(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インク容器内からインクを吸引して供給するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの供給量に基づいて前記インク容器から供給されたインク供給量を求め、該インク供給量を前記インク容器のインク残量から減算して前記インク容器内のインク残量を算出しながら印刷を行う印刷装置であって、
前記インク供給ポンプの動作時間を計測するポンプ動作時間計測手段と、
前記ポンプ動作時間計測手段により計測された前記インク供給ポンプの動作時間のうち、予め設定されたインク供給ポンプの正常時における理論上の最大動作時間を超えた時間を超過時間として、当該超過時間をインク供給ポンプの動作時間に含めることなく前記単位動作時間当りの供給量を求め、前記インク供給量を前記インク容器のインク残量から減算して前記インク容器内のインク残量を算出するインク残量算出手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
前記インク残量算出手段によって算出された前記インク残量に応じて変化する所定の基準値と前記インク供給ポンプの動作時間とに基づいて前記インク供給ポンプのエアー混入又は前記インク容器内のインク残量がないインク無しエラーを判定しており、
前記インク残量が所定の基準値以上であり、かつ、前記インク供給ポンプの前記動作時間が当該基準値に応じた前記超過時間の限度である超過限度時間以上の場合、前記エアー混入であると判定する一方、前記インク残量が所定の基準値未満であり、かつ、前記インク供給ポンプの動作時間が当該基準値に応じた前記超過限度時間以上の場合、前記インク無しエラーと判定する判定手段を、
さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の印刷装置では、インク供給ポンプの動作時間によってインクの残量を算出する場合、インク容器内に含まれる空気や、インク容器を交換した際にインク容器と印刷部との間のインク供給管路内に混入した空気を吐出する動作時間もインク供給ポンプの動作時間に含まれるため、算出したインク残量と、インク容器内における実際のインク残量との間に差異が発生するという問題がある。
【0007】
また、インク供給ポンプ等の機械の故障や不良によってエアリーク(空気漏れ)等が発生した場合、インク供給ポンプはインクを吐出するための動作時間よりも多く動作するため、やはり算出されたインク残量とインク容器内における実際のインク残量との間に差異が発生する。
【0008】
特に、インク容器に供給可能なインクの残量があるものの、インク供給管路内に混入されている空気の量が多く、インク供給ポンプが一定以上の時間動作しても印刷部にインクが供給できない場合、インク容器内のインクが空になっていなくてもインク無しとしてユーザに通知されるため、ユーザに誤解を与えるおそれがある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、インク容器内に含まれる空気やインク供給管路内に混入した空気、さらにはインク供給ポンプ等の機械の故障や不良によってエアリーク(空気漏れ)等が発生した場合でも、実際のインク残量の値に近いインク残量を算出することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、インク容器内からインクを吸引して供給するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの供給量に基づいて前記インク容器から供給されたインク供給量を求め、該インク供給量を前記インク容器のインク残量から減算して前記インク容器内のインク残量を算出しながら印刷を行う印刷装置であって、前記インク供給ポンプの動作時間を計測するポンプ動作時間計測手段と、前記ポンプ動作時間計測手段により計測された前記インク供給ポンプの動作時間のうち、予め設定されたインク供給ポンプの正常時における理論上の最大動作時間を超えた時間を超過時間として、当該超過時間をインク供給ポンプの動作時間に含めることなく前記単位動作時間当りの供給量を求め、前記インク供給量を前記インク容器のインク残量から減算して前記インク容器内のインク残量を算出するインク残量算出手段と、を備えたことにある。
【0011】
また、本発明に係る印刷装置の第2の特徴は、前記インク残量算出手段によって算出された前記インク残量に応じて変化する所定の基準値と前記インク供給ポンプの動作時間とに基づいて前記インク供給ポンプのエアー混入又は前記インク容器内のインク残量がないインク無しエラーを判定しており、前記インク残量が所定の基準値以上であり、かつ、前記インク供給ポンプの前記動作時間が当該基準値に応じた前記超過時間の限度である超過限度時間以上の場合、前記エアー混入であると判定する一方、前記インク残量が所定の基準値未満であり、かつ、前記インク供給ポンプの動作時間が当該基準値に応じた前記超過限度時間以上の場合、前記インク無しエラーと判定する判定手段を、さらに備えたことにある。
【0012】
