(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反対側の足下空間は凹部を有する形状であり、前記凹部は、前記ベッド位置において、前記シートパンクッションの一部が前記凹部に延在することを許容するよう構成されている請求項1に記載の座席ユニット。
更に、前記シートパンクッションの一部を低くして前記シートパンクッションの一部が前記反対側の足下空間の下に延在するように構成された付加的な運動機構を備えている請求項1に記載の座席ユニット。
前記各座席が、乗客による付加的な調整なく前記座席位置と前記ベッド位置との間で変位するとき、前記シートパンクッションは、前記乗客の臀部の下に位置付けられている請求項1に記載の座席ユニット。
前記ベッド位置において水平なベッド面を形成するために、前記反対側の足下空間は、前記シートパンクッションの端部と同一面上に位置付けられた端部を有する下面を含む請求項1に記載の座席ユニット。
前記上部シートバッククッション及び前記下部シートバッククッションは、前記各座席が前記座席位置にあるときは、前記上部シートバッククッション及び前記下部シートバッククッションの端部間に位置付けられた隙間によって分離され、前記各座席が前記ベッド位置にあるときは、前記上部シートバッククッション及び前記下部シートバッククッションの前記端部が互いに同一面上にある請求項6に記載の座席ユニット。
前記枢動機構は、前記下部シートバッククッションの後縁と前記アームレストの後縁とに連結され、前記アームレストの前記後縁を円弧に沿って移動させて、前記下部シートバッククッションの前縁と前記アームレストの前縁との間に枢動軸を形成するように構成されている請求項8に記載の座席ユニット。
前記アームレストの展開角は、前記各座席が直立位置又はリクライニング位置にあるときに前記アームレストが略水平な向きになるように調整可能である請求項8に記載の座席ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、直立又はリクライニング位置では分離されている複数の背中クッションを利用し、一方、直立位置及びリクライニング位置と同様にベッド位置でもシートパンクッションが乗客の臀部の下に位置し続けられるベッド面を形成するために両方の背中クッションを活用するベッド位置も利用して、複数の座席方向に対応するように設計された座席ユニットを提供するのが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本特許において使用される「発明」、「本発明」、「この発明」及び「本発明」という用語は、本特許の主題及び以下の特許請求項のすべてを広く指すことを意図している。これらの用語を含む文章は、本書に記載される主題を限定しない、又は以下の特許請求項の意味若しくは範囲を限定しないと理解されるべきである。本特許が取り扱う本発明の実施形態は、この概要ではなく、以下の請求項により定義される。この概要は、本発明の多様な態様の高度な概略であり、以下の詳細な説明の章で、更に記載される概念のいくつかを紹介する。この概要は、請求される主題のカギとなる又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図していない。主題は、本特許の明細書全体の適切な部分、全ての図面、及び各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0009】
本発明の特定の実施形態によると、座席ユニットは、上部シートバッククッション、下部シートバッククッション、及びシートパンクッションを備える少なくとも1つの座席を含み、少なくとも1つの座席は、座席位置とベッド位置との間を変位するように構成され、上部シートバッククッション及び下部シートバッククッションは、少なくとも1つの座席が座席位置にあるときは、上部シートバッククッション及び下部シートバッククッションの端部間に位置付けられた隙間によって分離され、少なくとも1つの座席がベッド位置にあるときは、これらのクッションの端部は、互いに同一面上にあり、少なくとも1つの座席は、乗客が座席ユニットの長手方向軸に対して角度をつけた方向に体を向けて座り得る幅を有し、上部シートバッククッションと下部シートバッククッションとの間の隙間は、乗客が長手方向軸に対して角度をつけた方向に体を向けて座るときに、乗客が下部シートバッククッションの上面をアームレストとして使用することを許容し得る。
【0010】
特定の実施形態では、シートパンクッションは、少なくとも1つの座席が乗客による付加的な調整なく座席位置とベッド位置との間を変位するとき、乗客の臀部の下に位置付けられている。
【0011】
いくつかの実施形態では、座席ユニットは、更に、ベッド位置において水平なベッド面を形成するために、シートパンクッションの端部と同一面上になるように位置付けられた端部を有する下面を含む少なくとも1つの足下空間を備えている。
