(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の自動分析装置及び容器収容ユニットの実施の形態例について、
図1〜
図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.実施の形態例
1−1.自動分析装置の構成
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる自動分析装置について
図1を参照して説明する。
図1は、本例の自動分析装置を模式的に示す説明図である。
【0014】
図1に示す装置は、本発明の自動分析装置の一例として適用する生化学分析装置1である。生化学分析装置1は、血液や尿などの生体試料に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。
【0015】
生化学分析装置1は、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、第1試薬容器収容ユニット4と、第2試薬容器収容ユニット5と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、生化学分析装置1は、サンプル希釈ピペット7と、サンプリングピペット8と、希釈撹拌装置9と、希釈洗浄装置11と、第1試薬ピペット12と、第2試薬ピペット13と、第1反応撹拌装置14と、第2反応撹拌装置15と、多波長光度計16と、反応容器洗浄装置18と、を備えている。
【0016】
サンプルターンテーブル2は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。このサンプルターンテーブル2には、複数の検体容器21と、複数の希釈液容器22が収容されている。検体容器21には、血液や尿等からなる検体(サンプル)が収容される。希釈液容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
【0017】
複数の検体容器21は、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。また、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた検体容器21の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0018】
複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21の列よりもサンプルターンテーブル2の半径方向の内側に配置されている。複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21と同様に、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた希釈液容器22の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0019】
なお、複数の検体容器21及び複数の希釈液容器22の配列は、2列に限定されるものではなく、1列でもよく、あるいはサンプルターンテーブル2の半径方向に3列以上配置してもよい。
【0020】
サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。また、サンプルターンテーブル2の周囲には、希釈ターンテーブル3が配置されている。
【0021】
希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、サンプルターンテーブル2と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。なお、反応ターンテーブル6は、一回の移動で半周以上回転するように設定されている。
【0022】
希釈ターンテーブル3には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器21から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が収容される。
【0023】
容器収容ユニットの一例を示す第1試薬容器収容ユニット4には、複数の第1試薬容器24が第1試薬容器収容ユニット4の周方向に並べて収容されている。また、容器収容ユニットを示す第2試薬容器収容ユニット5には、複数の第2試薬容器25が第2試薬容器収容ユニット5の周方向に並べて収容されている。そして、第1試薬容器24には、濃縮された第1試薬が収容され、第2試薬容器25には、濃縮された第2試薬が収容される。
【0024】
さらに、第1試薬容器収容ユニット4、第1試薬容器24、第2試薬容器収容ユニット5及び第2試薬容器25は、保冷機構17によって所定の温度に保たれている。そのため、第1試薬容器24に収容された第1試薬と、第2試薬容器25に収容された第2試薬は、所定の温度で保冷される。
【0025】
また、第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の詳細な構成は、後述する。
【0026】
