(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一仕切り装置と前記第一側壁対の間、及び/又は、前記第一仕切り装置と前記第二仕切り装置の間に設けられ、前記第一スライド機構による前記第一仕切り装置の移動を複数個所で規制する第一スライド係合機構を備えることを特徴とする、
請求項1又は3のいずれか一項に記載の段ボール構造収納ケース。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
収納ケース内にセットされる仕切り装置は、縦方向仕切りと横方向仕切りを、スリットを介して嵌め合わせる構造となる。結果、仕切り同士の間隔を調整することができない。
【0006】
また、仕切り間隔を調整可能にするためには、各仕切りに多数のスリットを形成し、組み立てる際に、最適なスリットを選択しながら組み立てる構造となる。しかし、多数のスリットの存在によって仕切りの強度が低下する。更に、頻繁に仕切り間隔を変更すると、仕切りの分解・組み立てによって、仕切りが傷みやすい。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、仕切り同士の間隔を容易に変更可能で、メンテナンスも柔軟に対応可能な段ボール製の収納ケースを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、紙又はプラスチックの段ボールで構成される収納ケースであって、矩形の底面部と、前記底面部の一方の対辺から上方に延びる第一側壁対と、前記底面部の他方の対辺から上方に延びる第二側壁対と、内部空間において前記第二側壁対の幅方向となる第二側壁幅方向に延在し、自身の両端が前記第一側壁対に保持される第一仕切り装置と、内部空間において前記第一側壁対の幅方向となる第一側壁幅方向に延在し、自身の両端が前記第二側壁対に保持される第二仕切り装置と、前記第一仕切り装置と前記第一側壁対の間に設けられ、前記第一仕切り装置を前記第一側壁幅方向に移動自在に案内する第一スライド機構と、を備えることを特徴とする段ボール構造収納ケースである。
【0009】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一仕切り装置は、前記第二側壁幅方向に延在して前記内部空間を仕切る第一仕切り部を有し、前記第二仕切り装置は、前記第一側壁幅方向に延在して前記内部空間を仕切る第二仕切り部を有し、前記第一仕切り部は、ケース高さ方向の上側に位置する第一上側仕切り片、及び、該第一上側仕切り片よりも下側に位置する第一下側仕切り片を有し、前記第二仕切り部の少なくとも一部は、前記第一上側仕切り片と前記第一下側仕切り片の間に延在することができる。
【0010】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第二仕切り部は、ケース高さ方向の上側に位置する第二上側仕切り片、及び、該第二上側仕切り片よりも下側に位置する第二下側仕切り片を有し、前記第二上側仕切り片は、前記第一上側仕切り片よりも上側に位置し、前記第二下側仕切り片は、前記第一上側仕切り片と前記第一下側仕切り片の間に延在することができる。
【0011】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一スライド機構として、ケース高さ方向の上側に設けられて前記第一仕切り装置を前記第一側壁幅方向に移動自在に案内する第一上側スライド機構、及び、前記第一上側スライド機構の下側に設けられて、前記第一仕切り装置を前記第一側壁幅方向に移動自在に案内する第一下側スライド機構を有することができる。
【0012】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一仕切り装置と前記第一側壁対の間、及び/又は、前記第一仕切り装置と前記第二仕切り装置の間に設けられ、前記第一スライド機構による前記第一仕切り装置の移動を複数個所で規制する第一スライド係合機構を備えることができる。
【0013】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一スライド係合機構として、ケース高さ方向の上側に設けられて前記第一仕切り装置の移動を複数個所で規制する第一上側スライド係合機構、及び、前記第一上側スライド係合機構の下側に設けられて、前記第一仕切り装置の移動を複数個所で規制する第一下側スライド係合機構を有することができる。
