(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857612
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】心血管劣化の警告スコア
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20210405BHJP
A61B 5/346 20210101ALI20210405BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20210405BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20210405BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B5/04 312A
A61B5/02 B
A61B10/00 K
A61B5/08
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-550688(P2017-550688)
(86)(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公表番号】特表2018-513727(P2018-513727A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】IB2016051997
(87)【国際公開番号】WO2016162838
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年2月7日
(31)【優先権主張番号】62/144,372
(32)【優先日】2015年4月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】チュバット ニコラス ワディー
(72)【発明者】
【氏名】アールツ ロナルドゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ソフィア フェイ
【審査官】
姫島 あや乃
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0257122(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0004904(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0157980(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0191697(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/042942(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/005734(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/053743(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0093686(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/087559(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/115576(WO,A1)
【文献】
中国実用新案第202976084(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/02
A61B 5/08
A61B 5/346
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者モニタであって、
表示要素と、
少なくとも1つの心血管パラメータ及び少なくとも1つの呼吸パラメータを含む対象のバイタルサインを読み取る複数のセンサと、
心血管早期警告スコアリング方法を実行するようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとを有し、前記方法が、
それぞれが種々のタイプの心血管劣化に対応する複数の心血管早期警告スコアを生成するため、それぞれ種々のタイプの心血管劣化へと対象を分類するよう訓練された複数の心血管劣化分類器を使用して、前記対象を分類するステップであって、前記複数の心血管劣化分類器が、前記複数のセンサにより読み取られた前記少なくとも1つの心血管パラメータ及び前記少なくとも1つの呼吸パラメータを含む前記対象を特徴付ける入力のセットに対し動作する、ステップと、
前記患者モニタの表示要素に、前記種々のタイプの心血管劣化のため、前記複数の心血管早期警告スコアを出力するステップとを含む、患者モニタ。
【請求項2】