また、本発明に係る印刷装置の第3の特徴は、前記インク残量算出手段は、予め設定されたインク供給ポンプの正常時における理論上の最大動作時間、少なくともインクの種類と、環境温度と、印刷用紙に対する印字率とによって変更することにある。
【0013】
また、本発明に係る印刷装置の第4の特徴は、さらに、前記インク容器内のインク残量を検知する検知手段を備え、前記判定手段は、インク残量算出手段が前記超過時間を累積した累積動作時間と、前記算出したインクの残量と、前記検知手段により検知されたインク残量とに基づいて、前記エアー混入と、前記インク無しエラーと、前記インク容器に対するインクの再充填エラーとを判定することにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、インク容器内からインクを吸引して供給するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの供給量に基づいてインク容器から供給されたインク供給量を求め、該インク供給量をインク容器のインク残量から減算してインク容器内のインク残量を算出する際、インク供給ポンプの動作時間の内、予め設定されたインク供給ポンプの1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間を超える時間は、インク供給ポンプの動作時間に含めずにインク容器内のインク残量を算出する。
【0015】
これにより、インク供給ポンプの1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間を超える時間(超過時間)は、インク容器やインク供給管路における空気溜りや、インク供給ポンプ等の機械の故障や不良等よるエアリーク(空気漏れ)等に基づくインク供給とは関係がない動作時間とみなして除外するため、実際のインク容器におけるインクの残量に近いインク残量を算出することができる。
【0016】
また、本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、算出したインク容器内のインク残量が所定の基準値以上であり、かつ、インク供給ポンプの動作時間が所定の時間(超過限度時間)以上の場合、インク供給ポンプの供給エラー(たとえば、エアー混入)であると判定する。一方、算出したインク容器内のインク残量が所定の基準値未満であり、かつ、インク供給ポンプの動作時間が所定の時間以上の場合、インク容器内のインク残量がないと判定する。
【0017】
これにより、インク供給ポンプの動作時間が所定の時間以上の場合でも、インク供給ポンプの供給エラーと、インク容器内のインク残量無しエラーとを区別してエラー判定できるため、その後に的確なメンテナンス作業を実行することができる。
【0018】
また、本発明に係る印刷装置の第3の特徴によれば、予め設定されたインク供給ポンプの1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間は、少なくともインクの種類と、環境温度と、印刷用紙に対する印字率とによって変更する。
【0019】
これにより、インクの種類や、環境温度、印刷用紙に対する印字率によって変化するインク供給量と消費量に合せてインク供給ポンプの1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間を修正できるので、算出したインクの残量と実際のインク容器におけるインクの残量との差異をより小さくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る印刷装置の第4の特徴によれば、判定手段は、インク供給ポンプの動作時間の内、予め設定されたインク供給ポンプの1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間を超える動作時間を算出して累積し、その累積動作時間と、算出したインクの残量と、インク容器内における実際のインク残量の有無とに基づいて、インク供給ポンプの供給エラーと、インクの残量無しエラーと、インク容器に対するインクの再充填エラーとを判定する。
【0021】
これにより、例えば、算出したインクの残量およびインク容器内における実際のインク残量が0で、かつ、超過時間の累積動作時間が0であれば、インク供給の不良もなく、正常にインクが消費および供給され、インクの残量無しエラーと判定できる。
【0022】
また、算出したインクの残量が0で、インク容器内における実際のインク残量が十分に有り、かつ、超過時間の累積動作時間が0であれば、インクの再充填エラーと判定できる。
【0023】
さらに、算出したインクの残量が0で、超過時間の累積動作時間が大きい値であれば、インク供給ポンプ等のインク供給エラーと判定できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明に係る印刷装置として、孔版印刷装置を一例に説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0026】
<実施形態の孔版印刷装置1の構成>
図1は、本発明に係る印刷装置である実施形態の孔版印刷装置1の一部概略構成図である。
【0027】
