(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来の太陽光パネルの清掃装置の中には、パネル面の上端から下端までを覆う長さを有し、パネル面上を略水平方向に移動することで清掃を行うようになっているものがある。このような構成であると、小型の清掃装置が上下左右に移動して清掃するタイプの清掃装置に比べて、清掃装置の動きが単純かつ動く距離が短くなり、短時間で清掃することができるというメリットがある。
【0006】
しかしながら、このようなタイプの清掃装置は、装置自体が大型化し重量も重くなってしまうため、太陽光パネルユニットへの装置の設置や、清掃が終了した太陽光パネルユニットから次の太陽光パネルユニットへの移動等において、作業者が大型で重量のある清掃装置を運搬、設置するのに多大なる労力を必要としていた。
【0007】
そこで、本発明は、装置の移動、設置を容易に行うことができ、作業者の労力負担を軽減することができる清掃装置等の太陽光パネル保守装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を達成するために、本発明は、パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットの維持管理を行う太陽光パネル保守装置であって、前記太陽光パネルユニット上を、略水平な第1方向に走行する走行体と、該走行体によって該第1方向に移動しながら前記太陽光パネルユニットに対する保守作業を行う保守機構とを有する装置本体を備えており、該装置本体は、それぞれが前記走行体と前記保守機構とを有する複数の分割体を、前記パネル面と略平行で且つ前記第1方向と略直角な第2方向に連結させることで組み立てられたことを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記保守機構は、前記第1方向に沿って前記パネル面上を移動する保守部品を有しており、前記保守部品は、前記第2方向に延びる複数の保守部品列を形成するように配置されており、それぞれの前記分割体は、前記隣接する他の前記分割体と連結するための連結部を備え、それぞれの該連結部は、前記第2方向に沿って突出した突出部と、該第2方向に沿って窪んだ引込み部とを備え、前記分割体の前記連結部同士の連結は、一方の該連結部の前記突出部が他方の該連結部の前記引込み部と係合すると共に、一方の該連結部の前記引込み部が他方の該連結部の前記突出部と係合することによって該引き込み部が該隣接する他の分割体の該突出部に係合することによって行われ、前記保守部品が、その一部が前記突出部に位置するように前記分割体に配設されることで、前記分割体同士を連結して前記第1方向から観たときに隣接する保守部品の一部が互いに重なるように配置されることが望ましい。
【0010】
本発明において、前記保守部品は、前記太陽光パネルユニットのパネル面を清掃する回転ブラシであることが望ましい。
【0011】
本発明においては、それぞれの前記分割体のそれぞれの前記連結部は、前記第2方向に延びる連結ピンと、挿入孔とを有しており、一方の前記分割体の前記連結部に設けられた前記連結ピンを、他方の前記分割体の前記連結部に設けられた前記挿入孔に挿入すると共に、該他方の分割体の前記連結部に設けられた前記連結ピンを、該一方の分割体の前記連結部に設けられた前記挿入孔に挿入することで、該一方の分割体と該他方の分割体とを連結することが望ましい。
【0012】
本発明においては、前記装置本体の前記保守機構は、前記第2方向に延びて、保守作業に使用する流体を太陽光パネルユニットの表面に供給する流体供給管を有しており、該流体供給管は、前記分割体毎に設けられた分割流体供給管を含み、該分割体同士が連結される際に、それぞれの該分割体の該分割流体供給管が互いに結合されることで、前記流体供給管が組み立てられることが望ましい。
【0013】
本発明においては、前記分割体として、前記装置本体の一方の端部に配置される第1分割体と、該第1分割体と連結できるように構成された第2分割体と、該第1分割体及び該第2分割体のいずれにも連結できるように構成されて前記装置本体の一方の端部に配置される第3分割体とを有し、該第2分割体の個数を零以上の所定数とすることで、前記装置本体の前記第2方向の長さを調整するように構成されたことが望ましい。
【0014】
本発明において、前記第1乃至第3分割体の少なくとも何れかとして、前記第2方向の長さが互いに異なる複数種類の前記分割体を用意し、前記装置本体の組み立てに使用する該分割体を変更することで、該装置本体の全長を変更することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置本体が、それぞれ走行体と保守手段とを有する複数の分割体で構成し、これらの分割体を第2方向に連結して使用するように構成されているため、分割体単位で移動させて、太陽光パネルユニットの設置する際に組み立てることができる。その結果、装置の移動、設置を容易に行うことができ、作業者の労力負担を軽減することができる。
【0016】
