、
該設定部は、前記流路ユニットが取り付けられたことを前記検知部が検知している場合に前記所定指示に応じて前記基準値を設定する請求項1または請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項4】
前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面に直交する第1軸線に沿った第1軸線方向に延びる第1位置決め部を有し、
前記流路ユニットは、前記圧力伝達面に直交する第2軸線に沿った第2軸線方向に延びる第2位置決め部を有し、
前記取付機構は、前記第1軸線と前記第2軸線とが一致し、かつ前記第1位置決め部の前記第1軸線回りの位置と前記第2位置決め部の前記第2軸線回りの位置とが一致する場合に、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧力検出装置。
【請求項5】
前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面が頂部に配置されるとともに前記第1位置決め部が外周面に形成された突部を有し、
前記流路ユニットは、前記圧力伝達面が底部に配置されるとともに前記第2位置決め部が内周面に形成された凹部を有し、
前記取付機構は、前記圧力検出ユニットの前記突部が前記流路ユニットの前記凹部に挿入された状態で、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける請求項4に記載の圧力検出装置。
【請求項6】
前記第1位置決め部は、前記突部の前記外周面に形成される複数の突起であり、
前記第2位置決め部は、前記凹部の前記内周面に形成される複数の溝であり、
前記取付機構は、前記第1軸線と前記第2軸線とが一致し、かつ前記複数の突起の前記第1軸線回りの各位置と、前記複数の溝の前記第2軸線回りの各位置とがそれぞれ一致する場合に、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける請求項5に記載の圧力検出装置。
【請求項7】
前記取付機構は、前記流路ユニットに前記第2軸線回りに回転可能に取り付けられるとともに内周面に雌ねじが形成されたナットであり、
前記突部よりも外周側の前記圧力検出ユニットの外周面に雄ねじが形成されており、
前記ナットに形成された前記雌ねじを前記雄ねじに締結することにより、前記圧力伝達面が前記圧力検出面に接触する請求項5または請求項6に記載の圧力検出装置。
【請求項8】
前記雌ねじの前記第1軸線方向の先端と前記雄ねじの前記第2軸線方向の先端とは、前記第1位置決め部の前記第1軸線方向の一部と前記第2位置決め部の前記第2軸線方向の一部とが係合した状態で接触する請求項7に記載の圧力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路ユニットを圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付機構を備えた圧力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液等の液体を流通させる流路が形成されたボディと、保護シートを介して受圧面に伝達される液体の圧力を検出するセンサ本体とが一体化されたインライン型圧力センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示される圧力センサは、ボディの上面にセンサ本体を取り付けてからセンサホルダーによりセンサ本体をボディに固定し、ボディの上面にボディキャップを装着してこれらの部材を一体化したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される圧力センサは、流路が形成されたボディとセンサ本体とが一体化されているため、検出対象の液体を変更する場合には、既存の流路を純水等で洗浄する必要がある。しかしながら、流路を洗浄する方式では流路内に残存する液体を完全に除去することは困難であるとともに洗浄作業に多大な時間を要する。そのため、例えば、流路内が滅菌等されて完全に清潔な状態の流路が必要とされる医療分野等において、流路を洗浄して液体を変更する方式は作業の迅速性と安全性の観点で十分ではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、流路を流通させる流体を変更する作業の迅速性と安全性を高めつつ、流体の圧力を正常に検出可能な状態であることを確実に検知することができる圧力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の一態様にかかる圧力検出装置は、圧力検出面に伝達される圧力を検出する圧力検出ユニットと、流入口から流出口へ向けた流通方向に沿って流体を流通させる流路と該流路を流通する流体の圧力を前記圧力検出面に伝達するための圧力伝達面とが形成された流路ユニットと、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付機構とを備え、前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面と前記圧力伝達面とが接触した状態で前記流路ユニットが取り付けられたことを検知する検知部を有する。
【0007】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、流路ユニットが圧力検出ユニットに着脱可能に取り付けられるため、流路を流通させる流体を変更する場合には、使用済みの流路ユニットを圧力検出ユニットから取り外し、未使用の流路ユニットを新たに圧力検出ユニットに取り付けることができる。
そのため、流路を流通させる流体を変更する場合に、多大な時間を要する流路の洗浄作業が不要となり作業の迅速性を高めることができる。また、未使用の流路ユニットを新たに使用できるため、安全性を高めることができる。
【0008】
また、本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、検知部により圧力検出面と圧力伝達面とが接触した状態で流路ユニットが取り付けられたことを検知することができる。そのため、圧力検出面と圧力伝達面とが接触しない状態で流路ユニットが圧力検出ユニットに取り付けられ、それにより流体の圧力を正常に検出することができなくなる不具合を防止することができる。