図1に示すように、孔版印刷装置1は、装置本体2に、外周に製版された孔版原紙が取り付けられる印刷ドラム3と、制御部4と、操作パネル5等を備えている。
【0028】
印刷ドラム3の内部には一方の端部の中心部からインクが収容されたインク容器6が交換可能に装着される。インク容器6の先端部にはインクが吐出される開口部61が設けられており、この開口部61が印刷ドラム3内に設置されたインク供給ポンプ31に接続され、このインク供給ポンプ31がインク容器6内のインクを吸引することによりインクがインク容器6から吐出され、印刷に使用される。そして、印刷に伴なってインク容器6の内部のインクが供給されて消費され、インクがなくなった際にはインク容器6は取り外され、新たなインク容器6が装着される。
【0029】
また、印刷ドラム3内には、インクセンサ32が設けられており、インクセンサ32がオフになると、インクセンサ32がオンになるまでインク供給ポンプ31によってインク容器6から印刷ドラム3内にインクが供給するように構成されている。なお、インク供給ポンプ31はインクセンサ32がオフする毎に毎回オンするまで駆動モータの回転によって供給動作を行い、その毎回の供給動作が後述する
図3や
図5等における横軸のインク供給ポンプ31の動作回数となる。
【0030】
制御部4は、孔版印刷装置1全体の動作を制御するもので、本発明のポンプ動作時間計測手段41と、インク残量算出手段42と、判定手段43の機能も有する。
【0031】
ポンプ動作時間計測手段41は、インク供給ポンプ31を駆動する駆動モータの動作時間を計測して、インク供給ポンプ31の動作時間Tとして出力する。
【0032】
インク残量算出手段42は、予め設定された標準的なインクの単位時間当りの供給量にインク容器6の不揮発性メモリ62から読み出した補正率を掛け合わせて補正済供給量を求め、その補正済供給量にポンプ動作時間計測手段41が計測したインク供給ポンプ31の動作時間Tを掛け合わせ、その値をインク容器6の全インク量から累積的に減算することによりインクの残量を算出する。なお、補正率については上記特許文献1に詳述されているが、この実施形態1では補正率を1、すなわち補正率を考慮しないで説明する。
【0033】
判定手段43は、詳細は後述するが、インク残量算出手段42によって算出されたインク容器6内のインク残量と、所定の基準値とを比較して、インク供給ポンプ31の供給エラーやインクの残量無しエラー、さらにはインク容器6にインクが再充填されたリフィールエラーを判定したり、インク残量算出手段42が算出したインク残量をメモリ44に書込むように構成されている。なお、基準値は、インク供給ポンプ31の供給エラーおよびインク無しエラーをその動作時間に基づいて判定する際のタイムアウト時間Toutを切替えるための基準値である。
【0034】
メモリ44は、不揮発性メモリ62から読み込んだ補正率やインク容器6の全インク量、インク残量算出手段42が算出したインク残量、さらには後述するタイムアウト時間Toutである第1タイムアウト時間Tout1および第2タイムアウト時間Tout2や、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmax等を記憶している。
【0035】
操作パネル5は、この孔版印刷装置1に対し印刷開始や印刷枚数、印刷濃度の各種設定を行う際に操作する各種ボタンやキー(図示せず。)が設けられていると共に、その各種ボタンやキーによる設定内容や、判定手段43によって後述するように判定された各種エラー等のインク供給状態が表示される表示部51等が設けられている。
【0036】
インク容器6には、その先端部に不揮発性メモリ62が設けられている。不揮発性メモリ62には、このインク容器6内に収容されたインクの種類に応じて予め設定された補正率および未使用時のインク容器6に収容された全インク量が予め記憶されている。なお、不揮発性メモリ62は、電源を供給しなくても一定期間データを記憶できるもので、この不揮発性メモリ62が取り付けられた基板63の先端に接点64が設けられている。
【0037】
また、本孔版印刷装置1のインク供給ポンプ31の近傍には、インク容器6側の不揮発性メモリ62の接点64と電気的に接続するコネクタ7が設けられている。
【0038】
<実施形態の孔版印刷装置1の動作>
次に、以上のように構成された実施形態の孔版印刷装置1におけるインク残量算出処理を含むインク供給状態判定処理について、図面を参照して説明する。
【0039】
図2は、実施形態の孔版印刷装置1におけるインク残量算出処理を含むインク供給状態判定処理を示すフローチャートである。
【0040】
なお、インク供給ポンプ31にインク容器6が接続され、インク供給ポンプ31の近傍に設けられたコネクタ7とインク容器6側の接点64とが電気的に接続されると、制御部4は、不揮発性メモリ62に記憶された補正率と全インク量を読み出し、メモリ44に記憶する。また上述したようにこの実施形態では、補正率は1とする。
【0041】
まず、この孔版印刷装置1において製版済みの孔版原紙が取り付けられた印刷ドラム3において印刷が開始されると、制御部4は、印刷ドラム3内のインクセンサ32がオンまたはオフであるかを検出しながら(ステップS101)、印刷を行う。
