(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の装置であって、更に、前記ペアレント・ビデオ・コンテンツと前記1つ以上のチャイルド・ビデオ・コンテンツとを表示するように構成されたディスプレイを含む、装置。
請求項3記載の装置において、前記チャイルド・ビデオ・コンテンツの一時保存が、前記ペアレント・ビデオ・コンテンツが一時保存され終えると直ちに開始される、装置。
請求項1記載の装置であって、更に、前記ペアレント・ビデオ・コンテンツと前記チャイルド・ビデオ・コンテンツとの間で切り替えるように構成された切り替えインターフェースを含む、装置。
請求項1記載の装置であって、更に、複数のビデオ・フォーマットを同時に前記サーバからストリーミングし、これらを前記ビデオ・プレーヤにおいて一時的に格納するように構成される、装置。
請求項1記載の装置において、前記2つ以上のビデオ・プレーヤを同時にアクティブにするように構成され、1つのみがビデオを提示し、その間他のビデオ・プレーヤがビデオ再生を準備するか、または再生の準備ができて待機する、装置。
請求項1記載の装置において、前記切り替えコントローラが、他のビデオ・フォーマットに切り替えるとき、前記ビデオ・フォーマットに関連する機能をアクティブ化するように構成される、装置。
メモリと、前記メモリに通信可能に結合されたプロセッサとを有するシステムにおいて、異なるビデオ・コンテンツ・タイプ間で切り替える方法であって、前記プロセッサが、
ペアレント・ビデオ・コンテンツを再生するためのペアレント・ビデオ・プレーヤと、チャイルド・ビデオ・コンテンツを再生するための1つ以上のチャイルド・ビデオ・プレーヤとを含み、異なるビデオ・フォーマットを再生するための2つ以上のビデオ・プレーヤを有するメディア・プレーヤを設けるステップと、
前記ペアレント・ビデオ・プレーヤをアクティブ化するステップと、
追加のビデオ・コンテンツを検出するステップと、
前記追加のビデオ・コンテンツを前記ペアレント・ビデオ・コンテンツとマッチングさせるステップであって、前記マッチングさせられる追加のコンテンツが、前記ペアレント・ビデオ・コンテンツとは異なるフォーマットの前記チャイルド・ビデオ・コンテンツである、ステップと、
前記ペアレント・ビデオ・コンテンツを前記チャイルド・ビデオ・コンテンツと同期させるステップと、
コンテンツ切り替えボタンをイネーブルするステップと、
背景において前記チャイルド・ビデオ・コンテンツを走らせるステップと、
切り替えコントローラによって入力を受けるステップと、
前記切り替えコントローラによって、前記入力に基づいて、前記ペアレント・ビデオ・プレーヤから前記チャイルド・ビデオ・プレーヤに切り替えるステップと、
を含むステップを実行するように構成される、方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、ビデオ・コンテンツ・タイプ切り替えシステム100の例示的な模式図を示す。ビデオ・コンテンツ・タイプ切り替えシステム100は、360度インタラクティブ・ビデオ・プレーヤ102および2Dリニア・ビデオ・プレーヤ104を含み、これらは1つのディジタル・メディア・プレーヤ106内で組み合わされるか、または1つのディジタル・メディア・プレーヤ106においてイネーブルされる(enabled)。実例をあげると、この構成は、従前からの2Dリニア・ビデオ・プレーヤに「内在する」(living inside)360度インタラクティブ・ビデオ・プレーヤにすることができる。例示的な実施形態では、ディジタル・メディア・プレーヤ106は、コンピュータにインストールされたビデオ・プレーヤ、TVに関連するメディア・プレーヤ(例えば、AppleTV、Roku、Amazon Fire TV等)、移動体デバイスにおけるメディア・プレーヤ、または任意の他のタイプのメディア・プレーヤを含むこともできる。一例では、メディア・プレーヤにおいて2Dビデオ・コンテンツ108(例えば、ストリーミング・メディア・プレーヤにおけるTVショー)を再生している間、本システムは、360度ビデオ・フォーマット110で付加的に撮影された(shot)場面またはコンパニオン360度インタラクティブ・ビデオ・コンテンツを有する場面を認識することができる。本システムは、ボタン112を表示することもできる。ボタン112は、ユーザが2Dビデオ・フォーマット・ビデオ、インタラクティブ360度ビデオ・フォーマット・ビデオ、3Dビデオ、または他のフォーマットのビデオの間で頻繁に(back and forth)切り替えることを可能にする。
【0007】
実施形態の一例では、切り替えコントローラ114によって、切り替えシステム100は、「ペアレント」ファイル(この例では2Dビデオ)に関連するまたは含まれるメタデータ、あるいは「チャイルド」ファイル(360度インタラクティブ・ビデオ、3Dビデオ等)に関連するメタデータを自動的に検索および認識することによって、2Dビデオ・フォーマットのような第1コンテンツ・タイプのペアレント・ビデオにおいて、360ビデオ・フォーマットのような第2コンテンツ・タイプで付加的に撮影された場面、および/またはコンパニオン360度インタラクティブ・ビデオ・コンテンツを有する場面を認識する。最初に、本システムは、ファイル・タイプ(例えば、360度インタラクティブ、3Dビデオ等)、およびファイルが保有する拡張部(例えば、MOV、AVI、FLV、ASF等)を分析することによって、360度インタラクティブおよび3Dビデオ・ファイル、または他の追加のビデオ・コンテンツ・ファイルを認識およびソートする。具体的な認識プロセスまたは使用事例は、例えば、個々のシステムに依存して、様々に変わる場合もある。
【0008】
切り替えシステム100は、1つ以上のプロセッサにおいて実行されるコンピュータ・コードの形態で、メタファイル・ロジックを内蔵する。ビデオ・オン・デマンド(VOD)における使用事例では、ペアレント・ビデオ・コンテンツの再生によって、システムのロジックによって作用を受けた(acted upon)ペアレント・ビデオ・ファイルに関連するメタファイル情報の形態の入力、またはメタファイル情報から導き出された入力が供給される。切り替えシステム100は、ペアレント・ビデオ・ファイルに関連する追加のファイル・タイプ、この例示的な事例では、360度インタラクティブ・ビデオ・コンテンツが存在するか否かを示すメタデータを求める(seek)ように構成されている。ペアレント・ファイルに関連するチャイルド・ファイルがあることを示すために、確認(confirmation)を生成する。この確認は、チャイルド・ビデオ・ファイルを自動的に検索するように、システムを作動させる(trigger)。例えば、メタデータは、チャイルド・ビデオ・ファイルがペアレント・ファイルと同じ名称であるが、終端に「360」が付いていることを示すことができる。本システムがチャイルドおよびペアレント・ビデオ・ファイルをマッチングさせることができるのであれば、任意の名称(nomenclature)を使用することができる。場合によっては、メタファイル情報が「チャイルド」ファイル(例えば、360度または3Dビデオ)に添付されることもある、本システムは、「ペアレント」(2Dビデオ)ファイルを検索し、それに360度ビデオ・ファイルを添付する。場合によっては、これらのビデオ双方に、メタデータ情報が添付される。この場合、本システムは単に2つのメタデータ・ファイルを一緒に合わせる(match)ことに目を向け、自動的に2つのビデオ・ファイルを一緒に繋ぎ合わせる。
【0009】
切り替えシステムが作用する(act)ことができるビデオ・ファイルを準備するための例示的なプロセスは、以下の通りである。360°ファイルのようなチャイルド・ファイルをアップロードする。チャイルド・ファイルが添付される、またはそうでなければ関連付けられるペアレント・ファイルを選択する。配信場所を選択する。これは、例えば、サーバ、またはペアレント・ファイルおよびチャイルド・フィアルを再生しようとするプラットフォームであってもよい。1つの事例では、これはAppleTV、およびAppleTVからのアプリを使用しているサーバとすることができる。他の実例では、これは、Comcastのようなプロバイダ、およびComcast X1プラットフォームを使用しているサーバとすることができる。ペアレント・ファイルおよびチャイルド・ファイルを同期させるか否か、どの程度までこれらを同期させるか、またはこれらのファイルを同期させないか否かについて、判断を行う。本明細書において説明する方法の内任意のものにしたがって、または本明細書において説明するような成果を達成するために、チャイルド・ファイルを、そのコンパニオン・ペアレント・ファイルと共に視聴するためにコード化することによって、チャイルド・ファイルを準備する。一旦チャイルド・ファイル・メタファイル情報が適正にコード化されたなら、ペアレント・ビデオ・ファイルおよびチャイルド・ビデオ・ファイルを、同時に(coordinated fashion)、前述のように同期されているであれば自動的に、またはしかるべきインターフェースを介してユーザ入力によって、再生することができる。切り替えシステムは、ペアレント・ファイルを読み取り、メタデータを介してチャイルド・ファイルから情報を入手することができる。ビデオ・コンテンツを再生するために、ビデオ・プレーヤは、ビデオ・ファイルに関連するものと同じコンテンツ・クリエータ言語、または互換性のある言語を有さなくてはならない。一例として、「TV Show S1E1」という名称の2Dテレビジョン・ショーのコンテンツ・クリエータは、追加コンテンツを360度ビデオ・フォーマットで製作し、それに「TV Show S1E1 360°」という名称を付ける。次いで、コンテンツ・クリエータは、この追加コンテンツをOTT TVプラットフォーム(例えば、AppleTVにおけるDirecTV NOW)においてイネーブルすることを決定する。また、コンテンツ・クリエータは、「TV Show S1E1」の何分目に「TV Show S1E1 360°」が現われるかについて選択し、そしてユーザが360ビデオ・コンテンツを選択および視聴するときに何が起こるかについて選択する。メタファイルを生成し、ペアレントまたはチャイルド・ビデオ・フィアルのいずれか(または双方)に添付する。このメタファイルは、メディア・プレーヤおよびApple TVまたは他のプラットフォームにおけるSDKロジックに関連するコード化言語で書かれる。次いで、これらのファイルは、DirectTV NOWからサーバに、DirectTV NOWがそのコンテンツをストリーミングすることによって、アップロードされる。次いで、切り替えシステムはメタファイルを捜す。