本発明において、連結部に突出部と引込み部とを設けることにより、保守部品を、前記第1方向から観たときに隣接する保守部品の一部が互いに重なるように配置できる。このため、本発明によれば、太陽光パネルユニットの全面に隙間なく保守作業を行うことが容易になる。
【0017】
本発明において、保守部品として清掃用の回転ブラシを使用することにより、太陽光パネルユニットの全面を隙間なく清掃することが容易になる。
【0018】
本発明において、連結ピンと挿入孔とを設けて分割体同士を連結することにより、連結作業を容易且つ正確に行うことが可能になる。
【0019】
本発明において、各分割体に設けた分割流体供給管を結合させることで、装置本体の流体供給管が組み立てられるようにすることで、保守作業に流体を使用する場合の装置本体の組立作業が容易になる。
【0020】
本発明において、装置本体を、その全長を分割体の個数で変更できるように構成することにより、太陽光パネルユニットの寸法に応じた寸法の装置本体を個別に準備する必要が無くなる。
【0021】
本発明において、前記第1乃至第3分割体として、第2方向の長さが互いに異なるものを使用することにより、第2方向の寸法が異なる複数種類の太陽光パネルユニットに合わせて、装置本体の長さを変更させ易くなる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1〜
図8には、この発明の実施の形態を示す。なお、ここでは、太陽光パネル保守装置の一例として、太陽光パネルの表面に配置されているパネル面の清掃を行う太陽光パネル清掃装置について説明する。
【0025】
この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、
図2に示すような、太陽光パネルユニット1の表面の清掃を行う。この太陽光パネル清掃装置10は、太陽光パネルユニット1上を走行する「走行体」としての走行輪42と、この走行輪42によって移動しながら太陽光パネルユニット1に対する保守作業としての清掃作業を行う「保守機構」としての清掃機構50とを有している。
【0026】
まず、この実施の形態の太陽光パネルユニット1について説明する。
【0027】
一般に、太陽光パネルユニット1は、パネル面3が傾斜した状態、すなわちパネル面3の上側側面1aが下側側面1bよりも上に位置する状態で、設置される。
図2において、横方向は略水平な方向P(本発明の「第1方向」)であり、縦方向は傾斜したパネル面3と略平行で且つ水平方向Pと略直角な方向(本発明の「第2方向」)である。以下の説明では、
図2に縦方向として表された方向を、傾斜方向Lと記す。
【0028】
この太陽光パネルユニット1は、
図2に示すように、複数の太陽光パネル2を、前後左右に並べて設置したものである。
図1の例では、太陽光パネル2を、傾斜方向Lに4枚、水平方向Pに10枚(一部のみ図示)並べている。また、左右に隣り合う太陽光パネル2同士の間には、所定の隙間Sが設けられている。
【0029】
また、それぞれの太陽光パネル2は、前記したパネル面3と、その裏面側に配置された発電装置(図示省略)とを有するパネル本体4と、その周囲に設けられた縁部5とを有している。このうち、パネル面3はガラスで構成されており、縁部5はアルミニウム等の金属で構成されている。
【0030】
次に、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10について説明する。この太陽光パネル清掃装置10は、
図1〜
図3に示すように、「装置本体」としての清掃装置本体30と、当該清掃装置本体30に取り付けられる端部材20とを有している。また、この清掃装置本体30のフレーム35には、太陽光パネル2のパネル面3の清掃を行う清掃機構50と、この清掃機構50を水平方向Pに移動させる移動装置31と、これらを制御するコントロールユニット(制御装置)82とが備えられている。この移動装置31は、走行輪42を有しており、この走行輪42で清掃装置本体30を水平方向Pに移動させる。また、清掃機構50は、回転ブラシ51A〜51E及び遮蔽ブラシ52、「流体供給管」としての散水管53を有している(後述)。なお、この実施の形態のフレーム35は、軽量化と強度の双方を満たす観点から、主にアルミニウムで構成されている。
【0031】
このうち、端部材20は、
図2に示すように、清掃装置本体30の上端(すなわち、後述する第1分割体30Aの上端)に取り付けられて、当該清掃装置本体30を太陽光パネルユニット1の水平方向Pに安定して移動させるために設けられたものであり、太陽光パネルユニット1の上側側面1aに引っ掛けるように係止されて、設置される。また、端部材20には、上側側面1aに対向するように車輪24が設けられており、これにより、端部材20を当該車輪24で水平方向Pに移動させることができる。
【0032】
また、清掃装置本体30は、
図1,
図2及び
図4に示すように、移動装置31と清掃機構50とを有する複数の分割体30A〜30Cを、パネル面3に沿った略傾斜方向Lに連結させて形成されている。この実施の形態では、上から順に、第1分割体30A、第2分割体30B、第3分割体30Cの3種類の形状の異なる分割体を連結させるようになっている。そして、各分割体30A,30B,30Cを連結させた清掃装置本体30は、