このように、本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、流路を流通させる流体を変更する作業の迅速性と安全性を高めつつ、流体の圧力を正常に検出可能な状態であることを確実に検知することができる。
【0009】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける際に、前記流路の前記流入口側の一部と前記流出口側の一部とを所定の取付位置に案内する溝部を有する一対の案内部を備え、前記検知部は、前記一対の案内部の少なくともいずれか一方に配置されており、前記所定の取付位置に案内された前記流路を検知することにより前記流路ユニットが取り付けられたことを検知する構成であってもよい。
【0010】
本構成の圧力検出装置によれば、流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際に、流路の流入口側の一部と流出口側の一部が一対の案内部により所定の取付位置に案内される。そのため、流路ユニットを所定の取付位置に確実に取り付けることができる。また、検知部は、所定の取付位置に案内された流路を検知することにより、流路ユニットが圧力検出ユニットに正常に取り付けられたことを確実に検知することができる。
【0011】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、所定指示に応じて前記圧力検出面で検出される圧力を基準値に設定する設定部を有し、該設定部は、前記流路ユニットが取り付けられたことを前記検知部が検知している場合に前記所定指示に応じて前記基準値を設定する構成であってもよい。
【0012】
本構成の圧力検出装置によれば、流路ユニットが取り付けられたことを検知部が検知している場合に基準値が設定される。そのため、流路ユニットが取り付けられたことを検知部が検知していない場合に、不正確な圧力が誤って基準値として設定される不具合を防止することができる。
【0013】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面に直交する第1軸線に沿った第1軸線方向に延びる第1位置決め部を有し、前記流路ユニットは、前記圧力伝達面に直交する第2軸線に沿った第2軸線方向に延びる第2位置決め部を有し、前記取付機構は、前記第1軸線と前記第2軸線とが一致し、かつ前記第1位置決め部の前記第1軸線回りの位置と前記第2位置決め部の前記第2軸線回りの位置とが一致する場合に、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける構成であってもよい。
【0014】
本構成の圧力検出装置によれば、取付機構は、第1軸線と第2軸線とが一致し、かつ圧力検出ユニットが有する第1位置決め部の第1軸線回りの位置と流路ユニットが有する第2位置決め部の第2軸線回りの位置とが一致する場合に、流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける。そのため、圧力検出ユニットが第1軸線回りに配置される方向に対して、流路ユニットが第2軸線回りに配置される方向が予め定められた方向となる。
このようにすることで、流路ユニットに形成される流路の流入口および流出口の位置が圧力検出ユニットに対して予め定められた位置となり、流入口に接続される配管と流出口に接続される配管との接続性が向上する。
【0015】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出面が頂部に配置されるとともに前記第1位置決め部が外周面に形成された突部を有し、前記流路ユニットは、前記圧力伝達面が底部に配置されるとともに前記第2位置決め部が内周面に形成された凹部を有し、前記取付機構は、前記圧力検出ユニットの前記突部が前記流路ユニットの前記凹部に挿入された状態で、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける構成としてもよい。
このようにすることで、流路ユニットの凹部の底部に圧力伝達面が配置されるため、流路ユニットを交換する場合に作業者が誤って圧力伝達面に触れる不具合や圧力伝達面が他の部材に接触して損傷する不具合を抑制することができる。
【0016】
上記構成の圧力検出装置において、前記第1位置決め部は、前記突部の前記外周面に形成される複数の突起であり、前記第2位置決め部は、前記凹部の前記内周面に形成される複数の溝であり、前記取付機構は、前記第1軸線と前記第2軸線とが一致し、かつ前記複数の突起の前記第1軸線回りの各位置と、前記複数の溝の前記第2軸線回りの各位置とがそれぞれ一致する場合に、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付けるようにしてもよい。
【0017】
このようにすることで、圧力検出ユニットの突部の外周面に形成される複数の突起の第1軸線回りの各位置と、流路ユニットの凹部の内周面に形成される複数の溝の第2軸線回りの各位置とが一致しない場合には、その流路ユニットが圧力検出ユニットに取り付けられることが防止される。そのため、流路ユニットの流路が所望の取付位置と一致しない状態で圧力検出ユニットに取り付けられる不具合を抑制することができる。
【0018】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置において、前記取付機構は、前記流路ユニットに前記第2軸線回りに回転可能に取り付けられるとともに内周面に雌ねじが形成されたナットであり、前記突部よりも外周側の前記圧力検出ユニットの外周面に雄ねじが形成されており、前記ナットに形成された前記雌ねじを前記雄ねじに締結することにより、前記圧力伝達面が前記圧力検出面に接触する構成であってもよい。
【0019】
このようにすることで、圧力検出ユニットの圧力検出面と流路ユニットの圧力伝達面とは、作業者が流路ユニットに取り付けられたナットを第2軸線回りに回転させることによって徐々に近接していき、最終的に圧力検出面と圧力伝達面とが接触した状態となる。取付機構を第2軸線回りに回転させるという比較的簡易な作業により、圧力検出面と圧力伝達面との間隔を徐々に狭めてから確実に面同士を接触させることができる。そのため、圧力検出面と圧力伝達面とを強く接触させてこれらの面を損傷させる不具合を引き起こすことなく、比較的容易に圧力検出面と圧力伝達面とが接触した状態とすることができる。
【0020】
