(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部は、前記加熱部による加熱量を調整するための加熱量操作部と、前記加熱部による加熱時間を調整するための加熱時間操作部と、前記加熱部によって加熱される前記調理物の温度を調整するための加熱温度操作部と、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の加熱調理器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)
(加熱調理器2の構成)
図1、
図2を参照して、加熱調理器2について説明する。加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a、8b、8cと、それぞれの五徳8a、8b、8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a、8b、8cに支持された加熱対象物を加熱する3つのコンロバーナ10a、10b、10cと、それぞれのコンロバーナ10a、10b、10cに対応して設けられている温度センサ12a、12b、12cと、が設けられている。各コンロバーナ10a、10b、10cには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整するための流量調整弁が設けられている。コンロバーナ10aは、コンロバーナ10aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。そして、コンロバーナ10aへのガスの供給が停止されることで、コンロバーナ10aは消火される。コンロバーナ10b、10cは、コンロバーナ10aと同様の構造を有する。温度センサ12a、12b、12cは、五徳8a、8b、8cに支持される加熱対象物の温度を検出する。本体4は、本体4の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26と、を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ20a(
図2参照)が設けられている。加熱調理器2では、本体4の前面4aと天板6の上面が、ユーザに対して露出する外面を構成する。
【0017】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つの加熱量操作部42a、42b、42cと、パネル操作部44と、を備える。加熱量操作部42a、42b、42cは、それぞれ、コンロバーナ10a、10b、10cに対応する。また、加熱量操作部42a、42b、42cは、それぞれ、青色又は赤色に発光可能なLED発光部43a、43b、43cによって囲まれている。加熱量操作部42aは、コンロバーナ10aの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10aの加熱量の調整を行うための操作部である。加熱量操作部42aは、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによって加熱量操作部42aを消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10aが点火され、ユーザによって加熱量操作部42aを消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10aが消火される。点火位置とは、加熱量操作部42aの前面が本体4の前面4aよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、加熱量操作部42aが本体4内に収容されている位置である。また、ユーザは、加熱量操作部42aが点火位置に位置している状態において、加熱量操作部42aを時計方向又は反時計方向に操作することで、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。加熱量操作部42b、42cは、加熱量操作部42aと同じ構造を有する。
【0018】