図2に示すように、太陽光パネルユニット1の傾斜方向L全体に渡る大きさの略直方体形状に形成される。
【0033】
また、各分割体30A,30B,30Cは、それぞれ、これらの分割体30A,30B,30Cを連結するための連結部36A〜36Dを有している。詳述すると、第1分割体30Aは、その下端側に第1連結部36Aを有しており、第2分割体30Bは、その上端側に第2連結部36Bを有すると共に下端側に第3連結部36Cを有しており、第3分割体30Cは、その上端側に第4連結部36Dを有している。
【0034】
また、これら連結部36A〜36Dには、水平方向Pの一方側に突出部37A〜37Dが、水平方向Pの他方側に引込み部38A〜38Dが、それぞれ形成されている。詳述すると、第1分割体30Aの下端の第1連結部36Aには、その右側に、下方に突出した第1突出部37Aが形成されていると共に、その左側に、上方に引っ込んだ引込み部38Aに形成されている。また、第2分割体30Bの上端側の第2連結部36Bには、その左側に、上方に突出した第2突出部37Bが形成されていると共に、その右側に、下方に引っ込んだ引込み部38Bが形成されている。また、第2分割体30Bの下端側の第3連結部36Cには、その右側に、下方に突出した第3突出部37Cが形成されていると共に、その左側に、上方に引っ込んだ引込み部38Cが形成されている。また、第3分割体30Cの上端側の第4連結部36Dには、その左側に、上方に突出した第4突出部37Dが形成されていると共に、その右側に、下方に引っ込んだ引込み部38Dが形成されている。
【0035】
第1分割体30Aの下端側に設けられた第1連結部36Aの第1突出部37Aは、相対する第2分割体30Bの上端側に設けられた第2連結部36Bの第2引込み部38Bと、係合するように構成されている。また、第1分割体30Aの下端側に設けられた第1連結部36Aの第1引込み部38Aは、相対する第2分割体30Bの上端側に設けられた第2連結部36Bの第2突出部37Bと、係合するように構成されている。これにより、第1分割体30Aと第2分割体30Bを、連結させることができる。
【0036】
また、第2分割体30Bの下端側に設けられた第3連結部36Cの第3突出部37Cは、相対する第3分割体30Cの上端側に設けられた第4連結部36Dの第4引込み部38Dと、係合するように構成されている。また、第2分割体30Bの下端側に設けられた第3連結部36Cの第3引込み部38Cは、相対する第3分割体30Cの上端側に設けられた第4連結部36Dの第4突出部37Dと、係合するように構成されている。これにより、第2分割体30Bと第3分割体30Cを、連結させることができる。
【0037】
このようにして、各分割体30A,30B,30Cを全て連結させて、清掃装置本体30が組み立てられる。
【0038】
上述のように、各分割体30A〜30Cには、清掃機構50の一部として、回転ブラシ51A〜51Eを備えている。これらの回転ブラシ51A〜51Eは、太陽光パネルユニット1のパネル面3上に、傾斜方向Lに沿って設けられた軸を中心として、回転する。また、回転ブラシ51A〜51Eは、水平方向Pに沿って、2列に配設されている。また、これらの回転ブラシ51B〜51Eは、それぞれ、その一方の端部が、各連結部36A〜36Dの各突出部37A〜37D上に位置するように、配置されている。その結果、各突出部37A〜37Dの連結部36A〜36Dが係合されると、
図1〜
図2に示すように、回転ブラシ51B〜51Eは、水平方向Pから観て重なるような状態で、千鳥状に配設されることになる。
【0039】
具体的には、第1分割体30Aの左側上部には、傾斜方向Lに沿って、所定の幅を有する第1回転ブラシ51Aが配設されている。また、第1分割体30Aの右側下部には、略傾斜方向Lに沿って、所定の幅を有する第2回転ブラシ51Bが、その一部が第1突出部37Aに位置するような状態に配設されている。2つの回転ブラシ51A,51Bは、水平方向Pから観て、それらの一部が重なるような状態で、配設されている。
【0040】
また、第2分割体30Bの左側上部には、略傾斜方向Lに沿って、所定の幅を有する第3回転ブラシ51Cが配設されている。この第3回転ブラシ51Cは、上述の第1回転ブラシ51Aと、その回転軸が略同一直線上となるように、配置されている。また、上述のように、この第3回転ブラシ51Cは、その一部が第2突出部37B上に位置するように配置されており、これにより、第1連結部36Aと第2連結部36Bが連結された際に、第2回転ブラシ51Bと第3回転ブラシ51Cとが、水平方向Pから観て、それらの一部が重なる。
【0041】
また、第2分割体30Bの右側下部には、傾斜方向Lに沿って、所定の幅を有する第4回転ブラシ51Dが配設されている。この第4回転ブラシ51Dは、上述の第2回転ブラシ51Bと、その回転軸が略同一直線上となるように、配置されている。2つの回転ブラシ51C,51Dは、水平方向Pから観て、それらの一部が重なるような状態で、配設されている。
【0042】