上記構成の圧力検出装置において、前記雌ねじの前記第1軸線方向の先端と前記雄ねじの前記第2軸線方向の先端とは、前記第1位置決め部の前記第1軸線方向の一部と前記第2位置決め部の前記第2軸線方向の一部とが係合した状態で接触する構成であってもよい。
このようにすることで、圧力検出ユニットが第1軸線回りに配置される方向に対して流路ユニットが第2軸線回りに配置される方向が予め定められた方向に位置決めされた状態となった後に、ナットを第1軸線回りに回転させて流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付けることができる。そのため、ナットが流路ユニットに締結されるのと同時あるいはその後に第1位置決め部と第2位置決め部の係合が開始される場合に比べ、圧力検出ユニットに対する流路ユニットの取り付けを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、流路を流通させる流体を変更する作業の迅速性と安全性を高めつつ、流体の圧力を正常に検出可能な状態であることを確実に検知することができる圧力検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態の圧力検出装置を示す正面図である。
図2図1に示す圧力検出装置から流路ユニットを取り外した状態を示す図である。
図3図1に示す圧力検出装置から流路ユニットを取り外した状態を示すI-I矢視断面図である。
図4図1に示す圧力検出装置のI-I矢視図である。
図5図1に示す流路ユニットの背面図である。
図6図1に示す流路ユニットの底面図である。
図7図1に示す圧力検出装置に流路ユニットを取り付け中の状態を示すII-II矢視断面図である。
図8図1に示す圧力検出装置に流路ユニットを取り付けた状態を示すII-II矢視断面図である。
図9】第1実施形態の圧力検出装置のセンサ基板が実行する処理を示すフローチャートである。
図10】第2実施形態の圧力検出装置に流路ユニットが正しく取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図11】第2実施形態の圧力検出装置に流路ユニットが誤って取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図12】第2実施形態の変形例の圧力検出装置に流路ユニットが正しく取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図13】第3実施形態の圧力検出装置に流路ユニットが正しく取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図14】第4実施形態の圧力検出装置に流路ユニットが誤って取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図15】第5実施形態の圧力検出装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態の圧力検出装置100を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の圧力検出装置100は、設置面S(図3参照)に締結ボルト(図示略)で取り付けられた圧力検出ユニット10と、流入口21aから流出口21bへ向けた直線状の流通方向に沿って流体を流通させる流路21が内部に形成された流路ユニット20と、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に着脱可能に取り付けるナット(取付機構)30とを備える。
【0024】
本実施形態の圧力検出装置100において、流路ユニット20は、ナット30によって圧力検出ユニット10に取り付けられる。圧力検出装置100は、流路ユニット20がナット30によって圧力検出ユニット10に取り付けられて一体化した状態で、設置面Sに取り付けられている。
【0025】
図3および図4に示すように、流路ユニット20の流入口21aには流体を流入口21aへ流入させる流入側配管(図示略)が取り付けられ、流路ユニット20の流出口21bには流出口21bから流出する流体を流通させる流出側配管(図示略)が取り付けられる。流入口21aから流出口21bへ向けた流路21を流通する流体の圧力は、圧力検出ユニット10によって検出される。
ここで、流体とは、例えば、血液や透析液等の液体である。
【0026】
図3に示すように、圧力検出ユニット10は、設置面Sに取り付けられる本体部13を備える。図2および図3に示すように、圧力検出ユニット10の本体部13には、内部に配置される圧力センサ12と外部の制御装置(図示略)とを電気的に接続するケーブル19が、ケーブル取付ナット19aを介して取り付けられている。
【0027】
次に、図1から図3を参照して圧力検出ユニット10について詳細に説明する。図1から図3に示す圧力検出ユニット10は、ダイヤフラム12aに伝達される圧力を検出する装置である。
図1から図3に示すように、圧力検出ユニット10は、本体部13と、本体部13の内部に配置される圧力センサ12と、圧力センサ12を本体部13に保持するセンサ保持部14と、圧力センサ12とケーブル19との間で電源および電気信号を伝達するためのセンサ基板(設定部)15と、圧力センサ12のゼロ点調整を行うためのゼロ点調整スイッチ16と、流路ユニット20が取り付けられたことを検知する取付検知センサ(検知部)17と、流路ユニット20の流路21を所定の取付位置に案内する一対のガイド部材(案内部)18と、を備える。
【0028】
図3に示すように、圧力センサ12は、耐腐食性のある材料(例えば、サファイア)により薄膜状に形成されるダイヤフラム(圧力検出面)12aと、ダイヤフラム12aに貼り付けられる歪抵抗(図示略)と、ダイヤフラム12aを保持するベース部12bとを備える。
圧力センサ12は、伝達される圧力に応じてダイヤフラム12aとともに変形する歪抵抗の変化に応じた圧力信号を出力する歪式のセンサである。ベース部12bにはダイヤフラム12aと連通する貫通穴(図示略)が形成されており、ダイヤフラム12aの一方の面が大気圧に維持される。そのため、圧力センサ12は、大気圧を基準にしたゲージ圧を検出するセンサとなっている。
【0029】
センサ保持部14は、軸線(第1軸線)Y1回りに円筒状に形成される部材であり、外周面に位置決め突起(第1位置決め部)11a,11bが形成されている。センサ保持部14は、上端の内径が圧力センサ12の外径よりも小さいため、圧力センサ12が上方へ抜けないように保持することができる。
