(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ユーザ同士のコミュニケーションを支援するために表示デバイスに話題を表示する手法が提案されている。一方、このようなコミュニケーション支援技術を利用することの副作用として、ユーザが表示デバイスに表示される話題に過度に依存してコミュニケーションを行うことで、自然なコミュニケーションが失われるという問題がある。
【0005】
本発明者は、コミュニケーション支援技術によるユーザ及び対話相手の間の親しさの向上度合いについて調査した。本発明者は、192名の初対面の被験者を対象にコミュニケーション支援技術を利用したコミュニケーション実験を行った。
図12は、コミュニケーション支援技術によるユーザ及び対話相手の間の親しさの向上度合いを示したグラフである。親しさの向上度合いは、コミュニケーション実験終了後に対話相手を対象として行ったアンケート調査の回答に基づくものである。
【0006】
図12の縦軸に親しさの向上度合いを示し、横軸に提示された話題にユーザが言及した回数を示す。破線は、コミュニケーション実験における親しさの向上度合いの全被験者の平均を示す。
図12に示すように、提示された話題に被験者が言及した回数が2回から6回の間では、提示された話題に被験者が言及した回数が増えるにしたがって親しさの向上度合いも増加する正の相関がみられた。一方、提示された話題に被験者が言及した回数が7回を上回ると、話題に言及した回数が増えるにしたがって親しさの向上度合いが減少する負の相関がみられた。この結果から、ユーザが話題の提示に過度に依存したことに起因して、コミュニケーションの自然さが失われたことが判明した。
【0007】
そこで、本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、提示された話題にユーザが過度に依存することを抑制することができる話題提示装置、話題提示方法及び話題提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様の話題提示装置は、所定条件に基づいてユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する話題提示部と、前記ユーザの動作を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記ユーザの動作に基づいて、前記話題提示部が提示した前記話題に対するユーザの依存度を特定する依存特定部と、前記依存特定部が特定した前記ユーザの依存度に基づいて、前記所定条件を変更する動作変更部と、を備える。
【0009】
前記話題提示装置は、複数の話題のそれぞれと、当該話題に対する前記ユーザの興味を示す興味度とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備え、前記話題提示部は、前記興味度の範囲を示す第1範囲に含まれている前記興味度に関連付けられている話題を提示し、前記動作変更部は、前記依存特定部が特定した前記ユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、当該ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて前記第1範囲を下げてもよい。
【0010】
前記話題提示装置は、複数の話題のそれぞれと、当該話題に対する言及の容易さを示す言及容易度とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備え、前記話題提示部は、前記言及容易度の範囲を示す第2範囲に含まれている前記言及容易度に関連付けられている話題を提示し、前記動作変更部は、前記依存特定部が特定した前記ユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、当該ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて前記第2範囲を下げてもよい。
【0011】
前記所定条件は、前記話題提示部が話題を更新する更新間隔を含み、前記動作変更部は、前記依存特定部が特定した前記ユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、当該ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて、前記所定条件に含まれる前記更新間隔を長くしてもよい。
【0012】
ユーザを撮影した画像情報を取得する画像取得部をさらに備え、前記検出部は、前記画像情報に基づいて、前記話題提示部が提示した話題をユーザが閲覧したことを前記ユーザの動作として検出し、前記依存特定部は、前記話題をユーザが閲覧したことの前記検出部による検出状況に基づいて前記ユーザの依存度を特定してもよい。
【0013】
前記話題提示装置は、ユーザの操作を示す操作情報を取得する操作取得部をさらに備え、前記検出部は、提示した話題に関する前記ユーザの操作情報を前記操作取得部が取得したことを前記ユーザの動作として検出し、前記依存特定部は、前記話題に関する前記ユーザの操作情報の前記検出部による検出状況に基づいて前記ユーザの依存度を特定してもよい。
【0014】
前記話題提示装置は、ユーザの音声を受け付ける音声受付部と、前記音声受付部が受け付けた前記ユーザの音声をテキスト情報に変換する変換部とをさらに備え、前記検出部は、前記変換部が変換した前記テキスト情報に基づいて、前記話題提示部が提示した話題に言及したことを前記ユーザの動作として検出し、前記依存特定部は、前記話題に対するユーザの言及の前記検出部による検出状況に基づいて前記ユーザの依存度を特定してもよい。
【0015】
前記話題提示装置は、ユーザを特定するためのユーザ特定部をさらに備え、前記依存特定部は、前記ユーザ特定部が特定したユーザごとに前記ユーザの依存度を特定し、前記話題提示部は、前記依存特定部が特定した前記ユーザの依存度に基づいて、前記ユーザ特定部が特定した前記ユーザごとに前記所定条件を変更してもよい。
【0016】