【0042】
そして、制御部4は、インクセンサ32がオフになったことを検出すると(ステップS101;YES)、インクセンサ32がオンになるまでインク供給ポンプ31を駆動してインク容器6から印刷ドラム3に対しインクの供給を行う(ステップS103)。
【0043】
その際、制御部4では、ポンプ動作時間計測手段41がインク供給ポンプ31の動作時間T、すなわちインクセンサ32がオフしてからオンするまでの時間を計測する(ステップS105)。
【0044】
次に、判定手段43がメモリ44から以前のインク供給時に算出して記憶しておいたインク容器6のインク残量を読み出して(ステップS107)、インク容器6のインク残量がタイムアウト時間Toutを切り替えるための所定の基準値、例えば、インク容器6の最大蓄積容量の20%より大きいか否かを判定する(ステップS109)。なお、インク供給ポンプ31が初めてインク供給を行う場合には、メモリ44には、インク容器6の不揮発性メモリ62から読み出されたインク容器6のインク残量の初期値として、例えば、100%等の値が記憶されている。尚、所定の基準値であるインク容器6の最大蓄積容量の20%の値は、あくまで一例であり、これ以外の値でも勿論良い。
【0045】
ここで、タイムアウト時間Toutとは、インク供給ポンプ31の動作時間Tがこのタイムアウト時間Toutを超えた場合には、後述するエラーと判定する際の閾値とする所定の時間(超過限度時間)である。なお、実施形態の孔版印刷装置1では、算出したインク容器6のインク残量に基づいて、タイムアウト時間Toutを後述するように2つの時間、すなわち長い第1タイムアウト時間Tout1に設定したり、短い第2タイムアウト時間Tout2に設定する。
【0046】
また、タイムアウト時間Toutである第1タイムアウト時間Tout1および第2タイムアウト時間Tout2は、インク供給ポンプ31の動作時間Tがこのタイムアウト時間Toutを超えた場合にエラーと判定する際の閾値であるため、後述するインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxよりも大きい値となる。つまり、この実施形態では、Tout1>Tout2>Tmaxの関係が成立することになる。
【0047】
ステップS109の判定処理で、インク容器6のインク残量が所定の基準値であるインク容器6の最大蓄積容量の20%より大きい場合(YES)、制御部4は、タイムアウト時間Toutを例えば、長い方の第1タイムアウト時間Tout1に設定する(ステップS111)。
【0048】
これに対し、インク容器6のインク残量がインク容器6の最大蓄積容量の20%より小さい場合(NO)、制御部4は、タイムアウト時間Toutを例えば、短い方の第2タイムアウト時間Tout2に設定する(ステップS133)。
【0049】
図3は、
図2におけるステップS109の判定処理によるタイムアウト時間Toutの切り換えた状態を示す図である。
【0050】
図3において横軸はインク供給ポンプの動作回数、縦軸はインク供給ポンプの動作時間Tを示している。
【0051】
また、
図3において、所定の基準値であるインク容器6の最大蓄積容量の20%になるインク供給ポンプの動作回数は、7回目以降である。
【0052】
そのため、
図3の場合、インク供給ポンプ31の動作回数が1回目〜6回目までは、インク容器6のインク残量がインク容器6の最大蓄積容量の20%より大きいと予想されるため(ステップS109;YES)、ステップS111の処理により長い方の第1タイムアウト時間Tout1が設定される一方、インク供給ポンプ31の動作回数が7回目以降は、インク容器6のインク残量がインク容器6の最大蓄積容量の20%以下であると予想されるため(ステップS109;NO)、ステップS133の処理により短い方の第2タイムアウト時間Tout2が設定される。
【0053】
これにより、例えば、インク容器6のインク残量がインク容器6の最大蓄積容量の20%より多く十分にある場合は、後述するようにインク供給ポンプ31の動作時間が第1タイムアウト時間Tout1を超えた際にインク供給ポンプ31におけるインク吸込みエラー等と判定できる一方、インク容器6のインク残量がインク容器6の最大蓄積容量の20%以下で少ない場合は、後述するようにインク供給ポンプ31の動作時間が第2タイムアウト時間Tout2を超えた際にインク容器6内におけるインク無しエラーと判定できる。
【0054】
その結果、実施形態の孔版印刷装置1によれば、算出したインク容器6のインク残量の大小に基づいて2つのタイムアウト時間Tout1,Tout2を切替えて設定することにより、インク供給ポンプ31におけるインク吸込みエラー等と、インク無しエラーとをより確実に判定することができる。
【0055】
<算出したインク残量が所定の基準値より大きい場合>
そして、インク容器6のインク残量が所定の基準値より大きく(ステップS109;YES)、タイムアウト時間Toutとして長い方の第1タイムアウト時間Tout1に設定した場合(ステップS111)、判定手段43は、続いてインク供給ポンプ31の動作時間Tがその第1タイムアウト時間T1outよりも大きいか否かを判定する(ステップS113)。
【0056】