【0012】
座席ユニットは、更に、互いに対面するように配置され、座席ユニットの長手方向軸に対して互いに実質的に横方向に並んでいる2つの座席と、相反する方向に向かい合うように配置された2つの足下空間とを含み、それによって、各足下空間の開口部を、足下空間の開口部に面する2つの座席のうちの1つに座っている乗客が利用することができる。いくつかの実施形態では、2つの座席のうちの1つのシートパンクッションの一部は、その座席に逆向きの開口部を有する足下空間の下の凹部に収まる。
【0013】
いくつかの実施形態では、座席ユニットは、更に、枢動(ピボット)機構によって下部シートバッククッションに枢動自在に連結されたアームレストを備えている。この枢動機構は、下部シートバッククッションの後縁とアームレストの後縁とに連結され、アームレストの後縁を円弧に沿って移動させて、下部シートバッククッションの前縁とアームレストの前縁との間に枢動軸を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アームレストの展開角は、少なくとも1つの座席が直立位置又はリクライニング位置にあるときにアームレストが略水平な向きになるように調整可能である。枢動機構は、アームレストの展開角を維持するために、摩擦ヒンジ又はラチェット機構を備え得る。いくつかの実施形態では、アームレストが下部シートバッククッションと同じクッション厚さを有するように枢動機構が位置づけられることが可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、座席ユニットは、更に、少なくとも1つの座席に隣接する場所に枢動自在に連結され、少なくとも1つの座席から離れるように枢動して少なくとも1つの座席にアクセスするための付加的スペースをもたらすように構成されたクローゼットを備えている。
【0015】
本発明の特定の実施形態によると、座席ユニットは、上部シートバッククッション及び下部シートバッククッションを備えた少なくとも1つの座席を含み、少なくとも1つの座席は、直立位置、リクライニング位置、及びベッド位置の間を変位するように構成され、上部シートバッククッション及び下部シートバッククッションは、少なくとも1つの座席が直立位置及びリクライニング位置にあるときは、上部シートバッククッション及び下部シートバッククッションの端部間に位置付けられた隙間によって分離され、両クッションの端部は、少なくとも1つの座席がベッド位置にあるときに、互いに同一面上にあり、下部シートバッククッションは、直立位置及びベッド位置では、上部シートバッククッションと略平行であり、下部シートバッククッションは、リクライニング位置では、上部シートバッククッションに対して角度をなしており、少なくとも1つの座席は、乗客が座席ユニットの長手方向軸に対して角度をつけた方向に体を向けて座り得る幅を有し、上部シートバッククッションと下部シートバッククッションとの間の隙間は、乗客が長手方向軸に対して角度をつけた方向に体を向けて座るときに、乗客が下部シートバッククッションの上面をアームレストとして使用することを許容し得る。
【0016】
いくつかの実施形態によると、座席ユニットは、更に、枢動機構によって下部シートバッククッションに枢動自在に連結されたアームレストを備えている。枢動機構は、下部シートバッククッションの後縁及びアームレストの後縁に連結されて、下部シートバッククッションの前縁とアームレストの前縁との間に枢動軸を形成し得る。いくつかの実施形態では、アームレストの展開角は、少なくとも1つの座席が直立位置又はリクライニング位置にあるときに、アームレストが略水平な向きになるように調整可能である。枢動機構は、アームレストの展開角を維持するために、摩擦ヒンジ又はラチェット機構を備え得る。いくつかの実施形態では、アームレストが下部シートバッククッションと同じクッション厚さを有するように位置づけられることが可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、座席ユニットは、更に、少なくとも1つの座席に隣接する場所に枢動自在に連結され、少なくとも1つの座席から離れるように枢動して少なくとも1つの座席にアクセスするための付加的スペースをもたらすように構成されたクローゼットを備えている。
【0018】