前記話題提示装置は、ユーザの所定情報の閲覧履歴を取得し、取得した前記ユーザの閲覧履歴から話題を抽出する話題収集部と、前記話題収集部が抽出した話題に対するユーザの興味を示す興味度を推定する推定部と、前記話題収集部が抽出した前記話題と前記推定部が推定した前記興味度とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部とをさらに備えてもよい。
【0017】
前記話題提示装置は、ユーザのソーシャルネットワークサービスの投稿履歴を取得し、取得した前記ユーザの投稿履歴から話題を抽出する話題収集部と、前記話題収集部が抽出した話題に対する言及のしやすさを示す言及容易度を推定する推定部と、前記話題収集部が抽出した前記話題と前記推定部が推定した前記言及容易度とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部とをさらに備えてもよい。
【0018】
本発明の第2の態様の話題提示方法は、コンピュータが実行する、所定条件に基づいてユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する話題提示部と、前記ユーザの動作を検出するステップと、検出された前記ユーザの動作に基づいて、提示した前記話題に対するユーザの依存度を特定するステップと、特定された前記ユーザの依存度に基づいて、前記所定条件を変更するステップと、を備える。
【0019】
本発明の第3の態様の話題提示プログラムは、コンピュータを、所定条件に基づいてユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する話題提示部、前記ユーザの動作を検出する検出部、前記検出部が検出した前記ユーザの動作に基づいて、前記話題提示部が提示した前記話題に対するユーザの依存度を特定する特定部、及び特定された前記ユーザの依存度に基づいて、前記所定条件を変更する動作変更部、として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、提示された話題にユーザが過度に依存することを抑制するという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[話題提示システムSの概要]
図1は、本実施形態の話題提示システムSの構成を示す図である。話題提示システムSは、ユーザ間のコミュニケーションを円滑にするために、ユーザ及び対話相手の間のコミュニケーションにおいて用いるための話題を提示する。対話相手は、ユーザと対話中の別のユーザである。ユーザは3人以上であってもよい。話題提示システムSは、マイク100と、SNSサーバ200と、ニュースサーバ300と、話題提示装置400と、携帯情報端末500とを備える。
【0023】
マイク100は、対話中のユーザ及び対話相手の音声を電気信号に変換することにより音声情報を生成する音声入力装置である。マイク100は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信により携帯情報端末500に接続されている。マイク100は、生成した音声情報を携帯情報端末500へ送信する。マイク100は、ヘッドセット又はスマートフォンに搭載されたマイクであってもよい。
【0024】
SNS(Social network service)サーバ200は、ソーシャルネットワークサービスを提供する。SNSサーバ200は、ソーシャルネットワークサービスにおけるユーザ及び対話相手の投稿履歴を記憶している。ニュースサーバ300は、オンラインニュースを提供する。ニュースサーバ300は、ユーザ及び対話相手のオンラインニュースの閲覧履歴を記憶している。
【0025】
話題提示装置400は、ユーザに話題を提示する。話題提示装置400は、LTE等の無線通信回線を介して、SNSサーバ200、ニュースサーバ300及び携帯情報端末500に接続されている。話題提示装置400は、話題を示す話題データを携帯情報端末500に送信し、送信した話題を携帯情報端末500のディスプレイに提示させる。
【0026】
話題提示装置400は、ユーザに提示するための話題を生成する。話題提示装置400は、SNSサーバ200が記憶しているユーザ及び対話相手の投稿履歴データを取得する。また、話題提示装置400は、ニュースサーバ300が記憶しているユーザ及び対話相手の閲覧履歴データを取得する。話題提示装置400は、取得したユーザ及び対話相手の投稿履歴データ及び閲覧履歴データからユーザ及び対話相手に提示するための話題を収集する。
【0027】
携帯情報端末500は、ディスプレイを有する表示装置である。携帯情報端末500は、例えば、ディスプレイ上にタッチパネルが形成されたタブレット端末である。携帯情報端末500は、スマートフォン又はグラスディスプレイであってもよい。携帯情報端末500は、話題提示装置400から取得した話題をディスプレイに提示する。携帯情報端末500は、タッチパネルへのユーザの操作を受け付ける。携帯情報端末500は、提示した話題に関するユーザの操作を受け付けた場合に、受け付けた操作の内容を示す操作情報を話題提示装置400へ送信する。
【0028】
携帯情報端末500は、カメラが搭載されている。携帯情報端末500は、カメラにより、対話中のユーザ及び対話相手を撮影する。携帯情報端末500は、対話中のユーザ及び対話相手を撮影した画像情報を話題提示装置400へ送信する。携帯情報端末500は、無線通信を介して、マイク100に入力された対話中のユーザ及び対話相手の音声情報を取得する。携帯情報端末500は、取得した音声情報を話題提示装置400へ送信する。
【0029】
