(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857479
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】密封装置
(51)【国際特許分類】
F16J 15/3232 20160101AFI20210405BHJP
F16C 33/80 20060101ALI20210405BHJP
F16C 33/78 20060101ALI20210405BHJP
F16C 19/18 20060101ALI20210405BHJP
F16C 41/00 20060101ALI20210405BHJP
F16J 15/447 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
F16J15/3232 201
F16C33/80
F16C33/78 Z
F16C19/18
F16C41/00
F16J15/447
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-198667(P2016-198667)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-59594(P2018-59594A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】千田 麻理
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−291450(JP,A)
【文献】
特開2002−213465(JP,A)
【文献】
特開2013−044419(JP,A)
【文献】
実開昭49−124444(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/3232
F16C 19/18
F16C 33/78−33/80
F16C 41/00
F16J 15/447
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転する2部材のうちの一方に装着される密封装置本体と、他方に装着されるシールフランジとを備え、前記密封装置本体が、前記シールフランジに摺動可能に密接されるシールリップと、このシールリップよりも外側に位置する筒部が設けられた構造を備える密封装置において、前記密封装置本体に、前記シールリップより外側に位置してラビリンスリップが設けられ、このラビリンスリップは、前記筒部と径方向に対向する前記シールフランジの端部と径方向反対側を向いてのびると共に先端が前記シールフランジと軸方向に近接対向され、前記筒部及び前記ラビリンスリップと前記シールフランジとの間にラビリンス隙間が形成され、
前記シールフランジは、前記ラビリンスリップの先端との対向位置より先端側で前記ラビリンスリップの側へ傾斜した外径部を備え、
前記ラビリンス隙間は、
前記外径部と前記ラビリンスリップの外側面との間を内径側へ斜めにのびる中間部分と、
前記中間部分の内径側部位からさらに内径側へとのび、前記中間部分よりも内径側において前記シールフランジの内側面とこれに軸方向に対向する前記ラビリンスリップの先端との間で狭まった内側部分と、
前記中間部分の外径側部位から前記筒部のほうへのびて前記ラビリンス隙間の外部へつながり、前記外径部における傾斜方向と反対側の外径縁と前記筒部との間で狭まった外側部分と、
を含み、
前記ラビリンス隙間の広さは、前記外側部分と前記中間部分と前記内側部分とがこの順番で狭くなるように設定されていることを特徴とする密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や一般機械、産業機械等に用いられ、相対回転する2部材のうちの一方に装着されるシールリップが、他方に装着されるシールフランジと摺動可能に密接した構造を備える密封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のハブベアリングへ外部から泥水等が浸入するのを防止する密封装置としては、回転側のシールフランジに静止側のシールリップを摺動可能に密接させた構造を備えるものが用いられている。
【0003】
図3は、この種の密封装置の従来例を示すもので、すなわち自動車のハブベアリング100における静止側である外輪101の内周に装着される密封装置本体110と、ハブベアリング100における回転側である内輪102の外周に嵌着されるスリーブ121及びその一端から延びるシールフランジ122からなるスリンガ120を備え、密封装置本体110に設けられたサイドリップ111が、スリンガ120のシールフランジ122に摺動可能に密接され、密封装置本体110にサイドリップ111の内周側に位置して設けられたラジアルリップ112が、スリンガ120のスリーブ121の外周面に摺動可能に密接される。
【0004】
また、スリンガ120のフランジ122の外側面に、磁性粉体を混入したゴム弾性体で円盤状に成形され円周方向交互に異なる磁極が着磁されたパルサーリング123が一体的に接着されており、パルサーリング123の外側に、その外側面と軸方向に対向する磁気センサ(不図示)が配置されることによって、磁気式ロータリーエンコーダが構成されている。