前記複数の心血管劣化分類器が、心電計電極により読み取られた前記少なくとも1つの心血管パラメータと、気流センサにより読み取られた1回換気量を含む前記少なくとも1つの呼吸パラメータとを含む前記入力のセットに対し動作する、請求項1の患者モニタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの呼吸パラメータが、呼吸数を更に含む、請求項2の患者モニタ。
【請求項4】
前記対象を特徴付ける入力のセットが、前記複数のセンサにより読み取られる少なくとも1つのガス交換パラメータを更に含む、請求項1乃至3の任意の一項に記載の患者モニタ。
【請求項5】
前記複数の心血管劣化分類器が、パルスオキシメータセンサにより読み取られた末梢酸素の飽和を含む前記少なくとも1つのガス交換パラメータを含む前記入力のセットに対し動作する、請求項4の患者モニタ。
【請求項6】
前記複数の心血管劣化分類器が、酸素の分圧及び二酸化炭素の分圧の少なくとも1つを含む血液ガス分析検査結果を更に含む前記対象を特徴付ける前記入力のセットに対して動作し、
前記血液ガス分析検査結果は、ユーザ入力デバイスにより、又は電子データネットワークを介した電子健康記録又は電子医療記録の読み出しにより前記患者モニタに入力される、請求項1乃至5の任意の一項に記載の患者モニタ。
【請求項7】
前記複数の心血管劣化分類器が、血液中のトロポニンレベルを更に含む前記血液ガス分析検査結果を含む前記入力のセットに対して動作する、請求項6の患者モニタ。
【請求項8】
前記複数の心血管劣化分類器が、心筋虚血分類器、左心室肥大分類器、収縮期心不全分類器、及び拡張期心不全分類器からなる心血管劣化分類器の群の少なくとも2つの分類器を含む、請求項1乃至7の任意の一項に記載の患者モニタ。
【請求項9】
前記複数の心血管劣化分類器が、第1のタイプの心血管劣化の心血管早期警告スコアを生成するため、前記第1のタイプの心血管劣化へと前記対象を分類する第1の心血管劣化分類器を含み、前記第1の心血管劣化分類器は、
前記第1のタイプの心血管の劣化に関する経験的スコアを生成するため、ラベル付けされた訓練データを使用して訓練される経験的分類器と、
前記第1のタイプの心血管劣化に関する規則ベースのスコアを生成するため、規則のセットを適用する規則ベースの心血管劣化検出器と、
前記経験的スコア及び前記規則ベースのスコアを含む前記第1のタイプの心血管劣化に関するスコアの加重組合せを生成するスコア結合器とを含む、請求項1乃至8の任意の一項に記載の患者モニタ。
【請求項10】
前記第1の心血管劣化分類器が、前記第1のタイプの心血管劣化に関するモデルベーススコアを生成するため、代数的又は微分方程式を使用して前記第1のタイプの心血管劣化をモデル化する生理学的モデルベースの検出器を更に有し、
前記スコア結合器が、前記経験的スコア、前記規則ベースのスコア、及び前記モデルベースのスコアを含む前記第1のタイプの心血管劣化に関するスコアの加重組合せを生成する、請求項9に記載の患者モニタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は一般に、心臓ケア分野、医療緊急対応分野等に関する。
【背景技術】
【0002】
めまいを感じる、身体虚弱、急速又は不規則な心拍、息切れ、胸の不快感等の1つ又は複数の症状を持つ患者のような、心臓の劣化の指標であるかもしれないし、そうでないかもしれない多数の臨床シナリオが生じる場合がある。斯かる症状は、症状が重篤なときの、心停止、急性心臓発作、若しくは急性心不全、又は症状がそれほど深刻でないときの、不規則な心調律若しくは冠状動脈疾患の潜在リスクを持つる患者の共通の心血管疾患症状である。心臓の劣化がより存在しやすい典型的な状況は、救急車で運ばれる患者、病院の救急部に入院した患者、又は膝関節置換手術若しくは他の外科的若しくはストレスの多い医療処置の後の入院患者を含む。
【0003】
心臓の劣化の早期発見及び診断は、心臓ケアの最終的な成功又は失敗に重要な影響を及ぼす。心筋に直接関連付けられる心臓劣化メカニズムは例えば、心筋虚血(心臓の血流/酸素化の低下)、左心室肥大(通常高血圧又は別の状態に起因する慢性の過度の心臓努力から生じる、左心室壁における筋肉増強)、収縮期心不全(通常は低駆出率と相関する、収縮期ポンピング作用中の心室性能の低下)、及び拡張期心不全(通常は低拍出量と相関する、拡張弛緩中の心室性能の低下)を含む。他の心臓の劣化メカニズムは、弁の劣化、又は狭窄を引き起こす可能性のあるプラーク形成など、心臓に奉仕する脈管系に関連する。適切な治療は、これらの様々な心臓劣化メカニズム(又はメカニズムの組み合わせ)のどれが存在するかに依存する。これらの心臓の劣化メカニズムの多くは、未治療のまま放置すると、心停止、急性心臓発作、急性心不全、不規則な心臓リズム、冠状動脈疾患などの急性の衰弱又は生命を脅かす医学的事象につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心臓の劣化を診断するため、多数の特殊な医療検査が開発されている。しかしながら、実際には、これらは、心臓の劣化が進行した状態に達し、明らかに症候性になるまで、所与の患者に対して要求されないことが多い。更に、様々な心臓検査の解釈は困難であり、心臓悪化の初期段階において、患者を見る医師はしばしば、訓練された心臓病専門家ではなく、むしろ一般的なプラクティス(GP)医師及び/又は他の何らかの領域を専門とする医師である。
