(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、前記中継装置に第2の回線によって接続し、前記カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、
前記中継装置に接続し、前記カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、
前記カメラ制御装置は、前記カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備え、前記第1の回線の切断を検知すると、前記カメラに、臨時点検撮影として、前記回線切断検知後に、通常よりも頻繁に前記カメラで特定地点を巡回的に撮影するよう前記カメラを制御し、当該撮影された映像を前記記録媒体に記憶させ、前記第1の回線の接続を検知すると、前記記録媒体に記憶された映像を、前記中継装置を介して前記記憶装置及び前記制御管理装置に送信することを特徴とする監視システム。
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、前記中継装置に第2の回線によって接続し、前記カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、
前記中継装置に接続し、前記カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、
前記カメラ制御装置は、前記カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、
前記予備電源が、停電時に前記カメラ制御装置及び前記カメラに電力を供給し、
前記カメラ制御装置が、停電を検知すると、前記カメラを節電モードで動作させて、通常の監視地点より少数の監視地点を重要監視地点として、旋回速度を低速にして前記重要監視地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を前記記録媒体に記憶させ、前記停電からの復旧を検知すると、前記記録媒体に記憶された映像を、前記中継装置を介して前記記憶装置及び前記制御管理装置に送信することを特徴とする監視システム。
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、前記中継装置に第2の回線によって接続し、前記カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、
前記中継装置に接続し、前記カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、
前記カメラ制御装置は、前記カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備え、前記第1の回線の切断を検知すると、前記カメラで特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を前記記録媒体に記憶させ、前記第1の回線の接続を検知すると、前記記録媒体に記憶された映像を、前記中継装置を介して前記記憶装置及び前記制御管理装置に送信し、
前記中継装置が、前記第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、前記記憶装置に記憶された映像を前記無人飛行機に転送し、
前記無人飛行機は、前記記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものであることを特徴とする監視システム。
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、前記中継装置に第2の回線によって接続し、前記カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、
前記中継装置に接続し、前記カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、
前記カメラ制御装置は、前記カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、
前記予備電源が、停電時に前記カメラ制御装置及び前記カメラに電力を供給し、
前記カメラ制御装置が、停電を検知すると、前記カメラを節電モードで動作させて、特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を前記記録媒体に記憶させ、前記停電からの復旧を検知すると、前記記録媒体に記憶された映像を、前記中継装置を介して前記記憶装置及び前記制御管理装置に送信し、
前記中継装置が、前記第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、前記記憶装置に記憶された映像を前記無人飛行機に転送し、
