特許第6857204号(P6857204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6857204情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857204
(24)【登録日】2021年3月23日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20210405BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210405BHJP
【FI】
   G06Q30/02 300
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-53852(P2019-53852)
(22)【出願日】2019年3月20日
(65)【公開番号】特開2020-154883(P2020-154883A)
(43)【公開日】2020年9月24日
【審査請求日】2020年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−083114(JP,A)
【文献】 特開2001−023047(JP,A)
【文献】 特開2002−288482(JP,A)
【文献】 特開2002−259546(JP,A)
【文献】 特許第6431229(JP,B1)
【文献】 特許第6298204(JP,B1)
【文献】 特許第6389310(JP,B1)
【文献】 特許第6370454(JP,B1)
【文献】 特許第6363777(JP,B1)
【文献】 特許第6353141(JP,B1)
【文献】 特許第6351813(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける受付部と、
前記事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し、前記条件情報を提示する提示部と、
前記提示部により提示された条件情報のうち、前記所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する提供部と、
前記提供部により前記利用者情報が提供された場合は、前記利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する設定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記利用者情報に代えて、前記所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報が示す利用者についての統計情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、複数の事業者がそれぞれ個別に登録した利用者情報の条件情報を提示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、前記条件情報のうち、異なる複数の事業者が登録した条件情報を前記所望者が選択した場合は、選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記所望者が選択した複数の条件情報と対応する利用者情報に共通して含まれる利用者情報を前記所望者に提供する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記所望者が選択した複数の条件情報と、当該複数の条件情報と対応する利用者情報に共通して含まれる利用者情報との組の登録を前記所望者から受付ける
ことを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記利用者情報と、前記条件情報と、当該条件情報の提示先に関する条件を示す提示先情報との組の登録を受付け、
前記提示部は、前記所望者が前記組に含まれる提示先情報が示す条件を満たす場合は、当該組に含まれる条件情報を提示する
ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記利用者情報と、前記条件情報と、当該利用者情報を用いた推定処理の精度を示す精度情報との組を受付け、
前記提示部は、前記条件情報と前記精度情報との組を提示する
ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
設定装置が実行する情報処理方法であって、
事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける受付工程と、
前記事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し、前記条件情報を提示する提示工程と、
前記提示工程により提示された条件情報のうち、前記所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する提供工程と、
前記提供工程により前記利用者情報が提供された場合は、前記利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける受付手順と、
前記事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し、前記条件情報を提示する提示手順と、
前記提示手順により提示された条件情報のうち、前記所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する提供手順と、
