(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、
図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の緩み検出具10を説明する図である。
図1(a)は、ボルト50に緩み検出具10が装着された状態での上面図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示す矢印A1−A2での断面を示す断面図である。
図2は、第1実施形態の緩み検出具10の各部を説明する図である。
図2(a)は、緩み検出具10の第2部材200の上面図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示す矢印B1−B2での断面を示す断面図である。
図2(c)は、緩み検出具の第1部材100の上面図であり、
図2(d)は、
図2(c)に示す矢印C1−C2での断面を示す断面図である。
【0014】
理解を容易にするために、
図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、緩み検出具10の厚み方向をZ方向とし、これに直交する2方向をX方向、Y方向としている。
図1(a)において、図中左右方向がX方向であり、図中の右側に向かう方向を+X方向とし、図中上下方向がY方向であり、図中の上側に向かう方向を+Y方向であるとする。また、
図1(b)において、厚み方向において第1部材100側から第2部材200側へ向かう方向を+Z方向とする。
【0015】
ボルト50は、被締結体である被締結部材71,72を締結する締結体であり、被締結部材71,72に対して回転可能である。
本実施形態の緩み検出具10は、一例として、被締結部材71,72を締結するボルト50に取り付けられ、被締結部材71,72とボルト50との相対的な位置ずれ、即ち、ボルト50の締結の緩みを検出するものである例を挙げて説明する。この緩み検出具10は、例えば、橋脚や鉄塔等の建造物、鉄道のレール等において、各部材の締結に用いられるボルト50に適用される。
緩み検出具10は、その厚み方向(Z方向)において、下側(−Z側)から順に、第1部材100、第2部材200を有している。
【0016】
本実施形態のボルト50は、略円柱形状であって外周面に雄ねじが形成されている軸部52と、軸部52の一方の端部に設けられた略六角柱形状の頭部51とを有する六角ボルトである。このボルト50は、SUS等の金属製である。
ボルト50は、金属製の板状の被締結部材71に設けられた貫通孔711に挿入され、金属製の板状の被締結部材72に設けられたネジ穴721と螺合する。ボルト50は、回転中心軸Oを中心として、
図1(a)に示す矢印D1方向に回転することにより、被締結部材71,72の締結を開放し、矢印D2方向に回転することにより被締結部材71,72を締結する。
このボルト50は、
図1(b)に示すように、被締結部材71,72を締結した状態で、ボルト50の頭部51の底面51bで被締結部材71に着座している。
【0017】
緩み検出具10は、上述のように、ボルト50の締結の緩みの検出に使用される。この緩み検出具10は、第1部材100と第2部材200とを有している。緩み検出具10がボルト50に装着された状態では、
図1に示すように、緩み検出具10の厚み方向(Z方向)は、ボルトの回転中心軸O方向に平行である。
第1部材100は、厚み方向において−Z側に位置する板状の部材であり、円形状の開口部111を有する円形状の環状部110と、環状部110の外周側面から径方向に沿ってXY平面内の一方向に延びた略三角形状の検出用領域部120とを有する部材である。開口部111の径は、ボルト50の頭部51の外接円径よりも十分に大きい。
【0018】
本実施形態の第1部材100は、
図1(a)に示すように、厚み方向(Z方向)から見た外形が略雫状となっている。また、環状部110と検出用領域部120とは、
図2(d)等に示すように、等厚となっているが、検出用領域部120の厚さの方が薄い等、環状部110と検出用領域部120との厚さが異なっていてもよい。
第1部材100は、緩み検出具10の使用時には、被締結部材71に、その底面100bに形成された不図示の接合層を介して接合される。本実施形態では、第1部材100の被締結部材71側となる底面100bに、第1部材100を被締結部材71に接合する不図示の接合層が形成されており、緩み検出具10の供給時には、この接合層に剥離可能な剥離紙等の剥離部材が積層されている。この接合層は、耐候性を有する接着剤や粘着剤により形成されることが好ましい。
なお、これに限らず、第1部材100の底面100bに接合層や剥離部材を設けず、取り付け作業時に、底面100bに接着剤等を塗布して、緩み検出具10を被締結部材71に接合してもよい。
【0019】
第2部材200は、ボルト50の頭部51に着脱可能な部材であり、被締結部材71に対してボルト50と一体になって回転中心軸Oを中心として回転可能な部材である。
