(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857377
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】移送ホース支持機構および移送ホース支持方法
(51)【国際特許分類】
E21B 7/00 20060101AFI20210405BHJP
E21B 19/02 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
E21B7/00 E
E21B19/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-135768(P2016-135768)
(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公開番号】特開2018-3557(P2018-3557A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000177416
【氏名又は名称】三和機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100061619
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 武文
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏男
(72)【発明者】
【氏名】荒井 昌彦
【審査官】
田島 拳士郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−061391(JP,U)
【文献】
特公昭63−016555(JP,B2)
【文献】
特開平09−287132(JP,A)
【文献】
特開平11−286960(JP,A)
【文献】
特開2007−002555(JP,A)
【文献】
米国特許第04195698(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 7/00−7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシン1のリーダ6に装着する、回転駆動部11と該回転駆動部11により駆動する掘削体14とを有して構成する掘削装置10の流体供給流路に、流体を供給移送する移送ホース25の先端を接続し、移送ホース25の中間部を支持する後側ホース支持部材30を、前記ベースマシン1の後部に設け、前記後側ホース支持部材30は、上部に前記リーダ6よりも後側の移送ホース25の中間部を支持するホース受けドラム35を設けると共に、前記リーダ6よりは低い所定高さに構成し、前記掘削装置10の流体供給流路と前記ホース受けドラム35との間の移送ホース25の中間部を吊設する構成とし、ホース受けドラム35は、側面視において半円弧形状であって、移送ホース25の中間部を掛け回すことにより支持する構成とし、後側ホース支持部材30は、該後側ホース支持部材30の上下中間所定部分を回転中心として作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付け、ホース受けドラム35には前記後側ホース支持部材30が倒伏状態において移送ホース25の中間部を装着可能に構成し、かつ、後側ホース支持部材30が倒伏状態と起立状態とに変位する間移送ホース25の支持を可能に構成した移送ホース支持機構。
【請求項2】
請求項1において、前記後側ホース支持部材30は、該後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分を、ベースマシン1の後側側部に設けた機体側支持部33に、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付け、前記後側ホース支持部材30の下部にウエイト36を設け、前記リーダ6の上部側方には、前記掘削装置10の流体供給流路に接続した移送ホース25の中間部を支持するホース受けシーブ26を設けた移送ホース支持機構。
【請求項3】
請求項1において、前記後側ホース支持部材30は、後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分を、ベースマシン1の後側側部に設けた機体側支持部33に、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付けた移送ホース支持機構。
【請求項4】
請求項3において、前記後側ホース支持部材30の起立状態における下部位置にウエイト36を設けた移送ホース支持機構。
【請求項5】
請求項1または請求項3または請求項4において、前記リーダ6の上部側方には、前記掘削装置10の流体供給流路に接続した移送ホース25の中間部を支持するホース受けシーブ26を設けた移送ホース支持機構。