本発明の特定の実施形態によると、座席ユニットは。枢動機構によって下部シートバッククッションに枢動自在に連結されたアームレストを含む下部シートバッククッションを備えた少なくとも1つの座席を含み、枢動機構は、下部シートバッククッションの後縁とアームレストの後縁とに連結され、アームレストの後縁を円弧に沿って移動させて、下部シートバッククッションの前縁とアームレストの前縁との間に枢動軸を形成するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、アームレストの展開角は、少なくとも1つの座席が直立位置又はリクライニング位置のときにアームレストが略水平な向きになるように調整可能である。枢動機構は、アームレストの展開角を維持するために、円弧状のレール及び/又は摩擦ヒンジ若しくはラチェット機構を備え得る。特定の実施形態では、枢動機構の場所のために、アームレストは、下部シートバッククッションと同じクッション厚さを有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態を、以下の図面を参照しながら記載する。
【
図1】本発明の特定の実施形態に係る、完全に直立した位置にある座席ユニットの斜視図である。
【
図2】本発明の特定の実施形態に係る、完全に直立した位置にある座席ユニットの斜視図である。
【
図3】完全にリクライニングした位置にある
図2の座席ユニットの斜視図である。
【
図4】ベッド位置にある
図2の座席ユニットの斜視図である。
【
図5A】本発明の特定の実施形態に係る、完全に直立した位置にある座席ユニットの斜視図である。
【
図5B】完全にリクライニングした位置にある
図5Aの座席ユニットの斜視図である。
【
図5C】ベッド位置にある
図5Aの座席ユニットの斜視図である。
【
図6A】本発明の特定の実施形態に係る、完全に直立した位置にある座席ユニットの斜視図である。
【
図6B】完全にリクライニングした位置にある
図5Aの座席ユニットの斜視図である。
【
図6C】ベッド位置にある
図5Aの座席ユニットの斜視図である。
【
図7A】本発明の特定の実施形態に係る、ベッド位置にある2つの対面する座席を含む座席ユニットの斜視図である。
【
図8】本発明の特定の実施形態に係る、足下空間の下のシートパンクッションの一部の位置を示すベッド位置にある座席ユニットの斜視図である。
【
図9A】本発明の特定の実施形態に係る、下部シートバッククッションに枢動自在に連結され、展開位置にあるアームレストを有する座席ユニットの斜視図である。
【
図9B】格納位置にあるアームレストを有する
図9Aの座席ユニットの斜視図である。
【
図10A】本発明の特定の実施形態に係る、完全に直立した位置にある座席ユニットと、展開位置にあるアームレストとを備えた座席ユニットの運動機構を例示する側面図である。
【
図10B】完全にリクライニングした位置にある座席ユニットと、展開位置にあるアームレストとを備える
図10Aの座席ユニットの側面図である。
【
図11A】本発明の特定の実施形態に係る下部シートバッククッションとアームレストの斜視図であって、下部シートバッククッションは完全に直立した位置にあり、アームレストは格納位置にある。
【
図11B】
図11Aの下部シートバッククッションとアームレストの斜視図であって、下部シートバッククッションは完全に直立した位置にあり、アームレストは展開位置にある。
【
図11C】
図11Aの下部シートバッククッションとアームレストの斜視図であって、下部シートバッククッションは完全にリクライニングした位置にあり、アームレストは展開位置にある。
【
図11D】
図11Aの下部シートバッククッションとアームレストの斜視図であって、下部シートバッククッションは完全に直立した位置にあり、アームレストはロック解除位置にある。
【
図12A】本発明の特定の実施形態に係る、アームレストを下部シートバッククッションに連結するために使用される枢動機構の斜視図であって、枢動機構は展開位置にある。
【
図13】本発明の特定の実施形態に係る、枢動するクローゼットを備えた座席ユニットの斜視図である。
【
図14】クローゼットが開いた位置にある
図13の座席ユニットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態の主題は、法令要件を満たすために特定してここに記載されているが、この記載は請求項の範囲を限定することを必ずしも意図していない。請求されている主題は、他の方法で実施されてもよく、異なる要素又はステップを含んでもよく、他の既存又は将来の技術と併せて使用されてもよい。この記載は、個々のステップの順序又は要素の配置が明示的に記載されている場合を除き、各種ステップ又は要素間の特定の順序又は配置を暗示すると解釈されるべきでない。
【0022】
座席ユニットの実施形態は、航空機客室を参照して記載されているが、決してそのように限定されるものではない。実際のところ、座席ユニットは、如何なるタイプの輸送機器客室又はその他所望の機器と共に使用されてよい。
【0023】
本発明の特定の実施形態によると、
図1から
図14に例示されるように、座席ユニット10は、少なくとも1つの座席12と、少なくとも1つの足下空間14とを備え、座席12は、足下空間14内の開口部16に面するように配置されている。
【0024】
各座席12は、上部シートバッククッション32、下部シートバッククッション34、シートパンクッション36、及び任意にレッグレストクッションを備え、これらはシェル40によって部分的に囲まれている。さらに、各座席12は、完全に直立した位置(