【0010】
例示的な実施形態では、ショー、ムービー、または他のビデオ・コンテンツは、ユーザをコンテンツに熱中させるインタラクティブ・ビデオを含むこともできる。実例では、2Dビデオ・フォーマットの殺人事件推理小説番組の場面(murder mystery show shot)が、コンパニオン360度パノラマ・ビデオを含み、視聴者がこの番組に熱中しミステリを解くことを可能にする。例えば、犯罪場面の間、視聴者は、インターフェースを介して、コンパニオン360度ビデオ・コンテンツを選択する選択肢を有することができ、これによって、犯罪場面から、視聴者がこの場面全域を「見渡して」手がかりを捜すことができるインタラクティブ360°ビデオに転換させる。視聴者は、テレビジョンのリモコン、メディア・プレーヤに付属するリモコン、マウス、移動体デバイス、あるいは他のコントローラまたはインターフェースのような、制御デバイスを使用することによって、360度ビデオ場面を「見渡す」ことができる。例えば、方向を定めたスワイプ(directional swipe)毎に、視聴者は360度ビデオ全体にわたって視野の焦点を合わせることができ、彼らの遠隔制御によってカメラを制御する印象を視聴者に与える。このインターフェースを使用すると、視聴者は探偵になることができ、番組のビデオ提示(video presentation)において解き明かされる前に、殺人事件推理小説を解くことができる。制御デバイスへの方向入力(directional input)は、種々の形態で使用することができる。ここでは「スワイプ」に言及したが、方向入力は、種々の物理ボタンまたはタッチ・スクリーン・ボタンによってなされてもよく、制御デバイスと互換性のある任意の他の入力メカニズムが使用されてもよい。システムが、例えば、ビデオ・ケーブル・ボックスを使用するように構成される場合、標準的なテレビジョン遠隔制御を使用してもよい。
【0011】
更に他の実施形態では、一旦視聴者が360度インタラクティブ・ビデオの探索を終了したなら、ボタン(例えば、ビデオ・プレーヤ・ディスプレイにおけるアイコン、タッチ・アイコン等)のクリックによって、同じ場面のショット(scene shot)を、通常の2Dリニア・ビデオで同じディスプレイ・インターフェースで表示する。視聴者は、別のアプリケーションまたは他のインターフェースに切り替える必要なく、2Dビデオ・コンテンツを同じビデオ・インターフェースにおいて視聴し続けることができる。
【0012】
従前からの非インタラクティブ・ビデオ・プレーヤでは、視聴者はショーと対話処理することができず、ショーが見せる(hold)いかなるミステリであっても、解き明かすのは完全にコンテンツ次第である。例えば、視聴者がコンテンツと対話処理しなければならない唯一の選択肢は、場面を巻き戻す、場面全体を早送りする、スロー・モーション・ビデオを入力する(enter)、それ以外で2Dビデオを操作する、あるいは補足コンテンツを表示するために他のアプリケーションまたはプレーヤに切り替えることである。
【0013】
種々の実施形態では、本明細書において開示する技法は、視聴者が、比較的継ぎ目なく、2Dリニア視聴体験と360度インタラクティブ視聴体験との間で切り替え、アクションの視点を選択することを可能にする。視聴者には、1つのメディア・プレーヤから没入的体験が提供される。本明細書において開示する技法を使用すると、仮想現実(VR)コンテンツ技術が提供しなければならない全てのものを楽しむために、他のアプリケーションに切り替えることも、コンピュータに切り替えることも、または他のビデオ・ディスプレイ・プラットフォームをアクティブ化することも、もはや必要でなくなる。ボタンの押下または他の入力によって、ユーザは、従前からのビデオ・フォーマットから没入型ビデオに切り替えることができ、アクションをナビゲートし、このアクションのどの面を視聴するか選択することができる。本明細書において開示する技法を使用すると、視聴者は、場面、ムービー、スポーツの試合、広告、または他のコンテンツ展開を受動的に視聴することには、もはや制限されない。代わりに、視聴者は、今や場面を入力し、本質的に見渡し、見たいもの(what to look at)を選択することができる。この強化機能は、クリエータおよびコンシューマ双方にとって、あらゆる視聴体験の創作的な面を一変させる潜在性を有する。
【0014】
図2は、例示的な実施形態によるビデオ・コンテンツ・タイプ切り替え方法を示し、本システムは、ペアレント2Dビデオ・ファイルとチャイルド360度インタラクティブ・ビデオ・ファイルとの間で切り替える。本システムは、1つのトップ・メディア・プレーヤ(top media player)を含み、その直下において、リニア2Dプレーヤおよび360インタラクティブ・プレーヤ、または他のビデオ・フォーマットのプレーヤを組み合わせる。フォーマット間の切り替えは、切り替えシステムが360度インタラクティブ・プレーヤをリニア2Dプレーヤの内側に「隠し」、ロジックおよびコンテンツ切り替え選択肢によって、最終的な製品のユーザ体験を、1人のメディア・プレーヤのユーザ体験にすることによって行われる。ステップ202において複合メディア・プレーヤを設ける。ステップ204において、2Dまたは他のペアレント・ビデオ・プレーヤをアクティブ化する。ステップ206において、本システムは、符合化ロジックを介して、追加のビデオ・コンテンツが入手可能な場合、これを検出する。ステップ208において、本システムは、メタファイル情報を介して、追加のビデオ・コンテンツを発見する。次いで、ステップ210において、インタラクティブ・ビデオ・ファイルをリニア・ビデオ・ファイルとマッチングさせ、これと同期させる。これによって、ステップ212においてコンテンツ切り替えボタンをイネーブルする。これは、360度インタラクティブ・プレーヤをスタンバイ状態にし、場合によっては、ステップ214においてインタラクティブ・コンテンツを予め一時保存するコマンドである。一旦ユーザがステップ216においてコンテンツ切り替えボタンを選択したなら、切り替えコントローラがステップ218においてチャイルド・ビデオ・コンテンツに転換させる(rotate)信号を受ける。これによって、ステップ220において、ペアレント2Dリニア・プレーヤを停止および「隠蔽」させつつ、チャイルド360度インタラクティブ・プレーヤがステップ222においてインタラクティブ・コンテンツを「表示し」再生する。この切り替えは、本質的に、総合メディア・プレーヤの直下で組み合わされた2つのプレーヤ間における転換(rotation)である。この転換は背景において行われるので、最終的な切り替え(end switch)はユーザにとって継ぎ目ないものにすることができる。「切り替えコントローラ」は、2つのビデオ・コンテンツ・タイプの内どれを再生したいか知らせるユーザ入力を待ち受けており、その入力に基づいて、コンテンツ・タイプとマッチングするビデオ・プレーヤおよびコンテンツをイネーブルし(表示し)、他のビデオ・プレーヤおよびコンテンツをディスエーブルする(隠す)。切り替えシステムは、選択されたビデオ・プレーヤを他のプレーヤの上に置き、こうすることにより所与の時点において1つのビデオ・プレーヤおよびコンテンツ・タイプだけをユーザに見えるようにすることによって、これを遂行する。
【0015】
実施形態の一例では、本明細書において説明する技法は、メディアをテレビジョン上で消費する方法を変化させることができる。テレビジョンは、増々インタラクティブになり、360度ビデオ、VR、拡張現実、および他のタイプのコンテンツをもっと自然にテレビジョンに表示する道を開くことができる。単純なボタンのクリックによって、複数のコンテンツ形態を視聴者に利用可能にすることができる。また、本明細書において開示する技法は、複数のコンテンツ・フォーマットが1回放映分のTVショー、ムービー、ライブ・イベント、広告、または任意の他のビデオ・コンテンツの内側に内在することを可能にすることによって、インタラクティブ360度ビデオ、VRコンテンツ、3Dビデオ、または他のビデオ・コンテンツを取引する(marketing)ときの困難を克服することもできる。
【0016】
