【実施例1】
【0152】
次に、上述の様に基本構成された回胴式遊技機の動作について、図面やフローチャート等を参照して詳細に説明する。特に、リプレイの当選確率が変動し、実ボーナス及びアシストボーナス(ART、第3のボーナス又は疑似ボーナス等)を搭載している回胴式遊技機(A+ARTタイプ)について説明する。
【0153】
図21は、ドラムの図柄配置図である。
【0154】
左ドラム2a(第1回胴)、中ドラム2b(第2回胴)及び右ドラム2c(第3回胴)のそれぞれには、左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯(図示せず)が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
【0155】
各回胴帯には、それぞれ異なった並びの図柄(上シン図柄、下シン図柄、BAR図柄、青セブン図柄、赤チェリー図柄、青チェリー図柄、白カボチャ図柄、緑カボチャ図柄、リプレイ図柄及びベル図柄の10種類)が20個配置されている。
【0156】
図22は、図柄の組合せ表示判定図である。
【0157】
主制御部100は、ドラム部2が3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた窓部3の有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う(
図22(A)参照)。但し、全ての遊技(通常遊技、アシスト遊技及びボーナス遊技等)において、規定数は3枚と仮定して説明する。
【0158】
図22(B)及び
図22(C)は、遊技メダルを規定数3枚投入した場合の有効ラインであり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの順に、変則ではあるが第1ライン(下段、中段、中段:変則横ライン)のみが有効となる。すなわち、全ての遊技において、常に3枚投入で、有効ラインが変則第1ラインである。
【0159】
図23は、通常時及びボーナス作動時の配当表である。
【0160】
主制御部100は、リール(回胴又はドラム)が3個すべて停止したときに、有効ライン上(
図22参照)で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。
【0161】
(1)ボーナス1(第1種特別役物に係る役物連続作動装置):左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(赤チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にボーナス1が付与される(1種BB1が作動する。BIGボーナス)。BAR図柄が右上り一直線に揃った様に見えるので、遊技者にとって違和感はない。ボーナス1の遊技で、獲得枚数が144を超えると終了する。
【0162】
(2)ボーナス2(第1種特別役物に係る役物連続作動装置):左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(青チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にボーナス2が付与される(1種BB2が作動する。レギュラー・ボーナス)。BAR図柄、BAR図柄、青7図柄が右上り一直線に揃った様に見えるので、遊技者にとって違和感はない。ボーナス2の遊技で、獲得枚数が144を超えると終了する。
【0163】
(3)中段ベル:左ドラム2aに(リプレイ)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、中央一直線にベル図柄が表示され、中段ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。
【0164】
(4)右下ベル:例えば、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにベル図柄が表示され、右下ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。
【0165】
(5)右下ベルハズレ(BB中増加役):例えば、BB遊技中において、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにベル図柄を取りこぼした様に表示され、右下ベルハズレが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。通常遊技において、この図柄が表示されてもハズレとなり、メダル(遊技媒体)の獲得枚数は0枚となる。
【0166】
(6)上段ベル:例えば左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに(青7)、右ドラム2cに(BAR)が有効ライン上に揃って停止すると、上段にベル図柄が表示され、上段ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、9枚となる。上段ベルは27種類あり、後述する押し順小役における阻害小役となる。
【0167】
(7)押し順小役:左1stが正解押し順の押し順ベル役(左)、中1stが正解押し順の押し順チェリー役(中)、右1stが正解押し順の押し順チェリー役(右)の3種類あり、3択の小役であって第1停止操作が正解であればその後の第2・第3操作で目的小役が入賞する。
【0168】
(8)中段チェリー:例えば、左ドラム2aに20番の(白カボチャ)、中ドラム2bに2番の(BAR)、右ドラム2cに11番の(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、中段チェリーが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は9枚となる。右下りにBAR図柄が3つ揃って表示させることが可能である。中段チェリー役は、フリーズ抽選の契機役であり、当選するとフリーズ演出(リールロック及びリール演出)が行われ、最低5つの疑似ボーナスがストックされて直ちに放出される。
【0169】
(9)右下カボチャ(右下スイカ):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに14番の(白カボチャ)、右ドラム2cに13番の(赤チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにカボチャ図柄が表示され、右下カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となる。
【0170】
(10)右上カボチャ(右上りスイカ):例えば、左ドラム2aに13番の(緑カボチャ)、中ドラム2bに19番の(白カボチャ)、右ドラム2cに3番の(上シン)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにカボチャ図柄が表示されて、右上カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となる。
【0171】
(11)強カボチャ(強スイカ):例えば、左ドラム2aに13番の(緑カボチャ)、中ドラム2bに19番の(白カボチャ)、右ドラム2cに3番の(下シン)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにカボチャ図柄と上シン図柄及び下シン図柄が表示され、強カボチャが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、5枚となり、上シン図柄及び下シン図柄の2図柄が表示窓枠内に停止するので迫力がある。
【0172】
(12)中段リプレイ:例えば、左ドラム2aに18番の(BAR)、中ドラム2bに7番の(リプレイ)、右ドラム2cに5番の(リプレイ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。次ゲーム以降連続で揃っても有効であり、リプレイが不成立となるゲームまでコインを消費せずに遊技し続けることができる。遊技開始前にメダルが自動的に投入される演出が行われ、遊技者のスタートレバー9の操作によって、次回のゲームを行うことができる。乱数抽選で通常リプレイが単独で内部当選すると、フラグエリアに対応するRPフラグを立て、必ずリプレイ図柄が表示される。見た目では、リプレイ図柄が中央横一直線に揃う。再遊技Aの作動図柄が表示されても再遊技確率は変動しない。
【0173】
(13)右上リプレイ:例えば、左ドラム2aに7番の(リプレイ)、中ドラム2bに2番の(リプレイ)、右ドラム2cに16番の(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにリプレイ図柄が表示され、通常リプレイと同様に再遊技が作動する。
【0174】
(14)RT2移行リプレイ(再遊技2):例えば、左ドラム2aに(BAR)、中ドラム2bに12番の(リプレイ)、右ドラム2cに14番の(白カボチャ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、2つのリプレイ図柄とカボチャ図柄(リ・リ・カ)が中央一直線に表示される。乱数抽選でRT2移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技2が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT2状態に移行する。
【0175】
(15)RT3移行リプレイ(再遊技3):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに(リプレイ)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、ベル図柄、リプレイ図柄、リプレイ図柄(ベ・リ・リ)が中央一直線に表示される。乱数抽選でRT3移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技3が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT3状態に移行する。なお、RT3状態とRT2状態とでは、抽選する再遊技役の種類や当選範囲が異なっている。
【0176】
(16)RT1移行リプレイ(再遊技1):例えば、左ドラム2aに17番の(リプレイ)、中ドラム2bに16番の(青セブン)、右ドラム2cに14番の(白カボチャ)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、リプレイ図柄が下段一直線に揃う。乱数抽選でRT1移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技1が作動して再遊技確率が変動し、RT1状態に移行する(転落リプレイ)。
【0177】
(17)青セブン・リプレイ:例えば、左ドラム2aに11番の(リプレイ)、中ドラム2bに16番の(青セブン)、右ドラム2cに17番の(青セブン)が有効ライン上に揃って停止すると、中央一直線に青セブン図柄が揃って表示され、青セブン・リプレイ役が作動する。ART機能について大きな特典を獲得できる。
【0178】
(18)チェリー・リプレイ:例えば、遊技者の逆押し操作によって、左ドラム2aに19番の(青チェリー)、中ドラム2bに(Any)、右ドラム2cに(Any)が有効ライン上に揃って停止すると、チェリーリプレイが作動する。チェリー・リプレイは強チェリー・中チェリー・弱チェリーの3種類あり、遊技者はART機能について大きな特典を獲得できる。