【0014】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一側壁対の各側壁は、前記第一側壁幅方向に延びて前記第一仕切り装置を該第一側壁幅方向に案内する第一貫通孔を有しており、前記第一仕切り装置は、前記第二側壁幅方向に延在して前記内部空間を仕切ると共に、両端が前記第一貫通孔を通過して前記第一側壁対の両外側に突出する第一仕切り板と、前記第一側壁対の両外側にそれぞれ配置され、前記第一仕切り板の両端近傍に連結されて前記第一貫通孔の周縁と係合可能な第一ストッパ部と、を備えることができる。
【0015】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一側壁対は、前記第一貫通孔として、ケース高さ方向の上側に位置する第一上側貫通孔、及び、該第一上側貫通孔よりも下側に位置する第一下側貫通孔を有し、前記第一仕切り板は、前記第一上側貫通孔を通過する第一上側通過部、及び、前記第一下側貫通孔を通過する第一下側通過部を有することができる。
【0016】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第一貫通孔には、前記第一側壁幅方向に並んで形成される複数の凹凸となる第一孔用段群が形成されており、前記第一仕切り装置が、前記第一孔用段部と係合することができる。
【0017】
上記段ボール構造収納ケースに関連して、前記第二仕切り装置は、前記第一側壁幅方向に延在して前記内部空間を仕切る第二仕切り板を有し、前記第二仕切り板の上縁又は下縁には、前記第一側壁幅方向に並んで形成される複数の凹凸となる第二仕切り用段群が形成されており、
【0018】
前記第一仕切り装置の前記第一仕切り板が、前記第二仕切り用段群と係合することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、仕切り同士の間隔を容易に変更可能で、メンテナンスも柔軟に対応可能となるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜
図3に、本実施形態の段ボール構造収納ケース(以下、収納ケース)1の全体構成を示す。なお、この収納ケース1は、全てがプラスチック製段ボールで構成される場合を例示するが、主要部材を除いた一部の部品については、段ボール以外の他の材料を組み合わせることも可能である。また、主要部材に紙製段ボールを採用することもできる。
【0024】
収納ケース1は、箱体5を有する。箱体5は、矩形(ここでは長方形)の底面部10と、底面部10の一方の対辺(ここでは長辺)に連続して上方向(高さ方向H)に延びる第一側壁対20A,20Bと、底面部10の他方の対辺(ここでは短辺)に連続して上方向に延びる第二側壁対30A,30Bを備える。結果、底面部10、第一側壁対20A,20B及び第二側壁対30A,30Bによって囲われた内部空間が、物品を収容する収容空間となる。
【0025】
なお、
図7に示すように、底面部10、第一側壁対20A,20B及び第二側壁対30A,30Bは、一枚の段ボール材からカットされて互いに連なる態様で製作される。第一側壁対20A,20Bの側縁には凹部22が形成され、第二側壁対30A,30Bの側縁には凸部32が形成される。凹部22と凸部32を嵌合させることで、第一側壁対20A,20Bと第二側壁対30A,30Bが連結され、箱形状の箱体5となる(
図2(A)参照)。
【0026】
第一側壁対20A,20Bの各々には第一貫通孔24が形成される。第一貫通孔24は、詳細に、ケース高さ方向Hの上側に位置する第一上側貫通孔24Hと、この第一上側貫通孔24Hよりも下側に位置する第一下側貫通孔24Lを有する。第一上側貫通孔24H及び第一下側貫通孔24Lは、第一側壁幅方向W1が長手方向となる帯状(スリット状)に広がる。第一貫通孔24の帯長さは、第一側壁対20A,20Bの全幅に対して60%以上となることが好ましい。
【0027】
第二側壁対30A,30Bの各々には第二貫通孔34が形成される。第二貫通孔34は、詳細に、ケース高さ方向Hの上側に位置する第二上側貫通孔34Hと、この第二上側貫通孔34Hよりも下側に位置する第二下側貫通孔34Lを有する。第二上側貫通孔34H及び第二下側貫通孔34Lは、第二側壁幅方向W2が長手方向となる帯状(スリット状)に広がる。第二貫通孔34の帯長さは、第二側壁対30A,30Bの全幅に対して60%以上となることが好ましい。なお、この箱体5に対して、蓋を設けるようにすることもできる。
【0029】
図1及び