前記無人飛行機は、前記記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものであることを特徴とする監視システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来の監視システムでは、監視カメラの制御装置と中継装置との間の伝送回線が切断されると、後から回線切断状態であった期間の映像を取得することができず、事象の解析にとって重要な情報が欠落してしまうという問題点があった。
【0010】
また、従来の監視システムでは、監視カメラに電力を供給する電力線が切断された場合には、バックアップ電源からの限られた電力による撮影となるため、短期間しか撮影できないという問題点があった。
【0011】
更に、従来の監視システムは、災害やトラブル発生等の有事の際に、参照映像を取り込んだ報告書作成をサポートする機能が十分ではなかった。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、伝送回線が切断された場合でも確実に映像を記録して後から映像を取得することができ、停電があった場合でも長時間の撮影を可能とし、更に参照映像を取り込んだ報告書作成をサポートして利便性を向上させることができる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備え、第1の回線の切断を検知すると、
カメラに、臨時点検撮影として、回線切断検知後に、通常よりも頻繁にカメラで特定地点を巡回的に撮影するよう
カメラを制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、第1の回線の接続を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信することを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、
通常の監視地点より少数の監視地点を重要監視地点として、旋回速度を低速にして重要監視地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信することを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信し、中継装置が、第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、記憶装置に記憶された映像を無人飛行機に転送し、無人飛行機は、記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものであることを特徴としている。
また、本発明は、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信し、中継装置が、第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、記憶装置に記憶された映像を無人飛行機に転送し、無人飛行機は、記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものであることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、上記監視システムにおいて、制御管理装置には、操作制御装置が接続され、操作制御装置が、制御管理装置に記憶されている映像から、第1の回線切断前の映像と第1の回線切断後の映
像とを抽出して比較表示し、当該比較表示した内容を報告書形式で出力することを特徴としている。
また、本発明は、上記監視システムにおいて、制御管理装置には、操作制御装置が接続され、操作制御装置が、制御管理装置に記憶されている映像から、停電の前の映像と停電の後の映像とを抽出して比較表示し、当該比較表示した内容を報告書形式で出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備え、第1の回線の切断を検知すると、
カメラに、臨時点検撮影として、回線切断検知後に、通常よりも頻繁にカメラで特定地点を巡回的に撮影するよう
カメラを制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、第1の回線の接続を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信する監視システムとしており、第1の回線が切断した場合でも、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができる効果がある。
【0018】
また、本発明によれば、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、
通常の監視地点より少数の監視地点を重要監視地点として、旋回速度を低速にして重要監視地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信する監視システムとしているので、停電が発生した場合に、消費電力を低減して、できるだけ長期間に亘って撮影できるようにし、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができる効果がある。