【0179】
(19)シンボルリプレイ(図示せず):例えば、遊技者の逆押し操作によって、左ドラム2aに5番の(白カボチャ)、中ドラム2bに4番の(下シン)、右ドラム2cに4番の(下シン)が有効ライン上に揃って停止すると、全てのリールドラムの上段に完成したシンボル図柄が3つ表示されて、シンボルリプレイが作動する。遊技者は、3つの弾丸ポイントを獲得する。ART機能について大きな特典を獲得できる。
【0180】
(20)押し順小役(押し順ベル役と押し順チェリー役)のコボシ目(1〜m):後述する押し順小役でベル役を取りこぼした時に、有効ライン上に表示される特殊図柄(転落図柄)であり、何れか一つの特殊図柄が表示されると再遊技確率が変動して、RT1状態に移行する。例えば、左ドラム2aに12番の(リプレイ)、中ドラム2bに4番の(ベル)、右ドラム2cに(リプレイ)が有効ライン上に表示(転落図柄の表示)されると、遊技状態がRT1状態に移行する(他は省略する)。
【0181】
主制御部100は、複数の小役が同時に当選する押し順小役と、複数のリプレイが同時に当選する押し順リプレイをまとめてグループ役(又は、押し順グループ役)として管理しており、非AT中(アシスト機能の非発動中)に、押し順小役又は押し順リプレイの何れが内部当選しても、グループ役が当選したという情報を副制御部160に送信するだけなので、副制御部160は正解押し順を認識できない。主制御部100は、第二停止操作後に入賞役情報を副制御部160に送信し、副制御部160は入賞役情報に基づいて演出を行う。
【0182】
(21)プレミア役(図示せず):左ドラム2aに(下シン)、中ドラム2bに(上シン)、右ドラム2cに(上シン)が有効ライン上に揃って停止すると、プレミア役が入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、3枚となる。このプレミア役は疑似ボーナスが抽選で最低10個以上当選する特別役であり、疑似ボーナスが直ちに放出される。全てのリールドラムの下段に完成したシンボル図柄が3つ表示される。
【0183】
図24〜
図26は、押し順小役(左ファースト、中ファースト又は右ファースト)の条件装置の組合せ表(小役の同時当選パターン)である。
【0184】
押し順小役とは、停止ボタン部10の操作順序(停止ボタン部10の押し順)が正解の場合に必ずベル小役(右下ベル:入賞目的小役)又は角チェリー(入賞目的小役))を入賞させる一方、不正解手順の場合には、同時当選している複数種類の9枚小役(阻害小役は27種類)の何れか1つを入賞させる時と、複数のコボシ目(阻害小役の取りこぼし図柄)の中の1つを表示する時がある重複当選小役である。この押し順小役は3分の一で入賞するので、3択小役(1/3入賞小役)と言える。つまり、第1操作が正解であれば、必ずベル小役又は角チェリーが入賞する。
【0185】
押し順ベル役(左)は、正解となる第一停止操作が左停止ボタン10aであり、続く操作は中停止ボタン10bでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順ベル1は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし、配当は同じ第1小役(右下りベル役:FRU1)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合は、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(
図24の押し順ベル1−1参照)。押し順ベル1には、押し順ベル1−1〜押し順ベル1−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。
【0186】
押し順チェリー役(中)は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く操作は左停止ボタン10aでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順チェリー役(中)は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし配当は同じ第1小役(角チェリー役:FRU2)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合には、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(
図25の押し順チェリー2−1参照)。押し順チェリー2と押し順ベル1は、当選する第1小役が異なるだけである。押し順チェリー役(中)には、押し順チェリー2−1〜押し順チェリー2−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。左ドラム2aの下段にチェリー図柄が表示されるので、遊技者には単図柄小役の下段チェリーのような印象を持ち、違和感はない。
【0187】
押し順チェリー役(右)は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く操作は左停止ボタン10aでも右停止ボタン10cどちらでもよい。押し順チェリー役(右)は1回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし配当は同じ第1小役(角チェリー役:FRU3)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合には、3種類の9枚小役(FRU10、FRU23、FRU36)が同時に当選する(
図26の押し順チェリー3−1参照)。押し順チェリー3と押し順ベル1は、当選する第1小役が異なるだけである。押し順チェリー役(右)には、押し順チェリー3−1〜押し順チェリー3−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て9枚役の阻害小役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。左ドラム2aの下段にチェリー図柄が表示されるので、遊技者には単図柄小役の下段チェリーのような印象を持ち、違和感はない。
【0188】
図27〜
図28は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
【0189】
例えば、主制御部100は、乱数抽選により
図24に示した押し順ベル1−1を内部当選させると、上述した通り、FRU1+FR10+FR23+FR36の条件装置を同時に作動(4種類の異なる9枚小役が同時当選)させ、ROM101に対応して記憶する操作順序情報(左1st)に基づいて、左の操作順序が入賞操作順序であると判断する。主制御部100は、この状態で、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理(左1stでFRU1図柄を引き込む処理)を実行し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。また、第一停止操作後、及び第二停止操作後にも同様に、滑りコマ数テーブルを作成する(
図10の説明参照)。
【0190】
図27(A)は、全てのドラム部2が上から下へ一定速度で回転している状態を示している。遊技者が、
図27(A)の状態で、正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、上シン図柄/BAR図柄/緑カボチャ図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の制御を行う(単に、ドラム部2を滑りコマ数分だけ移動させているに過ぎない。
図27(B)参照)。例えば、18番のBAR図柄が有効ライン上に停止し、上段に16番のベル図柄が表示される。この
図27(B)の状態で、主制御部100は、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいい様に、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が中停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、ベル図柄(小役明示図柄)を有効ラインに引き込む為の制御を行う(
図27(C)参照)。この
図27(C)の状態で、FRU1がテンパイして、ベル図柄(小役明示図柄)が一直線に表示されている。主制御部100は、右停止ボタン10cが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、右停止ボタン10cを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、リプレイ図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(
図27(D)参照)。結果的に、第一停止操作が正解であればFRU1が必ず入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が右下り一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。但し、ベル図柄が一直線に表示されるが、入賞ライン上であっても、入賞ライン上で無くてもよい。
【0191】
図28は、遊技者が左停止ボタン10aを第一停止操作した後に、右停止ボタン10cを第二停止操作した場合を示しており、第一停止操作が正解であればFRU1が必ず入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が右下り一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。但し、ベル図柄が一直線に表示されるが、入賞ライン上であっても、入賞ライン上で無くてもよい。
【0192】
図29は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、
図29(A)は、
図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
【0193】
遊技者が、
図29(A)の状態で、不正解操作順序の右停止ボタン10cを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、上弾丸図柄又はスイカD図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(
図29(B)参照)。従って、3つの阻害小役の内、何れか1つの阻害小役図柄が必ず有効ライン上に停止する。この場合、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点で、FRU10しか入賞する可能性はなく、またベル図柄(小役明示図柄)が右上段に停止している。
【0194】
この
図29(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は中停止ボタン10bの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が左停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させて、引き込み範囲内にBAR図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(
