特許第6857181号(P6857181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6857181複合ストリップまたは複合シートを製造するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857181
(24)【登録日】2021年3月23日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】複合ストリップまたは複合シートを製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20210405BHJP
   B29C 65/20 20060101ALI20210405BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20210405BHJP
   B32B 41/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   B29C65/02
   B29C65/20
   B32B15/08 A
   B32B41/00
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-522656(P2018-522656)
(86)(22)【出願日】2016年10月18日
(65)【公表番号】特表2018-535851(P2018-535851A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】EP2016074945
(87)【国際公開番号】WO2017076633
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年9月20日
(31)【優先権主張番号】102015118970.4
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507115104
【氏名又は名称】ティッセンクルップ・スティール・ヨーロッパ・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ノエ・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヘーアマン・クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】フォン・デア・オーエ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン・ステラ
(72)【発明者】
【氏名】クラーレ・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】コッホ・クラウス−ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ラスプディッチ・ゲロルド
(72)【発明者】
【氏名】ルダック・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー・ヨーゼフ
【審査官】 山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−193850(JP,A)
【文献】 特開2009−274387(JP,A)
【文献】 特開平10−202743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00−63/48
B29C 65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの金属製の第一のカバー層(1)、金属からなる第二のカバー層(2)、および該カバー層(1、2)の間に配置され、かつ、それに材料結合された少なくとも一つのプラスチックからなるコア層(3)を含む複合ストリップまたは複合シートを製造する方法であり、第一のカバー層(1)のための第一の金属ストリップ(4)、第二のカバー層(2)のための第二の金属ストリップ(5)、およびコア層(3)のためのプラスチックウェブ(6)が一緒にまとめられ、そして、圧力および/または熱の使用下で、連続的に、互いに、材料結合的に、複合ストリップに結合され、
第一の金属ストリップ(4)および第二の金属ストリップ(5)は、一緒にまとめる前および/または一緒にまとめる間に加熱される、該方法であって、
金属ストリップ(4、5)を一緒にまとめ、そして結合させた後、複合ストリップの実際の横方向の曲率が測定され、そして
第一の金属ストリップ(4)および第二の金属ストリップ(5)が、一緒にまとめられる前および/または一緒にまとめられる間に、該実際の横方向の曲率に応じて温度制御(Temperierung)され、
実際の横方向の曲率が、目標とする横方向の曲率から逸脱している場合に制御変数の設定されるべき値が、少なくともストリップの厚さ、ストリップの幅、熱膨張係数および/または金属ストリップ間の温度差を内容として含む計算モデルで構成されることを特徴とする、上記の方法。
【請求項2】
横方向の曲率が、閉ループにおいて、所与の目標とする横方向の曲率に調整されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
目標とする横方向の曲率として、値ゼロが定められることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第一の金属ストリップ(4)および/または第二の金属ストリップ(5)の温度制御が、一緒にまとめられる前または一緒にまとめられる間の閉ループの制御変数として使用されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