本明細書において開示する方法およびシステム、ならびにそれらの均等物は、広告コンテンツにも応用することができる。本システムは、広告および取引(advertising and marketing)コンポーネントを含むこともできる。広告主は、従前からの広告を提供し、視聴者に、アクションを入力する機会を与えることができる。本明細書において開示する技法の出現前では、VR、360度ビデオ、および3Dビデオ技術は、通例、コンピュータ、移動体デバイス、VRヘッドセット等においてコンシューマによって探し出された(seek out)短いプロモーション・ビデオ(promotion items)に使用されていた。本明細書において開示する技法を使用すると、没入型360度広告をテレビジョンに放送する(air)ことができ、広告主またはコンテンツ・プロバイダは、プロモーションの一部または全部を360度ビデオにすることができる。特定の場合には、コンテンツ切り替えボタンを使用して、視聴者は、クリックする、またはそれ以外で入力を供給し、プロモーション的なコンテンツと対話処理することができる。ユーザは、継ぎ目なく、ユーザが視聴していた2Dビデオ放送に戻ることができる。本明細書において開示する方法およびシステムは、この継ぎ目のない視聴体験を生成するために、同期およびファイルマッチングに対応する(provide)。このようにすると、視聴者は、彼らが視聴していた2Dビデオ・コンテンツから離れたことに気付かなくてももっともである。本技術を広告に応用することについての更なる詳細を以下に説明する。
【0017】
更に他の実施形態では、本明細書において開示する切り替えシステムおよび方法をライブ・イベントに応用することができる。例えば、スポーツの試合を視聴している視聴者が、このイベントの2Dビデオとインタラクティブ360度ビデオとの間で切り替えることができるとしてもよい。視聴者は彼らの視線を制御することができる。視聴者が異なる視野でアクションを望む場合、360度インタラクティブ・ビデオまたは他のインタラクティブ・ビデオ・フィードをイネーブルし、イベントを視聴するのに有利な彼らの視点を制御することができる。これらの技法は、同様に、ニュース・イベント、天気予報、または任意の他のライブ・イベントというような、他のライブ・イベントにも応用することができる。
【0018】
図3は、複数のタイプのビデオ・コンテンツをメディア・プレーヤにおいて表示するシステムの実施形態を示すブロック図である。図示する例では、サーバ310は、テレビジョン、移動体デバイス、仮想現実ヘッドセット、および/またはビデオ・コンテンツを表示することができる任意の他のデバイスのような、種々のデバイス320と通信することができる。サーバ310はビデオ・コンテンツを格納することができる。ビデオ・コンテンツは、複数のフォーマットでビデオを含むことができる。例えば、サーバ310は、テレビジョン・プログラム、ムービー、ライブ・イベントのビデオ・コンテンツ、あるいは2Dビデオ、インタラクティブ360度ビデオ、3Dビデオ、または他のビデオ・フォーマットのような、複数のフォーマットの任意のビデオ・コンテンツを格納することができる。複数のフォーマットのビデオは、種々のデバイス320にストリーミングすること、またはそれ以外の方法で送信することができる。特定の事例では、デバイス320に関連するビデオ・プレーヤ330(例えば、ストリーミング、ビデオ・プレーヤ)が、種々のフォーマットのビデオ・コンテンツをサーバ310から引き出すこともできる。例えば、コンテンツ再生は、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330において、2Dリニア・ビデオのような、第1フォーマットで開始することもできる。2Dビデオをサーバ310から引き出し、一時保存し、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330またはデバイス320において表示することができる。ユーザは、360度インタラクティブ・ビデオ・コンテンツのような、第2ビデオ・フォーマットに切り替えるために、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330において入力を供給する(例えば、ボタンを押下する)ことができる。入力を受けると、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330は第2ビデオ・コンテンツをサーバ310に要求する(プルする)ことができる。第2ビデオ・コンテンツは、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330に供給され、一時保存され、ストリーミング・ビデオ・プレーヤ330において表示することができる。
【0019】
種々の実施形態では、ビデオ・プレーヤ330は、継ぎ目のないまたは殆どない再生のために、ビデオ再生の進展において起こる中断を最小限に抑えるように、または中断が起こらないように、第1フォーマット・ビデオ(例えば、2Dリニア・ビデオ)から第2フォーマット・ビデオ(例えば、360度インタラクティブ・ビデオ)に切り替えることができる。本明細書において使用する場合、「継ぎ目ない」とは、視聴者が遷移に気付かないことを意味する。一例では、第1ビデオ・フォーマットから第2ビデオ・フォーマットに切り替えるコマンドを受けた後に、ビデオ・プレーヤ330は直ちにサーバ310に第2フォーマット・ビデオを要求することができる。第2フォーマット・ビデオをビデオ・プレーヤ330において一時保存しながら、第1フォーマット・ビデオを再生し続けることができる。第2フォーマット・ビデオが一時保存されまたは部分的に一時保存されて、表示の準備ができたとき、ビデオ・プレーヤ330は第2フォーマット・ビデオを表示するように切り替えることができる。第1フォーマットから第2フォーマット・ビデオへの切り替えを、第2フォーマット・ビデオが十分に一時保存され終えるまで遅らせることによって、ビデオ再生を継ぎ目なくすることができる。他の例では、複数のビデオ・フォーマットをサーバ310から継ぎ目なくストリーミングし、一時的にビデオ・プレーヤ330に格納することもできる。この場合、第1ビデオ・フォーマットから第2ビデオ・フォーマットに切り替えるコマンドを受けたとき、第2ビデオ・フォーマットは再生の準備ができている。この切り替えプロセスのタイミングについては、以下で更に詳しく説明する。ビデオは、例えば、2〜3秒で十分に一時保存することができ、または追加の時間が必要になる場合もある。例示的な実施形態では、本システムがペアレント・ビデオ・ファイルからのバッファ容量を余したとき、チャイルド・ファイルを予め一時保存することができる。例えば、テレビジョン・ショーが45分の長さであり、プレーヤがそれを完全に一時保存するために3分かかる場合、3分後に、プレーヤは、ペアレント・ビデオ・コンテンツと同期されている任意のチャイルド・ビデオ・コンテンツを自動的に一時保存する。
【0020】
図4は、ビデオ・コンテンツ間で切り替えるための例示のプロセスを示すフロー・チャートとブロック図との組み合わせであり、この場合、初期ビデオ・コンテンツが、例えば、ビデオ・プレーヤによって一時保存された後に切り替えが実現される。サーバ402は、ペアレント2Dビデオ・コンテンツ404およびチャイルド360ビデオ・コンテンツ406、または他のペアレントおよびチャイルド・ビデオ・コンテンツを格納する。サーバ402は、ブロック408において切り替えコマンド・ボタンが現れた後に、ユーザから切り替えコマンドを受ける。切り替えコントローラ412は、ビデオ・プレーヤ410に作用して、どのビデオ・コンテンツを再生するか管理する(govern)。切り替えコントローラ412は、ビデオ・プレーヤ410と統合されてもよく、またはビデオ・プレーヤ410に機能的に接続された周辺コンポーネントであってもよい。また、これは、本明細書において、他のコンポーネントの内部にあるまたは外部にあるとして説明される他のコンポーネントにも該当する可能性がある。しかしながら、異なるビデオ・コンテンツ・タイプを再生するように構成された種々のビデオ・プレーヤが、切り替えコントローラによって接続された同じビデオ・プレーヤおよび機能の中に収容されることも想定される。また、ブロック414によって表される再生がビデオ・プレーヤ410において実行されても、または含まれてもよい。同様に、ディスプレイ416がビデオ・プレーヤ410に内蔵されてもよい。
【0021】
図4に示す例示的な実施形態では、ペアレント2Dビデオ404がステップ418におけるように再生されており、切り替えコマンド408がステップ420におけるようにサーバ402によって受けられた場合、サーバ402はチャイルド360度ビデオ406に切り替える。ブロック426において一時保存プロセスが行われる。チャイルド・ビデオ・コンテンツ406の一時保存はブロック422において開始される。チャイルド・ビデオ・コンテンツ406の一時保存は、ステップ424において完了する。切り替えコントローラ412が直ちに切り替えを実施すると、360度チャイルド・ビデオ・コンテンツが一時保存される間、ユーザが視聴する2Dペアレント・ビデオと360度チャイルド・ビデオとの間に遅延が生ずる。代わりに、使用するときにだけ切り替えコマンド・ボタンが現れると、ペアレントおよびチャイルド・ビデオ・コンテンツ間で継ぎ目のない遷移が行われる。つまり、一時保存時間期間は視聴者には見えず、ビデオ・コンテンツ視聴において間隙を生ずる原因にならない。したがって、ブロック426において、チャイルド360度ビデオ406への切り替えが完了する前では、チャイルド2Dビデオ404は再生し続ける。
【0022】