図29(C)参照)。18番のBAR図柄が引き込めるのは、有効ライン上に18番〜2番の5つの図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。18番のBAR図柄が引き込めなければ、ハズレ目図柄を有効ライン上に停止させ、第3停止で阻害役のコボシ目(RT変動契機図柄)を表示する。
【0195】
この
図29(C)の状態で、FRU10がテンパイしており、表示窓の上段にベル図柄(小役明示図柄)が一直線に2つ表示されている。主制御部100は、中停止ボタン10bが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が中停止ボタン10bを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、青セブン図柄を有効ラインに引き込む制御を行う(
図29(D)参照)。図ではFRU10が入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が上段一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。16番の青セブン図柄が引き込めるのは、有効ライン上に16番〜20番の図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。一方、青セブン図柄を有効ラインに引き込めない場合には、阻害役(押し順小役)のコボシ目を表示する(図示せず)。
【0196】
図30〜
図31は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、
図30(A)は、
図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
【0197】
例えば、主制御部100は、乱数抽選により
図25に示した押し順チェリー2−1を内部当選させると、上述した通り、FRU2+FR10+FR23+FR36の条件装置を同時に作動(4種類の異なる9枚小役が同時に当選)させ、ROM101に対応して記憶する操作順序情報(中1st)に基づいて、中の操作順序が入賞操作順序であると判断する。主制御部100は、この状態で、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理(中1stでFRU2図柄を引き込む処理)を実行し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。また、第一停止操作後、及び第二停止操作後にも同様に、滑りコマ数テーブルを作成する(
図10の説明参照)。
【0198】
図30(A)の状態で、遊技者が正解操作順序の中停止ボタン10bを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、例えば5番のベル図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う。この
図30(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいい様に、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、リプレイ図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(
図30(C)参照)。この
図30(C)の状態で、FRU2がテンパイして、ベル図柄(小役明示図柄)が一直線に表示されている。主制御部100は、左停止ボタン10aが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、左停止ボタン10aを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、下シン図柄/赤チェリー図柄/青チェリー図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(
図30(D)参照)。結果的に、第一停止操作が正解であればFRU2が必ず入賞して、チェリー図柄(特定の単図柄の小役:下シン図柄/赤チェリー図柄/青チェリー図柄)が左リール下段に表示されて9枚のメダルが払い出される。従って、遊技者は、単チェ(角チェリー)が入賞したと感じるので、全く違和感はない。ここで、特定の単図柄の小役とは、(チェリー・any・any)を遊技者に印象付ける小役を意味する。
【0199】
図31は、遊技者が中停止ボタン10bを第一停止操作した後に、左停止ボタン10aを第二停止操作した場合を示しており、第一停止操作が正解であればFRU2が必ず入賞して、チェリー図柄やシンボル図柄(特定の単図柄の小役)の何れかが、左リールの下段に表示されて(単図柄小役の入賞態様で表示されて)、9枚のメダルが払い出される。
【0200】
図32は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、
図32(A)は、
図27(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
【0201】
遊技者が、
図32(A)の状態で、不正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、上シン図柄又は緑カボチャ図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(
図32(B)参照)。従って、3つの阻害小役の内、何れか1つの阻害小役図柄が必ず有効ライン上に停止する。この場合、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点では、FRU10しか入賞する可能性はなく、またベル図柄(小役明示図柄)が左上段に停止している。
【0202】
この
図32(B)の状態で、主制御部100は、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させて、引き込み範囲内にBAR図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(
図32(C)参照)。12番のBAR図柄が引き込めるのは、有効ライン上に12番〜16番の5つの図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。12番のBAR図柄が引き込めなければ、ハズレ目図柄を有効ライン上に停止させ、第3停止で阻害役のコボシ目(RT変動契機図柄)を表示する。
【0203】
この
図32(C)の状態で、FRU10がテンパイしており、表示窓の上段にベル図柄(小役明示図柄)が一直線に2つ表示されている。主制御部100は、中停止ボタン10bが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が中停止ボタン10bを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、青セブン図柄を有効ラインに引き込む制御を行う(
図32(D)参照)。図ではFRU10が入賞して、ベル図柄(小役明示図柄)が上段一直線に表示されて9枚のメダルが払い出される。17番の青セブン図柄が引き込めるのは、有効ライン上に16番〜20番の図柄があるときなので、引込確率は25%(5/20)となる。一方、青セブン図柄を有効ラインに引き込めない場合には、阻害役(押し順小役)のコボシ目(例えば、BAR図柄・ベル図柄・BAR図柄)を表示する(図示せず)。なお、右ファースト不正解操作も同様の停止制御ロジックなので、説明を省略する。また、右ファースト正解の押し順チェリー役(右)も同様の停止制御ロジックなので、説明を省略する。
【0204】
図33は、遊技状態遷移図(RT状態)である。
【0205】
図のRT0は、リプレイ役(再遊技役)の当選確率が変動していない初期状態(非RT状態)であり、段階設定値が打ち直された直後のゲーム又は実ボーナスゲーム(BB1〜BB2:1種役物連続作動装置)が終了した次のゲームから、初期状態(「初期リプレイ状態」とも言う。)となって一般ゲームが開始する。この一般ゲームにおけるリプレイ当選確率(リプレイ確率)は約1/7.3であり、特にRT1移行リプレイ(再遊技1)、RT2移行リプレイ(再遊技2)及びRT3移行リプレイ(再遊技3)が内部当選しないので、この状態からRT1へ移行するには、上述した押し順小役のコボシ目が有効ライン上に表示されなければならない。一方、BB1(ボーナス1)又はBB2(ボーナス2)が内部当選、図柄表示により作動又は所定枚数越えの払出しで終了してもRT4、ボーナスゲーム、RT0となるだけなので、このルートでもRT1へ移行することはできない。
【0206】
RT0状態の一般ゲームで押し順小役(押し順ベル役又は押し順チェリー役)が内部当選して、停止ボタン10の停止操作手順をミスすることによってコボシ目図柄が有効ライン上に表示されると、次のゲームからRT1状態となる(継続ゲーム数は定められていない。つまり、無限である)。このRT1状態におけるリプレイ確率もまた約1/7.3であり、
図23に示した殆どの役が乱数抽選されて、単独又は複数同時当選可能となる。つまり、初期状態とRT1状態の遊技が、リプレイ確率がほぼ同じ約1/7.3の遊技状態であるが、遊技者が主に滞在する通常遊技はこのRT1状態である。但し、この初期状態では、RT1移行リプレイ〜RT3移行リプレイは当選しないので、コボシ目図柄が有効ライン上に表示されない限り、RT1状態〜RT3状態に移行できない。
【0207】
RT1状態でRT2移行リプレイ(再遊技2)が内部当選し、作動図柄が有効ライン上に表示されると、再遊技確率が変動してRT2状態に移行するが、リプレイ確率がほぼ同じ約1/7.3のままでありハズレとなることも頻繁にある。
【0208】
RT1移行リプレイ(再遊技1)は、遊技者が停止ボタン部10を操作した時に、偶然に6択押し順が正解してRT3移行リプレイが作動すると、RT3状態に移行してしまうので、逸早くRT1状態に落とす為の機能(つまり、コボシ目と同じ機能)を有している(転落リプレイ)。
【0209】
RT2状態でRT3移行リプレイ(再遊技3)が内部当選し、6択押し順が正解して作動図柄が有効ライン上に表示されると、リプレイ確率がほぼ同じ約1/1.5のRT3状態となる。また、RT3状態は、当選するリプレイ役の種類や当選領域の大小が異なっている点で、RT1状態やRT2状態と相違している。そして、リプレイ役の当選領域を狭めて、655/65536(約1/100)でハズレとなる領域を持たせている。その理由は、ハズレ目を出して、遊技者にリーチ目と錯覚させることで期待感を持たすことができるからである。RT2状態又はRT3状態でベル役のコボシ目が有効ライン上に表示されると、RT1状態に転落する。なお、RT2状態ではRT1状態へ転落させない為に、RT1移行リプレイは当選しないようになっている。一方、RT3状態において、RT1移行リプレイをBB1〜BB2の何れかと同時に当選させ、RT1状態に移行せずに、RT4状態に移行させることで、遊技者にBB1又はBB2の何れかが内部当選したことを知らせる様になっている(特有の作用効果)。
【0210】