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の間に配置されている。反応ターンテーブル6には、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて収容されている。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングした希釈検体と、第1試薬容器収容ユニット4の第1試薬容器24からサンプリングした第1試薬と、第2試薬容器収容ユニット5の第2試薬容器25からサンプリングした第2試薬が注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌され、反応が行われる。
【0027】
サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置される。サンプル希釈ピペット7は、不図示の希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。また、サンプル希釈ピペット7は、希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の開口と略平行をなす水平方向に沿って回動可能に支持されている。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動することで、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を往復運動する。なお、サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を移動する際、サンプル希釈ピペット7は、不図示に洗浄装置を通過する。
【0028】
ここで、サンプル希釈ピペット7の動作について説明する。
サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2における開口の上方の所定位置に移動した際、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って下降し、その先端に設けたピペットを検体容器21内に挿入する。このとき、サンプル希釈ピペット7は、不図示のサンプル用ポンプが作動して検体容器21内に収容された検体を所定量吸引する。次に、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って上昇してピペットを検体容器21内から抜き出す。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動し、希釈ターンテーブル3における開口の上方の所定位置に移動する。
【0029】
次に、サンプル希釈ピペット7は、希釈ターンテーブル3の軸方向に沿って下降して、ピペットを所定の希釈容器23内に挿入する。そして、サンプル希釈ピペット7は、吸引した検体と、サンプル希釈ピペット7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器23内に吐出する。その結果、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。その後、サンプル希釈ピペット7は、洗浄装置によって洗浄される。
【0030】
サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。サンプリングピペット8は、不図示のサンプリングピペット駆動機構により、サンプル希釈ピペット7と同様に、希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0031】
このサンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3の希釈容器23内にピペットを挿入して、所定量の希釈検体を吸引する。そして、サンプリングピペット8は、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0032】
第1試薬ピペット12は、反応ターンテーブル6と第1試薬容器収容ユニット4の間に配置され、第2試薬ピペット13は、反応ターンテーブル6と第2試薬容器収容ユニット5の間に配置されている。第1試薬ピペット12は、不図示の第1試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第1試薬ピペット12は、第1試薬容器収容ユニット4と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0033】
第1試薬ピペット12は、第1試薬容器収容ユニット4の第1試薬容器24内にピペットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬ピペット12は、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0034】
また、第2試薬ピペット13は、不図示の第2試薬ピペット駆動機構により、第1試薬ピペット12と同様に、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第2試薬ピペット13は、第2試薬容器収容ユニット5と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0035】