【0019】
また、本発明によれば、
監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信し、中継装置が、第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、記憶装置に記憶された映像を無人飛行機に転送し、無人飛行機は、記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものであ
る監視システムとしているので、第2の回線が切断した場合でも、回線切断後に記憶装置に記憶された映像を、無人飛行機によって例えば制御管理装置が設置されている管理所に届けることができ、映像を確実に記録して事象の解析に役立てることができる効果がある。
また、本発明によれば、監視対象現場を撮影するカメラが接続するカメラ制御装置と、カメラ制御装置に第1の回線によって接続する中継装置と、中継装置に第2の回線によって接続し、カメラで撮影された映像を受信する管理所の制御管理装置とを有する監視システムであって、中継装置に接続し、カメラで撮影された映像を記憶する記憶装置を有し、カメラ制御装置は、カメラで撮影された映像を記憶する記録媒体を備えると共に、停電時に電力を供給する予備電源が接続され、予備電源が、停電時にカメラ制御装置及びカメラに電力を供給し、カメラ制御装置が、停電を検知すると、カメラを節電モードで動作させて、特定地点を巡回的に撮影するよう制御し、当該撮影された映像を記録媒体に記憶させ、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像を、中継装置を介して記憶装置及び制御管理装置に送信し、中継装置が、第2の回線の切断を検知すると、無線を介して無人飛行機に接続し、記憶装置に記憶された映像を無人飛行機に転送し、無人飛行機は、記憶装置からの映像の転送が終了すると、予め設定された目的地に向けて飛行するものである監視システムとしているので、第2の回線が切断した場合でも、回線切断後に記憶装置に記憶された映像を、無人飛行機によって例えば制御管理装置が設置されている管理所に届けることができ、映像を確実に記録して事象の解析に役立てることができる効果がある。
【0020】
また、本発明によれば、制御管理装置には、操作制御装置が接続され、操作制御装置が、制御管理装置に記憶されている映像から、第1の回線切断前の映像と第1の回線切断後の映
像とを抽出して比較表示し、当該比較表示した内容を報告書形式で出力する上記監視システムとしているので、第1の回線切
断等のトラブルが発生した場合に、トラブルの発生前後の状況を比較できる画像を付した報告書の作成を支援することができ、利便性を向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、制御管理装置には、操作制御装置が接続され、操作制御装置が、制御管理装置に記憶されている映像から、停電の前の映像と停電の後の映像とを抽出して比較表示し、当該比較表示した内容を報告書形式で出力する上記監視システムとしているので、停電等のトラブルが発生した場合に、トラブルの発生前後の状況を比較できる画像を付した報告書の作成を支援することができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る監視システム(本監視システム)は、カメラ制御装置が、カメラ制御装置と中継装置との間の伝送回線(第1の回線)が切断されたことを検知すると、特定地点を巡回的に撮影するようカメラを制御して点検撮影を行い、カメラからの映像を取り外し可能な記録媒体に記憶しておき、第1の回線の接続を検出すると、記録媒体に記憶された映像をレコーダ及び管理所の制御管理サーバに送信するようにしており、カメラ制御装置と中継装置との間の第1の回線が切断した場合でも、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができるものである。
【0023】
また、本監視システムは、カメラ制御装置が、停電を検知すると、節電モードで特定地点を巡回的に撮影するようカメラを制御し、カメラからの映像を記録媒体に記憶しておき、停電からの復旧を検知すると、記録媒体に記憶された映像をレコーダ及び管理所の制御管理サーバに送信するようにしており、停電が発生した場合に、できるだけ長期間撮影できるようにし、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができるものである。
【0024】
[本監視システムの概略構成:
図1]
本監視システムの概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は、本監視システムの概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、本監視システムは、監視対象がある現場側システム100と、監視対象の映像を受信して表示する管理所側システム300と、現場側システム100と管理所側システム300とを接続する自営回線200とを備えている。