図1−
図2、
図5A、
図6A、
図9A−
図9B、及び
図10Aに最も良く例示)から、完全にリクライニングした位置(
図3、
図5B、
図6B、及び
図10Bに最も良く例示)及び飛行中は略水平なベッド位置(
図4、
図5C、
図6C、
図7A−
図7B、及び
図8に最も良く例示)までの範囲の間で座席位置を変更するように構成されている。
【0025】
座席位置(「TTL」又は地上走行、離陸、着陸位置とも称される)では、上部シートバッククッション32は、下部シートバッククッション34より隙間56だけ上の若干離間又は分離した場所に、シェル40の後壁44に隣接して位置付けられている。隙間56は、下部シートバッククッション34の上にアームレストをもたらすように構成されている。
1.座席運動機構(Seat Kinematics)
【0026】
図5A−
図5C及び
図6A−
図6Cに最も良く例示されるように、上部シートバッククッション32は、運動機構(kinematics)によって下部シートバッククッション34に連結されており、この運動機構は、上部シートバッククッション32と下部シートバッククッション34との間の隙間56を閉ざして、上部シートバッククッション32が下部シートバッククッション34に接触するまで上部シートバッククッション34を下ろすことによって、座席12をベッド位置に変更するように構成されている。この運動機構は次に、シートパンクッション36を足下空間14の方へ変位させ、シートバッククッション34、32を回転させてシートパンクッション36に隣接する水平な位置に移行させ、それによって、クッションが互いに隣接した位置になり、その結果、ベッド位置の略水平なベンド面42を形成する。したがって、運動機構は、ベッド位置と座席位置との間のスムーズな変位をもたらし、乗客は、ベッド位置に変位する際に脚を伸ばし、座席位置に変位する際に脚を曲げる以外は、座席12上の位置を調整する必要がない。
【0027】
いくつかの実施形態では、運動機構はまた、レッグレストクッション38を略水平な位置に持ち上げるように構成されることもあり、それによって、レッグレストクッション38もベッド面42の一部を形成し得る。しかし、他の実施形態では、レッグレストクッション38は、ベッド面42より下の格納位置に留まることもあり得る。
【0028】
これらの実施形態では、上部シートバッククッション32の高さを調整する運動機構は、リクライニング角度範囲において適切な背中支持を提供するために、(シートバッククッション32、34が互いに隣接した位置にある間に)シートバッククッション32、34の角度位置を調整することも可能であり、それは、上部シートバッククッションがシェル40の後壁44の固定位置に固定されている場合は、可能ではない。
【0029】
例えば、
図5Aから
図5Cは、座席12を座席位置とベッド位置との間で変位させる運動機構の特定の実施形態を例示する。
図5Aでは、座席12は完全に直立した位置にあり、上部シートバッククッション32と下部シートバッククッション34との間の隙間56は、最大であり、完全に直立した位置では50mmから400mmの範囲であり得る。
図5Bでは、座席12はリクライニングした座席位置にあり、この位置では隙間56は、より小さい。完全にリクライニングした位置では、隙間56は0mmから400mmの範囲であり得る。最後に、
図5Cでは、座席はベッド位置にあり、クッション32,34を互いに同一平面にすることによって、隙間56は排除されている。
【0030】
図6Aから
図6Cでは、運動機構は、上部シートバッククッション32と下部シートバッククッション34に異なる起こし角度を与えるように構成されている。例えば、
図6Aでは、座席12は完全に直立した位置にあり、隙間56は最大位置にあり(完全に直立した位置では50mmから400mmの範囲であり得)、クッション32、34は略同一平面(
図5Aと略同じ位置)に配置されている。しかし、
図6Bでは、上部シートバッククッション32が下げられ、それによって、隙間56がより小さい(完全にリクライニングした位置では0mmから400mmの範囲)が、上部シートバッククッション32は
図6Aと略同じ縦の向きを保っており、下部シートバッククッション34は、上部シートバッククッション32に対し角度αだけ角度をなし、この角度は1度から30度の範囲であり得る。下部シートバッククッション34の角度のついた位置により、リクライニング位置で利用可能なスペースが増大する。最後に、
図6Cでは、座席はベッド位置にあり、隙間56が除去されており、クッション32、34は再び略同じ平面(
図5Cと略同じ位置)に配置されている。
【0031】
特定の実施形態では、運動機構は、リクライニング位置の下部シートバッククッション34の角度を、
図5Bに示される位置と