第2部材200は、ボルト50の頭部51に第2部材200を着脱可能に取り付ける取り付け部210と、取り付け部210の外周側面から径方向に沿ってXY平面内の一方向に延びた略三角形状の遮蔽部220とを有している。
本実施形態では、厚み方向(Z方向)から見た第2部材200の外形は、第1部材100と同様の略雫形状である。
【0020】
取り付け部210は、有底の円筒形状であり、第1部材側(−Z側)に開口端を有する穴部211を有しており、この穴部211に対してボルト50の頭部51は着脱可能に嵌合する。
本実施形態の取り付け部210の外径は、第1部材100の環状部110の外径に等しいが、これに限らず、第1部材100の環状部110の外径より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、取り付け部210は、ボルト50の頭部51に取り付けされた状態で、その被覆部213で頭部51を被覆している。
【0021】
穴部211は、厚み方向(Z方向)から見て円形状であり、頭部51に装着された状態では、その円の中心とボルト50の回転中心軸Oとが一致、又は、略一致する。
穴部211は、その内周面に、周方向に凹凸が繰り返される凹凸形状212を有している。この凹凸は、例えば、内歯歯車状としてもよいし、複数の切り欠きにより形成される形状としてもよい。
【0022】
凹凸形状212は、その凸部分の穴部211の中心側の端部が形成する円が、ボルト50の頭部51の外接円径よりもやや小さく、頭部51に第2部材200が取り付けされた状態で、凹凸形状212の凹凸と頭部51の六角形状の角部とが係止する。よって、この凹凸形状212により、頭部51に対する第2部材200の回転が規制され、ボルト50と第2部材200とは一体に回転可能となる。
なお、凹凸形状212の凹凸のピッチ角は、小さいほど好ましいが、小さすぎるとボルト50の頭部51への取り付けが困難となったり、凹凸形状の形成が困難となったりする。したがって、凹凸のピッチ角は、上記の点を鑑みながら適宜設定してよい。
【0023】
遮蔽部220は、穴部211の径方向に沿って、取り付け部210の外周側面からXY平面内の一方向に略三角形状に突出した部分である。
本実施形態では、第2部材200は、遮蔽部220の方が、取り付け部210よりも、厚さ(Z方向の寸法)が小さい形状となっているが、同じ厚さとしてもよい。
また、本実施形態の遮蔽部220は、第2部材200の厚み方向(Z方向)において、穴部211の開口端側(−Z側)に位置し、その底面200bが平面状で有る例を挙げて説明しているが、これに限らず、例えば、被覆部213側(+Z側)に位置し、上面200aが平面状である形態としてもよいし、遮蔽部220の第2部材200の厚み方向における位置は、適宜選択して設けてよい。
この遮蔽部220は、
図1(a)等に示すように、厚み方向(Z方向)から見て、前述の第1部材100の検出用領域部120と同形状であって、検出用領域部120を遮蔽可能である。
【0024】
緩み検出具10の第1部材100及び第2部材200は、樹脂や金属等から、対候性や耐久性、強度、精密成型製等の観点から、適当な材料を選択して形成される。第1部材100及び第2部材200を形成する材料として、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等が挙げられるが、これに限らず、汎用樹脂や、エンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂、ゴム等から適宜選択してよい。なお、第1部材100と第2部材200とは、材料が異なっていてもよい。
また、第1部材100と第2部材200とは、同じ色でもよいし、両者を判別しやすくするために、その色(特に、上面100a,200aの色)を異ならせてもよい。
【0025】
本実施形態の緩み検出具10は、供給時には、第1部材100と第2部材200とが、厚み方向(Z方向)に積層され、緩み検出具10の側面部の一部に、適宜、仮止め部材を設けて第1部材100及び第2部材200を一体として仮止めされた状態となっている。
緩み検出具10は、仮止めされた状態において、厚み方向から見て、
図1(a)等に示すように、その外形が略雫形状であり、第1部材100が第2部材200に被覆され、視認不可能である。また、このとき、厚み方向(Z方向)から見て、穴部211の円の中心と、開口部111の円の中心とは一致しており、遮蔽部220の先端部221と検出用領域部120の先端部121とが一致している。
【0026】
仮止め部材は、不用意な力で第2部材200と第1部材100とが分離しない程度の接合力を有する接着剤層等が片面に設けられた紙製等の仮止め用テープ等を用いることが好ましい。なお、この仮止め部材は、経時劣化により緩み検出具10から剥離して脱落する形態としてもよいし、第2部材200がボルト50と一体となって回転する際に破断するようにミシン目や切れ込み等が設けられていてもよい。また、ボルト50の頭部51に緩み検出具10を装着後に、仮止め部材を剥離してもよい。