パネル操作部44は、表示部46と、加熱温度操作部48a、48bと、自動調理選択操作部50a、50bと、加熱時間操作部52a、52b、52cと、レシピ選択操作部54と、調理状態操作部56と、を備える。表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。加熱温度操作部48aは、コンロバーナ10aによって加熱される加熱対象物の温度(例えば、180℃)を設定するための操作部である。加熱時間操作部52aは、コンロバーナ10aの加熱時間(例えば、5分)を設定するための操作部である。自動調理選択操作部50aは、コンロバーナ10aを利用した自動調理モードによる調理を選択するための操作部である。加熱温度操作部48b、自動調理選択操作部50b、加熱時間操作部52bは、コンロバーナ10bに対応する操作部である点を除いて、それぞれ、加熱温度操作部48a、自動調理選択操作部50a、加熱時間操作部52aと同様の機能を有する。レシピ選択操作部54は、自動調理モードで調理するレシピを選択するための操作部である。調理状態操作部56は、自動調理モードで調理される食材の状態、例えば、焼き加減などを調整するための操作部である。加熱時間操作部52cは、コンロバーナ10cに対応する操作部である点を除いて、加熱時間操作部52aと同様の機能を有する。
【0019】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。加熱量操作部60は、青色又は赤色に発光可能なLED発光部61によって囲まれている。ユーザは、加熱量操作部60を操作することによって、グリルバーナ20aの点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ20aの加熱量の調整を行うことができる。加熱量操作部60の構造は、コンロ操作部24の加熱量操作部42aと同様である。
【0020】
パネル操作部62は、表示部64と、自動調理選択操作部66と、レシピ選択操作部68と、調理状態操作部70と、を備える。表示部64には、グリルバーナ20aの動作状態などが表示される。自動調理選択操作部66、レシピ選択操作部68、調理状態操作部70の機能はグリルバーナ20aに対応する操作部である点を除いて、それぞれ、自動調理選択操作部50a、レシピ選択操作部54、調理状態操作部56と同様の機能を有する。
【0021】
続いて、
図2を参照して、加熱調理器2の制御構成について説明する。なお、
図2では、説明を分かり易くするために、コンロバーナ10b、10c、温度センサ12b、12c、加熱量操作部42b、42c、LED発光部43b、43c、加熱温度操作部48b、自動調理選択操作部50b、及び、加熱時間操作部52b、52cについて図示を省略している。また、以下では、
図1で説明した構成については説明を省略する。
【0022】
加熱調理器2は、通信実行部100と、制御部110と、を備えている。通信実行部100は、外部機器との無線通信を実行するためのインターフェースである。加熱調理器2は、通信実行部100を介して、外部機器との無線通信を実行することができる。無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)による通信を用いることができる。加熱調理器2は、通信実行部100を介して、携帯端末200との無線通信を実行可能である。また、加熱調理器2は、通信実行部100を介して、加熱調理器2が設置されているシステムキッチンのレンジフード80、照明90などとの無線通信を実行可能である。
【0023】
制御部110は、加熱調理器2の各構成要素の動作を制御する。制御部110は、加熱制御部112と、指示送信部114と、を備える。加熱制御部112は、各バーナ10a、10b、10c、20aの動作を制御する。指示送信部114は、各操作部がユーザによって操作される場合に、当該操作部への操作に応じた指示を、加熱制御部112に送信する。また、制御部110は、メモリ120を備えている。メモリ120は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成される。メモリ120には、複数個のレシピデータ122が格納されている。レシピデータ122は、自動調理を実行するためのデータである。
【0024】
また、加熱調理器2は、通常モードと、レシピデータに従った自動調理を実行する自動調理モードと、のいずれかの動作モードで動作する。通常モードでは、加熱調理器2の各操作部に上述の機能が割り当てられている。一方、自動調理モードでは、加熱調理器2の各操作部に上述の機能とは異なる機能が割り当てられる。自動調理モード中の各操作部の機能については後で詳しく説明する。
【0025】
(携帯端末200の構成)