実ボーナス(ボーナス1〜ボーナス2)は、初期状態、RT1状態、RT2状態及びRT3状態で当選可能であるが、小役又は再遊技役と同時に当選するので、必ずボーナス内部中のRT4状態を経てか入賞可能状態になる。ボーナス1は、単独当選状態で各ドラムにBAR図柄を狙った場合に、見た目上ではBAR図柄が右上り一直線に揃って停止し、作動後(ボーナス1遊技後)に払出し数が規定枚数を超えると終了して、初期リプレイ状態に戻る。RT4状態はボーナス1〜ボーナス2が内部当選している状態(ボーナス持越状態)であり、この状態でハズレを引くとボーナス1図柄〜ボーナス2図柄を揃えることが可能となる。その理由は、主制御部100が内部当選しているリプレイ役の図柄をBAR図柄(ボーナス図柄)よりも優先して、また内部当選している小役の図柄をBAR図柄よりも優先して有効ライン上に引き込むようにドラム部2を停止制御している為である。
【0211】
図34は、遊技状態遷移図(演出状態)及び通常モード番号算出テーブルである。
図35は、主制御部が管理する遊技状態(遊技モード番号)の説明図である。
図36は、各種モードにおけるゾーン処理の説明図である。
【0212】
主制御部100は、出玉性能に関する制御を司っており、
図35に示す全ての遊技状態(遊技モード番号)を決定して、現在どの遊技状態であるかの情報(モード番号で管理された遊技状態情報)を、副制御部160に通知している。一方、副制御部160は、演出に関する制御を司っており、主制御部100から受信した遊技状態情報に基づいて各種演出を実行するだけであり、出玉性能には無関係である。
【0213】
主制御部100は、遊技状態をモード番号0〜モード番号15の16状態で管理しており、モード番号0は通常状態、モード番号1はCZ前兆状態、モード番号2はCZ状態、モード番号3は通常武闘会待機状態、モード番号4は通常時武闘会(実ボ中)状態、モード番号5は通常時武闘会(実ボ後)状態、モード番号6はART状態、モード番号7はARTジャッジゲーム状態、モード番号8はハート上乗せ特化状態、モード番号9は呪いOPT状態、モード番号10はART武闘会待機状態、モード番号11はART時武闘会(実ボ中)状態、モード12番号はART時武闘会(実ボ後)状態、モード番号13は武闘会後OPT状態、モード番号14はプレミアボーナス状態、及びモード番号15はエンディング状態である。なお、OPTとは、出願人の登録商標でオーピーティーと発声し、おしり・ぺんぺん・タイムを意味している。
【0214】
モード番号0の通常状態は、ゲーム数管理でCZ当選用ポイントの獲得期待度が変わるようになっている。モード番号1のCZ前兆状態は、CZ潜伏状態であり、抽選で決定された所定ゲーム後にモード番号2のCZ状態に移行する。CZ状態は、20Gのチャンスゾーンでの遊技が実行され、獲得ポイントによって当選条件がクリアされるとART当選となる。モード番号3の通常武闘会待機状態は、通常、CZ前兆、CZ中、通常武闘会(実ボ後)に実ボーナスが当選した場合に移行する。
【0215】
モード番号4の通常時武闘会(実ボ中)状態は、主人公のHP(ヒット・ポイント)と相手方のHPを削り合うバトル遊技状態である。実ボ中は主人公のHPは減るが、0になることはない。相手方のHPを0にすることで、ART当選となり、ART準備中へ移行する。実ボが終了以前に勝利した時は、実ボが終了するまでハート(遊技上の特典)を獲得する為のハートストック抽選を行う。モード番号5の通常時武闘会(実ボ後)状態は、実ボが終了して、決着がついていない場合の区間である。主人公が負ける場合は、必ずこの遊技区間で負けとなる。相手HPを0にすることで、ART当選となり、ART準備中へ移行する。
【0216】
モード番号6のART状態は、真魂聖勝(シンコンセイカツ)と称するART遊技であり、ゲーム数管理されている。残りゲーム0になるとモード番号7のARTジャッジゲーム状態へ移行する。ART遊技では、遊技上の特典であるハートを獲得するというゲーム性である。ARTジャッジゲーム状態では、ハートの数だけゲームを行って、1回毎に当落抽選を実行し、当選(継続条件が成立)すると、継続成功となってARTへ戻る。ハートを使い切って0になった場合は、通常へ戻るようになっている。
【0217】
モード番号8のハート上乗せ特化状態は、ART中のリプレイ連から移行し、ハートを上乗せする遊技である。最低2Gが保証されており、その後は継続抽選で継続条件が成立することにより継続する(平均5G)。モード番号9の呪いOPT状態は、レア役が成立して何も当選しなかった時にポイント獲得し、一定以上のポイント獲得で移行する。王子の呪いOPT(姉妹キャラクタをOPT)を実行し、ゲーム数を上乗せする。1G固定である。モード番号10のART武闘会待機状態は、ART準備中以降に実ボーナスが当選した場合に移行する遊技状態である。
【0218】
モード番号11のART時武闘会(実ボ中)状態は、主人公のHPと相手方のHPを削り合うバトル遊技状態である。実ボ中は主人公のHPは減るが、0になることはない。相手方のHPを0にすることで、OPTが確定する。実ボが終了すると、OPT遊技へ移行する。実ボが終了以前に勝利した時は、実ボが終了するまでダメージ・ポイントを累積して加算する。モード12番号のART時武闘会(実ボ後)状態は、実ボが終了しても決着がついていない場合の遊技区間である。主人公が負ける場合は、必ずこの遊技区間で負けとなる。相手HPを0にすることで、OPT遊技へ移行する。
【0219】
モード番号13の武闘会後OPT状態は、武闘会に勝利して、倒した相手キャラクタを相手にOPTを行ってゲーム数を上乗せする。1G固定である。モード番号14のプレミアボーナス状態は、武闘会の一部で突入するプレミア遊技であり、プレミアフラグが立てられる。キャラクタ1〜キャラクタ4を相手にする4人分OPTを行う。中段チェリーはプレミアが確定する。モード番号15は、ボスキャラのキャラクタ5を倒した場合に移行するエンディング状態である。
【0220】
主制御部100は、段階設定値が打ち直されると、設定変更処理を実行して、設定値に応じて各種データをクリア及びセットして初期状態とし、遊技者は通常遊技が開始可能となる。この設定変更処理において、まず、設定変更時ゲーム数始点抽選を実行し、CZ期待値を管理しているテーブルの経過ゲーム数の位置(ゲーム数)の抽選を行う。ゲーム数範囲ごとに通常モードNoが決められており、「通しNo」を抽選で決定する。例えば、抽選で通しNoとして8が選ばれれば、主制御部100は、通しNoの8に対応する終点ゲーム「288」の一つ前のデータ「256」を経過ゲーム数として選択する。この経過ゲーム数は消化ゲーム数とも称されており、天井ゲームまでの距離に相当するので、大きい値が選ばれる方が遊技者には有利である。天井ゲームが777ゲームとし、経過ゲーム数が256ゲームとすると、残り521ゲーム(777ゲーム−256ゲーム)で天井に到達する(天井到達状態)。
【0221】
経過ゲーム数は、ボーナス非内部状態で通常中とCZ前兆中において、レバーの有効操作時に1が加算される一方、ARTへ移行したときに0クリアされる。但し、ボーナス当選の当該ゲームでは1が加算される。主制御部100は、現在の経過ゲーム数からゲーム数を通しNo0から順に減算して、0以下の値になった通しNoに対応する通常Noの値をモードNoとする。例えば、経過ゲーム数が112ゲームであれば、通しNo0に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、80ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、80ゲームから通しNo1に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、48ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、48ゲームから通しNo2に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、16ゲームを得る。0以下の値になっていないので、主制御部100は、16ゲームから通しNo3に対応するゲーム数の32ゲームを減算して、−16ゲームを得る。0以下の値になったので、主制御部100は、通しNo3に対応する通常モードNoの「3」をモード値とする。この通常モードNoは0〜3の4種類あるが、値が大きい程、CZ(チャンスゾーン)に移行する為のポイントが貯まりやすくなっており、100ポイントになるとCZへの移行が確定する。
【0222】
次に、主制御部100は、設定変更時に「呪いPT抽選」と、CZ当選用の「通常ポイント抽選」を実行する。例えば、主制御部100は、0〜7の範囲で抽選した数値に、所定値の「2」を加算したものを「呪いポイント」に設定する。また、主制御部100は、0〜63で抽選した数値に、所定値の「36」を加算したものを「通常ポイント」に設定する。結果的に、通常ポイントは36ポイント〜99ポイントとなる。上述した天井ゲームの処理として、ART間777G(経過ゲーム数)となった場合に、天井到達状態になるが、CZクリア確定&武闘会クリア確定となる。つまり、天井到達状態になって、移行条件が成立し、CZ遊技に移行するとクリアとなって勝利する。また、天井到達状態になって、移行条件が成立し、武闘会に移行するとクリアとなって勝利する。CZの場合は、777G以降のCZクリアポイント抽選の結果を0に設定し、武闘会の場合は、777G以降のボーナス当選時に、敵のHPを0に設定する。したがって、777G以降のCZジャッジゲームでは必ず成功となる。
【0223】
図33で説明したRT2状態は、通常中に移行した場合には「ツンデレゾーン」として利用する。ここから他のRT状態へ移行した場合には、「ツンデレゾーン」の終了になる(
図36参照)。通常時にRT3状態へ移行し、RT3状態中に逆押しシンデレラリプレイが当選した場合は、「シンデレラゾーン」となり、10ゲーム間、当選したレア役(リプレイ)と押し順ベルを完全にナビゲーションする。ゾーン状態フラグがあり、1が「ツンデレゾーン」で、2が「シンデレラゾーン」であることを意味する。リプレイA(RT2移行リプ)は択役ではなく、押し順に無関係にリプレイAが入賞する。リプレイB(RT3移行リプ)は6択正解で、RT3へ移行する。不正解でRTを維持する。リプレイC(RT1移行リプ)は3択正解で、RTを維持する。不正解でRT1へ移行する。
RT1且つART準備中フラグが1であって、リプA引いたときの処理、RT3でリプB1を引いたときにツンデレ状態にするか否かの処理、シンデレラリプを引いたときにシンデレラゾーンにするかの処理、逆押しチェリーの変換処理、ゾーン残りゲームを減算するか否かの処理は、
図36に示すとおりである。
【0224】
「通常時、CZ前兆中抽選」:通常ポイント抽選が実行される。通常時には、固定値テーブルで、通常ポイント参照テーブルNoが算出できるので、それを用いて、CZ当選用の通常ポイント抽選を行う。このテーブルに固定値テーブルで算出できる値を掛けたものが、獲得するポイントとなる。通常ポイントが100を超えた場合、通常ポイントから‐100して、CZストックカウンタに1を加算する。CZ当選となり次ゲームから「CZ前兆」へ移行する。
【0225】
CZ当選時潜伏ゲーム数抽選:通常時にCZ当選し(CZ前兆)へ移行する時に(CZ前兆)を行うゲーム数を抽選する。逆に、通常に戻ってくるときにCZストックカウンタが1以上ある場合も、ゲーム数を抽選する。CZ前兆ゲーム数は、サブ状態がCZ前兆かつ非内部の時に1Gで1を減算する。0Gになった次ゲームで(CZ)へ移行する。
【0226】
CZ当選時クリアポイント抽選:CZ当選時潜伏ゲーム数抽選を行ったときに、CZクリアポイントを抽選する。CZ中のポイント獲得抽選で、CZ中ポイントを累積加算して行き、CZクリアポイントに到達するとCZ成功となり、ARTへ移行する。通常時の経過ゲーム数が、777ゲームとなっている場合は、クリアポイントを0にする。
【0227】