第2試薬ピペット13は、第2試薬容器収容ユニット5の第2試薬容器25内にピペットを挿入して、所定量の第2試薬を吸引する。そして、第2試薬ピペット13は、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0036】
希釈撹拌装置9及び希釈洗浄装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置9は、不図示の撹拌子を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
【0037】
希釈洗浄装置11は、サンプリングピペット8によって希釈検体が吸引された後の希釈容器23を洗浄する装置である。この希釈洗浄装置11は、複数の希釈容器洗浄ノズルを有している。複数の希釈容器洗浄ノズルは、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。希釈洗浄装置11は、希釈容器洗浄ノズルを希釈容器23内に挿入し、廃液ポンプを駆動させて挿入した希釈容器洗浄ノズルによって希釈容器23内に残留する希釈検体を吸い込む。そして、希釈洗浄装置11は、吸い込んだ希釈検体を不図示の廃液タンクに排出する。
【0038】
その後、希釈洗浄装置11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。この洗剤によって希釈容器23内を洗浄する。その後、希釈洗浄装置11は、洗剤を希釈容器洗浄ノズルによって吸引し、希釈容器23内を乾燥させる。
【0039】
第1反応撹拌装置14、第2反応撹拌装置15及び反応容器洗浄装置18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置14は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。これにより、希釈検体と第1試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第1反応撹拌装置14の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0040】
第2反応撹拌装置15は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第2反応撹拌装置15の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0041】
反応容器洗浄装置18は、検査が終了した反応容器26内を洗浄する装置である。この反応容器洗浄装置18は、複数の反応容器洗浄ノズルを有している。複数の反応容器洗浄ノズルは、希釈容器洗浄ノズルと同様に、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。なお、反応容器洗浄装置18における洗浄工程は、上述した希釈洗浄装置11と同様であるため、その説明は省略する。
【0042】
また、多波長光度計16は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計16は、反応容器26内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
【0043】
さらに、反応ターンテーブル6の周囲には、不図示の恒温槽が配置されている。この恒温槽は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
【0044】
1−2.容器収容ユニットの構成
次に、容器収容ユニットの一例を示す第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の詳細な構成について
図2〜
図5を参照して説明する。
【0045】
なお、第1試薬容器収容ユニット4と第2試薬容器収容ユニット5は、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1試薬容器収容ユニット4について説明する。以下、第1試薬容器収容ユニット4を単に容器収容ユニット4を称す。
【0046】
図2は、容器収容ユニット4の斜視図、
図3は、容器収容ユニットの平面図、
図4は、容器収容ユニット4の断面図である。
【0047】
図2〜
図4に示すように、容器収容ユニット4は、中空の保冷庫100と、ターンテーブル103と、テーブル駆動機構104と、冷却部105と、内壁温度測定部124と、庫内温度測定部125等を備えて構成されている。保冷庫100は、略円筒状をなす容器状の筐体101と、筐体の開口を塞ぐ蓋体102とを有している。筐体101の内部空間101aには、ターンテーブル103と、テーブル駆動機構104が配置される。
【0048】
蓋体102は、円柱状に形成されている。蓋体102は、断熱材により形成されている。蓋体102は、略円形の上面部102aと、上面部102aと対向し、筐体101の開口を塞ぐ底面部102bとを有している。上面部102aには、試薬を吸引する第1試薬ピペット12のプローブが通過する通過凹部102cが形成されている。通過凹部102cは、蓋体102における上面部102aを略円弧状に切り欠くことで形成されている。
【0049】
通過凹部102cには、プローブが挿入されるプローブ挿入孔が形成されている。プローブ挿入孔は、通過凹部102cの底面部から蓋体102の底面部102bにかけて上下方向に貫通している。そして、プローブ挿入孔は、筐体101の内部空間101aと連通する。