また、第3分割体30Cの左側上部には、傾斜方向Lに沿って、所定の幅を有する第5回転ブラシ51Eが配設されている。この第5回転ブラシ51Eは、上述の第1、第3回転ブラシ51A、51Cと、その回転軸が略同一直線上となるように、配置されている。また、上述のように、この第5回転ブラシ51Eは、その一部が第5突出部37D上に位置するように配置されており、これにより、第3連結部36Cと第4連結部36Dが連結された際に、第4回転ブラシ51Dと第5回転ブラシ51Eとは、水平方向Pから観て、それらの一部が重なる。
【0043】
このように、第1分割体30Aの回転ブラシ51Aと回転ブラシ51Bとを、水平方向Pから観てそれらの一部が重なるように配置すると共に、回転ブラシ51B〜51Eを、連結部36A〜36Dを連結させたときに、水平方向Pから観てそれらの一部が重なるように配置した。その結果、この実施の形態に係る清掃機構50では、
図1〜
図2に示すように、回転ブラシ51A〜51Eが千鳥状に配設されている。
【0044】
なお、
図3に示すように、全ての回転ブラシ51A〜51E外側位置には、それぞれ、板状の遮蔽ブラシ52が設けられている。これらの遮蔽ブラシ52も、水平方向Pから観てその一部が重なった状態になるような、千鳥状の配置となっている。また、
図1及び
図2に示すように、回転ブラシ51A〜51Eを回転駆動させるブラシ用モータ54A〜54Eが、各回転ブラシ51A〜51Eに対してそれぞれ1つずつ設けられている。このブラシ用モータ54A〜54Eと回転ブラシ51A〜51Eとは、それぞれ、
図3に示すように、チェーン等の伝達部材55で繋がれて、駆動力を伝達するようになっている。
【0045】
また、
図1及び
図2に示すように、各分割体30A〜30Cには、ブラシ用モータ54A〜54Eや、後述する走行体用モータ33A,33Bを駆動させるための、電源ユニット81A〜81Cが設けられている。また、第1分割体30Aには、作業者が操作するリモートコントローラ等からの指示を受けてブラシ用モータ54A〜54E及び走行体用モータ33A,33Bに制御信号を与えるコントロールユニット82を有している。このコントロールユニット82は、制御用電気配線(図示省略)に接続されている。この制御用電気配線は、分割体30A〜30C毎に設けられたコネクタ(図示省略)を介して、各分割体30A〜30Cのブラシ用モータ54A〜54Eや走行体用モータ33A,33Bに接続された制御用電気配線(図示省略)に繋がっている。これにより、コントロールユニット82からの制御信号がブラシ用モータ54A〜54Eや走行体用モータ33A,33Bに伝えられて、適切な駆動が行われる。
【0046】
また、
図3に示すように、回転ブラシ51A〜51Eの外側斜め上方には、清掃時に水タンクや水道等から供給された水等をパネル面3に撒く散水管53が設けられている。この散水管53は、
図5に示すように、分割体30A〜30Cに、分割されて設けられている。すなわち、第1分割体30Aには第1分割散水管53Aが、第2分割体30Bには第2分割散水管53Bが、第3分割体30Cには第3分割散水管(図示省略)がそれぞれ設けられており、これらの分割散水管が互いに結合することで、散水管53が構成される。例えば、分割体30Aと分割体30Bとを連結させると、
図6に示すように、分割散水管53A,53Bもそれぞれの端部に設けられた結合部を介して、結合される。ここで、この実施の形態では、分割散水管53Aに雄のカプラ56を設けられていると共に、分割散水管53Bに雌のカプラ56が設けられており、これらのカプラ56,56を結合させることで、ワンタッチで分割散水管53A,53Bが結合される。このように結合された散水管53の各分割散水管53A,53Bは、それぞれ水を移動及び散水することができるようになっている。なお、第2分割散水管53Bと第3分割散水管(図示せず)との結合も、第1分割散水管53Aと第2分割散水管53Bとの結合と同様にして行うことができる。
【0047】
図5に示すように、この実施の形態の連結部36Aの突出部37Aには連結ピン39が突設されており、また、連結部36Bの引込み部38Bには当該連結ピン39を挿入する挿入孔40が形成されている。同様に、連結部36Bの突出部37Bには連結ピン39が突設されており、また、連結部36Aの引込み部38Aには当該連結ピン39を挿入する挿入孔40が形成されている。連結部36A、36Bを連結させるときに、連結ピン39、39を挿入孔40、40に挿入させることで、この連結を確実に行うことができる。また、連結ピン39を挿入孔40に挿入したときに、上述の分割散水管53A,53Bのカプラ56、56も結合される。このように、この実施の形態では、分割体30A、30Bの連結と、分割散水管53A,53Bの結合とを、同時に行うことができる。更に、この実施の形態では、連結部36A、36Bの連結後に当該連結部分を確実に固定するための、固定手段Kが設けられている。なお、第3連結部36Cと第4連結部36Dとの連結・固定も、第1連結部36Aと第2連結部36Bの連結・固定と同様にして行うことができる。
【0048】
移動装置31は、
図1〜