CZ中抽選:所定ゲーム数の20G固定のポイントを累積してジャッジするチャンスゾーンである。演出(キャラ)は、4種類選択できる。CZ途中で、舞踏会に突入することがある。その場合は、それまでに貯めたCZ中ポイントとクリアポイントを元に与ダメージに加算する。与ダメージ=敵HP−(クリアポイント−CZ中ポイント)で計算される。武闘会で負けた場合は、CZには戻らず通常時へ戻るが、CZストックが有る場合は、CZ前兆へ移行する。CZが始まるときに、CZ残りゲーム数に20をセットし、CZストックカウンタも1減算する。CZ残りゲーム数は、非内部かつ、内部にならなかった遊技の時に1減算される。CZ中ポイントがCZクリアポイントに達したゲームの次ゲーム以降は、後述するハートストック抽選を行う。CZ残りゲーム数が0になったときにクリアポイントに到達している場合は、次ゲームからARTへ移行する。クリアポイントに達していない場合は、通常時もしくはCZストックが有る場合は、CZ前兆へ移行する。
【0228】
CZ中ポイント抽選:ポイントを抽選し、固定値テーブルで算出できる値を掛けた数値を、CZ中ポイントに加算する。CZ最終ゲーム時に、CZ中ポイントがCZクリアポイント以上になっていた場合にART当選となり、ARTへ移行する。押し順ベルが当選している場合は、払い出しがなかったときは、ハズレとしてポイント抽選する。一方、払出しがあった場合は、ベル用の成立役グループとしてポイント抽選する。ただし、押し順ベルをナビする場合においては、払い出しに関係なくベル用の成立役グループとして扱う。CZの最終ゲームは、レバー時点で判断し、押し順ベル当選で、ベル用の成立役グループとして扱う。
ボーナス内部中の処理:(通常時)、(CZ前兆)、(CZ)、(通常舞踏会(実ボ後)の時に実ボーナス内部中になった場合に、通常武闘会待機へ移行する。また、ART〜ジャッジ、ART武闘会(実ボ)の時に実ボーナス内部中になった場合に、ART武闘会待機へ移行する。
【0229】
通常武闘会待機の処理:通常時に移行するボーナスを揃えるまでの区間(内部中)、出玉関係の抽選は実行されない。ボーナスが揃った場合には、移行先が通常武闘会もしくはプレミアBBとなる。
【0230】
ART武闘会待機の処理:ART時に移行するボーナスを揃えるまでの区間(内部中)には、出玉関係の抽選は実行されない。特別処理として、通常武闘会(実ボ後)中に、ボーナス当選かつそのGで勝利の場合には、ボーナス当選で100与ダメージになる。通常武闘会待機へ移行して、キャラクタは変えずに、実ボ開始で当該キャラクタの紹介ムービーが流れる。その武闘会(実ボ)が終わった時に、ARTへ移行する。初期は40Gで、実ボを消化している間は、ハートストック抽選を行う。
【0231】
ARTの処理:真魂聖勝と称し、女性キャラが王子キャラクタと同棲して、ハートをためていくゲーム性である。残りゲームが無くなるとジャッジゲームへ移行する。レア役の当選で、ハートストック加算の抽選を実行し、リプ連(リプレイ連続)でハートストック特化ゾーンへの移行抽選も行う。他に、呪いOPTというゲーム数上乗せ用のOPTの抽選も行う。通常からのART開始時(いわゆる初当り時)にだけ、ハート1つを加算する処理を行う。
【0232】
ハート種別抽選:ART初回突入時、ART中ハート獲得時、ハート上乗せ特化時のハート獲得時に、種別の抽選を行う。最初の1個目だけを種類として記憶し、それ以降は個数だけの管理とする。最大個数は255+1個となる。種別は、ジャッジゲーム中に失敗してストックを消費するときにも抽選を行う。この「ハート」は、ARTのゲーム数が0になったあと、ジャッジゲームへ移行し、持っているハート1個につき1Gの継続ジャッジを行う。ハートには種類があって、キャラクタごとに6種類の継続率が固定で決められている。使用するハートに設定されている継続率を元に継続抽選を行い、継続に当選した場合に、上乗せ抽選を行いARTへ復帰する。成功した場合(継続に当選した場合)、使用しているハートは消費せずに、次回にまた使用できる。つまり、理論上、ハート1つあれば、永遠にARTへ復帰することが可能である。継続抽選に失敗した場合は、ハートを1減算し、0になったときに、ART終了となって通常へ移行する。継続抽選に失敗してもハートが存在する場合(1以上の場合)は、次ゲーム再度ジャッジゲームとなる。ジャッジゲーム中の当選役に応じて、継続率の加算を行うので、当選役によっては、継続率が100%を超えることもある。その場合は、成功確定となる。また、ジャッジ成功時に、当選役に応じて、持ち越し継続率加算抽選を行うので、成功すればするほど、継続率が高くなる。但し、ハート継続率+持越し継続率の最大値は70%である。一方、ジャッジ遊技で失敗した場合には、この持越し継続率はクリアされて0になる。
【0233】
ハートストック加算抽選:ART中において、成立役グループに応じてハートストックの加算抽選を行う。1個以上のハートストックが当選した場合に、ハート種類が設定されていないときは、ハート種別抽選を行って設定する。一方、ハート種類が設定されている場合は、ハートストックに抽選された値を加算する。ハートストックの抽選契機は、ART中、武闘会(実ボ中)において敵HPを0にした次ゲームから実ボ終了するまで、CZ中にクリアポイントを超えた次ゲーム〜CZ終了するまで、プレミアボーナス中の4つの遊技状態中である。
【0234】
呪いポイント加算抽選:ハートストック加算抽選に非当選で且つ武闘会(1種BB)にも非当選だった場合に、抽選が実行される。呪いポイントに加算するポイントの抽選を行うが、当選役がレア役な程、加算されるポイントが高い。ボーナス当選時にも当該抽選は実行されるが、ボーナス当選且つ呪いポイント獲得が無いようにするために、必ず0ポイントが選ばれるようになっている。呪いポイントは設定変更時に、0〜7で抽選した値に+2した数値から始まり、10Ptに到達した時に、10pt減算して、呪いOPT当選となり、次ゲームから呪いOPTへ移行する。呪いOPT自体は1Gで終了する。ART終了時に呪いポイントはクリアせずに持ち越される。
【0235】
リプレイ連別ハート上乗せ特化ゾーン当選抽選:ボーナス非内部中において、5連以上(最大8連)のリプレイ連続当選毎に、ハート上乗せ特化ゾーンに移行するか否かの抽選を行う。この抽選に当選した場合に、リプレイ連を0クリアして、次ゲームからハート特化ゾーンへ移行する。特化ゾーンは2G以上続きます(継続抽選)。リプ連は、レア役ではクリアされない。但し、現在のサブ状態(演出状態)から他のサブ状態へ移行した時には、リプ連はクリアされる。リプレイB1に当選した場合、非ゾーン中&RT3時には100%ツンデレ状態となる。
【0236】
ART中シンデレラゾーン抽選:ART中でツンデレゾーンもしくはシンデレラゾーンでない場合に、逆押しシンデレラリプレイ(テンパイ・ハズレ含む)当選したとき、この抽選を行う。当選した場合は、逆押しナビが出るが、シンデレラが揃う場合は、次ゲームからシンデレラゾーン(固定10G)となる。逆押しチェリー系のリプ(弱・中・強)当選時の逆押しナビ確率がツンデレゾーンより上がる(ロジックによる固定で100%)。逆押しチェリー系リプレイ当選時において、(1)通常時→逆押し無し、(2)ツンデレ→25%でナビ、(3)シンデレラ→100%でナビとなる。
【0237】
ARTへ移行するときの処理として、ART残りゲームが少ない状態で、ハート上乗せや、ART武闘会(実ボ)へ移行した後、ARTへ復帰する場合、ART残りゲームが5G未満のときには、ART残りゲームを5Gで上書きする。ART残りゲームは、ART中且つ非内部中の時に1を減算(BB当選当該ゲームは減算)する。ARTへ遷移した時にオープニングゲームとして「5G」をセットし、オープニング中は、呪いポイントを加算した場合に9以上になるときには、9で上書きする。呪いOPTへ遷移させないための処理として、ART残りゲーム数は減算する。
【0238】
ARTジャッジゲーム中抽選では、ハートを使って継続抽選を行われ、1ハートにつき1ゲーム実行可能である。継続成功となった場合は、ハートは残ったままとなるので遊技者に有利である。継続失敗となった場合は、ハートを1つ消費し、ハートがなくなった場合には、ART終了となる。ボーナス内部中になったときのハートは、継続確定となる。ハートの種類ごとに、固定の継続率が決められている。当該Gで当選した役の継続率、持ち越し継続率の合計継続率(固定の継続率+役の継続率+持ち越し継続率)で継続抽選を行い、成功した場合は、後述するジャッジ継続率加算抽選を行って、越し継続率に加算して、次回へ持ち越しとなる。持越しの上限は、最大70%であり、70%を超える場合には、70%に書き換えたうえで、当該Gで当選した役の継続率を加算して、継続抽選を行う。
【0239】
ジャッジ継続率加算抽選:ジャッジゲーム成功時に、当該当選役に応じて「持越し継続率」に加算する値を抽選で決定する。「持ち越し継続率」は次回ジャッジまで持ち越すので、「持越し継続率」と「ハート継続率」と「次回の当選役の固定継続率」の結果を、すべて足し合わせた合計継続率で、次回の継続率抽選を実行する。
【0240】
ハート別の上乗せゲーム数抽選:ハートによるジャッジ成功時において、ハート種類に応じて、上乗せゲーム数抽選を実行する。
【0241】
ジャッジゲーム中天井:ジャッジ失敗カウンタを持ち、初期は0である。ジャッジ失敗ごとに加算し、10になった時(累計9回失敗した次のジャッジは必ず成功になる)に、当該ジャッジを成功に書き換える処理を実行する。ART中はジャッジに成功してもカウンタはクリアしない。但し、天井による成功時については、0にクリアする。通常へ戻るときに0クリア処理を実行する。
【0242】
ハート上乗せ特化ゾーン中抽選:ジャッジゲームで使用するハートを必ず獲得できるゾーンであり、基本的に数ゲーム続くようになっている。最低2G保証で、その後は継続抽選を行う。但し、ボーナスが当選した場合は、強制終了して、特典としてハート10個を獲得する。
【0243】
ハート上乗せ数抽選では、当選役に応じてハート上乗せ数の抽選を実行する。ハート上乗せ特化継続抽選では、非内部もしくはボーナス入賞していない場合、ハート上乗せ特化ゾーンを継続するか否かの抽選を実行する。当該抽選に当選した場合は、ハート上乗せ特化ゾーンが継続する。ボーナスが当選した時の処理として、ハート上乗せ抽選をしない分の補填をする為に、当該ハート上乗せ特化ゾーンで獲得したハートストックを2倍(所定倍)する処理を実行する。また、最低でも10個加算したうえで、ハート特化は終了となり、ART武闘会待機へ移行する。
【0244】
呪いOPT中抽選として、呪いOPT時キャラ抽選:OPTを行うキャラクタを味方キャラクタの中から抽選する。
【0245】
OPTテーブルNo別の継続率抽選:キャラクタごとに、小役に応じて決められているOPTテーブルNo別でOPTで使用する継続率の抽選を行う。テーブルNoは10種類程度存在する。
【0246】
OPT1ペンでのゲーム数抽選:主制御部100は、操作ボタンを1回操作(1ペン)ごとの上乗せゲーム数を、副制御部160へ送信する。主制御部100は、アーマーブレイクした時(ブレイク2回とファイナルネガティブショット)も同様に、上乗せゲーム数を副制御部160へ送信する。
【0247】
アーマーブレイク時の上乗せゲーム数抽選:キャラクタ毎にアーマーの耐久回数(固定値テーブル)が0になるごとに、上乗せゲーム数抽選を実行する。アーマーは2段階で、キャラクタ毎に固定されている。3段階目として、ファイナルネガティブショット用の耐久値と上乗せゲーム数は別で抽選する。
【0248】
ファイナルネガティブショット用アーマー耐久値抽選:アーマー3段階目の耐久値を決める抽選で決定する。この耐久値の回数分のペンを行うと、ファイナルネガティブショット成功となり、上乗せゲーム数を抽選する。この値をOPT終了時に大きな上乗せ表示する。