【0050】
図3及び
図4に示すように、筐体101の内部空間101aには、ターンテーブル103が収容されている。ターンテーブル103は、略円盤状に形成されている。ターンテーブル103の半径方向の中心部には、軸受け部111が設けられている。軸受け部111は、筐体101の底面部101bに設けたテーブル駆動機構104に回転可能に支持されている。そして、ターンテーブル103は、テーブル駆動機構104により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、または、その周方向に所定の時間、所定の速度で正回転又は逆回転する。
【0051】
また、ターンテーブル103は、複数の第1収納部112及び第2収納部113を有している。第1収納部112は、第2収納部113よりもターンテーブル103における半径方向の内側に配置されている。第1収納部112は、ターンテーブル103の周方向の並べて配置されている。また、第2収納部113は、ターンテーブル103の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。
【0052】
図5は、ターンテーブル103を示す斜視図である。
図5に示すように、第1収納部112は、保持枠112aを有している。保持枠112aは、第1試薬容器24の底面部の形状に対応して略四角形状に開口している。保持枠112aは、ターンテーブル103の底面部から上下方向の上方に向けて突出している。そして、保持枠112aは、第1試薬容器24を保持する。また、また、第2収納部113も、第1収納部112と同様に、保持枠113aを有している。保持枠113aの構成は、第1収納部112の保持枠112aと同様であるため、その説明は省略する。
【0053】
なお、第1試薬容器24は、第1試薬ピペット12のプローブが挿入される口部24aを有している。そして、第1試薬容器24は、口部24aを筐体101の開口側に向けてターンテーブル103の第1収納部112又は第2収納部113の保持枠112a、113aに保持される。そして、ターンテーブル103が回転すると、ターンテーブル103に収納された第1試薬容器24は、ターンテーブル103と共に回転する。また、第1試薬容器24によって筐体101の内部空間101aの空気が撹拌される。
【0054】
さらに、
図3及び
図5に示すように、ターンテーブル103は、複数の撹拌羽根115を有している。撹拌羽根115は、略平板状に形成されており、ターンテーブル103の底面部から上下方向の上方に向けて突出している。すなわち、撹拌羽根115は、第1収納部112又は第2収納部113に収納された第1試薬容器24と同じ方向に向けて立設している。撹拌羽根115は、複数の第1収納部112や第2収納部113における隣り合う2つの第1収納部112、112の間や、隣り合う2つの第2収納部113の間に配置されている。
【0055】
図5に示すように、撹拌羽根115におけるターンテーブル103の底面部からの上下方向の高さは、第1試薬容器24における上下方向の高さと略等しく設定されている。ターンテーブル103が回転すると、撹拌羽根115は、ターンテーブル103と共に回転し、筐体101の内部空間101aの空気を撹拌する。
【0056】
なお、撹拌羽根115の高さは、上述した高さに限定されるものではなく、第1試薬容器24の上下方向の高さよりも低く形成してもよい。撹拌羽根115は、ターンテーブル103が回転した際に、筐体101の内部空間101aに設置された他の部材に干渉しない高さあるいは形状に形成される。
【0057】
撹拌羽根115を、ターンテーブル103における第1収納部112や第2収納部113の間に配置したことで、撹拌羽根115をターンテーブル103の側面部に設けた場合に比べて、ターンテーブル103が半径方向に大きくなることを防ぐことができる。
【0058】
上述した構成を有するターンテーブル103は、軸受け部111を中心に、点対称な形状に形成されている。
【0059】
また、
図4に示すように、筐体101の底面部101bには、冷却部105が設けられている。冷却部105は、保冷機構17(
図1参照)に接続されている。冷却部105は、例えば、ペルチェ素子を用いた冷却装置である。冷却部105を構成するペルチェ素子は、一面が筐体101の内壁101cに接触し、反対側の他面が筐体101の内部空間101aの外側に配置されている。そして、ペルチェ素子に通電することで、筐体101の内壁に接触するペルチェ素子の一面が熱を吸熱し、吸熱した熱を反対側の他面に移動させる。これにより、ペルチェ素子の一面が冷却され、ペルチェ素子の一面と接触した内壁101cも冷却される。
【0060】
なお、冷却部105としてはペルチェ素子を用いた冷却装置に限定されるものではなく、例えば、冷却水が通過するパイプを筐体101の側面部や底面部101bに配置して冷却水を循環させる装置や、その他各種の冷却装置を適用できるものである。
【0061】
他の構成を有する冷却装置もペルチェ素子を用いた冷却装置と同様に、筐体101の内壁101cを冷却させている。そのため、筐体101の内部空間101aは、内壁101cに近い部分の温度が低く、特に冷却部105が配置された箇所の内壁101cの近傍が最も温度が低くなる。そして、筐体101の内部空間101aは、内壁101cから離れるにつれて温度が高くなり、中心部分が最も温度が高くなりやすい。