図6Bに示される位置との間、又はその他任意の適切な範囲の角度に調整する選択肢を提供し得る。
2.重なり合う座席配置
【0032】
特定の実施形態では、
図3−
図4、
図7A―
図7B、及び
図13−
図14に例示されるように、座席ユニット10は、2つの座席12を含み得、座席12は互いに対面するように配置され、仕切り18が座席12の間に位置付けられている。各座席12は、座席ユニット10の長手方向軸Yに対して他方の座席12と実質的に横方向に並ぶように配置され得る。座席ユニット10は2つの座席12を参照して論じられるが、決してそのように限定されてはいない。例えば、特定の実施形態では、座席ユニット10は、1つの足下空間14を備えた1つの座席12を含み得る。
【0033】
各足下空間14は、固定された下面20と垂直方向側面22,24を備えている。特定の実施形態では、各足下空間14の垂直方向側面22は、仕切り18の外壁の少なくとも一部を形成し得る。その結果、垂直方向側面22は、客室の長手方向軸に略平行に配置され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、2つの足下空間14が同じ内側垂直方向側面24を共有する。この側面24は、各足下空間14の横方向の寸法が相手側座席12に、より近い開口部16でより幅広くなり、足下空間14の反対側端部で、より狭くなるように、横方向に角度がつけられ得る。
【0035】
各足下空間14は、更に、上面26と後面28に囲まれ得る。各足下空間14の上面26は、反対側の座席12(即ち、足下空間14内の開口部16にアクセスすることができない座席12)に座っている乗客のためのテーブル上面、作業面、ダイニング面、カクテルテーブルまたは他の使用可能な面としても役立ち得る。上面26と後面28によって囲まれている足下空間14の部分は、反対側の座席12に座っている乗客が占めるスペースに延在し得る。座席ユニット10内の各乗客に割り当てられたスペースは、更に、足下空間14の上方に延在する仕切り18の一部を形成する上部壁30によって分離され、モニター、その他電子装置を載せるための、及び/又はその他収納区画としての場所を提供し得る。
【0036】
各足下空間14の固定された下面20は、密閉部分の下面を形成し、密閉部分と上部壁30を超えて相手側座席12に座っている乗客のスペースに延在するように構成され得る。側面22及び24も、相手側座席12に座っている乗客のスペースに同様の距離だけ延在するように構成され得る。
【0037】
各足下空間14の固定された下面20は、ベッド位置においてレッグレストクッション38と実質的に整列し整合する高さに位置付けられており、それによって、固定された下面20、レッグレストクッション38、シートパンクッション36、及びシートバッククッション34、32の組合せが、座席ユニット10内で各座席12に割り当てられた利用可能なスペースの略すべてを利用するベッド面42を形成する。
【0038】
第2の足下空間14(相手側座席12に向かって開口部16を有するように位置付けられている)が、座席12に座っている乗客が占めるスペースに延在する実施形態では、ベッド位置になると、シートパンクッション36の一部が第2の足下空間14の下に位置付けられ得る。この配置を達成するには、
図7A−
図7B及び
図8に最も良く例示されるように、足下空間14は凹部60を有する形状とし、ベッド位置では、この凹部にシートパンクッション36の一部を延在させるように構成してもよい。他の実施形態では、付加的な運動機構を使用してシートパンクッション36の一部を低くし、それによって、シートパンクッション36の一部が第2の足下空間14の下に延在するようにしてもよい。
3.アームレスト統合
【0039】
図1に最も良く例示されるように、座席12は、従来のビジネスクラス乗客用座席より幅が広く、この一層広い幅によって、乗客は複数の向きに座ることができる。例えば、乗客は、座席ユニット10の長手方向軸Yに略平行な方向に体を向けて座り得るし、あるいは、乗客は、座席ユニット10の長手方向軸Yに対して角度をつけた(又は略直角であってもよい)方向に体を向けて座り得る。
【0040】
多様な座席配置の選択肢に対応するために、アームレスト50用の多様な場所が座席12に組み入れられている。
【0041】
まず、上記に記載されたように、乗客が長手方向軸Yに対して角度をつけて座った場合、上部シートバッククッション32と下部シートバッククッション34との間の隙間56により、アームレストとして下部シートバッククッション34の上面を使用することができる。
【0042】
さらに、あるいはその代わりに、
図1から
図4に例示されるように、アームレストクッション50を、ヘッドレストクッション46とは少し離間し、その下にある、シェル40の一方又は両方の側壁48に位置付けてもよい。1つ又は両方のアームレストクッション50は、座席12が直立位置にある場合、下部シートバッククッション34の高さと実質的に並ぶ高さに位置付けられてもよいし、又は必要若しくは所望による異なる高さであってもよい。