種々の実施形態において、ビデオ・プレーヤ330は、複数のビデオ・プレーヤに対して複数のビデオ・プレーヤまたはコードを含むことができる。ある実例では、ビデオ・プレーヤ330が複数のタイプのビデオ・プレーヤに対するコードを含んでもよい。例えば、ビデオ・プレーヤの各々が、ビデオ・プレーヤ330コードにおいて方法またはルーチンを含んでもよい。特定の事例では、複数のビデオ・プレーヤの各々が、異なるタイプのビデオ・コンテンツを再生するように構成されてもよい。第1ビデオ・プレーヤは従前からの2Dビデオを再生するように構成されてもよく、第2プレーヤは360度インタラクティブ・ビデオを再生するように構成されてもよく、第3ビデオ・プレーヤは3Dビデオを再生するように構成されてもよい等である。ある場合には、一度に1つのビデオ・プレーヤだけがアクティブになる(例えば、前景において)。例えば、2Dビデオ・コンテンツが表示されるとき、他のビデオ・プレーヤ(360ビデオ・プレーヤ、3Dビデオ・プレーヤ等のようなビデオ・プレーヤ)は、処理リソースを保存するために、インアクティブになるとよい。他の例では、ユーザがあるタイプ(that type)のビデオ・コンテンツをアクティブ化した場合に、再生のためにコンテンツを準備するために、他のビデオ・プレーヤが背景において動作してもよい。例えば、インアクティブなビデオ・プレーヤが表示のために継続的にビデオを引き出して一時保存することができるので、プレーヤは比較的継ぎ目なくビデオ・コンテンツ・タイプ間で中断なく切り替えることができる。
【0023】
追加の例示的な実施形態では、ビデオ・プレーヤ330は、サーバ310からストリーミングされるまたそうでなければ送信されるビデオのタイプ、ローカルに再生のために引き出されるビデオのタイプ、あるいはそれ以外で再生のために挿入される(cued)ビデオのタイプを判定するように構成される。判定されたビデオのタイプに基づいて、ビデオ・プレーヤ330は、該当するビデオ・プレーヤまたは該当するビデオ・プレーヤの機能(features)をアクティブ化することができる。例えば、360度インタラクティブ・ビデオを再生すると決定した場合、360度ビデオを再生するように構成された360ビデオ・プレーヤまたは機能をアクティブ化する。2Dリニア・ビデオを再生すると決定した場合、2Dビデオ・プレーヤまたは2Dビデオ・プレーヤ機能をアクティブ化し、他の機能をアクティブ解除すればよい。特定の事例では、ビデオ・プレーヤ330が、ビデオのファイル・フォーマット、ビデオに関連するメタデータ、ビデオ・コンテンツの評価に基づいて、または他の属性に基づいて、ビデオのタイプを判定してもよい。
【0024】
図5は、サーバから提供されるビデオのタイプを判定するためのプロセスを示すフロー・チャートである。ステップ502において、サーバはビデオ・コンテンツ・ファイルを提供する。ステップ504において、ビデオ・ファイルからメタファイルを引き出す。メタデータおよび同期情報を含むはずのメタファイルを使用して、例えば、ステップ506において切り替え信号を生成するために、切り替えアルゴリズム(ロジック)を実行する。ステップ508において、切り替え信号を切り替えコントローラに入力する。メタファイル情報に基づいて、切り替えコントローラは、ブロック510において、360度ビデオを隠すべきか否か決定する。360度ビデオを隠すべきであると切り替えコントローラが決定した場合、ステップ512において360度ビデオをディスエーブルする。360度ビデオを隠すべきでないと切り替えコントローラが決定した場合、ステップ514において360度ビデオ機能をイネーブルし、ステップ516において360度ビデオ・プレーヤをイネーブルし、ステップ518において360度ビデオを再生のために挿入する。ステップ514、516は、任意の順序でまたは同時に開始してもよい。メタファイル情報に基づいて、ブロック520において、切り替えコントローラは2Dビデオを隠すべきか否か決定する。2Dビデオを隠すべきであると切り替えコントローラが決定した場合、ステップ522において2Dビデオをディスエーブルする。2Dビデオを隠すべきでないと切り替えコントローラが決定した場合、ステップ524において2Dビデオ機能をイネーブルし、ステップ526において2Dビデオ・プレーヤをイネーブルし、ステップ528において2Dビデオを再生のために挿入する。ステップ524、526は、任意の順序でまたは同時に開始してもよい。
【0025】
図6は、種々の実施形態によるインタラクティブ・コンテンツの表示例である。図示する実施形態では、テレビジョンに関連するビデオ・プレーヤが、2Dリニア・ビデオのような第1タイプのビデオ・コンテンツを表示する。ディスプレイ602において、ユーザが他のビデオ・フォーマットに切り替えることを可能にするために、アイコン610(例えば、「360°」を明示するアイコン)または他のインディケータを表示することができる。ユーザは、例示の入力デバイス604を使用して、アイコン610を選択することができ、応答して、ビデオ・プレーヤは、第1タイプのビデオ・コンテンツから、360°インタラクティブ・ビデオのような、第2タイプのビデオ・コンテンツに切り替えることができる。プレーヤが第2タイプのビデオに切り替えるとき、第2タイプのビデオを表示するように構成されたビデオ・プレーヤの機能がアクティブ化される。例えば、360度インタラクティブ・ビデオに切り替えるときに、ビデオ・プレーヤは、リモコン、移動体デバイス、または他の入力デバイスのような制御デバイスから、タッチ入力を受けるように構成されてもよい。360度インタラクティブ・ビデオに関連する他の機能についても明らかにすることができる。
【0026】
2Dビデオ・コンテンツに関連する機能の例には、再生、早送り、巻き戻し、一次停止、および停止が含まれる。加えて、他のビデオ・フォーマット・ボタンへおよび他のビデオ・フォーマット・ボタンからのアクセスならびにリターンも設けることができる。
【0027】
360°ビデオ・コンテンツに関連する機能の例には、再生、早送り、巻き戻し、一時停止、停止、および360度ビデオ・ナビゲーション(例えば、
図7および
図8参照)が含まれる。 加えて、直前のビデオ・フォーマットへおよび直前のビデオ・フォーマットからのアクセスならびにリターンも設けることができる。
【0028】
3Dビデオに関連する機能の例には、再生、早送り、巻き戻し、一時停止、停止、直前のビデオ・フォーマットへおよび直前のビデオ・フォーマットからのアクセスならびにリターン、3Dビデオ回転(例えば、
図7および
図8参照)が含まれる。3Dビデオ回転がイネーブルされた場合、パノラマ画像ナビゲーションとは異なり、ある物体を中心に回転するように構成することができる。
【0029】
例示的な実施形態では、アイコン610、あるいはビデオ・コンテンツのタイプ間で切り替えるための他の切り替えメカニズムまたはインターフェースだけが、特定の時点において表示されればよい。例示的な実施形態では、アイコン610は、追加のビデオ・コンテンツが利用可能なときにだけ、使用可能であればよい。一例として、ビデオ・コンテンツ(例えば、テレビジョン・ショー、ムービー、広告等)を、2つのタイプのビデオ・フォーマットで、各々異なる期間だけ記録することもできる。例えば、第1タイプのビデオ・コンテンツが、テレビジョン・ショー、ムービー、広告等の全長に及ぶ2Dビデオを含むのでもよい。360度インタラクティブ・コンテンツのような、第2タイプのビデオ・コンテンツが、テレビジョン・ショー、ムービー、広告等のもっと短い部分に関連付けられてもよい。第2ビデオ・コンテンツがボーナス映像(bonus footage)を含んでもよい。第2タイプのビデオ・コンテンツは、例えば、テレビジョン・ショーにおける特定の場面に関連するコンテンツの短い部分を含んでもよい。第1ビデオ・コンテンツを再生するに連れ、ビデオ・プレーヤは、連続的にまたはある間隔で、第2タイプのビデオ・コンテンツが利用可能か否か評価してもよい。第2タイプのビデオ・コンテンツが表示のために利用可能になったとき、視聴者がビデオ・タイプ間で切り替えることを可能にするアイコン610、あるいは他のメカニズムまたはインターフェースが明示される。視聴者は、アイコン610上でクリックするか、またはビデオ・コンテンツを、現在表示されている第1タイプのコンテンツから第2タイプのコンテンツに切り替えるための他の入力を供給すればよい。特定の事例では、プレーヤが第1フォーマットのビデオ(例えば、2Dリニア・ビデオ)と第2フォーマットのビデオ(例えば、パノラマ・ビデオ)との間で自動的に切り替えることもできる。
【0030】
ある実施形態では、第1タイプのビデオ・コンテンツを第2タイプのビデオ・コンテンツと同期させることができる。例えば、テレビジョン・ショーは、二次元ビデオ、360度インタラクティブ・ビデオ、または他のフォーマットで撮影することができる。複数の異なるフォーマットのビデオ・コンテンツを時間同期させることができる。特定の事例では、再生期間(例えば、経過時間、残り時間等)を、複数のタイプのビデオに跨がって、同期させることもできる。例えば、テレビジョン・ショーが、このショーの期間にわたって取り込む2Dビデオと、このショーにおける特定の場面に対する360パノラマ・ビデオとを含むとしてもよい。2つのビデオ・フォーマットの時間即ち再生期間を同期させることができるので、ビデオ・プレーヤは、実質的にコンテンツの時間的な流れを乱すことなく、2つのビデオ・フォーマット間で頻繁に(back and forth)切り替えることができる。特定の時点において、第1ビデオ・フォーマットの再生(例えば、2Dビデオ)から、同じ時点における第2ビデオ・フォーマットの再生(例えば、360度インタラクティブ・ビデオ)に視聴者が切り替えることができるのももっともである。一例では、テレビジョン・ショーの2Dビデオを時刻0:00から1:21において、ユーザが360度インタラクティブ・ビデオへの切り替えを要求する入力を供給するまで、表示する。次いで、360度インタラクティブ・ビデオが、同じ時刻1:21から再生を開始することができる。この時刻は、2つのフォーマット間においてマスター時刻(master)または協定時刻(universal time)であってもよい。その後、ユーザは2:45において切り替えて2Dビデオに戻すこともでき、2Dビデオはその時刻にテレビジョン・ショーにおいて開始する。ユーザは、その後、6:34において三次元ビデオに切り替える等を行うことができる。本明細書において開示する技法は、ビデオの再生を中断することなく、ビデオ・コンテンツ・フォーマット間において継ぎ目のない遷移に対応することができる。