【0062】
内壁温度測定部124は、筐体101の内部空間101aの底面部101bに配置されている。内壁温度測定部124は、筐体101の内部空間101aにおける内壁101c周りの温度を測定する。なお、内壁温度測定部124を底面部101bに設置した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内部空間101aの側面部に内壁温度測定部124を設置してもよい。
【0063】
庫内温度測定部125は、蓋体102における筐体101の開口と対向する一面である底面部102bに配置されている。そのため、庫内温度測定部125は、内壁温度測定部124から離れた位置に配置されている。庫内温度測定部125は、筐体101の内部空間101aの温度を測定する。具体的には、庫内温度測定部125は、筐体101の内部空間101aにおける中心部、すなわち内壁101cから離れた箇所の温度を測定する。なお、庫内温度測定部125を蓋体102の底面部102bに設置した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ターンテーブル103の上下方向の上方又は下方や、ターンテーブル103の軸受け部111や第1収納部112、第2収納部113に庫内温度測定部125を設置してもよい。
【0064】
1−3.容器収容ユニットの制御系の構成
次に、
図6を参照して容器収容ユニット4の制御系の構成について説明する。
図6は、容器収容ユニット4の制御系を示すブロック図である。
【0065】
図6に示すように、容器収容ユニット4は、制御部120と、記憶部121と、を備えている。制御部120は、例えば、例えばCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)と、を有する。
【0066】
制御部120には、テーブル駆動機構104と、内壁温度測定部124と、庫内温度測定部125と、記憶部121が接続されている。テーブル駆動機構104は、制御部120によりその駆動が制御される。
【0067】
内壁温度測定部124は、測定した内壁温度(温度情報)を制御部120に出力し、庫内温度測定部125は、測定した庫内温度(温度情報)を制御部120に出力する。また、記憶部121には、内壁温度と庫内温度の温度差の閾値を示す第1閾値と、第2閾値が予め格納されている。そして、制御部120は、内壁温度測定部124から取得した内壁温度及び庫内温度測定部125から取得した庫内温度と、記憶部121に格納されている第1閾値及び第2閾値に基づいて、テーブル駆動機構104の駆動を制御する。
【0068】
2.容器収容ユニットの動作例
次に、上述した構成を有する容器収容ユニット4の動作例について
図7を参照して説明する。なお、ここでは、容器収容ユニット4の動作における冷却動作について説明する。
図7は、容器収容ユニット4の動作を示すフローチャートである。
【0069】
図7に示すように、制御部120は、内壁温度測定部124が測定した容器収容ユニット4の内壁温度と、庫内温度測定部125が測定した庫内温度を取得する(ステップS1)。なお、内壁温度と庫内温度を測定するタイミングは、所定の時間毎に行うようにしてもよく、あるいは、ターンテーブル103の回転が停止してから所定の時間経過した後に行ってもよい。
【0070】
次に、制御部120は、取得した内壁温度と庫内温度の温度差を算出し、温度差が記憶部121に予め格納した第1閾値を超えるか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2の処理において、温度差が第1閾値を超えていないと制御部120が判断した場合(ステップS2のNO判定)、制御部120は、ステップS1の処理に戻り、再び内壁温度と庫内温度を取得する。なお、第1閾値の温度(値)としては、例えば、規定された保冷温度よりも1〜2度低い温度が設定される。
【0071】
これに対して、ステップS2の処理において、温度差が第1閾値を超えていると制御部120が判断した場合(ステップS2のYES判定)、制御部120は、テーブル駆動機構104を制御し、ターンテーブル103の回転動作を開始させる(ステップS3)。ターンテーブル103の回転速度は、ターンテーブル103に収納されている第1試薬容器24の液面の高さの変動量が一定量以下になるように、かつ第1試薬容器24に収容された試薬の劣化(変質)を過度に促進しない速度に設定される。
【0072】
ターンテーブル103が回転することで、筐体101における内部空間101aの空気は、ターンテーブル103に収納された第1試薬容器24によって撹拌される。内部空間101aの空気が撹拌されることで、内部空間101aには空気の対流が発生する。これにより、冷却された内壁101cと内部空間101aの中心部との間の熱伝達率が向上し、保冷庫100の冷却効率を高めることができる。その結果、内部空間101aにおける中心部の温度を低下させて、内部空間101aの温度ムラを抑制することができる。
【0073】
なお、ターンテーブル103に収納された第1試薬容器24の数が多い場合は、第1試薬容器24によって空気を撹拌することができる。これに対して、収納された第1試薬容器24の数が少ない場合は、第1試薬容器24による空気の撹拌効果が低下する。しかしながら、本例のターンテーブル103は、複数の撹拌羽根115を設けている。これにより、収納された第1試薬容器24の数が少ない場合でも、撹拌羽根115によって内部空間101aの空気を撹拌することができる。