【0027】
本実施形態の緩み検出具10、緩み検出装置1及びこれらの使用方法、緩み検出システム、緩み検出方法について、以下に説明する。
図3は、第1実施形態の緩み検出具10について、ボルト50に緩みが生じていない状態(初期状態)と、緩みが生じた状態とを示す図である。
図3(a)は、ボルト50に緩みが生じていない状態での緩み検出具10を示し、
図3(b)では、ボルト50が締結を開放する方向(矢印D1方向)へ許容量(規定量)以上回転した状態での緩み検出具10を示している。
図3(a),(b)はいずいれも、ボルト50の回転中心軸O方向(Z方向)から見た様子を示している。
図4は、第1実施形態の緩み検出装置1を説明するブロック図である。
図5は、第1実施形態の緩み検出システムにおける緩み検出方法(手順)のフローチャートを示す図である。
図4に示すように、本実施形態の緩み検出装置及び緩み検出システムは、緩み検出具10、撮像部81、CPU(Central Processing Unit)82、管理サーバ83、入力部84、表示部85等を備えている。
【0028】
撮像部81は、ボルト50に装着された緩み検出具10を撮像可能なカメラであり、CPU82と有線又は無線で通信可能であり、撮像した画像データの送信やCPU82からのコマンドの受信等が可能である。撮像部81は、小型のデジタルカメラが好適であり、例えば、CCDカメラや、スマートフォンのカメラ等を用いることができる。
この撮像部81は、不図示のメモリを内部に備え、撮像した緩み検出具10の画像データやCPU82との通信で得た各種情報をそのメモリに記録可能及び読み出し可能としてもよい。また、撮像部81は、情報を入力可能な撮像部側入力部や、撮影対象となる緩み検出具10を照明する照明部等を備えていてもよい。
【0029】
撮像部81は、ボルト50が締結する被締結部材71,72が使用されている場所や環境等に応じて、車両や飛行体等に取り付けることも可能である。飛行体としては、ドローンやラジオコントロールヘリコプタ等の無人の小型の不図示の飛行体が好適である。
なお、この飛行体は、飛行体と有線又は無線通信可能な不図示の飛行装置により操縦可能としてもよいし、後述するCPU82と飛行体とが無線通信可能であり、CPU82の指示により操縦可能としてもよい。
【0030】
CPU82は、撮像部81と有線又は無線で接続された中央演算処理装置(Central Processing Unit)である。このCPU82は、入力部84からの入力やCPU82内の不図示のメモリに記録されたプログラムに基づいて、撮像部81への指示を出して緩み検出具10の撮像を行わせる等、撮像部81の動作を制御したり、撮像部81が撮像した画像データの処理を行ったり、ボルト50の許容量(規定量)を超える緩みの有無を判定したりする制御部である。不図示のメモリには、各種処理を実行するためのプログラム等が予め記録されている。
【0031】
管理サーバ83は、CPU82の指示によって各種データを記録及び管理する記録装置である。
表示部85は、CPU82の処理結果や、撮像部81の撮像した画像データ等を表示可能なディスプレイである。
本実施形態の緩み検出装置1は、これらに加えて、警告音や音声案内等を発する音声部等を備えていてもよい。
【0032】
まず、作業者は、ボルト50を用意し、被締結部材71の貫通孔711及び被締結部材72のネジ穴721に挿入し、レンチ等の不図示の工具で締結方向(
図1(a)に示す矢印D2方向)へ回転させ、適正なトルクで締め付け、締結する。
次に、作業者は、第1部材100と第2部材200とが積層され、遮蔽部220の先端部221と検出用領域部120の先端部121との位置を合わせた状態で仮止めされた緩み検出具10を用意する。作業者は、第1部材100の底面100bに設けられた不図示の剥離部材を剥離し、第1部材100の開口部111及び第2部材200の穴部211の位置を、ボルト50の頭部51に合わせ、開口部111及び穴部211に頭部51を挿入し、穴部211に頭部51を嵌合させる。また、このとき、作業者は、第1部材100の底面100bに形成された不図示の接合層を介して、緩み検出具10を被締結部材71に接合する。
【0033】
適正に締結されたボルト50に緩み検出具10が取り付けられた状態を、初期状態とする。この初期状態では、
図3(a)に示すように、回転中心軸O方向(Z方向)から見て、遮蔽部220の先端部221が検出用領域部120の先端部121と一致しており、第1部材100が第2部材200に遮蔽されている。
図3(b)に示すように、ボルト50が開放方向(矢印D1方向)に回転すると、第2部材200もボルト50と一体となって回転する。そのため、遮蔽部220に遮蔽されていた検出用領域部120が第2部材200の回転量に応じて露出する。
【0034】
なお、仮止め部材によって緩み検出具10の第1部材100及び第2部材200が仮止めされていない場合や、仮止め部材が剥離や破断している場合には、作業者は、開口部111内にボルト50を挿入して被締結部材71に第1部材100を接合した後、回転中心軸O方向から見て、遮蔽部220の先端部221が検出用領域部120の先端部121と重なるように位置合わせして、穴部211にボルト50の頭部51を嵌合させて第2部材200を装着する。これにより、緩み検出具10は、初期状態となる。