一緒にまとめられる前のそれぞれの金属ストリップを温度制御するために、それぞれの予熱装置の一つまたは二つ以上の操作パラメータが設定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つのストリップフロート炉が予熱装置として使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記金属ストリップが、圧延装置のロール間で、プラスチックウェブを介在させて一緒にまとめられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
金属ストリップを温度制御するために、ロールの温度を変化させることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの測定装置(16、17、18)により、第一の金属ストリップ(4)および/または第二の金属ストリップ(5)の温度が測定されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
一緒にまとめられた後、複合ストリップを、加熱−および加圧装置(10)に通過させ、そして、一緒にまとめられたときと、加熱−および加圧装置(10)との間、および/または加熱−および加圧装置(10)後の、横方向の曲率が一回または二回以上測定されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法に従って、金属からなる、少なくとも一つの、下方のカバー層(1)、金属からなる一つの、上方のカバー層(2)、および該カバー層(1、2)の間に配置され、かつ、これらと、材料結合された、プラスチックからなる、一つのコア層(3)からなる複合ストリップまたは複合シートを製造するための装置であって、第一の金属ストリップ(4)のための少なくとも第一の予熱装置(7)、第二の金属ストリップ(5)のための第二の予熱装置(8)を備え、プラスチックウェブ(6)の介在下で金属ストリップ(4,5)を一緒にまとめる装置(9)を備えた装置において、
該一緒にまとめる装置(9)の下流に配置された、該複合ストリップの実際の横方向の曲率を測定可能な、少なくとも一つの横方向の曲率測定装置(15)、および
第一の金属ストリップ(4)および/または第二の金属ストリップ(5)を一緒にまとめる前および/または一緒にまとめる間の実際の横方向の曲率に依存して調整可能な、制御装置および/または調整装置、を有することを特徴とする、上記の装置。
【請求項12】
前記横方向曲率測定装置(15、15’)が、接触式または非接触式測定装置として設計されていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第一の金属ストリップ(4)のための第一の温度測定装置(16)および/または第二の金属ストリップのための第二の温度測定装置(17)が、一緒にまとめる装置(9)の前および/または中に配置されることを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属からなる少なくとも一つの第一の(例えば、下方の)カバー層、一つの金属からなる第二の(例えば、上方の)カバー層、および該カバー層の間に配置され、これらと材料結合される(stoffschluessig verbunden)、プラスチックからなるコア層から構成される複合ストリップまたは複合シートを製造するための方法に関し、第一のカバー層のための一つの第一の金属ストリップ、第二のカバー層のための一つの第二の金属ストリップ、およびコア層のための少なくとも一つのプラスチックウェブ(例えば、プラスチックフィルム)は一緒にまとめられ、そして、加圧および/または加熱(連続的に)の使用下で互いに材料結合し、ここで、第一の金属ストリップおよび第二の金属ストリップは、一緒にまとめられる前および/または一緒にまとめられる間に加熱される。
【背景技術】
【0002】
このような金属−プラスチック複合シートまたはサンドイッチパネルは、例えば、車両構造体において使用されている。一方で鋼板よりも軽量でありながら、他方でアルミニウムシートよりも経済的であるため、従来の鋼板およびアルミニウムシートを置き換えることが意図されている。このために、該被覆シートは、例えば、0.1mm〜1mmの範囲の厚さを有し、プラスチックからなるコア層は、例えば、0.05mm〜3mmの厚さを有する。このような複合シートは、例えば、自動車産業において、例えば、外板用のボディパネルとしてだけでなく、構造物部品および補強部品としても使用される。広く使用されている。サンドイッチパネルは、高い屈曲剛性およびバンピング剛性(Biege− und Beulsteifigkeit)を特徴とし、かつ、それらはまた、良好な成形性を有するため、それらは適当なコンポーネントに素晴らしく加工可能である。重量およびコストの削減に加えて、このようなサンドイッチパネルを用いて音響特性および断熱性を改善することができる。
【0003】
製造の過程において、被覆シートのために、最初に、例えば、冷間圧延された鋼板が提供され、これは、一般に、焼鈍され、仕上げられ(dressiert)、そして亜鉛メッキされる。このようにして製造された被覆シートは、次いで、プラスチックウェブを介在させて第一の上方のカバー層として、および第二の下方のカバー層として一緒にまとめられ、そして加圧および/または加熱下で互いに結合され、これにより、プラスチック−コア層は、上方のカバー層および下方のカバー層の両方に材料結合される。