【請求項6】
ベースマシン1の後部に起伏自在に設けた後側ホース支持部材30を、倒伏状態にして、後側ホース支持部材30の先端に設けた半円弧形状のホース受けドラム35に、移送ホース25の中間部を掛け回して出入り自在に装着し、この状態の後側ホース支持部材30を起立させ、後側ホース支持部材30を起立させたとき、ホース受けシーブ26とホース受けドラム35との間の移送ホース25をたるませることにより、掘削装置10の昇降による移送ホース25の出入りに余裕を待たせた移送ホース支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削装置や地盤改良装置等に、水あるいは土壌改良剤等の流体を供給する移送ホースの移送ホース支持機構および移送ホース支持方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下端の掘削体で掘削した土砂にセメントミルク材を混入してセメント杭を造成する構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−121186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、セメントミルク材の供給手段について開示はなく、公知例の
図1にセメントミルク材の供給用のホースと見られるものが図示されているに過ぎず、従来実施されている移送ホースは、ベースマシンのリーダの真上を通して、リーダに這わせて設置されていた。
そのため、機体の振動により移送ホースとリーダその他の各部と擦られたり、あるいは、移送ホース内を移動する流体の脈動に起因して、移送ホースの劣化進行が早くなり、耐久性に課題があった。
本願は、ベースマシンに装着する移送ホースの支持構成を工夫し、移送ホースの耐久性の向上と装着の容易化を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ベースマシン1のリーダ6に装着する、回転駆動部11と該回転駆動部11により駆動する掘削体14とを有して構成する掘削装置10の流体供給流路に、流体を供給移送する移送ホース25の先端を接続し、移送ホース25の中間部を支持する後側ホース支持部材30を、前記ベースマシン1の後部に設け、前記後側ホース支持部材30は、上部に前記リーダ6よりも後側の移送ホース25の中間部を支持するホース受けドラム35を設けると共に、前記リーダ6よりは低い所定高さに構成し、前記掘削装置10の流体供給流路と前記ホース受けドラム35との間の移送ホース25の中間部を吊設する構成とし、ホース受けドラム35は、側面視において半円弧形状であって、移送ホース25の中間部を掛け回すことにより支持する構成と
し、後側ホース支持部材30は、該後側ホース支持部材30の上下中間所定部分を回転中心として作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付け、ホース受けドラム35には前記後側ホース支持部材30
が倒伏状態において移送ホース25の中間部を装着可能に構成し、かつ、後側ホース支持部材30が倒伏状態と起立状態とに変位する間移送ホース25の支持を可能に構成した移送ホース支持機構としたものである。
請求項2の発明は、前記後側ホース支持部材30は、該後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分を、ベースマシン1の後側側部に設けた機体側支持部33に、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付け、前記後側ホース支持部材30の下部にウエイト36を設け、前記リーダ6の上部側方には、前記掘削装置10の流体供給流路に接続した移送ホース25の中間部を支持するホース受けシーブ26を設けた移送ホース支持機構としたものである。
請求項3の発明は、前記後側ホース支持部材30は、後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分を、ベースマシン1の後側側部に設けた機体側支持部33に、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するように取付けた移送ホース支持機構としたものである。
請求項4の発明は、前記後側ホース支持部材30の起立状態における下部位置にウエイト36を設けた移送ホース支持機構としたものである。
請求項5の発明は、前記リーダ6の上部側方には、前記掘削装置10の流体供給流路に接続した移送ホース25の中間部を支持するホース受けシーブ26を設けた移送ホース支持機構としたものである。
請求項6の発明は、ベースマシン1の後部に起伏自在に設けた後側ホース支持部材30を、倒伏状態にして、後側ホース支持部材30の先端に設けた半円弧形状のホース受けドラム35に、移送ホース25の中間部を掛け回して出入り自在に装着し、この状態の後側ホース支持部材30を起立させ、後側ホース支持部材30を起立させたとき、ホース受けシーブ26とホース受けドラム35との間の移送ホース25をたるませることにより