【0005】
本願は、上述した問題及びその他に対処する新規で改良されたシステム及び方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示された一態様では、患者モニタが開示され、これは、表示要素と、少なくとも1つの心血管パラメータ及び少なくとも1つの呼吸パラメータを含む対象のバイタルサインを読み取る複数のセンサと、心血管早期警告スコアリング(cEWS)方法を実行するようプログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとを有する。cEWS方法は、(i)種々のタイプの心血管劣化に対する心血管早期警告スコアを生成するため、それぞれ種々のタイプの心血管劣化に対象を分類するよう訓練された複数の心血管劣化分類器を使用して、上記対象を分類するステップであって、上記複数の心血管劣化分類器が、上記複数のセンサにより読み取られた上記少なくとも1つの心血管パラメータ及び上記少なくとも1つの呼吸パラメータを含む上記対象を特徴付ける入力のセットに対し動作する、ステップと、(ii)上記患者モニタの表示要素上の上記種々のタイプの心血管劣化のため、上記心血管早期警告スコアを出力するステップとを含む。入力のセットは、心電計電極により読み取られた少なくとも1つの心血管パラメータと、気流センサにより読み取られた1回換気量を含む少なくとも1つの呼吸パラメータとを有することができる。
【0007】
別の開示された態様では、非一時的記憶媒体が、以下の心筋虚血早期警告方法を実行するため、複数のセンサ、表示要素、及びマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備える患者モニタにより読み取り可能かつ実行可能な命令を格納する。複数のセンサを用いて対象のバイタルサインデータが取得される。対象が、訓練対象を表すラベル付けされたデータセットで訓練された経験的な心筋虚血分類器を使用して、経験的な心筋虚血スコアを生成するよう分類され、各訓練対象iが、上記訓練対象iの特徴のベクトル
及び上記訓練対象iの心筋虚血状態を表すラベルyiにより表される。上記分類するステップは、上記対象の上記取得されたバイタルサインデータから生成された特徴を含む経験的心筋虚血分類器へベクトルを入力するステップを含む。上記対象のために取得されたバイタルサインデータから生成された入力を含む、上記対象を特徴付ける入力のセットに規則のセット又は生理学的モデルを適用することにより、少なくとも1つの追加的な心筋虚血スコアが生成される。上記経験的心筋虚血スコアと上記少なくとも1つの追加の心筋虚血スコアの加重組合せを含む複合心筋虚血スコアが生成される。上記患者モニタの表示要素に上記複合心筋虚血スコアの表現が表示される。
【0008】
1つの利点は、心血管劣化の早期診断を容易にし、心血管劣化のタイプの早期同定を容易にすることにある。
【0009】
別の利点は、心筋虚血の早期診断を提供することにある。
【0010】
別の利点は、事実上ヒューリスティックである規則ベースの診断のコンテキストを活用及び提供しながら、上記を提供することにある。
【0011】
別の利点は、複数の自動化された経路を相乗的に組み合わせて、心血管の劣化のより正確な診断を提供することにある。
【0012】
所与の実施形態は、前述の利点の1つ、2つ、それ以上、若しくは全てを提供し得、及び/又は本開示を読み理解するとき当業者に明らかになるであろう他の利点を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】心血管劣化早期警告システムを含む医療監視システムを図式的に示す図である。
【
図2】男性と女性の安静時心拍数表を示す図である。
【
図3】収縮期血圧及び拡張期血圧の最大値、平均値及び最小値を年齢の関数としてプロットした図である。
【
図4】心筋虚血の早期警告を提供する例示的な例についての、
図1の心血管劣化早期警告システムの組合せ変形を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0015】
図1を参照すると、人間の対象10(病院に入院した入院患者、看護施設の居住者、又は外来患者など)は、患者モニタ12により監視される。これは、表示デバイス又は要素14、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ(図示省略。典型的にはモニタハウジング16内に収容される)、及び複数の生理学的(即ちバイタルサイン)センサ20、22、24を含む。センサは例えば、心電計電極20の例示的なセット、(図では接続されていないが、典型的には対象10の指又は耳たぶ上にクリップされる)パルスオキシメータセンサ22、及び気流センサ24である。例示的な