【0004】
複合ストリップまたは複合シートを製造する方法は、例えば、ドイツ国特許出願公開第10 2013 110 282 A1号明細書(特許文献1)から知られている。この場合、二つの被覆シートは、表面が互いに異なる粗さを有する金属シートから形成されるべきである。プラスチック層は、ポリアミド、ポリエチレンまたはポリアミドとポリエチレンの混合物で製造されていなければならない。仕上げられた金属ストリップは、プラスチック層の片面に施用される前に、一つまたは二つ以上の処理ステーションにおいて最初に前処理される。したがって、ストリップは、例えば、処理ステーションにおいて、アルカリ的に脱脂および/または洗浄される。後続の処理ステーションにおいて、ストリップ表面は、一つまたは二つ以上の化学的前処理浴中で不動態化され、それにより、コーティングのために準備される。さらに、粘着剤または接着剤の片面塗布のための処理ステーションを設けることができる。この前処理の後、場合によっては、粘着剤または接着剤が設けられたストリップの側に、プラスチック層が設けられる。これは、例えば、プレハブのプラスチックフィルムの形態で、例えば、圧延ロールを有するラミネート装置でストリップ上に積層することができ、そのラミネート装置のロールのうちの少なくとも一つを加熱することができる。プラスチック層を設けた後、片面を被覆したストリップを、冷却および/または乾燥装置を通過させる。その後、ストリップは、コイルに巻いて一時的に貯蔵されるか、または、直接、カバーシート、または、同様に片面にプラスチック層が被覆されたカバーシートを設けるための装置に移送する。この下流側の装置では、例えば、それぞれがカバーシートおよびプラスチックコーティングからなる二つのストリップ状の半製品が一緒にまとめられ、該二つの半製品は、それぞれの巻き戻しリールから巻き解かれ、そして、半製品の二つのプラスチック層が対向して互いに接触するようにしてロール対に供給される。半製品が、ロールによって規定されるニップ内に導入される直前に、両方の半製品のプラスチック層は、プラスチック表面側から作用する手段によって活性化される(ドイツ国特許出願公開第10 2013 110 282 A1号明細書(特許文献1)参照)。
【0005】
複合シートの製造のための同様の方法は、ドイツ国特許出願公開第10 2013 013 495 A1号明細書(特許文献2)に記載されている。この場合、半製品のプラスチック層の活性化は、半製品のプラスチックコーティング側から直接行われる。
【0006】
ドイツ国特許出願公開第10 2011 015 071 A1号明細書(特許文献3)およびドイツ国特許出願公開第10 2012 106 206 A1号明細書(特許文献4)には、プラスチック層が繊維強化プラスチックからなる対応するサンドイッチパネルが記載されている。
【0007】
あるいは、欧州特許第2 193 021 B1号明細書(特許文献5)には、プラスチック製のコア層が、ポリアミド−ポリエチレンブレンドを有する発泡体層として構成されたサンドイッチパネルが記載されている。
【0008】
全体的に、高品質で経済的な方法で上記のタイプの複合シートを製造する必要がある。
【0009】
したがって、原理的には、サンドイッチストリップの製造において、クロスボウとも呼ばれる、望ましくない横方向の曲がりを形成する可能性がある。−これが本発明の始まりである。
【0010】
さらに、ドイツ国特許第689 26 006 T2号明細書(特許文献6)から複合シートの製造が知られており、二つのアルミニウム層または鉄層の間に固体の層の形態の熱可塑性樹脂層が使用される。高い表面品質を達成するために、アルミニウム層または鉄層には、それらがホットプレスロールに供給される時に高い引張応力を加えなければならない。
【0011】
最後に、ドイツ国特許出願公開第101 24 836 A1号明細書(特許文献7)は、調節可能な補正ロールの助けを借りて、金属ストリップにおける横方向の曲率を除去することを取り扱っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第10 2013 110 282 A1号明細書
【特許文献2】ドイツ国特許出願公開第10 2013 013 495 A1号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許出願公開第10 2011 015 071 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第10 2012 106 206 A1号明細書
【特許文献5】欧州特許第2 193 021 B1号明細書
【特許文献6】ドイツ国特許第689 26 006 T2号明細書
【特許文献7】ドイツ国特許出願公開第101 24 836 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、複合ストリップまたは複合シートが、高品質かつ特に横方向の曲率なしに経済的に製造できるような、冒頭に述べた種類の方法を開発することを課題とする。このために、高品質、特に、横方向に曲率のない複合ストリップの経済的な製造を可能にする装置も作られることになる。
【0014】