インク供給ポンプ31の動作時間Tが第1タイムアウト時間T1outよりも大きい場合(ステップS113;YES)、インク容器6内に十分にインクがあるのにインク供給ポンプ31の動作時間Tが第1タイムアウト時間T1outを超える場合であると予想されるため、判定手段43は、インクの吸込みエラー等のインク供給ポンプ31の故障や不良のインク供給エラーであると判定し、操作パネル5の表示部51を介してインク供給エラーを出力する(ステップS115)。
【0057】
これに対し、判定手段43がステップS113でインク供給ポンプ31の動作時間Tが第1タイムアウト時間T1out以下であると判定した場合(ステップS113;NO)、インク残量算出手段42は、インク容器6のインク残量を算出する(ステップS117)。
【0058】
図4は、
図2におけるステップS117のインク容器におけるインク残量の算出処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【0059】
図4に示すように、実施形態の孔版印刷装置1では、ステップS117のインク残量の算出処理を行う際、インク残量算出手段42は、まず、ポンプ動作時間計測手段41がステップS105の処理で計測したインク供給ポンプ31の動作時間Tと、インク残量算出手段42自身やメモリ44等に予め記憶しておいたインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxとを比較する(ステップS201)。
【0060】
インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxとは、インク容器6やインク供給管路における空気溜りや、インク供給ポンプ31にエアリーク(空気漏れ)等が無い正常状態において実際にインク供給ポンプ31がインク容器6から印刷ドラム3に対しインクの供給を行うために必要なインク供給ポンプ31の動作時間Tの最大値(上限値)のことである。この最大動作時間Tmaxは、インク容器6やインク供給管路における空気溜りや、インク供給ポンプ31におけるエアリーク(空気漏れ)等が無い正常状態との時に、試験運転や実験等を行って予め求めて、インク残量算出手段42自身やメモリ44に記憶しておく。
【0061】
1回で動作するインク供給ポンプ31の正常時における理論上の最大動作時間Tmaxは、例えば、次式で表わすことが出来る。
【0062】
Tmax=Z÷(X−Y)
上式において、Zはインクセンサ32がOFFからONになるまでのインク供給量[ml]、Xは単位時間当たりのインク供給量[ml/s]、Yは印刷ドラム3における単位時間当たりのインク消費量[ml/s]である。
【0063】
また、インク供給ポンプ31の正常時における理論上の最大動作時間Tmaxは、インクの種類や、環境温度、印刷用紙における印字率等によって変化するので、例えば、次のように補正した補正値Tmax’を使用するようにしても良い。
【0064】
Tmax’=Tmax×a×b×c
上式において、aはインク種類の補正値、bは環境温度補正値、cは印字率の補正値である。
【0065】
そして、ポンプ動作時間計測手段41が測定したインク供給ポンプ31の動作時間Tがインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxより大きい場合(ステップS201;YES)、インク残量算出手段42は、その最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tを除外、すなわちインク供給ポンプ31の動作時間Tを予め設定したおいたインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxとする(ステップS203)。
【0066】
図5は、インク供給ポンプ31の動作時間Tとインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxとの関係の一例を示すグラフである。
【0067】
図3と同様に、
図5において横軸はインク供給ポンプの動作回数、縦軸はインク供給ポンプの動作時間Tを示している。
【0068】
図5に示す場合、インク供給ポンプ31の動作回数が1回目と、2回目と、5回目において、インク供給ポンプ31の動作時間Tがインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えている。
【0069】
そのため、インク残量算出手段42は、
図4のステップS203の処理によって、インク供給ポンプ31の動作回数が1回目と、2回目と、5回目の場合、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tは除外する。
【0070】
つまり、1回目と、2回目と、5回目ではインク供給ポンプ31の動作時間Tを、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxとして算出する。
【0071】