話題提示装置400は、所定条件に基づいて話題を提示し、提示した話題に対するユーザの依存度を特定する。依存度は、コミュニケーションにおいて話題提示装置400が提示した話題をユーザがどの程度利用しているかを示す情報である。例えば、依存度は、話題提示装置400が提示した話題にユーザが言及した頻度、又は話題提示装置400が提示した話題をユーザが閲覧した頻度等を示す値である。依存度は、例えば、所定の時間内にユーザが発した話題提示装置400が提示した話題に対応するキーワードの数、又はユーザが発した文のうち、話題提示装置400が提示した話題に対応するキーワードが含まれる文の割合等として算出される。話題提示装置400は、特定したユーザの依存度に基づいて、話題を提示するための所定条件を変更する。このようにすることで、話題提示装置400は、話題の提示にユーザが過度に依存することに起因して会話の自然さが失われることを抑制することができる。
【0030】
[話題提示装置400の構成]
図2は、話題提示装置400の構成を示す図である。話題提示装置400は、通信部1、記憶部2及び制御部3を備える。通信部1は、ネットワークを介して、SNSサーバ200、ニュースサーバ300及び携帯情報端末500と通信するための通信インターフェースである。記憶部2は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。記憶部2は、制御部3が実行するプログラムを記憶している。制御部3は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部3は、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することにより、ユーザ特定部31、操作取得部32、話題提示部33、画像取得部34、音声受付部35、変換部36、検出部37、依存特定部38及び動作変更部39として機能する。
【0031】
ユーザ特定部31は、ユーザ及び対話相手を特定する。例えば、ユーザ特定部31は、通信部1を介して、ユーザ及び対話相手が携帯情報端末500に入力したユーザIDをそれぞれ取得することにより、ユーザ及び対話相手を特定する。ユーザ特定部31は、特定したユーザ及び対話相手のユーザIDを話題提示部33及び依存特定部38に通知する。
【0032】
操作取得部32は、ユーザの操作を示す操作情報を取得する。本実施の形態の例では、操作取得部32は、話題提示装置400が提示した話題に関するユーザの操作を示す操作情報を携帯情報端末500から取得する。例えば、操作取得部32は、話題の提示を開始させる操作、提示している話題を新しい話題に更新させる操作又は提示している話題の詳細情報を表示する操作を示す操作情報を取得する。操作取得部32は、取得した操作情報が示すユーザの操作の内容を検出部37に通知する。
【0033】
話題提示部33は、話題を提示するための所定条件に基づいて、ユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する。話題提示部33は、話題を携帯情報端末500のディスプレイに提示する。
図3は、話題提示部33の詳細構成を示す図である。話題提示部33は、話題収集部331、推定部332、記憶制御部333、話題選択部334及び話題出力部335を有する。
【0034】
話題収集部331は、通信部1を介して、話題を収集する。記憶部2には、ユーザ及び対話相手が予め登録したソーシャルネットワークサービス又はオンラインニュース等の所定情報におけるユーザ及び対話相手のアカウントがユーザIDに関連付けて記憶されている。話題収集部331は、ユーザ及び対話相手のユーザIDに関連付けられたアカウントを記憶部2から取得する。話題収集部331は、取得したユーザ又は対話相手のアカウントにSNSサーバ200において関連付けられた投稿履歴を取得する。話題収集部331は、取得したユーザ又は対話相手のアカウントにニュースサーバ300等において関連付けられた閲覧履歴を取得する。
【0035】
話題収集部331は、取得したソーシャルネットワークサービス等の投稿履歴において頻出するキーワード又は文章を話題として抽出する。話題収集部331は、取得したオンラインニュース等の所定情報の閲覧履歴において頻出するキーワード又は文章を話題として抽出する。例えば、話題収集部331は、取得した閲覧履歴のオンラインニュースのタイトルで頻出するキーワード又は文章を話題として抽出する。
【0036】
推定部332は、話題収集部331が抽出した話題に対するユーザの興味を示す興味度を推定する。推定部332は、話題収集部331が抽出した話題に関するキーワードを含むページを閲覧履歴においてユーザが閲覧した頻度に基づいて、ユーザの興味度を推定する。閲覧した頻度は、単位期間当たりに閲覧した回数である。単位期間は、例えば、1週間である。話題に関するキーワードは、話題と同一の用語と、話題と類似する意味を有する用語とを含む。例えば、話題が「休日の過ごし方」である場合には、話題に関するキーワードは、「休日の過ごし方」と類似する意味を有する「余暇の過ごし方」等の用語を含む。
【0037】
閲覧履歴においてユーザが特定の話題を高い頻度で閲覧している場合、ユーザにとって興味のある話題である可能性が高い。このため、推定部332は、閲覧履歴において話題に関するキーワードを含むページを閲覧している頻度が高いほど、より興味があることを示す興味度をこの話題に割り当てる。推定部332は、ユーザごとに興味度を推定し、対話相手の興味度をユーザと同様に推定する。
【0038】
推定部332は、話題収集部331が抽出した話題に対する言及のしやすさを示す言及容易度を推定する。推定部332は、話題収集部331が取得した投稿履歴において抽出した話題に関するキーワードを含むページをユーザが投稿した頻度に基づいて、言及容易度を推定する。投稿した頻度は、単位期間当たりに投稿した回数である。単位期間は、例えば、1週間である。投稿履歴においてユーザが特定の話題に高い頻度で言及している場合、ユーザにとって言及しやすい話題である可能性が高い。このため、推定部332は、投稿履歴において話題に関するキーワードを含むページを投稿した頻度が高いほど、言及しやすさがより高い水準であることを示す言及容易度をこの話題に割り当てる。推定部332は、ユーザごとに言及容易度を推定し、対話相手の言及容易度をユーザの言及容易度と同様に推定する。
【0039】
[話題と興味度と言及容易度との対応関係]