【0030】
センサ基板15は、圧力センサ12が出力する圧力信号を増幅する増幅回路(図示略)と、増幅回路により増幅された圧力信号をケーブル19の圧力信号線(図示略)に伝達するインターフェース回路と、ケーブル19を介して外部から供給される電源電圧を圧力センサ12へ伝達する電源回路(図示略)と、ゼロ点調整スイッチ16が押下された場合にゼロ点調整を行うゼロ点調整回路(図示略)等を備える。
ゼロ点調整回路は、ゼロ点調整スイッチ16が押下された場合に、その時点で圧力センサ12が出力する圧力信号を基準値(例えば、ゼロ)として設定するように調整する回路である。
【0031】
図3に示すように、圧力検出ユニット10の圧力センサ12およびセンサ保持部14は、本体部13から軸線Y1に沿って上方に突出し、ダイヤフラム12aが頂部に配置される突部11を形成する。突部11の外周面には、軸線Y1に沿った軸線方向に延びる位置決め突起11a,11bが形成されている。
図2および図3に示すように、ダイヤフラム12aは軸線Y1に直交する面上に配置されている。そのため、位置決め突起11a,11bは、ダイヤフラム12aに直交する軸線Y1に沿った軸線方向に延びるように突部11の外周面に形成される。
【0032】
図2は、図1に示す圧力検出装置100から流路ユニット20を取り外した状態を示す図である。図2に示すように、突部11の外周面に形成される位置決め突起11a,11bは、軸線Y1回りに180°の間隔を空けて2箇所に形成されている。図2に示すように、圧力検出ユニット10に流路ユニット20が取り付けられていない状態においては、圧力センサ12のダイヤフラム12aが外部へ露出した状態となっている。
【0033】
取付検知センサ17は、流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられたことを検知するセンサである。図2および図3に示すように、取付検知センサ17の上端には、鉛直上方に向けてバネ等の付勢部材(図示略)により付勢された検知用突起17aが設けられている。取付検知センサ17は、検知用突起17aを除くその他の部分が、後述するガイド部材18に収容された状態で配置される。
【0034】
ガイド部材18は、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける際に、流路21を所定の取付位置に案内する溝部18aを有する部材である。ガイド部材18は、軸線Y1に対して対象となる位置に一対で設けられている。一対のガイド部材18は、流路21の流入口21a側の一部と流出口21b側の一部とを、所定の取付位置にそれぞれ案内する。所定の取付位置とは、図4に示すように、流路21の外周面がガイド部材18の溝部18aに囲まれ、かつ流路21の下端が取付検知センサ17の検知用突起17aを下方へ押し付けた状態となる位置をいう。
【0035】
次に、図3図5図8を参照して流路ユニット20について詳細に説明する。
図5から図8に示すように、流路ユニット20は、流入口21aから流出口21bへ向けて軸線Xに沿って延びる流通方向に流体を流通させる流路21と、ダイヤフラム(圧力伝達面)22aが底部に配置されるとともに位置決め溝(第2位置決め部)22b,22cが内周面に形成された凹部22とを備える。
図5図7図8に示すように、ダイヤフラム22aは軸線(第2軸線)Y2に直交する水平面上に配置されている。そのため、位置決め溝22b,22cは、ダイヤフラム22aに直交する軸線Y2に沿った軸線方向に延びるように凹部22の内周面に形成される。
【0036】
ダイヤフラム22aは、耐腐食性のある材料(例えば、シリコン樹脂材料)により薄膜状に形成される部材である。ダイヤフラム22aは軸線Y2を中心軸とした平面視円形に形成される部材であり、その外周縁部が凹部22の底部に接着あるいは溶着により取り付けられている。そのため、流路21へ導入された流体は、流路21から外部へ流体が流出することがない。ダイヤフラム22aは、薄膜状に形成されているため、流路21に導入された流体の圧力によって変形する。
【0037】
図7に示す流路ユニット20の取り付け中の状態においては、流路ユニット20のダイヤフラム22aが圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aから離間した状態となる。一方、図8に示すように流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられた状態においては、流路ユニット20のダイヤフラム22aが圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aに接触した状態となる。そのため、ダイヤフラム22aは、流路21を流通する流体の圧力をダイヤフラム12aに伝達するための圧力伝達面となっている。
【0038】
図5は、図1に示す流路ユニット20の背面図である。図5に示すように、凹部22の内周面に形成される位置決め溝22b,22cは、軸線Y2回りに180°の間隔を空けて2箇所に形成されている。図5に示すように、流路ユニット20は、圧力検出ユニット10に取り付けられていない状態においては、ダイヤフラム22aが外部へ露出した状態となっている。ただし、ダイヤフラム22aは凹部22の底部に配置されるため、作業者がダイヤフラム22aを触ってしまう危険が少ない。
【0039】
図3に示すように、流路ユニット20の凹部22の外周面には、軸線Y2回りに延びる無端状の環状溝部22dが形成されている。一方、ナット30の内周面には、軸線Y2回りに延びる無端状の環状突起部30bが形成されている。
弾性変形可能な材料(例えば、樹脂材料)により形成されるナット30は、凹部22の外周面に形成された環状溝部22dに向けて押し込まれることにより、環状突起部30bが環状溝部22dに係合した状態となる。
【0040】
図3に示すように環状突起部30bが環状溝部22dに係合した状態において、環状突起部30bの外周面と環状溝部22dの内周面との間には、微小な隙間が設けられる。そのため、ナット30は、圧力検出ユニット10に取り付けられた状態で、突部11に対して軸線Y1回りに相対的に回転可能となっている。これにより、作業者は、圧力検出ユニット10を設置面Sに固定した状態で、ナット30を軸線Y1回りに回転させることが可能である。
【0041】