【0005】
すなわち、この種の密封装置は、スリンガ120のシールフランジ122と、密封装置本体110のサイドリップ111との摺動部において、内輪102と一体的に回転するシールフランジ122の振り切り作用によって、外部Aからベアリング内部Bへの泥水等の浸入を阻止するものである。また、シールフランジ122とサイドリップ111の密接摺動部からその内周側の密閉空間Cへ、泥水等が僅かに浸入しても、これらはスリンガ120のスリーブ121とラジアルリップ112との密接摺動部においてシールされ、シールフランジ122の振り切り作用によって、サイドリップ111の外周側へ戻される。
【0006】
また、この種の密封装置は、過酷な環境であっても、外部Aからの泥水等がサイドリップ111にかかりにくくすることによって耐泥水性を向上させる目的で、サイドリップ111の外側には、密封装置本体110における外径筒状部113とスリンガ120のシールフランジ122の外径端部が径方向に対向した非接触式シールであるラビリンスシール130を設けている(例えば下記の先行技術文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−044419号公報
【特許文献2】特開2013−249927号公報
【特許文献3】特開2007−285499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、先行技術文献に記載のようにサイドリップ111の外側に設けたラビリンスシール130は、接触式シールのような摩擦トルクや摺動発熱を生じないといった利点はあるものの、基本的にはシールフランジ122の外径端部と密封装置本体110の外径筒状部113との間の隙間を狭めただけであるため、接触式のものに比較してシール性がやや劣り、この点で改良の余地があった。
【0009】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、相対回転する2部材のうちの一方に装着されるシールリップと他方に装着されるシールフランジとを摺接させる構造の密封装置において、耐泥水性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
密封装置は、相対回転する2部材のうちの一方に装着される密封装置本体と、他方に装着されるシールフランジとを備え、前記密封装置本体が、前記シールフランジに摺動可能に密接されるシールリップと、このシールリップよりも外側に位置する筒部が設けられた構造を備える密封装置において、前記密封装置本体に、前記シールリップより外側に位置してラビリンスリップが設けられ、このラビリンスリップは、前記筒部と径方向に対向する前記シールフランジの端部と径方向反対側を向いてのびると共に先端が前記シールフランジと軸方向に近接対向され、前記筒部及び前記ラビリンスリップと前記シールフランジとの間にラビリンス隙間が形成され、
前記シールフランジは、前記ラビリンスリップの先端との対向位置より先端側で前記ラビリンスリップの側へ傾斜した外径部を備え、
前記ラビリンス隙間は
、
前記外径部と前記ラビリンスリップの外側面との間を内径側へ斜めにのびる中間部分と
、
前記中間部分の内径側部位からさらに内径側へとのび
、前記中間部分よりも内径側において前記シールフランジの内側面とこれに軸方向に対向する前記ラビリンスリップの先端との間で狭まった内側部分と
、
前記中間部分の外径側部位から前記筒部のほうへのびて前記ラビリンス隙間の外部へつなが
り、前記外径部における傾斜方向と反対側の外径縁と前記筒部との間で狭まった外側部分と
、
を含み、
前記ラビリンス隙間の広さは、前記外側部分と前記中間部分と前記内側部分とがこの順番で狭くなるように設定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る密封装置によれば、ラビリンスリップが、シールリップより外側で外部からの泥水等の浸入を抑制するラビリンス隙間を構成するため、耐泥水性を向上させてシールリップのシール性を長期にわたって維持することができる。特に、前記シールリップより外側に位置するラビリンスリップが、シールフランジの端部と径方向反対側を向いて延びると共に先端がシールフランジと軸方向に近接対向しているため、シールフランジを、ラビリンスリップの先端との対向位置より外側でラビリンスリップ側へ大きく屈曲させなくても、高いラビリンスシール効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る密封装置の第一の実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【
図2】本発明に係る密封装置の第二の実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【
図3】従来の密封装置の一例を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る密封装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず
図1は、第一の実施の形態を示すものである。
【0015】