図3に示すように、走行体用モータ33A,33Bと、複数の回転軸41と、複数の走行輪42とを有している。これらは、各分割体30A〜30Cに、分散して備えられている。この実施の形態では、第1分割体30Aに走行体用モータ33Aと複数の回転軸41と複数の走行輪42とが設けられており、第2分割体30Bに複数の回転軸41と複数の走行輪42とが設けられており、且つ、第3分割体30Cに走行体用モータ33Bと複数の回転軸41と複数の走行輪42とが設けられている。また、この実施の形態では、複数個の走行輪42が、傾斜方向Lに沿って、2列に分かれて配置されている。
【0049】
走行体用モータ33A,33Bは、コントロールユニット82からの制御信号を受けて駆動力を発生させる。また、走行体用モータ33A,33Bと回転軸41とは、チェーン等の伝達手段(図示省略)で繋がれて駆動力を伝達する。また、走行体用モータ33A,33Bのうち、第1走行体用モータ33Aは、第1分割体30Aに設けられており、走行輪42のうちの最上部に位置するものを駆動させる。また、第2走行体用モータ33Bは、第3分割体30Cに設けられており、走行輪42のうちの最下部に位置するものを駆動させる。これらの走行体用モータ33A、33Bは、同時に同じ駆動力で駆動することも、異なる駆動力で駆動することも、一方を停止させて他方だけ駆動させることも可能となっており、コントロールユニット82の制御によって適宜駆動力を変化させることで、清掃装置本体30をパネル面3に沿って水平方向Pに移動させる。
【0050】
回転軸41は、各分割体30A〜30Cに設けられた2列の回転ブラシ51A〜51Eの外側にそれぞれ配置されており、傾斜方向Lに沿うように配置されている。当該回転軸41の所定位置には、それぞれ、走行輪42が複数個ずつ配置されている。第1分割体30Aと第3分割体30Cの回転軸41には伝達部材55が繋がれており、従って、走行輪42に走行体用モータ33A,33Bからの駆動力が伝えられる。また、第2分割体30Bの回転軸41には伝達部材が繋がれておらず、従ってフリーで回転する。このため、第2分割体30Bの走行輪42は、上下の分割体30A,30Cの走行輪42の走行に追随して走行する。なお、それぞれの回転軸41は、ベアリング等を有する支持部材によって、各分割体30A〜30Cが備えるフレーム35に、回動可能に支持されている。
【0051】
また、この実施の形態では、
図1,
図2,
図4に示すように、2列の走行輪42の間に、傾斜方向Lに沿って1列に配置された、複数の補助走行輪43を有している。これらの補助走行輪43は、フリーで回転するようになっており、2列の走行輪42の何れか一列が太陽光パネル2同士の隙間Sに嵌ってしまったときに、清掃装置本体30が傾いたりずれたりして走行不能に陥らないように、清掃装置本体30を支持する。
【0052】
なお、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、清掃を行う太陽光パネルユニット1の傾斜方向Lの長さに応じて、分割体30A〜30Cの種類や数を変更することが可能である。例えば、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが短いときには、
図7に示すように、第1分割体30Aと第3分割体30Cの2つを連結させて、
図1のものより短い清掃装置本体130を構成することが可能である。
【0053】
また、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが長いときには、
図8に示すように、第1分割体30Aと、複数(ここでは2個)の第2分割体30Bと、第3分割体30Cの計4つを連結させて、
図1のものより長い清掃装置本体230を構成することが可能である。ここで、第1〜第3分割体30A〜30Cの少なくとも何れかとして、その長さが互いに異なる複数種類の分割体を用意しておくことで、様々な寸法の太陽光パネルユニットに応じて清掃装置本体30の寸法を変更し易くなる。
【0054】
コントロールユニット82は、上述のように、作業者が、リモートコントローラ等を用いて、太陽光パネル清掃装置10の動作を制御するために設けられる。具体的には、コントロールユニット82は、走行体用モータ33A,33Bを駆動させて清掃装置本体30を水平移動させる制御や、ブラシ用モータ54A〜54Eを駆動させてパネル面3の清掃を行う制御や、散水管53による散水を行う制御等を実行する。この実施の形態に係るコントロールユニット82は、散水管53による散水を開始してから所定の待機時間(例えば3〜5秒)が経過した後で、走行体用モータ33A,33Bやブラシ用モータ54A〜54Eの駆動を開始させる。これにより、パネル面3の表面が十分に濡れた状態で回転ブラシ51A〜51Eの回転が開始されるので、太陽光パネル清掃装置10の作業開始位置での清掃効果を、十分なものにできる。なお、この待機時間の長さは、プログラム変更等により、実質的に無段階に調整できる。
【0055】
また、このコントロールユニット82は、バッテリ残量やバッテリ電圧をデジタル表示する機能を有する。また、バッテリ残量やバッテリ電圧が正常値を下回った場合に電源ランプを点滅させることで、作業者がバッテリ状態を正確に監視できる。