図3に示すように、ナット30は、軸線Y2回りに延びる雌ねじ30aが内周面に形成された円環状の部材である。ナット30は、雌ねじ30aを流路ユニット20の突部11の外周面に形成される雄ねじ11cに締結し、あるいはその締結を解除することにより、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に着脱可能に取り付ける機構である。
【0042】
次に、流路ユニット20を圧力検出ユニット10へ取り付ける作業について説明する。
作業者は、設置面Sに取り付けられた圧力検出ユニット10に流路ユニット20を取り付ける場合、以下のような手順で作業する。
第1に、図3に示すように、圧力検出ユニット10の中心軸である軸線Y1と流路ユニット20の中心軸である軸線Y2とを一致させ、かつ位置決め突起11a,11bの軸線Y1回りの位置と位置決め溝22b,22cの軸線Y2回りの位置とが一致するように流路ユニット20を配置する。
【0043】
図7は、流路ユニット20の凹部22へ圧力検出ユニット10の突部11を挿入した状態を示している。図7に示すように、この時点では、突部11の頂部に配置されるダイヤフラム12aと凹部22に底部に配置されるダイヤフラム22aとは、接触せずに間隔を空けて配置された状態となっている。
図7に示す状態は、ナット30の内周面に形成される雌ねじ30aの先端と圧力検出ユニット10の外周面に形成される雄ねじ11cの先端とが接触した状態である。
【0044】
このように、雌ねじ30aの軸線Y2方向の先端と雄ねじ11cの軸線Y1方向の先端とは、位置決め突起11a,11bの軸線Y1方向の一部の領域と位置決め溝22b,22cの軸線Y2方向の一部の領域とが係合した状態で接触する。
そのため、流路ユニット20に形成される流路21の流入口21aおよび流出口21bの位置が圧力検出ユニット10に対して予め定められた位置となった状態で雌ねじ30aと雄ねじ11cの締結が開始される。
【0045】
また、図7に示す状態では、雌ねじ30aと雄ねじ11cが接触しているため、流路ユニット20を把持した作業者が、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に近付ける方向に力を加えても、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に更に近付けることはできない。
【0046】
図7に示すように、この時点では、突部11の頂部に配置されるダイヤフラム12aと凹部22に底部に配置されるダイヤフラム22aとは、接触せずに間隔を空けて配置された状態となっている。
このように、本実施形態の圧力検出装置100は、流路ユニット20を把持した作業者が、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に近付ける方向に力を加えても、ダイヤフラム12aとダイヤフラム22aが接触してしまうことはない。そのため、作業者の不注意によってダイヤフラム12aとダイヤフラム22aが接触し、これらが損傷してしまう不具合を避けることができる。
【0047】
次に、作業者は、図7に示す状態で流路ユニット20を把持しながら、ナット30を軸線Y1回りに締結方向(図1図2に「LOCK」で示す方向)に回転させることにより、ナット30の雌ねじ30aと圧力検出ユニット10の雄ねじ11cを締結する。ナット30の雌ねじ30aと圧力検出ユニット10の雄ねじ11cとを締結することにより、ダイヤフラム22aがダイヤフラム12aに徐々に近付いて最終的にダイヤフラム12aに接触し、図8に示す状態となる。
【0048】
図7および8に示す状態では、位置決め突起11a,11bと位置決め溝22b,22cとが係合した状態となる。そのため、ナット30を軸線Y1回りに回転させても、流路ユニット20は軸線Y2回りに回転することなく軸線Y2回りの位置が維持される。このようにして、ダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとを不用意に接触させることなく、かつ流路ユニット20を軸線Y2回りに回転させることなく、流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられる。
【0049】
なお、以上においては、未使用の流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける手順を説明した。使用済みの流路ユニット20を圧力検出ユニット10から取り外す手順は、以上で説明した手順の逆となる。
作業者は、図8に示す状態で流路ユニット20を把持しながら、ナット30を軸線Y1回りに締結解除方向(図1図2に「FREE」で示す方向)に回転させることにより、ナット30の雌ねじ30aと圧力検出ユニット10の雄ねじ11cとの締結を解除する。
【0050】
次に、流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられたことを検知する動作について図9を参照して説明する。
図9は、第1実施形態の圧力検出装置100のセンサ基板15が実行する処理を示すフローチャートである。センサ基板15は、CPU(図示略)が記憶部(図示略)に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、図9の各ステップに示す処理を実行する。
【0051】
ステップS901で、センサ基板15は、圧力検出ユニット10に流路ユニット20が取り付けられたかどうかを判断し、YESであればステップS902へ処理を進め、NOであれば再びステップS901を実行する。センサ基板15は、取付検知センサ17から流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられたことを示す取付検知信号が入力された場合に、ステップS901でYESと判断する。
【0052】
ここで、図5および図6に示すように、流路ユニット20の流路21の下端には、軸線Y2に対して対象となる2箇所に平坦面21c,21dが形成されている。平坦面21c,21dは、取付検知センサ17の検知用突起17aを確実に押下するために設けたものである。取付検知センサ17は、平坦面21cまたは平坦面21dより検知用突起17aが予め定められた位置まで押し下げられた場合に、センサ基板15へ取付検知信号を出力する。
【0053】