【0031】
コンテンツ切り替えメタデータ・タイプの実例には、以下のものが含まれる。
1つの時間合わせした360ビデオ・コンテンツ(single timed 360 video content)によるビデオ・オン・デマンド(VOD)、
時間合わせしない360度ビデオ・クリップによるVOD、
複数の時間合わせした360ビデオ・クリップによるVOD、
並行で時間が等しい360ビデオ・クリップによるVOD、
複数の360ビデオ・クリップによるライブ・ビデオ、および
並行360フィードによるライブ。
【0032】
例示的な「非カスタム化」、即ち、普通の360ビデオ体験は、ビデオ・オン・デマンドに時間合わせないビデオ・コンテンツ、およびVODに時間合わせしたビデオ・コンテンツを含む。時間合わせしないシナリオでは、チャイルド・ビデオ・コンテンツを開始し、コンテンツまたはクリップ全体を再生し、視聴者は、ペアレント・ビデオにおいて、チャイルド・ビデオ・コンテンツが開始されたのと同じスポットに戻る。VODに時間合わせたビデオ・コンテンツのシナリオでは、チャイルド・ビデオを開始し、次いでペアレント・ビデオへの戻りは、チャイルドの時間期間だけずらされる。
【0033】
一例として、時間合わせしないシナリオでは、ペアレント・ビデオを5分間走らせる(run)。5分のマークにおいて、チャイルド・ビデオを開始する。チャイルド・ビデオは、その時間全体、またはユーザがペアレント・ビデオ・コンテンツへの再切り替えを始めるまで、走る。ペアレント・ビデオが再開されるとき、5分マークにおいて再開する。
【0034】
時間合わせするシナリオの一例では、ペアレント・ビデオを5分間走らせ、チャイルド・ビデオを開始して2分間走らせる。ペアレント・ビデオが再度イネーブルされたとき、チャイルド・ビデオ・コンテンツに伴う2分のずれを吸収するために、ペアレント・ビデオは7分のマークにおいて開始する。
【0035】
以上の2つのシナリオに基づいて、またはこれらの代わりに、『きみならどうする?』(choose-your-own-adventure)体験、あるいは他の同様の視聴または参加体験を可能にするために、チャイルド・ビデオ・クリップが分岐点として役割を果たすことを可能にするように、システムを構成することができる。これは、 柔軟なメタファイル情報、例えば、 (clip_launch_offset_by_parent_return_to_time)によって可能になり、1つ以上の360フォーマット・ビデオまたは他の追加のビデオ・コンテンツの、「普通の」、即ち、非カスタム化のシナリオからの分岐点としての実施を可能にする。
【0036】
以上の2つの使用事例のどちらが実行されているかの判断は、ビデオ・ファイルに関連するメタデータまたは他の情報と、コンテンツ切り替えシステムの背後にあるロジック、即ち、コンテンツ切り替えアルゴリズムとの間の通信によって制御される。本明細書において使用する場合、「アルゴリズム」とは、所望の機能(function)を実行するための1つのアルゴリズムでも、複数のアルゴリズムでもよい。複数のアルゴリズムは、それらの機能に依存して、互いに協働してまたは別々に動作することもできる。コンテンツ切り替えシステムのロジックは、メタファイル情報を「待ち受ける」。このメタファイル情報は、1)実施されている使用事例、2)追加のコンテンツ・ファイル(1つまたは複数)に関するペアレント・ファイルの期間、および3)ペアレント・ファイルにおいて、追加のファイルが現れるべき時点を提供する。
【0037】
どのファイルが再生を占めているかには関係なく走るユニバーサル・クロックを使用して、コンテンツ切り替えアルゴリズムによって2つのファイルが実行される時刻間の同期。ユニバーサル・クロックは、2つの「クロック」(例えば、2Dビデオ時間および追加コンテンツ時間)に従い、以上で説明したような、使用事例のシナリオに依存して、再生時刻を一致させるか、またはずらす(mismatch)。
【0038】
コンテンツ切り替えフォーマットが継ぎ目なく現れるために、本システムは追加コンテンツの利用可能性を予測し、コンテンツ切り替えボタンの出現に先立って、追加ビデオ・コンテンツ・ファイルの一時保存を開始することができる。つまり、一旦ユーザがコンテンツ切り替えを選択したなら、追加コンテンツの再生は瞬時にまたはほぼ瞬時に行われる。
【0039】
追加コンテンツの開始−終了時刻がビデオ・コンテンツと関連付けられていない場合(ビデオ・コンテンツのメタファイルにおけるように)、本システムは、「ペアレント」コンテンツの期間全体に対する追加コンテンツへのアクセスをイネーブルする。
【0040】
図9は、VODファイルのようなペアレント・ファイル、および2つのチャイルド360度ビデオ・コンテンツ・ファイルの例示的な実施形態を示すフロー・チャートである。ステップ902において、この例ではペアレント・ファイルと呼ばれるビデオ・コンテンツ・ファイルを供給する。そのメタファイルにはファイル名および期間が埋め込まれている。更に、ステップ904において、チャイルド・ビデオ・クリップ906、908を供給する。ビデオ・クリップ906、908がペアレント・ビデオと同期されている場合、これらはタイミング・スケジュールにしたがって開始する。タイミング・スケジュールは、ビデオ・ファイル内にメタデータまたは他のメタファイル・コードの形態で埋め込まれている。例えば、以下で説明する
図10を参照のこと。ビデオ・クリップ906、908の一方を開始するには、ステップ910において、本システムはペアレント・ファイルを読み取り、タイミング情報を得る。ステップ912において、本システムは、ペアレント・ファイルにどのくらい入ったところで、ビデオ・クリップ906、908が開始すべきか判定する。ステップ914において、ペアレント・ビデオは進展中である、即ち、表示されている。ステップ916において、本システムは、チャイルド・クリップ906または908を開始し、ペアレント・ビデオを隠さなければならないことを認識している。ある実施形態では、ペアレント・ビデオを隠しチャイルド・ビデオを示すプロセスは、自動でなく、または自動タイミングはユーザによって無視することができる。ステップ918において、オフセットがある。これは、現在隠されているビデオを一時保存することによってというようにして、このビデオを開始する準備を行うために実施することができる。ステップ936は、ペアレントおよびチャイルド・ビデオ・コンテンツが同期されているか否か判定することを求めるシステム・ロジックを反映する。同期されている場合、次に、ステップ938において、オフセット時間期間中に、隠されているビデオ・コンテンツを開始する準備を行い、現在走っているビデオ・コンテンツの完了時に、プレーヤはこのビデオ・コンテンツを隠し、これまで隠されていたビデオ・コンテンツを表示させることによって、このビデオ・コンテンツを表示する、またはユーザをこのビデオ・コンテンツに戻す。
【0041】
図9における例示的な事例では、ステップ920において、クラウドを経由して ビデオ・クリップ906または908にアクセスする。ステップ922において、チャイルド・ビデオ期間が終了し、ステップ924において、ペアレント・ビデオが再生を再開する。
【0042】
更に
図9に示すように、随意にステップ926において、ユーザは、2つ以上のパスから1つを選ぶことによって、「きみならどうする?」体験を選択することもできる。この実例では、現在のビデオは2つの異なる位置、位置1および位置2を有し、ビデオ画像内で識別されている。例えば、位置1はドアに関連付けられ、位置2が階段に関連付けられるとしてもよい。ユーザは、ステップ928において位置1に回転して、ユーザがドアを通って連れて行かれることと、ブロック930において位置2に回転しユーザが階段を上らされることの間で選択することができる。一旦分岐が選択されたなら、関連するビデオ・コンテンツが開始する。選択されたビデオ・コンテンツ・アドベンチャーの完了時に自動的に、またはユーザによって選択されたときに、位置1のビデオ・コンテンツ・アドベンチャーまたは位置2のビデオ・コンテンツ・アドベンチャーは終了し、プレーヤは、それぞれに応じて、ステップ932または934においてペアレント・ビデオ・コンテンツに戻る。また、ユーザは、ペアレント・ビデオのいつの時点までに戻るか、選択することができてもよい。例えば、位置1までの回転を選択することによって、視聴者はペアレント・ビデオにおける時間「X」(例えば、8分)に連れて行かれ、そして位置2を選択することによって、ユーザはペアレント・ビデオの時間「Y」(例えば、14分)に連れて行かれる。