図1では、気流センサ24は、機械換気、睡眠時無呼吸治療、一般呼吸モニタリングなどに使用されるフルフェイスマスク26に設置される。他の実施形態では、気流センサ24は、鼻マスク又は鼻カニューレなどと併せて設置されてもよい。一般に、患者モニタ12は、複数の典型的な環境の1つにある。例えば、病院の患者室(対象10が入院患者である場合、手術フロア、麻酔後ケアユニット、集中治療ユニットなどの特殊な病院領域であってもよい)、(対象10が看護施設居住者である場合)看護施設の部屋、又は(対象10がEMSコールの対象である場合)救急車若しくは他の緊急対応システム(EMS)車両などである。
【0016】
センサ20、22、24は、リアルタイムに(即ち、連続的に、又は比較的高速のサンプリングレートでサンプリングすることにより)バイタルサインデータを取得する。バイタルサインデータはオプションで、患者モニタ12のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ上で実行されるアルゴリズムにより処理される。例えば、患者モニタ12は、ECG電極20の測定された電圧からECGリードトレースを生成するアルゴリズムを実行し、ECGリードトレースから情報を抽出する。例えば、心拍数及び関連付けられる速度異常の有無(例えば頻脈、徐脈。年齢及び/又は性別に特有な限界を使用する場合がある)、心拍数変動性、QT間隔、様々な不整脈の有無の情報であり、例えば、心房(AFib)、上室性頻脈(SVT)、増加したQT間隔(long QTc)などである。患者モニタ12は、気流センサ24により取得された気流データを処理し、呼吸数及び1回換気量などの情報を抽出するアルゴリズムを実行することができる。別の例として、患者モニタ12は、パルスオキシメータにより取得された末梢プレチスモグラフ波形を処理し、周辺酸素の飽和(SpO2)及び心拍数データを導出するアルゴリズムを実行することができる。
【0017】
バイタルサインセンサ20、22、24は、単なる例示であり、血圧カフ、血圧計、又は他の血圧センサなどの追加的な又は他のバイタルサインセンサが想定される。患者モニタ12は、血圧データ(date)を処理し、収縮期血圧及び拡張期血圧を抽出することができる。ここでも年齢及び/又は性別に特有な高血圧又は低血圧の限界が規定される。更に、例示的なマスク26が機械的換気システムの一部である(即ち、患者10が機械的に換気される)場合、前述の呼吸数及び1回換気量に加えて他の人工呼吸器データが、利用可能であり、患者モニタ12に適切に入力されることができる。
【0018】
図2及び
図3を簡単に参照すると、人口統計学的データのバイタルサインへの影響が示される。
図2は、年齢及びフィットネスレベルにより更に分類された、男性及び女性の安静時心拍数表を示す。
図3は、年齢の関数として、収縮期血圧及び拡張期血圧(最大値、平均値及び最小値)をプロットした図である。
【0019】
再び
図1を参照すると、患者モニタ12は、臨床検査などにより取得された患者の生理学的データを受信及び記憶することもできる。例えば、酸素分圧(PaO2)及び/又は二酸化炭素分圧(PaCO2)などの情報を提供する血液ガス分析検査結果が受信されることができる。別の考えられる検査結果は、血液中のトロポニンレベルである。斯かるデータは、例えばディスプレイ14上の物理的キーパッド30又はソフトキー32を使用して、患者モニタ12に手動で入力されることができる(ディスプレイ14がタッチセンシティブディスプレイである場合、ソフトキー32が実現可能である)。一実施形態では、呼吸数は、例えば、看護師が視覚的に呼吸数を評価することにより手動で決定され、手動で決定された呼吸数は、入力30、32を使用して患者モニタ12に入力される。人口統計学的データ(例えば、年齢、性別)、病歴、手術前後状況データなどの他の患者データが、同様に患者モニタ12に提供されてもよい。斯かる情報は、患者モニタ12のユーザインターフェース30、32を介して手動で入力されるのではなく、患者モニタ12が患者記録ストレージ及び通信インフラストラクチャ34、36に接続される場合、病院データネットワーク又は他の電子データネットワーク36を介して、電子健康記録(EHR)、電子医療記録(EMR)など34から患者モニタ12に入力されることができる。
【0020】
例示的な患者モニタ12は、患者モニタ12のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラにより適切に実行される機能ブロックにより