図2に示すように、収納ケース1は、箱体5に設置される第一仕切り装置40と第二仕切り装置60を備える。
図2(B)に示すように、第一仕切り装置40は、自身の両端が第一側壁対20A,20Bに保持されることで、内部空間において、第二側壁対30A,30Bの各側壁の幅方向(第二側壁幅方向W2)に延在する。
図1(B)に示すように、第二仕切り装置60は、自身の両端が第二側壁対30A,30Bに保持されることで、内部空間において、第一側壁対20A,20Bの各側壁の幅方向(第一側壁幅方向W1)に延在する。
【0031】
第一仕切り装置40は、
図4(A)に示すように、第一仕切り板42と、第一仕切り板42の両端に配置される一対の第一ストッパ材50を有する。第一仕切り板42は、詳細に、ケース高さ方向Hの上側に位置する第一上側仕切り片42Hと、この第一上側仕切り片42Hよりも下側に位置する第一下側仕切り片42Lを有する。第一上側仕切り片42H及び第一下側仕切り片42Lは、帯状プレートとなっており、その帯幅方向がケース高さ方向Hに沿うと同時に、帯長手方向が第二側壁幅方向W2に沿う。結果、箱体5の内部空間を第一側壁幅方向W1に複数に区画する。
【0032】
第一上側仕切り片42Hの長手方向の両端には、それぞれ、帯幅方向に縮幅となる上側肩部44Hと、上側肩部44Hから更に外側に延びて箱体5の第一上側貫通孔24Hを通過する帯状の上側通過部45Hと、上側通過部45Hから更に外側に延びて箱体5から外側に突出する上側連結部46Hを有する。
【0033】
上側通過部45Hと上側連結部46Hの境界には、ケース高さ方向Hに延びるハーフカット状の上側折り線47Hと、この上側折り線47Hから上側通過部45H側に延びるU字またはコ字形フルカット状の上側捲れ上がり部48Hが形成される。
【0034】
上側連結部46Hは、第一ストッパ材50に形成される上側連結孔52Hに挿入された後に折り返されて、第一ストッパ材50と第二側壁幅方向W2に係合することで、第一ストッパ材50が抜け落ちないようになっている。
【0035】
第一下側仕切り片42Lの長手方向の両端には、それぞれ、帯幅方向が縮幅となる下側肩部44Lと、下側肩部44Lから更に外側に延びて箱体5の第一下側貫通孔24Lを通過する帯状の下側通過部45Lと、下側通過部45Lから更に外側に延びて箱体5から外側に突出する下側連結部46Lを有する。
【0036】
下側通過部45Lと下側連結部46Lの境界には、ケース高さ方向Hに延びるハーフカット状の下側折り線47Lと、この下側折り線47Lから下側通過部45L側に延びるU字またはコ字形フルカット状の下側捲れ上がり部48Lが形成される。
【0037】
下側連結部46Lは、第一ストッパ材50に形成される下側連結孔52Lに挿入された後に折り返されて第一ストッパ材50と第二側壁幅方向W2に係合することで、第一ストッパ材50が抜け落ちないようになっている。
【0039】
第二仕切り装置60は、
図4(B)に示すように、第二仕切り板62と、第二仕切り板62の両端に配置される一対の第二ストッパ材70を有する。第二仕切り板62は、詳細に、ケース高さ方向Hの上側に位置する第二上側仕切り片62Hと、この第二上側仕切り片62Hよりも下側に位置する第二下側仕切り片62Lを有する。第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lは、帯状プレートとなっており、その帯幅方向がケース高さ方向Hに沿うと同時に、帯長手方向が第一側壁幅方向W1に沿う。結果、箱体5の内部空間を第二側壁幅方向W2に複数に区画する。
【0040】
第二上側仕切り片62Hの長手方向の両端には、それぞれ、帯幅方向が縮幅となる上側肩部64Hと、上側肩部64Hから更に外側に延びて箱体5の第二上側貫通孔34Hを通過する帯状の上側通過部65Hと、上側通過部65Hから更に外側に延びて箱体5から外側に突出する上側連結部66Hを有する(
図2(B)参照)。
【0041】
上側通過部65Hと上側連結部66Hの境界には、ケース高さ方向Hに延びるハーフカット状の上側折り線67Hと、この上側折り線67Hから上側通過部65H側に延びるU字またはコ字形フルカット状の上側捲れ上がり部68Hが形成される。
【0042】
上側連結部66Hは、第二ストッパ材70に形成される上側連結孔52Hに挿入された後に折り返されて第二ストッパ材70と第一側壁幅方向W1に係合することで、第二ストッパ材70が抜け落ちないようになっている。
【0043】