これにより、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超える時間(超過時間)は、インク容器6やインク供給管路における空気溜りや、インク供給ポンプ31におけるエアリーク(空気漏れ)等に基づく動作時間で、インク供給とは関係とない動作時間とみなして除外できるため、算出したインクの残量とインク容器6内の実際のインク残量との差異を小さくして、より正確なインク残量を算出することができる。
【0072】
その後は、インク残量算出手段42は、従来技術と同様に、インク供給ポンプ31の動作時間Tと、単位動作時間当りのインク供給ポンプ31の供給量とに基づいてインク容器6から供給されたインク供給量を求め(ステップS205)、算出したインク供給量をインク容器6内に収容された全インク量から減算してインク容器6内のインク残量を算出して(ステップS207)、
図2のステップS119の処理へ移行する。
【0073】
次に、判定手段43は、ステップS117の処理でインク残量算出手段42によって算出されたインク残量がインク容器6の0%以下であるか否かを判定する(ステップS119)。
【0074】
ここで、算出されたインク残量がインク容器6の0%以下でない場合は(ステップS119;NO)、インク容器6内にインク残量が残っているということなので、インク残量算出手段42または判定手段43は、メモリ44にインクの残量を書き込んで(ステップS121)、終了する。なお、ステップS121の際、インク残量算出手段42によって算出されたインク残量をメモリ44だけでなく、コネクタ7等を介してインク容器6側の不揮発性メモリ62に対し書き込むようにしても良い。
【0075】
これにより、次にインクセンサ32がオフとなって(ステップS103;YES)、インク供給が行われた場合(ステップS103)、ステップS107では、このステップS121の処理によってメモリ44に書き込まれたインク残量が読みされてステップS107以降の処理が実行される。
【0076】
一方、ステップS117の処理で算出したインク残量がインク容器6の0%以下である場合(ステップS119;YES)、判定手段43は、さらに、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tの累積値を算出し(ステップS123)、その累積値が0であるか否かを判定する(ステップS125)。
【0077】
具体的には、判定手段43は、例えば、上述した
図5に示す場合であれば、1回目と、2回目と、5回目においてインク供給ポンプ31の動作時間Tが1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えているため、1回目と、2回目と、5回目における最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tの累積値を算出する。
【0078】
ステップS125の判定処理で、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tの累積値が0でない場合(ステップS125;NO)、後述する
図6の(3),(4)に示すように、判定手段43は、ステップS115へ進み、インク供給ポンプ31のインク吸込みエラー等の供給エラーであると判定して終了する。
【0079】
これに対し、ステップS125の判定処理で、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tの累積値が0である場合は(ステップS125;YES)、さらに、インク容器6における実際のインク残量がインク供給困難なほぼ0%であるか否かを判定する(ステップS127)。
【0080】
ここで、インク容器6における実際のインク残量がインク供給困難なほぼ0%であるか否かは、インク容器6内にインクセンサが設けられている場合は、その検出値を使用すれば良いが、本実施形態の孔版印刷装置1では、インク容器6内にインクセンサが設けられていない。そのため、本実施形態の孔版印刷装置1では、例えば、インク残量算出手段42によって算出されたインク残量が0であるにもかからず、インク供給ポンプ31を駆動させると、インク容器6から印刷ドラム3にインクが供給されて、インクセンサ32がオフからオンに変わる場合には、インク容器6に実際にインクが残っていてインク残量がインク供給困難なほぼ0%でないと判定する(ステップS127;NO)。これに対し、インク残量算出手段42によって算出されたインク残量が0で、かつ、インク供給ポンプ31を駆動させてもインクセンサ32がオフからオンに変わらない場合には、インク容器6から印刷ドラム3にインクが供給されていないため、インク容器6における実際のインク残量がインク供給困難なほぼ0%であると判定する(ステップS127;YES)。
【0081】
そして、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が0であるものの(ステップS125;YES)、インク容器6のインク残量がほぼ0%でない場合は(ステップS127;NO)、算出したインク残量がインク容器6の0%以下に達しているものの、インク供給ポンプ31によってインク容器6から印刷ドラム3へインクの供給が正常に行われており、インク容器6にインク供給に十分なインクが残っている場合であるため、ユーザが勝手にインク容器6に対しインクの補充を行ったか、インク容器6に対しインクの補充を行った際、インク残量算出のリセット等を行わなかったものと想定できる。