図1に図式的に示される心血管劣化早期警告スコアリング(cEWS)(サブ)システム40を更に含む。例示的なcEWSシステム40は、ECG由来のデータ、パルスオキシメータ22からの心拍数、血圧データなどの心血管パラメータ42の患者値(即ち、場合によっては処理されたバイタルサイン読み取り値又はセンサ値)を入力として受信する。斯かるパラメータ(又は少なくともそれらのサブセット)は、心血管の劣化を評価することに関連するものとして容易に認識される。更に、cEWSシステム40は、呼吸数、1回換気量などの少なくとも1つの呼吸パラメータ44を受信する。例示的なcEWSシステム40は、パルスオキシメータ22からのSp02、又は血液ガス分析からのPaO2及び/若しくはPaCO2値などの少なくとも1つのガス交換パラメータ46を受信する。本書では、これらの追加的なパラメータ44、46は、心血管系を直接的に特徴づけていないが、心血管系の劣化を評価する上で有益であると理解される。なぜなら、呼吸及びガス交換システムは、心血管系と共に統合心肺システムを形成する肺系を特徴付けるからである。
【0021】
cEWSシステム40は、関心のある心血管劣化の各タイプに対して1つの、複数の心血管劣化分類器(即ち、推論エンジン)50を含む。例示的なcEWSシステム40は、心筋虚血分類器52、左心室肥大分類器54、収縮期心不全分類器56、及び拡張期心不全分類器58を含む。これらは単なる例示であり、心臓弁の劣化、低心拍出量、心臓動脈狭窄などの他のタイプの心血管劣化を検出するよう訓練された分類器が、追加的又は代替的に想定される。各分類器52、54、56、58は例えば、ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、非線形回帰モデル(例えば、ロジスティック又は多項式回帰)、又は他のタイプの分類器とすることができる。分類器52、54、56、58は一般に、異なるタイプのものであってもよい点を理解されたい。
【0022】
一般に、各分類器52、54、56、58は、N個の過去(訓練)患者を含むラベル付けされたデータセット
を用いて訓練され、各訓練患者iは、患者データ(例えば、バイタルサイン、人口統計データ、患者履歴データ)のベクトル
及びラベルyiにより表される。訓練患者データベクトル
の要素は、分類器訓練分野における一般的な使用法に基づき、本明細書では「特徴」と呼ばれる。ラベルyiは、訓練患者iが、分類器が訓練される心臓の劣化と診断されたかどうかを表す。例えば、虚血分類器52を訓練するとき、ラベルyiは、訓練患者iが心臓虚血と診断されたかどうかを示すバイナリ値とすることができる。代替的に、ラベルは、より情報的であってもよい。例えば、虚血分類器52を訓練するためのラベルyiは、0と5との間の範囲の整数値とすることができ、ここで、値0は、訓練患者が検出可能な心臓虚血と診断されなかったことを示し、値5は、訓練患者が最も重篤度の高い虚血と診断されたことを示し、値1から4は、中程度の重症度の訓練患者の虚血を示す。例えば[0,1]の範囲における連続出力も想定される。ここで、0は虚血が検出されないことを示し、1は最も重度の虚血を示す。分類器は、入力訓練患者データセット
に対する出力(即ち、「予測」
)と対応する実際の(事前に知られている)ラベルyiとの間の誤差メトリックを最小にするよう訓練される。例えば、
の形式の単純な最小二乗誤差が使用されることができる。訓練された分類器は、異なる分類器52、54、56、58のそれぞれに対して一般に異なるフォーマット(バイナリ、マルチレベルなど)で予測
を出力する。
【0023】
訓練された分類器52、54、56、58は、訓練患者の1人ではなく、心臓劣化の状態(もしあれば)が先験的に知られていない患者10に適用される。分類器52、54、56、58を患者10に適用するとき、患者データ42、44、46は、訓練患者データベクトル
と同じ態様で定式化される。ベクトル
のフォーマット及び/又は内容は、各異なる分類器52、54、56、58に対して異なってよい点に留意されたい。例えば、いくつかの訓練アプローチは、特徴低減操作を使用するか、又は訓練中の心臓劣化のモードに関連するとは予想されないいくつかの特徴が省略されることができる。その結果、その分類器に対するベクトル
は、利用可能な患者データ42、44、46の何らかのサブセットである。各タイプ特有の分類器52、54、56、58の出力は、対象10がそのタイプの心臓劣化を持つかどうかの予測値
であるか、又は出力がマルチレベル又は連続である場合、予測値
は、対象10におけるそのタイプの心臓の劣化の重症度のレベルを包含する。予測
は、ラベルyiと異なるフォーマットを持つことができる点に留意されたい。例えば、ラベルは、バイナリ値(0=このタイプの心臓の劣化と診断されなかった患者;1=そのように診断された患者)とすることができるが、予測値
は、[0,1]の範囲の連続値であってもよい。範囲[0,1]における連続値予測は、有利には確率として解釈され、例えば、0〜100%の範囲のパーセンテージとして表現される。
【0024】
いくつかの実施形態では、予測出力は、ER、EMS、又は他の医療提供者により使用される臨床ガイドラインに結び付けられ得る。例えば、EMSコール環境において、心筋虚血スコアが十分に高い場合、出力は、(可能性のある虚血状態を同定することに加えて)虚血を治療するための臨床ガイドラインにおいて要求される虚血治療を提示することができる。
【0025】