また、管理所側システム300は、イントラ回線400を介して上位監視機関や本社等に接続され、更に、公共回線500を介して、携帯端末501と接続可能な構成となっている。
尚、自営回線200は、請求項における第2の回線に相当している。
【0025】
本監視システムの例として、複数のダムを監視する監視システムについて説明する。
現場側システム100は、本監視システムが監視するダムがある現場に相当し、監視対象となるダムの映像を撮影する監視カメラのほか、記録や通信を行う複数の機器が設けられている。
管理所側システム300は、ダムの監視映像を受信して表示し、蓄積する複数の機器が設けられている。管理者職員は、管理所側システム300を利用してダムの監視を行う。
現場側システム100及び管理所側システム300の機器構成については後述する。
【0026】
[現場側システム100の機器構成:
図2]
まず、現場側システム100の機器構成について
図2を用いて説明する。
図2は、本監視システムの現場側システム100における機器構成を示す図である。
図2に示すように、現場側システム100には、伝送回線10と、監視カメラ11と、カメラ制御装置12と、現場側中継装置13と、回線接続装置14と、レコーダ15と、拡声スピーカ16と、照明装置17と、地震計18と、無線中継局19と、タブレット端末20と、無人飛行機21とが設けられている。
【0027】
現場側システムの各機器について説明する。
伝送回線10は、カメラ制御装置12と現場側中継装置13とを接続する回線であり、請求項における第1の回線に相当する。
監視カメラ(「カメラ」とする)11は、監視対象となるダム(監視領域)の近傍に設置され、カメラ制御装置12の指示に従ってダムの映像を撮影し、映像をカメラ制御装置12に送信する。
本システムのカメラ11は、夜間でも撮影可能な高感度カメラである。また、撮像部が水平方向及び垂直方向に旋回可能な構成となっており、撮像部の向きやピントを調節しながら予め設定された複数の地点の撮影を巡回的に行う。
【0028】
カメラ制御装置12は、カメラ11と、後述する拡声スピーカ16及び照明装置17に接続し、カメラ11等の機器制御を行う制御部と、カメラ11から受信した映像データの圧縮処理を行うエンコーダとを備えている。
カメラ制御装置12のエンコーダでは、適応型縮小処理を行って、周波数成分を残した状態で画像を圧縮する。これにより、画像の拡大(伸張)時に、画面サイズに合わせて拡大し、超解像処理によって高精細な画像を復元可能としている。
【0029】
また、カメラ制御装置12は、伝送回線10に接続する送受信部を備え、現場側中継装置13を介してレコーダ15及び管理所側システム300へ映像データを送信し、管理所側システム300からの音声データを拡声スピーカ16に出力する。
【0030】
また、本監視システムの特徴として、カメラ制御装置12は、取り外し可能なSDメモリ等の記録媒体121を備えており、異常発生時には、記録媒体121に圧縮された映像データを記憶する。
更に、カメラ制御装置12は、異常発生時には、カメラ11、照明装置17を制御して異常に対応した動作を行わせる。
【0031】
また、図示は省略するが、本監視システムでは、停電時に、カメラ11、カメラ制御装置12、拡声スピーカ、照明装置17に電力を供給する無停電電源装置(予備電源、バックアップ電源)が設けられている。
無停電電源装置は、電力線の切断を検出すると、カメラ制御装置12、カメラ11、照明装置17、カメラ制御装置12に対して電力の供給を開始する。カメラ制御装置12は、無停電電源装置からの電力供給を検出すると停電信号として認識し、停電時の動作を開始する。停電時の動作については後述する。
【0032】
現場側中継装置13は、自営回線200に接続する回線接続装置14及び各監視領域に対応した複数のカメラ制御装置12が接続されたネットワークハブである。現場側中継装置13には、レコーダ15や地震計18も接続されている。
回線制御装置14は、現場側中継装置13と自営回線200とを接続し、送受信に伴う信号処理を行う。
無線中継局19は、無線通信システムの基地局又は中継局であり、後述するタブレット端末20や無人飛行機21と無線通信を行う。
現場側中継装置13、回線制御装置14、無線中継局19を含む構成が、請求項に記載した中継装置に相当している。
【0033】
レコーダ15は、カメラ制御装置12から送信された映像データを記憶する記録装置である。
拡声スピーカ16は、管理所側システム300から送信された注意喚起のための音声データを増幅して、外部に出力する。通常は、ダムの放水の際に、周囲にそれを報知するものである。
照明装置17は、近赤外線LED照明等であり、夜間撮影時に点灯する。
拡声スピーカ16及び照明装置17は、カメラ制御装置12からの制御に従って動作する。
【0034】
地震計18は、監視領域の近傍に設置され、地震を検出する。地震計18からの信号は、対応するカメラ制御装置12に出力されると共に、管理所側システム300に送信される。
図示は省略するが、地震計18は複数設けられており、例えば、各ダムの上部と下部とに設けられている。
【0035】