この課題を解決するために、本発明は、冒頭に述べた種類の概念による方法において、金属ストリップを一緒にまとめられて結合した後に、その複合ストリップの実際の横方向の曲率を測定し、そして、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度制御(Temperierung)が、一緒にまとめられる前および/または一緒にまとめられる間に、実際の横方向の曲率に依存して行われるか、または調整されることを教示する。
【0015】
金属ストリップをプラスチックウェブの介在物と密接に接合する過程で、ひいては積層工程において、カバーストリップまたはカバー層の温度が等しくない場合に、複合ストリップの製造において望ましくない横方向の曲がりが発生する可能性があるという知見に、本発明は基づいている。というのは、一緒にまとめられて結合する(例えば、加熱されたカレンダーにおいて)ときに、サンドイッチストリップの温度が均等になるからである。例えば、一緒にまとめられる前の下方のカバーストリップが、上方のカバーストリップよりも冷たい限り、(例えば、カレンダーにおける)結合時に、場合によっては、後加熱炉において、上方のカバーストリップに対して相対的に加熱される。これにより、上方のカバーストリップに対してストリップ幅の方向において、下方のカバーストリップが長手方向に伸張する。したがって、二つのカバーストリップの間の長さの差は、樽形状の横方向の湾曲をもたらす。本発明によれば、−金属ストリップではしばしば慣習的であるように−このような横方向の湾曲は、その後の曲率補正によって単に除去するのではなく、本発明によれば、最初から横方向の湾曲の形成を防止するために、一緒にまとめられる前および/または一緒にまとめられている間に、金属ストリップの目標温度制御がすでに行われていることになる。しかしながら、本発明によれば、これは、二つの金属ストリップが、予熱において常に正確に同じ目標温度に加熱されることによっては達成されない。ストリップは予熱装置後、一緒にまとめられるまで、例えば、カレンダーにおいては、依然として自由なルートを走行し、必ずしも同じ長さを有する必要はなく、同じ条件が必ずしも勝つ必要はない。一方、例えば、ロールを備えたカレンダーとして形成することのできる、一緒にまとめる装置において、ストリップの巻き付けは異なっていてもよい。それ故、ストリップの温度の簡単な制御の場合、横方向の曲率がサンドイッチストリップに残ることがある。したがって、本発明によれば、金属ストリップは単純に同じ温度に予熱されるのではなく、結果として生ずる横方向の曲率が、一緒にまとめた後に、所与の距離で計量的に検出され、そして、金属ストリップの温度制御は、その測定された横方向の曲率に応じて選択的に行われる。これは、場合によっては、二つの金属ストリップにおいて異なる温度を調整して横方向の曲率を排除することもできるということにつながる。
【0016】
特に好ましくは、横方向の曲率は、閉じた制御ループ内で、所定の、目標とする横方向の曲率に調整され、ここで、該目標とする横方向の曲率は、好ましくは値ゼロ(場合によっては、所定の許容範囲を有する)を有する。このような制御ループの制御変数として、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度制御が、好ましくは、一緒にまとめる前または一緒にまとめている間に使用される。これは、測定された実際の横方向の曲率が、目標とする横方向の曲率から逸脱する場合、制御変数に対する補正信号、つまり、温度制御が生ずる。
【0017】
温度制御のため、または温度を変えるため、そしてそれにより一緒にまとめる前のそれぞれの金属ストリップの温度を変えるため、それぞれの予熱装置の一つまたは複数の操作パラメータを設定することができる。予熱装置は、例えば、炉、好ましくは、ストリップフロート炉であり、そのため、温度を変化させるべく、炉内の循環空気温度および/または再循環ファン速度を用いることできる。これらのパラメータは、迅速に適合させることができ、したがって、温度を変化させるため、またはストリップの温度を変化させるのに非常に適している。その場合、ストリップの温度が温度範囲内にあることが優位に保証され、これは、例えば、カレンダーにおいて一緒にまとめて結合する時に、両方のカバーストリップのコア層への適切な粘着を保証する。使用される材料に依存して、ストリップの温度は、例えば、190℃〜250℃、例えば、200℃〜240℃、より好ましくは210℃〜230℃の温度範囲であることができる。
【0018】
予熱装置(例えば、ストリップフロート炉)によりストリップの温度を変化させる代わりに、例えば、温度調節可能な圧延装置(例えば、カレンダー)の一緒にまとめる装置を介して温度制御を調節することもできる。金属ストリップは、例えば、カレンダーの圧延装置のロールの間のプラスチックウェブの介在物下で好ましく一緒にまとめられる。温度制御、または温度の変更、およびそれによる金属ストリップの温度を変えるために、一方または両方のロールの温度制御を変更または調整することができる。したがって、実際上、適切な媒体、例えば、熱伝達油を内部に備えたカレンダーロールが通常加熱される。このようにして、制御された変数は、装置のこの領域においても変化させることができる。
【0019】
したがって、本発明は、製造されたサンドイッチストリップが横方向の曲率を有さないかまたは所定の横方向の曲率(場合によってはゼロであり得る)を有するという条件下で、金属ストリップ同士を一緒にまとめる前または一緒にまとめる間に、金属ストリップの一方または両方の温度に影響を及ぼすことであることがなによりも重要である。測定された実際の横方向の曲率に依存して、ストリップまたは複数のストリップのストリップ温度を変化させるための対策がとられるが、ここで、厳密に所定のストリップの温度を設定する必要はなく、特定の目標温度に温度を調整することさえ必要ではない。したがって、記載された制御ループでは、ストリップの温度は、制御された変数および目標とする値ではなく、むしろ制御変数を形成し、それから、ストリップの温度を変えることによって、実際の横方向の曲率値を目標とする横方向の曲率値に導く。