【0056】
更に、このコントロールユニット82は、太陽光パネル清掃装置10の各駆動部分に異常な負荷が発生したために動作が非常停止した場合に、警告ランプを点滅させる機能を有する。この警告ランプは、負荷の発生場所等に応じて、異なる色(例えば、青色と赤色)で点滅する。これにより、太陽光パネル清掃装置10が非常停止した場合に、異常発生箇所を特定し易くなる。
【0057】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0058】
太陽光パネルユニット1に、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10を設置する際には、まず、第1分割体30Aに設けられた端部材20を、太陽光パネルユニット1の上側側面1aに引っ掛けて、その端部材20に当該第1分割体30Aを指示させる。
【0059】
次に、第2分割体30Bを第1分割体30Aの下方に配置して、第1分割体30Aに設けられた第1連結部36Aの第1突出部37A及び第1引き込み部38Aに、第2分割体30Bに設けられた第2連結部36Bの第2引込み部38B及び第2突出部37Bにそれぞれ係合させることで、第1分割体30Aと第2分割体30Bを連結させる。
【0060】
このとき、
図6に示すように、第1突出部37Aに設けられた連結ピン39と第2引き込み部38Bに設けられた挿入孔40とを係合させると共に、第2突出部37Bに設けられた連結ピン39と第1引き込み部38Aに設けられた挿入孔40とを係合させる。その際、連結ピン39を挿入孔40に挿入すると同時に、第1分割散水管53A及び第2分割散水管53Bに設けられた二対のカプラ56も、ワンタッチで結合される。その後、第1突出部37Aと第2引込み部38Bとを固定手段Kで固定すると共に、第2突出部37Bと第1引込み部38Aとを固定手段Kで固定し、更に、図示しない制御用電気配線のコネクタを接続する。
【0061】
次に、第3分割体30Cを第2分割体30Bの下方に配置して、第2分割体30Bに設けられた第3連結部36Cの第3突出部37C及び第3引込み部38Cを、第3分割体30Cに設けられた第4連結部36Dの第4引込み部38D及び第4突出部37Dに係合させることで、第2分割体30Bと第3分割体30Cを連結させる。
【0062】
このとき、第1分割体30Aと第2分割体30Bを連結する場合と同様にして、第3突出部37Cに設けられた連結ピンと第4引き込み部38Dに設けられた挿入孔とを係合させると共に、第4突出部37Dに設けられた連結ピンと第3引き込み部38Cに設けられた挿入孔とを係合させる。その際、連結ピンを挿入孔に挿入すると同時に、第2分割散水管53B及び第3分割散水管設けられた二対のカプラも、ワンタッチで結合される。その後、第3突出部37Cと第4引込み部38Dとを固定手段Kで固定すると共に、第4突出部37Dと第3引込み部38Cとを固定手段Kで固定し、更に、図示しない制御用電気配線のコネクタを接続する。
【0063】
これにより、各分割体30A,30B,30Cが全て連結して、清掃装置本体30の組み立てが完成する。この実施の形態では、第1分割体30Aの回転ブラシ51Aと回転ブラシ51Bとを、水平方向Pから観てその一部が重なるように配置すると共に、回転ブラシ51B〜51Eを、連結部36A〜36Dを連結させたときに、水平方向Pから観てそれらの一部が重なるように配置した。その結果、この実施の形態に係る清掃機構50では、
図1〜
図2に示すように、回転ブラシ51A〜51Eが千鳥状に配設されている。
【0064】
その後、太陽光パネルユニット1上を例えば左から右に清掃装置本体30を移動させながら、パネル面3の清掃を行う。更に、この後、必要に応じて、太陽光パネルユニット1上を右から左に清掃装置本体30を移動させながら、パネル面3の再度の清掃を行うこととしてもよい。
【0065】
なお、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10では、フレーム35を主にアルミニウムで構成する等して軽量化を図っている。また、突出部37A〜37Dや引込み部38A〜38Dを係合させる構成や、連結ピン39を挿入孔40に挿入する構成、固定手段Kで固定する構成等を設けたので、連結部36A〜36Dが強固に連結される。このため、1つの太陽光パネルユニット1の清掃を終了した後、次の太陽光パネルユニット1の清掃のために太陽光パネル清掃装置10を移動させる際には、分割体30A〜30Cに分解して移動させる必要が無く、組み立てられた状態で移動させることができる。
【0066】
上述のように、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、清掃を行う太陽光パネルユニット1の傾斜方向Lの長さに応じて、分割体30A〜30Cの種類や数を変更することが可能である。例えば、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが短いときには、
図7に示すように、第1分割体30Aと第3分割体30Cの2つを連結させて、