【0035】
作業者は、締結作業時には、入力部84から、ボルト50や、被締結部材71,72、これらを備える橋脚等の建造物等の識別番号、締結作業を行った日時、作業者等の情報等を、入力部84から適宜CPU82に入力する。CPU82は、これらの情報を紐付けして、管理サーバ83に記憶する。
なお、これに限らず、ボルト50等に付された識別番号等の情報は、予め、管理サーバ83に記憶されており、作業者は、それらを呼び出して、入力部84から入力された締結作業を行った日時、作業者等の情報を入力し、CPU82がこれらを紐付けして、管理サーバ83に記憶する形態としてもよい。
【0036】
緩み検査時等には、
図5に示すように、まず、CPU82は、撮像部81へ、対象となるボルト50に装着された緩み検出具10を撮像する指示を出し、撮像部81は、緩み検出具10を撮像する(S11)。撮像は、回転中心軸Oに平行な方向から行うことが好ましいが、飛行体に撮像部81を設置して撮像する場合等、撮像部81の位置を安定させることが困難な場合等には、回転中心軸O方向に対して傾斜する方向から撮像してもよい。なお、可能であれば、作業者が撮像部81を直接操作して撮像してもよい。
【0037】
撮像部81が撮像した画像データは、CPU82へ送られる。このとき、CPU82は、受信した画像データに対して、適宜、画像の明るさや撮影方向の傾き、緩み検出具10の像の大きさ等を補正する画像処理を行う(S12)。
そして、CPU82は、不図示のメモリに予め記憶された、検出用領域部120の露出部分を抽出してその面積を算出するためのプログラムを呼び出し、画像データから、検出用領域部120の露出部分を抽出し、その面積を算出する(S13)。
【0038】
次に、CPU82は、予めCPU82の不図示のメモリ又は管理サーバ83に記憶されていた基準値(面積基準値)を呼び出し、算出した検出用領域部120の面積が基準値(面積基準値)以下か否かを判定する(S14)。この基準値は、ボルト50の緩みが許容量の上限である場合に露出する検出用領域部120の面積である。
算出した検出用領域部120の面積が基準値以下である場合、CPU82は、対象のボルト50が開放方向に回転していない又は開放方向への回転は許容量内であり、ボルト50の緩みがない又は緩みが許容量内である、即ち、許容量を超える緩みなしと判定する(S15)。
算出した検出用領域部120の面積が基準値より大きい場合、CPU82は、対象のボルト50が許容量を超えて開放方向に回転しており、ボルト50の緩みが許容量を超えている、即ち、許容量を超える緩みありと判定する(S16)。
【0039】
そして、CPU82は、緩みの判定結果を表示部85に表示し、ボルト50の緩みの検査作業を行った検査日時や該当するボルト50や建造物等の識別番号等と検出結果とを紐付けして、管理サーバ83に記憶する(S17)。このとき、検出結果等に加え、撮像部81が撮像した画像データも識別番号等と紐付けして管理サーバ83に記憶してもよい。また、作業者に、対象のボルト50を締めるように促す表示を表示部85に表示したり、音声案内等を行ったりしてもよい。
【0040】
ボルト50の許容量を超える緩みが検出された場合、作業者は、第2部材200をボルト50の頭部51から外して、ボルト50をレンチ等で再度締結方向(
図1に示す矢印D2方向)へ回転させ、適正なトルクに締め付けて、再締結させる。
そして、作業者は、遮蔽部220の先端部221が検出用領域部120の先端部121と一致するように位置合わせを行って、第2部材200を頭部51に装着してもよいし、古い第1部材100を被締結部材71から剥離し、新しい緩み検出具10をボルト50に装着してもよい。
【0041】
緩み検査時には、上述のような、CPU82は、撮像部81による緩み検出具10の撮像や画像データを用いた緩みの有無の判定を、各ボルト50について行う。
検査対象となるボルト50が複数ある場合には、CPU82は、ボルト50ごとに緩み検出具10の撮像及び許容量を超える緩みの有無の判定を行ってもよいし、複数の緩み検出具10の撮像を行った後に、各緩み検出具10について許容量を超える緩みの有無の判定を順次行ってもよい。
【0042】
なお、撮像された画像データから検出用領域部120が抽出されなかった場合には、緩み検出具10が初期状態である可能性もあるが、緩み検出具10が脱落している可能性もある。
緩み検出具10の脱落等によるボルト50の緩みの見落としを防止するために、検出用領域部120が画像データから抽出されなかった場合には、例えば、CPU82は、画像データから遮蔽部220を抽出し、遮蔽部220が抽出されれば脱落が生じていないと判断し、ボルト50に緩みが生じていない(許容量を超える緩みなし)と判定する。また、遮蔽部220が抽出されなければ、緩み検出具10が脱落していると判断し、締結の確認及び緩み検出具10の再設置が必要であると判定する。そして、判定結果を表示部85に表示し、判定結果と検査日時や該当するボルト50の識別番号等とを紐付けし、管理サーバ83に記憶する形態としてもよい。