【0249】
武闘会後OPT中抽選:基本的に呪いOPTと同じテーブルを使って、上乗せゲーム数を抽選する。闘っていた敵キャラNoを使用して、OPTを実行する。OPT終了後の移行先が、RT状態によって変更となる。RT0〜RT2であればART準備中へ移行する一方、RT3であればARTへ移行する。
【0250】
武闘会では味方HP、敵HPの削り合いバトル演出が表示され、武闘会中抽選が実行される。実ボーナス中(21G程度)と、初期にもどってからの状態となる。実ボーナス終了時に勝敗が決まっていない場合は、非内部状態に戻ってからも武闘会が続行する。武闘会(実ボ中)と武闘会(非内部)でサブ状態が分けられている。更に、通常時とART中で役割が違うのでサブ状態が分けられている。通常時において、敵キャラと対戦し、敵を倒せばART確定となる。ART中において、敵キャラと対戦し、敵を倒せばOPT確定となる。自分HPは100に固定され、敵HPも100に固定されている。一方、遊離状態になっていればキャラクタ別に50〜80に変更される。実ボーナス中の処理として、自分HPが1までしか減らない様になっているので、実ボ中は負けることはない。
【0251】
武闘会開始時敵キャラ抽選:通常時かART中は戦闘した回数に応じて、対戦するキャラを抽選で決定する。5戦時にこの抽選を行った場合、戦闘回数を1にする一方、敵ボスに勝利した場合は戦闘回数は1のままにする。
【0252】
通常時武闘会開始時HP減算抽選:CZ中に当選した場合、CZ獲得ポイントを元にキャラHPから減らすポイントを抽選を実行する。クリアポイントと獲得ポイントの差分に応じて、テーブルが変更される。通常においては、この抽選は実行されない。
【0253】
与ダメージ抽選:成立役グループと敵キャラ別で番号(固定値テーブル)により、敵に与えるダメージの抽選を行う。番号ごとに、倍率が振り分けられているので、その倍率を掛けた数値が与ダメージとなる。倍率として、通常武闘会用とART武闘会用に2つ持っている。実ボ中は、(1)ベル(攻撃役)、(2)ベベリ(制御変えベル)、(3)リプレイ、(4)逆押しセブン揃い、(5)逆押しセブン揃わない、(6)弱中強チェリーリプレイ、(7)逆押し弱中強チェリーリプレイがある。実ボ中は、ベベリで与ダメージが0の場合に、被ダメージ抽選を行う。実ボ終了後は、ハズレ時に与ダメージが0の場合に、被ダメージ抽選を行う。
【0254】
被ダメージ抽選:ベベリもしくは、非内部時はハズレで、与ダメージが0だった時に、敵キャラごとに、与えるダメージの抽選を行う。メインの抽選条件としては、与ダメージ0で、リプレイ又はベルではないときに自分が受けるダメージの抽選を行う。但し、武闘会の1G目は、被ダメージ抽選は行わない。
【0255】
残りHP別のセブン扱い抽選:相手を倒していない場合に、自分のHPに応じて、逆押しセブン揃いリプを引いたときの、セブン扱いにするか否かを抽選する。当選した場合には、与ダメージ抽選などの成立役の種類を変え、与ダメージが100にするので、勝利確定となる。
【0256】
武闘会突入時無敵抽選:武闘会突入時に、敵キャラに応じて無敵抽選を行い、これに当選した場合は、武闘会(実ボ後)にHPが0にならないので勝利確定となる。
【0257】
武闘会時リプによるHP回復抽選:武闘会中のリプレイ時に自分がHP回復するか否かの抽選を行う。当選した場合は、その抽選値分のHPが加算される。ART武闘会の敗北時の処理として、ART武闘会(実ボ後)に敗北して、次ゲームARTへ戻るときに、呪いポイントに1を加算するので、オープニングが終わった次々ゲームから呪いOPTへ移行する。
【0258】
プレミア系の抽選:ボーナス開始時にフリーズが発生するとプレミアボーナスとなり、4人のOPTが確定して、獲得枚数の期待値3000枚となる。ボーナス当選時に抽選および中段チェリー+BBの場合には、武闘会開始時プレミア抽選が実行される。武闘会の開始時にプレミア状態へ移行するか否かを抽選し、当選した場合には、サブ状態がプレミア武闘会へ移行する。プレミア舞踏会は、4人OPTを行い、17回のベル払い出しのうち、最後の4回のベルの時に、キャラ1〜キャラ4までを当選役に応じて指定される固定値データを設定し、その抽選値でOPT処理を実行する。中段チェリーについて、当選した時に同時当選でボーナス確定&プレミア武闘会が確定となる。ART中にもプレミア武闘会が当選するようになるので、プレミアによる期待枚数は3000枚となる。
【0259】
ART武闘会で、ボスキャラ(キャラ5番目)を倒した時にエンディング状態に移行する。エンディング状態は、5G固定とし、途中でボーナスを引いた場合は、その時点で終了となる。終了後にARTへ移行する。
【0260】
図37は、特別上乗せ画面(
図37(A)参照)及び特別上乗せ抽選の処理手順を示すフローチャート(
図37(B)参照)である。また、
図38は、特別上乗せ画面(上乗せゲーム2の画面)の概要図である。尚、特別上乗せとは、OPTを意味する。
【0261】
この上乗せゲームで上乗せゲーム(何れかのOPT)が選択されると、主制御部100は、終了決定確率であるパンク率(又は、継続決定確率であるループ率、若しくは継続率と称される)と上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ値を決定する為の上乗せループ抽選処理を実行する。なお、パンク率と継続率とは裏腹の関係にあり、パンク率が5%(20回に1回終了決定)と継続率が95%(20回に19回継続決定)とは表現の違いだけであり、実際には同義である。
【0262】
有利遊技であるART遊技中に、敵キャラを倒した場合、又は、所定ポイントを獲得した場合(例えば、1000ポイントをゲット)、何れか一つが達成されたことを契機にして、上乗せ条件(上乗せゲーム2の開始条件)が成立する。また、BB中のART抽選に当選した場合や、ART中に所定ゲーム内にベルを3回入賞などのミッション達成により成立する。
【0263】
主制御部100は、ART遊技(有利遊技)において特別上乗条件(上乗せゲーム2)が成立して、特別上乗抽選処理を実行する場合に、このサブルーチンを呼び出す(
図37(B)参照)。主制御部100は、ステップS200に移行すると、複数の敵キャラクタの中から、抽選により今回の特別上乗せ抽選に用いる1人のキャラクタを選択する。そして、主制御部100は、ステップS200に移行すると、上乗せ形態抽選を実行して通常上乗せ又は特殊上乗せを決定する。この、特殊上乗せは、特殊上乗せ1〜特殊上乗せ3があり、特殊上乗せ1(スピード上乗せ)は乱数を2つ抽出して上乗せゲーム数抽選を2回実行するもの、特殊上乗せ2(パワー上乗せ)は乱数を1つ抽出して上乗せゲーム数抽選結果を2倍にするもの、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)はキャラクタのHP(ヒットポイント)を通常上乗せよりも4倍のポイントを減らすものである。この場合、6人のキャラクタから左端のキャラクタAが選択され、通常上乗せが抽選で決定された状態を示している。上乗せ形態は、キャラクタAが持つスティック(俗に、「ペンペン棒」と称している)の種類によって遊技者に認識させる様になっている。つまり、通常上乗せの場合には、図に示す通常スティックが表示されるが、特殊上乗せ1ではスピード・スティックが表示され、特殊上乗せ2ではパワー・スティックが表示され、特殊上乗せ3ではテクニック・スティックが表示される。
【0264】
なお、選択されたキャラクタAと倒した敵ボス(敵キャラクタ)に応じて、保証ゲーム数抽選テーブルが設けられている。また、この保証ゲーム数抽選テーブルは、段階設定値に応じて期待値が上下するようになっている。例えば、キャラクタAと敵ボスとの組み合わせに対応して保証ゲーム数抽選テーブルが6つ設けられているが、段階設定値が6の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は16回、段階設定値が5の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は14回、段階設定値が4の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は12回、段階設定値が3の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は9回、段階設定値が2の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は7回、段階設定値が1の場合、保証ゲーム数抽選の期待値は5回となるように数値が設計段階で予め決定されている。そして、主制御部100は、ステップS210でこれらの保証ゲーム数抽選テーブルを用いて、抽選により保証ゲーム数を自動的に決めて、ステップS220へ移行する。
【0265】
主制御部100は、今回の遊技におけるスタート操作で役抽選を実行して、ステップS220に移行すると、当選役に応じて上乗せループ率抽選を実行する。上乗せループ率とは、当選する確率であり、例えば90%と仮定すると90%の確率で当選し、10%の確率でハズレとなる。上乗せループ率抽選テーブルは2種類あり、1つはレア役が当選した場合に選択され、他はレア役以外で選択される。当然ながら、レア役が当選した場合に選択される上乗せループ率抽選テーブルは、レア役以外のテーブルに比較して期待値が2〜3倍程度高くなっている。また、上述した通り、段階設定値に応じて期待値が上下するようになっている。
【0266】
主制御部100は、ステップS230に移行すると、決定した上乗せゲーム数抽選テーブルを用いて1つの乱数を抽出して、通常上乗せでは上乗せ抽選を1回実行する。特殊上乗せ1(スピード上乗せ)では乱数を2つ抽出(少なくとも2つ以上の乱数を抽出)して上乗せゲーム数抽選を2回実行して、2つの上乗せ値を決定する。特殊上乗せ2(パワー上乗せ)は乱数を1つ抽出して上乗せゲーム数抽選結果を2倍にして(1つの乱数を抽出して定まる値を整数倍して上乗せ値を決定して、又は、値に所定値を乗算して所定値を決定して)、1つの上乗せ値を決定する。そして、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)では通常上乗せと同様に、1つの乱数を抽出して上乗せ抽選を1回実行する。また、上乗せゲーム数抽選1回毎に、キャラクタの持つHPから所定の1ポイント(所定ポイント)を減算するが、特殊上乗せ3(テクニック上乗せ)だけは所定の1ポイント(所定ポイント)を4倍した4ポイントをHPを減算する。各キャラクタの持つHPは3つあり、まずHP1から減算し、0となって第一上乗せ抽選条件が成立すると第一特別上乗せ抽選を実行して、第一特別上乗せ値を副制御部160に送信する。更に、主制御部100は、上乗せゲーム数抽選1回毎に、HP2から減算し、0となって第二上乗せ抽選条件が成立すると第二特別上乗せ抽選を実行して、第二特別上乗せ値を副制御部160に送信する。そして、主制御部100は、上乗せゲーム数抽選1回毎に、HP3から減算し、0となって第三上乗せ抽選条件が成立すると第三特別上乗せ抽選を実行して、第三特別上乗せ値を副制御部160に送信する。この第一特別上乗せ値の期待値は約50ゲーム、第二特別上乗せ値の期待値は約100ゲーム、第三特別上乗せ値の期待値は約300ゲームとなっており、特殊上乗せ3の場合には4倍でHPが減算されるため、特別上乗せが発生し易く、また選択されたキャラクタにも拠るが、高い確率で保証ゲーム数内に第一上乗せ抽選条件が成立する様になっている。副制御部160は、受信した第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値を個々に記憶しており、これらの特別上乗せ値を受信した場合には、特別上乗せ値に関する演出を実行可能である。例えば、副制御部160は、第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値に応じて、段階的にキャラクタの鎧を破壊する様な演出を実行するのである。