図1の場合より短い清掃装置本体130を有する太陽光パネル清掃装置110を得ることが可能である。また、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが長いときには、
図8に示すように、第1分割体30Aと2つの第2分割体30Bと第3分割体30Cの計4つを連結させて、
図1の場合より長い清掃装置本体230を有する太陽光パネル清掃装置210を得ることが可能である。
【0067】
以上のように、前記した実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、清掃装置本体30が、それぞれ走行輪42と清掃機構50とを有する複数の分割体30A〜30Cで構成されており、これらを傾斜方向Lに沿って連結して使用するため、太陽光パネルユニット1に設置する際に、分割体30A〜30Cに分けて運搬して、設置場所で組み立てることができる。その結果、装置の運搬、設置を容易に行うことができ、作業者の労力を軽減することができる。
【0068】
また、前記した実施の形態の太陽光パネル清掃装置10によれば、回転ブラシ51A〜51Eを水平方向Pに沿って2列配設すると共に、それらの回転ブラシ51B〜51Eを水平方向Pから観てそれらの一部が重なるように配置したので、パネル面3全体に対して、回転ブラシ51A〜51Eで隙間なく確実に清掃作業を行うことができる。
【0069】
また、前記した実施の形態の太陽光パネル清掃装置10によれば、連結ピン39を挿入孔40に挿入することで分割体30A〜30Cを連結する際に、これらの分割体30A〜30Cに設けられた散水管53の結合をも行うことができるので、簡単かつ確実に組立作業を行うことができる。
【0070】
前記した実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、分割体30A〜30Cとして、傾斜方向Lの長さが互いに同一のものを使用する必要は無い。このため、分割体30A〜30Cのいずれか一種類以上について、長さの異なるものを複数個用意しておけば、太陽光パネルユニット1の傾斜方向Lの長さに応じて、清掃装置本体30の全長を適宜変更してすることができる。
【0071】
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するものではない。
【0072】
例えば、前記した実施の形態では、端部材20は、太陽光パネルユニット1の上側側面1aに車輪24を当接させながら水平方向Pに移動するようになっていたが、これに限るものではなく、車輪24の代わりに、キャタピラや上側側面1aに対して滑動する部材を使用して端部材20を水平方向Pに移動させるようになっていても良い。
【0073】
また、前記した実施の形態では、端部材20を太陽光パネルユニット1の上側側面1aに引っ掛けることで、端部材20を太陽光パネルユニット1に保持させるようにしたが、これに限るものではなく、別の構成で太陽光パネルユニット1に保持させるようにしても良い。例えば、より安定して移動させることができるように、一対の端部材を、太陽光パネルユニットの上側側面と下側側面のそれぞれに配置し、これらの端部材に設けられた車輪で太陽光パネルユニットを両側から挟持して保持するようにしても良い。また、太陽光パネルの設置角度が比較的緩い場合等には、端部材を設けずに、清掃装置本体30だけでパネル面3上を走行させても良い。
【0074】
また、前記した実施の形態では、保守機構としての清掃機構50を移動させる走行体として、タイヤ等の走行輪42が設けられていたが、これに限るものではなく、走行輪42の代わりにキャタピラや滑動部材等を設けて、これらに太陽光パネル2上を走行させても良い。
【0075】
また、前記した実施の形態では、清掃装置本体30として、太陽光パネルユニット1の略傾斜方向Lの全長にわたる長さのものを使用し、この清掃装置本体30を水平方向Pに沿って移動させることでパネル面3の全域を隙間無く清掃できるように構成したが、このような構成に限るものではない。例えば、清掃装置本体の長さを太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さより短くし、この清掃装置本体を太陽光パネルユニット上を傾斜方向Lに沿って移動可能にしても良い。また、清掃装置本体は太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの全長にわたる長さととするが、回転ブラシ列の全長は太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さよりも短くし、その回転ブラシが太陽光パネルユニット上を傾斜方向Lに沿って移動できるように構成しても良い。清掃装置本体或いは回転ブラシ列を傾斜方向Lに沿って移動できるように構成した場合は、当該移動により太陽光パネルユニット1の全体を清掃できるため、回転ブラシ列を1列のみとしても良く、回転ブラシ間に隙間があっても良い。
【0076】
また、清掃機構、駆動機構及び制御装置等の構成は、前記した実施の形態に限定されず、適宜の構成を採用しても良い。