【0074】
さらに、本例のターンテーブル103は、軸受け部111を中心に点対称な形状に形成されている。そのため、ターンテーブル103を回転させると、内部空間101aに回転中心に対して対称な対流を発生させることができ、内部空間101aの温度ムラの抑制効果を高めることができる。
【0075】
また、本例の容器収容ユニット4によれば、ターンテーブル103を回転させて、第1試薬容器24又は撹拌羽根115によって内部空間101aの空気を撹拌し、温度ムラを抑制させている。これにより、特許文献1に記載された技術のように、送風部を筐体101に設けることなく、簡単な構成で内部空間101aの温度ムラを抑制することができる。
【0076】
次に、制御部120は、内壁温度測定部124から内壁温度と、庫内温度測定部125から庫内温度を取得する(ステップS4)。制御部120は、取得した内壁温度と庫内温度の温度差を算出し、温度差が記憶部121に予め格納した第2閾値を下回るか否かを判断する(ステップS5)。なお、第2閾値の温度(値)は、第1閾値の温度(値)よりも小さい温度に設定される。
【0077】
ステップS5の処理において、温度差が第2閾値を下回っていない、すなわち温度ムラが解消されていないと制御部120が判断した場合(ステップS5のNO判定)、制御部120は、ステップS4の処理に戻り、再び内壁温度と庫内温度を取得する。この間、テーブル駆動機構104の駆動は、継続されており、ターンテーブル103の回転動作は継続している。
【0078】
これに対して、ステップS5の処理において、温度差が第2閾値を下回った、すなわち温度ムラが解消されたと制御部120が判断した場合(ステップS5のYES判定)、制御部120は、テーブル駆動機構104の駆動を停止させる。これにより、ターンテーブル103の回転動作が停止する(ステップS6)。その結果、容器収容ユニット4の動作が完了する。
【0079】
本例の容器収容ユニット4によれば、制御部120が複数の温度測定部124、125の温度情報に基づいて、テーブル駆動機構104を制御し、ターンテーブル103の回転動作を制御している。これにより、ターンテーブル103が過度に回転することで、第1試薬容器24に収容された試薬が過度に空気に触れて、試薬の劣化(変質)が促進されることを防ぐことができる。
【0080】
なお、ターンテーブル103の回転動作の開始時及び終了時における回転速度及び加速度が、第1試薬容器24内の試薬の液面の高さの変動量が一定量以下となる回転速度及び加速度になるように、制御部120は、テーブル駆動機構104を制御している。これにより、ターンテーブル103の回転動作が開始する際や、回転動作が停止する際に、第1試薬容器24内に収容された試薬が筐体101の内部空間101aで飛び散ることを防ぐことができる。
【0081】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0082】
上述した実施の形態例では、筐体101の内部空間101a内に内壁温度測定部124と庫内温度測定部125の2つの温度測定部を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、筐体101の内部空間101a内に3つ以上の温度測定部を設けてもよい。そして、制御部120は、複数の温度測定部が測定した温度差に基づいて、テーブル駆動機構104を制御し、ターンテーブル103の回転動作を制御する。
【0083】
また、上述した実施の形態例では、ターンテーブル103に複数の撹拌羽根115を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ターンテーブル103に多数の第1試薬容器24を収納する場合では、撹拌羽根115を設けなくてもよい。
【0084】
また、撹拌羽根115は、ターンテーブル103に対して着脱可能に設置してもよい。これにより、多数の第1試薬容器24がターンテーブル103に収納される際は、撹拌羽根115を取り外し、ターンテーブル103に収納される第1試薬容器24の数が少ない場合は、撹拌羽根115をターンテーブル103に取り付けることができる。
【0085】
例えば、自動分析装置として、血液や尿の生体試料の分析に用いられる生化学分析装置に適用した例を説明したが、これに限定されるものでなく、水質や、食品等のその他各種の分析を行う装置に適用することができるものである。また、自動分析装置としては、例えば、被検体の抗原抗体反応などの免疫分析を行う免疫分析装置を適用してもよい。
【0086】
さらに、容器収容ユニットとして試薬容器を収容する試薬収容容器ユニットを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。容器収容ユニットとしては、例えば、検体が収容された検体容器を収容する検体容器収容ユニット、希釈された検体が収容された希釈容器を収容する希釈容器収容ユニット、反応容器を収容する反応容器収容ユニット等その他各種の容器を保冷した状態で収容する容器収容ユニットに適用できるものである。
【0087】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。