第二下側仕切り片62Lの長手方向の両端には、それぞれ、帯幅方向が縮幅となる下側肩部64Lと、下側肩部64Lから更に外側に延びて箱体5の第二下側貫通孔34Lを通過する帯状の下側通過部65Lと、下側通過部65Lから更に外側に延びて箱体5から外側に突出する下側連結部66Lを有する。
【0044】
下側通過部65Lと下側連結部66Lの境界には、ケース高さ方向Hに延びるハーフカット状の下側折り線67Lと、この下側折り線67Lから下側通過部65L側に延びるU字またはコ字形フルカット状の下側捲れ上がり部68Lが形成される。
【0045】
下側連結部66Lは、第二ストッパ材70に形成される下側連結孔72Lに挿入された後に折り返されて第二ストッパ材70と第一側壁幅方向W1に係合することで、第二ストッパ材70が抜け落ちないようになっている。
【0046】
<箱体に対する仕切り装置の組み立て方法>
【0047】
次に、箱体5に対する第一仕切り装置40と第二仕切り装置60の組み立て方法を説明する。両者の組み立て方法は同じであることから、ここでは第二仕切り装置60の組み立て方法を説明することで、第一仕切り装置40の説明を省略する。
【0048】
図5(A)及び
図6(A)に示すように、箱体5の第二側壁対30A,30Bの第二上側貫通孔34Hに対して、第二上側仕切り片62Hの両端の上側通過部65H及び上側連結部66Hを挿入する。更に、この第二側壁対30A,30Bの両外側に、一対の第二ストッパ材70を配置し、その上側連結孔72Hに対しても、上側通過部65H及び上側連結部66Hを挿入する。その後、第二側壁対30A,30Bの内壁面を、上側肩部64Hに押し付けるようにする。
【0049】
同様に、第二側壁対30A,30Bの第二下側貫通孔34Lに対して、第二下側仕切り片62Lの両端の下側通過部65L及び下側連結部66Lを挿入する。更に、この第二側壁対30A,30Bの両外側に配置される一対の第二ストッパ材70の下側連結孔72Lに、下側通過部65L及び下側連結部66Lを挿入する。第二側壁対30A,30Bの内壁面を、下側肩部64Lに押し付けるようにする。
【0050】
次に、
図5(B)及び
図6(B)に示すように、上側折り線67Hに沿って上側連結部66Hを折る。結果、上側捲れ上がり部68Hが競り上がり、その突端が、上側連結孔72Hに形成される干渉回避用切欠き73Hを通過して、第二ストッパ材70の外側に露出される。同様に、下側折り線67Lに沿って下側連結部66Lを折る。結果、下側捲れ上がり部68Lが競り上がり、その突端が、下側連結孔72Lに形成される干渉回避用切欠き73Lを通過して、第二ストッパ材70の外側に露出される。
【0051】
最後に、
図5(C)及び
図6(C)に示すように、第二ストッパ材70を、上側通過部65H及び下側通過部65Lに沿って、第一側壁幅方向W1の外側に引き出す。結果、上側連結部66H及び上側捲れ上がり部68Hが、第二ストッパ材70の上側連結孔72Hの周囲と係合し、下側連結部66L及び下側捲れ上がり部68Lが、第二ストッパ材70の下側連結孔72Lの周囲と係合する。第二側壁対30A,30Bは、第二ストッパ材70と上側及び下側肩部64H,64Lに挟み込まれるので、第二側壁対30A,30Bと第二仕切り装置60が、第一側壁幅方向W1に互いに係合する。以上の工程を経て、箱体5に対して第二仕切り装置60が組付けられる。
【0052】
なお、
図1(B)に示すように、第二上側仕切り片62Hと第二下側仕切り片62Lの間に形成される高さ方向Hの第二隙間S2には、第一仕切り装置40の第一上側仕切り片42Hが挿入される。第二隙間S2の高さは、第一上側仕切り片42Hの高さと略同一に設定される。第二下側仕切り片62Lの下側には、第一仕切り装置40の第一下側仕切り片42Lが配置される。
【0053】
図2(B)に示すように、箱体5に組付けられる第一仕切り装置40の第一上側仕切り片42Hと第一下側仕切り片42Lの間に形成される高さ方向Hの第一隙間S1には、第二仕切り装置60の第二下側仕切り片62Lが挿入される。第一隙間S1の高さは、第二下側仕切り片62Lの高さと略同一に設定される。第一上側仕切り片42Hの上側には、第二仕切り装置60の第二上側仕切り片62Hが配置される。
【0054】
箱体5に対して第一及び第二仕切り装置40,60が組付けられた状態で、
図3(A)に示すように平面視すると、複数(ここでは4個)の第一仕切り装置40と、複数(ここでは3個)の第二仕切り装置60が格子状に配置され、内部空間を細かく区画することができる。
【0055】
なお、ここでは第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lが、互いに独立した材料となる場合を例示するが、本発明はこれに限定されない。本実施形態の変形例として、