また、取付検知センサ17がセンサ基板15へ取付検知信号を出力する場合、図8に示すように、圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aと流路ユニット20のダイヤフラム22aとが接触した状態となっている。すなわち、取付検知センサ17は、圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aと流路ユニット20のダイヤフラム22aとが接触した状態で、圧力検出ユニット10に流路ユニット20が取り付けられたことを示す取付検知信号をセンサ基板15へ出力する。
【0054】
また、図4に示すように、取付検知センサ17がセンサ基板15へ取付検知信号を出力する場合、流路21は、ガイド部材18の溝部18aに囲まれ、かつ流路21の下端が検知用突起17aを下方へ押し下げた所定の取付位置に案内されている。すなわち、取付検知センサ17は、所定の取付位置に案内された流路21を検知することにより流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられたことを検知する。
【0055】
ステップS902で、センサ基板15は、作業者がゼロ点調整スイッチ16を押したかどうかを判断し、YESであればステップS903へ処理を進め、NOであれば再びステップS902を実行する。
【0056】
ステップS903で、センサ基板15は、作業者からゼロ点調整の指示(所定指示)が入力されたため、ゼロ点調整回路(図示略)によるゼロ点調整を実行する。ゼロ点調整回路は、ゼロ点調整スイッチ16が押された時点で圧力センサ12が出力する圧力信号を基準値(例えば、ゼロ)として設定する。
【0057】
ステップS904で、センサ基板15は、ゼロ点調整が成功したかどうかを判断し、YESであればステップS905へ処理を進め、NOであればステップS901を再び実行する。
ここで、センサ基板15は、ゼロ点調整の実行中に圧力センサ12が出力する圧力信号の上限値と下限値の差分が定格圧力値の1%未満である場合にYESと判断し、その差分が定格出力値の1%以上である場合にNOと判断する。なお、ここでは、定格圧力値の1%を基準としたが他の任意の値を基準としてもよい。
【0058】
ステップS905で、センサ基板15は、ゼロ点調整が成功したため、ステップS903で設定した圧力信号を基準値として流路21を流通する流体の圧力を計測する。具体的には、センサ基板15は、圧力センサ12から入力される圧力検出信号をステップS903で設定した基準値で補正し、外部の制御装置(図示略)へ出力する。
【0059】
ステップS905で、センサ基板15は、圧力検出ユニット10から流路ユニット20が取り外されたかどうかを判断し、YESであれば本フローチャートの処理を終了し、NOであれば再びステップS905を実行する。センサ基板15は、取付検知センサ17から流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられたことを示す取付検知信号が入力されない場合に、ステップS906でYESと判断する。
【0060】
以上のように、本実施形態のセンサ基板15は、圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aと流路ユニット20のダイヤフラム22aとが接触した状態となり、取付検知センサ17から取付検知信号が入力される場合に、ゼロ点調整を実行する。すなわち、取付検知センサ17から取付検知信号が入力されない場合には、ゼロ点調整を実行しない。そのため、本実施形態の圧力検出装置100は、流路ユニット20が正常に圧力検出ユニット10に取り付けられていない場合にゼロ点調整を実行してしまうことがない。
【0061】
図9に示すフローチャートにおいて、センサ基板15は、ステップS902で作業者がゼロ点調整スイッチ16を押したと判断した場合に、ステップS903でゼロ点調整を実行するものとしたが他の態様であってもよい。例えば、センサ基板15は、ステップS901でYESと判断した場合に、ステップS902を実行することなくステップS903でゼロ点調整を実行してもよい。この場合、センサ基板15は、ゼロ点調整スイッチ16を押した場合と同様の指示をゼロ点調整回路へ行ってゼロ点調整を実行する。このようにすることで、圧力検出ユニット10に流路ユニット20が取り付けられたことに応じて自動的にゼロ点調整を実行することができる。
【0062】
以上説明した本実施形態の圧力検出装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の圧力検出装置100によれば、流路ユニット20が圧力検出ユニット10に着脱可能に取り付けられるため、流路21を流通させる流体を変更する場合には、使用済みの流路ユニット20を圧力検出ユニット10から取り外し、未使用の流路ユニット20を新たに圧力検出ユニット10に取り付けることができる。
そのため、流路21を流通させる流体を変更する場合に、多大な時間を要する流路21の洗浄作業が不要となり作業の迅速性を高めることができる。また、未使用の流路ユニット20を新たに使用できるため、安全性を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、取付検知センサ17によりダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとが接触した状態で流路ユニット20が取り付けられたことを検知することができる。そのため、ダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとが接触しない状態で流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられ、それにより流体の圧力を正常に検出することができなくなる不具合を防止することができる。
このように、本実施形態の圧力検出装置100によれば、流路21を流通させる流体を変更する作業の迅速性と安全性を高めつつ、流体の圧力を正常に検出可能な状態であることを確実に検知することができる。
【0064】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける際に、流路21の流入口21a側の一部と流出口21b側の一部が一対のガイド部材18により所定の取付位置に案内される。そのため、流路ユニット20を所定の取付位置に確実に取り付けることができる。また、取付検知センサ17は、所定の取付位置に案内された流路21を検知することにより、流路ユニット20が圧力検出ユニットに正常に取り付けられたことを確実に検知することができる。