前記提供手順により前記利用者情報が提供された場合は、前記利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する設定手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の需要を予測する技術が提供されている。例えば、複数の事業者が登録した情報を管理する管理システムにおいて、利用者から受付けた利用目的に対して有用な種別の情報であって、管理対象として登録されていない種別の情報を所有する事業者を特定し、特定した事業者に対して登録を依頼する技術が知られている。また、登録された情報を用いた場合と用いなかった場合とで効果の推定を行い、推定された効果に基づいた報酬を提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6370454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、情報が利用された場合にこの情報提供者に対して適切な報酬を設定することができるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、上記の従来技術では、登録された情報を用いた場合と用いなかった場合とのそれぞれについて、効果の算出を行い、算出された効果に基づいて、情報が有する効果の推定を行う。このように、上記の従来技術では、データサイエンティスト等が利用目的に応じて選択した情報について、効果の推定を行っているに過ぎないため、情報が利用された場合にこの情報提供者に対して適切な報酬を設定することができるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、情報が利用された場合にこの情報提供者に対して適切な報酬を設定することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
本願にかかる情報処理装置は、事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける受付部と、前記事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し、前記条件情報を提示する提示部と、前記提示部により提示された条件情報のうち、前記所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する提供部と、前記提供部により前記利用者情報が提供された場合は、前記利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する設定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、情報が利用された場合にこの情報提供者に対して適切な報酬を設定することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる登録情報データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態にかかる情報処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる情報処理は、図1に示す情報処理装置10によって行われる。
【0012】
図1の説明に先立って、図2を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。実施形態にかかる情報処理システム1は、図2に示すように、情報処理装置10と、事業者サーバ100と、決済サーバ200とを含む。情報処理装置10、事業者サーバ100、決済サーバ200は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム1には、複数台の情報処理装置10や、複数台の事業者サーバ100や、複数台の決済サーバ200が含まれてよい。
【0013】
図1の例では、情報処理装置10は、所定のプラットフォームを介した事業者からの要求に応じて、この事業者とは異なる他の事業者に関する情報(例えば、統計情報)を要求元の事業者のフォーマットに変換して、要求元の事業者に提供する。なお、ここでいうプラットフォームは、所定のサービス(例えば、「プラットフォームサービス」とする)を提供するための環境のことであるものとする。また、所定のプラットフォームは、複数のクラウドサービス(「クラウド」ともいう)等に跨って提供されてもよい。
【0014】
事業者サーバ100は、事業者(例えば、所定の企業)に属するサーバ装置である。事業者サーバ100は、例えば、事業者のクライアント端末から受け付けた情報を後述する情報処理装置10に登録する。また、図1の例では、事業者の一例として、事業者♯1、事業者♯2、事業者♯Xが例示されている。また、実施形態にかかる情報処理装置10を管理する事業者を事業者Yとする。そうすると、図1の例では、事業者♯1、事業者♯2、事業者♯X、事業者Yはそれぞれ異なる事業者である。
【0015】
決済サーバ200は、情報処理装置10により設定された報酬に関する各種決済処理を、例えば、情報処理装置10との間で行うサーバ装置である。
【0016】
ここで、実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、各事業者から当該事業者で収集された情報を受け付け、受け付けた情報と、自社のオリジナルの情報とを組み合わせた所定の情報を、他の事業者に提供するサービスがある。しかしながら、このようなサービスで提供される所定の情報は、必ずしも提供先の事業者(他の事業者)の事業にとって役に立つものであるかどうかはわからない。また、ある事業者の情報を他の事業者に提供する場合には、かかる情報に含まれる利用者の個人情報について十分に配慮されなければならない。
【0017】
以上のような前提および問題点を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置10は、実施形態にかかる情報処理を行う。具体的には、情報処理装置10は、事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける。そして、情報処理装置10は、事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し条件情報を提示することにより、利用者情報の利用を所望する所望者から条件情報の指定を受け付ける。そして、情報処理装置10は、指定された条件情報に基づいて、利用者情報が示す利用者についての統計情報を生成し、生成した統計情報を所望者に提供する。また、情報処理装置10は、このように利用者情報を提供した場合には、利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する。