分類器52、54、56、58は、現在の患者の人口統計をより正確に反映するため、時には再訓練されることができることが想定される。
【0026】
関心のある心臓の劣化のタイプごとに1つの、複数の分類器52、54、56、58のcEWSシステム40での使用は、幾分相互に関連しているが、種々のタイプの心臓劣化が、異なる特徴を持つことを認識する。その結果、単一の分類器が有効である可能性は低い。分類器52、54、56、58のセット出力予測
は、1つ又は複数の心血管早期警告スコア60として様々に組み合わせられ、かつ/又は提示されてもよい。1つのアプローチでは、最も高い(即ち最も深刻な)予測(スコア)のみが提示され、その最も高い予測がある閾値よりも高い場合にのみ、提示される。このアプローチは、医療従事者がトリアージ状況に対処しており、最も重篤な状態のみを認識する必要がある、救急室(ER)又は緊急医療サービス(EMS)コールなどの環境において特に有利である。トリアージ状況にも適した変形アプローチでは、各分類器スコアが、その値(即ち、重症度)が何らかの(可能性としてはタイプ固有の)閾値より大きい場合にのみ、個別に提示される。救急医療従事者により処理される必要がある情報を減らすため、スコアに基づき、例えば「高い」又は「普通」の値のようないくつかの離散的な態様で予測(スコア)を提示することが更に考えられる。他の容易に知覚されるフォーマット、例えば各予測を(例えば)実行中のスライダ又はスケールとして表示することが想定される。ここで、下端ラベルは、そのタイプの心臓劣化の可能性がないことを示し、上端ラベルは、そのタイプの心臓劣化の可能性が高いことを示す。カラーコードが使用されることもできる。例えば、赤色で高いスコア、黄色で中程度のスコア、及び緑色で低いスコアが表示される。スコアは、患者モニタ12のディスプレイ14に適切に表示されるが、非常に高いスコアの場合の可聴アラームのような他の出力も想定される。緊急でない状況に適した実施形態では、全てのcEWS値を例えばパーセント確率又は他の数値として提示することが考えられる。より一般的には、cEWS値は、救急車又は他の移動緊急対応環境、病院のベッドサイド、ナースステーションなどで、連続的な監視に使用され、例えばリアルタイムに更新されるトレンドライン、数値として表示されることができる。
【0027】
図1に概略的に示されるcEWSシステム40は、経験的に訓練された推論エンジン52、54、56、58に依存し、様々なタイプの心臓の劣化の予測(即ち早期警告スコア)を提供するデータ駆動システムである。このアプローチは、種々のタイプの心臓劣化のスコアを提供し、こうして、心臓専門でない医療従事者が初期の心臓劣化の早期評価を行うことが可能にされる。その結果、より詳細な心臓評価が行われることができる。心臓劣化スコアは、医学的診断ではなく、初期トリアージを導くため、及び/又は心血管の劣化の早期発見において医師を助けるため、身体検査、様々な臨床検査結果などの他の情報とともに医師により考慮される早期警告インジケータである点に留意されたい。一般には、患者10に実際に存在する心臓の劣化の診断を得るため、より詳細な心臓評価が、cEWSシステム40により提供される早期警告により引き起こされると予想される。
【0028】
図1のcEWSシステム40の1つの可能な難点は、純粋に経験的なシステムとして、その動作が、例えば医師が一般に信頼するヒューリスティックな診断規則ほど透明ではない点にある。経験的アプローチはまた、基礎をなす生理学と相関することが困難であり得る。これは特定の困難を招く可能性がある。ヒューリスティックな診断規則及び基礎となる生理学との容易で明らかな相関の欠如は、医療従事者が、cEWSシステム40により生成される早期警告スコアに頼るのを妨げることをもたらす場合がある。また、既存のヒューリスティック診断規則又は第1原理生理学的分析でcEWSシステム40を置き換えるには欠点があるかもしれない。例えば、推論エンジンは、訓練データセットが小さすぎる場合、過度のランダムエラーに苦しむ可能性があり、又は例えば、特定のタイプの注釈付きラベルyiに取り込まれるそのタイプの心臓の劣化を過剰診断する(又は過小診断する)体系的素因がある場合といった、訓練データに体系的な欠陥がある場合、体系的な誤差に苦しむ可能性がある。経験的な訓練はまた、偽の相関を捕捉する可能性もある。
【0029】
図4を参照すると、これらの困難は、心血管劣化タイプ特有分類器52、54、56、58の変形実施形態で対処される。例示的な
図4では、
図1の心筋虚血分類器52の変形実施形態152が、記載される。しかしながら、
図4を参照して本書で説明される心筋虚血分類器52への拡張は、他の心血管劣化タイプ特有分類器54、56、58のいずれにも容易に適用される。
図4に示されるように、変形心筋虚血分類器152は、心筋虚血分類器52を要素として組み込み、この要素(