、掘削装置10の昇降による移送ホース25の出入りに余裕を待たせた移送ホース支持方法としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、リーダ6に装着した移送ホース25を、機体後部に位置する後側ホース支持部材30により、リーダ6と後側ホース支持部材30との間で吊設支持するので、移送ホース25が機体に接触するのを防止でき、移送ホース25の損傷および劣化を抑制でき、移送ホース25の耐久性を向上させることができ
、ホース受けドラム35を、側面視において半円弧形状であって、移送ホース25の中間部を掛け回すことにより支持する構成とすると共に、後側ホース支持部材30を倒伏状態で装着可能に構成し、かつ、倒伏状態の後側ホース支持部材30を起立状態とする間移送ホース25の支持が可能に構成しているので、移送ホース25の装着を頗る容易にできる。
請求項2の発明では、後側ホース支持部材30は、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するので、倒伏状態で移送ホース25を装着することができ、移送ホース25の装着作業を容易にすることができ、後側ホース支持部材30にウエイト36を設けているので、後側ホース支持部材30の起伏操作を容易にでき、リーダ6の上部側方にホース受けシーブ26を設けているので、移送ホース25がリーダ6の真上に位置することなく、掘削装置10がリーダ6に対して昇降しても、移送ホース25はホース受けシーブ26に支持された状態で上下してリーダ6および掘削装置10との接触するのを防止でき、この点でも、移送ホース25の破損を防止することができる。
請求項3の発明では、後側ホース支持部材30は、作業状態の起立位置と倒伏状態の倒伏位置とに回動するので、倒伏状態で移送ホース25を装着することができ、移送ホース25の装着作業を容易にすることができる。
請求項4の発明では、後側ホース支持部材30にウエイト36を設けているので、後側ホース支持部材30の起伏操作を容易にできる。
請求項5の発明では、リーダ6の上部側方にホース受けシーブ26を設けているので、移送ホース25がリーダ6の真上に位置することなく、掘削装置10がリーダ6に対して昇降しても、移送ホース25はホース受けシーブ26に支持された状態で上下してリーダ6および掘削装置10との接触するのを防止でき、この点でも、移送ホース25の破損を防止する。
請求項6の発明では、ホース受けシーブ26とホース受けドラム35との間の移送ホース25を弛ませているので、掘削装置10の昇降による移送ホース25の出入りに余裕を待たせることができ、移送ホース25の破損や損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】掘削装置および移送ホース支持機構の側面図。
【
図3】掘削装置および移送ホース支持機構の平面図。
【
図5】掘削装置および移送ホース支持機構の背面図。
【
図6】後側ホース支持部材の一部側面図および一部背面図。
【
図7】後側ホース支持部材を倒伏状態にしたベースマシンの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態図により説明する。
図1に示したように、1はベースマシンであり、機体フレーム2の下方に走行装置3を設ける。
リーダ6の上部には取付部7を設け、取付部7には伸縮自在のリーダ支持部材(シリンダ)8の先端を取付け、リーダ支持部材8の基部は前記機体フレーム2側に取付ける。リーダ支持部材8はリーダ6を支持できればよいので、リーダ支持部材8の数は任意であるが、本実施形態では左右一対設けて支持している(
図3)。
リーダ6には、地盤の掘削を行う掘削装置10の回転駆動部11を着脱自在に取付ける。
【0009】
掘削装置10は、地盤の掘削を行える構成であれば良く、その構成は任意であり、地盤の土壌を改良するために地盤の掘削を行う掘削撹拌装置であってもよく、また、地盤に水・土壌改良剤等の流体を供給できればよく、その構成は任意であり、本願の要件ではないので、詳細は省略する。
回転駆動部11にはロッド13の上部を取付け、ロッド13の下部には下端に設けた掘削体(掘削ヘッド)14を取付ける。
前記掘削体14の所定位置には、掘削装置10の流体供給流路の一部を構成する吐出口(図示省略)を設け、吐出口に流体を供給する注入管19を掘削体14と前記ロッド13内に設ける。
【0010】
注入管19の上部は前記回転駆動部11の上方に設けたスイベル22に接続し、スイベル22に供給管23の一端を接続し、供給管23の他端に移送ホース25の先端を接続する。
即ち、掘削装置10の掘削体14の吐出口に至る流体供給流路は、注入管19とスイベル22と供給管23とにより構成しているが、流体供給流路の構成は任意であり、流体供給流路に移送ホース25の先端を接続すればよい。