記憶制御部333は、話題収集部331が抽出した複数の話題のそれぞれと、推定部332が推定した興味度と、推定部332が推定した言及容易度とを関連付けて記憶部2に記憶させる。記憶制御部333は、興味度及び言及容易度をユーザ及び対話相手ごとに記憶させる。
【0040】
図4は、話題と興味度と言及容易度との対応関係の例を示す表である。
図4の例では、記憶制御部333は、ユーザの興味度と、ユーザの言及容易度とに関連付けて複数の話題を記憶する。記憶制御部333は、対話相手の興味度と、対話相手の言及容易度とに関連付けて複数の話題を記憶する。また、記憶制御部333は、複数のユーザの興味度の平均値を一般の興味度として求め、複数のユーザの言及容易度の平均値を一般の言及容易度として求める。記憶制御部333は、一般の興味度と一般の言及容易度とを各話題に関連付けて記憶する。一般の興味度及び言及容易度は、対話相手等の興味度又は言及容易度等が不明である場合に、対話相手等の興味度又は言及容易度の代わりに用いることができる。
【0041】
図4の例では、記憶制御部333は、話題として「プロ野球」、「解散総選挙」、「趣味にしていること」、「友人との時間の過ごし方」、「落ち込んだ・悲しかった話」を記憶する。記憶制御部333は、話題「プロ野球」には、ユーザの興味度として60、ユーザの言及容易度として80、対話相手の興味度として30、対話相手の言及容易度として50、一般の興味度として40、一般の言及容易度として60の各数値を関連付ける。興味度は、数値が高いほど興味があることを示し、言及容易度は、数値が高いほど言及のしやすさが高い水準であることを示す。
図4の例では、興味度及び言及容易度の最大値はいずれも100であり、興味度及び言及容易度の最小値はいずれも0である。
【0042】
記憶制御部333は、話題「解散総選挙」には、ユーザの興味度として40、ユーザの言及容易度として50、対話相手の興味度として20、対話相手の言及容易度として10、一般の興味度として30、一般の言及容易度として20の各数値を関連付ける。
【0043】
話題選択部334は、話題を提示するための所定条件に基づいて、ユーザのコミュニケーションにおける話題として提示する話題を選択する。例えば、話題選択部334は、話題を提示するための所定条件を満たす話題として、興味度の範囲を示す第1範囲に含まれている興味度に関連付けられている話題を選択する。
【0044】
第1範囲は、話題を提示するための所定条件の一例であり、興味度の上限値及び下限値の少なくともいずれかが指定される。話題選択部334は、記憶部2を参照し、話題収集部331が抽出した話題のうち、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の興味度が第1範囲に含まれている話題を選択する。
【0045】
例えば、話題選択部334は、第1範囲が50以上100以下の場合、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の興味度が50以上100以下である話題を選択する。
図4の例では、話題「プロ野球」は、ユーザの興味度が60であり、ユーザの興味度は第1範囲に含まれている。一方、話題「プロ野球」は、対話相手の興味度が30であり、対話相手の興味度は第1範囲よりも低い。このため、話題選択部334は、提示する話題として話題「プロ野球」を選択しない。
【0046】
話題「趣味にしていること」は、ユーザの興味度が80であり、ユーザの興味度は第1範囲に含まれている。また、話題「趣味にしていること」は、対話相手の興味度が90であり、対話相手の興味度も第1範囲に含まれている。このため、話題選択部334は、提示する話題として話題「趣味にしていること」を選択する。
【0047】
また、話題選択部334は、話題を提示するための所定条件を満たす話題として、言及容易度の範囲を示す第2範囲に含まれている言及容易度に関連付けられている話題を選択する。第2範囲は、話題を提示するための所定条件の一例であり、言及容易度の上限値及び下限値の少なくともいずれかを指定する。話題選択部334は、話題収集部331が抽出した話題のうち、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の言及容易度が第2範囲に含まれている話題を選択する。
【0048】
例えば、話題選択部334は、第2範囲が60以上100以下である場合、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の言及容易度が60以上100以下である話題を選択する。
図4の例では、話題「友人との時間の過ごし方」に関連付けられたユーザの言及容易度は、50であるため、第2範囲より低い。このため、話題選択部334は、提示する話題として話題「友人との過ごし方」を選択しない。
【0049】
一方、話題「趣味にしていること」は、ユーザの言及容易度が80であり、ユーザの言及容易度は第2範囲に含まれている。また、話題「趣味にしていること」は、対話相手の言及容易度が90であり、対話相手の言及容易度も第2範囲に含まれている。このため、話題選択部334は、提示する話題として話題「趣味にしていること」を選択する。話題選択部334は、選択した話題を話題出力部335に通知する。
【0050】
話題出力部335は、話題選択部334が選択した話題を示す話題データを携帯情報端末500に通信部1を介して送信する。話題出力部335は、送信した話題を携帯情報端末500のディスプレイに提示する。なお、話題出力部335は、話題選択部334が選択した話題をスピーカ(不図示)から音声出力させることにより、話題を提示してもよい。
【0051】
[話題出力部335による話題の提示]
図5は、話題出力部335による話題の提示の例を示す図である。話題出力部335は、携帯情報端末500のディスプレイ上に複数の話題を提示する。話題出力部335は、
図5の例では、「趣味にしていること」、「最近の楽しかったできごと」及び「休日の過ごし方」の3つの話題を提示する。
【0052】
話題出力部335は、提示している話題を新しい話題に更新させる操作情報を操作取得部32が取得した場合に、提示している話題を新しい話題に更新する。話題出力部335は、提示している話題の詳細情報を表示する操作情報を操作取得部32が取得した場合に、提示している話題の詳細情報を表示する。