【0018】
例えば、情報処理装置10は、利用者情報と、条件情報と、当該条件情報の提示先に関する条件を示す提示先情報との組の登録を受付け、所望者が組に含まれる提示先情報が示す条件を満たす場合は、当該組に含まれる条件情報を提示する。提示先に関する条件を示す提示先情報とは、後述する登録情報データベース31に登録される「提示先条件」に対応し、例えば、同業他社に自社の利用者情報が提供されていしまうことを回避させるためのものである。
【0019】
また、例えば、情報処理装置10は、複数の事業者がそれぞれ個別に登録した利用者情報の条件情報を提示する。
【0020】
また、例えば、情報処理装置10は、第1事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報と、当該第1事業者とは異なる第2事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報とを生成する。例えば、情報処理装置10は、第1事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報と、当該第1事業者とは異なる第2事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報とを比較する比較情報を生成し、生成した比較情報を提供する。一例としては、情報処理装置10は、統計情報として、利用者情報が示す利用者の性別の比率を示す情報を生成する。
【0021】
また、例えば、情報処理装置10は、条件情報のうち、異なる複数の事業者が登録した条件情報を所望者が選択した場合は、選択した条件情報と対応する利用者情報に基づき静生成された統計情報を提供する。例えば、情報処理装置10は、所望者が選択した複数の条件情報と対応する利用者情報に共通して含まれる利用者情報に基づき生成された統計情報を所望者に提供する。
【0022】
以下、実施形態にかかる情報処理の一例について手順を追って説明する。図1の例では、事業者♯1を「車両販売店」、事業者♯2を「キャンプ用品店」、事業者♯Xを別の「キャンプ用品店」とする。また、図1の例では、事業者♯1および事業者♯2を、自社(自店舗)の利用者に関する利用者情報を提供する提供元とし、事業者♯Xを利用者情報の利用を所望する所望者とする。
【0023】
このような状態において、情報処理装置10は、事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける(ステップS1)。図1の例では、情報処理装置10は、第1事業者に対応する事業者♯1、および、第2事業者に対応する事業者♯2それぞれが個別に生成したセグメントデータ(利用者情報の一例)と、セグメントを示すセグメント情報(条件情報)との登録を受付ける。
【0024】
セグメント情報およびセグメントデータについて説明する。事業者♯1は「車両販売店」であるため、自店舗において車両を購入した利用者を示す利用者情報を保有している。ここで、事業者♯1は、単に、車両を購入した利用者を示す利用者情報として、例えば、住所氏名一覧といったように、単に個人情報が羅列されたような形式のリストを保有している訳ではなく、「車両♯Aの利用者(購入者)」といったように、利用者を切り合わるための条件を設定したうえで、この切り分けのための条件、ここでは「車両♯Aの利用者」という条件に対して、この条件に属する(この条件を満たす)利用者情報(例えば、住所氏名等の個人情報)を対応付けて保有している。このようなことから、かかる例では、「車両♯Aの利用者」という切り分け条件がセグメント情報に対応し、「車両♯Aの利用者」に属する実際の利用者情報がセグメントデータに対応する。
【0025】
他の一例について説明する。事業者♯1は、「車両♯Bを購入した利用者のうち、車両♯Bについて事前に検索した利用者」といったように、利用者を切り合わるための条件を設定したうえで、この切り分けのための条件、すなわち「車両♯Bを購入した利用者のうち、車両♯Bについて事前に検索した利用者」に対して、この条件に属する(この条件を満たす)利用者情報(例えば、住所氏名等の個人情報)を対応付けて保有している場合もある。このようなことから、かかる例では、「車両♯Bを購入した利用者のうち、車両♯Bについて事前に検索した利用者」という切り分け条件がセグメント情報に対応し、「車両♯Bを購入した利用者のうち、車両♯Bについて事前に検索した利用者」に属する実際の利用者情報がセグメントデータに対応する。
【0026】
事業者♯2についても説明する。事業者♯2は「キャンプ用品店」であるため、自店舗においてキャンプ用品を購入した利用者を示す利用者情報を保有している。ここで、事業者♯2は、単に、キャンプ用品を購入した利用者を示す利用者情報として、例えば、住所氏名一覧といったように、単に個人情報が羅列されたような形式のリストを保有している訳ではなく、「キャンプ用品♯Cの利用者(購入者)」といったように、利用者を切り合わるための条件を設定したうえで、この切り分けのための条件、すなわち「キャンプ用品♯Cの利用者」という条件に対して、この条件に属する(この条件を満たす)利用者情報(例えば、住所氏名等の個人情報)を対応付けて保有している。このようなことから、かかる例では、「キャンプ用品♯Cの利用者」という切り分け条件がセグメント情報に対応し、「キャンプ用品♯Cの利用者」に属する実際の利用者情報がセグメントデータに対応する。
【0027】
このようなことから、図1の例では、事業者♯1は、セグメント情報として「車両♯Aの利用者」を、セグメントデータとして「セグメントデータ♯A1」を情報処理装置10に対して登録している。言い換えれば、情報処理装置10は、セグメント情報「車両♯Aの利用者」、セグメントデータ「セグメントデータ♯A1」の登録を事業者♯1から受け付けている。