【0082】
そのため、ステップS127でNOと判定した場合、判定手段43は、操作パネル5の表示部51を介しリフィール(インク補充)エラーを出力して(ステップS129)、終了する。
【0083】
これに対し、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の動作時間Tの累積値が0%であり(ステップS125;YES)、かつ、インク容器6におけるインク残量がほぼ0%の場合(ステップS127;YES)、後述する
図6の(1)に示すようにインク供給ポンプ31が正常に動作しているものの、インク容器6にインク残量がインク供給困難なほぼ0%になってインク供給ポンプ31によってインク容器6から印刷ドラム3へインクが供給できないものと予想できる。
【0084】
そのため、判定手段43は、インク容器6のインク残量が無くなったことを示すインクの残量無しエラーを操作パネル5の表示部51を介し出力して(ステップS131)、終了する。
【0085】
図6は、
図2のステップS125におけるインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が0であるか否かに基づく判定結果の一例を示す図である。
【0086】
図6の(1)は、ステップS117の処理で算出したインク残量が0%以下であり、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が0で、かつ、インク容器6内の実際のインク残量が0%の場合を示している。
【0087】
そのため、判定手段43は、この場合、インク供給ポンプ31による吸込み不良もなく、予想通り正常にインクが供給されている状態と判定して、ステップS131に進みインクの残量無しエラーを出力する。
【0088】
また、
図6の(2)は、ステップS117の処理で算出したインク残量が0%以下であり、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が0であるものの、インク容器6内の実際のインク残量が30%の場合を示している。
【0089】
そのため、判定手段43は、この場合、ユーザが勝手にインク容器6に対しインクの補充を行ったか、インク容器6に対しインクの補充を行った際、インク残量算出のリセット等を行わなかったものと判定し、ステップS127に進んでリフィール(インク補充)エラーを出力する。
【0090】
また、
図6の(3)は、ステップS117の処理で算出したインク残量が0%以下であり、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が300msで、インク容器6内の実際のインク残量が30%の場合を示している。
【0091】
そのため、判定手段43は、この場合、算出したインク残量が0%以下であるにもかかわらず、最大動作時間Tmaxを超えてインク供給ポンプ31が300msも動作しており、しかもインク容器6にインク残量が30%も残っている場合であるため、ステップS115に進みインクの供給エラー等の供給エラーと判定して、操作パネル5の表示部51へ出力する。
【0092】
さらに、
図6の(4)は、ステップS117の処理で算出したインク残量が0%以下であり、最大動作時間Tmaxを超えるインク供給ポンプ31の累積動作時間が300msで、インク容器6内の実際のインク残量が0%の場合を示している。
【0093】
そのため、判定手段43は、この場合、算出したインク残量が0%以下で、かつ、インク容器6における実際のインク残量が0%であるにもかかわらず、最大動作時間Tmaxを超えてインク供給ポンプ31が300msも動作している場合であるため、
図6の(3)と同様に、インク供給ポンプ31におけるインクの吸込みエラー等の供給エラーが予想されるため、ステップS115に進み操作パネル5の表示部51を介してインクの供給エラーを出力する。
【0094】
<算出したインク残量が所定の基準値以下の場合>
ところで、ステップS109の処理によって、インク容器6のインク残量が所定の基準値(例えば、20%。)以下であると判定した場合(ステップS109;NO)、判定手段43は、小さい方のタイムアウト時間Toutである第2タイムアウト時間Tout2を設定し(ステップS133)、続いてインク供給ポンプ31の動作時間Tが第2タイムアウト時間Tout2よりも大きいか否かを判定する(ステップS135)。
【0095】
ここで、インク供給ポンプ31の動作時間Tが第2タイムアウト時間Tout2よりも大きい場合(ステップS135;YES)、インク容器6内のインク残量が所定値(20%)以下で、インク供給ポンプ31の動作時間Tが第2タイムアウト時間Tout2を超える場合であるため、インク容器6内にインクが無いか、インク残量が少ないためインクの吸込みに時間を要しているものと想定できる。
【0096】
そのため、この場合、判定手段43は、インク容器6内におけるインク残量無しエラーと判定し、操作パネル5の表示部51にインク残量無しエラーを出力して(ステップS131)、終了する。