【0053】
図6は、話題の詳細情報の例を示す図である。話題出力部335は、
図5の状態において話題「趣味にしていること」を選択する操作を示す操作情報を操作取得部32が取得した場合に、
図6に示す詳細情報を表示する。話題出力部335は、
図6に示すように、話題「趣味にしていること」の具体例である「登山」、「旅行」、「料理」を詳細情報として表示する。
【0054】
図2の説明に戻る。話題を提示するための所定条件には、話題を更新するための更新間隔が含まれる。話題出力部335は、所定条件に含まれる更新間隔に基づいて、話題を更新する。話題出力部335は、更新間隔が3分である場合、提示している話題を新たな話題に3分ごとに更新する。
【0055】
[ユーザの依存度の特定]
検出部37は、話題を提示している間のユーザの動作を検出する。依存特定部38は、検出部37が検出したユーザの動作に基づいて、話題出力部335が提示した話題に対するユーザの依存度を特定する。まず、検出部37がユーザの動作を検出する処理について説明する。
【0056】
画像取得部34は、通信部1を介して、ユーザ及び対話相手の対話中の様子を撮影した画像情報を携帯情報端末500から取得する。画像取得部34は、取得した画像情報を検出部37へ出力する。音声受付部35は、通信部1を介して、ユーザ及び対話相手の対話中の音声を示す音声情報を携帯情報端末500から受け付ける。変換部36は、音声書き起こしの技術により、音声受付部35が受け付けた音声情報をテキスト情報に変換する。変換部36は、変換したテキスト情報を検出部37へ出力する。
【0057】
検出部37は、対話中のユーザの動作を検出する。検出部37は、話題出力部335が提示した話題に関するユーザの操作を示す操作情報を操作取得部32が取得したことをユーザの動作として検出する。例えば、検出部37は、コミュニケーションにおける話題の提示を開始させる操作、提示している話題を新しい話題に更新させる操作、提示している話題の詳細情報を表示する操作等を示す操作情報を操作取得部32が取得したことを検出する。
【0058】
検出部37は、話題に関する操作を示す操作情報を操作取得部32が取得したときに操作を行った操作者を特定する。例えば、検出部37は、携帯情報端末500のタッチパネルが操作された場合に、ユーザIDの選択画面を一時的に表示させ、当該選択画面においてユーザIDの選択を受け付けることにより、操作者を特定する。検出部37は、特定した操作者ごとに話題に関する操作を検出する。
【0059】
検出部37は、画像取得部34が取得した画像情報に基づいて、話題出力部335が提示した話題をユーザが閲覧したことをユーザの動作として検出する。例えば、検出部37は、画像取得部34が取得した画像情報を解析することにより、ユーザの視線がディスプレイに向けられている又はユーザの顔がディスプレイに対して真正面に向いていることを検出する。
【0060】
検出部37は、ディスプレイを閲覧した閲覧者の顔を予め記憶部2に登録されたユーザ及び対話相手の顔画像と比較することにより、閲覧者を特定する。検出部37は、特定した閲覧者ごとに話題を閲覧したことを検出する。
【0061】
検出部37は、変換部36が変換したテキスト情報に基づいて、話題出力部335が提示した話題に言及したことをユーザの動作として検出する。検出部37は、変換部36が変換したテキスト情報に話題に関するキーワードが含まれるか否かを検出することにより、ユーザが話題に言及したことを検出する。
【0062】
検出部37は、記憶部2に予め登録されているユーザ及び対話相手の声紋と、音声受付部35が受け付けた音声情報において話題に言及した言及者の音声とを比較することにより言及者を特定する。検出部37は、特定した言及者ごとに話題に言及したことを検出する。
【0063】
続いて、依存特定部38が、検出部37が検出したユーザの動作に基づいて、話題に対するユーザの依存度を特定する処理について説明する。
図7は、依存特定部38の詳細構成を示す図である。
【0064】
図7に示すように、依存特定部38は、閲覧検出状況推定部381、操作検出状況算出部382、会話検出状況推定部383及び依存度算出部384を備える。閲覧検出状況推定部381は、話題をユーザが閲覧したことの検出部37による検出状況を推定する。閲覧検出状況推定部381は、検出状況として、話題出力部335が提示した話題をユーザが閲覧したことを検出部37が検出した頻度又は累積時間を推定する。
【0065】
話題をユーザが閲覧したことを検出した頻度は、話題をユーザが閲覧したことを検出部37が検出した単位時間当たりの回数である。累積時間は、例えば、ユーザと対話相手との対話中に話題出力部335が提示した話題をユーザが閲覧していたことを検出部37が検出した時間の合計である。閲覧検出状況推定部381は、閲覧の検出状況をユーザごとに推定し、推定した検出状況を依存度算出部384にそれぞれ通知する。
【0066】
操作検出状況算出部382は、話題出力部335が提示した話題に関するユーザの操作の検出部37による検出状況を求める。操作検出状況算出部382は、話題に関するユーザの操作の検出状況として、話題に関するユーザの操作を検出部37が検出した頻度又は累積時間を求める。
【0067】
話題に関するユーザの操作を検出した頻度は、話題に関するユーザの操作を検出した単位時間当たりの回数である。累積時間は、ユーザと対話相手との対話中に話題出力部335が提示した話題に関するユーザの操作を検出部37が検出した操作検出時間の合計である。
【0068】
操作検出時間は、例えば、話題出力部335が提示した話題に関するユーザの操作を検出部37が検出したときに開始し、話題に関するユーザの操作を検出部37が一定時間検出していないときに終了する。操作検出状況算出部382は、操作の検出状況をユーザごとに求め、求めた検出状況を依存度算出部384にそれぞれ通知する。なお、操作検出状況算出部382は、話題に関するユーザの操作の検出状況として、話題に関するユーザの操作を検出部37が検出した回数を求めてもよい。