タブレット端末20は、例えば保守員が保持し、無線中継局19を介してレコーダ15に記憶された映像データを受信して表示し、内部に記憶する。つまり、タブレット端末20は現場に常時配置されているものではない。
【0036】
無人飛行機21は、自律飛行可能な無人機であり、無線中継局19を介してレコーダ15に記憶された映像データを受信して記憶し、予めプログラムされた目的地に向けて飛行する。
【0037】
[管理所側システム300の機器構成:
図3]
次に、管理所側システム300の機器構成について
図3を用いて説明する。
図3は、本監視システムの管理所側システム300における機器構成を示す図である。
図3に示すように、管理所側システム300には、回線接続装置31と、管理所側中継装置32と、震度表示部33と、操作制御PC34と、大型モニタ35と、表示部36と、入力部37と、拡声用マイク38と、制御管理サーバ39と、ネットワークプリンタ40と、情報共有サーバ41とが設けられている。
【0038】
管理所側システム300の各機器について説明する。
回線接続装置31は、管理所側中継装置32と自営回線200とを接続し、送受信に伴う信号処理を行う。
管理所側中継装置32は、管理所側のネットワークハブであり、震度表示部33、操作制御PC34、管理制御サーバ39、ネットワークプリンタ40、情報共有サーバ41に接続されている。
震度表示部33は、現場側システムの地震計18から出力されたデータに基づいて震度を表示する。
【0039】
操作制御PC34は、管理職員等が操作するパーソナルコンピュータであり、表示部36や、キーボードやマウス等の入力部37を備え、報告書の作成を行う。操作制御PC34は、請求項に記載した操作制御装置に相当する。
本システムの操作制御PC34は、縮小された映像データを拡大するデコーダを備え、画面サイズに合わせて画像サイズを適応補間により拡大し(適応型拡大処理)、超解像処理により画質を向上させることができるものである。
大型モニタ35は、大型のディスプレイ装置であり、操作制御PC34に接続され、監視対象の映像を表示する。
拡声用マイク38は、操作制御PC34に接続され、音声を入力し電気信号に変換する。
【0040】
制御管理サーバ39は、操作制御PC34と同様のデコーダを備え、超解像処理を施された高精細な映像を蓄積し、操作制御PC34や情報共有サーバからの要求に応じて映像を出力するサーバである。制御管理サーバ39は、請求項に記載した制御管理装置に相当する。
ネットワークプリンタ40は、操作制御PC34で作成された報告書を印刷する。
【0041】
情報共有サーバ41は、制御管理サーバ39に蓄積された映像や電子報告書を、イントラ回線400を介して、上位監視機関や本社等に閲覧可能とする。また、公衆回線500を介して、携帯端末501にも閲覧可能とする。
また、情報共有サーバ41は、報告書や蓄積された画像を上位監視機関や本社等のコンピュータ、若しくは携帯端末501に送信するようにしてもよい。
【0042】
[本監視システムの平常時の動作概略:
図1〜
図3]
次に、本監視システムの平常時の動作について
図1〜
図3を用いて簡単に説明する。
現場側システムのカメラ制御装置12は、通常は、予め設定されたスケジュールに従って、定期的に(例えば1日に3回〜5回程度)カメラ11に指示を出力して、複数の監視地点を巡回撮影させ、カメラ11からの映像を受信する。
【0043】
カメラ制御装置12は、映像データを圧縮してレコーダ15に送信して記憶させると共に、自営回線200を介して管理所側システム300の制御管理サーバ39及び操作制御PC34に送信する。
制御管理サーバ39は、受信した圧縮映像データを高精細画像に変換して記憶する。また、操作制御PC34は、映像データを高精細に拡大して、大型モニタ35,表示部36に表示する。これらの映像に基づいて、管理職員が目視により監視を行い、現場の状況を総合的に判断する。
【0044】
尚、カメラ11は、スケジュールに従った巡回撮影のほか、ライブ映像の撮影を行う。
ライブ映像撮影時には、カメラ11は、管理所側システム300から要求された特定地点のライブ映像を撮影してカメラ制御装置12に送信する。
自営回線200の伝送容量が小さい場合、カメラ制御装置12は、ライブ映像は通常画質で圧縮して管理所側システム300に送信し、管理所側システム300の操作制御PCで拡大して通常画質の画像を表示する。
ライブ映像は標準画質で表示させ、定期的に記録される画像は高解像度の画像とすることで、伝送量やカメラ制御装置12及び操作制御PC34の処理を低減することができる。
平常時には、このようにして映像の取得や蓄積、監視が行われる。
【0045】
[地震発生時の動作:
図1〜
図3]
次に、地震発生時の動作について
図1〜
図3を用いて説明する。
現場側システムのカメラ制御装置12は、地震計18からの信号により地震発生を検出すると、カメラ11に臨時点検撮影を行わせる。
具体的には、カメラ制御装置12は、地震発生を検知すると、予め記憶されている地震発生時の臨時点検撮影のプログラムに従って、カメラ11に対して、例えば、地震発生から3分経過後、30分経過後、1時間経過後、2時間経過後、...というように、通常のスケジュールよりも頻繁にカメラ11に撮影を行わせる。