また、移送ホース25の先端と掘削装置10の流体供給流路とが接続できればよく、掘削装置10側に移送ホース25の先端を接続する構成は任意である。
移送ホース25の中間部のうちの前側ホース部分を支持するホース受けシーブ26をリーダ6の上部に設ける。
【0011】
ホース受けシーブ26は取付軸27に回転自在に取付け、取付軸27はホース支持部28に取付け、ホース支持部28はリーダ6に取付ける。
即ち、ホース支持部28は、リーダ6に対して側方に突出させて位置させ、移送ホース25をリーダ6の真上を迂回させた配索を可能とすればよく、その構成は任意であるが、ホース支持部28の先端側はホース受けシーブ26の上方を跨ぐようにして取付軸27を軸装すると共に、ホース支持部28の基部側をリーダ6に取付ける。
そのため、供給管23は回転駆動部11の側方から一旦立ち上げ、回転駆動部11の上部中心のスイベル22に接続し、このスイベル22と供給管23と移送ホース25の先端との位置関係を変えずに、回転駆動部11は昇降する。
ホース支持部28はリーダ支持部材8の取付部7よりも上方のリーダ6に設ける。
前記ホース受けシーブ26には移送ホース25の前側ホース部分を掛け回す。
【0012】
ベースマシン1の後部には、移送ホース25の後側ホース部分を支持する後側ホース支持部材30を設ける。後側ホース支持部材30は、少なくとも、リーダ6よりは低いが、所定高さを有する軸棒部材により構成する。後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分には取付軸32を設け、取付軸32は機体フレーム2の機体側支持部33に回転のみ自在に取付け、後側ホース支持部材30が作業状態の起立位置と倒伏位置とに回動するように構成する。
即ち、後側ホース支持部材30は、ベースマシン1の左右何れか一側に、側面視においてベースマシン1と重なるように倒伏させ、この状態で、後側ホース支持部材30に移送ホース25を装着する。
【0013】
なお、後側ホース支持部材30は、作業現場にて、ベースマシン1に装着して使用する場合と、当初よりベースマシン1に装着して、地盤上面と略平行になる倒伏状態にてベースマシン1を走行させてもよい。
前記機体側支持部33の構成は任意であるが、機体側支持部33の本体33Aの基部をベースマシン1側に固定し、本体33Aに左右一対のアーム33Bの上部を固定し、一対のアーム33Bに取付軸32を回転のみ自在に取付け、取付軸32を回転中心として後側ホース支持部材30が回動する構成としている。
後側ホース支持部材30の上部には移送ホース25の後側ホース部分を受けるホース受けドラム35を設け、後側ホース支持部材30の下部にはウエイト36を設ける。
【0014】
後側ホース支持部材30はウエイト36の重量により起立し、後側ホース支持部材30と機体側支持部33との間に固定手段37を設け、固定手段37により後側ホース支持部材30の起立姿勢を保持させる。
固定手段37は係合ピン38により構成し、係合ピン38は前記機体側支持部33の下方に設けた係合体39の係合孔(図示省略)に係合させ、起立状態の後側ホース支持部材30を保持する。
機体側支持部33と係合体39は、ベースマシン1より側方に突出するように設け、後側ホース支持部材30がベースマシン1を支持するジャッキ39Aに干渉せず、回動するように構成している。
【0015】
なお、図示は省略するが、後側ホース支持部材30の倒伏状態の係合ピン38に対応する位置のベースマシン1の部位に係合体39を設け、倒伏状態の後側ホース支持部材30を保持するように構成してもよい。
しかして、掘削装置10のロッド13は、リーダ6より短い長さで形成したものを複数繋げて、リーダ6の長さより深い地中に掘削体14を位置させて掘削使用し、これに合わせて、移送ホース25の長さも長くする必要があり、
図3の後側ホース支持部材30には移送ホース25のホース中間部分を接続する接続ジョイント40を図示している。
また、移送ホース25には、流体を供給するポンプ(図示省略)等の流体供給手段41に接続する(
図4)。
【0016】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、ベースマシン1のリーダ6に掘削装置10の回転駆動部11を取付け、回転駆動部11に掘削体14を取付けたロッド13を装着し、回転駆動部11の供給管23の接続口に、移送ホース25の先端を接続し、移送ホース25の前側ホース部分を、リーダ6のホース受けシーブ26に掛け回す。
次に、ベースマシン1に装着した後側ホース支持部材30を取付軸32中心に前方回動させ、倒伏状態の後側ホース支持部材30のホース受けドラム35に、移送ホース25の後側ホース部分を掛け回し、後側ホース支持部材30を起立状態にし、ホース受けドラム35に掛け回した移送ホース25の終端を、ベースマシン1から離れた場所に設置した流体供給手段41に接続し、ベースマシン1への移送ホース25の装着が終了する。