【0020】
例えば、適切な測定装置により、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度を計量的に検出することが有利であり得る。その場合、そのような装置は、例えば、パイロメーターのような非接触測定装置、または、例えば、接触式温度計のような測定装置であってもよい。
【0021】
主に横方向の曲率を所定の目標とする値に調整することが本発明の範囲内にある場合も、温度制御は制御変数として使用され、温度の検出およびその結果の測定は合目的的である。一方で、プロセスを開始するときに特定の目標温度を予め定めることが有用であり、他方、温度測定を制御目的で使用することも有意であることができる。このようにして、ストリップの温度が、これは、プラスチックの欠点のない加工およびコア層に対する二つのカバーストリップの欠点のない接着を保証する温度範囲内にある限り、所定の横方向の曲率(例えば、ゼロ)が達成されることも温度測定により保証される。
【0022】
既に説明したように、金属ストリップをプラスチックウェブの介在物と一緒にまとめた、実際の横方向の曲率を測定することが合目的的である。この場合、一緒にまとめる装置の後方で、例えば、カレンダーの後方で、所定の距離で実際の横方向の曲率を測定することが可能である。好ましくは、複合体は、カレンダーで一緒にまとめて結合させた後、加熱−加圧装置で完成される。このような加熱−加圧装置には、少なくとも一つの加熱装置(例えば、ストリップフロート炉)および加圧装置、例えば、別のカレンダーが使用される。また、このような加熱−加圧装置において、あるいはここで設けられる後加熱炉(Nachheizofen)において、金属ストリップの可能な温度差の間で更なる温度補償を行うこともできる。それにもかかわらず、加熱−加圧装置の前、それ故後加熱炉の前で、実際の横方向の曲率を測定することが合目的的であり得る。したがって、一緒にまとめて結合した後、かつ、下流の加熱−加圧装置を通過する前に、実際の横方向の曲率を測定することは、本発明の範囲内である。これは、実際の横方向の曲率が、一緒にまとめた後ろで比較的密接して測定され、それにより、制御技術的なデッドタイムまたはデッドレングスが最小限に抑えられるという利点を有する。しかしながら、任意に、再加熱炉の後方、または加熱トレックおよび加圧トレック内、または加熱トレックおよび加圧トレックの後の実際の横方向の曲率を測定し、この測定値を目標とする横方向の曲率に調整することも本発明の範囲内である。しかしながら、任意に、さらに、実際の横方向の曲率は、一緒にまとめることと後加熱炉との間、後加熱炉の後ろ、または加熱トレックおよび加圧トレックの後ろのいずれにおいても実際の横方向の曲率を測定することができ、それによってより高いレベルの制御を実現できることもまた本発明の範囲内である。
【0023】
実際の横方向曲率が公称の横方向の曲率から逸脱している場合に設定される制御変数のための調節値は、数学的モデルを使用して決定することができ、これは、少なくとも、ストリップの厚さ、ストリップの幅、金属ストリップの熱膨張係数および/または金属ストリップ間の温度の差を含む。
【0024】
原理的に、横方向の曲率を補正のために、両方のカバーストリップの温度を変化させることが可能である。しかしながら、ストリップのうちの一つの温度のみを、制御プロセスのための制御変数として使用することで十分である。したがって、例えば、カバーストリップの一つは、予熱装置の稼働によってもたらされた(固定された)温度を有し、そして、横方向の湾曲を回避するために、他の金属ストリップの温度のみがそれに応じて「調整」されるため、この他の金属ストリップの温度を適切に変化させることによって、横方向の曲率が目標とする値、例えば、ゼロに制御される。
【0025】
本発明の対象はまた、記載された種類の複合ストリップまたは複合シートを製造するための装置である。このような装置は、第一の金属ストリップのための少なくとも一つの予熱装置、第二の金属ストリップのための第二の予熱装置、プラスチックウェブの介在下で該金属ストリップを一緒にまとめることのできる少なくとも一つの一緒にまとめる装置を有する。一緒にまとめる装置は、少なくとも二つの(温度制御可能な)ロールを有する、例えば、カレンダーとしての、例えば、圧延装置として設計することができる。本発明による装置は、一緒にまとめる装置の下流に配置された少なくとも一つの横方向の曲率を測定する装置を特徴とし、これにより複合ストリップの実際の横方向の曲率を測定することができる。さらに、実際の横方向の曲率に応じて、一緒にまとめる前および/または一緒にまとめる間の第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度を調整可能な制御装置および/または調整装置が設けられている。
【0026】
この場合、横方向の曲率を測定する装置は、非接触測定装置として設計されることが好ましい。これに関して、(例えば、金属ストリップ処理の分野から)横方向の曲率を測定するための、従来技術から知られている装置を使用することができる。この目的のために、複数のレーザが固定配置された帯域幅にわたって分布された、例えば、レーザ距離測定装置が知られている。あるいは、レーザ距離測定装置は、例えば、スリット上のバンド幅を横断している一つまたは二つ以上のレーザとともに使用することができる。最後に、適切な光学素子を有する少なくとも一つのレーザビームがバンドの上のストリップ走行方向に対して横方向に案内されるレーザ測定装置を使用することも可能である。