加熱調理器2との無線通信を実行可能な携帯端末200について説明する。携帯端末200は、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。携帯端末200は、表示部202と、通信実行部204と、制御部210と、を備える。表示部202は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。通信実行部204は、加熱調理器2との無線通信を実行するためのインターフェースである。制御部210は、携帯端末200の動作を制御する。また、制御部210は、メモリ212を備える。メモリ212には、レシピアプリ214が格納されている。レシピアプリ214は、例えば、インターネット上のサーバから携帯端末200にインストールされる。レシピアプリ214は、加熱調理器2との無線通信を利用して、加熱調理器2に自動調理を実行させるためのアプリケーションである。ユーザによってレシピアプリ214を起動させるための操作が携帯端末200に実行されると、携帯端末200はインターネット上のサーバから複数個のレシピデータを受信し、複数個のレシピデータを表示部202に表示する。この場合のレシピデータは、加熱調理器2のレシピデータ122とは異なるレシピデータである。
【0026】
(加熱調理器2が実行する処理;
図3)
続いて、
図3〜
図5を参照して、加熱調理器2の制御部110によって実行される処理について説明する。制御部110は、加熱調理器2の電源をONにするための操作がユーザによって電源スイッチ40に実行される場合に、
図3の処理を開始する。
図3の初期状態において、加熱調理器2は通常モードで動作する。この場合、LED発光部43a、43b、43c、61は青色に発光する。なお、
図3〜
図5では、グリルバーナ20aを利用した調理が実行される場合を例として、説明する。
【0027】
S10において、制御部110は、通信実行部100を介して携帯端末200からレシピデータを受信することを監視する。制御部110がレシピデータを受信する場合(S10でYES)に、処理はS20に進む。
【0028】
S20において、制御部110は、第1の自動調理処理を実行する。第1の自動調理処理は、携帯端末200から受信したレシピデータに従った自動調理を実行する処理である。第1の自動調理処理が終了すると、処理はS10に戻る。
【0029】
また、制御部110は、S10の監視と同時的に、S30において、自動調理選択操作がユーザによって実行されることを監視する。自動調理選択操作は、メモリ120内に格納されているレシピデータ122を利用した自動調理を加熱調理器2に実行させるための操作である。制御部110は、自動調理選択操作部66がユーザによって操作される場合に、自動調理選択操作がユーザによって実行されたと判断し(S30でYES)、処理はS32に進む。
【0030】
S32において、制御部110は、レシピ選択操作がユーザによって実行されることを監視する。レシピ選択操作は、複数個のレシピデータ122の中から1個のレシピデータを選択するための操作である。制御部110は、ユーザによってレシピ選択操作部68が操作される場合に、S32でYESと判断し、処理はS40に進む。
【0031】
S40において、制御部110は、第2の自動調理処理を実行する。第2の自動調理処理において、制御部110は、S32で選択されたレシピデータに従った自動調理を実行する。第2の自動調理処理が終了すると、処理はS10に戻る。
【0032】
また、制御部110は、S10及びS30の監視と同時的に、S50において、ユーザによって通常操作が実行されることを監視する。通常操作とは、通常モード中において、加熱量操作部60がユーザによって操作されることである。
【0033】
S52において、制御部110は、S50の通常操作に応じて、グリルバーナ20aの加熱量を調整する。詳細には、加熱制御部112は、加熱量操作部60への操作に応じた第1の指示を指示送信部114から受信し、第1の指示に基づいて、グリルバーナ20aの加熱量を調整する。S52が終了すると、処理はS10に戻る。
【0034】
(第1の自動調理処理;
図4)
続いて、
図4を参照して、
図3のS20で実行される第1の自動調理処理について説明する。
【0035】
S70において、制御部110は、自動調理開始操作が実行されることを監視する。制御部110は、加熱量操作部60への点火操作がユーザによって実行される場合に、自動調理開始操作が実行されたと判断し(S70でYES)、処理はS72に進む。
【0036】
S72において、制御部110は、加熱調理器2を、通常モードから自動調理モードに移行させる。加熱調理器2が自動調理モードに移行すると、グリル操作部26の各操作部60、66、68、70に割り当てられる機能が変更される。また、加熱調理器2が自動調理モードに移行すると、LED発光部61が赤色に発光する。本実施例では、自動調理モードにおいて、調理状態操作部70には、ユーザが操作する外部機器(以下では、「対象外部機器」と呼ぶ)を選択するための機能(以下では、「機器選択機能」)が割り当てられ、加熱量操作部60には、対象外部機器の動作状態を変更するための機能(以下では、「状態変更機能」)が割り当てられる。一方、自動調理選択操作部66及びレシピ選択操作部68には、機能は割り当てられない。また、制御部110は、S72において、さらに、グリルバーナ20aを点火し、自動調理を開始する。