【0077】
例えば、分割体の連結部の構成は、突出部と引込み部を設けるものや、連結ピンと挿入孔を設けるものに限らず、他の方法で連結されていても良い。
【0078】
また、前記した実施の形態では、水を用いて清掃を行うこととしたが、水以外の液体やエアー等の気体を用いることとしても良い。また、流体の供給方法は、霧状に噴射する方法や、パルス状に吐出する方法、流れ落とす方法等、どのような供給方法でも良い。
【0079】
また、前記した実施の形態では、太陽光パネルユニット1として、水平方向Pに沿って隣り合う太陽光パネル2の間には隙間Sがあるが傾斜方向Lに沿って隣り合う太陽光パネル2間には隙間Sが無いものを使用したが、これに限るものではない。例えば、太陽光パネルユニットは、水平方向Pに沿って隣り合う太陽光パネルの間には隙間が無く且つ傾斜方向Lに沿って隣り合う太陽光パネル間には隙間がある太陽光パネルユニット1を使用しても良い。更には、水平方向Pに沿って隣り合う太陽光パネルの間と、傾斜方向Lに沿って隣り合う太陽光パネル間との両方とも、隙間が無い太陽光パネルユニット1を使用しても良い。
【0080】
なお、水平方向Pに沿って隣り合う太陽光パネル2の間に隙間Sを有していない等、清掃装置本体30が傾いたりずれたりして走行輪42が走行不能に陥ることがない場合は、補助走行輪43を設けてなくても良い。
【0081】
また、前記した実施の形態では、走行輪42のうち2個のみに走行体用モータ33A,33Bの駆動力が伝達されることとしたが、これに限るものではない。例えば、走行輪の全てに、独立した駆動力を伝達するように清掃装置本体30を構成しても良い。
【0082】
また、前記した実施の形態では、回転軸41と走行輪42は、各分割体30A〜30C毎に独立していて、異なる分割体30A〜30C間では繋がっておらず、互いに独立して回転するようになっていたが、これに限るものではなく、各分割体30A〜30Cを連結したときに回転軸も互いに連結されて、連続する回転軸となるように構成されていて良い。また、これら分割体30A〜30Cの各回転軸が連結時に相互に固定されて、連結された回転軸の各走行輪が全て同じ回転動作で作動するように構成されても良い。更には、連続する同じ回転軸に取り付けられた走行輪の一部がフリーとなっていて、回転軸の回転と独立して回転するように構成されても良い。加えて、分割体の回転軸を、ワンタッチカプラ等を用いて、各分割体30A〜30Cの連結と同時に連結されるように構成しても良い。
【0083】
また、前記した実施の形態では、回転ブラシ51A〜51Eは、各分割体30A〜30Cでそれぞれが、ブラシ用モータ54A〜54Eによって独立して駆動するように構成されていたが、このような構成に限るものではない。例えば、各分割体30A〜30Cを連結したときに、同じ列の回転ブラシが連結されて、それらの回転ブラシが協働して回転するようになっていても良い。このときには、同じ列の回転ブラシを駆動させるブラシ用モータは、1つでも良い。なお、各分割体30A〜30Cの回転ブラシは、ワンタッチカプラ等によって、その軸同士が、各分割体30A〜30Cの連結時と同時に連結されるようになっていても良い。
【0084】
また、前記した実施の形態では、太陽光パネル保守装置の一例として、本発明を太陽光パネル清掃装置10に適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、発電力を向上又は回復させるために、太陽光パネルのパネル面にコーティング剤を塗布して反射防止膜を形成する太陽光パネルコーティング装置にも、本発明を適用することができ、また、その塗布したコーティング剤をブレード等で塗り延ばす機能を更に備えた太陽光パネルコーティング装置にも、本発明を適用することができる。更には、太陽光パネルのパネル面やその下部の発電装置の異常を検知するためにパネル面を監視するセンサやカメラ等を用いて所謂エレクトロ・ルミネッセンス検査やフォト・ルミネッセンス検査等の種々の検査を行う太陽光パネル検査装置に本発明を適用しても良い。
【0085】
また、前記したようなブラシと水を使用して洗浄するタイプの太陽光パネル清掃装置だけでなく、他の構成の清掃装置、例えば、ブロー装置でパネル表面の埃等を吹き飛ばして清掃するタイプの太陽光パネル清掃装置や、刷毛やブレード等を用いて、水を用いずにパネル表面を掃いたり拭いたりして、埃等を除去するタイプの太陽光パネル清掃装置に、本願発明を適用しても良い。加えて、刷毛やブレードを用いた清掃と、ブロー装置を用いた清掃とを平行して同時に行う太陽光パネル清掃装置に、本発明を適用しても良い。
【0086】
なお、太陽光パネルコーティング装置や太陽光パネル検査装置、ブロー装置や刷毛やブレード等を有する太陽光パネル清掃装置においては、ブレード、刷毛,ブロー装置又はパネル面を監視するセンサ列を、パネル面の傾斜方向Lに沿って、複数個配置してもよい。かかるセンサ列は、突出部を起点として、パネル面の傾斜方向Lに沿って配列することで、分割体30A〜30Cを互いに連結したときに、少なくとも一部が水平方向Pから観て重なって並ぶような状態に配置することが望ましい。