なお、撮像された画像データから検出用領域部120が抽出されなかった場合のCPU82の処理は、上記に限定されるものではない。
【0043】
上述のように、本実施形態によれば、作業者は、容易に、かつ、安定してボルト50の締結の許容量を超える緩みを検出できる。しかも、撮像部81による撮像や撮像された画像データによる緩みの判定は、数秒程度であるので、従来の目視や、ハンマリングによる音や振動の差による緩みの検出や歪ゲージや超音波による検出に比べて、より短時間で、かつ、高い精度で緩みを検出することができる。
また、本実施形態によれば、CPU82により、検出結果や作業日時、作業者、ボルト50や被締結部材71,72等のデータ管理を行うことができるので、検査結果の記入忘れや改ざん等を防止できる。
【0044】
また、本実施形態によれば、撮像した画像データは、CPU82により、その傾きや明るさを補正可能であるので、曇天下等で明るさが不足する環境下で撮像された場合や、回転中心軸O方向に対して多少傾いた方向から撮影した場合にも、補正することが可能であり、安定した緩み検出が可能である。
また、作業者が目視できない箇所や容易に近づけない箇所(例えば、高所や、有毒な気体等が存在するプラント内部や原子力発電所内)等に関しても、作業者の安全を確保しながら、ボルトの緩みの有無を容易にかつ安定して行うことができる。
また、撮像部81は、車両や飛行体等に設置可能であるので、例えば、離れた位置から広範囲に設けられた検査対象となるボルト50を一度に撮像したり、一定間隔で長距離にわたって配置された検査対象となるボルト50を移動しながら連続して撮像したりすることが可能であり、検査作業の大幅な効率改善を図ることができる。
【0045】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の緩み検出システムにおける緩み検出方法(手順)のフローチャートを示す図である。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の緩み検出具10及び緩み検出装置1を用いている。また、第2実施形態の緩み検出システムでは、CPU82が、許容量(規定量)を超えるボルト50の緩みの有無を、検出用領域部120の露出した部分の面積と基準面積との面積比によって判定している点が前述の第1実施形態とは異なる。
したがって、本実施形態では、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。なお、後述する第3実施形態、第4実施形態においても、同様に、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0046】
図6に示す第2実施形態の緩み検出システムの緩み検出方法(手順)のフローチャートにおいて、S21〜S23、S28は、第1実施形態のS11〜13、S17と同様である。
第2実施形態では、検出用領域部120の露出部分の面積を算出した後に、CPU82は、予めCPU82の不図示のメモリや管理サーバ83等に記憶されていた基準面積(基準となる面積)を呼び出し、算出した検出用領域部120の露出部分の面積と基準面積(基準となる面積)との面積比を算出する(S24)。
この基準面積は、本実施形態では、検出用領域部120全体の面積である。なお、これに限らず、基準面積は、例えば、第1部材100の上面100aの面積や、遮蔽部220の面積、第2部材200の上面200aの面積等としてもよい。また、基準面積は、第2部材200の面積や遮蔽部220の面積を、画像データからCPU82が算出して用いてもよい。
【0047】
次に、CPU82は、予め管理サーバ83又はCPU82内の不図示のメモリ等に記憶された基準値(面積比基準値)を呼び出し、算出した面積比が基準値(面積比基準値)以下か否かを判定する(S25)。ここでの基準値は、ボルト50の緩みが許容量の上限での、検出用領域部120の露出部分の面積と基準面積との面積比である。
面積比が基準値以下である場合、CPU82は、ボルト50の緩みがない又は緩みが許容量内である(許容量を超える緩みなし)と判定する(S26)。また、面積比が基準値より大きい場合、CPU82は、ボルト50の緩みが許容量を超えている(許容量を超える緩みあり)と判定する(S27)。
以降のCPU82の処理(S28)は、第1実施形態のS17以降と同様である。また、以降の作業者の作業等も、第1実施形態と同様である。
このような形態としても、前述の第1実施形態と同様に、ボルト50の締結の許容量を超える緩みを安定して、確実に検出することができる。
【0048】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態の緩み検出具10−3及び緩み検出システムにおける緩み検出方法(手順)のフローチャートを示す図である。