【0028】
また、図1の例では、事業者♯2は、セグメント情報として「キャンプ用品♯Cの利用者」を、セグメントデータとして「セグメントデータ♯C1」を情報処理装置10に対して登録している。言い換えれば、情報処理装置10は、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」、セグメントデータ「セグメントデータ♯C1」の登録を事業者♯2から受け付けている。
【0029】
また、図1では不図示であるが、情報処理装置10は、登録されたセグメント情報およびセグメント情報に対応する(条件としてのセグメント情報を満たす)利用者情報を登録情報データベース31に格納する。ここで、図3を用いて登録情報データベース31について説明する。図3は、実施形態にかかる登録情報データベース31の一例を示す図である。図3の例では、登録情報データベース31は、「事業者ID」、「セグメントデータID」、「セグメント情報」、「提示先条件」、「利用者ID」、「行動情報」といった項目を有する。
【0030】
「事業者ID」は、セグメント情報およびセグメントデータを登録した事業者を識別する識別情報を示す。「セグメントデータID」は、「セグメント情報」を識別する識別情報を示す。「提示先条件」は、セグメント情報が提示される提示先に関する条件を示す条件情報であって、どのような提示先であれば自社のセグメント情報が提示されてもよいかを示す条件情報である。「利用者ID」は、「セグメント情報」を満たす利用者を識別する識別情報を示す。「行動情報」は、「セグメント情報」を満たす利用者の利用者情報の一例であって、「セグメント情報」を満たす利用者が行った行動を示す行動情報である。また、図3の例では、不図示であるが、登録情報データベース31には、「利用者ID」に対応付けて、「行動情報」だけでなく「住所氏名」等の個人情報も含まれてよい。
【0031】
すなわち、図3の例では、事業者♯1が、セグメントデータID「SID♯1−1」によって識別されるセグメント情報「車両♯Aの利用者」を登録するとともに、セグメント情報「車両♯Aの利用者」を満たす利用者であって、利用者ID「♯U1」によって識別される利用者の利用者情報として、かかる利用者の「行動情報♯AC1」を登録した例を示す。図3の例では、事業者♯1が、「車両販売業以外」の業種に属する事業者に対してであれば、セグメント情報「車両♯Aの利用者」を提示してよい旨条件付けてる例を示す。
【0032】
図1の説明に戻る。例えば、事業者♯Xが情報処理装置10に対して、他事業者の利用者の提供を要求してきたとすると、情報処理装置10は、事業者♯Xを所望者と認識し、事業者♯Xに対して、これまでに登録されたセグメント情報のうち、所定のセグメント情報を事業者♯Xに提示する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、登録情報データベース31に登録されるセグメント情報のうち、事業者♯Xを提供先とした場合の「提供先条件」を満たすセグメント情報を抽出し、抽出したセグメント情報を事業者♯Xに提示する。なお、情報処理装置10は、登録されたセグメント情報の一覧を提示するだけで、各セグメント情報の登録元の事業者までは提示しなくてもよい。
【0033】
セグメント情報の提示を受けた事業者♯Xは、所望するセグメント情報を構成する1つまたは複数のセグメント情報を推定する(ステップS3)。事業者♯Xは、キャンプ用品店であるため、例えば、セグメント情報「キャンプ好き」が欲しいと考える場合がある。しかしながら、提示されたセグメント情報の中に都合よく、セグメント情報「キャンプ好き」が存在するとは限らない。そこで、事業者♯Xは、提示されたセグメント情報を参照し、どのようなセグメント情報を満たす利用者であれば「キャンプ好き」であるかを推定する。例えば、事業者♯Xは、「車を購入していて、かつ、キャンプ用品を購入した利用者」であれば、「キャンプ好き」であろうと考える。この結果、事業者♯Xは、所望するセグメント情報である「キャンプ好き」に対応するセグメント情報、すなわち所望するセグメント情報を構成するセグメント情報として、例えば、図1のように事業者♯1のセグメント情報「車両♯Aの利用者」、および、事業者♯2のセグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」を推定する。
【0034】
このように推定した結果、事業者♯Xは、提示されたセグメント情報のうち、セグメント情報「車両♯Aの利用者」、および、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」を選択(指定)する。言い換えれば、情報処理装置10は、事業者♯Xからセグメント情報の選択を受け付ける。上記例によると、情報処理装置10は、事業者♯Xから、セグメント情報「車両♯Aの利用者」、および、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」の選択を受け付ける。
【0035】
情報処理装置10は、セグメント情報の選択を受け付けると、選択されたセグメント情報に対応するセグメントデータを特定する。
【0036】
そして、情報処理装置10は、選択されたセグメント情報に属するセグメントデータ、すなわち選択されたセグメント情報に対応するセグメントデータが示す利用者についての統計情報を生成する(ステップS5)。例えば、情報処理装置10は、選択された各セグメント情報に対応する各セグメントデータの統計情報や、選択されたセグメント情報それぞれに対応するセグメントデータに共通して含まれる利用者の統計情報を生成する。情報処理装置10は、例えば、各セグメントデータにどのような傾向(統計)があるかや、各セグメントデータ間にどのような傾向(統計)があるかについての分析を任意の手法を用いて行うことができる。
【0037】