図8(A)に示すように、第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lを両端で互いに連続させても良い。
図8(B)に示すように、第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lの一方の端部において互いに連続させても良い。更にここでは、第二仕切り板62が、第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lに二分されている場合を例示したが、
図8(C)に示すように、一枚の仕切り板62で構成しても良い。この場合であっても、仕切り板62の保持姿勢を安定させるために、両端において、上側通過部65H及び下側通過部65L、上側連結部66H及び下側連結部66Lを形成することが好ましい。これらの変形例は、第一仕切り装置40に適用することもできる。
【0057】
図2(B)に示すように、第一仕切り装置40と第一側壁対20A,20Bの間には、第一仕切り装置40を第一側壁幅方向W1に移動自在に案内する第一スライド機構80が形成される。第一スライド機構80は、ケース高さ方向Hの上側に設けられ第一上側スライド機構82H、及び、この第一上側スライド機構82Hの下側に設けられる第一下側スライド機構82Lを有する。
【0058】
第一上側スライド機構82Hは、第一上側貫通孔24H及びこれを貫する上側通過部45Hによって形成される。第一上側スライド機構82Hにより、第一上側貫通孔24Hの長手方向(第一側壁幅方向W1)に沿って、上側通過部45Hが摺動態様で移動自在となる。第一下側スライド機構82Lは、第一下側貫通孔24L及びこれを貫通する下側通過部45Lによって形成される。第一下側スライド機構82Lにより、第一下側貫通孔24Lの長手方向(第一側壁幅方向W1)に沿って、下側通過部45Lが摺動態様で案内される。
【0059】
第一仕切り装置40は、第一上側スライド機構82Hと第一下側スライド機構82Lによって、第一側壁幅方向W1に沿って円滑に案内されると同時に、停止状態においても、上下一対の案内構造によって、第一仕切り装置40の傾倒が抑制される。
【0060】
図1(B)に示すように、第二仕切り装置60と第二側壁対30A,30Bの間には、第二仕切り装置60を第二側壁幅方向W2に移動自在に案内する第二スライド機構90が形成される。第二スライド機構90は、ケース高さ方向Hの上側に設けられ第二上側スライド機構92H、及び、この第二上側スライド機構92Hの下側に設けられる第二下側スライド機構92Lを有する。
【0061】
第二上側スライド機構92Hは、第二上側貫通孔34H及びこれを貫通する上側通過部65Hによって形成される。第二上側スライド機構92Hにより、第二上側貫通孔34Hの長手方向(第二側壁幅方向W2)に沿って、上側通過部65Hが摺動態様で移動自在となる。第二下側スライド機構92Lは、第二下側貫通孔34L及びこれを貫通する下側通過部65Lによって形成される。第二下側スライド機構92Lにより、第二下側貫通孔34Lの長手方向(第二側壁幅方向W2)に沿って、下側通過部65Lが摺動態様で案内される。
【0062】
第二仕切り装置60は、第二上側スライド機構92Hと第二下側スライド機構92Lによって、第二側壁幅方向W2に円滑に案内されると同時に、停止状態においても、上下一対の案内構造によって、第二仕切り装置60の傾倒が抑制される。
【0063】
本実施形態の収納ケース1によれば、
図3(B)に示すように、第一仕切り装置40と第二仕切り装置60を自在に移動させることができる。結果、内部空間の区画割を自在に変更できるので、物品Bのサイズに合わせて、最も適したサイズの区画を実現できることになる。
【0064】
更に収納ケース1では、
図1及び
図2に示すように、下から上に向かって、第一下側仕切り片42L、第二下側仕切り片62L、第一上側仕切り片42H、第二上側仕切り片62Hが配置される。このように、仕切り方向が互いに直交する4つの部材を、交互に4段に重ねていく構造を採用することで、
図2(B)に示すように、底面積が小さく背高の物品Bの側面への接触面積(接触部分)を、ケース高さ方向H及び周囲方向に分散できる。結果、物品Bの保持姿勢を安定させることが可能となる。
【0065】
更に収納ケース1は、全て段ボール材で構成されるとともに、手作業によって容易に組み立てたり、分解したりできる。結果、一部の部材が損傷しても、その部材のみを簡単に交換できるので、作業負荷の軽減を含めて、ランニングコストを抑制することもできる。