【0043】
尚、
図9および本明細書において説明する他のフロー・チャートに示されるステップは、場合によっては、異なる順序でまたは同時に実行されてもよいことを注記しておく。
図10は、第1チャイルド・ビデオ・コンテンツ・ファイルと第2チャイルド・ビデオ・コンテンツ・ファイルとの間で切り替えるプレーヤを表すタイミング図である。ペアレント・ビデオ・コンテンツが、第1再生期間702の間表示される。次いで、第2再生期間704の間ペアレント・ビデオ・コンテンツは隠される。第2再生期間704の間、第1チャイルド・ビデオ・コンテンツが表示される。尚、再生期間704に先だって、オフセット期間706の間に第1チャイルド・ビデオ・コンテンツが表示のために徐々に供給されている(ramp up)ことを注記しておく。オフセット期間706の間、第1ビデオ・コンテンツ・ファイルを一時保存する、またそうでなければ走る準備をすることができる。第2再生期間704の終了時に、ペアレント・ビデオ・コンテンツが、第3再生期間708における再生のために戻される。第3再生期間708の終了時に、第2ビデオ・コンテンツ・ファイルがアクセスされる。第2ビデオ・コンテンツは、一時保存することによってというようにして、オフセット期間710の間に準備することができる。第2チャイルド・ビデオ・コンテンツは、第4再生期間712の間再生される。第4再生期間712の終了時に、ペアレント・ビデオ・コンテンツの再生が、再生期間714の間再開する。オフセット期間706、710は、ペアレントおよびチャイルド・ビデオ・コンテンツ間における継ぎ目のないまたはほぼ継ぎ目のない遷移を容易にする。
【0044】
ペアレント・ビデオ(例えば、2Dビデオ)がハードウェア・デバイスにおいて再生されているとき、コンテンツ切り替えは背景においてユニバーサル・クロックを走らせる(run)ことができる。コンテンツ・クリエータは、追加コンテンツ(例えば、360度ビデオ、3Dビデオ)がペアレント・ビデオ再生の間いつ現れればよいか判断し、この情報をチャイルドまたは追加コンテンツ・ビデオ・メタファイルに、例えば、メタデータ著作ツール(metadata authorship tool)を使用して挿入する。先に紹介したように、複数の同期選択肢がある。
【0045】
図11は、例示的な実施形態にしたがって、インタラクティブ・コンテンツを制御するためのインターフェースの一例の模式図である。図示する例では、360度パノラマ・ビデオ370(例えば、パノラマ・ビデオ、360度インタラクティブ・ビデオ等)は、場面の360度視野を含む。パノラマ・ビデオは、アレイに配列された複数のビデオ・カメラを使用して取り込むことができる。複数のカメラの画像を互いに継ぎ合わせて、場面の360ビデオを作成する。パノラマ・ビデオ370の一部が、テレビジョン受像機、コンピュータ・モニタ、ラップトップ、ディジタル・ビルボード、プロジェクタ、移動体デバイス、タブレット、ディジタル・フォト・フレーム、ディジタル・ビデオ・フレーム、および/または任意の他のディスプレイのような、視覚ディスプレイ372上に表示される。殆どの視覚ディスプレイ372は大体は二次元であるので、いずれの時点においても、表示出力374は、パノラマ・ビデオの一部しか含まなくてもよい。視聴者は、リモコン、タッチ・パッド、移動体デバイス、マウス、動きに基づくコントローラ、赤外線リモコン・デバイス、または任意の他の適したデバイスのような、制御デバイスを使用して、パノラマ・ビデオ370全体を動かすことができる。視聴者は、制御デバイスを使用して、ディスプレイ376の地理空間画像(geospatial imagery)を制御することができる。
【0046】
図7に戻って、種々の実施形態にしたがってインタラクティブ・コンテンツを制御するためのインターフェースの一例の模式図を示す。図示する例では、ユーザに表示されるパノラマ・ビデオ380の部分が、制御デバイス386(例えば、移動体デバイス)を使用して制御される。パノラマ・ビデオの第1部分382は、方向入力(directional input)に先だって表示され、パノラマ場面内にある第1エリアのビデオを含む。図示する例では、第1エリアは複数の動物を含む。カメラを右に動かすための方向入力が、外部デバイス386において受信される。方向入力は、例えば、移動体デバイス386のタッチ・インターフェース、または本システムと互換性のある他の入力デバイス上において右に向かう接触入力を含むことができる。この方向入力に基づいて、表示出力は右方向に、パノラマ・ビデオ・ディスプレイの第2部分384まで動かされる。ビデオ・ディスプレイの第2部分384は、視覚ディスプレイ(例えば、テレビジョン、移動体デバイス、タブレット等)上に表示される。図示する例では、パノラマ・ビデオの第2部分384はシマウマを含む。表示出力は、第1表示出力382から第2表示出力384に滑らかに遷移することができる。特定の事例では、表示は、外部デバイス386上における視聴者の接触入力に比例して動くこともできる。この手法を使用すると、ユーザは触覚入力を使用して、表示出力の地理空間画像を制御して、パノラマ・ビデオ380の任意の部分を見ることができる。多くの代替制御デバイスの内、方向入力を受け入れることができるものの更に他の例が、制御デバイス390として示されている。
【0047】
種々の実施形態では、外部デバイス386上に種々の遠隔接触方向入力(remote tactile directional input)を入力することができる。制御デバイス386に入力される方向入力(例えば、上、下、右、および左)は、テレビジョン、タブレット、移動体デバイス、ビルボード等とインターフェースされたビデオ・ストリーミング・ビデオ・プレーヤのような、ディスプレイに関連する受信器への信号として送ることができる。受信器は、例えば、Bluetooth、近場通信(NFC:Near Field Communications)、赤外線、Wi−Fi、または他の接続を介して、制御デバイス386とワイヤレスでペアリングされればよい。方向入力信号は、視覚ディスプレイ上に示されるパノラマ・ビデオまたは画像の部分を動かすために処理される。一例として、遠隔デバイスを持っているユーザが制御デバイス386上でUPボタンを押したままにすると、テレビジョン受像機上の2D画像が、360度パノラマ画像において上に移動する。実例では、ユーザはストリート・ビュー型のインターフェースを、ライブ・アクション・ビデオでナビゲートすることもできる。
【0048】
図8に移り、種々の実施形態にしたがってインタラクティブ・コンテンツを制御するための制御デバイス810を示す。制御デバイス810のジャイロスコープ・センサ、加速度計、または他のセンサ(図示せず)を使用して、パノラマ・ビデオの表示を制御することもできる。例示的な実施形態では、制御デバイス810の向き(orientation)を使用して、表示されるパノラマ・ビデオの部分を制御することもできる。制御デバイス810におけるジャイロスコープ・センサは、デバイスの向きを測定することができ、測定された向きから、パノラマ・ビデオの地理空間的視点(geospatial perspective)を制御するための出力を生成する。一例では、第1軸(パンニング軸)を中心とする回転が、カメラの地理空間的視点を横方向即ち水平方向に回転させる。第2軸(ティルト軸)を中心とする回転は、地理空間的始点を垂直方向に回転させる。ある実例では、デバイスの加速、並進、または移動を使用して、表示されるパノラマ・ビデオの部分を制御する。デバイスのx軸、y軸、およびz軸に沿った動きというような、デバイスの動きを使用して、パノラマ・ビデオの地理空間的視点の向きを決めることができる。
【0049】
図12は、種々の実施形態にしたがってインタラクティブ・コンテンツを制御するための例示的な制御デバイス606の模式図である。パノラマ・ビデオにおいて地理空間的視点を制御するためには、制御デバイス606(例えば、移動体電話機、リモコン等)を傾ける。例えば、制御デバイス606は、地表または他の基準フレームに対して45度だけ下向きに傾けるのでもよい。応答して、パノラマ表示は、第1表示出力620から、垂直から45度下に向く第2表示出力630に回転することができる。ユーザは、第1表示出力620に戻すためには、制御デバイス606を45度上に傾ければよい。他の例では、視聴者は、パノラマ・ビデオ620の他の領域を探索するために、異なる軸に沿って制御デバイス606を回転させる、または制御デバイス606を傾けるのでもよい。パノラマ・ビデオ620は、全ての方向、即ち、360度視野全域にわたって画像を取り込むことができる。図示する例では、場面の中心にカメラのアレイを配置してもよい。カメラのアレイは、各々、異なる方向を指し示し、360度地理空間周囲環境の一部を取り込むことができる。カメラの各々によって取り込まれたビデオまたは画像は、複合パノラマ・ビデオ(または静止画像)を作製するために互いに継ぎ合わせられ、ユーザは、パノラマ・ビデオの異なる領域を探索するために、制御デバイス606を使用して彼らの地理空間視線の方向を決めることができる。実施形態は、パノラマ静止画像またはビデオを作成あるいは取り込むためのあらゆる手段を含む。
【0050】