図7(a)では、ボルト50及び第2部材200が開放方向(矢印D1方向)に許容量を超えて回転した状態での緩み検出具10−3の上面図を示している。また、
図7(b)は、第3実施形態の緩み検出システムのフローチャートを示している。
図7(a)に示すように、第3実施形態の緩み検出具10−3は、検出用領域部120に指標125が設けられ、遮蔽部220に指標225が設けられている点が、前述の第1実施形態の緩み検出具10とは異なる。
第3実施形態の緩み検出装置は、前述第1実施形態の緩み検出装置1と同様である。
第3実施形態の緩み検出システムでは、CPU82が、撮像された画像データから第1部材100と第2部材200とに設けられた指標125,225間の距離Lに基づいてボルト50の緩みを判定する点が、前述の第1実施形態とは異なる。
【0049】
第3実施形態の緩み検出具10−3は、検出用領域部120の先端部121の上面100a(+Z側の面)に指標125が設けられ、遮蔽部220の先端部221の上面200a(+Z側の面)に指標225が設けられている。
この指標125,225は、凹部又は凸部としてもよいし、他の部分とは色が異なる印等としてもよい。また、厚み方向(Z方向)から見た指標125,225の形状は、
図7(a)では、一例として三角形形状としたが、これに限らず、円形形状や四角形形状等としてもよいし、文字や記号等としてもよい。また、この指標125,225は、検出用領域部120、遮蔽部220の先端部121,221以外に設けてもよい。
【0050】
図7(b)に示す第3実施形態の緩み検出システムの緩み検出方法(手順)のフローチャートにおいて、S31〜S32、S37は、第1実施形態のS11〜12、S17と同様である。
第3実施形態では、画像処理を行った後、CPU82は、撮像部81が撮像した緩み検出具10の画像データから、指標125及び指標225を抽出し、2つの指標間の距離Lを算出する(S33)。距離Lは、
図7に示すように、回転中心軸Oを中心とする回転方向における距離としてもよいし、2つの指標間の直線距離としてもよい。
次に、CPU82は、予め管理サーバ83又はCPU82内の不図示のメモリ等に記憶された基準値(距離基準値)を呼び出し、算出した距離Lが基準値(距離基準値)以下か否かを判定する(S34)。ここでの基準値は、ボルト50の緩みが許容量の上限である場合の指標125,225間の距離である。
【0051】
指標125,225間の距離Lが基準値以下である場合、CPU82は、ボルト50の緩みがない又は緩みが許容量内である(許容量を超える緩みなし)と判定する(S35)。
また、指標125,225間の距離Lが基準値よりも大きい場合、CPU82は、ボルト50の緩みが許容量を超えている(許容量を超える緩みあり)と判定する(S36)。
以降のCPU82の処理(S37)は、第1実施形態のS17以降と同様であり、作業者の作業等も、第1実施形態と同様である。
【0052】
このような形態としても、第1実施形態と同様に、ボルト50の締結の許容量を超える緩みを安定して、確実に検出することができる。
なお、本実施形態では、指標125,225間の距離Lを用いて緩みの判定を行ったが、これに限らず、例えば、指標125,225間の回転中心軸Oを中心とする角度を用いて緩みを判定する形態としてもよい。
【0053】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態の緩み検出具10−4及び緩み検出システムにおける緩み検出方法(手順)のフローチャートを示す図である。
図8(a)では、ボルト50及び第2部材200が、開放方向(矢印D1方向)に許容量を超えて回転した状態での緩み検出具10−4の上面図を示している。また、
図8(b)は、第4実施形態の緩み検出システムのフローチャートを示している。
第4実施形態の緩み検出具10−4は、
図8(a)に示すように、ボルト50が許容量を超えて回転した場合に、第1部材100の検出用領域部120に設けられた警告表示126が露出する点が、前述の第1実施形態とは異なる。
第4実施形態の緩み検出装置は、前述の第1実施形態の緩み検出装置1と同様である。
第4実施形態の緩み検出システムでは、CPU82が、撮像部81が撮像した画像データから、警告表示126を抽出したか否かに基づいて、ボルト50の許容量を超える緩みの有無を判定する点が、前述の第1実施形態とは異なる。
【0054】
図8に示すように、第1部材100は、検出用領域部120に、ボルト50の緩みが許容量を超えたことを示す警告表示126を備えている。この警告表示126は、ボルト50が許容量を超えて開放方向へ回転した場合(即ち、ボルト50が許容量を超えて緩んだ場合)に、露出する位置に設けられている。
警告表示126は、第1部材100及び第2部材200とは異なる色で形成されていることが、画像データから警告表示126を抽出しやすくする観点から好ましい。また、警告表示126に、ボルト50の緩みが許容量を超えていることを示す文字やマーク等を設けてもよい。また、警告表示126は、例えば、検出用領域部120の他の部分よりも、厚みが大きい又は小さくてもよいし、凹凸形状等が設けられていてもよい。