図1に示される)は、心血管パラメータ42、少なくとも1つの呼吸パラメータ44、及びオプションで1つのガス交換パラメータ46を入力として受信する。心臓虚血分類器152は更に、2つの追加の心臓虚血検出要素を組み込み、それは体系化された規則ベースの心臓虚血検出器160と、心臓虚血の生理学及び進行を数学的にモデル化する生理学的モデル要素162とである。スコア結合器164は、心筋虚血検出器52、160、162の出力を、例えばそれらの出力の加重和を用いて組み合わせ、心筋虚血検出器としてそれ自体を出力することができる虚血スコア166を生成するか、又は経験的心筋虚血分類器52の出力の代わりに、
図1のcEWSシステム40において採用されることができる(言い換えると、
図4の修正された虚血検出器152が、
図1の虚血識別器52の代わりに用いられることができる)。
【0030】
図4のアプローチでは、規則ベースの虚血検出器160は、よく知られた要素を医師に提供する。さまざまなヒューリスティック規則が、異なる心臓病学者、異なる病院などにより採用される。特定の心臓病専門医により使用される規則は、心血管リスクの評価に関する2013 ACC/AHAガイドライン:a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines(http://circ.ahajourrials.org/content/early/2013/11/11/01.cir.0000437741.48606.98)で公布された規則のような標準的な規則のセットであってもよい。他方、所与の心臓病専門医又は病院は、標準規則の変形を採用することができるか、又は異なる権限により公布された標準的な規則セットを採用することを好む場合がある。斯かる個人及び/又は施設の好みに対応するため、及びどの規則が使用されているかに関して心臓専門医を安心させるため、例示的な規則ベースの虚血検出器160は、規則選択グラフィカルユーザインタフェース(GUI)168を含み、このインタフェースを介して、(例えば、2013年のACC/AHA 2013ガイドライン、ACC/AHAガイドラインの以前の版、及び/又は別の心血管疾患管理者により公布されたガイドライン)のうちの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の標準規則セットから、ユーザが選択することができる。GUI168は、表示デバイス又は要素14及びユーザ入力デバイス30、32を使用して、GUI168を実現するようプログラムされた患者モニタ12のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラにより適切に実現される。
【0031】
図4の心筋虚血検出器の1つの例示的な実施形態では、入力42、44、46のセットは、トロポニンレベル、血圧、病歴、性別、年齢、及び体格指数(BMI)などの他の人口統計学的情報を含む。オプションで、虚血を検出するための最も有力な特徴を識別するのに、回帰型モデルを使用する自動特徴選択アルゴリズムが使用される。これは、そのフィッティング結果を訓練データと比較する。フィットの品質を判断するのに、相関係数又は変動係数などのフィットメトリックが使用されることができる。次に、最良適合モデルに含まれる特徴が、以下に説明される3つの虚血検出器要素52、160、162に対する特徴又はガイドとして機能する。
【0032】
虚血分類器52は、
図1を参照して既に説明したが、データ駆動型要素である。データに基づかれるアルゴリズムは例えば、虚血検出のためのデータマイニング、機械学習、又は統計的相関タイプモデルとすることができる。斯かるアルゴリズムの例は、ニューラルネットワーク又はロジスティック回帰分類器を含む。
【0033】
規則ベースの虚血検出器160は、虚血検出を行う際に医師により使用されるヒューリスティック規則のコード化である。ファジー推論エンジンを使用して規則がコード化されることができる。そこでは、ヒューリスティック規則が、数学的定式に変換され、鮮明なフィーチャが選択される。規則ベースの虚血検出器160を介して実現されることができるいくつかの適切な規則は、前述の2013ACC/AHAガイドライン、及び/又はAHA/ACCF/HRS Recommendations for the Standardization and Interpretation of the Electrocardiogram Part VI: Acute Ischemia/Infarction (Circulation. 2009; 119:e262−e27)を含む。心血管の劣化の典型的なガイドラインでは、ガイドラインは、心血管パラメータに依存するが、典型的には呼吸又はガス交換パラメータには依存しない。従って、例示的な規則ベースの虚血検出器160は、心血管パラメータ42を入力として受信するが、少なくとも1つの呼吸パラメータ44及び少なくとも1つのガス交換パラメータ46を受信しない(しかしながら、規則ベースの虚血検出器が、呼吸及び/又はガス交換パラメータに対して追加的に動作する規則を採用することも考えられる)。
【0034】