図13は、インタラクティブ・コンテンツを制御するためのインターフェースの模式図、ならびにパノラマ・ビデオ714および部分1〜6の関連模式図である。制御デバイス710は、1つ以上の方向入力を提示することができる。方向入力の各々は、表示出力の方向を決め、表示出力の向きを変化させ、またそれ以外では所定の様式で地理空間的な向きを制御することができる。一例では、方向入力は、x軸、y軸、またはz軸のような1本以上の軸上において、予め設定された度数の角度を含むことができる。y軸上の設定度数は、0(開始位置、画像部分1)、y軸上の180度(元に戻る、画像部分2)とすることもできる。y軸上の−90度(左回転、画像部分3)、およびy軸上の90度(右回転、画像部分4)。x軸上の設定度数は、x軸上の90度(見上げる、画像部分5)、およびx軸上のー90度(画像部分6)とすることもできる。特定の事例では、方向入力は、移動体デバイスのような、制御デバイス710のタッチ・インターフェース上におけるボタンまたはアイコン712として提示される。ユーザは、パノラマ・ビデオ表示を既定の様式でナビゲートするためには、タッチ・インターフェース上でボタンを押下すればよい。切り替えシステムと互換性のある他の入力デバイスも使用してもよい。
【0051】
以上の例は、パノラマ・ビデオの地理空間的視点を変更するための多くの可能なインターフェースおよび制御技法の内のいくつかに過ぎない。当業者であれば、パノラマ・ビデオ表示を操作するためには、他の制御技法およびデバイスを使用してもよいことを認めるであろう。
【0052】
更に他の例示的な実施形態では、広告ビデオ・コンテンツは、ユーザが他のビデオ・コンテンツ・フォーマットに切り替えることを可能にし、これには、ユーザが彼ら自身のアドベンチャーを選択することを可能にすることが含まれる。本明細書において説明した2D/360度ビデオ・コンテンツ切り替え方法およびシステムは、広告ビデオ・コンテンツにおいて2つのフォーマットを組み合わせるために使用することができる。2つ以上のビデオ・コンテンツ・フォーマット間におけるコンテンツ切り替えを実施するために、ソフトウェア開発キット(SDK)を提供する。SDKは、コンテンツ切り替え、引き出し、および配信、ならびに360度ビデオ・プレーヤのためのロジックを内蔵するが、ビデオ・コンテンツは別個の360ビデオ・プレーヤから再生することもできる。これは、広告ビデオ・コンテンツを再生するためのターンキー・ソリューション(turnkey solution)となるように構成することができる。SDKは、移動体アプリや他のアプリケーションへの変更を必要とすることなく、異なるビデオ・コンテンツ・タイプを同期させるためのロジックおよびメタファイル情報を提供する。SDKは、例えば、ポリシー・エレメント、またはメタデータおよびビデオ期間を同期させることを含む、切り替え関連ロジックを設定する。したがって、アプリの役割(responsibility)は、しかるべき時点においてSDKをコールすることだけである。360度ビデオ・コンテンツが検出されると、SDKは360度コンテンツに切り替える選択肢を示す。これが意味するのは、ユーザのアプリの役割は、正しい時点において、即ち、360度ビデオ広告を再生するスロットが到来したときに、SDKをコールすることだけであるということである。
【0053】
種々の広告フォーマットを使用することができる。例示的な実施形態では、動画広告提出テンプレート(VAST: Video Ad Serving Template)3.0を採用する。これは、Freewheelのような広告ネットワーク・サーバと統合することができる。Freewheel、または他の広告ネットワーク・サーバは、統合を使用することができ、VAST3.0フォーマットまたは他のテンプレートを使用してコンテンツを再生し、360度ビデオ用広告ポッド(Ad Pods)を「乱用する」(abuse)ことによって、促進することができる(必要であれば、これを異なる構成にすることができる)。広告サーバのような広告管理キャンペーンおよび入稿ソフトウェア(campaign and trafficking software)は、本システム・インフラストラクチャにおいて実行することができ、追加の一覧表(inventory)のため、そして360度ビデオを引き込むために、Freewheelのような広告ネットワーク・サーバに接続可能にすることができ、あるいは一覧表は直接広告ネットワーク・サーバにおいて満たすことができる。
【0054】
例示的な実施形態では、Ad Pods、あるいはコンテンツ・ビデオ再生の前、そのブレークの間、またはその後に再生することができる、他の1組の逐次線形広告(sequential linear ads)を採用して、1つの広告ブレークまたは複数の広告ブレーク内で連続的に再生するように構成することができる複数の広告エレメントを指定する。Ad Podsは、VAST3.0準拠広告ネットワークから構成され、プレーヤに渡すことができる。つまり、本システムの実施形態は、VAST3.0仕様からのAd Podsを「乱用し」、シーケンスを360度ビデオ・フォーマットの広告代替品(ad alternative)として見なすビデオ・プレーヤを有する。プレーヤがAd Podに遭遇すると、シーケンスにおける第2項目が360度ビデオと見なされ、360度ボタンが現れる。使用することができる例示的なプラットフォームには、tvOS、iOS、Android、およびWebが含まれる。例示的なフォーマットには、HLSおよびMPEG−DASHが含まれる。
【0055】
図14は、例えば、広告に適用される切り替えシステムおよびプロセスの例示的な図である。ブロック232において、メディア・プレーヤ230は、広告サーバに広告を求める。広告ネットワーク・サーバ234によって信号が受信される。ブロック236において、広告ネットワーク・サーバ234は、ブロック238におけるビデオ・フォーマット間の切り替えに関係する値およびパラメータを含むプレースホルダVASTに応答する。ブロック240において、360度フォーマットの広告のような、追加のビデオ・コンテンツの時間であることを示す信号がメディア・プレーヤ230に送られている。ブロック242において、広告スケジューリング・ロジックは、ブロック244において示されるように、広告を再生する時刻になると、メディア・プレーヤ230に通信する。
【0056】
引き続き
図14を参照すると、ブロック246において、メディア・プレーヤ230はSDK248に360度広告ビデオを求める。ブロック250において、SDKはサーバ252に360度広告コンテンツを求める。次いで、サーバ252は、ブロック254において、360度ビデオについてVASTに知らせる。次いで、コンテンツがSDK248に中継される。次いで、SDK248はメディア・プレーヤ230において再生するために、ブロック256において360度ビデオを送る。尚、サーバ252にあるとして示したSDK248およびコンテンツの内任意の1つ以上、ならびにサーバ機能は、クラウドに配置し実行できることを注記しておく。
【0057】
例示的な実施形態では、SDK248は、360広告再生の内側におけるユーザの目視位置、追加コンテンツにアクセスする頻度を追跡し、ターゲット・マーケティングの目的のためにそのデータを収集しエクスポートするように構成される。ユーザの行為、好み、またはマーケティングの目的に有用な他のデータに関するこの情報および追加情報を収集し、ソートし、コンパイルし、エクスポートし、SDKに具体化されているアルゴリズム、別個のマーケティング・ソフトウェア、または組み合わせを使用して、分析することができる。例えば、視聴者が2Dビデオにおける車の広告を視聴し、同じ広告の360ビデオにアクセスする場合、視聴者はこの車の内側でナビゲートし、車両の内側がどのように見えるか確認することができる。次いで、SDK248は、視聴者が、例えば、ダッシュボードおよび(versus)車のドアを「見る」のにどのくらいの時間費やしたか追跡することができる。また、特定の視聴者のために、追加のデータを収集することもできる。視聴者がAD1の追加の360コンテンツ(例えば、Audiのコマーシャル)に5回アクセスし、このAD1において合計で5分以上費やし、更に、加えて、同じ視聴者がAD2の360追加コンテンツ(例えば、BMWのコマーシャル)には1度しかアクセスせず20秒しか費やさなかった場合、SDK248はこの情報を収集し、これをデータ・ファイルとしてエクスポートすることができる。このデータ・ファイルは、広告ネットワーク・サーバ234サーバに、または該当するのであれば、直接メディア・プレーヤ230に送り返す中継することができる。また、この情報は、今後のアクションのために、追加のマーケティング関連ソフトウェアへの入力として役割を果たすこともできる。
【0058】
図15は、VRハンドセットに関連するコンテンツ切り替えを示す模式図である。コンテンツ切り替えは、VRヘッドセット内部で行われ、初期フィードは、ローカル3D環境(例えば、仮想居間)の内側に制約された視野域において示されストリーミングされる2Dビデオ・コンテンツだけである。一旦コンテンツ切り替えボタンが選択されたなら、2D視野域およびローカル3D環境が、全360度または3D/VRビデオ・コンテンツに置き換えられ、視聴(viewing)は360度環境全体のストリームを受けることができる。以前の例と同様、切り替えは逆方向および順方向に進むことができる。ブロック262において、サーバ260は2Dリニア・コンテンツをVRヘッドセット264に供給する(feed)。2Dリニア・コンテンツ・ストリーム262は、差し込み
図Aに示すように、イネーブルされる。2Dリニア・コンテンツ・ストリームは、サーバから選択することができるので、動的である。差し込み
図Aは、パノラマ・ビデオ268の2Dリニア視野域を示す。コンテンツ切り替えボタン270は、2Dリニア・ビデオ266を選択するために使用することができる。272において、静止360/3Dローカル環境を示す。