【0069】
会話検出状況推定部383は、話題出力部335が提示した話題にユーザが言及したことの検出部37による検出状況を推定する。会話検出状況推定部383は、話題にユーザが言及したことの検出状況として、話題出力部335が提示した話題にユーザが言及した頻度又は累積時間を推定する。話題にユーザが言及した頻度は、話題にユーザが言及した単位時間当たりの回数である。累積時間は、ユーザと対話相手との対話中に話題出力部335が提示した話題にユーザが言及した言及検出時間の合計である。
【0070】
言及検出時間は、例えば、話題出力部335が提示した話題にユーザが言及したことを検出部37が検出したときに開始し、話題にユーザが言及したことを検出部37が一定時間検出していないときに終了する。
【0071】
なお、会話検出状況推定部383は、話題出力部335が提示した話題にユーザが言及したことの検出状況として、話題に関するキーワードにユーザが言及した種類数を推定してもよい。種類数は、話題出力部335が複数の話題を一度に提示した場合に、一度に提示した話題のうち、いくつの話題にユーザが言及したかを示す。
【0072】
図8は、話題と興味度と言及容易度との対応関係の例を示す表である。
図8は、ユーザが話題に関するキーワードに言及したか否かを示すための項目を備える点を除いて
図4の表と同一である。
図8の表では、ユーザが話題「プロ野球」、「解散総選挙」に関するキーワードに言及したことを検出部37が1回ずつ検出したことを示している。この場合、会話検出状況推定部383は、話題に関するキーワードにユーザが言及した種類数は2種類であると推定する。会話検出状況推定部383は、話題に関するキーワードに言及したことの検出状況をユーザごとに推定し、推定した検出状況を依存度算出部384にそれぞれ通知する。
【0073】
依存度算出部384は、ユーザの動作の検出部37による検出状況に基づいて、ユーザの依存度を特定する。依存度算出部384は、閲覧検出状況推定部381、操作検出状況算出部382又は会話検出状況推定部383が求めたユーザの動作の検出状況に基づいて、ユーザの依存度を特定する。
【0074】
依存度算出部384は、話題をユーザが閲覧したことの検出状況として閲覧検出状況推定部381が推定した値に対し、依存度を示すスコアを割り当てる。例えば、依存度算出部384は、話題をユーザが閲覧したことを検出部37が検出した頻度として10分当たりの検出回数1回につき1点を割り当て、話題をユーザが閲覧したことを検出部37が検出した累積時間に1分当たり1点を割り当てる。
【0075】
依存度算出部384は、話題に関するユーザの操作の検出状況として操作検出状況算出部382が求めた値に対し、依存度を示すスコアを割り当てる。例えば、依存度算出部384は、話題に関するユーザの操作を検出した頻度として10分当たりの検出回数1回につき1点を割り当て、話題に関するユーザの操作を検出した累積時間に1分当たり1点を割り当てる。
【0076】
依存度算出部384は、話題にユーザが言及したことの検出状況として会話検出状況推定部383が推定した値に対し、依存度を示すスコアを割り当てる。依存度算出部384は、話題にユーザが言及した頻度として10分当たりの検出回数1回につき1点を割り当て、話題にユーザが言及した累積時間に1分当たり1点を割り当てる。
【0077】
依存度算出部384は、ユーザ特定部31が特定したユーザごとにユーザの依存度を特定する。
図9は、依存度算出部384によるスコアの算出の例を示す図である。依存度算出部384は、検出部37によるユーザの動作の検出状況にそれぞれスコアを割り当てる。
図9の例では、依存度算出部384は、話題をユーザが閲覧したことを検出した頻度に10点、話題をユーザが閲覧したことを検出した累積時間に8点、話題に関するユーザの操作を検出した頻度に4点、話題に関するユーザの操作を検出した累積時間に2点、話題にユーザが言及した頻度に7点、話題にユーザが言及した累積時間に6点を割り当てている。
【0078】
依存度算出部384は、割り当てたスコアを総合して、話題出力部335が提示した話題に対するユーザの依存度を特定する。
図9の例では、依存度算出部384は、これらのスコアのうち、話題をユーザが閲覧したことを検出した頻度と、話題に関するユーザの操作を検出した頻度と、話題にユーザが言及した頻度とに割り当てたスコアの合計である21点をユーザの依存度として特定する。
【0079】
依存度算出部384は、対話相手の動作の検出部37による検出状況にも同様にスコアを割り当てる。例えば、話題を対話相手が閲覧したことを検出した頻度に2点を割り当てる。依存度算出部384は、特定した依存度を動作変更部39に通知する。
【0080】
[話題を提示するための所定条件の変更]
図2の動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度に基づいて、話題を提示するための所定条件を変更する。話題出力部335が提示した話題に対するユーザの依存度が過度に高い状態では、コミュニケーションの自然さが失われるという問題がある。そこで、動作変更部39は、話題出力部335が提示した話題に対するユーザの依存度が過度に高くなることを抑制することを目的として、話題を提示するための所定条件を変更する。
【0081】
動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度を閾値と比較する。閾値は、コミュニケーションの自然さが失われない範囲におけるユーザの依存度の上限値である。閾値は、ユーザと対話相手とのコミュニケーション実験後のユーザ及び対話相手を対象として、コミュニケーションの自然さが失われた時点のユーザの依存度をアンケート調査すること等により決定することができる。
【0082】
例えば、依存度算出部384が算出したユーザの依存度のスコアが21点であり、依存度算出部384が算出した対話相手の依存度のスコアが3点であり、閾値が20点であるとする。この場合、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値より高いと判定する。一方、動作変更部39は、依存度算出部384が特定した対話相手の依存度が閾値より低いと判定する。