図1の例では、事業者♯1のセグメント情報「車両♯Aの利用者」が選択されたことにより、情報処理装置10は、セグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1を特定する。また、図1の例では、事業者♯2のセグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」が選択されたことにより、情報処理装置10は、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1を特定する。
【0038】
そして、情報処理装置10は、事業者♯1のセグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1や、事業者♯2のセグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1に対して統計分析を行うことで、統計情報を生成する。例えば、情報処理装置10は、事業者♯1のセグメントデータ♯A1が示す利用者についての統計情報と、事業者♯2のセグメントデータ♯C1が示す利用者についての統計情報とを比較する比較情報を生成する。
【0039】
図1の例では、情報処理装置10は、セグメントデータ♯A1を統計分析することにより、セグメントデータ♯A1が示す利用者について、車両♯Aを購入した利用者の男女比「3:1」であるとの統計情報を生成するとともに、車両♯Aを購入した利用者の男女比「3:1」であることを示す統計グラフを生成した例を示す。
【0040】
また、図1の例では、情報処理装置10は、セグメントデータ♯C1を統計分析することにより、セグメントデータ♯C1が示す利用者について、キャンプ用品♯Cを購入した利用者の男女比「1:3」であるとの統計情報を生成するとともに、キャンプ用品♯Cを購入した利用者の男女比「1:3」であることを示す統計グラフを生成した例を示す。
【0041】
また、図1の例では、情報処理装置10は、セグメントデータ♯A1およびセグメントデータ♯C1に共通して含まれる利用者について統計分析することにより、例えば、車両♯Aを購入し、かつ、キャンプ用品♯Cを購入した利用者の男女比「4:5」であるとの統計情報を生成するとともに、車両♯Aを購入し、かつ、キャンプ用品♯Cを購入した利用者の男女比「4:5」であることを示す統計グラフを生成した例を示す。
【0042】
そうすると、情報処理装置10は、ステップS5で生成した統計情報を所望者に提供する(ステップS6)。図1の例では、情報処理装置10は、ステップS5で生成した統計情報として、例えば、ステップS5で説明した統計グラフを所望者である事業者♯Xに提供する。例えば、情報処理装置10は、事業者♯Xの事業者サーバ100を介して、事業者♯Xのクライアント端末へと統計情報を送信する。
【0043】
次に、情報処理装置10は、情報の利用に伴う報酬を、かかる情報を提供(登録)した事業者に対して設定し、設定した報酬を事業者に提供する(ステップS7)。図1の例では、情報処理装置10は、事業者♯1により登録(提供)されたセグメントデータ♯A1、および、事業者♯2により登録(提供)されたセグメントデータ♯C1を用いて統計情報を生成し、生成した統計情報を事業者♯1および事業者♯2とは異なる事業者♯Xに提供している。このようなことから、図1の例では、事業者♯1の利用者情報および事業者♯2の利用者情報が利用されたといえる。したがって、情報処理装置10は、事業者♯1および事業者♯2に対して報酬を設定し、事業者♯1および事業者♯2に対してこの報酬を提供する。
【0044】
なお、情報処理装置10は、どのような報酬を設定してもよい。例えば、情報処理装置10は、報酬として、情報利用料を算出し、算出した情報利用料を提供する。また、情報処理装置10は、利用者情報の価値や、利用者情報の人気度、利用者情報の利用回数に応じた情報利用料を算出し、算出した情報利用料を提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、提供した利用者情報の希少価値が高いと判断される場合には所定額より高い情報利用料を算出したり、利用者情報に対応するセグメント情報の選択回数が多い程高い情報利用料を算出することができる。
【0045】
さて、これまで図1を用いて説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置10は、事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し条件情報を提示することにより、利用者情報の利用を所望する所望者から条件情報の指定を受け付ける。そして、情報処理装置10は、指定された条件情報に基づいて、利用者情報が示す利用者についての統計情報を生成し、生成した統計情報を所望者に提供する。また、情報処理装置10は、このように利用者情報を提供した場合には、利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する。
【0046】
このように、所望者は、条件情報を選択することで、自身では得ることのできない利用者情報として、例えば、事業に生かせそうな統計情報を効果的に得ることができるようになる。つまり、実施形態にかかる情報処理装置10は、事業が行われるうえで有益となる情報を事業者(所望者)に提供することができる。また、情報処理装置10は、個人情報を含むようなセグメントデータをそのまま所望者に提供するのではなく、セグメントデータから統計情報を生成するといったように、セグメントデータを加工したうえで所望者に提供するため、秘密保持を確保しながら実施形態にかかる情報処理を行うことができる。
【0047】
〔2.情報処理バリエーションについて〕
上記実施形態にかかる情報処理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置10の他の実施形態について説明する。
【0048】
〔2−1.セグメントデータについて〕