生理学的モデル要素162は、心筋の虚血性劣化を明瞭に表す静的(代数)及び/又は動的(微分)方程式を含む。この知識は、心筋虚血の病態生理学的理解から得られる。知識は、数学的に表現される。心血管劣化の典型的な生理学的モデルは、心血管パラメータに依存するが、典型的には、呼吸又はガス交換パラメータには依存しない。従って、例示的な生理学的モデルベースの検出器162は、心血管パラメータ42を入力として受信するが、少なくとも1つの呼吸パラメータ44及び少なくとも1つのガス交換パラメータ46を受信しない(しかしながら、生理学的モデルベースの検出器が、呼吸及び/又はガス交換パラメータに対して追加的に動作する規則を採用することも考えられる)。
【0035】
3つの検出器52、160、162の出力は、患者データ記録が提示/更新されるたびに更新される。各検出器52、160、162は、虚血の開始を推定する評価(即ちスコア)を出力する。3つの出力は、次いで、虚血スコア値166を生成するため、スコア結合器164を介して集計される。いくつかの実施形態では、スコア結合器164は、[0%,100%]の範囲の虚血スコア166を生成するために入力及び出力を正規化する。そこでは、0%のスコアは、心臓虚血の推定尤度/重症度が最も低いことを示し、100%は、心臓虚血の尤度/重症度が最も高いことを示す。虚血スコア166は一般に、心拍数、呼吸数、一回換気量、血圧などのパラメータがセンサ20、22、24の読取り値により更新されるとき、及び/又は血液ガス分析結果といった他の入力がシステムに入力されるとき、時間にわたり進展することができる。
【0036】
個別の検出器52、160、162により出力されるスコアの重みは、出力166と心臓虚血に関連する注釈付きラベルyiとの間の適合を最適化することにより、訓練段階中に適切に決定(又は微調整)される。スコア結合器164は、虚血検出器52、160、162の出力の簡単な加重平均又は加重和を用いることができる。他の実施形態では、スコア結合器164は、虚血検出の単一値166を提供するため、線形判別分析(LDA)などのより高度な技術を使用して重み付き集計を実行する。
【0037】
既に述べたように、出力166は、このcEWSシステム40の虚血分類器52の出力の代わりに、
図1のcEWSシステム40のコンテキストで使用されることができる。他の実施形態では、
図4のシステムは、スタンドアロン心筋虚血検出器として動作し、検出された虚血重症度のレベルは、(例えば、集計されたスコア166が特定の閾値を上回る場合に起こりうる心臓虚血を示す)バイナリ値として表示される、又は2つ以上のレベルのうちの1つに量子化される(マルチレベルの離散化された出力)ことができる。例えば、「交通信号」として表現され、緑色が虚血尤度/重症度が低いことを示し、黄色が中程度の虚血尤度/重症度を示し、及び赤色が虚血性尤度/重症度が高いことを示す。追加的又は代替的に、虚血スコア166は、数値(リアルタイムに更新される)として、又はトレンドラインとして提示されることができる。
【0038】
集計スコア166は、個別の虚血検出器要素52、160、162の個々の出力よりも正確であると予想されるが、例えば上述のバイナリ、色分けされた、数字の、及び/又はトレンドラインの表現の1つを用いて、虚血検出器要素52、160、162の出力を表示することも考えられる。
【0039】
例示的な
図4は、経験的虚血分類器52、規則ベースの虚血検出器160、及び生理学的モデルベースの検出器162を組み合わせているが、代わりに、これらの要素52、160、162のうちの2つのみを含むことも考えられる。例えば、生理学的モデルベースの検出器162は、オプションで省略される。更に、既に言及したように、規則ベースの検出器要素及び/又は生理学的モデルベースの検出器要素を更に組み込むため、他の例示的な心血管劣化モダリティ分類器54、56、58のいずれかが同様に修正されることができる点を理解されたい。
【0040】
開示された心血管劣化早期警戒システムcEWSシステム40及び/又は分類器52、54、56、58、152又はスタンドアローンモダリティ検出器152は、非一時的記憶媒体として実現されることもできる点を理解されたい。これは、開示された心血管劣化検出処理を実行するため、患者モニタ12のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラ、又は別の電子データ処理デバイスにより読み出し及び実行可能な命令を記憶する。斯かる非一時的記憶媒体は、例として、ハードディスクドライブ若しくは他の磁気記憶媒体;光ディスク若しくは他の光記憶媒体;リードオンリメモリ(ROM)、電子的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)、フラッシュメモリ若しくは他の電子的記憶媒体、又はそれらの様々な組合せ等を含むことができる。
【0041】
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。本発明は、添付の特許請求の範囲又はその等価の範囲内に入る限りにおいて、斯かる修正及び変更の全てを含むものとして解釈されることが意図される。