図1における参照符号100は自動車のハブベアリングであって、自動車における不図示のナックルに固定された外輪101と、車輪側の不図示のハブ又はこのハブに一体的に嵌着された内輪102と、これらの間に転動可能に配置された不図示の多数の鋼球からなる。なお、外輪101は、請求項1に記載された「相対回転する2部材のうちの一方」に相当し、内輪102は、請求項1に記載された「他方」に相当する。
【0016】
第一の実施の形態の密封装置は、ベアリング内部Bへ、ハブベアリング100の外部Aからの泥水などが浸入するのを防止すると共に、ベアリング内部Bに潤滑のために封入されたグリースが外部Aへ流出するのを防止するもので、ハブベアリング100の外輪101の内周面に装着される密封装置本体1と、ハブベアリング100の内輪102の外周面に装着されるスリンガ2を備えている。
【0017】
密封装置本体1は、金属製の補強環11と、この補強環11に一体成形されたゴム弾性体からなるサイドリップ12、ラジアルリップ13、グリースリップ14、ラビリンスリップ15及び外周シール部16を備える。なお、サイドリップ12及びラジアルリップ13は、請求項1に記載された「シールリップ」に相当する。
【0018】
スリンガ2は、金属板のプレス加工等により製作されたものであって、ハブベアリング100の内輪102の外周面に適当な締め代をもって圧入嵌合されるスリーブ21と、その外部A側の端部から外径側へ円盤状に展開するシールフランジ22を備える。
【0019】
密封装置本体1における補強環11は、金属板のプレス加工等により製作されたものであって、円筒状の嵌合筒部11aと、この嵌合筒部11aのベアリング内部B側の端部から内径側へ延びる内向きフランジ11bからなる。このうち、嵌合筒部11aは、ハブベアリング100の外輪101の内周面に適当な締め代をもって圧入嵌合されるように、外径が、外輪101の内周面より僅かに大径に形成されており、その先端近傍には、肉厚を内周側へ減少させた薄肉部11cが形成されている。
【0020】
密封装置本体1におけるサイドリップ12は、補強環11の内向きフランジ11bにおけるベアリング内部Bと反対側を向いた面にゴム弾性体で成形された基部弾性層17から、ベアリング内部Bと反対側へ向けて大径となるような円錐筒状をなして延びており、軸方向へ適当に曲げ変形を受けた状態で、スリンガ2のシールフランジ22の内側面に、先端部の全周が摺動可能に密接されるものである。
【0021】
密封装置本体1におけるラジアルリップ13は、サイドリップ12より内周側に位置して、基部弾性層17の内径端部からベアリング内部Bと反対側へ向けて小径となるような円錐筒状をなして延びており、適当に拡径変形を受けた状態で、スリンガ2のスリーブ21の外周面に、先端近傍の内径部の全周が摺動可能に密接されるものである。
【0022】
密封装置本体1におけるグリースリップ14は、ラジアルリップ13よりベアリング内部B側にあって、ベアリング内部B側へ向けて小径となるような円錐筒状をなして延びており、スリンガ2のスリーブ21の外周面に、先端近傍の内径部が摺動可能に密接されるものである。
【0023】
密封装置本体1におけるラビリンスリップ15は、サイドリップ12の外周側、言い換えればサイドリップ12より外部A側に位置して設けられていて、補強環11における嵌合筒部11aの内周面に被着された基部弾性層17の外径部17aから、サイドリップ12と径方向反対側、すなわち内径側へ延び、先端がスリンガ2のシールフランジ22の内側面と軸方向に近接対向されている。
【0024】
また、スリンガ2のシールフランジ22は、ラビリンスリップ15の先端との対向位置より外径側がラビリンスリップ15側へ傾斜しており、その外径端部が、ラビリンスリップ15の基部から延びて補強環11における嵌合筒部11aの先端部の内周面に被着された筒状弾性層18の内周面に近接対向している。一方、ラビリンスリップ15の外側面15aは、シールフランジ22の傾斜した外径部22aとほぼ平行な傾斜面をなしている。なお、筒状弾性層18は、請求項1に記載された「筒部」に相当するものである。
【0025】
密封装置本体1における外周シール部16は、補強環11における嵌合筒部11aの先端部に形成された薄肉部11cの外周面にゴム弾性体で成形されており、ハブベアリング100の外輪101の内周面に適当なつぶし代で密接されるものである。
【0026】
スリンガ2のシールフランジ22の外側面には、パルサーリング24が一体的に接着されている。このパルサーリング24は、ゴム弾性体又は合成樹脂材に磁性体の微粉末を添加した材料で円盤状に成形され、S極とN極が円周方向所定ピッチで交互に着磁(多極着磁)されたものであって、その軸方向外側に不図示の磁気センサが配置されることによって、磁気式ロータリーエンコーダを構成するものである。すなわち、このロータリーエンコーダは、スリンガ2と一体のパルサーリング24がハブベアリング100の内輪102と共に回転すると、磁気センサの正面を、パルサーリング24に着磁されたN極とS極が回転方向へ交互に通過するので、これによる磁界の変化に対応した波形の信号が磁気センサから出力され、このパルスのカウントによって回転を計測することができるようになっている。
【0027】