図1の例では、情報処理装置10が、所望者により選択されたセグメント情報に対応するセグメントデータから統計情報を生成し、生成した統計情報を所望者に提供する例を示した。しかし、情報処理装置10は、セグメントデータそのもの、詳細には事業者により登録されたセグメントデータを加工することなく所望者に提供してもよい。例えば、事業者は、セグメントデータそのものを提供されたくない場合には、「提供先条件」とともに「提供様式条件」等といったものを情報処理装置10に対して設定することができる。例えば、情報処理装置10は、提供様式条件「加工」が設定されたセグメントデータについては、このセグメントデータをそのまま提供することは行わず、必ずこのセグメントデータから生成した統計情報を提供する。
【0049】
〔2−2.統計情報について〕
例えば、情報処理装置10は、セグメントデータのうち、所望者が入力した検索クエリと関連性を有する利用者のセグメントデータを特定し、特定したセグメントデータが示す利用者についての統計情報を生成する。例えば、情報処理装置10は、各事業者の検索履歴を取得可能であるとすると、この検索履歴を用いて、所望者である事業者♯Xが入力した検索クエリを取得ることができる。例えば、情報処理装置10は、事業者♯Xが入力した検索クエリ「ソロキャンプ」を取得したとすると、事業者♯Xが選択したセグメント情報に対応するセグメントデータが示す利用者のうち、検索クエリ「ソロキャンプ」と関連する利用者(例えば、検索クエリ「ソロキャンプ」で検索したことがある利用者)を特定する。そして、情報処理装置10は、事業者♯Xが選択したセグメント情報に対応するセグメントデータのうち、特定した利用者に対応するセグメントデータが示す利用者についての統計情報を生成する。これにより、情報処理装置10は、例えば、ある車両を購入した利用者のうち、「ソロキャンプ」に興味のあり利用者の割合を示す統計情報を提供することができるようになる。
【0050】
また、情報処理装置10は、統計情報として、セグメントデータが示す利用者による行動の周期性を示す情報を生成する。例えば、情報処理装置10は、登録情報データベース31に記憶されるセグメントデータとしての行動情報から行動の周期性が分析された場合には、かかる周期性を示す情報を統計情報として生成する。これにより、情報処理装置10は、例えば、「車両♯Aの利用者は月1でキャンプに行く」といった周期性を示す統計情報を提供することができるようになる。
【0051】
また、情報処理装置10は、統計情報として、セグメントデータが示す利用者が入力した検索クエリの統計的情報を生成する。例えば、情報処理装置10は、登録情報データベース31に記憶されるセグメントデータとしての行動情報(検索行動)から検索クエリの傾向が得られた場合には、検索クエリの傾向を示す情報を統計情報として生成する。これにより、情報処理装置10は、例えば、「車両♯Aの利用者は検索クエリ「シュラフ」で検索する傾向にあり」といった統計情報を提供することができるようになる。
【0052】
〔2−3.登録受付について〕
図1の例では、情報処理装置10が、事業者からセグメント情報やセグメントデータの登録を受け付ける例を示した。しかし、情報処理装置10は、所望者となった事業者から情報登録を受け付ける場合もある。例えば、情報処理装置10は、所望者が選択した複数のセグメント情報と、当該複数のセグメント情報と対応するセグメントデータに共通して含まれるセグメントデータとの組の登録を所望者から受付ける。この点について、図1の例を用いて説明する。
【0053】
ステップS3において、事業者♯Xは、所望するセグメント情報(例えば、「キャンプ好き」)を構成するセグメント情報として、事業者♯1のセグメント情報「車両♯Aの利用者」、および、事業者♯2のセグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」を推定している。このようなことから、セグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1、および、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1の双方に共通して含まれるセグメントデータと、セグメント情報「キャンプ好き」との組は、事業者♯Xが居たからこそ(事業者♯XがステップS3において、事業者♯Xならではの着眼点で推定を行ったからこそ)生じ得た新たな組といえる。
【0054】
このようなことから、情報処理装置10は、セグメント情報「キャンプ好き」と、セグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1、および、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1の双方に共通して含まれるセグメントデータとを対応付けて登録情報データベース31に登録しておくことができれば、今後、他の所望者に対してセグメント情報「キャンプ好き」も提示することができるようになる。つまり、情報処理装置10は、提示候補のセグメント情報を増やすことができる。
【0055】
この容易な利点が生まれることに基づき、情報処理装置10は、セグメント情報「キャンプ好き」と、セグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1、および、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1の双方に共通して含まれるセグメントデータとの組の登録を事業者♯Xから受け付ける。
【0056】
〔2−4.精度情報受付について〕
また、情報処理装置10は、セグメントデータと、セグメント情報と、当該セグメント情報を用いた推定処理の精度を示す精度情報との組を受付けることもできる。例えば、情報処理装置10は、セグメント情報に対応するセグメントデータに基づく統計を推定しているといえる。また、推定処理の精度はセグメント情報に応じて異なる場合がある。したがって、情報処理装置10は、推定処理の精度を示す精度情報と、セグメント情報とを組み合わせて所望者に提示することにより、どのようなセグメント情報を選択すればよいかの参考とさせることができる。例えば、所望者は、精度情報も提示されれば、精度が高いセグメント情報であれば、より有益な情報提供を受けられるだろうといったように、精度情報を参考にセグメント情報を選択し易くなる。