【0027】
装置は、好ましくは、一緒にまとめる装置の前および/または一緒にまとめる装置内に、第一の金属ストリップのための第一の温度測定装置および第二の金属ストリップのための第二の温度測定装置を有する。
【0028】
二つの金属ストリップを一緒にまとめる過程でプラスチックウェブを直接導入することによって、プラスチックウェブが、場合によっては、二つの金属ストリップの、一緒に集まるそれらの間のギャップに導入されることは本発明の範囲内である。このように、この第一の実施形態では、金属ストリップと、介在したプラスチックウェブとが同時に一緒にまとめられ、そして、その一緒にまとめることは好ましくは一緒にまとめる装置内で実行され、該装置は、例えば、ニップを形成する少なくとも二つのロール(加熱)を有するローラ装置を備えた、ラミネート装置として形成される。
【0029】
しかしながら、変形された第二の実施形態では、金属ストリップをプラスチックウェブと一緒にまとめることは、少なくとも二つの段階で行うこともできる。この目的のために、一緒にまとめる装置は、好ましくは、プラスチックウェブを第一の金属ストリップ(例えば、下方の金属ストリップ)と一緒にまとめる第一のラミネート装置、および、第二の金属ストリップ(例えば、上方の金属ストリップ)を、第一の金属ストリップ上に、またはそれに配置されたプラスチックウェブと一緒にまとめる第二のラミネート装置を有する。したがって、第一の金属ストリップ(例えば、下方の金属ストリップ)を供給し、プラスチックウェブを第一の金属ストリップと一緒にまとめ、その結果、プラスチックウェブを、例えば、第一の金属ストリップの上に積層することは、本発明の範囲内である。続いて、第二の金属ストリップを供給し、第二のラミネート装置において第二のラミネーションまたは積層プロセスが行われる。横方向の曲率の測定は、この第二の実施形態における第二のラミネート装置の後ろで行われる。
【0030】
プラスチックウェブの介在下で一緒にまとめられた金属ストリップと、それ故に製造された複合材は、好ましくは、加熱装置および/または加圧装置において完成される。この目的のために、加熱−加圧装置は、例えば、一方では加熱装置を別の連続炉または後加熱炉とし、他方では加熱装置の下流に別個の加圧装置を有し、これは、例えば、ロールアセンブリまたはカレンダーによって形成される。この加圧装置には、任意に、さらなる加熱装置および/または冷却装置を接続することができる。この場合、一緒にまとめる装置と加熱加圧装置との間に横方向の曲率を測定する装置を配置することができる。代替的に、または、追加的に、横方向の曲率を測定する装置を加熱−加圧装置の領域に(例えば、加熱後の炉の後ろに)、または加熱−加圧装置の後ろに配置することができる。
【0031】
金属のカバーシートは、0.1mm〜1mmの厚さを有するのが好ましく、0.2mm〜0.6mmがより好ましい。
【0032】
プラスチックの中間層は、例えば、0.05mm〜3mm、例えば、0.3mm〜2mmの厚さを有する。中間層の厚さは、最終製品中の、それ故複合シート内の中間層の厚さを意味する。
【0033】
プラスチックウェブは、好ましくは、プラスチックフィルムとして形成される。プラスチックウェブは、例えば、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはポリアミドからなることができる。この場合、プラスチックまたはプラスチックウェブは、本発明の範囲内で、さらに粒子または同様のもの、例えば、繊維が一緒にまとめられ、それ故に、特に、繊維強化プラスチックまたはプラスチックウェブも意味する。したがって、構成要素としてプラスチックを有するか、またはプラスチックに基づいて製造されるウェブも包含される。ちなみに、カバー層の間にいくつかのプラスチックウェブ、例えば、二つのプラスチックウェブを配置することもできる。
【0034】
適用およびさらなる処理の過程において、それから、より高温での複合ストリップまたは複合シートの処理プロセスの過程、例えば、塗工の範囲でも使用することができるよう、比較的高い融点を有する熱可塑性プラスチックを使用することが好ましい。
【0035】
したがって、200℃を超える、例えば、200℃〜250℃、好ましくは約220℃の溶融温度を有するポリエチレン−ポリアミド化合物−コアをコア層のプラスチックウェブに使用することができる。
【0036】
以下、本発明を一実施形態のみを示す図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、複合ストリップまたは複合シートの単純な断面図を示している。
図2図2は、高度に単純化された概略図における複合ストリップを製造する装置を示している。
図3図3は、図2の装置の変更された実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図2および図3に示す装置では、金属からなる少なくとも一つの下方のカバー層1、金属からなる上方のカバー層2、該カバー層1、2の間に配置された、プラスチックからなる少なくとも一つのコア層3からなる複合ストリップまたはシートを製造することができ、該カバー層1、2は、プラスチックからなるコア層3と材料結合されている(図1参照)。
【0039】