【0037】
S80において、制御部110は、調理工程が移行することを監視する。通常、自動調理には、複数の調理工程が含まれている。各調理工程では、グリル庫20内の温度などが異なる。制御部110は、例えば、第1の調理工程が終了し、第2の調理工程を開始する場合に、調理工程が移行すると判断し(S80でYES)、処理はS82に進む。
【0038】
S82において、制御部110は、ページ変更指示を携帯端末200に送信する。ページ変更指示は、携帯端末200に、移行後の調理工程に対応したページ表示させるための指示である。携帯端末200は、受信したページ変更指示に応じて、表示部202に表示されるページを変更する。なお、変形例では、制御部110は、音量変更指示などを携帯端末200に送信してもよい。
【0039】
また、制御部110は、S80の監視と同時的に、S90において、機器選択操作が実行されることを監視する。機器選択操作は、対象外部機器を選択するための操作である。調理状態操作部70がユーザによって操作されることで、対象外部機器が選択される。本実施例では、調理状態操作部70が1回押下される場合に、携帯端末200が対象外部機器として選択され、調理状態操作部70が2回押下される場合に、レンジフード80が対象外部機器として選択され、調理状態操作部70が3回押下される場合に、照明90が対象外部機器として選択される。
【0040】
S92において、制御部110は、指示送信操作が、ユーザによって実行されることを監視する。指示送信操作は、対象外部機器に第2の指示を送信するための操作である。加熱量操作部60がユーザによって操作される場合に、制御部110は、指示送信操作がユーザによって実行されたと判断し、処理は、S94に進む。
【0041】
S94において、制御部110は、通信実行部100を介して、対象外部機器に第2の指示を送信する。第2の指示は、例えば、対象外部機器が携帯端末200である場合は、携帯端末200に表示されているページを変更するためのページ変更指示である。例えば、制御部110は、加熱量操作部60が時計方向に操作される場合に、次のページを表示させるためのページ変更指示を携帯端末200に送信し、加熱量操作部60が反時計方向に操作される場合に、前のページを表示させるためのページ変更指示を携帯端末200に送信する。また、第2の指示は、例えば、対象外部機器がレンジフード80である場合は、レンジフード80の風量を変更するための風量変更指示である。例えば、制御部110は、加熱量操作部60が時計方向に操作される場合に、風量と強くするための風量変更指示をレンジフード80に送信し、加熱量操作部60が反時計方向に操作される場合に、風量を弱くするための風量変更指示をレンジフード80に送信する。また、第2の指示は、例えば、対象外部機器が照明90である場合は、照明90の照度を変更するための照度変更指示である。例えば、制御部110は、加熱量操作部60が時計方向に操作される場合に、照度を高くするための照度変更指示を照明90に送信し、加熱量操作部60が反時計方向に操作される場合に、照度を弱くするための照度変更指示を照明90に送信する。
【0042】
また、制御部110は、S80及びS90の監視と同時的に、S100において、自動調理が終了することを監視する。制御部110が自動調理が終了したと判断する場合(S100でYES)に、処理はS102に進む。
【0043】
S102において、制御部110は、終了信号を携帯端末200に送信するとともに、自動調理が終了したことをユーザに報知する。ユーザへの報知の方法としては、加熱調理器2のスピーカー(図示省略)などを利用する。また、携帯端末200は、終了信号を受信すると、自動調理が終了したことを示すページを表示部202に表示させるとともに、自動調理が終了したことをユーザに報知する。そして、S104において、制御部110は、加熱調理器2を自動調理モードから通常モードに移行させる。これにより、グリル操作部26の各操作部60、66、68、70に割り当てられている機能が、通常の状態に復帰する。
図4の処理が終了すると、処理はS10に戻る。
【0044】
(第2の自動調理処理;
図5)
続いて、
図5を参照して、
図3の第2の自動調理処理で実行される処理について説明する。第2の自動調理処理は、メモリ120内に格納されているレシピデータ122を利用した自動調理が実行される点が、第1の自動調理処理とは異なる。
【0045】
S120、S122、S130、S132、S134、S140、S144は、それぞれ、