図15におけるVRヘッドット264に戻ると、360度/VRビデオ・コンテンツがサーバ260から引き出され、ブロック274において一時保存が実行されることが示されている。追加のコンテンツが選択されたとき、または開始されたとき、ブロック278において、ビデオ・コンテンツ切り替えを促すために、切り替えコントローラをアクティブ化する。360度およびVRビデオの再生を可能にするために、ブロック276において
図Aにしたがって、2Dリニア・ビデオをディスエーブルする。360/VRビデオのような追加のコンテンツが、280および
図Bに示すように、イネーブルされる。
【0059】
図16は、クラウドにおいて動作するビデオ・コンテンツ・タイプ切り替えシステムおよび方法を示し、ここでは、メディア・プレーヤからの制御デバイスの機能(function features)(パノラマ・ナビゲーション、再生、一時停止等)の待ち受けも、クラウドにおいて実行することができる。本システムは、クラウドにおいて全てのレンダリングおよび機能を実行し、2Dビデオ・ストリームをエクスポートするだけでもよい。このように、メディア・プレーヤ・ボックスの構成を設定することや、更新することは必要ない。SDKロジックは、通常の2Dリニア・ビデオを受信しストリーミングしているかのように実行するために、メディア・ボックス(この場合、テレビジョン・ケーブル・ボックス)を「騙す」(trick)。したがって、ボックスは違いを把握せず、レンダリングまたは360ビデオ再生が可能でなくても、インタラクティブ・ビデオ・コンテンツを再生することができる。一例として、2Dリニア・ビデオ以外のいずれのものをレンダリングするにも処理パワーが十分に強力でない旧式のケーブル・ボックスであっても、クラウドにおいてレンダリングおよび関連機能を実行することによって、未だ使用することができる。制御デバイス450は、入力信号を介してコマンドをメディア・プレーヤ452に送る。メディア・プレーヤ452はコマンド情報をSDK454に送る。ブロック456において、SDK454は、左に動かすというように、制御デバイスによって示される通りに動かすために、360度ビデオをレンダリングする命令を供給する。ブロック458において、命令にしたがって、この場合は左に動かすことによって、360度パノラマをナビゲートする。ブロック460において、360度ビデオをメディア・プレーヤの視野域にクロップする。この実例では、2Dリニア視野域にクロップする。次いで、ブロック462において、これを2Dビデオ・ストリームとしてメディア・プレーヤ452にストリーミングする。このように、初期の2Dビデオ・コンテンツは、360度ビデオ能力を有するデバイスが必要になるかのように変換されたと思われるが、しかしながら、ユーザによって使用されるのは2Dビデオ・デバイスだけである。
【0060】
特に明記されていない限り、本明細書全体を通じて、「処理」(processing)、「計算」(computing)、「計算」(calculating)、「判定」(determining)等のような用語を利用する説明は、コンピュータまたはコンピューティング・システム、あるいは同様の電子コンピューティング・デバイスの、当該コンピューティング・システムのレジスタまたはメモリ内における電子のような物理量として表されたデータを操作するアクションまたはプロセス、あるいはコンピューティング・システムのメモリ、レジスタ、または他のこのような情報記憶デバイス、送信デバイス、もしくは表示デバイス内において同様に物理量として表される他のデータに変換するアクションまたはプロセスを指す。
【0061】
同様に、「プロセッサ」という用語は、レジスタまたはメモリからの電子データを処理してこの電子データを、レジスタまたはメモリに格納することができる他の電子データに変換する任意のデバイスまたはデバイスの一部を指すとしてもよい。「コンピューティング・プラットフォーム」は、1つ以上のプロセッサおよび/またはデータベースを含んでもよい。
【0062】
図17は、本発明の実施形態に応用することができる例示的なコンピューティング・デバイス900の模式図である。この例示的な実施形態は、プロセッサ・モジュール950、出力モジュール952、記憶モジュール954、ビデオ切り替えアプリケーション956、入力モジュール958、およびネットワーク・モジュール960を含む。プロセッサ・モジュール950は、本明細書において開示した方法およびデバイスにしたがって任意のコンピュータ・コードを実行し信号を処理することができる任意のタイプの1つ以上のプロセッサを含んでもよい。出力モジュール952は、テレビジョン、スマートフォン、ラップトップ、タブレット等において具体化されるもののような、種々のディスプレイを含むことができ、オーディオおよびビデオ出力を含んでもよい。入力モジュール958は、スマートフォン・タッチ・スクリーン、テレビジョン・リモコン、ビデオ・ゲーム・コントローラ、キーボード、システム特定制御デバイス、および本明細書において説明した方法およびシステムと互換性がありこれらと共に動作するように構成された他の入力デバイスを含んでもよい。ストレージ954は、本明細書において説明したアクションを実行するために、方法を実行するために必要な情報を格納でき、データを保存でき、更にそれ以外ではコンピュータ読み取り可能媒体として役割を果たすことができる任意のタイプのメモリを含んでもよい。ネットワーク・モジュール960は、データ・ネットワークに接続するためにハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。ネットワークは、ワイヤレス、有線セルラBluetooth、移動体、または本明細書において説明したシステムおよび方法と互換性のある他の形態のネットワークであってもよい。本明細書において開示した機能を実行するために、追加のモジュールを本システムに組み込んでもよく、一部のモジュールは含まれなくてもよく、または1つのモジュールに組み込まれてもよい。
【0063】
本発明の実施形態は、本明細書における動作を実行するための装置を含んでもよい。装置は、所望の目的のために特別に構築することができ、またはデバイス内に格納されたプログラムによって選択的にアクティブ化または構成され直される汎用デバイスを含んでもよい。
【0064】
実施形態は、本明細書において説明した方法およびそれらの均等物、これらの方法を実行するようにプログラミングされた非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、ならびにこれらの方法を実行するように構成された電子システムを含む。更に、本明細書において説明した実施形態の内任意のものを含むビデオ・プレーヤも含まれる。コンピュータ・システム、および任意のサブコンピュータ・システムは、実行可能コードを含む機械読み取り可能記憶媒体と、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリと、入力デバイスと、1つ以上のプロセッサに接続された出力デバイスとを含む。このシステムのコンポーネントはネットワークの一部であってもよい。本システムおよび方法は、クラウドまたは本システムまたは方法によってアクセス可能な他の遠隔位置に配置され、その中に組み込まれたされた部分も含むことができる。
【0065】
実施形態は、多くの異なる方法でソフトウェア・コンポーネントとして具体化されてもよい。例えば、これは単体ソフトウェア・パッケージであってもよく、あるいは、例えば、メディアまたはビデオ・プレーヤのような、もっと大きなソフトウェア製品における「ツール」として組み込まれるソフトウェア・パッケージであってもよい。これは、ネットワーク、例えば、ウェブサイトからダウンロード可能であってもよく、あるいは単体製品であってもよく、あるいは既存のソフトウェア・アプリケーションにインストールするためのアドイン・パッケージであってもよい。また、これはクライアント−サーバ・ソフトウェア・アプリケーションとして、またはウェブ可能ソフトウェア・アプリケーションとして入手可能であってもよい。実施形態は、1つ以上のプロセッサが本明細書において説明した技法および方法ならびにそれらの均等物を実行することを可能にするプログラミング・ロジックを格納することによって特殊化される、1つ以上のコンピュータを含む。
【0066】
本明細書ではビデオ・コンテンツ、ビデオ・フォーマット、ビデオ・ファイル、ビデオ・タイプ等に言及したが、関連するオーディオも同様に取り組む(address)ことができ、含まれてもよい。したがって、例えば、コード化に言及する場合、所望であればまたは該当する場合には、ビデオおよびオーディオ・コード化を含む。
【0067】
本発明の種々の実施形態について説明したが、各々は異なるエレメントの組み合わせを有する。本発明は、開示した具体的な実施形態に限定されるのではなく、開示したエレメントの異なる組み合わせ、一部のエレメントの省略、またはこのような構造の均等物によるエレメントの置換を含んでもよい。
【0068】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、これらは一例として提示したに過ぎず、限定ではないことは言うまでもない。つまり、本発明の幅(breadth)および範囲は、以上で説明した例示的な実施形態のいずれにも限定されないのは当然であり、代わりに、以下の請求項およびそれらの均等物のみにしたがって定められてしかるべきである。