図1によるこのような複合ストリップを製造するために、図2および図3の装置には、下方のカバー層のための第一の金属ストリップおよび上方のカバー層のための上方の金属ストリップ5およびコア層のためのプラスチックウェブ6が設けられている。第一の金属ストリップ4と、第二の金属ストリップ5と、プラスチックウェブ6とは、連続的に一緒にまとめられ、そして、圧力および/または熱の使用下で、連続的に互いに材料結合される。複合ストリップを製造するための本発明による方法のために、金属ストリップ4、5が出発製品として提供される。これらは、例えば、鋼製の金属ストリップ、例えば、電解亜鉛メッキされた、および、場合によってはオイル処理された鋼製ストリップである。しかし、代わりに、アルミニウムまたは他の金属からなるストリップを使用することもできる。好ましくは、このような金属ストリップ4、5は、一方の面に粘着剤を連続的にコーティングすることによって最初に前処理される。そのような措置は図には示されていない。
【0040】
図2および図3に示す装置は、図示しない第一の金属ストリップ4のための少なくとも一つの巻き解き置と、同様に図示しない、第二の金属ストリップ5ための巻き解き装置と、さらには図示しないプラスチックウェブ6のための巻き解き装置とを有する。さらに、完成した複合ウェブのために巻き解き装置を設けることができる。これも図示されていない。
【0041】
さらに、該装置は、第一の金属ストリップ4のための第一の予熱装置7、第二の金属ストリップ5のための第二予熱装置8、および金属ストリップ4、5が、プラスチックウェブ6を介在させて互いに一緒にまとめられ、そして互いに結合される、一緒にまとめる装置9を有する。一緒にまとめる装置9は、カバーストリップ4、5と介在するプラスチックウェブとの間の結合を完成させる加熱−加圧装置10が下流に配置されている。
【0042】
本実施形態では、予熱装置7および予熱装置8は、それぞれ炉、例えば、ストリップフロート炉として設形成されている。これらの炉では、金属ストリップ4、5が所定の温度に予熱される。
【0043】
一緒にまとめる装置9は、図1の実施形態では、上部ロール11と下部ロール12とを有する圧延装置またはカレンダーとして形成され、これらのロール11、12は加熱することができる。加熱−加圧装置10として、図1の実施形態には後加熱炉13のみが示されているが、これはストリップフロート炉として形成することもできる。
【0044】
図2は、本発明の第一の実施形態を示しており、二つの金属ストリップ4、5と、プラスチックウェブ6とが同時に一緒にまとめられて、そして互いに結合されることによって、プラスチックウェブ6は、金属ストリップ4、5を一緒にまとめる過程で直接供給され、かつ、プラスチックウェブはそのために二つの金属ストリップが一緒に走行している、それらストリップの間のギャップに挿入される。
【0045】
なお、追加のストリップ接合装置14を用いてストリップの最初の領域でプロセスを開始するときに、金属ストリップ4、5を装置内で互いに局所的に結合できることが示唆される。このような二つのストリップの接合は、開始プロセスにおいて、特に好ましくは、プラスチックウェブを介在させることなく行われる。結合は、例えば、打ち抜き、リベット止め、クリンチング、溶接および/または接着によって行うことができる。このようなストリップ接合装置は、金属ストリップを製造するためのプロセスラインから知られている。記載された装置では、それらは、接合装置の領域に、または接合装置の後ろおよび加熱装置および/または加圧装置の前に、ストリップの走行方向において任意に配置される。ストリップの開始領域または金属ストリップの一方のストリップの開始領域におけるこの追加の局部的なストリップ接合によって、この領域の剥離は、ラミネートラインをさらに通過する際に回避される。開始プロセスは、全体として最適化することができ、さらに、ラミネートライン、特に対応する加熱トレックおよび場合によっては加圧トレックを通過する際に、プラスチックストリップではなく金属ストリップの連続するアッセンブリの二つの表面が始めから形成されることが保証される。
【0046】
本発明によれば、一緒にまとめる装置9の後ろに横方向の曲率を測定する装置15が続き、これにより一緒にまとめる装置内で製造された複合ストリップの実際の横方向の曲率が測定される。本発明によれば、第一の金属ストリップ4および/または第二の金属ストリップ5の温度制御は、測定された実際の横方向の曲率に依存して、一緒にまとめる前および/または一緒にまとめる間に行われる。したがって、本発明によれば、結果として得られる複合ストリップの横方向の曲率は、適切な手段によってその後除去されるのではなく、横方向の曲率の形成が、金属ストリップの温度制御の適切な影響によって直ちに防止され、具体的には、好ましくは制御技術的手段によって防止される。
【0047】
このために、装置は、第一の金属ストリップ4および/または第二の金属ストリップ5の温度を、実際の横方向の曲率に応じて、一緒にまとめる前および/または一緒にまとめる間に調節する制御装置または調節装置(図示せず)を有する。
【0048】
好ましくは、横断方向の曲率は、閉ループ内で所定の目標とする横方向の曲率に調節され、ここで目標とする横方向の曲率として、好ましくは値0が定められる。制御ループの制御変数として、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度が、一緒にまとめる前または一緒にまとめる間に使用される。その結果、測定の過程で測定された実際の横方向の曲率の偏差が測定の過程で検出された場合、制御装置は、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度が、それに応じて変更されるよう、制御変数のための補正信号を生成する。その結果、測定の過程において測定された実際の横方向の曲率の偏差を、閉ループ制御ループの助けを借りて、実際の横方向の曲率を、所定の目標とする横方向の曲率にすることができる。