【0055】
図8(b)に示す第4実施形態の緩み検出システムの緩み検出方法(手順)のフローチャートにおいて、S41〜S42、S46は、第1実施形態のS11〜S12、S17と同様である。
第4実施形態において、画像処理を行った後に、CPU82は、撮像部81が撮像した緩み検出具10−4の画像データから、第1部材100の検出用領域部120に設けられた警告表示126の抽出を試みる(S43)。
警告表示126が抽出されない場合、CPU82は、ボルト50の緩みがない又は緩みが許容量内である(許容量を超える緩みなし)と判定する(S44)。
また、警告表示126が抽出された場合、CPU82は、ボルト50の緩みが許容量を超えている(許容量を超える緩みあり)と判定する(S45)。
以降のCPU82の処理(S46)は、第1実施形態のS17以降と同様であり、作業者の作業等も、第1実施形態と同様である。
【0056】
このような形態としても、第1実施形態と同様に、許容量を超えたボルト50の締結の許容量を超える緩みを安定して、確実に検出することができる。
なお、本実施形態において、ボルト50の開放方向への回転量(緩み量)が許容量内であるが許容量の上限に近い場合に露出する注意表示を、警告表示126の締結方向側の隣接する領域に、さらに設けてもよい。この注意表示は、ボルト50の緩みが許容量内であるが大きいことを表示する。注意表示の色は、警告表示126や他の検出用領域部120、遮蔽部220とは異なることが、画像データから注意表示や警告表示126を抽出しやすくする観点から好ましい。そして、CPU82が、注意表示を抽出した際には、ボルト50の緩みが許容量内であると判定し、さらに、緩みが大きく注意が必要であることを表示部85に表示する等の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、作業者が目視可能な場所に検査対象のボルト50が位置している場合には、撮像部81による撮像を行わず、作業者が目視によって警告表示126の露出の有無を判定して検査結果を入力部84から入力し、CPU82が、ボルト50等の識別番号、検査日時や作業者等の情報と共に紐付けして管理サーバ83に記憶してもよい。
【0058】
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、厚み方向(Z方向)から見た検出用領域部120及び遮蔽部220の形状や取り付け部210の形状は、例えば、以下のような形態としてもよい。
図9及び
図10は、変形形態の緩み検出具を示す図である。
図9(a),(b)では、ボルトが許容量を超えて緩んだ状態での変形形態の緩み検出具の上面図を示し、
図9(c)、
図10では、初期状態での変形形態の緩み検出具の上面図を示している。
例えば、
図9(a)に示すように、検出用領域部120と遮蔽部220とは、突出方向の寸法が幅よりも大きい矩形形状(所謂、縦長の矩形形状)としてもよい。このような形態とする場合には、検出用領域部120と環状部110との接続部分の幅、遮蔽部220と取り付け部210との接続部分の幅が、前述の第1実施形態等よりも狭くなり、ボルト50の開放方向への回転量がより小さい量(角度)で、検出用領域部120の露出面積が飽和する。そのため、この変形形態の緩み検出具は、緩みの許容量(回転角度)が小さいボルト50に好適である。
【0059】
また、
図9(b)に示すように、検出用領域部120と遮蔽部220とは、突出方向の寸法が幅よりも小さい矩形形状(所謂、横長の矩形形状)である形態としてもよい。このような変形形態の緩み検出具は、ボルトの回転によって露出する検出用領域部120の面積の変化量が大きくなり、ボルト50の緩みの許容量が大きいものにも対応できる。また、このような変形形態の緩み検出具は、検出用領域部120の露出部分の面積が大きくなるので、例えば、前述の第4実施形態のように検出用領域部120に警告表示等が設けられている形態等にも好適である。
また、
図9(c)に示すように、検出用領域部120は、その面積が遮蔽部220の面積よりも大きく、初期状態において検出用領域部120の一部が露出する形態や、遮蔽部220が回転方向において非対称な形状としてもよい。
なお、上記の例に限らず、第1部材100が、厚み方向(Z方向)から見て非対称な形状(例えば、回転方向における開放方向側が大きく突出している形状)としてもよい。また、第1部材100及び第2部材200は、上述の各形状を適宜組み合わせた形状としてもよい。
【0060】
また、
図10(a),(b)に示すように、遮蔽部220の面積を検出用領域部120の面積よりも大きくしてもよい。このような形状とすることにより、第2部材200の遮蔽部220の位置が検出用領域部120に対して多少ずれた位置でボルトに装着されてしまった場合にも、第1部材100の検出用領域部120が遮蔽される。