また、最初の撮影を地震発生から3分後としているのは、地震発生時の揺れがある程度落ち着いて、撮影可能な状態となることを想定しているためである。
【0046】
カメラ11は、指示に従って、予め設定された複数の地点を巡回的に撮影し、撮影したダムの映像をカメラ制御装置12に出力する。
そして、カメラ制御装置12は、映像に超解像対応の圧縮処理を施して、伝送回線10及び自営回線200が切断されていない場合には、レコーダ15及び管理所側システム300に映像データを送信する。
【0047】
また、地震計18からの情報は、現場側中継装置13を介して管理所側システム300に送信され、管理所側システム300の制御管理サーバ39に記憶されると共に、震度表示部33や操作制御PC34、大型モニタ35に出力される。
その際、操作制御PCは、制御管理サーバ39から地震発生前の映像(又は地震発生後に撮影された複数地点に対応する映像)を読み出して、地震発生前後の画像を並べて表示してもよい。
【0048】
管理所側システム300では、職員が、震度の情報や映像に基づいて危険な状況であると判断すると、ダムの近くに人がいることを想定して、拡声用マイク38を用いて避難を呼びかける。
拡声用マイク38で入力された音声のデータは、自営回線200、伝送回線10を介して現場側システム100のカメラ制御装置12に受信され、拡声スピーカ16から音声として出力される。
【0049】
このようにして地震発生時の動作が行われ、時間経過に応じて頻繁に映像を撮影して、地震による影響を見逃さないようにすると共に、解析に役立てることができるものである。
特に、管理所側システム300において、大型モニタ35や表示部36で、管理制御サーバ39に蓄積されている地震発生前の映像と、地震発生後に受信した映像とを並べて表示することにより、地震による変化をわかりやすく表示でき、異常の早期発見に役立つものである。
【0050】
[伝送回線10が切断された場合の動作:
図1,2]
次に、地震や大雨等により、伝送回線10が切断された場合の動作について
図1,
図2を用いて説明する。
カメラ制御装置12は、通信部において伝送回線10が切断されたことを検出すると、上述した地震発生の場合と同様に、カメラ11に対して臨時点検撮影の動作に切り替える指示を出力して、通常よりも頻繁に、ダムの複数地点を巡回的に撮影させる。
【0051】
そして、本監視システムの特徴として、カメラ制御装置12は、カメラ11から送信された映像に超解像に対応した圧縮処理を施して、記録媒体121に記憶する。
その後、保守員等による作業が為され、カメラ制御装置12が、通信部において伝送回線10の接続を検知すると、記録媒体121に記憶しておいた映像データを読み出して、レコーダ15及び管理所側システム300に送信する。
【0052】
これにより、伝送回線10が切断されて、レコーダ15や管理所側システム300での記録ができない場合でも、異常発生直後のダムの映像を時系列に記憶しておくことができ、復旧後に確実にレコーダ15や管理所側システム300に送ることができるものである。
【0053】
また、保守員等がカメラ制御装置12から記録媒体121を取り外して、その場でパーソナルコンピュータにより映像を確認してもよいし、記録媒体121を無人飛行機21に取り付けて、監視所300まで届けさせてもよい。
【0054】
尚、ここでは、映像データを媒体ごと回収できるように記録媒体121を取り外し可能なメモリとしているが、内蔵のメモリであってもよい。この場合、カメラ制御装置12は、伝送回線10の接続後に、内蔵メモリから映像データを読み出して、レコーダ15及び管理所側システム300に送信する。
【0055】
尚、伝送回線10の切断は、現場側中継装置13でも検出され、現場中継装置13が伝送回線切断の情報を管理所側システム300に送信する。管理所側システム300において、職員等が伝送回線10の切断を認識すると、例えば、保守員を監視現場に派遣して、回線の復旧を図る。
【0056】
[停電の場合の動作:
図1,2]
次に、停電が発生した場合の本監視システムの動作について
図1,
図2を用いて説明する。
停電時には、無停電電源装置からの電力供給を受けて動作するが、有限なバックアップ電源をできるだけ長持ちさせるように、最小限の動作を行うようにする。
カメラ制御装置12は、無停電電源装置(図示せず)からの電力供給を受けると、停電信号として認識し、カメラ11に対して停電時の動作(節電モードでの動作)を行うように指示する。
【0057】
具体的には、カメラ制御装置12は、予め記憶している重要監視地点をカメラ11に通知し、当該重要監視地点について巡回撮影を行うよう指示を出力する。重要監視地点は、通常の点検撮影の撮影地点よりも少なく設定しており、ダムの状態を把握するために必要最小限の撮影地点とする。
ここで、重要監視地点の設定は、無停電電源装置に蓄積されている電力量や停電規模に応じて適宜変更可能とする。
【0058】