【0057】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態にかかる情報処理装置10について説明する。図2は、実施形態にかかる情報処理装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。例えば、情報処理装置10は、図1で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0058】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、事業者サーバ00、決済サーバ200との間で情報の送受信を行う。
【0059】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部30は、登録情報データベース31を有する。登録情報データベース31については図1で説明したとおりである。
【0060】
(制御部40について)
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0061】
(受付部41について)
受付部41は、事業者から利用者情報の登録を受付ける。具体的には、受付部41は、事業者が所定の条件に基づいて抽出した利用者の利用者情報と、当該所定の条件を示す条件情報との組の登録を受付ける。すなわち、受付部41は、セグメント情報と、セグメントデータとの組の登録を受付ける。また、受付部41は、受け付けた組を登録情報データベース31に格納する。
【0062】
また、例えば、受付部41は、所望者が選択した複数の条件情報と、当該複数の条件情報と対応する利用者情報に共通して含まれる利用者情報との組の登録を前記所望者から受付ける。また、受付部41は、利用者情報と、条件情報と、当該条件情報の提示先に関する条件を示す提示先情報との組の登録を受付ける。また、受付部41は、利用者情報と、条件情報と、当該利用者情報を用いた推定処理の精度を示す精度情報との組を受付ける。
【0063】
このようなことから、受付部41は、例えば、図1に示したステップS1の処理や各バリエーションで説明した受付処理を行う。
【0064】
(特定部42について)
特定部42は、条件情報の選択を受け付けると、選択された条件情報に対応する利用者情報を特定する。例えば、特定部42は、登録情報データベース31を参照し、選択された条件情報に対応する利用者情報を特定する。図1の例によると、特定部42は、事業者♯1のセグメント情報「車両♯Aの利用者」が選択されたことにより、セグメント情報「車両♯Aの利用者」に対応するセグメントデータ♯A1を特定する。また、図1の例では、特定部42は、事業者♯2のセグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」が選択されたことにより、セグメント情報「キャンプ用品♯Cの利用者」に対応するセグメントデータ♯C1を特定する。
【0065】
(生成部43について)
生成部43は、事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者により指定された条件に基づいて、当該利用者情報が示す利用者についての統計情報を生成する。
【0066】
例えば、生成部43は、利用者情報のうち、所望者が入力した検索クエリと関連性を有する利用者の利用者情報を特定し、特定した利用者情報が示す利用者についての統計情報を生成する。また、生成部43は、第1事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報と、当該第1事業者とは異なる第2事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報とを生成する。
【0067】
例えば、生成部43は、第1事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報と、当該第1事業者とは異なる第2事業者が登録した利用者情報が示す利用者についての統計情報とを比較する比較情報を生成する。また、例えば、生成部43は、前記統計情報として、前記利用者情報が示す利用者による行動の周期性を示す情報を生成する。また、例えば、生成部43は、統計情報として、利用者情報が示す利用者の性別の比率を示す情報を生成する。また、例えば、生成部43は、統計情報として、利用者情報が示す利用者が入力した検索クエリの統計的情報を生成する。
【0068】
このようなことから、生成部43は、例えば、図1に示したステップS5の処理や各バリエーションで説明した受付処理を行う。
【0069】
(提示部44について)
提示部44は、事業者が登録した利用者情報の利用を所望する所望者に対し、条件情報を提示する。例えば、提示部44は、複数の事業者がそれぞれ個別に登録した利用者情報の条件情報を提示する。例えば、提示部44は、利用者情報と、条件情報と、当該条件情報の提示先に関する条件を示す提示先情報との組の登録が受付けられている状態において、かかる組に含まれる提示先情報が示す条件を満たす場合は、当該組に含まれる条件情報を提示する。一例としては、提示部44は、条件情報の要求を受信した場合に、要求元の事業者(所望者)に基づいて、登録情報データベース31の「提示先条件」を満たす条件情報を特定する。そして、提示部44は、特定した条件情報を登録情報データベース31し、要求元の事業者(所望者)に提示する。
【0070】
また、提示部44は、利用者情報と、条件情報と、当該利用者情報を用いた推定処理の精度を示す精度情報との組が受け付けられている状態において、条件情報と精度情報との組を提示する。
【0071】
このようなことから、提示部44は、例えば、図1に示したステップS2の処理を行う。
【0072】
(提供部45について)