【0083】
動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高いと判定した場合に、ユーザの依存度が閾値より低いと判定した場合に比べて、話題を提示するための所定条件としての第1範囲を下げる。例えば、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値より低い場合の第1範囲が示す興味度の範囲を50以上100以下とする。動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高いと判定した場合に、第1範囲の上限値及び下限値を下げ、第1範囲を0以上60以下にする。
【0084】
このとき、話題選択部334は、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の興味度が変更後の第1範囲に含まれる話題を選択する。
図4の例を参照すれば、話題「趣味にしていること」に関連付けられたユーザの興味度は、80であり、第1範囲より高くなる。このため、話題選択部334は、提示する話題として「趣味にしていること」を選択しない。
【0085】
一方、話題「解散総選挙」に関連付けられたユーザの興味度は、40であり、第1範囲に含まれる。また、話題「解散総選挙」に関連付けられた対話相手の興味度は、20であり、第1範囲に含まれる。このため、話題選択部334は、提示する話題として「解散総選挙」を選択する。話題選択部334は、提示する話題として興味度の比較的低い話題を提示する。これにより、ユーザにとってコミュニケーションを行いにくい話題が提示されるので、ユーザが提示された話題に頼らずにコミュニケーションを行う可能性が高くなる。したがって、話題提示装置400は、提示する話題に対するユーザの依存度を下げることができる。
【0086】
なお、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて、第1範囲の上限値及び下限値の両方を下げてもよく、第1範囲の上限値及び下限値のいずれか一方を下げてもよい。動作変更部39が第1範囲の上限値及び下限値のいずれか一方を下げることにより、話題選択部334が選択する話題に関連付けられた興味度が確率的に下がれば、提示する話題に対するユーザの依存度を下げる効果が期待できる。
【0087】
動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて、話題を提示するための所定条件としての第2範囲を下げる。依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値より低い場合の第2範囲が示す言及容易度の範囲を60以上100以下とする。動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高いと判定した場合に、第2範囲の上限値及び下限値を下げ、第2範囲を0以上60以下にする。
【0088】
このとき、話題選択部334は、話題に関連付けられたユーザ及び対話相手の言及容易度が変更後の第2範囲に含まれる話題を選択する。
図4の例を参照すれば、話題「プロ野球」に関連付けられたユーザの言及容易度は、80であり、第2範囲より高い。このため、話題選択部334は、提示する話題として「プロ野球」を選択しない。
【0089】
一方、話題「落ち込んだ・悲しかった話」に関連付けられたユーザの言及容易度は、30であり、第2範囲に含まれる。また、「落ち込んだ・悲しかった話」に関連付けられた対話相手の言及容易度は、30であり、第2範囲に含まれる。このため、話題選択部334は、提示する話題として「落ち込んだ・悲しかった話」を選択する。話題選択部334は、提示する話題として比較的言及しにくい話題を提示するので、提示する話題に対するユーザの依存度を下げることができる。
【0090】
なお、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて、第2範囲の上限値及び下限値の両方を下げる場合に限定されず、第2範囲の上限値及び下限値のいずれか一方を下げてもよい。
【0091】
また、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度に基づいて、ユーザ特定部31が特定したユーザごとに話題を提示するための所定条件を変更してもよい。例えば、動作変更部39は、ユーザの依存度が閾値より高く、且つ対話相手の依存度が閾値より低いと判定した場合に、依存度が閾値より低い場合と比べて、ユーザの第1範囲又は第2範囲を下げるが、対話相手の第1範囲又は第2範囲を下げなくてもよい。
【0092】
例えば、動作変更部39は、ユーザの依存度が閾値より高いと判定した場合に、ユーザの興味度を示す第1範囲を下げて0以上60以下とする。このとき、動作変更部39は、対話相手の依存度が閾値より低いと判定すれば、対話相手の興味度を示す第1範囲を元の50以上100以下から変更しない。この場合、話題選択部334は、ユーザの興味度が0以上60以下に含まれ、且つ対話相手の興味度が50以上100以下に含まれる話題を選択する。例えば、話題選択部334は、
図4の例においてユーザ及び対話相手の興味度がそれぞれ50及び60である「友人との時間の過ごし方」等の話題を選択する。
【0093】
動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、ユーザの依存度が閾値より低い場合に比べて、話題を提示するための所定条件に含まれる更新間隔を長くする。更新間隔は、ユーザの依存度が低い状態では、話題出力部335が一度に提示した全ての話題についてユーザ及び対話相手が対話するのにかかる標準的な時間であり、例えば、3分である。
【0094】
一方、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値よりも高い場合に、更新間隔をより長くし、例えば、10分とする。動作変更部39は、話題を更新するための更新間隔をより長くすることにより、話題出力部335が提示する話題に対するユーザの依存度を下げることができる。