以上のように構成された密封装置は、ハブベアリング100の内輪102と一体回転するスリンガ2のシールフランジ22に、ハブベアリング100の外輪101に取り付けられた非回転の密封装置本体1のサイドリップ12が密接摺動すると共に、回転するシールフランジ22の振り切り作用によって、外部Aから飛来する泥水等の浸入を阻止するものである。また、外部Aの泥水等が、シールフランジ22とサイドリップ12との密接摺動部からその内周側の空間Cへ僅かに浸入したとしても、これらはスリンガ2のスリーブ21と密接摺動されるラジアルリップ13によってシールされるので、ベアリング内部Bへ容易に浸入することはできず、結局、シールフランジ22の振り切り作用によって、サイドリップ12の外周側(外部A)へ戻される。
【0028】
ここで、密封装置本体1のサイドリップ12とスリンガ2のシールフランジ22による摺動シール部より外側(外周側)では、密封装置本体1の筒状弾性層18及びラビリンスリップ15とスリンガ2のシールフランジ22との間に、ラビリンス隙間3が形成されることから、外部Aから飛来する泥水等がサイドリップ12の摺動部へ浸入するのを有効に抑制することができる。
【0029】
すなわち、外部Aからサイドリップ12の摺動部へ浸入しようとする泥水等は、ラビリンス隙間3を通らなければならず、この隙間3は、シールフランジ22の傾斜した外径部22aにおける傾斜方向と反対側の外径縁22bと筒状弾性層18との間で狭まった部分
(外側部分)3aと、その内側で徐々に広がった部分を介して、シールフランジ22の傾斜した外径部22aとラビリンスリップ15の外側面15aとの間を内径側へ斜めに
のびる部分
(中間部分)3bと、その内径側にあって、シールフランジ22の内側面とこれに軸方向に対向するラビリンスリップ15の先端との間で狭まった部分
(内側部分)3cを有する。
【0030】
すなわちラビリンス隙間3は、軸方向から斜め内径方向へ急激に屈曲した複雑な形状となっており、しかも隙間3の広さは、3a>3b>3cとなっているので、外部Aからラビリンス隙間3をサイドリップ12側へ向けて通過しようとする泥水等に大きな圧力損失を与えることができる。このため、シールフランジ22の外径部を直角に曲げて円筒状に延ばすことによって長いラビリンス隙間を形成しなくても、泥水等がサイドリップ12の摺動部側へ浸入しにくいものとなり、したがってサイドリップ12及びラジアルリップ13のシール性を長期にわたって維持することができる。しかもラビリンスリップ15はスリンガ2のシールフランジ22に対して非接触であるため、トルクの上昇や発熱をきたすことがない。
【0031】
次に
図2は、本発明に係る密封装置の第二の実施の形態を示すものである。この実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、密封装置本体1におけるラビリンスリップ15の外側面15aが、軸心Oとほぼ直交する平面をなしていることにある。それ以外の部分は、第一の実施の形態と同様である。
【0032】
第二の実施の形態によれば、密封装置本体1の筒状弾性層18及びラビリンスリップ15とスリンガ2のシールフランジ22との間に形成されるラビリンス隙間3は、シールフランジ22の傾斜した外径部22aにおける傾斜方向と反対側の外径縁22bと密封装置本体1における筒状弾性層18との間で狭まった部分3aと、その内側で徐々に広がった部分を介して、シールフランジ22の傾斜した外径部22aにおける傾斜方向側の外径縁22cとラビリンスリップ15の外側面15aとの間で狭まった部分3dと、その内径側の徐々に広がった部分を介して、シールフランジ22の内側面とこれに軸方向に対向するラビリンスリップ15の先端との間で狭まった部分3cを有する。
【0033】
すなわちラビリンス隙間3は、狭い部分と広い部分が交互に形成され、しかも狭まった部分3a,3d,3cはサイドリップ12に近いものほど狭くなっているので、ラビリンス隙間3を通過しようとする泥水等に繰り返し圧力損失を与えることができる。このため、シールフランジ22の外径部を直角に曲げて円筒状に延ばすことによって長いラビリンス隙間を形成しなくても、泥水等がサイドリップ12の摺動部側へ浸入しにくいものとなり、したがってサイドリップ12及びラジアルリップ13のシール性を長期にわたって維持することができる。しかもラビリンスリップ15はスリンガ2のシールフランジ22に対して非接触であるため、トルクの上昇や発熱をきたすことがない。
【0034】
なお、図示の実施の形態は、本発明を、磁気式ロータリーエンコーダが併設された密封装置に適用したものであるが、磁気式ロータリーエンコーダを設けないものについても同様に実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 密封装置本体
11 補強環
12 サイドリップ(シールリップ)
13 ラジアルリップ(シールリップ)
14 グリースリップ
15 ラビリンスリップ
16 外周シール部
17 基部弾性層
18 筒状弾性層(筒部)
2 スリンガ
22 シールフランジ
22a 傾斜した外径部
3 ラビリンス隙間
100 ハブベアリング
101 外輪(相対回転する2部材のうちの一方)
102 内輪(相対回転する2部材のうちの他方)
A 外部
B ベアリング内部