【0049】
このような制御プロセスの過程において、温度制御または温度制御の変更、およびそれによりそれぞれの金属ストリップの温度を変更するために、例えば、対応する予熱装置、それ故、関連する炉7および/または8の運転パラメータを調節することができる。
【0050】
あるいは、温度制御または温度制御に変更、およびそれによりそれぞれの金属ストリップの温度を変更するために、一緒にまとめる装置のロール11、12の温度制御を変更または調節できる。
【0051】
結合の過程において、横方向の曲率のない複合ストリップが製造されるように金属ストリップの温度を制御することが常に保証される。
【0052】
この場合、二つの金属ストリップの温度は必ずしも同じである必要はなく、というのも、異なるトレックの炉7、8から排出された後の金属ストリップも、ロール11、12の周囲の巻路も同一ではない。したがって、本発明による方法の範囲では、金属ストリップの絶対温度に、特に、同一温度にではなく、結果として、横方向の曲率のない複合ストリップが結合中に生成されるように、互いに温度を調整するだけで良い。というのも、一緒にまとめる間(カレンダー9内)および/または一緒にまとめた後に、サンドイッチストリップ内の温度が均一になるからである。下方のカバーストリップ4が、ラミネート前に上方のカバーストリップ5よりも冷たい場合、下方のカバーストリップ4はカレンダー9および/または後加熱路13において、上方のストリップに対して加熱され、そして、これにより、上方のカバーストリップ5に相対して下方のカバーストリップ4が長さにおいて伸張する。二つのカバーストリップ間の長さにおける差によって、バレルのように横方向に湾曲するが、本発明によれば、一緒にまとめる前または一緒にまとめる間に、目標とした温度の変化によってそれが回避される。この場合、第一の炉7の下流に第一の温度測定装置16が、そして第二の炉8の下流に第二の温度測定装置17が配置されることは本発明の範囲内である。図2に示す実施形態では、横方向の曲率を測定する装置15は、一緒にまとめる装置9の後ろ、加熱−加圧装置10の前、または加熱炉13の前に配置されている。しかしながら、横方向の曲率を測定する装置15を後加熱炉13の後ろ、または加熱−加圧装置10の後ろに配置することもまた、本発明の範囲内である。
【0053】
図3は、金属ストリップ4、5を、プラスチックウェブ6と一緒にまとめることが二つの段階で行われる、本発明の変更された実施形態を示す。このために、一緒にまとめる装置9は、プラスチックウェブ6が第一金属ストリップ4(例えば、下方の金属ストリップ)と一緒にまとめられる第一のラミネート装置9a、第二の金属ストリップ5(例えば、上方の金属ストリップ)を、第一の金属ストリップ4上に、またはそれに配置されたプラスチックウェブ6と一緒にまとめる第二のラミネート装置9bを有する。第一のラミネート装置9aは、上側ロール11aおよび下側ロール12aを備えた圧延装置またはカレンダーとして設計されている。第二のラミネート装置9bも同様に、上側ロール11および下側ロール12を備えた圧延装置またはカレンダーとして設計されている。予熱装置7、8も同様に設けられている。さらに、第一の金属ストリップ4の第一のラミネート装置9aの後ろの領域には、さらなる加熱装置7’が設けられている。一緒にまとめる装置9、および図示の実施形態における第二のラミネート装置9bの後ろには、横方向の曲率を測定する装置15が配置されており、これは図2に関連して既に説明したように使用される。任意に、この横方向の曲率を測定する装置15は、後加熱炉13の後ろ、後加熱炉13とカレンダー19との間に配置することもできる。
【0054】
それ故、一緒にまとめる装置9の下流に接続された加熱−加圧装置は、図2による実施形態では、例示的に、加熱装置10、例えば、炉13、加圧装置並びに場合によっては更なる加熱装置、例えば、炉13、加圧装置19並びに場合によっては更なる加熱装置20、および場合によっては下流の冷却装置21を有する。任意に、加熱−加圧装置10の下流には、追加の横方向の曲率を測定する装置15’が配置されてもよい。この付加的な横曲率測定装置15’は、制御の目的にのみ使用することができる。しかしながら、代替的に、この追加的な横方向の曲率を測定する装置15’を重畳的な制御のために横方向の曲率を測定する装置15一緒に使用することもまた、本発明の範囲内である。
【0055】
第一の金属ストリップ4は温度測定装置16に割り当てられ、そして第二の金属ストリップ5は温度測定装置17に、同様に割り当てられる。第二金属ストリップ5の領域には、さらなる温度測定装置18が設けられてもよい。
【0056】
図2および図3の実施形態の間に記載された相違にかかわらず、横方向の曲率の制御は、図3の実施形態においても行われ、その場合、測定された実際の横方向の曲率が、所定の目標とする横方向の曲率から逸脱していたときに、制御変数の補正信号が生成され、第一の金属ストリップおよび/または第二の金属ストリップの温度は、一緒にまとめる前または一緒にまとめる間の制御変数に使用される。
【0057】
この場合、原理的には、制御の過程で、第一の金属ストリップの温度制御と、第二の金属ストリップの温度制御の両方に影響を及ぼすことが可能である。しかしながら、好ましくは、制御のための制御変数として金属ストリップのうちの一つ、例えば、上方の金属ストリップの温度のみが使用される。
図1
図2
図3