【0066】
更に本実施形態では、第一仕切り装置40における第一上側仕切り片42Hと第一下側仕切り片42Lを同一部材とし、第二仕切り装置60における第二上側仕切り片62H及び第二下側仕切り片62Lを同一部材とし、第一仕切り装置40の第一ストッパ材50との第二仕切り装置60の第二ストッパ材70を同一部材とできる。このように、共通部材を増やすことで、交換部品の在庫量を減らすことが可能となる。
【0067】
次に、本実施形態の収納ケース1の変形例について説明する。なお、以降では、
図1〜
図8で説明した収納ケース1と同一又は類似する部材や構造については、図中及び説明で用いる符号を一致させることで重複説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0069】
図9に、第一変形例となる収納ケース1を示す。
図9(A)に示すように、この収納ケース1は、第一仕切り装置40と第一側壁対20A,20Bの間に、第一スライド係合機構120を有する。この第一スライド係合機構120は、第一スライド機構80による第一仕切り装置40の移動を複数個所で規制(位置決め)する。
【0070】
詳細に、第一スライド係合機構120は、ケース高さ方向Hの上側に設けられる第一上側スライド係合機構122H、及び、第一上側スライド係合機構122Hよりも下側に設けられる第一下側スライド係合機構122Lを有する。
【0071】
第一上側貫通孔24Hの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一上側孔用段群124H)を有する。
図9(B)に示すように、この第一上側孔用段群124Hの各凹凸が、第一仕切り装置40の上側通過部45Hの下縁と係合する。すなわち、第一上側孔用段群124Hと上側通過部45Hによって、第一上側スライド係合機構122Hが形成される。
【0072】
第一下側貫通孔24Lの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一下側孔用段群124L)を有する。この第一下側孔用段群124Lの各凹凸が、第一仕切り装置40の下側通過部45Lの下縁と係合する。すなわち、第一下側孔用段群124Lと下側通過部45Lによって、第一下側スライド係合機構122Lが形成される。
【0073】
更に
図9(B)に示すように、この収納ケース1は、第二仕切り装置60と第二側壁対30A,30Bの間に、第二スライド係合機構130を有する。この第二スライド係合機構130は、第二スライド機構90による第二仕切り装置60の移動を複数個所で規制(位置決め)する。
【0074】
詳細に、第二スライド係合機構130は、ケース高さ方向Hの上側に設けられる第二上側スライド係合機構132H、及び、第二上側スライド係合機構132Hよりも下側に設けられる第二下側スライド係合機構132Lを有する。
【0075】
第二上側貫通孔34Hの下縁は、
図9(A)に示すように、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第二上側孔用段群134H)を有する。この第二上側孔用段群134Hの各凹凸が、第二仕切り装置60の上側通過部65Hの下縁と係合する。すなわち、第二上側孔用段群134Hと上側通過部65Hによって、第二上側スライド係合機構132Hが形成される。
【0076】
第二下側貫通孔34Lの下縁は、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第二下側孔用段群134L)を有する。この第二下側孔用段群134Lの各凹凸が、第二仕切り装置60の下側通過部65Lの下縁と係合する。すなわち、第二下側孔用段群134Lと下側通過部65Lによって、第二下側スライド係合機構132Lが形成される。
【0077】
この収納ケース1によれば、第一仕切り装置40をスライドさせる際に、第一スライド係合機構120によって、一定の間隔で位置決めすることが可能となる。第一スライド係合機構120によって位置決めされる際、第一仕切り装置40が箱体5に対して微細に下側に移動することになる。
【0078】
また、第二仕切り装置60をスライドさせる際に、第二スライド係合機構130によって、一定の間隔で位置決めすることが可能となる。第二スライド係合機構130によって位置決めされる際、第二仕切り装置60が箱体5に対して微細に下側に移動することになる。
【0079】