【0097】
これに対し、インク供給ポンプ31の動作時間Tが第2タイムアウト時間Tout2以下の場合(ステップS135;NO)、インク容器6内のインク残量が所定値(20%)以下であるものの、インク供給ポンプ31の動作時間Tが第2タイムアウト時間Tout2を超えずにインク容器6から印刷ドラム3へインクの供給が実行されている正常動作状態であると想定できる。
【0098】
そのため、この場合、制御部4は、ステップS113の判定処理においてインク供給ポンプ31の動作時間Tが第1タイムアウト時間T1out以下であると判定した場合(NO)と同様に、インク残量算出手段42にインク容器6のインク残量を算出させて(ステップS117)、それ以降の処理を同様に行う。
【0099】
以上説明したように、本発明に係る印刷装置を採用した実施形態の孔版印刷装置1によれば、
図2におけるステップS117の処理によってインク供給ポンプ31の動作時間Tと単位動作時間当りの供給量に基づいてインク容器6内のインクの残量を算出する際、
図4に示すようにインク供給ポンプ31の動作時間Tの内、予め設定されたインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超える時間(超過時間)は、インク供給ポンプ31の動作時間Tに含めずにインク容器6内のインクの残量を算出する。
【0100】
これにより、実施形態の孔版印刷装置1では、インク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超える時間(超過時間)は、インク容器6やインク供給管路における空気溜りや、インク供給ポンプ31におけるエアリーク(空気漏れ)等に基づく動作時間で、インク供給とは関係とない動作時間とみなして除外できるため、算出したインクの残量とインク容器6内の実際のインク残量との差異を小さくして、より正確なインク残量を算出することができる。
【0101】
また、実施形態の孔版印刷装置1では、算出したインク残量が所定の基準値以上であり、かつ、インク供給ポンプ31の動作時間Tが第1タイムアウト時間Tout1以上の場合、インク供給ポンプ31の吸込みエラー等の供給エラーであると判定するのに対し(ステップS115)、算出したインク残量が所定の基準値未満であり、かつ、インク供給ポンプ31の動作時間Tが所定の第2タイムアウト時間Tout2以上の場合、インク容器6内のインク残量がないと判定する(ステップS131)。
【0102】
これにより、実施形態の孔版印刷装置1では、インク供給ポンプ31の動作時間Tに基づいてインク供給ポンプ31の供給エラー(故障)およびインク容器6内のインク残量無しエラーを判定する際のタイムアウト時間Toutをインク供給ポンプ31の動作時間Tに基づいて切替えることができるため、より正確にインク供給ポンプ31の供給エラー(故障)およびインク容器6内のインク残量無しエラーを判定することができる。
【0103】
また、実施形態の孔版印刷装置1では、予め設定されたインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxは、少なくともインクの種類と、環境温度と、印刷用紙に対する印字率とによって補正した補正値Tmax’を使用することもできる。
【0104】
これにより、実施形態の孔版印刷装置1では、インクの種類や、環境温度、印刷用紙に対する印字率によって変化するインク供給量と消費量に合せてインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを修正できるので、算出したインクの残量とインク容器6内の実際のインク残量との差異をより小さくすることができる。
【0105】
また、実施形態の孔版印刷装置1では、ステップS123およびステップS125の処理によってインク供給ポンプ31の動作時間Tの内、予め設定されたインク供給ポンプ31の1回当たりの正常時における理論上の最大動作時間Tmaxを超える動作時間を算出して累積し、その累積動作時間と、ステップS117の処理で算出したインクの残量と、インク容器6内における実際のインク残量とに基づいて、上述したようにインクの残量無しエラーや、インク容器6に対するインクの再充填、インク供給ポンプ31の供給状態を判定する。
【0106】
そのため、実施形態の孔版印刷装置1によれば、より確実にインク容器6におけるインクの残量無しエラーや、インク容器6に対するインクの再充填、インク供給ポンプ31における吸込みエラー等のインク供給エラー等のインク供給状態を判定することができる。
【0107】
なお、上記実施形態では、本発明に係るインク残量の算出方法を孔版印刷装置1に適用して説明したが、本発明では、これに限らず、インクジェット印刷装置等のインク容器を使用する他の種類の印刷装置に適用しても勿論良い。
【0108】
また、上記実施形態の説明では、補正率を1、すなわち補正率を考慮しないで説明したが、上記特許文献1に記載された発明のように補正率を考慮して補正済供給量を求め、その補正済供給量にポンプ動作時間計測手段41が計測したインク供給ポンプ31の動作時間Tを掛け合わせて、その値をインク容器6の全インク量から累積的に減算してインク残量を算出するようにしても勿論良い。