【0065】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、流路ユニット20が取り付けられたことを取付検知センサ17が検知している場合にゼロ点調整回路により基準値が設定される。そのため、流路ユニット20が取り付けられたことを取付検知センサ17が検知していない場合に、不正確な圧力が誤って基準値として設定される不具合を防止することができる。
【0066】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、ナット30は、軸線Y1と軸線Y2とが一致し、かつ圧力検出ユニット10が有する位置決め突起11a,11bの軸線Y1回りの位置と流路ユニット20が有する位置決め溝22b,22cの軸線Y2回りの位置とが一致する場合に、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける。そのため、圧力検出ユニット10が軸線Y1回りに配置される方向に対して、流路ユニット20が軸線Y2回りに配置される方向が予め定められた方向となる。
このようにすることで、流路ユニット20に形成される流路21の流入口21aおよび流出口21bの位置が圧力検出ユニット10に対して予め定められた位置となり、流入口21aに接続される配管と流出口21bに接続される配管との接続性が向上する。
【0067】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、ナット30は、圧力検出ユニット10の突部11が流路ユニット20の凹部22に挿入された状態で、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける。
このようにすることで、流路ユニット20の凹部22の底部にダイヤフラム22aが配置されるため、流路ユニット20を交換する場合に作業者が誤ってダイヤフラム22aに触れる不具合やダイヤフラム22aが他の部材に接触して損傷する不具合を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、圧力検出ユニット10のダイヤフラム12aと流路ユニット20のダイヤフラム22aとは、作業者が流路ユニット20に取り付けられたナット30を軸線Y2回りに回転させることによって徐々に近接していき、最終的にダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとが接触した状態となる。ナット30を軸線Y2回りに回転させるという比較的簡易な作業により、ダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとの間隔を徐々に狭めてから確実に面同士を接触させることができる。そのため、ダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとを強く接触させてこれらの面を損傷させる不具合を引き起こすことなく、比較的容易にダイヤフラム12aとダイヤフラム22aとが接触した状態とすることができる。
【0069】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の圧力検出装置100Aについて、図面を参照して説明する。
第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
第2実施形態の圧力検出装置100Aは、流路ユニット20Aの流入口21aと流出口21bの取付方向が誤っている場合に、流路ユニット20Aが取り付けられたとの取付検知信号を出力しない点で第1実施形態と異なる。
【0070】
第1実施形態の圧力検出装置100において、流路ユニット20は、圧力検出ユニット10に対する流路ユニット20の取付方向が軸線Y2に対して正反対(180°異なる方向)であっても、流路ユニット20Aが取り付けられたとの取付検知信号を出力するものであった。この場合、流入口21aに接続すべき配管を流出口21bに取り付けてしまう不具合や、流出口21bに接続すべき配管を流入口21aに取り付けてしまう不具合が発生する可能性がある。それに対して、第2実施形態の圧力検出装置100Aは、流路ユニット20Aの流路21の下端に凹所21eを設けているため、圧力検出ユニット10に対する流路ユニット20の取付方向が軸線Y2に対して正反対(180°異なる方向)の場合には取付検知信号を出力しない。
【0071】
図10は、本実施形態の圧力検出装置100Aに流路ユニット20Aが正しく取り付けられた状態を示す縦断面図である。一方、図11は、本実施形態の圧力検出装置100Aに流路ユニット20Aが誤って取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図10に示すように、流路ユニット20Aが正しく取り付けられた状態では、流路21の下端により取付検知センサ17の検知用突起17aが押し下げられ、流路ユニット20Aの取付検知信号が出力される。一方、図11に示すように、流路ユニット20Aが誤って取り付けられた状態では、流路21の下端に形成された凹所21eに検知用突起17aの先端が挿入されるため、流路ユニット20Aの取付検知信号が出力されない。
【0072】
このように本実施形態の圧力検出装置100Aによれば、流路ユニット20Aが誤って取り付けられた状態では流路ユニット20Aの取付検知信号が出力されない。そのため、流路ユニット20Aが誤って取り付けられた状態でゼロ点調整を実行してしまい、不正確な圧力が誤って基準値として設定される不具合を防止することができる。
【0073】
なお、以上の説明において、圧力検出装置100Aは、単一の取付検知センサ17を有する圧力検出ユニット10を備えるものであったが、他の態様であってもよい。例えば、図12の変形例に示すように、一対の取付検知センサ17を有する圧力検出ユニット10Aを備える圧力検出装置100Bであってもよい。図12に示す変形例の圧力検出装置100Bのセンサ基板15は、流入口21aに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下され、流出口21bに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下されない場合に、流路ユニット20Aが正常に取り付けられたと判断する。一方、図12に示す変形例の圧力検出装置100Bのセンサ基板15は、流入口21aに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下されず、流出口21bに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下される場合に、流路ユニット20Aが正常に取り付けられていないと判断する。