本監視システムの特徴として、カメラ制御装置12は、停電時には、節電モードでの動作として、カメラ11の旋回速度を低速にしたり、夜間で照明装置17を起動する場合には、光量を抑えるように動作させる。また、撮影回数を平常時より少なくしてもよい。これにより、消費電力を抑えて、できるだけ長期間電源を持続させられるようにしている。
このようにして停電時の動作が行われるものである。
【0059】
[伝送回線切断時の処理:
図4]
ここで、伝送回線切断時のカメラ制御装置12の処理について
図4を用いて説明する。
図4は、伝送回線切断時のカメラ制御装置12の処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、カメラ制御装置12は、伝送回線10が切断したかどうかを監視し(100)、回線切断を検知した場合(Yesの場合)には、カメラ11に臨時点検用の巡回撮影を指示する。例えば、カメラ制御装置は、回線切断検知後の3分後、30分後、1時間後、2時間後に巡回撮影を行うよう、カメラ11に指示を出力する(102)。
【0060】
カメラ制御装置12は、カメラ11から映像を受信すると(104)、受信した映像を超圧縮・超解像対応で圧縮し、記録媒体121に記憶する(106)。
そして、カメラ制御装置12は、伝送回線10が接続したかどうかを監視し(108)、回線接続を検知しなかった場合(Noの場合)には、処理104に戻って映像の受信及び記録を続ける。
【0061】
また、処理108で回線接続を検知した場合(Yesの場合)には、カメラ制御装置12は、記録媒体121に記憶された映像をレコーダ15と管理所側システム300に送信し(110)、処理100に移行して伝送回線10のチェックを継続する。
このようにして伝送回線10が切断した際のカメラ制御部12の処理が行われる。
【0062】
[停電時の処理:
図5]
次に、停電発生時のカメラ制御装置12の処理について
図5を用いて説明する。
図5は、停電発生時のカメラ制御装置12の処理を示すフローチャートである。
停電発生時の処理は、上述した伝送回線切断時と同様の処理が多いため、簡単に説明する。
図5に示すように、カメラ制御装置12は、停電が発生したかどうかを監視し(200)、停電発生を検知した場合(Yesの場合)には、カメラ11に、重要地点について節電モードでの臨時点検用の巡回撮影を行うよう指示する(202)。
節電モードでの撮影は、通常より少数の重要地点を、例えば旋回速度を低速にして巡回撮影するものである。
【0063】
そして、カメラ制御装置12は、照明装置17に光量を低減するよう指示し(204)、処理206に移行する。処理206,208は、
図4の処理104,106と同じである。
そして、カメラ制御装置12は、停電から復旧したかどうかを判断し(210)、電力線からの正常な電力供給を検出すると(Yesの場合)、停電から復旧したと判断して、処理212に移行する。処理212は、
図4の処理110と同等である。
このようにして停電発生時の処理が行われる。
【0064】
[自営回線200が切断した場合の動作:
図1〜
図3]
次に、自営回線200(第2の回線)が切断した場合の動作について
図1〜
図3を用いて説明する。
自営回線200が切断した場合、本システムの現場側システム100では、現場側システム100の回線接続装置14が切断を検出する。
そして、回線接続装置14は、自営回線切断検出後、無人飛行機21を用いて、レコーダ15に蓄積された映像を管理所側システム300まで運ぶよう制御を行う。
【0065】
具体的には、回線制御装置14は、レコーダ15に、特定時間が経過したら、回線切断検出後に蓄積された映像データを無線中継局19に出力するよう指示し、無線中継局19に、無人飛行機21宛に当該映像データを無線送信するよう指示を出力する。
【0066】
また、回線制御装置14は、無人飛行機21に、映像データを受信して内部のメモリに記憶し、送信された全ての映像データを受信完了後、予め記憶されているプログラムに従って目的地(管理所側システム300)への飛行を開始するよう指示する。
【0067】
つまり、自営回線200が切断した場合には、無人飛行機21が回線切断後にレコーダ15に記録された映像データを取得して、管理所側システム300まで自律飛行し、管理所側システム300に映像データを届けることができるものである。
これにより、自営回線200が切断した場合でも、回線切断後に記録された映像を管理所側システム300で確実に取得することができるものである。
【0068】
尚、自営回線200が切断された場合には、管理所側システム300の回線接続装置31においても切断を検出し、その情報が操作制御PC34に入力され、大型モニタ35や表示部36に表示される。また、制御管理サーバ39では切断発生の日時と共に記憶される。
そして、必要に応じて、情報共有サーバ41を介して上位監視機関や本社等に切断の情報が送信され、情報の共有が図られる。
【0069】
上述した例では、無人飛行機21は、現場側に配置されているものとして説明したが、管理所側に配置しておき、管理所側システム300で自営回線200の切断を検出した場合に、管理所から無人飛行機21を現場に飛行させて、映像データを取得して管理所に戻るようプログラムしてもよい。