【0043】
特定の実施形態では、
図8、
図9A−
図9B、
図10A−
図10B、
図11A−
図11D、及び
図12A−
図12Bに最も良く例示されるように、少なくとも1つの調整可能なアームレスト62は、付加的なアームレスト支持選択肢を提供するために、下部シートバッククッション34に組み込まれ得る。アームレスト62は、下部シートバッククッション34と略同一平面で格納するように構成されているため、アームレスト62は、アームレスト62の前縁66と下部シートバッククッション34の前縁68とが合わさる場所に位置付けられた枢動軸64に隣接して、下部シートバッククッション34に枢動自在に連結されているように見える。
【0044】
枢動機構70は、枢動軸64には設けられない。それは、枢動機構70が枢動軸64にあると、特に座席12がベッド位置にあるとき、アームレスト62の表面を通して容易に感知できる硬い物体を形成するからである。そのため、枢動機構70は、アームレスト62及び下部シートバッククッション34の反対側で、アームレスト62の後縁72と下部シートバッククッション34の後縁74とが合わさる場所に位置付けられ得る。枢動機構70をアームレスト62及び下部シートバッククッション34の背後に設置することによって、アームレスト62は、下部シートバッククッション34と同じ厚さとクッションを有し、ベッド位置の座席12の乗客がアームレスト62又は下部シートバッククッション34上に横になっているか否かに関わりなく、快適な経験を乗客に提供する。
【0045】
後縁位置を使用して前縁枢動軸64を創出するには、アームレスト62の後縁72を円弧に沿って仮想枢動軸64を中心として移動させる円弧状のレール76を伴って枢動機構70を構成してもよい。レール76は、下部シートバッククッション34の支持体上の固定された場所に連結し、かつレール76の下端部96が下部シートバッククッション34の後縁74に隣接して位置付けられるように位置付け得る。
【0046】
アームレスト62を枢動機構70に連結するために、支持板80をアームレスト62の下面82に固定連結するとともに基板92に摺動連結してもよい。いくつかの実施形態では、基板92は、レール76の枠組み上の枢支位置94に枢動自在に連結し得る。支持板80も、アームレスト62の後縁72に隣接した場所で、少なくとも1つの円弧状のアーム86の第1端部84に連結し得る。
【0047】
突起88は、アーム86の第2の端部90に連結されてもよいし、又は第2の端部90から延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、突起88は、一組のアーム86の第2の端部90の間に位置付けられ得る。アーム86は、レール76内に突起88を位置付けることによってレール76に連結され得る。
【0048】
特定の実施形態では、アーム86とレール76の形状は、相補的であるため、突起88がレール76の上端部98に位置付けられる場合、アーム86は、レール76に実質的に沿って位置付けられる。当業者は、アームレスト62の所望の回転運動をもたらす他の適切な形状をしたアーム86とレール76を使用し得ると理解するであろう。
【0049】
格納位置では、
図8、
図9B、及び
図11Aに例示されるように、突起88は、レール76の上端部98に隣接して位置付けられ、そうすることが次にアーム86をレール76に実質的に沿って位置付け、それによって、アームの第1端部84(及びアームレスト62の後縁72)は、レール76の下端部96(及び下部シートバッククッション34の後縁74)に並行して位置付けられる。格納位置では、基板92も、下部シートバッククッション34の位置に略平行な位置に回転し、支持板80は、枢支位置94に実質的に隣接して位置付けられる。
【0050】
アームレスト62を
図9A、
図10A−
図10B、
図11B−
図11Cに例示される展開位置の1つに展開するには、アームレスト62を格納位置から座席12の前部の方へと回転させる。この前方回転をすると、突起88は、レール76に沿ってレール76の下端部96の方へ移動する。この移動はまた、アーム86をレール76から離れて座席12の前部の方へ移動させ、その結果、レール76とアーム86との組み合わせた円弧全長を延長する。特定の実施形態では、レール76の上端部98と下端部96との間の円弧長は、約90度であるが、60度から120度の範囲であり得る。
【0051】
アームレスト62の前方移動はまた、基板92を下部シートバッククッション34の部分に略平行な位置から離れる前方方向に回転させる。しかし、基板92は、固定された枢支位置94を中心として回転し、支持板80は、アーム86の前方角運動を介して移動しているので、支持板80は枢支位置94から離れて基板92に沿って前方へスライドする。基板92は、支持板80の実質的な平面に沿って延在し続けるように成形されているので、アームレスト62は、基板92に支持され安定が保たれる。