特に本収納ケース1では、第一下側仕切り片42L、第二下側仕切り片62L、第一上側仕切り片42H、第二上側仕切り片62Hが上下方向に接触又は接近状態で配置される。従って、第一仕切り装置40が上方に移動して、第一スライド係合機構120の係合を解除しようとしても、第二仕切り装置60の自重によって、その解除が抑制される。同様に、第二仕切り装置60が上方に移動して、第二スライド係合機構130の係合を解除しようとしても、第一仕切り装置40の自重によって、その解除が抑制される。即ち、お互いの自重によって相手側の係合状態の解除が抑制される。運搬中に振動等が作用しても、第一及び第二仕切り装置40,60の位置決め状態の解除が抑制される。一方、作業者が、箱体5に対して、第一及び第二仕切り装置40,60の双方を少しだけ持ち上げれば、第一及び第二スライド係合機構120,130による位置決め状態を容易に解除できるので、これらを自在にスライドさせることができる。
【0080】
本収容ケース1では、箱体5の側壁に形成される貫通孔を有効活用して、スライド係合機構を構成しているので、部品点数を増やしたり、組立方法を複雑化したりすることが無い。
【0082】
図10に第二変形例となる収納ケース1を示す。
図10(B)に示すように、本収納ケース1の第一上側仕切り片42Hの上縁は、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一上側仕切り用段群149H)を有する。更に、第一下側仕切り片42Lの上縁は、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一下側仕切り用段群149L)を有する。
【0083】
一方、
図10(A)に示すように、第二上側仕切り片62Hの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第二上側仕切り用段群169H)を有する。同様に、第二下側仕切り片62Lの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第二下側仕切り用段群169L)を有する。
【0084】
第一上側仕切り用段群149Hと第二上側仕切り用段群169Hは互いに係合する。同様に、第一下側仕切り用段群149Lと第二下側仕切り用段群169Lは互いに係合する。係合状態になると、第一仕切り装置40及び第二仕切り装置60の双方のスライドが規制される。
【0085】
すなわち、第一上側仕切り用段群149Hと第二上側仕切り用段群169Hは、第一上側スライド係合機構122H及び第二上側スライド係合機構132Hを兼ねており、第一下側仕切り用段群149Lと第二下側仕切り用段群169Lは、第一下側スライド係合機構122L及び第二下側スライド係合機構132L兼ねる。
【0086】
なお、これらの係合状態を解除する場合、係合量に相当する距離だけ、第二仕切り装置60のみを上方に移動させればよい。この移動を許容するために、箱体5における第二上側貫通孔34H及び第二下側貫通孔34Lの高さM1は、第二上側仕切り片62Hの上側通過部65H及び第二下側仕切り片62Lの下側通過部65L及びの高さM2と比較して、係合量以上に大きく設定される。
【0087】
本収容ケース1では、交差する態様で高さ方向Hに積層される仕切り片の上縁と下縁を有効活用して、スライド係合機構を構成しているので、部品点数を増やしたり、組立方法を複雑化したりすることが無い。
【0089】
図11に第三変形例となる収納ケース1を示す。この収容ケース1では、第一側壁幅方向W1が短尺側となり、第二側壁幅方向W2が長尺側となっている。
【0090】
図11(A)に示すように、第二仕切り装置60は、単一の第二仕切り板62によって構成される。これに伴い、第二側壁対30A,30Bの各々には、単一の第二貫通孔34が形成される。
図11(B)に示すように、第二貫通孔34の下縁は、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第二孔用段群134)を有する。この第二孔用段群134の各凹凸は、第二仕切り装置60の通過部65の下縁と係合する。この第二孔用段群134と通過部65によって、第二下側スライド係合機構132Lが形成される。
【0091】
図11(B)に示すように、第一上側仕切り片42Hの下縁は、第二側壁幅方向W2に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一上側仕切り用段群149H)を有する。第一上側仕切り用段群149Hは、第二仕切り板62の上縁と係合する。結果、第二仕切り板62の上縁と第一上側仕切り用段群149Hは、第二上側スライド係合機構132Hとなる。