したがって、例えば、緩みを検出し、ボルトに第2部材200を装着したまま増し締めした際に、第2部材200を当初の初期位置に正確に戻すことができない場合にも、十分に検出用領域を覆うことができる。
また、
図10(c)に示しように、第2部材200は、取り付け部210の穴部211が貫通孔であり、装着時に頭部51が露出する形態としてもよい。このような形態とすれば、例えば、ボルトの軸部52が突出している状態のナットに緩み検出具10,10−3,10−4を取り付ける場合等にも好適に使用できる。
【0061】
(2)各実施形態において、緩み検出具10,10−3,10−4、緩み検出装置1、緩み検出システムは、被締結部材71,72に対するボルト50の回転、即ち、ボルト50の緩みを検出する例を示したが、これに限らず、固定部材に対して直線方向に相対移動する可動部材の直線方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出具、位置ずれ検出装置、位置ずれ検出システムとしてもよい。
直線方向の位置ずれを検出するものとすれば、例えば、電車等の各種乗り物や、室内外の仕切り扉として用いられるスライドドアの開閉を検出する検出具、検出装置及び検出システムとして用いることができる。
【0062】
また、各実施形態において、緩み検出具10,10−3,10−4は、ボルト50に装着される例を示したが、これに限らず、不図示のナットに装着される形態としてもよい。
また、被締結部材71,72に対する締結体であるボルト50の緩み(回転方向の位置ずれ)を検出する例に限らず、各実施形態に示した緩み検出具、緩み検出装置、緩み検出システムを、一方の部材に他方の部材が回転可能であるもの(例えば、レバーを回転させて開閉する蛇口や、スクリュー式の蓋等)に対して、回転方向の位置ずれ(開栓の有無)を検出するものに適用してもよい。
【0063】
(3)各実施形態において、ボルト50は、その頭部51が略円柱形状であってもよい。このような形態であっても、第2部材200の穴部211の内周面の凹凸形状212によって、ボルト50と一体に回転可能に第2部材200を取り付けることができる。
また、各実施形態において、穴部211は、厚み方向(Z方向)から見て、ボルト50の頭部51の外接円を同じとする六角形形状としてもよい。
ボルト50の頭部51に第2部材200を着脱可能に取り付け、かつ、ボルト50と第2部材200とが一体となって回転するための抜け止め形状については、上述の例に限らず、適宜採用してよい。例えば、取り付け部210をゴム等の可撓性を有する材料により形成し、頭部51を穴部211に圧入し、摩擦により頭部51と第2部材200とを一体に保持してもよい。
【0064】
(4)各実施形態において、第1部材100は、環状部110を備えず、検出用領域部120のみを備える形態としてもよい。このような形態とすることにより、生産コストを低減でき、製造をより容易に行うことができる。
また、各実施形態において、第1部材100は、樹脂製や紙製のシート状の部材の片面に接合層が形成されたシール部材を用いてもよいし、被締結部材71にスタンプや塗装、印刷等で直接描画されて形成されてもよい。
【0065】
(5)各実施形態において、緩み検出具10,10−3,10−4を、第1部材100と第2部材200との位置を合わせた状態で供給するために、紙テープ等の仮止め部材を用いる例を示したが、これに限らず、例えば、第1部材100又は第2部材200のどちらか一方に、凸状の不図示の爪部を儲け、他方にその爪部に係合する不図示の凹部を設けて、それらの係合によって緩み検出具が初期状態を維持する形態としてもよい。なお、その係合の力は、ボルト50の回転によって容易に解除される程度のものとする。
また、各実施形態において、第1部材100と第2部材200とは、個々に供給され、個々に対象となる被締結部材71やボルト50に装着する形態としてもよい。
【0066】
(6)各実施形態において、ボルト50の頭部51に装着可能であり、頭部51に装着された状態で第2部材200の穴部211に嵌合可能な不図示のアダプタ部を備えていてもよい。
アダプタ部は、略円筒形状又は有底の円筒形状であって、開口部にボルト50の頭部51が嵌合する。開口部は、頭部51の外形に合わせて六角形や円形となっており、開口部に頭部51を圧入して装着可能である。また、アダプタ部は、外周側に、周方向に凹凸が繰り返される凹凸形状を有している。この凹凸形状は、第2部材200の穴部211の凹凸形状212と嵌合する。
このようなアダプタ部を備えることにより、穴部211の凹凸形状212の凹凸のピッチ角が小さくなっても、ボルト50への取り付けが可能である。
【0067】
(7)各実施形態において、緩み検出具10,10−3,10−4、緩み検出装置1、緩み検出システムは、例えば、船舶や飛行機のボルト及びナット、プラント等の配管の接続部分のボルト及びナットの締結の緩み検出に適用してもよい。
【0068】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、上述の各実施形態等によって限定されることはない。