【0070】
[報告書作成支援:
図6]
次に、本監視システムにおける報告書作成支援について
図6を用いて説明する。
図6は、報告書作成支援の画面例を示す説明図である。
ダムの管理所では、地震発生時などには、報告書を作成して、官公庁や上位監視機関、本社などに提出する必要がある。
【0071】
管理所側システム300の操作制御PC34には、予め報告書のフォーマット及びその補助となる映像比較用の補助紙のフォーマットが記憶されており、入力部37から入力されるユーザの指示に従って必要事項を入力して電子報告書を作成し、制御管理サーバ39(又はレコーダ15)から必要な画像を取り込んで、補助紙を作成する。電子報告書及び補助紙は、請求項に記載した報告書に相当する。
作成された電子報告書及び補助紙のデータは、ネットワークプリンタ40で印刷可能である。
【0072】
図6では、地震発生の報告書に添付する補助紙の作成画面を示しており、複数地点について、地震発生前の映像と、地震発生直後の映像とを並べて配置している。
これは、例えば、操作制御PC34で報告書作成の指示が入力され、ダム名、地震発生日時、地点が入力されると、その情報を付して制御管理サーバ39に映像を要求し、制御管理サーバ39が、要求に基づいて、蓄積している映像の中から地震発生日時の前後に対応する当該地点の映像を読み出して、操作制御PC34に出力し、操作制御PCが補助紙のデータの所定位置に映像を取り込んで補助紙の電子データを作成することで実現される。
【0073】
図6の例では、堤体カメラと、しゃ水壁カメラと、放水路カメラの映像について、地震発生前後の映像を並べてレイアウトしている。また、画像の横には、手書き等で状況を記入する欄も設けており、印刷後に書き込みできるものである。
これにより、地震発生前後の各地点の様子が比較し易くなり、損壊等の異常があった場合にもわかりやすく、状況を認識し易くなり、迅速な対応を可能とすることができるものである。
【0074】
電子報告書や補助紙のデータは、必要に応じて、情報共有サーバ41からイントラ回線400を介して上位監視機関や本社等に送信され、同様に公共回線500を介して、管理者や担当者の携帯端末501に送信され、情報が共有される。
【0075】
また、伝送回線10の切断や停電が発生した場合についても、トラブル発生後の映像を記録媒体121やレコーダ15から読み出して管理所側システム300に送信したり、映像を転送された無人飛行機21を使って運び、制御管理サーバ39に記録することが可能であるため、地震発生時と同様に、トラブル発生の前後の映像を読み出して報告書及び補助紙を作成することができるものである。
【0076】
[複合的な事象が発生した場合]
上述した例では、地震、第1の回線切断、停電、第2の回線切断の事象が発生した場合についてそれぞれ独立して説明したが、本監視システムでは、複数の事象が複合的に発生した場合には、各事象に対応する処理を組み合わせて行うものである。
また、ダムを監視するシステムを例としたが、監視対象はダムに限るものではない。
【0077】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る監視システムによれば、現場側システム100と管理所側システム300が自営回線200で接続されており、現場側システム100のカメラ制御装置12が、カメラ制御装置12と現場側中継装置13との間の伝送回線10が切断されたことを検知すると、特定地点を巡回的に撮影するようカメラ11を制御して点検撮影を行い、カメラ11からの映像を取り外し可能な記録媒体121に記憶しておき、伝送回線10の接続を検出すると、記録媒体121に記憶された映像をレコーダ15及び管理所側システム300の制御管理サーバ39に送信するものであり、カメラ制御装置12と中継装置13との間の伝送回線10が切断した場合でも、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができる効果がある。
【0078】
また、本実施の形態に係る監視システムによれば、現場側システム100のカメラ制御装置12が、停電を検知すると、旋回速度を低減して特定地点を巡回的に撮影するようカメラ11を制御し、照明装置17の明るさを低減し、カメラ11からの映像を記録媒体121に記憶しておき、停電からの復旧を検知すると、記録媒体121に記憶された映像をレコーダ15及び管理所側システム300の制御管理サーバ39に送信するようにしており、停電が発生した場合に、消費電力を抑えて、できるだけ長期間に亘って撮影できるようにし、撮影した映像を確実に記録して取得することができ、事象の解析に役立てることができるものである。
【0079】
更に、本実施の形態に係る監視システムによれば、地震や伝送回線10の切断及び停電等のトラブル発生の後で報告書を作成する際に、操作制御PC34が、制御管理サーバ39に蓄積されている映像の中から、トラブル発生前の映像とトラブル発生後の映像とを読み出して、比較し易いように並べて表示し、その内容を報告書の形式で出力するようにしており、報告書の作成を支援でき、利便性を向上させることができるものである。