【0052】
アームレスト62を所望の展開位置のいずれかに保持するために、摩擦ヒンジ(又は任意の適するラチェット機構)100を枢支位置94に組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、装置100は、装置100がロック解除位置(
図11Dに図示)に達するまで後方方向に装置100を移動させるために必要なヒンジ抵抗トルクを克服するための過剰なトルクを要するが、装置100を前方方向へ移動させるために要するトルクをなくすように設計され得る。ロック解除位置では、装置100は、装置100が格納位置に戻ってしまうまで装置100を後方方向に移動させるために要するトルクがない位置に展開される。他の実施形態では、アームレスト62は、固定機構、調整可能な締結具、又はボタン機構を含むがそれに限らない多様な機構による調整の後に正しい位置に固定され得る。
【0053】
アームレスト62は、また、下部シートバッククッション34のリクライニング位置範囲に対応するために、展開位置範囲を有するように構成される。例えば、アームレスト62は、略水平な方向に維持されるのが望ましいので、枢動機構70は、アームレスト62と下部シートバッククッション34との間の展開角が、異なるリクライニング位置に対応するために調整できるように構成される。つまり、
図10Aに例示されるように、直立位置では、アームレスト62は下部シートバッククッション34と展開角βを成し、展開角βは60度から100度の範囲であり得る。
図10Bに例示されるように、完全にリクライニングした位置では、アームレスト62は下部シートバッククッション34と展開角γを成し、展開角γは35度から95度の範囲であり得る。
4.ヘッドレストのデザイン
【0054】
図1から
図4に例示されるように、シェル40は、更に、シェル40の一方又は両方の側壁48に位置付けられた少なくとも1つのヘッドレストクッション46を備えていてもよい。ヘッドレストクッション46は、上部シートバッククッション32の完全に起立した高さと垂直に並んでいてもよい、又は必要若しくは所望に応じて異なる高さであってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、シェル40は、一方の側壁48のみを備え、及び/又は以下に更に詳細に記載されるアームレストクッション50の場所のように、一層低い高さにのみ延在する第2の側壁48を備えてもよい。いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、両方の側壁48が一層低い高さに短縮され得る。
【0056】
一方又は両方の側壁48の高さをなくす及び/又は最低限に抑えると、座席ユニット10の重量を低減するのに役立つであろう。例えば、第2の側壁48の場所が客室の壁に隣接する実施形態では、側壁48の追加的構造上の分離及び/又は十分な高を必要としない。
【0057】
これらの実施形態では、ヘッドレストクッション46は、シェル40の後壁44から延在する突出部分58を介してシェル40に装着し得る。突出部分58は、後壁44からヘッドレストクッション46が位置付けられるスペースに延在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、短縮された側壁48の上方に位置付けられ得る。
5.クローゼット
【0058】
特定の実施形態では、
図13及び
図14に示されるように、座席ユニット10は、各座席12にクローゼット52を備えている。クローゼット52は、各座席12の一方又は両方の側壁48、例えば、客室の通路54に隣接する側壁48に隣接して位置付けられてもよい。これらの実施形態では、クローゼット52は、側壁48全体を構成してもよい、又は側壁48の外面に装着されるのみであってもよい。
【0059】
特定の実施形態では、クローゼット52は、(ドアに類似)通路54側へ枢動するように構成され、通路から座席12へアクセスするための付加的スペースをもたらし、体の不自由な乗客には特に有用である。クローゼット52は、付加的なアクセススペースが必要とされるまで定位置にロックされるヒンジに取り付けられる。
【0060】
図示された又は上記に記載された構成部品、並びに図示も記載もされていない構成部品及びステップの異なる配置は可能である。同様に、いくつかの特徴及び副次的組合せは、有益であり、他の特徴及び副次的組合せを参照することなく使用し得る。本発明の実施形態は、限定目的ではなく、例示を目的として記載されており、代替実施形態が本特許の読者には明らかとなるであろう。したがって、本発明は、上記に記載された又は図示された実施形態に限定されず、多様な実施形態及び改変が、以下の請求項の範囲から逸脱しない範囲でなされ得る。