【0267】
主制御部100は、ステップS235に移行すると、上限値N(送信許容回数)を超えたか否かを判断する。例えば、上限値Nを100回と仮定すると、主制御部100はステップS240で、最大100回まで副制御部160に上乗せ値を送信して、残り総ゲーム数(残り総数値)に上乗せ値を加算するが、101回以降は残り総ゲーム数に加算するだけで、副制御部160に上乗せ値を送信しない。副制御部160は、主制御部100から受信した上乗せ値を受信した順番に個々(別々)に記憶し行く。これによって、副制御部160の記憶容量を削減できるという特有の効果がある。なお、残り総数値は、ART遊技に関する押し順小役の残り当選回数や、残り払出し枚数などである。但し、主制御部100は、第一特別上乗せ値〜第三特別上乗せ値は、上限値Nとは無関係に必ず送信する。
【0268】
主制御部100は、ステップS250に移行すると、保証ゲーム数があるか無いかを判断し、0でなければ(1以上であれば)、ステップS280に移行して保証ゲーム数から1を減算してステップS230に戻る。なお、換言すれば、ステップS250は保証ゲーム数を消化したか否かの判断と言え、消化していなければ1を減算してステップS230に戻る一方、消化していればステップS260に移行すると言うことである。
【0269】
主制御部100は、ステップS250で保証ゲーム数が0回となってステップS260へ移行すると、決定されている上乗せループ率(この場合、当選率90%)に従って上乗せ継続数抽選を行う。例えば、0〜255の範囲で変動する8ビットカウンタを用いて、ランダムなタイミングでカウント値を抽出し、0〜229の範囲を当りとすれば、当選率は約90%となり、ステップS270で当選した場合(継続条件成立の場合)に、ステップS230に戻って上乗せループ抽選を自らが自動的に実行する。主制御部100は、ステップS270で終了の場合(終了条件成立の場合)に、計算して求めた残り総ゲーム数(残り総数値)を副制御部160に送信して、上乗せループ抽選処理のサブルーチンを終了する。主制御部100は、この残り総数値に基づいて、ART遊技の継続や終了、ジャッジメント遊技への移行を制御する。つまり、主制御部100は、有利遊技の上乗せ値を決定する為に、上乗せ抽選を繰り返す上乗せループ抽選処理を実行可能であり、また、上乗せループ抽選処理を終了させるか否か決定する為の抽選を、繰り返し実行可能な制御手段である。
【0270】
副制御部160は、主制御部100から受信した上乗せ値を受信順に個々(別々)に記憶しており、上乗せゲーム数が1回目に1、2回目に3、3回目に1、4回目に5、5回目に1、6回目に1、7回目に50、8回目に1、9回目に1が当選し、トータル64回獲得したことを示している(
図38(A)参照)。副制御部160は、上乗せ値に関する上乗せ演出を制御する演出制御手段であり、特別上乗条件(上乗せゲーム2)が成立した遊技が終了後(第3停止操作後)に、上乗せ演出の開始条件が成立して、スペシャルボタン14(操作スイッチ)の操作を有効化する。有効化時には、副制御部160は、スペシャルボタン14の内部LEDが点滅させると共に、液晶画面に「スペシャルボタン連打」と表示する。つまり、副制御部160は、主制御部100から当該ゲームが終了した旨の通知(ドラム部が全て停止した状態の通知又はベットボタンが有効の通知など)を受信すると、スペシャルボタン14を操作可能とし、表示演出装置11に「スペシャルボタンを叩け」又は「スペシャルボタン連打」と表示する。また、現在の残りゲーム数に、スペシャルボタン操作1回毎に上乗せ値を加算した残りゲーム数も表示される(図示せず)。
【0271】
図38(B)は、上乗せゲーム数が10回目に20、11回目に100、12回目に10、13回目に1、14回目に3、15回目に1、16回目に5、17回目に1、18回目に1が当選した後に、最後に受信した残り総ゲーム数(残り総数値)を記憶しており、上乗せループ抽選処理の終了条件が成立し、1回目から18回目のトータル206回獲得したことを示している。副制御部160は、上乗せ演出の開始条件が成立し、スペシャルボタン14を操作可能状態(有効化状態)として、遊技者がスペシャルボタン14を1回操作する毎に、受信した順番にRAMに記憶する上乗せゲーム数を1回目から最後の順に順次表示し、19回目の操作で総上乗せゲーム数と残り総ゲーム数を表示する演出を実行する。副制御部160は、MAXベット操作後のスタート操作(演出キャンセル操作)により、上乗せ演出がキャンセルされた場合にも、総上乗せゲーム数を表示する様になっており、次遊技の第一停止操作が行われるまで総上乗せゲーム数表示は継続される。なお、残り総ゲーム数も表示する様にしてもよい。副制御部160は、受信した残り総ゲーム数(残り総数値)から上乗せ遊技前の残ゲーム数を減算することにより、総上乗せゲーム数を求めて表示する様になっている。これにより、副制御部160は、遊技者に代わって主制御部100が実際に行った上乗せ抽選を再現するので、遊技者は大きな感動を覚えると共に、遊技者と遊技機との一体感を形成することができる。
【0272】
図39は、8ビット擬似乱数と置数の関係を示す説明図である。
図40は、役抽選テーブルの詳細説明図である。
【0273】
モード番号0の通常状態は、通常モードNo0〜3の4種類で管理されており、この状態が大きい時にレア役等を引けば、ART(アシスト・リプレイ・タイム)やCZ(チャンスゾーン)に当選する確率が高くなる。ポイントは、0〜99の値の中から乱数抽選で決定される。
【0274】
8ビット擬似乱数を用いた場合、従来であれば0.39%(1/256)刻みでしか確率を設定できなかったが、当選確率をもっと細かく設定する必要が生じたので技術的に工夫を凝らした(例えば、0.006%)。主制御部100は、乱数生成回路が周期的に生成している0〜255までの8ビット擬似乱数の1つを所定のタイミングで取得する(
図39(A)参照)。なお、この8ビット擬似乱数は1周期に一度必ず0〜255の値が出現する。8ビット擬似乱数の第7ビット(MSB)が指示ビットであり、この値が0であれば掛算の実行指示となるが、1であれば掛算の実行指示ではない(つまり、掛算の不実行指示)。又、指示する内容は0と1が逆でもよい(0:実行不指示、1:実行指示)。8ビット擬似乱数の他の7つのビット(第0ビットから第6ビット)で0〜127までの何れかの数値を示すことが可能である。
【0275】
図39(B)は、指示ビット(MSB)が0で所定数を掛けることを指示するものであり、7ビットの数値を128倍したものが置数となり、数値が1増す毎に確率が0.781%増加することを示している。この分解能は、1/256の2倍に荒くなっている。
【0276】
図39(C)は、指示ビット(MSB)が1で所定数を掛けないことを指示するものであり、7ビットの数値が置数となり、数値が1増す毎に確率が0.006%増加することを示している。この分解能は、1/256の64倍に細かなっている。
【0277】
図39(D)は、複数の当選情報(賞金ポイント0〜99の値)と置数の関係を定める抽選テーブルであり、ROM101に記憶されている。賞金20ポイントを中心にして、賞金10ポイント〜賞金30ポイントが80%の確率で当選するように設計されている。賞金20ポイントを30%の確率で当選させる場合、置数はMSBが0で、7ビット数値は38となり、真の確率は29.688%(38×128÷16384)となる。賞金15ポイントと賞金25ポイントを20%の確率で当選させる場合、置数はMSBが0で、7ビット数値は26となり、真の確率は20.031%(26×128÷16384)となる。賞金0ポイントを0.5%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は82となり、真の確率は0.500%(82÷16384)となる。賞金90ポイントを0.02%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は4となり、真の確率は0.024%(4÷16384)となる。そして、賞金99ポイントを0.01%の確率で当選させる場合、置数はMSBが1で、7ビット数値は2となるはずだが、0〜90ポイントまでが当選していないので、最後に必ずポイントが当選するのだから、100%を意味するMSBが1で、7ビット数値は0(置数1Byteデータ:10000000)を入れている。プログラム上の処理として、まず置数に128かを確認して、128であれば当選処理をする一方、128でなければ乱数から置数を累積して引き算するという処理になる。特に、確率50%はMSBが0で、7ビット数値は64(置数1Byteデータ:01000000)となる。逆に、取得した1つ8ビット擬似乱数が64(1Byteデータ:01000000)であれば、置数を0ポイントから順に累積して引き算して行き、乱数が負になるのが賞金20ポイントなので、賞金20ポイントという当選情報を導出することになる。
【0278】
主制御部100は、遊技者のスタートレバー9の操作に伴って、内蔵する乱数発生部103で継続して発生させている2バイトの乱数(10進数では0〜65535の値、2進数では0000h〜1111h)の1つRD1を抽出して内部抽選処理を実行する。
【0279】
役抽選テーブル(
図40参照)は全て1バイトのデータであり、アドレスNからの1バイトの第Nデータ、アドレスMからの1バイトの第Mデータ、アドレスLからの1バイトの第Lデータ群で構成され、設計仕様に応じてデータの内容が変更される。第NデータのMSBは置数のバイト数を識別する識別ビットであり、この識別ビットが0であれば置数のバイト数が1バイトを示す状態である一方、識別ビットが1であれば置数のバイト数が2バイトを示す状態である。続く2つのビット(ビット5、ビット6)がボーナス情報であり、00でボーナス不当選、01でボーナス1、02でボーナス2、03でボーナス3が当選したことを示す。下位の5ビットは抽選回数情報であり、最低1回〜最大31回の値を取ることができる。
【0280】
第MデータのMSBは設定別データを識別する識別ビットであり、0であれば置数の設定差が無く共通の置数を意味するが、1であれば置数の設定差があり設定別の置数を意味する。下位7ビットは役情報であり、内部抽選処理が終了した時の当選役を意味する。7ビットなので128種類の当選役(当選役0〜当選役127)を区別できる。第Lデータは置数の値を意味し、第NデータのMSBが0なら1バイトの小さい置数データ(最大255まで)、MSBが1なら2バイトの大きい置数データ(最大65535)とすることができる。
【0281】
主制御部100は、RD1を抽出すると、RD1を継続して引いて行き、残り乱数値と置数値に基づく終了条件が成立によって、当選役を決定する。終了条件としては、残り乱数値が抽選テーブルの今回引く置数値より小さくなった場合に、成立となる。より具体的には、第NデータのMSBが1なので、主制御部100は置数が2バイトと判断する。ボーナス情報が00なのでボーナス不当選で、抽選回数情報が(11011)なので27回抽選する(置数を引く)と判断する。
【0282】