なお、リーダ6のホース受けシーブ26と後側ホース支持部材30のホース受けドラム35とへの、移送ホース25の装着順序は任意である。
【0017】
移送ホース25をベースマシン1に装着すると、掘削装置10の回転駆動部11を駆動させ、掘削体14により地盤に流体を供給しながら掘削する。
しかして、上記作業を行うにあたり、移送ホース25は、ホース受けシーブ26とホース受けドラム35により吊設する構成としているので、移送ホース25の中間部はリーダ6のホース受けシーブ26とベースマシン1の後部の後側ホース支持部材30間にたるんだ状態で位置する。
そのため、ベースマシン1の機体に移送ホース25が接触するのを防止でき、ベースマシン1の機体に接触して機体振動を受けることに起因する移送ホース25の劣化を防止する。
【0018】
また、移送ホース25の中間部はリーダ6のホース受けシーブ26とベースマシン1の後部の後側ホース支持部材30間にてたるんでいるので、たるませることにより、回転駆動部11と掘削体14の下降に対応させるための「遊び」部分の移送ホース25をベースマシン1上に保管(載置)可能になり、この点でも、移送ホース25による流体の移送作業を容易にできる。
即ち、回転駆動部11の下降前は移送ホース25Aが
図1にたるんだ状態で図示されており、回転駆動部11が下降すると、引っ張られて上方に移送ホース25Bが位置する。
また、後側ホース支持部材30は、リーダ6よりも低い所定高さに形成しているので、施工箇所の高さの制約により低い高さのリーダ6を装着したベースマシン1による作業において、一層、作業形態に合致した移送ホース25の支持形態となり、実効性を高かめることができる。
【0019】
また、
図3に示すように、ベースマシン1の前側のリーダ6のホース受けシーブ26とベースマシン1の後部の後側ホース支持部材30のホース受けドラム35との間に、移送ホース25の中間部が位置するので、仮に、走行装置3に対して機体を旋回させるような場合、あるいは、後側ホース支持部材30を起立させたままベースマシン1を移動させるような場合でも、移送ホース25の中間部が走行装置3に接触する等の干渉を防止でき、この点でも、移送ホース25の破損を防止する。
また、リーダ6に設けたホース受けシーブ26は、リーダ6のホース支持部28に取付軸27により回転自在に取付けているので、平面視で、移送ホース25はリーダ6の真上に位置することなく、リーダ6の上部側方から回転駆動部11の接続口21に接続することになる。
【0020】
そのため、回転駆動部11がリーダ6に対して昇降しても、移送ホース25はホース受けシーブ26に支持された状態で上下(出入)するので、移送ホース25がリーダ6に接触するのを防止でき、この点でも、移送ホース25の破損を防止する。
また、ベースマシン1の後部に設けた後側ホース支持部材30は、後側ホース支持部材30の上下中間部分より下方部分を取付軸32により機体フレーム2に設けた機体側支持部33に回転のみ自在に取付けているので、ベースマシン1を走行させる等の非掘削作業状態でも、ベースマシン1と一体的に移動させることができ、後側ホース支持部材30のみを運搬させる等の繁雑な作業から開放して、作業全般を容易にする。
【0021】
後側ホース支持部材30の上部には移送ホース25の後側ホース部分を支持するホース受けドラム35を設けているので、倒伏状態でホース受けドラム35に移送ホース25を掛け回すことができ、移送ホース25の装着作業を容易にする。
後側ホース支持部材30の下部にはウエイト36を設けているので、後側ホース支持部材30の起立作業を容易にすると共に、流体を吐出供給中の移送ホース25の支持姿勢をウエイト36の重量により安定させることができ、移送ホース25の流体の移送中の脈動等に起因する移送ホース25の振動も安定して支持し、移送ホース25の耐久性を向上させることができる。
【0022】
そして、前記したように、移送ホース25の装着を後側ホース支持部材30を倒伏させた状態で行えるので、高さの制約のある施工箇所で、高さの低いリーダ6を装着したベースマシン1による作業において、一層、作業形態に合致した移送ホース25の装着方法となり、実効性を高かめることができる。
【符号の説明】
【0023】
1…ベースマシン、2…機体フレーム、3…走行装置、6…リーダ、7…取付部、8…リーダ支持部材、10…掘削装置、11…回転駆動部、13…ロッド、14…掘削体、15…撹拌体、16…掘削体、19…注入管、22…スイベル、23…供給管、25…移送ホース、26…ホース受けシーブ、27…取付軸、28…ホース支持部、30…後側ホース支持部材、32…取付軸、33…機体側支持部、33A…本体、33B…アーム、35…ホース受けドラム、36…ウエイト、37…固定手段、38…係合ピン、39…係合体、39A…ジャッキ、40…接続ジョイント、41…流体供給手段。