【0095】
[話題の収集動作のフローチャート]
図10は、話題提示部33による話題の収集動作を示すフローチャートである。この処理手順は、ユーザがソーシャルネットワークサービス及びオンラインニュースのアカウントを記憶部2に登録したときに開始する。
【0096】
まず、話題収集部331は、ユーザのソーシャルネットワークサービス及びオンラインニュースのアカウントを記憶部2から取得する(S101)。次に、話題収集部331は、ユーザのアカウントに関連付けられたソーシャルネットワークサービスの投稿履歴を取得する(S102)。話題収集部331は、ユーザのアカウントに関連付けられたオンラインニュースの閲覧履歴を取得する(S103)。
【0097】
話題収集部331は、取得したソーシャルネットワークサービスの投稿履歴又はオンラインニュースの閲覧履歴において頻出するキーワードを話題として抽出する(S104)。推定部332は、抽出した話題に関するキーワードを含むページを閲覧履歴においてユーザが閲覧した頻度に基づいて、ユーザの興味度を推定する(S105)。
【0098】
推定部332は、投稿履歴において抽出した話題に関するキーワードを含むページを投稿履歴においてユーザが投稿した頻度に基づいて、言及容易度を推定する(S106)。記憶制御部333は、話題収集部331が抽出した話題と、推定部332が推定した興味度と、推定した言及容易度とを関連付けて記憶部2に記憶させ(S107)、処理を終了する。
【0099】
[話題の提示動作のフローチャート]
図11は、動作変更部39による話題の提示動作を示すフローチャートである。この処理手順は、操作取得部32がコミュニケーションにおける話題の提示を開始させるユーザの操作を示す操作情報を携帯情報端末500から取得したときに開始する。
【0100】
まず話題提示部33は、話題を提示するための所定条件に基づいて、ユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する(S201)。検出部37は、対話中のユーザの動作を検出する(S202)。依存度算出部384は、ユーザの動作の検出部37による検出状況に基づいて、ユーザの依存度を特定する(S203)。動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値より高いか否かを判定する(S204)。
【0101】
動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度が閾値より高いと判定した場合に(S204のYES)、話題を提示するための所定条件を変更する(S205)。その後、ステップS201の処理に戻り、話題提示部33は、動作変更部39による変更後の所定条件に基づいて、ユーザのコミュニケーションにおける話題を提示する。動作変更部39は、ステップS204の判定においてユーザの依存度が閾値以下であると判定した場合に(S204のNO)、所定条件を変更することなく、ステップS201の処理に戻る。
【0102】
[本実施の形態における効果]
本実施の形態によれば、動作変更部39は、依存度算出部384が特定したユーザの依存度に基づいて、話題を提示するための所定条件を変更する。このような構成により、話題提示装置400は、話題出力部335による話題の提示にユーザが過度に依存することに起因して会話の自然さが失われることを抑制することができる。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、動作変更部39は、ユーザの興味度及び言及容易度に基づいて、ユーザの依存度が高いか否かを判定してもよい。動作変更部39は、2以上のユーザ間のコミュニケーションにおいてユーザにとって興味度が高く、且つ言及容易度が高い話題に関するキーワードが高頻度に言及されている傾向がある場合に、ユーザの依存度が高いと判定してもよい。この場合、動作変更部39は、依存度の高いユーザにとって興味度及び言及容易度が低い話題を選択することを話題選択部334に指示してもよい。
【0104】
図8の例では、検出部37は、話題「プロ野球」、「解散総選挙」に関するキーワードが言及されたことを検出している。ユーザ、対話相手、一般のそれぞれについて興味度の合計値と、言及容易度の合計値とを求めると、ユーザの興味度の合計値は、60+40=100となる。対話相手の興味度の合計値は、30+20=50、一般の興味度の合計値は、40+30=70となる。
【0105】
ユーザの言及容易度の合計値は、80+50=130、対話相手の言及容易度の合計値は、50+10=60、一般の言及容易度の合計値は、60+20=80となる。動作変更部39は、言及された話題における特定のユーザの興味度又は言及容易度の合計値と、対話相手の興味度又は言及容易度の合計値との比が閾値より大きい場合に、言及された話題がユーザの興味度又は言及容易度が高い話題に偏っていると判定する。閾値は、ユーザ及び対話相手のコミュニケーション実験後のユーザ及び対話相手を対象とするアンケート調査等により決定することができる。
【0106】
動作変更部39は、言及された話題がユーザの興味度又は言及容易度が高い話題に偏っていると判定した場合に、話題を提示する所定条件としてのユーザの第1範囲及び第2範囲を下げる。動作変更部39は、対話相手の第1範囲及び第2範囲については変更しない。このような処理により、話題選択部334は、ユーザにとって興味が比較的低く、且つ比較的言いにくい話題を選択するので、ユーザの依存度を低下させる効果が期待できる。
【0107】
なお、動作変更部39は、言及された話題がユーザの興味度又は言及容易度が高い話題に偏っていると判定した場合に、対話相手の第1範囲及び第2範囲を上げてもよい。例えば、動作変更部39は、対話相手の第1範囲及び第2範囲の下限値をそれぞれ上げてもよい。
【0108】
また、例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。