主制御部100は、第MデータのMSBが0なので、設定差が無い共通の置数であり、役情報が4なので押し順小役(左ファースト1)と判断する。主制御部100は、第Lデータ(01h)を置数の上位バイトとし、第L+1データ(10h)を置数の下位バイトとする。この場合、置数は10進数で384(256+128)となる。ここで主制御部100は、残り乱数値が抽選テーブルの今回の置数値より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、押し順小役(左ファースト1)を当選役に決定する(抽選結果を導出する)。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値(384)を引き、残り乱数値として減算を1回終了する。次に、主制御部100は、論理演算で押し順小役(左ファースト2)とし、終了条件が成立すると、この押し順小役(左ファースト2)を当選役に決定するが、不成立の場合、論理演算で押し順小役(左ファースト3)とし、終了条件が成立すると、この押し順小役(左ファースト3)を当選役に決定するが、不成立の場合に同様の処理を繰り返す。押し順小役(左ファースト)は1〜9まで9種類、押し順小役(中ファースト)は1〜9まで9種類、押し順小役(右ファースト)は1〜9まで9種類あり、置数が同じなのでループ処理をすることによって、役抽選テーブルのデータ量を少なくすることが可能となる。つまり、27回抽選(置数減算)を行っても当選しなかったら、押し順小役(左ファースト1)〜押し順小役(右ファースト1)までの27種類は不当選ということになるが、どこかで終了条件が成立すると、押し順小役の何れかが当選となる。
【0283】
主制御部100は、第N+1データのMSBが0なので、主制御部100は置数が1バイトと判断する。ボーナス情報が01なのでボーナス1が当選で、抽選回数情報が(00001)なので1回抽選する(置数を引く)と判断する。主制御部100は、第M+1データのMSBが0なので、設定差が無い共通の置数であり、役情報が0なので不当選(ハズレ)と判断する。つまり、ボーナス1の単独当選であり、ここで終了条件が成立した場合には、ボーナス1だけが当選となる。なお、役情報が0以外であれば、その役とボーナス1の重複当選となる。主制御部100は、第L+2データ(40h)を置数とし、この場合、置数は10進数で64(当選確率は約1/1000)となる。ここで主制御部100は、残り乱数値が今回の置数値64より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、ボーナス1の単独当選に決定する(抽選結果を導出する)。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値(64)を引き、残り乱数値として抽選処理1回を終了する。
【0284】
主制御部100は、第N+2データのMSBが0なので、主制御部100は置数が1バイトと判断する。ボーナス情報が00なのでボーナスが不当選で、抽選回数情報が(00001)なので1回抽選する(置数を引く)と判断する。主制御部100は、第M+2データのMSBが1なので、設定差がある設定別の置数であって、役情報が3なので中段チェリー(レア小役:設計時点で決まっている)と判断する。主制御部100は、設定値を確認して、設定値が1ならば第L+3データ(80h)を置数とし(10進数128)、設定値が2ならば一つ先の第L+4データ(88h)を置数とし(10進数136)、設定値が3ならば一つ先の第L+5データ(90h)を置数とし(10進数144)、設定値が4ならば一つ先の第L+6データ(A0h)を置数とし(10進数160)、設定値が5ならば一つ先の第L+7データ(C0h)を置数とし(10進数192)、設定値が6ならば一つ先の第L+8データ(E0h)を置数とし(10進数255)、残り乱数値が今回の置数値より小さくなったと判断した場合に、終了条件が成立となって、中段チェリーの単独当選に決定する。仮にボーナス情報が10であれば、ボーナス2と中段チェリーの同時当選となる。一方、終了条件が成立しなかったら、残り乱数値から、今回の置数値を引き、残り乱数値として抽選処理1回を終了する。主制御部100は、上記の手順を繰り返して内部抽選処理を実行し、最終的に抽選結果(当選役又は不当選)を導出することになる。効果としては、メインプログラムのデータ容量を圧縮することができる。
【0285】
図41は、指示モニター表示の詳細説明図である。
図42〜
図44は、指示情報及び指示モニター表示と指示内容の関係を示す説明図である。
【0286】
本実施例では、メダル払出枚数表示LED4cの一の位を使用して指示モニター表示を行う。指示モニター表示の発生契機は、スタートレバー作動後に内部当せん情報の値、RT情報の値、押し順情報の値及びナビモード情報に対応して指示が発生した場合、指示内容を数値化した指示情報(0〜6)を設定する。その後、回胴が回転を開始して、停止ボタンの操作が受付け可になったときに、設定された指示情報(0〜6)がメダル払出枚数表示LED4cの一の位に表示される(点灯)。そして、全回胴が停止すると指示モニター表示は消灯する。指示情報及び指示モニター表示と指示内容の関係は以下のとおりである。なお、「表示なし」は「0」を表示する。
【0287】
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「0」の時は、イベントコマンド(当選データコマンド:A9H)からグループ化した値が周辺基板(副制御部160)に送信される(
図42(A)参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hで、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hである。制御部160は、押し順ベル又は押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。
【0288】
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「1」の時は、一部の指示情報の値及びグループ化した値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(チャンスゾーン2。
図42(B)参照)。条件装置01EH〜026H(押し順ベル1〜27)の場合には、50%の振分け抽せんを行って、指示モニターに表示する。押し順ベルは3択であり、第1操作が正解すれば第2操作及び第3操作の順序に拘わらずベル小役(入賞目的小役)が入賞する。具体的には、01EH〜026H(押し順ベル1〜押し順ベル9)は左1stが正解なので、左中右を指示する「1」又は左右中を指示する「2」の何れかを50%の確率で抽せんで決定し、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「1」であれば左中右の順でナビ情報を報知する一方、決定情報が「2」であれば左右中の順でナビ情報を報知する。
【0289】
同様に、027H〜02FH(押し順ベル10〜18)は中1stが正解なので、中左右を指示する「3」又は中右左を指示する「4」の何れかを50%の確率で抽せんで決定して、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「3」であれば中左右の順でナビ情報を報知するが、決定情報が「4」であれば中右左の順でナビ情報を報知する。また、030H〜038H(押し順ベル19〜27)は右1stが正解なので、右左中を指示する「5」又は右中左を指示する「6」の何れかを50%の確率で抽せんで決定して、指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に決定情報を送信する。副制御部160は、決定情報が「5」であれば右左中の順でナビ情報を報知する一方、決定情報が「4」であれば右中左の順でナビ情報を報知する。主制御部100は、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hを送信する。制御部160は、押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。
【0290】
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「2」の時は、一部の指示情報の値及びグループ化した値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(終了待ち。
図43(A)参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hであり、制御部160は、押し順ベルを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。押し順リプレイ1はRT1状態からRT2状態に移行させる為の再遊技役であり、押し順リプレイ2はRT2状態からRT3状態に移行させる為の再遊技役である。02H(押し順リプレイ1−1)又は08H(押し順リプレイ2−1)は左中右の順序が正解なので、正解操作を指示する「1」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。03H(押し順リプレイ1−2)又は09H(押し順リプレイ2−2)は左右中の順序が正解なので、正解操作を指示する「2」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。04H(押し順リプレイ1−3)又は0AH(押し順リプレイ2−3)は中左右の順序が正解なので、正解操作を指示する「3」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。
【0291】
同様に、05H(押し順リプレイ1−4)又は0BH(押し順リプレイ2−4)は中右左の順序が正解なので、正解操作を指示する「4」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。06H(押し順リプレイ1−5)又は0CH(押し順リプレイ2−5)は右左中の順序が正解なので、正解操作を指示する為の「5」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。07H(押し順リプレイ1−6)又は0DH(押し順リプレイ2−6)は右中左の順序が正解なので、正解操作を指示する為の「6」を指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。
【0292】
指示機能に係る条件装置作動時に、ナビモード情報の値が「3」の時は、指示情報の値がイベントコマンド(当選データコマンド:A9H)から周辺基板(副制御部160)に送信される(
図43(B)参照)。押し順ベル及び押し順リプレイの正解操作を指示する為の数値(1〜6)を、
図42(B)及び
図43(A)で説明した通りに指示モニターに表示すると共に、周辺基板(副制御部160)に指示情報を送信する。指示機能に係る条件装置作動時に、RT情報が「0」の時は、ナビモード情報の値が「1」〜「3」であったとしても、ナビモード情報の値が「0」と同様に、イベントコマンド(当選データコマンド:A9H)からグループ化した値が周辺基板(副制御部160)に送信される(
図44参照)。押し順ベル1〜押し順ベル27のグループ値は80Hで、押し順リプレイ1−1〜押し順リプレイ2−6のグループ値は40Hである。制御部160は、押し順ベル又は押し順リプレイを認識できるが、操作すべき順序を認識不能なので、ナビ情報を報知できない。従って、副制御部160が改竄されてもゴト行為はできない。