【0092】
以上の構成により、第二仕切り装置60は、上側が第二上側スライド係合機構132Hによって規制され、下側が第二下側スライド係合機構132Lによって規制される。結果、単一の第二仕切り板62であっても、その傾倒が抑制される。第二上側スライド係合機構132H及び第二下側スライド係合機構132Lの規制を解除すると、第二仕切り装置60は、第二貫通孔34に沿って移動自在となる。
【0093】
更に
図11(A)に示すように、この収納ケース1の第一上側貫通孔24Hの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一上側孔用段群124H)を有する。この第一上側孔用段群124Hの各凹凸は、第一仕切り装置40の上側通過部45Hの下縁と係合する。すなわち、第一上側孔用段群124Hと上側通過部45Hによって、第一上側スライド係合機構122Hが形成される。
【0094】
第一下側貫通孔24Lの下縁は、第一側壁幅方向W1に等間隔に並んで形成される複数の凹凸(第一下側孔用段群124L)を有する。この第一下側孔用段群124Lの各凹凸は、第一仕切り装置40の下側通過部45Lの下縁と係合する。すなわち、第一下側孔用段群124Lと下側通過部45Lによって、第一下側スライド係合機構122Lが形成される。
【0095】
この収納ケース1では、第一変形例で紹介した、貫通孔を有効活用したスライド係合機構と、第二変形例で紹介した、仕切り片の上縁と下縁を有効活用したスライド係合機構が組み合わされている。結果、部品点数を増やしたり、組立方法を複雑化したりすることが無い。
【0096】
また、この収納ケース1では、下から上に向かって、第一下側仕切り片42L、第二仕切り板62、第一上側仕切り片42Hの3段の仕切りが形成されている。このように、3段の仕切りであっても、第一下側仕切り片42Lと第二仕切り板62が上下方向に間隔を有して物品と接触できるので、物品の保持姿勢を安定させることができる。なお、好ましくは、本実施形態で示すように、交互に直交する4段以上の仕切りを形成する。
【0097】
上記第一〜第三変形例において、スライド係合機構の為に形成される凹凸の形状は特に限定されない。例えば、
図12(A)に示すような短いスリット形状や、
図12(B)で示すような鋸刃形状、
図12(C)で示すような波形状等、スライド方向に移動抵抗を生じさせ得る様々な形状を採用し得る。
【0098】
なお、上記実施形態、第一変形例、第二変形例の収納ケース1では、第一仕切り装置40が短尺側で、第二仕切り装置60が長尺側となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、第一仕切り装置40が長尺側で、第二仕切り装置60が短尺とできる。同様に、第一仕切り装置40が下側で、第二仕切り装置60が上側となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、第一仕切り装置40が上側で、第二仕切り装置60が下側とできる。すなわち、本明細書における第一及び第二の定義は、反対にして説明することも可能である。
【0099】
また、記実施形態及び変形例の収納ケース1では、全ての材料が段ボールで構成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、主として段ボール材で構成されていればよい。すなわち、箱体及び内部空間内に配置される仕切りを含む主要部材は、段ボールで構成することが望ましいが、ストッパ等の周辺部材は、段ボール以外の材料を組み合わせることも可能である。
【0100】
尚、本発明の収納ケースは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【解決手段】 段ボール構造収納ケース1は、矩形の底面部10と、底面部10の一方の対辺から上方に延びる第一側壁対20A,20Bと、他方の対辺から上方に延びる第二側壁対30A,30Bと、内部空間において第二側壁幅方向W2に延在し、自身の両端が第一側壁対20A,20Bに保持される第一仕切り装置40と、内部空間において第一側壁幅方向W1に延在し、自身の両端が第二側壁対30A,30Bに保持される第二仕切り装置60と、第一仕切り装置40と第一側壁対20A,20Bの間に設けられ、第一仕切り装置40を第一側壁幅方向W1に移動自在に案内する第一スライド機構80と、を備えるようにした。