【0074】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態の圧力検出装置100Cについて、図面を参照して説明する。
第3実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
本実施形態の圧力検出装置100Cは、流路ユニット20の下端に一対の突起21fが形成されている点が第1実施形態の圧力検出装置100と異なる。また、本実施形態の圧力検出装置100Cは、圧力検出ユニット10Bの取付検知センサ17の検知用突起17aが本体部13に収容されている点が第1実施形態の圧力検出装置100と異なる。
【0075】
図13に示すように、本実施形態の圧力検出装置100Cは、流路ユニット20Bが正しく取り付けられた状態で、突起21fが本体部13に挿入されて検知用突起17aを押下する構造となっている。また、検知用突起17aは、流路ユニット20Bが取り付けられない状態ではバネ等の付勢部材により上方へ付勢されるが、先端が本体部13から外部へ露出しないようになっている。そのため、検知用突起17aが他の部材等と接触して取付検知センサ17が損傷する不具合が防止される。
【0076】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態の圧力検出装置100Dについて、図面を参照して説明する。
第4実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
第1実施形態の圧力検出装置100は、単一の取付検知センサ17を有する圧力検出ユニット10を備えるものであった。それに対して本実施形態の圧力検出装置100Dは、一対の取付検知センサ17を有する圧力検出ユニット10Cを備える圧力検出装置100Dである。
【0077】
図14に示すように、本実施形態の圧力検出装置100Dは、一対の取付検知センサ17を有する圧力検出ユニット10Cを備える。本実施形態の圧力検出ユニット10Cのセンサ基板15は、流入口21aに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下され、流出口21bに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下される場合に、流路ユニット20Aが正常に取り付けられたと判断する。図14においては、流路ユニット20が誤って取り付けられており、流入口21aに隣接した取付検知センサ17の検知用突起17aが押下されていない。そのため、本実施形態のセンサ基板15は、流路ユニット20が正常に取り付けられていないと判断する。
【0078】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態の圧力検出装置100Eについて、図面を参照して説明する。
第4実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
【0079】
第1実施形態の圧力検出装置100は、流路21の下端が取付検知センサ17の検知用突起17aを下方へ押し付けた状態となる場合に、流路ユニット20が取り付けられたと検知するものであった。それに対して、本実施形態の圧力検出装置100Eは、ナット30の下端が取付検知センサ17の検知用突起17aを下方へ押し付けた状態となる場合に、流路ユニット20が取り付けられたと検知するものである。
【0080】
図15に示すように、本実施形態の圧力検出装置100Eは、ナット30の雌ねじ30aを圧力検出ユニット10Eの雄ねじ11cを締結することにより、ナット30の下端が検知用突起17aを下方へ押し下げる。
本実施形態によれば、ナット30の雌ねじ30aと圧力検出ユニット10Eの雄ねじ11cが確実に締結された状態で流路ユニット20が取り付けられたと検知することができる。
【0081】
〔他の実施形態〕
以上の説明においては、圧力検出ユニット10の突部11の外周面に位置決め突起11a,11bを形成し、流路ユニット20の凹部22の内周面に位置決め溝22b,22cを形成するものとしたが、他の態様であってもよい。
例えば、圧力検出ユニット10の突部11の外周面に位置決め溝を形成し、流路ユニット20の凹部22の内周面に位置決め突起を形成してもよい。つまり、以上の説明における位置決め溝に変えて位置決め突起を形成し、位置決め突起に変えて位置決め溝を形成するようにしてもよい。
【0082】
以上の説明において、取付検知センサ17は、検知用突起17aが下方へ押し下げられた場合に取付検出信号を出力するセンサであったが、他の態様であってもよい。
例えば、発光素子と受光素子を対向して配置し、発光素子と受光素子との間を物体が遮る場合に取付検出信号を出力する透過型フォトセンサであってもよい。この場合、流路ユニット20の流路21の下端には、圧力検出ユニット10に正常に取り付けられた場合に発光素子と受光素子との間を遮る遮蔽物(図示略)が設けられるものとする。
【符号の説明】
【0083】
10,10A,10B,10C,10E 圧力検出ユニット
11 凸部
11a,11b 位置決め突起(第1位置決め部)
11c 雄ねじ
12 圧力センサ
12a ダイヤフラム(圧力検出面)
12b ベース部
13 本体部
14 センサ保持部
15 センサ基板(設定部)
16 ゼロ点調整スイッチ
17 取付検知センサ(検知部)
17a 検知用突起
18 ガイド部材(案内部)
18a 溝部
20,20A,20B 流路ユニット
21 流路
21a 流入口
21b 流出口
21c,21d 平坦面
21e 凹所
21f 突起
22 凹部
22a ダイヤフラム(圧力伝達面)
22b,22c 位置決め溝(第2位置決め部)
22d 環状溝部
30 ナット(取付機構)
30a 雌ねじ
30b 環状突起部
100,100A,100B,100C,100D,100E 圧力検出装置
S 設置面
X 軸線
Y1 軸線(第1軸線)
Y2 軸線(第2軸線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15