図4のS70、S72、S90、S92、S94、S100、S104と同様である。S142は、終了信号を送信しない点が、S102と異なるのみである。S142において、制御部110は、加熱調理器2のスピーカー(図示省略)などを利用して、自動調理が終了したことをユーザに報知する。
【0046】
(具体的なケース)
続いて、
図6〜
図8を参照して、
図3〜
図5の処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0047】
図6の初期状態は、加熱調理器2が通常モードで動作している状態である。また、加熱調理器2と携帯端末200との間に、無線通信を実行するためのペアリングは設定済みである。
【0048】
T10において、レシピアプリ214を起動させるための操作がユーザによって携帯端末200に実行される。この場合、携帯端末200の表示部202には、複数の料理名が表示される。そして、T12において、複数の料理名の中から1個の料理(レシピ)を選択する操作がユーザによって実行されると、準備ページSSが表示される(
図7参照)。ユーザは、準備ページSSに基づいて食材を準備する。食材の準備が完了すると、T14において、レシピデータを送信するための操作がユーザによって携帯端末200に実行される。この場合、T16において、携帯端末200は、当該レシピデータを加熱調理器2に送信する。そして、T18において、携帯端末200は、第1の調理ページP1を、携帯端末200の表示部202に表示させる(
図8(a))。第1の調理ページP1には、第1の調理工程と第2の調理工程が表示される。
【0049】
T16において、加熱調理器2が携帯端末200からレシピデータを受信すると(
図3のS10でYES)、T20において、加熱量操作部60への点火操作がユーザによって実行される。この場合、加熱調理器2は、自動調理開始操作が実行されたと判断し(
図4のS70でYES)、T22において、自動調理モードに移行する(S72)。従って、グリル操作部26の各操作部60、66、68、70に割り当てられる機能が変更される。そして、T24において、加熱調理器2は、T16で受信したレシピデータに従って第1の調理工程を開始する。
【0050】
T30において、加熱調理器2は、第1の調理工程が終了すると、第2の調理工程を開始する(
図4のS80でYES)。そして、加熱調理器2は、T32において、携帯端末200の表示部202に第2の調理ページP2を表示させるためのページ変更指示を携帯端末200に送信する(S82)。
【0051】
携帯端末200は、T32において、ページ変更指示を受信すると、T34において、第2の調理工程及び第3の調理工程が表される第2の調理ページP2を表示部202に表示させる(
図8(b))。
【0052】
T40において、ユーザによって携帯端末200に第3の調理ページP3を表示させるための操作が実行される。具体的には、まず、調理状態操作部70がユーザによって1回押下される(
図4のS90でYES)。これにより、携帯端末200が対象外部機器として決定される。そして、加熱量操作部60がユーザによって時計方向に操作される(S92でYES)。この場合、T42において、加熱調理器2は、携帯端末200の表示部202に第3の調理ページP3を表示させるためのページ変更指示を携帯端末200に送信する(S94)。
【0053】
携帯端末200は、T42において、ページ変更指示を受信すると、T44において、第3の調理工程が表される第3の調理ページP3を表示部202に表示させる(
図8(c))。
【0054】
また、T50において、ユーザによってレンジフード80の風量を変更するための操作が実行される。具体的には、まず、調理状態操作部70がユーザによって2回押下される(
図4のS90でYES)。これにより、レンジフード80が対象外部機器として決定される。そして、加熱量操作部60がユーザによって反時計方向に操作される(S92でYES)。この場合、T52において、加熱調理器2は、レンジフード80の風量を弱めることを要求する風量変更指示をレンジフード80に送信する(S94)。
【0055】
レンジフード80は、T52において、風量変更指示を受信すると、T54において、風量を弱める。
【0056】
加熱調理器2は、第3の調理工程が終了すると、T60において、自動調理を終了する(
図4のS100でYES)。そして、加熱調理器2は、T62において、自動調理終了信号を携帯端末200に送信し、T64において、自動調理が終了したことを報知し、T66において、自動調理モードから通常モードに移行する。
【0057】