提供部45は、提示部44により提示された条件情報のうち、所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報を提供する。例えば、提供部45は、利用者情報に代えて、所望者が選択した条件情報と対応する利用者情報が示す利用者についての統計情報を提供する。例えば、提供部45は、生成部43により生成された統計情報を所望者に提供する。例えば、提供部45は、第1事業者が登録した利用者情報に基づく統計情報と、第2事業者が登録した利用者情報に基づく統計情報とをそれぞれ個別に提供する。
【0073】
また、例えば、提供部45は、条件情報のうち、異なる複数の事業者が登録した条件情報を所望者が選択した場合は、選択した条件情報と対応する利用者情報、または、利用者情報に基づく統計情報を提供する。また、例えば、提供部45は、所望者が選択した複数の条件情報と対応する利用者情報に共通して含まれる利用者情報、または、かかる利用者情報に基づく統計情報を所望者に提供する。
【0074】
このようなことから、提供部45は、例えば、図1に示したステップS5の処理や各バリエーションで説明した処理を行う。
【0075】
(設定部46について)
設定部46は、提供部45により利用者情報が提供された場合は、利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する。また、設定部46は、提供部45により統計情報が提供された場合は、当該統計情報を生成する際に利用された利用者情報を登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する。
【0076】
このようなことから、設定部46は、例えば、図1に示したステップS7の処理を行う。
【0077】
〔4.処理手順〕
次に、図4を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。図4は、実施形態にかかる情報処理手順を示すフローチャートである。図4の例では、条件情報をセグメント情報とし、利用者情報をセグメントデータとして説明す。また、図4の例では、セグメントデータそのものが提供されるのではなく、セグメントデータから生成された統計情報が提供されるものとする。
【0078】
まず、受付部41は、セグメント情報の提示を要求する提示要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。受付部41は、提示要求を受け付けていない場合には(ステップS101;No)、提示要求を受け付けるまで待機する。
【0079】
一方、提示部44は、受付部41により提示要求が受け付けられた場合には(ステップS101;Yes)、要求元の事業者、すなわち所望者に基づき、登録されているセグメント情報のうち、提示先条件を満たすセグメント情報を抽出し、抽出したセグメント情報を所望者に提示する(ステップS102)。
【0080】
次に、特定部42は、提示部44により提示されたセグメント情報のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS103)。特定部42は、セグメント情報が選択されなかった場合には(ステップS103;No)、再びステップS101へと戻す。一方、特定部42は、セグメント情報が選択された場合には(ステップS103;Yes)、登録情報データベース31を参照し、選択されたセグメント情報と対応するセグメントデータを特定する(ステップS104)。また、特定部42は、特定したセグメントデータを生成部43に出力する。
【0081】
生成部43は、特定部42により特定された各セグメントデータの統計情報と、各セグメントデータにおいて共通する利用者のセグメントデータの統計情報とを生成する(ステップS105)。
【0082】
次に、提供部45は、生成部43により生成された統計情報を所望者に提供する(ステップS106)。また、図4では、不図示であるが、設定部46は、提供部45により統計情報が提供されたことに応じて、統計情報が生成される基となったセグメントデータを登録した事業者に対して、所定の報酬を設定する。
【0083】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置10は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置10を例に挙げて説明する。図5は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0084】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0085】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0086】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0087】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0088】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部30内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0089】
〔6.その他〕
上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0090】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0091】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0092】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
30 記憶部
31 登録情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 特定部
43 生成部
44 提示部
45 提供部
46 設定部


図1
図2
図3
図4
図5