グリルバーナ20aを利用した調理が実行される場合を例として説明したが、コンロバーナ10a、10b、10cを利用した調理が実行される場合でも、同様の処理が実現される。例えば、制御部110がコンロバーナ10aを利用するレシピデータを携帯端末200から受信し(
図3の10でYES)、自動調理選択操作部50aがユーザによって操作されると(
図4のS70でYES)、制御部110は、加熱調理器2を自動調理モードに移行させる(S72)。この場合、コンロバーナ10aに対応する各操作部42a、48a、50a、52aに割り当てられている機能が変更される。例えば、加熱時間操作部52aに機器選択機能が割り当てられ、加熱量操作部42aに状態変更機能が割り当てられる。また、通常モードにおいて、加熱量操作部42aがユーザによって操作される場合(S50でYES)、制御部110は、ユーザの操作に応じて、コンロバーナ10aの加熱量を調整する(S52)。
【0058】
グリルバーナ20aを利用した自動調理モード中において、加熱量操作部60がユーザによって操作されることに応じて、グリルバーナ20aの加熱量が調整されると、自動調理が適切に実行されない可能性がある。そこで、本実施例では、自動調理モード中において、加熱量操作部60がユーザによって操作されても、指示送信部114は、第1の指示を加熱制御部112に送信しない。従って、自動調理モード中において、加熱制御部112は、加熱量操作部60がユーザによって操作されても、レシピデータに従ってグリルバーナ20aの加熱量を調整することができる。このため、グリルバーナ20aを利用した自動調理が適切に完了する。
【0059】
また、自動調理モード中において、加熱量操作部60がユーザによって操作される場合に、指示送信部114は、携帯端末200に第2の指示(ページ変更指示)を送信する。即ち、自動調理モード中において、ユーザは、加熱量操作部60を操作することで、携帯端末200に表示されるページを変更することができる。従って、ユーザによる加熱量操作部60への操作に応じて、グリルバーナ20aの加熱量を調整することが望ましくない自動調理モード中において、加熱量操作部60を有効に活用することができる。
【0060】
また、加熱制御部112は、携帯端末200から受信するレシピデータ122に基づいて、グリルバーナ20aの加熱量を調整することができる。従って、加熱調理器2は、メモリ120にレシピデータ122を記憶していなくても、自動調理を実行することができる。
【0061】
また、ユーザは、調理状態操作部70を操作することで、携帯端末200、レンジフード80、照明90の中から対象外部機器を選択することができる。そして、指示送信部114は、ユーザによって加熱量操作部60が操作される場合に、第2の指示を対象外部機器に送信する。従って、自動調理モード中において、指示送信部114は、加熱調理器2の周辺に複数個の外部機器が存在している場合であっても、ユーザが第2の指示を送信することを所望する対象外部機器に第2の指示を送信することができる。
【0062】
(対応関係)
自動調理モード、通常モードが、ぞれぞれ、「第1の運転モード」、「第2の運転モード」の一例である。コンロバーナ10a、10b、10c及びグリルバーナ20aが、「加熱部」の一例である。レンジフード80、照明90、及び、携帯端末200が、「対象外部機器」の一例である。加熱時間操作部52a及び調理状態操作部70、加熱量操作部42a、60が、それぞれ、「第1の操作部」、「第2の操作部」の一例である。通信実行部100が、「データ受信部」の一例である。
【0063】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0064】
(変形例1)加熱調理器2のメモリ120に、レシピデータ122が格納されていなくてもよい。この場合、加熱調理器2は、携帯端末200からレシピデータを受信する場合にのみ、自動調理モードに移行して、自動調理を実行すればよい。
【0065】
(変形例2)加熱量操作部60が操作される場合に第2の指示を送信する対象外部機器が予め設定されていてもよい。例えば、自動調理モード中において、制御部110は、加熱量操作部60がユーザによって操作される場合に、携帯端末200に第2の指示を送信するように予め設定されていてもよい。この場合、ユーザは、機器選択操作を実行しなくても、第2の指示を携帯端末200に送信することができる。
【0066】
(変形例3)状態変更機能が割り当てられる操作部は、加熱量操作部42a、60に限定されない。また、機器選択機能が割り当てられる操作部は、加熱時間操作部52a及び調理状態操作部70に限定されない。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。